JP2007137830A - 化粧料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位及びアニオン性単量体(B)に相当する構成単位を主成分とするポリマー0.1〜5質量%、カチオン界面活性剤0.1〜10質量%、高級アルコール0.1〜20質量%、シリコーン油0.1〜10質量%、及び水55〜99.6質量%を含む化粧料組成物であって、前記ポリマーの全重量に対して、親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位の割合が50〜99質量%であり、アニオン性単量体(B)に相当する構成単位の割合が1〜50質量%である化粧料組成物。
【選択図】 なし
Description
処理剤は一般にカチオン界面活性剤と高級アルコールを含有し、これらが形成するラメラと呼ばれるゲル状物が毛髪に吸着し良好な感触を与えるほか、乾燥後の感触を更に改良するためにシリコーン油の添加も行われている。
即ち本発明の要旨は、親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位及びアニオン性単量体(B)に相当する構成単位を主成分とするポリマー0.1〜5質量%、カチオン界面活性剤0.1〜10質量%、高級アルコール0.1〜20質量%、シリコーン油0.1〜10質量%、及び水55〜99.6質量%を含む化粧料組成物であって、前記ポリマーの全重量に対して、親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位の割合が50〜99質量%であり、アニオン性単量体(B)に相当する構成単位の割合が1〜50質量%であることを特徴とする化粧料組成物に存する。
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4の水酸基を有していてもよいアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は1以上4以下である。)
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
(式中、R5は水素原子又はメチル基を表し、cは1〜4の整数を表し、dは0〜3の整数を表す。)
また、好ましくはアニオン性単量体(B)が、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基及びボロン酸基からなる群より選ばれる1以上の官能基を有する。
より好ましくはアニオン性単量体(B)が一般式(4)又は(5)で表される。
(式中、R6は水素原子又はメチル基を表し、X1は水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。)
(式中、R7は水素原子又はメチル基を表し、eは1〜4の整数を表し、Yは置換基を有してもよいフェニル基を表し、X2は水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。)
特に毛髪用の洗い流すタイプの化粧料に配合すると、すすぎ時のなめらかさ及び乾燥後のサラサラ感等が向上する利点がある。なかでも、ダメージ毛に使用した際にはゴワツキを抑制する効果が高い。このためトリートメントといった更に高濃度のものや、洗い流さないタイプのものなどを使用する必要がなく、ベタつきにくく、ダメージ毛と未処理毛の両方に優れたコンディショニング効果を与える。かつコスト面でも有利である。
本発明の化粧料組成物は、親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位及びアニオン性単量体(B)に相当する構成単位を主成分とするポリマー0.1〜5質量%、カチオン界面活性剤0.1〜10質量%、高級アルコール0.1〜20質量%、シリコーン油0.1〜10質量%、及び水55〜99.6質量%を含み、ポリマーの全重量に対して、親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位の割合が50〜99質量%であり、アニオン性単量体(B)に相当する構成単位の割合が1〜50質量%である。
(a)下記単量体(A)及び(B)に相当する構成単位を主成分とするポリマー
0.1〜5質量%
(A)親水性ノニオン性単量体 ポリマーの50〜99質量%
(B)アニオン性単量体 ポリマーの1〜50質量%
(b)カチオン性界面活性剤 0.1〜10質量%
(c)高級アルコール 0.1〜20質量%
(d)シリコーン油 0.1〜10質量%
(e)水 55〜99.6質量%
この化粧料を用いることで、肌や毛髪、特に未処理毛のみならずダメージ毛に対しても、すすぎ時の指通りのよさ、なめらかさ、乾燥後のサラサラ感、柔軟性といった優れたコンディショニング効果を与える。
(a)ポリマーは、化粧料組成物中に0.1質量%以上含有するものとする。これにより肌や毛髪に対する吸着力が増加しすすぎ時のなめらかさや乾燥後のサラサラ感などのコンディショニング効果を与える。好ましくは0.2質量%以上含有する。ただし(a)ポリマーの含有量は5質量%以下とする。乾燥後のゴワツキ感をなくししっとり感を高めるためである。好ましくは3質量%以下とする。ポリマーは1種類を単独で用いてもよいし2種類以上を併用してもよい。
以下、本発明の化粧料組成物の成分についてより詳細に説明する。
このポリマーはアニオン性ポリマーであるものとする。アニオン性ポリマーとは、カチオン性基を有してもよいが全体としてアニオン性基の数がカチオン性基の数より勝っているポリマーのことである。カチオン性基はアニオン性基の効果を相殺してしまうため、アニオン性基の効果が十分に機能するためには、カチオン性基の数はできるだけ少ない方が好ましい。
好ましくはポリマーの全重量に対して単量体(A)と(B)に相当する単位を70質量%以上含み、更に好ましくは80質量%以上含む。
アニオン性単量体とは、アニオン性基を1以上有し、カチオン性基を有しないか又はアニオン性基の数より少ないカチオン性基を有するビニル系単量体である。アニオン性基は酸の形でも塩の形でもよく、塩の形にするのは重合前でも重合後でもよい。
ポリマー全重量中の、親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位の割合は、50〜99質量%とする。50質量%未満では肌や毛髪への吸着力が劣り、サラサラ感、しっとり感が向上しない。好ましくは60質量%以上とし、より好ましくは65質量%以上とし、更に70質量%以上とすることで、肌や毛髪への吸着力がより高まり、サラサラ感、しっとり感がより高まる。
ポリマー中、アニオン性単量体(B)に相当する構成単位は、化粧料組成物中で通常併用される界面活性剤、特にカチオン界面活性剤とコンプレックス(複合体)を形成し易い。こうして形成されたコンプレックスが毛髪に付着し毛髪を均一に被覆することで、肌や毛髪になめらかさやサラサラ感、しっとり感を与えやすくなるものと考えられる。
ただしアニオン性単量体(B)に相当する構成単位の割合が50質量%を超えると、化粧料が良性のゲル状物を形成せず粘度が低下し液状になったり、乾燥後にゴワツキを与えたりする場合がある。好ましくは45質量%以下とし、より好ましくは40質量%以下とし、更に好ましくは35質量%以下とすることで、化粧料組成物の均一性がより高くなる。
本発明において、親水性ノニオン性単量体(A)とは、水溶性であり且つイオン性の基を有さない単量体を指す。ここでいう水溶性とは100gの水に対して10g以上均一に溶解することである。
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4の水酸基を有していてもよいアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は1以上4以下である。)
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
(式中、R5は水素原子又はメチル基を表し、cは1〜4の整数を表し、dは0〜3の整数を表す。)
一般式(3)で表される親水性ノニオン性単量体としては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。なかでも乾燥後のサラサラ感が高いことやゴワツキ感の無さ、及び肌や毛髪への親和性が高いことから、好ましくは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。
好ましくは、親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位における、一般式(1)で表される単量体に相当する構成単位の割合を50〜100質量%とする。即ち親水性ノニオン性単量体(A)の50質量%以上を一般式(1)で表される単量体とすることで、高い毛髪親和性が得られる。より好ましくは80〜100質量%とし、更に好ましくは90〜100質量%とし、最も好ましくは100質量%とする。
次に、本発明においてアニオン性単量体(B)とは、アニオン性基を1以上有し、カチオン性基を有しないか又はアニオン性基の数より少ないカチオン性基を有するビニル系単量体である。アニオン性基は酸の形でも塩の形でもよく、塩の形にするのは重合前でも重合後でもよい。
アニオン性単量体(B)としては、なかでも下記一般式(4)又は(5)で表されるものが好ましい。
(式中、R6は水素原子又はメチル基を表し、X1は水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。)
(式中、R7は水素原子又はメチル基を表し、eは1〜4の整数を表し、Yは置換基を有してもよいフェニル基を表し、X2は水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。)
アンモニウムイオンは置換基を有してもよいが、置換基として好ましくは、水酸基を有していてもよい、炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基である。例えば、アンモニウムイオンの他、1〜3級アミンの4級化物などが挙げられる。具体的には、ラウリルジメチルアミン、テトラデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミンの4級化物や、ラウリルアミン、テトラデシルアミン、オクタデシルアミン、アミノメチルプロパノール等の1級アミンの4級化物等がある。
X2はX1と同様である。
Yは置換基を有してもよいフェニル基を表す。置換基として好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖又は分岐のアルキル基である。最も好ましくはYが置換基を有さないフェニル基である。
一般式(4)で表されるものとしては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウムなどが挙げられる。
一般式(5)で表されるものとしては、この式に含まれるものであれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エチルテレフタレート、(メタ)アクリル酸プロピルテレフタレートなどが挙げられる。
なお、アニオン性単量体(B)は1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよく、一般式(4)及び(5)で表されるものを併用してもよい。
本発明のポリマー中には、本発明の効果を著しく損なわない限り、上記単量体(A)及び(B)以外の他の単量体に由来する構造単位を含有させてもよい。
他の単量体に由来する構造単位の含有量は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜定めることができる。例えば、ポリマーの肌や毛髪への親和性や、毛髪化粧料に用いる場合にはコンディショニング効果等を阻害しない範囲で適宜定めることができる。したがって、共重合体中の40質量%以下とする。好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。
以下に、他の単量体について例示するが、これに限定されるものではない。
−(SiR9R10−O)−
(式中、R9及びR10はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、又はフェニル基を表す。)
ポリマー中においては、ポリシロキサン構造は主鎖にグラフト構造で連結されていてもよく、また逆にポリシロキサン構造を主鎖とし他の構造がグラフト構造で連結さされていてもよく、さらには、ポリシロキサン構造と他の構造とがブロック構造で直鎖状に連結されていてもよい。
CH2=C(R8)−Z−(SiR9R10−O)n−R11 (6)
(式中、R8は水素原子又はメチル基を表し、R9及びR10はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基、又はフェニル基を表し、R11は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Zは2価の連結基又は直接結合を表し、nは2〜200の整数を表す。)
Zは2価の連結基又は直接結合を表すが、なかでも以下に挙げられる構造の1つ又は2つ以上の組合せからなる構造が好ましい。組合せる個数は特に限定されないが、通常、5つ以下である。また、以下の構造の向き(どちらの端がポリシロキサン基側か)は任意である。なお、Rは炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を表す。
−CONH−R−
−O−R−
−R−
共重合体中の単量体(A)及び(B)、及びその他ビニル系単量体に相当するそれぞれの構成単位の含有量は、カルボニル基、アミド結合、ポリシロキサン構造や各種官能基などのIR吸収や、ポリジメチルシロキサンのメチル基やアミド結合部位及びそれらに隣接するメチル基、メチレン基などの1H−NMR、あるいはそれらの13C−NMR等により測定することができる。
また、アニオン性単量体(B)の対イオンは、重合する前に中和反応により一部又は全部を水素イオン以外のものに代えて重合に供することもでき、或いは、重合やその他の反応の後に中和反応により一部又は全部を水素イオン以外のものに代えることもできる。これらはその合成のし易さにより適宜選択して行うことができる。
ポリマーの分子量の調整は、例えば、ポリマーの重合度を制御することによって行うことができる。また多官能アクリレートなどの架橋剤の添加量を増減することによっても分子量及び粘度が制御できる。但し架橋剤は少しでも添加しすぎると分子量及び粘度が急激に増大してしまうなど、工業的に製造する上では制御が困難な面がある。このため架橋剤は含まないことが最も好ましい。
ポリジメチルシロキサンアルキレンオキシド共重合体としては、「F−178−21」(日本ユニカー株式会社)として市販されているものが挙げられる。
これらのアミノ変性ポリジメチルシロキサンは、ジメチルシロキサンと、前記アミノアルキル基を有するシロキサンとを共重合させるか、又はポリジメチルシロキサンを前述のアミノアルキル基を有する化合物で後変性してポリジメチルシロキサン骨格にアミノアルキル基を導入することにより得られる。市販されているものとしては、例えば、「USAR SILICONE ALE56」(ユニオン・カーバイド社)、「ABIL9905」(ザ・ゴールドシュミットAG社)、「KF857」、「KF867」、「KF865」(いずれも信越化学工業株式会社)、「SM8702C」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、「FZ−3707」(日本ユニカー株式会社)等がある。
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとして最も好ましくは、ジメチルシロキサンと、前記重合体骨格のオキシアルキレン基を有するシロキサンとを共重合させて得たものである。
エポキシ変性ポリジメチルシロキサンとしては、「X−60−164」(信越化学工業株式会社)、「PS922」(チッソ株式会社)、「L−9300」(日本ユニカー株式会社)などが市販されている。
アルコール変性ポリジメチルシロキサンとしては、「KF851」(信越化学工業株式会社)、「FM4411」(チッソ株式会社)、「FZ−3722」、「F−235−21」(日本ユニカー株式会社)などが市販されている。
アルコキシ変性ポリジメチルシロキサンとしては、「PS912」(チッソ株式会社)、「FZ−3701」(日本ユニカー株式会社)などが市販されている。
シリコーン油は1種類を単独で用いてもよいし2種類以上を併用してもよい。
本発明の化粧料組成物中に含有する他の成分は特に限定されず、本発明の目的、効果を阻害しない範囲で配合することが可能である。具体的には、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、半極性界面活性剤、水溶性高分子、カチオン性高分子、アニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子、油分、パール化剤、懸濁剤等である。
アニオン界面活性剤としては、例えば、α−オレフィンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、パラフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、N−アシル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アシルメチルタウリン塩等の洗浄剤組成物に常用されているものを用いうる。これらのアニオン界面活性剤の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。なお、アニオン界面活性剤は複数種を併用してもよい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルや脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミドなどが挙げられる。
水溶性高分子としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等が挙げられる。
アニオン性高分子としては、例えば、アクリル酸誘導体(ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸−アクリルアミド−アクリル酸エチル共重合体及びその塩等)、メタクリル酸誘導体、クロトン酸誘導体等が挙げられる。
両性高分子としては、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(アクリルアミド−アクリル酸−塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、アクリル酸−塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等)等が挙げられる。
パール化剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコールなどの脂肪酸エチレングリコール等が挙げられる。
懸濁剤としては、例えば、ポリスチレン乳化物等が挙げられる。
なかでも、洗髪の後又は前に使用する、洗い流すタイプの化粧料組成物として用いるのが好ましい。特に好ましくは洗髪後に使用し洗い流すタイプのものである。ここで「洗い流すタイプ」とは、塗布した後すぐに又はしばらく時間をおいた後に水ですすぎ落とす処理を施すものである。
[ポリマーの製造]
(ポリマー(1)の製造)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器にエタノール100質量部を仕込み、滴下ロートにジメチルアクリルアミド80質量部、アクリル酸20質量部、及びエタノール80質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち80℃まで加熱した。反応器に、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)(V−601;和光純薬工業(株)製)0.5質量部を投入後、単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後から6時間反応させたのち冷却し、ポリマー(1)を得た。
なお重量平均分子量の測定は次のように行った。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(装置:東ソー株式会社製、SC8010,SD8022,RI8020,CO8011,PS8010、カラム:和光純薬工業株式会社 Wakopak(Wakobeads G−50)、展開溶媒:水/メタノール/酢酸/酢酸ナトリウム=6/4/0.3/0.41)を用いて、ポリエチレングリコールを標準物質として重量平均分子量を求めた。
表1(ポリマー(2)〜(11))に記載の単量体を用いたこと以外は、ポリマー(1)の製造と同様にしてポリマー(2)〜(11)を製造した。得られたポリマーの重量平均分子量を表−1に示した。
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管及び撹拌装置を備えた反応器にエタノール100質量部を仕込み、滴下ロートにジメチルアミノエチルメタクリレート40.4質量部、ジメチルアクリルアミド20質量部、及びエタノール80質量部からなる単量体混合液を仕込み、反応器を窒素置換したのち80℃まで加熱した。反応器に、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネイト)(V−601;和光純薬工業(株)製)0.5質量部を投入後、単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後から6時間反応させたのち60℃まで冷却した。反応溶液に硫酸ジエチル39.6質量部を1時間かけて滴下したのち4時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、ポリマー(12)を得た。得られたポリマーの重量平均分子量を表−1に示した。
上記の方法によって得られたポリマー(1)〜(12)を用い、下記組成のコンディショナーを調製した。ただし、アニオン性ポリマーは使用する前に水酸化ナトリウムで中和してから30%エタノール溶液として使用した。数値は全て活性成分の質量(質量部)である。アニオン性ポリマーの質量は水酸化ナトリウムにより中和された構造での質量である。
ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド 2質量部
セチルアルコール 2質量部
ステアリルアルコール 2質量部
シリコーン油 2質量部
蒸留水 91.5質量部
このように調製したコンディショナーを用いて配合性を評価した。
また、ダメージ毛について、それぞれすすぎ時のなめらかさ、乾燥後のサラサラ感、乾燥後のしっとり感を評価した。これら評価はポリマーを含まない組成を比較標準品として評価した。これらの結果を表−2に示す。
各コンディショナー組成物の均一性を以下のように3段階で評価した。
0 : 分離せずに均一なゲル状物が得られる。
−1: 分離はしないがゲル状物を形成していない。
−2: 分離し不均一な液状物。
評価用の毛束として、人毛黒髪(100%)根本揃え(未処理毛、10g×30cm、(株)ビューラックス社)を用い、これをブリーチ処理したものを「ダメージ毛」として使用した。即ちこの毛束1本に、ブリーチ剤として、(株)ミルボン製プロマティスブレーブオキシタン6.0(過酸化水素6%クリーム)を12g及び(株)メロス化学製パウダーブリーチMR2を6g混合したものを塗布し、30分放置したのち水洗しラウロイル(EO)3硫酸ナトリウム(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)で洗浄し、ダメージ毛の毛束とした。
次いで上記の各コンディショナーを塗布した後、40℃の流水中で毛束をすすいだときの指通りのなめらかさ及びそのなめらかさの持続具合を4段階で評価した。
+2: 比較標準品に比べてなめらかさ、持続性共に優れる
+1: 比較標準品に比べてなめらかさ、持続性のどちらかが優れる
0 : 比較標準品と同程度
−1: 比較標準品に比べて劣る
すすぎ時のなめらかさ評価後の毛束を、23℃、60%RHの恒温室にて一晩乾燥させた後に、毛束のサラサラ感を4段階で評価した。
+2: 比較標準品に比べてサラサラ感が著しく優れる
+1: 比較標準品に比べてサラサラ感が優れる
0 : 比較標準品と同程度
−1: 比較標準品に比べて劣る
乾燥後のサラサラ感を評価した毛束にて、乾燥後のしっとり感を4段階で評価した。
+2: 比較標準品に比べて柔軟性を感じ、ほとんどゴワツキを感じない
+1: 比較標準品に比べて柔軟性、ゴワツキの無さのどちらかが優れる
0 : 比較標準品と同程度
−1: 比較標準品に比べて柔軟性がなくゴワツキを感じる
1)総合的に評価すると、実施例4及び5が好ましく、実施例1〜3が次に好ましく、実施例6〜8が次に好ましいものが得られた。
2)比較例1は、疎水性単量体を主成分として有しており、親水性ノニオン性単量体(A)に相当する単位も有していない。そのため、すすぎ時のなめらかさ及び乾燥後のしっとり感が劣っている。
3)比較例2は、アニオン性単量体(B)に相当する単位を有さず、親水性ノニオン性単量体(A)に相当する単位が99質量%を超えている。そのためすすぎ時のなめらかさ及び乾燥後の感触が向上していない。
4)比較例3は、アニオン性単量体(B)に相当する単位が50質量%を超えている。そのため、配合性が悪く、また、すすぎ時のなめらかさ及び乾燥後の感触が劣る。
5)比較例4は、アニオン性単量体(B)に相当する単位を有していない。そのため、乾燥後のサラサラ感が劣る。
Claims (8)
- 親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位及びアニオン性単量体(B)に相当する構成単位を主成分とするポリマー0.1〜5質量%、カチオン界面活性剤0.1〜10質量%、高級アルコール0.1〜20質量%、シリコーン油0.1〜10質量%、及び水55〜99.6質量%を含む化粧料組成物であって、
前記ポリマーの全重量に対して、親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位の割合が50〜99質量%であり、アニオン性単量体(B)に相当する構成単位の割合が1〜50質量%であることを特徴とする化粧料組成物。 - 親水性ノニオン性単量体(A)が、一般式(1)、(2)又は(3)で表される、請求項1に記載の化粧料組成物。
CH2=C(R1)−CO−NR2R3 (1)
(式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜4の水酸基を有していてもよいアルキル基を表し、R2とR3の炭素数の和は1以上4以下である。)
CH2=C(R4)−COO−(CH2)a−(CHOH)b−OH (2)
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、aは1〜4の整数を表し、bは0又は1を表す。)
CH2=C(R5)−COO−(CH2)c−CH(OH)−(CH2)d−CH3 (3)
(式中、R5は水素原子又はメチル基を表し、cは1〜4の整数を表し、dは0〜3の整数を表す。) - 親水性ノニオン性単量体(A)に相当する構成単位における、一般式(1)で表される単量体に相当する構成単位の割合が50〜100質量%である、請求項2に記載の化粧料組成物。
- アニオン性単量体(B)が、カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基及びボロン酸基からなる群より選ばれる1以上の官能基を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
- アニオン性単量体(B)が一般式(4)又は(5)で表される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
CH2=C(R6)−COOX1 (4)
(式中、R6は水素原子又はメチル基を表し、X1は水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。)
CH2=C(R7)−COO−(CH2)e−OCO−Y−COOX2 (5)
(式中、R7は水素原子又はメチル基を表し、eは1〜4の整数を表し、Yは置換基を有してもよいフェニル基を表し、X2は水素原子、1価の金属イオン、又は置換基を有してもよいアンモニウムイオンを表す。) - 毛髪用化粧料である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
- コンディショニング剤である、請求項6に記載の化粧料組成物。
- 洗い流すタイプの毛髪用化粧料である、請求項6又は7に記載の化粧料組成物。
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