JP2007138346A - 製紙用シーム付きフェルト - Google Patents

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Abstract

【課題】経糸の折り返しにより接合ループが形成されると共に、その接合ループを形成する一対の経糸の双方に緯糸を絡合させた織物組織をなす基布を有する製紙用シーム付きフェルトにおいて、幅方向に並んだ接合ループの内部空間の大きさを概ね均一化すると共に接合ループの捩れ及び厚さ方向位置のずれを抑制して、接合ループによるシーム部の接合作業の作業性を向上させる。
【解決手段】接合ループ11の近傍領域に、ステープル及びフィラメントのいずれか一方あるいは双方を多数集合させた集合糸材からなる緯糸5bを配し、その緯糸5bを接合ループ11の基部11aに接触する交差部分で扁平化させて、その緯糸5bによる接合ループ11の基部11aの締め付けを緩和するようにしたものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、経糸の折り返しにより接合ループが形成されると共に、その接合ループを形成する一対の経糸の双方に緯糸を絡合させた織物組織をなす基布を有する製紙用シーム付きフェルトに関するものである。
抄紙機への掛け入れ作業性を向上させるため、有端のフェルトをフェルトランに引き込んだ上でその両端部を互いに接合して無端とする、いわゆるシーム付きフェルトが広く普及している。
この種のシーム付きフェルトでは、基布を構成する経糸の折り返しにより丈方向の端部に形成された接合ループを、互いの中心孔が整合するように交互にかみ合わせ、これにより形成された共通孔に芯線を通して両端部を接合する構成が一般的であるが、接合ループの形態により接合作業の作業性が大きく左右されることから、接合ループの形態を適正化して接合作業の作業性を向上させるため、接合ループの近傍の緯糸に工夫を加えた種々の技術が知られている(特許文献1〜5)。
特許第3010596号公報 特許第3677585号公報 特開2003−239194号公報 特開2003−247191号公報 特開2004−232142号公報
しかるに、基布を構成する経糸の折り返しにより接合ループを形成した構成のシーム付きフェルトでは、接合ループを形成する一対の経糸が強固に一体化するように、一対の経糸の双方に緯糸を絡合させた織物組織を採用すると良いが、このような織物組織では、接合ループの基部に対する緯糸の絡合形態の違いに起因して以下に示す問題点を有している。
図9は、従来のシーム付きフェルトの一例を示す丈方向の断面図である。図10は、図9に示した基布の幅方向の断面図である。このシーム付きフェルトでは、基布111に不織繊維層112が積層一体化されており、基布111は、一対の経糸113・114の双方に緯糸115を絡合させた織物組織をなし、経糸113・114の折り返しにより丈方向の両端部118・119に接合ループ121がそれぞれ形成され、その互いの中心孔が整合するように交互にかみ合わされて形成された共通孔に幅方向の接合用芯線123を挿通することで両端部118・119が接合される。
このようなシーム付きフェルトでは、幅方向に並んだ接合ループ121について、図9(A)に示すように、接合ループ121の基部121aの外側に緯糸115が位置するパターンAと、図9(B)に示すように、接合ループ121の基部121aの内側に緯糸115が位置するパターンBとが、図10に示すように、交互に繰り返される構成となる。
しかるに、接合ループ121の基部121aの外側に緯糸115が位置するパターンAでは、接合ループ121の基部121aを外側から緯糸115が強く締め付けるため、接合ループ121の基部121aが大きくくびれた形状になり、他方、接合ループ121の基部121aの内側に緯糸115が位置するパターンBでは、緯糸115が接合ループ121の基部121aを内側から押し広げるため、パターンAとパターンBとで接合ループ121の内部空間の大きさに大きな違いが生じる。この接合ループ121の内部空間の大きさの違いは、接合ループ121に対する芯線123の円滑な挿通を阻害し、接合作業の作業性を悪化させる原因となる。
また、接合ループ121の基部121aの外側に緯糸115が位置するパターンAでは、接合ループ121の基部121aを外側から緯糸115が強く締め付けるため、接合ループ121に捩れが生じる、すなわち接合ループ121が芯線123に対して直交する平面上にある適性位置から傾いた状態になる。さらに接合ループ121の基部121aを緯糸115が強く押圧するため、接合ループ121の基部121aに対する緯糸115の接触形態が異なるパターンAとパターンBとで接合ループの厚さ方向位置にずれが生じる。この接合ループ121の捩れ及び厚さ方向位置のずれは、フェルトの両端部118・119に設けられた接合ループ121相互のかみ合わせを難しくし、また接合ループ121に対する芯線123の円滑な挿通を阻害するため、同じく接合作業の作業性を悪化させる原因となる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、経糸の折り返しにより接合ループが形成されると共に、その接合ループを形成する一対の経糸の双方に緯糸を絡合させた織物組織をなす基布を有する製紙用シーム付きフェルトにおいて、幅方向に並んだ接合ループの内部空間の大きさを概ね均一化すると共に接合ループの捩れ及び厚さ方向位置のずれを抑制して、接合ループによるシーム部の接合作業の作業性を向上させることができるように構成された製紙用シーム付きフェルトを提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明においては、請求項1に示すとおり、経糸の折り返しにより接合ループが形成されると共に、その接合ループを形成する一対の経糸の双方に緯糸を絡合させた織物組織をなす基布を有する製紙用シーム付きフェルトにおいて、前記接合ループの近傍領域に、ステープル及びフィラメントのいずれか一方あるいは双方を多数集合させた集合糸材からなる緯糸を配し、その緯糸を前記接合ループの基部に接触する交差部分で扁平化させて、その緯糸による前記接合ループの基部の締め付けを緩和するようにしたものとした。
これによると、接合ループの基部に生じるくびれが小さくなり、接合ループの内部空間の大きさを概ね均一化することができ、さらに接合ループの捩れ及び厚さ方向位置のずれを抑制することができ、特殊な織機を用いることなく簡単な構成で接合ループによるシーム部の接合作業の作業性を向上させることができる。
しかも、接合ループの基部に生じるくびれを小さくすることにより、接合ループ自体の大きさを大きくすることなく、接合ループの内部空間を実質的に拡大することができるため、接合ループの周辺で厚さが地部より極端に大きくなることを避けることができる。このため、シーム部と地部と構造上の違いが原因で生じるシームマーク及び抄紙機内を走行中の振動・異音を低減することができる。
さらに、緯糸による接合ループの基部の締め付けが緩和されることから、接合ループを形成する経糸が丈方向に移動し易くなり、このため、使用中に作用する外力で、接合ループを形成する経糸が地部方向に引っ張られて接合ループが小さく締まった状態になるため、接合作業の便宜のために接合ループの周辺の不織繊維を除去して形成された空間が狭くなる。このため、シーム部と地部と構造上の違いが原因で生じるシームマーク及び抄紙機内を走行中の振動・異音を低減することができる。
その上、集合糸材からなる緯糸は、不織繊維層の形成繊維の絡み付きが良いため、不織繊維層を強固に保持し、不織繊維層の摩耗、特に接合ループの紙形成面側を覆うように突出形成されたフラップの脱落を防止することができる。このため、シーム部と地部と構造上の違いが原因で生じるシームマーク及び抄紙機内を走行中の振動・異音を低減することができる。
なお、前記の集合糸材からなる糸としては、多数のフィラメントを束ねたマルチフィラメント糸、ステープルを紡いで得られる紡績糸、並びにマルチフィラメント糸及び紡績糸の少なくともいずれかを含む撚糸などがある。
また、前記の製紙用シーム付きフェルトにおいては、請求項2に示すように、前記接合ループの直近の緯糸から6本目の緯糸までの全てまたはいずれかを、前記集合糸材からなる緯糸とした構成とすると良い。これによると、シーム部の強度を低下させることなく、接合ループの形態を適正化することができる。接合ループの直近から6本目を超えて集合糸材からなる緯糸を配すると、シーム部の強度が極端に低下するため、望ましくない。
特に、少なくとも接合ループの直近及び2本目の緯糸を、集合糸材からなる緯糸とすると良い。
さらに、前記の製紙用シーム付きフェルトにおいては、請求項3に示すように、前記集合糸材からなる緯糸が、地部の緯糸に対して60%〜200%の太さである構成とすると良い。これによると、集合糸材からなる緯糸を配したシーム部と地部との緯糸構成の違いが原因で生じるシームマークなどの不具合を回避しつつ、接合ループの形態の適正化を図ることができる。集合糸材からなる緯糸が、地部の緯糸の60%を下回る太さで細過ぎると、シーム部の緯糸面が地部の緯糸面より低くなることで、シーム部が凹となってしまうことから、シームマークなどの不具合の原因となるため、望ましくない。また地部の緯糸の200%を超える太さで太過ぎると、逆にシーム部の緯糸面が地部の緯糸面より高くなることで、シーム部が凸となってしまうことから、同じくシームマークなどの不具合の原因となるため、望ましくない。
また、基布の製作にあたっては、緯糸を織機上の整経糸とし、経糸を織機上で打込み糸として基布を織り上げるものとし、このとき、接合ループの近傍領域に集合糸材からなる整経糸を用いて基布を織り上げるようにすれば良い。
また、基布を織り上げた後に、集合糸材からなる緯糸の接合ループ側の位置に、追加緯糸を別組織で織り込むようにしても良い。この追加緯糸は、不織繊維層の形成繊維との絡み付きが良い糸、すなわちステープル及びフィラメントのいずれか一方あるいは双方を多数集合させた集合糸材からなるものとすると良い。これにより、追加緯糸が接合ループの近傍の不織繊維層を強固に保持し、シームマークを抑制することができる。
この場合、追加緯糸は、接合ループを形成する表裏の経糸のいずれか一方に絡み合うように、あるいは表裏の経糸の双方に別々に絡み合うように織り込むと良い。これにより、追加緯糸が接合ループの基部を外側から締め付けたり、あるいは接合ループの基部を内側から押し広げたりして、接合ループの形態に悪影響を与えることを避けることができる。
このように本発明によれば、集合糸材からなる緯糸が経糸に接触する交差部分で扁平化して、緯糸による外側からの接合ループの基部の締め付けが緩和されるため、接合ループの基部に生じるくびれが小さくなり、接合ループの内部空間の大きさを概ね均一化することができ、さらに接合ループの捩れ及び厚さ方向位置のずれを抑制することができ、特殊な織機を用いることなく簡単な構成でシーム部の接合作業の作業性を大幅に向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明によるシーム付きフェルトの一例を示す丈方向の断面図である。このシーム付きフェルトは、基布1に不織繊維層2を積層一体化してなるものであり、基布1は、一対の経糸3・4の双方に緯糸5を絡合させた二重織りの織物組織をなし、経糸3・4となる糸の折り返しにより丈方向の両端部8・9に接合ループ11がそれぞれ形成され、その互いの中心孔が整合するように交互にかみ合わされて形成された共通孔に幅方向の接合用芯線13を挿通することで両端部8・9が接合される。
経糸3・4は、ポリアミドなどの高強度な合成樹脂材料からなるモノフィラメント糸であり、これと同様に接合ループ11の近傍領域を除く領域に配した緯糸5aも、ポリアミドなどの高強度で比較的高剛性な合成樹脂材料からなるモノフィラメント糸である。
他方、接合ループ11の近傍領域に配した緯糸5bは、多数のフィラメントを束ねたマルチフィラメント糸である。ここでは、マルチフィラメント糸とからなる緯糸5bを、接合ループ11の直近及び2本目に配している。
この緯糸5bは、マルチフィラメント糸を構成するフィラメントに5d〜50d(d:デニール)の太さのものを用い、全体として700d〜2300dの太さを有するものとすると良い。特に緯糸5bは、地部の緯糸5aの60%〜200%の太さとすると良い。緯糸5bが、他の緯糸5aの60%を下回る太さで細過ぎると、シーム部の緯糸面が地部の緯糸面より低くなることで、シーム部が凹となってしまうことから、シームマークなどの不具合の原因となるため、望ましくない。また緯糸5bが、他の緯糸5aの200%を超える太さで太過ぎると、逆にシーム部の緯糸面が地部の緯糸面より高くなることで、シーム部が凸となってしまうことから、同じくシームマークなどの不具合の原因となるため、望ましくない。
なお、緯糸5bは、ステープル及びフィラメントのいずれか一方あるいは双方を多数集合させた集合糸材からなるものであれば良く、マルチフィラメント糸の他に、ステープルを紡いで得られる紡績糸や、マルチフィラメント糸と紡績糸との撚糸、マルチフィラメント糸及び紡績糸の少なくともいずれかと他の糸との撚糸なども可能である。
図1(A)に示すように、接合ループ11の基部11aの外側に緯糸5bが位置するパターンAでは、マルチフィラメント糸からなる緯糸5bが経糸3・4に接触する交差部分で扁平化するため、緯糸5bによる外側からの接合ループ11の基部11aの締め付けが緩和され、図9(A)に示した従来構成に比較して、接合ループ11の基部11aに生じるくびれが小さくなり、接合ループ11自体の大きさを大きくすることなく、接合ループ11の内部空間を実質的に拡大することができる。
また、2本の緯糸5bは、相互に接触する交差部分で扁平化するため、略同一の丈方向位置で経糸3・4に交差し、表側(紙形成面側)及び裏側(マシン側)に擬似的な平織りの組織が形成される。
図1(B)に示すように、接合ループ11の基部11aの内側に緯糸5bが位置するパターンBでは、接合ループ11の基部11aの内側にてマルチフィラメント糸からなる緯糸5bが相互に接触する交差部分で扁平化するが、これらの緯糸5bが接合ループ11の基部11aを強く押し広げることがないため、図9(B)に示した従来構成に比較して、接合ループ11の基部11aに生じる膨らみが小さくなる。このため、図1(A)に示したパターンAと図1(B)に示したパターンBとで、接合ループ11の内部空間にさほど大きな違いがなく、接合ループ11の内部空間の大きさを概ね均一化することができる。
図2は、図1に示した基布の幅方向の断面図である。基布1は、経糸2重、緯糸1重の織物組織となっている。すなわち、接合ループ11の近傍領域に配した緯糸5bは、厚さ方向に重なり合う一対の経糸3・4の双方に絡み合い、また接合ループ11の近傍領域を除く領域に配した緯糸5a(図1参照)も、緯糸5bと同様に、厚さ方向に重なり合う一対の経糸3・4の双方に絡み合う。
接合ループ11の基部11aの外側に緯糸5bが位置するパターンAでは、前記のように、マルチフィラメント糸からなる緯糸5bが経糸3・4に接触する交差部分で扁平化することから、緯糸5bによる外側からの接合ループ11の基部11aの締め付けが緩和されるため、厚さ方向に重ねて配置された2本の経糸3・4により形成される接合ループ11が厚さ方向に真直になり、接合ループ11の捩れを抑制することができる。
さらに、接合ループ11の基部11aを緯糸5bが強く押圧しないため、接合ループ11の基部11aに対する緯糸5bの接触形態が異なるパターンAとパターンBとで接合ループ11の厚さ方向位置にずれが生じることを抑制して、幅方向に並んだ接合ループ11の厚さ方向位置を均一化することができる。
図3は、図1に示した基布の機織の要領を示す模式図である。ここでは抄紙機上の第1・第2の経糸3・4が織機上で打込み糸として織り上げられ、抄紙機上の緯糸5a・5bは織機上では経糸(整経糸)となっており、ループ形成用芯材21に打込み糸を絡めて接合ループ11を形成しながら袋織りで基布1が無端状に織り上げられる。具体的には、接合ループ11が織機上の耳部22・23の一方に形成され、この耳部22において経糸3・4となる打込み糸をループ形成用芯材21に引っ掛けて折り返すことで接合ループ11が形成され、このようにして基布1が無端状に織り上げられ後、接合ループ11からループ形成用芯材21を引き抜くことで有端状に展開される。
一方の耳部22では、緯糸5bとなるマルチフィラメント糸からなる整経糸が配置され、その他の領域では、緯糸5aとなるモノフィラメント糸からなる整経糸が配置されており、経糸3・4となる打込み糸を矢印で示すように通すことで、接合ループ11の近傍領域にマルチフィラメント糸からなる緯糸5bを配した基布1が織り上げられる。
図4は、図1に示したシーム付きフェルトの使用中の状態を示す丈方向の断面図である。本シーム付きフェルトでは、前記のように、マルチフィラメント糸からなる緯糸5bが経糸3・4に接触する交差部分で扁平化するため、緯糸5bによる接合ループ11の基部11aの締め付けが緩和され、これにより接合ループ11を形成する経糸3・4が丈方向に移動し易くなる。このため、使用を継続すると、シーム付きフェルトに作用する外力により、接合ループ11を形成する経糸3・4が地部方向に引っ張られて接合ループ11が小さく締まった状態になる。
これにより、接合ループ11による接合作業の便宜のために、接合ループ11の紙形成面14側を覆うフラップ15を残して、接合ループ11の周辺の不織繊維を除去して形成された空間16が、使用の継続と共に次第に狭くなる。このため、シームマークを抑制すると共に、抄紙機内を走行中の振動・異音、特にサクションボックス通過時の異音を低減することができる。
図5は、本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図である。前記の図1の例では、接合ループ11の直近の緯糸及び2本目の緯糸をマルチフィラメント糸とからなる緯糸5bとしたが、ここでは、接合ループ11の直近の緯糸から6本目の緯糸までの全てまたはいずれかをマルチフィラメント糸としたものであり、図5(A)に示す基布31では、接合ループ11の直近から6本目までの全てがマルチフィラメント糸からなる緯糸5bとなっており、図5(B)に示す基布41では、接合ループ11の直近から6本目までの緯糸5のうちの一部がマルチフィラメント糸からなる緯糸5bとなっている。
図6は、本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図である。このシーム付きフェルトの基布51では、マルチフィラメント糸からなる緯糸5bの接合ループ11寄りの位置に、マルチフィラメント糸からなる追加緯糸52が別組織で織り込まれている。これにより、不織繊維層2を強固に保持することができ、シームマークを抑制することができる。
この追加緯糸52は、緯糸5bと同様に、ステープル及びフィラメントのいずれか一方あるいは双方を多数集合させた集合糸材からなるものであれば良く、マルチフィラメント糸の他に、ステープルを紡いで得られる紡績糸や、マルチフィラメント糸と紡績糸との撚糸、マルチフィラメント糸及び紡績糸の少なくともいずれかと他の糸との撚糸なども可能である。
図7は、図6に示した基布の幅方向の断面図である。追加緯糸52は、接合ループ11を形成する2本の経糸3・4のうちの表側(紙形成面側)の経糸3に平織りで織り込まれている。また追加緯糸52は、緯糸5bが経糸3の外側を通るパターンAの位置で、緯糸5bと同様に経糸3の外側を通るように織り込まれている。
図8は、図7に示した基布の変形例を示す幅方向の断面図である。図8(A)に示す基布61では、図7の例と同様に、表側の経糸3に絡み付くように追加緯糸62が織り込まれているが、ここでは、図7の例での追加緯糸52と比較して、経糸3に対する絡合位置が1本ずれており、追加緯糸62は、緯糸5bが経糸3の内側を通るパターンBの位置で、緯糸5bとは逆に経糸3の外側を通るように織り込まれている。
図8(B)に示す基布71では、接合ループ11を形成する2本の経糸3・4のうちの裏側(マシン側)の経糸4に絡み付くように追加緯糸72が織り込まれている。この追加緯糸72は、図7の例での追加緯糸52と同様に、緯糸5bが経糸4の外側を通るパターンAの位置で、緯糸5bと同様に経糸4の外側を通るように織り込まれている。
図8(C)に示す基布81では、接合ループ11を形成する2本の経糸3・4のうちの表側の経糸3及び裏側の経糸4にそれぞれ絡み付くように追加緯糸82・83が織り込まれている。これらの追加緯糸82・83は、図7の例での追加緯糸52及び図8(B)の例での追加緯糸72と同様に、緯糸5bが経糸3・4の外側を通るパターンAの位置で、緯糸5bと同様に経糸3・4の外側を通るように織り込まれている。
図8(D)に示す基布91では、図8(C)の例と同様に、表側の経糸3及び裏側の経糸4にそれぞれ絡み付くように追加緯糸92・93が織り込まれており、表側の経糸3に絡み付く追加緯糸92は、図8(C)の例での追加緯糸82と同様であるが、裏側の経糸4に絡み付く追加緯糸93は、経糸4の外側を通る際に所要数の経糸4を飛び越して経糸4に絡み付くように織り込まれている。
図8(E)に示す基布101では、図8(C)及び(D)の例と同様に、表側の経糸3及び裏側の経糸4にそれぞれ絡み付くように追加緯糸102・103が織り込まれているが、表側の経糸3に絡み付く追加緯糸102は、図8(D)の例での追加緯糸93と同様に、経糸3の外側を通る際に所要数の経糸3を飛び越して経糸3に絡み付くように織り込まれている。裏側の経糸4に絡み付く追加緯糸103は、図8(D)の例での追加緯糸93と同一である。
なお、追加緯糸の織り込みの組織形態は、以上の例に限定されるものではなく、種々の形態が可能である。
本発明にかかる製紙用シーム付きフェルトは、経糸の折り返しにより接合ループが形成されると共に、その接合ループを形成する一対の経糸の双方に緯糸を絡合させた織物組織をなす基布を有する製紙用シーム付きフェルトにおいて、接合ループの内部空間の大きさを概ね均一化すると共に接合ループの捩れ及び厚さ方向位置のずれを抑制して、接合ループによるシーム部の接合作業の作業性を向上させることができる効果を有し、抄紙機のプレスパート(圧搾部)で用いられる製紙用シーム付きフェルトなどとして有用である。
本発明によるシーム付きフェルトの一例を示す丈方向の断面図 図1に示した基布の幅方向の断面図 図1に示した基布の機織の要領を示す模式図 図1に示したシーム付きフェルトの使用中の状態を示す丈方向の断面図 本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図 本発明によるシーム付きフェルトの別の例を示す丈方向の断面図 図6に示した基布の幅方向の断面図 図7に示した基布の変形例を示す幅方向の断面図 従来のシーム付きフェルトの一例を示す丈方向の断面図 図9に示した基布の幅方向の断面図
符号の説明
1・31・41・51・61・71・81・91・101 基布
2 不織繊維層
3・4 経糸
5・5a・5b 緯糸
11 接合ループ、11a 基部
16 空間
52・62・72・82・83・92・93・102・103 追加緯糸

Claims (3)

  1. 経糸の折り返しにより接合ループが形成されると共に、その接合ループを形成する一対の経糸の双方に緯糸を絡合させた織物組織をなす基布を有する製紙用シーム付きフェルトであって、
    前記接合ループの近傍領域に、ステープル及びフィラメントのいずれか一方あるいは双方を多数集合させた集合糸材からなる緯糸を配し、その緯糸を前記接合ループの基部に接触する交差部分で扁平化させて、その緯糸による前記接合ループの基部の締め付けを緩和するようにしたことを特徴とする製紙用シーム付きフェルト。
  2. 前記接合ループの直近の緯糸から6本目の緯糸までの全てまたはいずれかを、前記集合糸材からなる緯糸としたことを特徴とする請求項1に記載の製紙用シーム付きフェルト。
  3. 前記集合糸材からなる緯糸が、地部の緯糸に対して60%〜200%の太さであることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の製紙用シーム付きフェルト。
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