JP2007138083A - フェノール樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】実質的にヘキサメチレンテトラミンを用いること無しに、硬化速度、耐熱性のバランスに優れ、塩基性フィラー配合においても硬化阻害の起きないフェノール樹脂組成物を提供するものである。
【解決手段】 ノボラック型フェノール樹脂(a)、ポリアセタール樹脂(b)、および遷移金属化合物(c)を必須成分とし、実質的にヘキサメチレンテトラミンを含まないことを特徴とするフェノール樹脂組成物であり、好ましくは前記遷移金属化合物(c)が、チタン、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、銅、クロム、マンガン化合物から選ばれる1種類以上を含むものであり、更に、前記遷移金属化合物(c)が、遷移金属の有機酸塩であることが好ましい。

Description

本発明は、フェノール樹脂組成物に関するものである。
フェノール樹脂には、ノボラック型フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂とがあり、ノボラック型フェノール樹脂には硬化剤(主にヘキサメチレンテトラミンが硬化剤として使用される)が配合されて熱硬化性フェノール樹脂組成物として用いられる。これらはいずれも、耐熱性、機械的強度、電気特性、等、種々の優れた特性を有しており、成形材料、積層板、接着剤、等、種々の用途に使用されている。
硬化剤として用いられるヘキサメチレンテトラミンは固形であるため、製品形態として粉末状であることを要求される用途においては、特に好んで使用される。一方で、ヘキサメチレンテトラミンは変異原性物質である上、硬化時にアンモニアが発生するため、銅や亜鉛、錫やそれらの合金などを腐蝕させるという問題があり、ヘキサメチレンテトラミンに変わる硬化剤が望まれている。
これまでも、ヘキサメチレンテトラミンに代わるノボラック型フェノール樹脂の硬化剤として、エポキシ樹脂や、イソシアネートなどが検討されてきているが、硬化性や耐熱性、樹脂を粉末状にして用いた場合の固結しにくさ、などを兼ね備えた硬化系はいまだ見出されていない。
これら特性を兼ね備えた硬化系として、硬化剤にポリアセタール、触媒に酸を用いる例が報告されている(例えば、特許文献1参照)。硬化剤にポリアセタールを用いた系は、硬化性、耐熱性に優れ、硬化剤が高分子量の樹脂であるために固結しにくいという特徴を持っており、特に成形材料などに好適に用いることができる。一方で、金属腐蝕を嫌う用途、例えば摩擦材、砥石、研磨布紙などでは、フィラーに塩基性物質を配合するため、触媒に酸を用いる系では硬化性が低下するという問題があった。これら用途への展開のために、塩基性物質配合でも硬化阻害の起きない触媒が求められている。
特開2004−269856号公報
本発明は、実質的にヘキサメチレンテトラミンを用いること無しに、硬化速度、耐熱性のバランスに優れ、塩基性フィラー配合においても硬化阻害の起きないフェノール樹脂組成物を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(8)により達成される。
(1)ノボラック型フェノール樹脂(a)、ポリアセタール樹脂(b)、及び遷移金属化合物(c)を必須成分とし、実質的にヘキサメチレンテトラミンを含まないことを特徴とするフェノール樹脂組成物。
(2)前記遷移金属化合物(c)が、チタン、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、銅、クロム、マンガン化合物の中から選ばれる1種類以上を含むものである、(1)に記載のフェノール樹脂組成物。
(3)前記遷移金属化合物(c)が、遷移金属の有機酸塩を含むものである(1)又は(2)に記載のフェノール樹脂組成物。
(4)前記遷移金属化合物(c)の含有量は、ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、0.5〜20重量部である(1)〜(3)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
(5)前記ノボラック型フェノール樹脂(a)とポリアセタール樹脂(b)とが、予め溶融混合さたものである、(1)〜(4)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
(6)前記フェノール樹脂組成物中に分散している前記ポリアセタール樹脂(b)の平均粒子径が150μm以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
(7)前記ポリアセタール樹脂(b)の含有量は、前記ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、5〜30重量部である(1)〜(6)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
(8)前記ポリアセタール樹脂(b)が、ホモポリマー型ポリアセタール樹脂を含むものである(1)〜(7)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
本発明によれば、ノボラック型フェノール樹脂(a)、ポリアセタール樹脂(b)、および遷移金属化合物(c)を必須成分とし、実質的にヘキサメチレンテトラミンを用いることなしに、硬化速度、耐熱性のバランスに優れるフェノール樹脂組成物を提供できる。
また、遷移金属化合物(c)として遷移金属の有機酸塩を用いることにより、特に硬化速度を向上させることができる。
さらに、ノボラック型フェノール樹脂(a)とポリアセタール樹脂(b)とが、予め溶融混合され、組成物中に分散したポリアセタール樹脂(b)の平均粒子径を150μm以下にすることにより、さらに硬化速度を向上させることができる。
本発明のフェノール樹脂組成物について説明する。
本発明のフェノール樹脂組成物(以下、単に「組成物」ということがある)は、ノボラック型フェノール樹脂(a)、ポリアセタール樹脂(b)、および遷移金属化合物(c)を必須成分とし、実質的にヘキサメチレンテトラミンを含まないことを特徴とする。
本発明の組成物に用いるノボラック型フェノール樹脂(a)としては特に限定されないが、フェノール類とアルデヒド類とを、無触媒あるいは触媒存在下で、反応させて得られるフェノール樹脂、クレゾール樹脂、キシレノール樹脂、ナフトール樹脂等が挙げられ、ランダムノボラック型でもハイオルソノボラック型でも用いることができる。
本発明の組成物には、ポリアセタール樹脂(b)を用いることを特徴とする。ポリアセタール樹脂(b)を用いることで、実質的にヘキサメチレンテトラミンを用いること無しにノボラック型フェノール樹脂(a)を硬化させることができる。すなわち、ポリアセタール樹脂(b)をノボラック型フェノール樹脂(a)の硬化剤として用いることができる。
本発明の組成物において、実質的にヘキサメチレンテトラミンを用いずにノボラック型フェノール樹脂(a)を硬化させることができるメカニズムについては明らかではないが、ポリアセタール樹脂が酸性物質ではポリアセタールがホルムアルデヒドに分解するのを促進することが確認されており、後述する遷移金属化合物でも同様に分解が促進され、ホルムアルデヒドが発生し、発生したホルムアルデヒドがノボラック型フェノール樹脂を硬化させるためではないかと考えられる。すなわち、ホルムアルデヒドとノボラック型フェノール樹脂が反応するメカニズムとしては、遷移金属化合物が触媒として働くためと推測される。
また、ここで実質的にヘキサメチレンテトラミンを用いないということは、用いるノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、1重量部以下のことを指す。
本発明の組成物に用いるポリアセタール樹脂(b)は、オキシメチレン基を主たる構成単位とする高分子化合物であり、特に限定されないが、ホモポリマー型ポリアセタール樹脂でも、オキシメチレン基以外に、他の構成単位を、50重量%未満含有するコポリマー型ポリアセタール樹脂でもよい。この中でも硬化性の点でホモポリマー型ポリアセタール樹脂が好ましい。
上記ポリアセタール樹脂(b)は、離型剤、酸化防止剤、安定化剤等を含有しているものでもよく、上記ホモポリマー型ポリアセタール樹脂の市販品としては、例えば、デュポン社製デルリン500NC010や、旭化成社製テナック4010、等が使用できる。
また、上記コポリマー型ポリアセタール樹脂の市販品としては、例えば、ポリプラスチックス社製ジュラコンM90S、三菱エンジニアリングプラスチックス社製F30−01、旭化成社製テナックC7520、等が使用できる。これらのポリアセタールは、単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせて使用することもできる。
上記ポリアセタール樹脂(b)は、上記ノボラック型フェノール樹脂(a)と予め溶融混合されたものであることが好ましい。こうすることでポリアセタール樹脂と遷移金属化合物が速やかに反応するため、特に硬化速度を向上させることができる。
更に、本発明の組成物中に分散しているポリアセタール樹脂(b)の平均粒子径は、150μm以下であることが好ましい。更に好ましくは130μm以下である。これにより、ポリアセタール樹脂と遷移金属化合物が速やかに反応するため、硬化速度を向上させることができる。
上記ポリアセタール樹脂(b)の含有量は、ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、5〜30重量部であることが好ましい。更に好ましくは10〜20重量部である。ポリアセタール樹脂(b)の含有量を上記範囲とすることで、十分な硬化速度を得ることができ、硬化時のガス発生量を抑えることで硬化物の外観を良好なものとすることができる。
また、上記組成物中に上記ポリアセタール樹脂(b)の平均粒子径を150μm以下で分散させる方法は特に制限されることはないが、たとえばジェットミルや凍結粉砕などにより、あらかじめ平均粒子径を150μm以下にして混合、分散させても良いし、樹脂に混練する時や、組成物を粉砕する際に添加し、機械的な力を加えることにより、最終的に組成物中に平均粒子径150μm以下で分散するようにしても構わない。また、ノボラック型フェノール樹脂(a)に反応釜や、加圧ニーダー、ロール、コニーダー、2軸押出し機等で両者の融点以上に保ち、あらかじめ溶融混合させても良い。
上記平均ポリアセタール樹脂(b)の平均粒子径は、メタノールにポリアセタール樹脂を混合した樹脂混合物を添加し、不溶部よりポリアセタールを回収することにより、測定することができる。
上記測定方法としては、特に限定されないが、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置、動的光散乱式粒度分布測定装置により測定することができるし、電子顕微鏡写真のようなもので、直接観察することもできる。本発明のフェノール樹脂組成物においては、上記平均粒子径はレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定を行った。
本発明の組成物には、遷移金属化合物(c)を用いることを特徴とする。
本発明の組成物に用いる遷移金属化合物(c)は、例えば、チタン、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、銅、クロム、マンガン化合物等が挙げられる。これら化合物は単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
これらの中でも亜鉛、ニッケル、コバルト、銅化合物が好ましい。さらに亜鉛化合物を用いることが好ましい。これにより、他の遷移金属化合物を用いた場合よりも、硬化速度を向上させることができる。
さらに、遷移金属化合物(c)としては、遷移金属の有機酸塩であることが好ましい。さらに好ましくは、シュウ酸塩、酢酸塩である。これにより、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂への金属が移動しやすくなり、硬化速度を向上させることができる。
本発明の組成物における遷移金属化合物(c)の含有量は、ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましい。更に好ましくは1〜15重量部である。遷移金属化合物(c)の含有量を上記範囲とすることで、十分な硬化速度を得ることができ、機械的強度や耐熱性を良好なものとすることができる。
本発明の組成物の配合方法は特に制限されることはないが、例えば遷移金属化合物(c)が固形である場合は、ノボラック型フェノール樹脂(a)とポリアセタール樹脂(b)とを反応釜内で両者の融点以上で溶融混合した後、遷移金属化合物(c)を加圧ニーダー、ロール、コニーダー、2軸押出し機等の混練機を用いて機械的に混合しても良いし、粉砕時に混合しても構わない。また、あらかじめノボラック型フェノール樹脂(a)に遷移金属化合物(c)を溶融混合や混練機を用いて機械的に混合した後、ポリアセタール樹脂(b)を混練機や粉砕機で混合しても構わない。さらに、ノボラック型フェノール樹脂(a)、ポリアセタール樹脂(b)、遷移金属化合物(c)を一括で混練したり、粉砕時に混合添加してもよい。
遷移金属化合物(c)が液状である場合は、あらかじめノボラック型フェノール樹脂(a)に溶融ないしは混練により遷移金属化合物(c)を添加することもできるし、ノボラック型フェノール樹脂(a)、ポリアセタール樹脂(b)、遷移金属化合物(c)を一括で混練し混合することもできる。
以上述べたように、本発明の組成物には、ポリアセタール樹脂(b)を含有するものであるが、一方、ノボラック型フェノール樹脂にポリアセタール樹脂を添加することは従来から知られており、フェノール樹脂を酸化防止剤としてポリアセタール樹脂に添加すること(例えば、特公昭49−42662号公報)、ポリアセタール樹脂とノボラック型フェノール樹脂からなる延伸安定性の改善された2軸延伸フィルム(例えば、特開平5−98039号公報)、ポリアセタール樹脂にノボラック型フェノール樹脂を配合して熱可塑性難燃性ポリアセタール樹脂を得る方法(例えば、特開2002−212385号公報)等が開示されている。
しかしながら、これらはいずれもポリアセタール樹脂を分解させることなくノボラック型フェノール樹脂と配合することにより熱可塑性樹脂の機能向上を図っているものであり、本発明の組成物の様にポリアセタール樹脂を分解させて発生するホルムアルデヒドに遷移金属化合物(c)が触媒として働き、ノボラック型フェノール樹脂と反応させて硬化させるフェノール樹脂組成物とは全く異なるものである。
更に、フェノールモノマー類とポリアセタール樹脂を反応させてノボラック型フェノール樹脂を製造する方法が開示されている(例えば、特開昭58−180515号公報、特開2000−273132号公報、特開2001−122937号公報)。しかしながら、これらはいずれもノボラック型フェノール樹脂を製造する為の原料としてポリアセタール樹脂を用いているものであり、本発明の組成物の様にノボラック型フェノール樹脂の硬化剤としてポリアセタール樹脂を用いるものとは全く異なるものである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制約されるものではない。また、以下で示される「部」は全て「重量部」である。
(合成例)
フェノール1000部、37%ホルマリン700部、蓚酸10部の混合物を、100℃で3時間反応後、反応混合物の温度が140℃になるまで、常圧蒸留で脱水し、更に、0.9kPaまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が240℃になるまで減圧蒸留で脱水し、ノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂1102部を得た。
(製造例1)
合成例で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂100部とホモポリマー型ポリアセタール樹脂(旭化成社製テナック4010)20部とを、190℃で10分間溶融混合した後、冷たいバット上に出して急冷し、混合物Aを101部を得た。得られた樹脂の一部をメタノールに添加し、不溶分のポリアセタールを回収しようとしたが、ポリアセタール樹脂は寒天状ゲル状となり、平均粒子径は測定不能であった。
(製造例2)
合成例で得たノボラック型フェノール・ホルムアルデヒド樹脂100部とホモポリマー型ポリアセタール樹脂(デュポン社製デルリン500NC010)20部とを、加熱ロール混練機にてロール温度を90℃にして30回、混練し、板状にして冷却することにより、混合物Bを109部を得た。得られた樹脂の一部をメタノールに添加し、不溶分のポリアセタールを回収したところ、ポリアセタール樹脂の平均粒子径は33μmであった。
(製造例3)
ホモポリマー型ポリアセタール樹脂(旭化成社製テナック4010)1000部を、ジェットミルにより粉砕し、ポリアセタール樹脂粉末を158部得た。このポリアセタール樹脂粉末の平均粒子径は54μmであった。
表1に実施例、比較例に用いた原料の配合量を示す。数字は全て重量部である。
Figure 2007138083
(実施例1)製造例1で得られた混合物A120部、遷移金属化合物として酢酸亜鉛7部を乳鉢で粉砕混合して、組成物を得た。
(実施例2)混合物Aの代わりに、製造例2で得られた混合物Bを用いた以外は実施例1と同様にして組成物を得た。
(実施例3)合成例1で得られたノボラック型フェノール樹脂100部、製造例3で得られたポリアセタール樹脂粉末10部を用いた以外は実施例1と同様にして組成物を得た。
(実施例4)ポリアセタール樹脂粉末を20部に増量した以外は実施例3と同様にして組成物を得た。
(実施例5)ポリアセタール樹脂粉末を30部に増量した以外は実施例3と同様にして組成物を得た。
(実施例6)炭酸カルシウム50部を追加配合した以外は実施例1と同様にして組成物を得た。
(比較例1)合成例1で得られたノボラック型フェノール樹脂100部、ヘキサメチレンテトラミン10部を乳鉢で粉砕混合して組成物を得た。
(比較例2)合成例1で得られたノボラック型フェノール樹脂を50部に減量、エポキシ樹脂(日本化薬社製EOCN―103S)50部、トリフェニルホスフィン1部、ヘキサメチレンテトラミンを用いなかったた以外は比較例1と同様にして組成物を得た。
(比較例3)合成例1で得られたノボラック型フェノール樹脂の代わりに、製造例1で得られた混合物A120部、シュウ酸2部、ヘキサメチレンテトラミンを用いなかったた以外は比較例1と同様にして組成物を得た。
(比較例4)炭酸カルシウム50部を追加配合した以外は比較例3と同様にして組成物を得た。
評価方法
(1)ゲル化時間:JIS K 6910 に準拠して、樹脂0.5gを用い、165℃の熱盤で測定した。
(2)固定炭素:JIS M 8812 に準拠して、組成物を135℃で1時間加熱乾燥処理後、430℃で30分間炭化処理を行い、その後、800℃で30分間灰化処理し、各処理後の重量より、下記式により算出した。
固定炭素(重量%)=100×[(炭化後の重量)−(灰化後の重量)]/(乾燥後の重量)
実施例1〜6と比較例1〜4で得られたフェノール樹脂組成物について、硬化速度の目安であるゲル化時間を測定し、硬化性の比較を行った。また、実施例1〜5、比較例1〜3について、耐熱性の目安である固定炭素を測定し、評価を行った。以上の結果を表2に示す。
Figure 2007138083
上記の表2の結果から明らかな様に、実施例1〜6は、した本発明のフェノール樹脂組成物であり、ヘキサメチレンテトラミンを使用していないにも拘らず、硬化速度に優れ、ヘキサメチレンテトラミンを含むノボラック型フェノール樹脂に匹敵する耐熱性を有し、硬化速度及びノボラック型フェノール樹脂(a)、ポリアセタール樹脂(b)、および遷移金属化合物(c)を必須成分と耐熱性のバランスに優れていた。
また、ポリアセタール樹脂を硬化剤に用いた実施例3〜5は遷移金属化合物(c)を用いているため、触媒にシュウ酸を用いた比較例3に比較してゲル化時間を実用上問題のないものとすることができた。
又、実施例6は、炭酸カルシウムのような塩基性フィラー存在下にも拘らず、実用上問題のない硬化性を有する樹脂組成物を得ることができた。一方、同様に炭酸カルシウムを含む比較例4は遷移金属化合物(c)を含まないためゲル化時間が長いものとなった。

Claims (8)

  1. ノボラック型フェノール樹脂(a)、ポリアセタール樹脂(b)、及び遷移金属化合物(c)を必須成分とし、実質的にヘキサメチレンテトラミンを含まないことを特徴とするフェノール樹脂組成物。
  2. 前記遷移金属化合物(c)が、チタン、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、銅、クロム、マンガン化合物の中から選ばれる1種類以上を含むものである、請求項1に記載のフェノール樹脂組成物。
  3. 前記遷移金属化合物(c)が、遷移金属の有機酸塩を含むものである請求項1又は2に記載のフェノール樹脂組成物。
  4. 前記遷移金属化合物(c)の含有量は、ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、0.5〜20重量部である請求項1〜3のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
  5. 前記ノボラック型フェノール樹脂(a)とポリアセタール樹脂(b)とが、予め溶融混合さたものである、請求項1〜4のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
  6. 前記フェノール樹脂組成物中に分散している前記ポリアセタール樹脂(b)の平均粒子径が150μm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
  7. 前記ポリアセタール樹脂(b)の含有量は、前記ノボラック型フェノール樹脂(a)100重量部に対して、5〜30重量部である請求項1〜6のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
  8. 前記ポリアセタール樹脂(b)が、ホモポリマー型ポリアセタール樹脂を含むものである請求項1〜7のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
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