JP2007139273A - 金属ライナー - Google Patents

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Abstract

【課題】焼却炉内の耐火物を被覆できて、耐火物への異物付着や散水による耐火物破損を防止でき、しかも経済性に優れた金属ライナーを提供する。
【解決手段】焼却炉10の耐火レンガ12の表面に沿う形状に形成されたライナー本体21から背面側へ複数本の支持棒22を突出させる。ライナー本体21は、易溶接鋼からなる母材の表面に耐熱鋼を肉盛溶接したクラッド鋼板からなる。熱膨張による変形を許容するために、支持棒22は、焼却炉10の耐火レンガ12内に埋設されたガイド管27内を貫通して炉外に突出し、突出端部が焼却炉10の鉄皮11にスプリング25を介して弾性的に固定される。
【選択図】図3

Description

本発明は、下水汚泥焼却炉、廃油焼却炉、ごみ焼却炉等の各種焼却炉における内面保護に使用される金属ライナーに関する。
下水処理場では、活性汚泥を用いた生物処理が行われ、処理水は放流されるが、生物処理に伴って発生した汚泥は、生物処理に再使用される以外は、含水率が99%程度の余剰汚泥として系外へ引き抜かれる。引き抜かれた余剰汚泥は、機械的に含水率95%程度まで濃縮された後、更に機械的に含水率80%程度まで脱水されて脱水ケーキとなる。
こうして得られた脱水ケーキは、乾燥処理により含水率を30〜40%程度まで減少させられ、成形の後にコークス等の燃料などと共に焼却炉に投入され、高温(1200〜1500℃)で溶融される。溶融前の乾燥処理には焼却炉の排ガス系での回収熱が利用される。ちなみに下水とは、家庭で排出される排水、水洗トイレの排水、事業所やオフィス、工場等における排水、その他の各種施設から生じる全ての排水を総称したものである。
ここに使用される下水汚泥焼却炉では、コークスがベッド層を形成し、火格子としての役目と燃料としての役目と還元剤としての役目を果しており、炉底部に投入された成形汚泥のうちの可燃分、水分、低沸点金属類は瞬時に蒸発し、炉の二次燃焼域で酸化燃焼する。スラグ成分となる不燃分は高温で溶融され、ベッド層の隙間を還元処理されながら流出し、排出されてスラグとなる。
排出されたスラグは、溶融処理されているために、有害な有機性の物質は分解されており、重金属等は安定に固定されて封じ込められている。このようなスラグは路床材、盛土材、舗道用レンガ、植木鉢、焼成タイル、各種コンクリート製品として再生され利用される。
このような下水汚泥焼却炉は、外部が鋼板からなる円筒状の外皮で構成されており、炉内は汚泥の高温焼却、溶融を行うために、排ガス煙道内を含め内面全体が耐火レンガやキャスタブルといった耐火物でライニングされている。操業温度は炉の加熱帯における還元域では約1350〜1700℃、その上部に位置する酸化域では約1200〜1300℃であり、炉頂部では約700〜1000℃となる。
操業では、汚泥の溶融に伴って炉内部及び排ガス系の耐火物表面に多量のクリンカ及びダストが付着し、排ガス通路を閉塞させるほどになる。炉内の溶解帯部に関しては耐火物の使用は不可欠であるが、ガス温度が1000℃以下の帯域ではクリンカ及びダストの付着が激しく、炉頂部より下流側の排ガス系では耐火物を施工しない方が操業効率を高めることができる。しかし700〜1000℃で長期間にわたって酸化や高温変形、高温ガス腐食に耐え得る耐火物以外の安価な材料は存在していない。ニッケル合金やコバルト合金は市販されているが、高価であり、大面積を被覆する場合は採算が合わない。
このようなことから、下水汚泥焼却炉の炉頂部からサイクロンに至る煙道でも、炉内と同様に耐火物がライニングされており、このためクリンカ及びダストの付着が著しく、これらの除去を頻繁に行う必要がある。しかし、この除去作業では、点検口を開放して炉内及び煙道を大気冷却した後、炉内に足場を組み、中に人が入り、削岩機等を使用して除去作業を行う。除去作業が終了すると、足場を撤去し、操業再開となる。一連の作業は夜を徹して行われ、設備冷却に2日間、クリンカ及びダストの除去作業に4〜5日間を要し、全体で1週間ほどの操業中断を余儀なくされる。このような除去作業が頻繁に必要になると、これによる操業効率の低下が大きな問題となる。
これとは別に、下水汚泥焼却炉では、処理量を増加させるために炉内温度が上がる傾向がある。クリンカ及びダストの除去作業に伴う効率低下を取り戻すためにも、炉内温度を上げ処理量を増加する傾向が強い。炉内温度を上げた場合は、排ガス系の保護、排ガス系における各種設備ごとの温度条件に関しての法的規制を遵守する必要から、炉頂部付近で排ガス冷却のための散水を行うことがある。この炉頂部付近での散水は、排ガス温度低下の点からは有効である。しかし、散水位置が耐火物のある位置となるため、散水位置付近で散水によるサーマルショックのために耐火物に亀裂や割れ、崩落などが発生する危険があり、操業中に鉄皮にホットスポットが発生し、極端な場合には鉄皮に貫通孔があき、非常に危険な状態になる。
このようなことから、耐火物表面を金属材料で覆うことが求められているが、前述したとおり、酸化や高温変形、高温ガス腐食に耐え得る耐火物以外の安価な材料は存在していないし、仮に存在していてもこれを耐火物内面に固定する方法が存在しなかった。耐火物表面を金属材料で覆うと、クリンカ及びダストが付着し難くなるし、例え付着しても高圧散水により付着物を即座に除去でき、操業停止期間を著しく短縮できる。また、排ガス温度冷却のための散水による耐火物への悪影響を効果的に回避できる。
本発明の目的は、焼却炉内の耐火物を被覆できて、耐火物への異物付着や散水による耐火物破損を防止でき、しかも経済性に優れた金属ライナーを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の金属ライナーは、内面を耐火物でライニングされた焼却炉の耐火物表面に装着される金属ライナーであって、耐火物表面に沿う形状に形成されており、且つ易溶接鋼からなる母材の表面に耐熱鋼を肉盛溶接したクラッド鋼板からなる金属製のライナー本体と、ライナー本体を耐火物表面に取り付けるべくライナー本体から外側へ突出して耐火物を貫通し、先端部が焼却炉に固定される1本又は複数本の支持棒とを具備している。
本発明の金属ライナーによれば、ライナー本体の裏面から突出する支持棒により、焼却炉の内面を被覆する耐火物の表面がライナー本体、すなわち金属板でライニングされる。この金属板は、易溶接鋼からなる母材の表面に耐熱鋼を肉盛溶接したクラッド鋼板であるため、表面はニッケル合金等に比べて安価であり、ニッケル合金等と同等の耐熱性を示す。一方、裏面は支持棒との接続が容易である。そして、このクラッド鋼板の肉盛金属で耐火物の表面が覆われることにより、クリンカ及びダストの付着が抑制される。また、付着した異物は高圧散水により簡単に除去することが可能となる。そして更に重要なことは、このライナー本体を溶接で相互に接続せず、支持棒により個別で炉体に取付けることである。これにより、ライナー本体は炉内の高温雰囲気下での熱膨張や散水によるサーマルショックを自ら吸収でき、裏面側の耐火物の確実な保護が可能になる。
金属製のライナー本体は散水により変形を生じるので、この変形をライナー毎に逃がすことが重要となる。ライナー本体を複数本の支持棒で支持する場合は、各支持棒を焼却炉の外でバネにより引っ張って鉄皮に弾性的に固定するのがよい。その場合、耐火物内の支持棒の動きを保証する必要がある。さもなければ支持棒の変形により耐火物がダメージを受ける。このために、支持棒は耐火物内に埋設されたガイド管に通すのがよい。そうすると支持棒の変形に伴う耐火物の損傷を防止できる。
ライナー本体を1本の支持棒で支持するならば、その1本の支持棒を焼却炉の鉄皮に溶接固定しても、ライナー本体の熱変形を周囲へ効果的に逃がすことができる。そして、1本の支持棒を焼却炉の鉄皮に溶接固定するならば、その取付け構造は簡単となる。
ライナー本体の形状については、耐火物内面を隙間なく覆うために四角形が好ましい。多角形でもよいが、ハニカム形状に組合せが可能な六角形が合理的である。多角形のライナー本体は、四角形のライナー本体に比べて、後述するコーナー部の反り変形が発生し難い利点がある。
次にライナー本体を構成するクラッド鋼板について説明する。このクラッド鋼板としては、母材鋼板の表面に重量比でC:0.5〜3.0%、Si:3.0〜7.0%、Mn:0〜10%、Cr:25〜45%、Ni:0〜13%を含み、Cr≧−1.6Si+37を満足する鉄基金属を肉盛溶接したものが好ましい。このクラッド鋼板は、本出願人により先に出願され特許取得されたものであり(特許第3343576号)、600℃以上の高温でも優れた耐酸化性、耐ガス腐食性、耐磨耗性及び耐付着性を示し、焼却炉におけるライナー本体として好適である。
ここにおける母材鋼板としては、使用温度が600〜1000℃の温度範囲ではSUS310Sが適当であるが、使用温度範囲が400〜600℃の場合はSUS304、SUS316、SUS316L、軟鋼等が適当である。肉盛金属については、主に耐磨耗性を改善するためにNb:8%以下、Ta:8%以下、Ti:8%以下、Zr:8%以下、B:5%以下、V:8%以下、W:10%以下、Mo:10%以下の1種又は2種以上を含むことが可能である。また、主に高温耐酸化性を改善するためにAl:3%以下、N:0.5%以下、Ce及びY等のレアアースメタル:合計量で0.5%以下の1種又は2種以上を含むことが可能である。
このクラッド鋼板における肉盛溶接金属は、マトリックス中に析出する短繊維状の微細針状炭化物により強化されるために安価な鉄基であるにもかかわらず、高価なコバルト基合金やニッケル基合金に匹敵するほどの高温耐磨耗性、高温耐酸化性、高温耐ガス性、耐付着性等を示す。加えて、この肉盛溶接金属は、短繊維状の微細針状クロム炭化物をマトリックス表面に多量に析出していることにより、高温のクリンカが付着したとしても、マトリックスの物理的特性とクロム炭化物の物理的特性が非常に異なることから、付着後の冷却過程で両者の膨張係数等の相違により、自然発生的にクリンカの剥離が促進される。すなわち、異物除去性に優れる。
これに加え、この肉盛溶接金属は、金属表面に析出したシリカやクロム酸化薄膜がクリンカー側に移転して皮膜ごと除去されている傾向が認められる。参考までに言えば、クロム炭化物の物理的性質は融点が1550〜1895℃、熱膨張係数が11.7×10-6/℃、硬度がHv1300以上であり、クロム炭化物単体では非常に脆い性質を示す。
このようなクラッド鋼板からなるライナー本体は、各種焼却炉内の耐火物崩落防止及びクリンカ付着防止用金属ライナーとして耐火物の表面上に施工されるが、炉内への搬入、炉内での取り扱いなどの使用性を考慮すると、寸法は400mm角、25mm厚以下が好ましく、350mm角、25mm厚以下が特に好ましい。
操業中の炉内では、最高1000℃程度の高温加熱を受け、しかも散水で急速冷却される場合があるために、ライナー本体は激しいサーマルショックを受ける。従って、ライナー同士を溶接接合して使用すれば、ライナー本体自体に割れや剥離が発生する。適当な寸法をもつライナーを個別に炉体に取り付ける意義がここにある。多数のライナーを単独で炉体に取り付けるが、隣接するライナー本体の間には、温度上昇で膨張する寸法を予め計算しておき、その寸法を吸収できる隙間が必要である。したがって、この隙間を考慮したライナー本体の寸法が必要となる。施工時に隙間があっても操業中は加熱でライナー本体が膨張しているので、その隙間は実質的に解消し、隙間からの耐火物の脱落の危険はない。例え僅かの隙間から水分が侵入して耐火物に亀裂が発生しても、大部分がライナー本体で覆われているので、脱落の危険性はない。
本発明の金属ライナーは、クラッド鋼板からなるライナー本体を単独で耐火物表面に装着し、その表面を覆う構造としたので、その耐火物を金属板で被覆でき、異物付着を効果的に抑制できる。異物付着を抑制できるので、異物除去のための操業停止回数を低減できる。仮に異物が付着しても、耐火物表面と異なり、散水によりその異物を簡単に除去でき、この点からも1回あたりの操業停止期間も短縮できる。更に、耐火物を散水から保護し、散水による耐火物の破損を効果的に防止できる。しかも、このライナーはライナー本体にクラッド鋼板を使用しているので安価で経済性に優れる。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態を示す金属ライナーの使用状態を示す斜視図、図2は同金属ライナーの取付け状態を示す図1中のA−A線断面矢示図、図3は同金属ライナーと散水ノズルとの一関係を示す図1中のB−B線断面矢示図、図4は同金属ライナーにおける支持棒の取付け構造を示す断面図である。
第1実施形態の金属ライナーは、図1に示すように、下水汚泥焼却炉10の内面にライニングされており、より詳しくは、炉頂部近傍における排ガス冷却のための散水部近傍に施工されている。下水汚泥焼却炉10は、図2及び図3に示すように、水平方向で湾曲した鉄皮11の内面に耐火物として耐火レンガ12をライニングした構造になっており、且つ、炉内の排ガスを冷却するために鉄皮11及び耐火レンガ12を貫通して散水ノズル13を炉内に挿入した構造になっている。
本金属ライナー20は、下水汚泥焼却炉10の炉頂部近傍における散水部付近に設けられている。このライナー20は、耐火レンガ12の内面に沿って湾曲した板状で四角形のライナー本体21と、これを炉体に固定するための複数本の支持棒22とを備えている。ライナー本体21は、SUS系等の易溶接鋼からなる母材鋼板21aの表面に高温耐磨耗性、高温耐酸化性、高温耐ガス性、耐付着性等に優れた鉄基金属からなる肉盛金属層21bを被覆したクラッド鋼板であり、熱膨張を吸収可能な所定の隙間をあけて耐火レンガ12の表面の必要領域に配列されている。前記散水ノズル13は、耐火レンガ12及びライナー本体21を貫通して炉内に臨んでいる。
金属ライナー20の支持棒22は、ここではライナー本体21の四隅部にそれぞれ取付けられており、四隅部から裏面側へ直角に延出している。各支持棒22は、図4に示すように、ライナー本体21の母材鋼板21aと同様の材質からなる皿頭ボルトをライナー本体21の母材鋼板21aにあけた皿孔に表面側から通して、その頭部近傍を母材鋼板21aの皿孔周囲に溶接することにより、母材鋼板21aに直角に固定されており、その頭部に、ライナー本体21と同様に、高温耐磨耗性、高温耐酸化性、高温耐ガス性、耐付着性等に優れた鉄基金属からなる肉盛金属層23を被覆されている。
ライナー本体21の四隅部から延びる4本の支持棒22は、炉壁の耐火レンガ12及び鉄皮11を貫通して端部が鉄皮11の外に突出しており、その突出端部にワッシャ24,スプリング25及びワッシャ24を介してナット26をねじ込むことにより、金属ライナー20は炉壁に弾性的に取付けられている。より詳しく説明すると、4本の支持棒22をスプリング25の反力で炉外側へ押圧することにより、ライナー本体21は耐火レンガ12の内面に弾性的に密着保持されている。ライナー本体21の熱変形及び支持棒22の熱変形に影響されずに支持棒22が動くように、支持棒22は耐火レンガ12内に埋設されたガイド管27を貫通している。支持棒22の動きを阻害しないために、ガイド管27の内径は支持棒22の外径より十分に大きく設定されている。ガイド管27の基端部にはワッシャ28が取付けられており、これを外皮11に溶接することにより、ガイド管27は耐熱レンガ12内に固定されている。
第1実施形態の金属ライナー20の機能は次のとおりである。
焼却炉内での成形汚泥の溶融焼却のために炉内が高温に加熱される。金属ライナー20のライナー本体21が熱膨張により拡大するが、隣接するライナー本体21の間に適切な隙間が設けられている。また、ライナー本体21の拡大に伴って支持棒22は傾斜する。しかし、これらはスプリング25により弾性的に支持されている。このために、金属ライナー20に熱膨張による破損は生じない。ガイド管27内に挿入された支持棒22は、管内を自由に動き、自らの破損を防止するだげでなく、支持棒22の熱変形による耐火レンガ12の損傷を防止する。
炉頂部以降の排ガス系における温度降下のために、炉頂部の散水ノズル13から炉内に散水が行われる。散水部位では散水により金属ライナー20が局部冷却されるので、加熱部と冷却部との間に大きな温度差が生じ、熱応力を発生しやすい過酷な環境となる。しかし、ここでも金属ライナー20がスプリング25により弾性的に支持され、熱変形を吸収できるので、熱応力による損傷を免れることができる。金属ライナー20に遮蔽保護される耐火レンガ12のサーマルショックによ損傷が防止されることは言うまでもない。
このように、第1実施形態の金属ライナー20は実質的に無拘束であり、自由変形を許容する構造であるので、耐火レンガ12を効果的に保護し、合わせて自らの損傷を回避する。しかも、金属ライナー20の耐熱性も優れる。これは、ライナー本体21がクラッド鋼板であり、表面に高温耐磨耗性、高温耐酸化性、高温耐ガス性、耐付着性等に優れた鉄基金属からなる肉盛金属層21bが被覆されているからである。
ガイド管27は、耐火レンガ12内に埋設されているので、熱影響が少ない。ガイド管27の熱損傷が問題になる場合は、図4に示すように、炉内側の端部にフランジ29を溶接により取付け厚肉にすればよい。他の部分は炉内から離れ、耐火レンガ12中に深く挿入されているので、特に厚肉とする必要はない。
機械的強度の観点から金属ライナー20の寸法を例示すると次のとおりである。ライナー本体21の寸法を後述する500mm×500mmとした場合、支持棒22の直径は28〜40mmが好ましい。また、支持棒22の熱変形等を考慮すると、支持棒22の外径が30mmの場合でガイド管27の内径は42mm以上が望ましい。ガイド管27の厚みは6mm以上が好ましい。
図5は本発明の第2実施形態を示す金属ライナーの主要分の縦断面図である。第2実施形態の金属ライナー30は、第1実施形態の金属ライナー20に比べて支持棒32の構造が相違する。
第2実施形態の金属ライナー30では、支持棒32は、ライナー本体31の中央部に1本取付けられている。詳しく説明すると、ライナー本体31は前記ライナー本体21と同じ母材鋼板31aと肉盛金属層31bからなるクラッド鋼板であり、支持棒32は、クラッド鋼板の母材鋼板31aの貫通孔に溶接されている。そして、支持棒32の先端面にクラッド鋼板と同様に高温耐磨耗性、高温耐酸化性、高温耐ガス性、耐付着性等に優れた鉄基金属からなる肉盛金属層33が被覆されている。
支持棒32は、炉体の耐火レンガ12及び鉄皮11を貫通し鉄皮11に直接溶接されるか、或いは耐火レンガ12を貫通して鉄皮11の内面に直接溶接されている。
ライナー本体31を1本の支持棒32で支持した場合、ライナー本体31は四方に熱膨張し、支持棒32に外力が付加されない。このため支持棒32を弾性的に支持せず、鉄皮11に固着しても、耐火レンガ12を破損する危険性はない。ただ、支持棒32の炉内側に近い先端部は、熱的影響が大きい。支持棒32はライナー本体31の母材鋼板31aと同様にSUS材等により構成される。先端部の熱影響を回避するために、本実施形態では先端部をリング33及び蓋34で囲み内部に断熱材35を充填する構造が採用されている。
図6は本発明の第3実施形態を示す金属ライナーの主要分の縦断面図である。第3実施形態の金属ライナー30は、第2実施形態の金属ライナー30と同様にライナー本体31の中央部を1本の支持棒32で支持している。第2実施形態の金属ライナー30と相違するのは、その支持棒32が管体である点である。
詳しく説明すると、管状の支持棒32は、先端部が栓体36により閉塞されており、この状態で前記支持棒32と同様にクラッド鋼板からなるライナー本体31の母材鋼板31aの貫通孔に溶接されている。そして、支持棒32の先端面(栓体36)にクラッド鋼板と同様に高温耐磨耗性、高温耐酸化性、高温耐ガス性、耐付着性等に優れた鉄基金属からなる肉盛金属層33が被覆されると共に、先端部がリング33内の断熱材35により保護されている。
管状の支持棒32の特徴的な点は、支持棒32の基端部が栓体37により閉塞されると共に、その支持棒32内に基端部から冷媒導入管38が挿入されており、冷媒導入管38を通して支持棒32内にエアーや水などの冷媒を流通させることにより、支持棒32を強制冷却する点である。なお39は支持棒32の基端部に設けた冷媒排出管である。
第2実施形態の金属ライナー30を使用しても、第3実施形態の金属ライナー30を使用しても、クラッド鋼板からなるライナー本体31により焼却炉内の耐火レンガ12を効果的に保護することができる。また、いずれの金属ライナー30もサーマルショックに強く、その熱変形が耐火レンガ12を損傷させる危険もない。また、ライナー本体31の表面にはクリンカやダストが付着しにくく、付着したクリンカやダストは簡単に除去することができる。これらにより、焼却炉の稼働効率を飛躍的に高めることができ、焼却処理コストの低減に多大の高価を発揮する。
焼却炉内で簡単に人が操作できるライナーは25kg以内である。ライナー本体の肉厚が25mmとすると、ライナー本体の寸法は350×350mm以下が適切となる。いま仮にライナー本体の寸法を500×500mmと想定した場合、炉内温度の最高値が1000℃であるとライナー本体の伸びは、おおよそ縦横それぞれ5mm程度となり、対角で約7mmとなる。ライナー本体の四隅部に支持棒が設けられていると、これらにライナー本体の変形に伴う歪みが発生する。第2実施形態の金属ライナー及び第3実施形態の金属ライナーは、ライナー本体の中心部に支持棒を有しているので、この撓みが生じない。この点から、第2実施形態の金属ライナー及び第3実施形態の金属ライナーは散水を受ける箇所に好適である。第1実施形態の金属ライナーの場合、仮に4本の支持棒が自由に変形しても、その変形が繰り返されると、耐久性は低下する。
図7は本発明の第4実施形態を示す金属ライナーの主要部(ライナー本体)の背面図である。金属ライナーは900℃以上の高温雰囲気中で使用されるために、長期間使用していると、ライナー本体41の角部に変形を生じる。具体的には熱変形により正面側(炉内側)に湾曲する。その結果、耐火レンガを保護する機能が低下する。ちなみに、ライナー本体の形状を、正方形の角部を除去した正六角形にすると、その形状が円形に近づくことから、ライナー本体の角部における変形は減少する。正六角形ライナーは、前述したとおりハニカム形状に緻密に組み合わせるとができ、四角形ライナーと比べて耐火物被覆効果が見劣りすることはない。
ライナー本体41が例えば正方形の場合、熱膨張による伸びは、X方向の伸びとY方向の伸びが合成したものとなる。この伸びを抑制するために、第4実施形態の金属ライナーでは、ライナー本体41の裏面(母材鋼板41a)の裏面に母材鋼板41aと同様の材質からなる円形の拘束リング41’が同心円状に溶接されている。この拘束リング41’は、前記した合成伸び(X方向の伸びとY方向の伸びの合成伸び)を均一に分散して受けることができ、角部の変形を抑制するのに有効である。この拘束リング41’はライナー本体41の中心から1/3〜2/3までの範囲に取り付けるのが好ましい。拘束リング41’が大きすぎる場合は重量増加等が問題になり、小さすぎる場合は変形抑制効果が低下する。
本発明の第1実施形態を示す金属ライナーの斜視図で使用状態を示す。 同金属ライナーの取付け状態を示す、図1中のA−A線断面矢示図である。 同金属ライナーと散水ノズルとの位置関係を示す、図1中のB−B線断面矢示図である。 同金属ライナーにおける支持棒の取付け構造を示す断面図である。 本発明の第2実施形態を示す金属ライナーの主要分の縦断面図である。 本発明の第3実施形態を示す金属ライナーの主要分の縦断面図である。 本発明の第4実施形態を示す金属ライナーの主要部(ライナー本体)の背面図である。
符号の説明
10 焼却炉
11 鉄皮
12 耐火レンガ(耐火物)
13 散水ノズル
20,30,40 金属ライナー
21,31,41 ライナー本体
21a,31a,41a 母材鋼板
21b,31b,41b 肉盛金属層
22,32 支持棒

Claims (5)

  1. 内面を耐火物でライニングされた焼却炉の耐火物表面に装着される金属ライナーであって、耐火物表面に沿う形状に形成されており、且つ易溶接鋼からなる母材の表面に耐熱鋼を肉盛溶接したクラッド鋼板からなる金属製のライナー本体と、ライナー本体を耐火物表面に取り付けるべくライナー本体から外側へ突出して耐火物を貫通し、先端部が焼却炉に固定される1本又は複数本の支持棒とを具備することを特徴とする金属ライナー。
  2. 前記ライナー本体は、四角形又は六角形である請求項1に記載の金属ライナー。
  3. 前記支持棒は、前記ライナー本体の複数箇所から突出しており、焼却炉の外でバネにより引っ張られて鉄皮に弾性的に固定される請求項1に記載の金属ライナー。
  4. 前記支持棒は、耐火物に埋設されたガイド管の内側を隙間をもって貫通する請求項3に記載の金属ライナー。
  5. 前記支持棒は、前記ライナー本体の中央部に1本設けられており、且つ溶融炉の鉄皮に溶接により固定されている請求項1に記載の金属ライナー。
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