JP2007138347A - 製紙用多重織シーム付きフェルト - Google Patents

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Abstract

【課題】厚さ方向に重なり合う複数本の経糸の折り返しにより丈方向の端部に厚さ方向に複数のループ列が形成された基布を有する製紙用多重織シーム付きフェルトにおいて、製造工程を煩雑化させることなく、接合作業の作業性を向上させることができるようにする。
【解決手段】基布1が、複数本の経糸3〜6に緯糸13・14を絡合させて一体化した多重織で地部が織り上げられると共に、ループ8・9の近傍に、各ループを端部に備えた織物層15・16が互いに分離独立した分離部が設けられたものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、厚さ方向に重なり合う複数本の経糸の折り返しにより丈方向の端部に厚さ方向に複数のループ列が形成された基布を有する製紙用多重織シーム付きフェルトに関するものである。
抄紙機への掛け入れ作業性を向上させるため、有端のフェルトをフェルトランに引き込んだ上でその両端部を互いに接合して無端とする、いわゆるシーム付きフェルトが広く普及している。この種のシーム付きフェルトでは、基布を構成する経糸を厚さ方向に折り返して丈方向の両端部にループを形成し、その両端部のループを互いの中心孔が整合するように交互にかみ合わせて形成された共通孔に芯線を通すことで、両端部を接合するようにした構成が一般的である。
また、湿紙のプレス工程で使用される製紙用フェルトにおいては、要求条件の1つに、抄紙条件に応じた所要の厚みが圧縮下で必要とされ、特に高い搾水性を確保する目的で空隙容積が大きくなるように、経糸を三重あるいは四重に配した構成の基布が採用されることがあり、織機で別々に織り上げられた複数枚の織物を重ね合わせたラミネート構造の基布(特許文献1参照)や、織機で多重織で織り上げた多重織構造の基布(特許文献2参照)が知られている。
特許第2678611号公報 特公昭63−38467号公報
しかるに、前記のような多重構造のシーム付きフェルトでは、ループにより接合されたシーム部と地部との間の構造上の違いに起因して生じるシームマークなどの低減や、シーム部の接合強度の向上などを目的として、厚さ方向に重なり合う複数本の経糸を利用して丈方向の端部に厚さ方向に複数のループ列を形成する構成が採用されることがある。
この場合、前記のラミネート構造の基布では、複数枚の織物ごとに設けられたループ列の位置関係が幅方向で一定でないと、ループによる接合作業の作業性が著しく低下する不都合が生じることから、複数のループ列の位置関係を幅方向について一定に保つために、複数枚の織物をミシンやピンシームで縫い合わせる縫合工程が機織とは別に必要となり、特に基布全体を一定間隔で縫い合わせるための特殊な設備が必要になり、また工数が嵩む難点がある。
他方、多重織構造の基布では、ループを形成する複数本の経糸に緯糸を絡合させて一体化した織物組織で基布全体が均一に織り上げられており、ループ列の近傍では、1つのループ列を形成する経糸が、別のループ列を形成する経糸に絡み合う緯糸により拘束されるため、複数のループ列を互いに大きく引き離すことができない。このため、ループに芯線を挿通する作業が面倒になり、フェルト製作段階での芯線交換の際に行われる接合作業の作業性が著しく低下する不都合がある。また、ループの直近まで経糸が一体化されていると、幅方向に並んだ複数のループの形状が不揃いになり、抄紙機への掛け入れ作業性が低下する不都合がある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、厚さ方向に重なり合う複数本の経糸の折り返しにより丈方向の端部に厚さ方向に複数のループ列が形成された基布を有する製紙用多重織シーム付きフェルトにおいて、製造工程を煩雑化させることなく、接合作業の作業性を向上させることができるように構成された製紙用多重織シーム付きフェルトを提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明においては、請求項1に示すとおり、厚さ方向に重なり合う複数本の経糸の折り返しにより丈方向の端部に厚さ方向に複数のループ列が形成された基布を有する製紙用多重織シーム付きフェルトにおいて、前記基布が、複数本の前記経糸に緯糸を絡合させて一体化した多重織で地部が織り上げられると共に、複数の前記ループ列の近傍に、その複数のループ列の各々を端部に備えた織物層が互いに分離独立した分離部が設けられたものとした。
これによると、端部にループを備えた織物層が互いに分離独立しているため、複数のループ列を互いに大きく引き離すことが可能になり、ループをかみ合わせて芯線を通す接合作業が容易になり、接合作業の作業性を向上させることができる。また、幅方向に並んだ複数のループの形状を均一化させることができるため、抄紙機への掛け入れ作業性も向上する。
そして、多重織で地部が織り上げられるため、ラミネート構造のように織機で別々に織り上げられた複数枚の織物を縫い合わせる縫合工程が不要となることから、基布全体を縫合するための特殊な設備を必要とせず、且つ工数を削減することができる。さらに、分離部を除く基布の大部分が一体化した状態で製織されるため、フェルト製作中にループ列の位置関係を一定に保つことが容易になる。
前記製紙用多重織シーム付きフェルトにおいては、請求項2に示すとおり、前記分離部が、前記ループ列からの丈方向長さを25mm乃至300mmの範囲で設けられた構成とすると良い。
これによると、接合作業の作業性を高めることができる。分離部のループからの丈方向長さが300mmを超えると、ループの丈方向位置の精度が低下するため、接合作業の作業性の低下を招くことから、望ましくない。また分離部のループからの丈方向長さが25mmを下回ると、分離部を設けたことよる作業性向上とループ形状の均一化の効果を得ることができないため、望ましくない。
前記製紙用多重織シーム付きフェルトにおいては、請求項3に示すとおり、複数の前記ループ列が、互いに丈方向にずらして設けられた構成とすることができる。
これによると、シーム部と地部との間での特性の違い、特に通水抵抗の違いを小さくすることができるため、シームマークを抑制することができる。
この場合、ループ列のずれ量は10mm以下とすると良い。ループ列のずれ量が10mmを超えると、抄紙機への掛け入れ時にループに芯線を挿通する作業が面倒になり、接合作業の作業性が低下することから、望ましくない。
前記製紙用多重織シーム付きフェルトにおいては、請求項4に示すとおり、複数の前記ループ列のうちの1つを端部接合用に用い、残りのループ列を端部接合用に用いない構成とすることができる。
これによると、抄紙機への掛け入れ時に、接合相手となるループとかみ合わせて芯線を通して接合する端部接合用のループ列が1つとなるため、接合作業の作業性を向上させることができる。
この場合、複数のループ列の全てを端部接合用に用いた構成に比較して、シーム部の接合強度が低下するものの、シーム部に高い接合強度が要求されないような条件の抄紙機のパートに使用する用途には十分に対応可能であり、他方、大きな負荷が作用する用途では、全てのループ列を端部接合用に用いてシーム部の接合強度を高くすれば良く、必要に応じて端部接合の用途に用いるループ列を選択するようにすれば良い。
前記製紙用多重織シーム付きフェルトにおいては、請求項5に示すとおり、前記ループ列の近傍の前記緯糸が、地部に配した緯糸と異なる糸材からなる構成とすることができる。
これによると、シーム部の物性(例えば通水度など)が地部と類似するように、所要の機能を有する糸材をループの近傍の緯糸に用いることで、シーム部と地部と構造上の違いが原因で生じるシームマークなどの不都合を抑制することができる。
この場合、ループの近傍に配する緯糸には、求められる機能に応じて地部の緯糸と糸の種類や太さを変えれば良く、例えば不織繊維層の形成繊維との絡み付きが良い糸、すなわちステープル及びフィラメントのいずれか一方あるいは双方を多数集合させた集合糸材からなるものとすると、その緯糸がループの近傍の不織繊維層を強固に保持するため、シームマークを抑制することができる。
このように本発明によれば、端部にループを備えた織物層が互いに分離独立しているため、複数のループ列を互いに大きく引き離すことが可能になると共にループ形状も均一化されることから、ループをかみ合わせて芯線を通す接合作業、及び抄紙機への掛け入れ作業が容易になり、しかも多重織で地部が織り上げられるため、ラミネート構造のように複数枚の織物を縫い合わせる縫合工程が不要となることから、基布全体を縫合するための特殊な設備を必要とせず、且つ工数を削減することができ、また分離部を除く基布の大部分が一体化した状態で製織されるため、フェルト製作中にループ列の位置関係を一定に保つことが容易になり、製造工程を煩雑化させることなく、接合作業の作業性を向上させる上で大きな効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明によるシーム付きフェルトの一例を示す丈方向の断面図である。このシーム付きフェルトは、基布1に不織繊維層2を積層一体化してなるものであり、基布1は、織機上での第1の打込み糸で形成される第1・第2の経糸3・4と、第2の打込み糸で形成される第3・第4の経糸5・6とを有し、これら第1〜第4の4本の経糸3〜6が厚さ方向に重ねて設けられた四重織の織物組織をなしている。
第1〜第4の経糸3〜6のうちの紙形成面7側の第1・第2の経糸3・4となる第1の打込み糸の折り返しにより丈方向の両端部にループ8が形成され、また、紙形成面7と相反するマシン側の第3・第4の経糸5・6となる第2の打込み糸の折り返しにより丈方向の両端部にループ9が形成されており、これらのループ8・9は、フェルトの幅方向に多数配列されてループ列を構成し、接合相手となるループ8・9と互いの中心孔が整合するように交互にかみ合わされ、これにより形成された共通孔に接合用芯線10・11が幅方向に挿通されてフェルトの両端部が接合される。
紙形成面7側の第1・第2の経糸3・4には第1の緯糸13を絡み合わせて二重織構造の第1の織物層15が形成されており、これと同様に、マシン側の第3・第4の経糸5・6に第2の緯糸14を絡み合わせて二重織構造の第2の織物層16が形成されている。これら第1・第2の緯糸13・14は、織機上で経糸(整経糸)として製織される。
基布1の地部においては、マシン側の第2の織物層16を構成する第2の緯糸14の一部が、所定間隔おきに第1の織物層15を構成する内側の経糸4に絡み合って、両織物層15・16を織り合せる接結糸14aとなっており、これにより両織物層15・16相互のずれが抑制される。
基布1におけるループ8・9の近傍部分には、第1・第2の両織物層15・16が接結糸により接合されていない分離部が設けられており、この分離部では、端部にループ8・9をそれぞれ備えた2つの織物層15・16が互いに分離独立しているため、ループ8・9による2つのループ列を互いに大きく引き離すことが可能になり、ループ8・9をかみ合わせて芯線を通す接合作業が容易になり、接合作業の作業性を向上させることができる。
この分離部は、ループ8・9からの丈方向長さLを25mm乃至300mmの範囲で設けられている。分離部のループ8・9からの丈方向長さLが300mmを超えると、ループ8・9の丈方向位置の精度が低下するため、接合作業の作業性の低下を招くことから、望ましくない。また分離部のループ8・9からの丈方向長さLが25mmを下回ると、分離部を設けたことよる作業性向上とループ形状の均一化の効果を得ることができないため、望ましくない。
またループ8・9は、互いに丈方向にずらして設けられている。これにより、シーム部と地部との間での特性の違い、特に通水抵抗の違いを小さくすることができるため、シームマークを抑制することができる。ループ8・9のずれ量dは10mm以下となっている。ループ列のずれ量dが10mmを超えると、抄紙機への掛け入れ時にループに芯線を挿通する作業が面倒になり、接合作業の作業性が低下することから、望ましくない。
図2は、図1に示した基布を示す幅方向の模式的な断面図である。前記のように、第1・第2の経糸3・4に第1の緯糸13を絡み合わせて二重織構造の第1の織物層15が形成され、第3・第4の経糸5・6に第2の緯糸14を絡み合わせて二重織構造の第2の織物層16が形成されており、第1・第2の両織物層15・16を織り合せる接結糸14aは、第1の織物層15の内側の経糸4と第2の織物層16の内側の経糸5とに絡み付くように製織される。
なお、図1の例では、マシン側の第2の織物層16を構成する第2の緯糸14の一部を、第1・第2の両織物層15・16を織り合せる接結糸14aとしたが、これとは逆に紙形成面7側の第1の織物層15を構成する第1の緯糸13を接結糸に利用する構成も可能である。また、第1・第2の各織物層15・16をそれぞれ構成する第1・第2の緯糸13・14の双方を接結糸に利用する構成も可能である。
図3は、図2に示した基布の変形例を示す幅方向の模式的な断面図である。ここでは、第1・第2の両織物層15・16を織り合せる接結糸14aが、第1の織物層15の内側の経糸4及び第2の織物層16の経糸5・6の双方に絡み付くように製織されている。これにより、織り上げた状態での経糸6の屈曲度合いが、他の経糸5に比べて低くなることを避けることができる。
なお、前記の図2や図3の例の他に、第1〜第4の全ての経糸3〜6、すなわち第1の織物層15の経糸3・4の双方及び第2の織物層16の経糸5・6の双方に接結糸14aが絡み付くように製織される構成も可能である。
また、このような経糸に対する接結糸の絡合形態は、図1に示した構造の基布に限定されるものではなく、以下に示す構成の基布でも同様に適用可能であり、織物層の接結強度や経糸の屈曲度合いを考慮して、適宜に選択すれば良い。
図4は、図1に示したシーム付きフェルトの変形例を示す丈方向の断面図である。ここでは、前記図1の例と同様に、基布31の地部において、マシン側の第2の織物層35を構成する第2の緯糸33の一部が、所定間隔おきに第1・第2の両織物層34・35を織り合せる接結糸33aとなっているが、ループ8・9の近傍の分離部では、前記の例とは異なり、地部での接結糸33aに対応する緯糸(整経糸)33bを他の綾金に入れ直すことにより、この緯糸33bを、他の緯糸33と同様に、マシン側の第2の織物層35を構成する第3・第4の経糸5・6に絡み付くように製織されている。
図5は、図1に示したシーム付きフェルトの変形例を示す丈方向の断面図である。ここでは、基布41を構成する紙形成面7側の第1の織物層44が、第1・第2の経糸3・4にそれぞれ緯糸42a・42bを絡み合わせて一重織構造の織物を形成すると共にその一重織構造の織物を接結糸42cで織り合せた構成となっている。
基布41の地部においては、マシン側の第2の織物層45を構成する第2の緯糸43の一部が、所定間隔おきに第1の織物層44を構成する内側の経糸4に絡み合って、両織物層44・45を織り合せる接結糸43aとなっており、ループ8・9の近傍の分離部では、接結糸43aを抜き取ることで、端部にループ8・9をそれぞれ備えた2つの織物層44・45が互いに分離独立した状態となっている。
図6は、本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図である。ここでは、基布51が、第1〜第3の3本の経糸52〜54が厚さ方向に重ねて設けられた三重織の織物組織をなし、紙形成面7側の第1の経糸52に第1の緯糸55を絡み合わせて一重織構造の第1の織物層57が形成され、マシン側の第2・第3の経糸53・54に第2の緯糸56を絡み合わせて二重織構造の第2の織物層58が形成されている。
紙形成面7側の第1の織物層57では、第1の経糸52となる第1の打込み糸の折り返しにより丈方向の両端部にループ59が形成されており、また、マシン側の第2の織物層58では、第2・第3の経糸53・54となる第2の打込み糸の折り返しにより丈方向の両端部にループ60が形成されている。
基布51の地部においては、紙形成面7側の第1の織物層57を構成する第1の緯糸55の一部が、所定間隔おきに第2の織物層58を構成する内側の経糸53に絡み合って、両織物層57・58を織り合せる接結糸55aとなっており、ループ59・60の近傍の分離部では、接結糸55aを抜き取ることで、端部にループ59・60をそれぞれ備えた2つの織物層57・58が互いに分離独立した状態となっている。
以上、二重織の織物層を2枚接結した形態や、一重織の織物層と二重織の織物層とを接結した形態の基布の例について説明したが、本発明はここに示した構成に限定されるものではなく、使用条件によりフェルトの空隙量(厚さ)を調整するなどの目的に応じて、種々の形態が可能であり、例えば一重織の織物層を2枚接結した形態、一重織の織物層と三重織の織物層とを接結した形態、二重織の織物層と三重織の織物層とを接結した形態、三重織の織物層を3枚接結した形態なども可能である。
また、各織物層の組織形態も、ここに例示した構成に限定されるものではなく、種々の織物組織が可能である。
また、基布を構成する織物層の構造に関係なく、分離部は、図1・図5・図6の例のように地部と同様に織り上げた後に接結糸を抜き取る構成と、図4の例のように接結糸に対応する緯糸(整経糸)を他の綾金に入れ直して他の緯糸と同様に織り込む構成のいずれを採用することも可能である。
図7は、本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図である。ここでは、基布61の地部において、基布61を構成する第1〜第4の経糸3〜6の全てに緯糸62を絡み合わせて、経糸四重で緯糸一重の四重織構造が形成されており、前記の例のように複数の織物層を織り合せる接結糸が存在しない。
ループ8・9の近傍の分離部では、紙形成面7側の第1・第2の経糸3・4に第1の緯糸63を絡み合わせて二重織構造の第1の織物層65が形成され、マシン側の第3・第4の経糸5・6に第2の緯糸64を絡み合わせて二重織構造の第2の織物層66が形成されており、端部にループ8・9をそれぞれ備えた2つの織物層65・66が互いに分離独立した状態となっている。
図8は、本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図である。ここでは、前記図1の例と同様に、基布71の地部において、マシン側の第2の織物層75を構成する第2の緯糸73の一部が、所定間隔おきに第1・第2の両織物層74・75を織り合せる接結糸73aとなっており、またループ8・9の近傍の分離部では、接結糸73aが抜き取られて2つの織物層74・75が互いに分離独立した状態となっているが、前記の例とは異なり、緯糸72・73のうち、ループ8・9の直近の複数本(ここでは3本)の緯糸72b・73bが地部に配した緯糸と異なる糸材で形成されている。
これにより、シーム部の物性(例えば通水度など)が地部と類似するように、所要の機能を有する糸材をループ8・9の近傍の緯糸72b・73bに用いることで、シーム部と地部と構造上の違いが原因で生じるシームマークなどの不都合を抑制することができる。
この場合、ループ8・9の近傍の緯糸72b・73bは、求められる機能に応じて地部の緯糸と糸の種類や太さを変えれば良く、例えば不織繊維層2の形成繊維との絡み付きが良い糸、すなわちステープル及びフィラメントのいずれか一方あるいは双方を多数集合させた集合糸材からなるものとすると、緯糸72b・73bがループ8・9の近傍の不織繊維層2を強固に保持するため、シームマークを抑制することができる。
なおここでは、緯糸72b・73bが地部に配した緯糸と同じ組織で織り込まれているが、地部と異なる組織とすることも可能である。例えば、紙形成面7側の緯糸72bを平織りで織り込む、すなわち緯糸72bを、紙形成面7側の第1の織物層74を構成する第1の経糸3にのみ絡合させた構成なども可能である。
また、このようにループの近傍の緯糸に、地部に配した緯糸と異なる糸材を用いる構成は、図8に示した構造の基布に限定されるものではなく、他の構成の基布にも同様に適用することが可能である。
図9は、本発明によるシーム付きフェルトを抄紙機に掛け入れた際の接合状態の例を示している。(A)は、図1に示したシーム付きフェルトの例を示しており、紙形成面7側のループ8及びマシン側のループ9の双方が端部接合用に用いられ、接合相手となるループ8・9と互いの中心孔が整合するように交互にかみ合わされ、これにより形成された共通孔に幅方向の接合用芯線10・11が挿通される。
(B)及び(C)は、2つのループ列のうちの1つを端部接合用に用い、残りのループ列を端部接合用に用いないようにしたものである。(B)の例では、マシン側のループ9が端部接合用に用いられるが、紙形成面7側のループ101は端部接合用に用いられず、単に突き合わせた状態となっている。(C)の例では、(B)の例とは逆に、紙形成面7側のループ8が端部接合用に用いられるが、マシン側のループ102は端部接合用に用いられず、単に突き合わせた状態となっている。
本発明にかかる製紙用多重織シーム付きフェルトは、厚さ方向に重なり合う複数本の経糸の折り返しにより丈方向の端部に厚さ方向に複数のループ列が形成された基布を有する製紙用多重織シーム付きフェルトにおいて、製造工程を煩雑化させることなく、接合作業の作業性を向上させることができる効果を有し、抄紙機のプレスパート(圧搾部)で用いられる製紙用多重織シーム付きフェルトなどとして有用である。
本発明によるシーム付きフェルトの一例を示す丈方向の断面図 図1に示した基布を示す幅方向の模式的な断面図 図2に示した基布の変形例を示す幅方向の模式的な断面図 図1に示したシーム付きフェルトの変形例を示す丈方向の断面図 図1に示したシーム付きフェルトの変形例を示す丈方向の断面図 本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図 本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図 本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図 本発明によるシーム付きフェルトを抄紙機に掛け入れた際の接合状態の例を示す図
符号の説明
1・31・41・51・61・71 基布
2 不織繊維層
3〜6・52〜54 経糸
8・9・59・60・101・102 ループ
13・14・32・33・42・43・55・56・62〜64・72・73 緯糸
14a・33a・43a・55a・73a 接結糸
15・16・34・35・44・45・57・58・65・66・74・75 織物層

Claims (5)

  1. 厚さ方向に重なり合う複数本の経糸の折り返しにより丈方向の端部に厚さ方向に複数のループ列が形成された基布を有する製紙用多重織シーム付きフェルトであって、
    前記基布が、複数本の前記経糸に緯糸を絡合させて一体化した多重織で地部が織り上げられると共に、複数の前記ループ列の近傍に、その複数のループ列の各々を端部に備えた織物層が互いに分離独立した分離部が設けられたことを特徴とする製紙用多重織シーム付きフェルト。
  2. 前記分離部が、前記ループ列からの丈方向長さを25mm乃至300mmの範囲で設けられたことを特徴とする請求項1に記載の製紙用多重織シーム付きフェルト。
  3. 複数の前記ループ列が、互いに丈方向にずらして設けられたことを特徴とする請求項1に記載の製紙用多重織シーム付きフェルト。
  4. 複数の前記ループ列のうちの1つを端部接合用に用い、残りのループ列を端部接合用に用いないことを特徴とする請求項1に記載の製紙用多重織シーム付きフェルト。
  5. 前記ループ列の近傍の前記緯糸が、地部に配した緯糸と異なる糸材からなることを特徴とする請求項1に記載の製紙用多重織シーム付きフェルト。
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