JP2007136900A - 液体検出装置及びそれを備えた液体収容容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体流入口11A及び液体流出口11Bを備えた圧力センサ室33Bと、振動板43を有し、この振動板43の圧力センサ室33B側にキャビティ41が形成された圧電センサ34と、圧電センサ34の振動板43に取り付けられ圧力センサ室33B内のインクに振動を印加するとともに自由振動の状態を検出する圧電素子44と、圧電センサ34を圧力センサ室33B内の液量に応じて変位可能に支持し、圧電センサ34とともに圧力センサ室33Bの一部を形成する可撓性を有するダイヤフラム48とから液体検出装置30を構成する。
【選択図】図2
Description
また、検出機構内のセンサ室に振動を付与し、その残留振動の波形を圧電素子によって検出することにより、センサ室内のインクの有無を直接的に検出することが考えられているが、残留振動の振幅は極めて小さいため、液体の有無による残留振動の波形の違いを正確に区別することが難しく、したがって、振動波形の違いを確実に判別することが可能な機構が要求されていた。
特に、振動板を備えた圧電センサを、可撓性を有するダイヤフラムによって支持したので、少ない部品点数にて振動板の自由振動をより大きなレベルに増幅することができ、圧力センサ室内における液体の有無を確実に検出することができる。
これにより、圧力センサ室内の液量が減少した際に、付勢手段によって圧電センサを圧力センサ室の壁面に確実に当接させてキャビティを閉鎖させることができる。
つまり、圧力センサ室内の液体が減少した際に、圧電素子による振動作用領域を確実に変化させて圧力センサ室内における液体の有無をより確実に検出することができる。
これにより、圧力センサ室内の液圧の減少に伴って圧電センサを確実に変位させることができ、圧力センサ室内に液体が存在するにも関わらず圧電センサが変位してしまうような誤動作をなくすことができ、高い精度にて液体を検出することができる。
これにより、ダイヤフラムにおける気密性を高めることができ、圧力センサ室内の液体への気体の侵入を確実に防止し、高い脱気度を維持させることができる。
これにより、例えば、捺染装置、マイクロディスペンサさらには超高品質での印刷が求められる商業用記録装置等の液体噴射ヘッドへインク等の液体を供給する液体収容容器に適用した際に、この液体収容容器の液体が空となって液体が供給されていない状態で装置を作動させてしまう、いわゆる空打ちをなくすことができ、空打ちによる噴射ヘッドの損傷を防止することができる。
そして、この液体検出装置を備えた液体収容容器によれば、例えば、捺染装置、マイクロディスペンサさらには超高品質での印刷が求められる商業用記録装置等の液体噴射ヘッドへインク等の液体を供給する液体収容容器に適用した際に、この液体収容容器の液体が空となって液体が供給されていない状態で装置を作動させてしまう、いわゆる空打ちをなくすことができ、空打ちによる噴射ヘッドの損傷を防止することができる。
図1は、本発明の液体検出装置を備えた液体収容容器の実施形態を示す断面図、図2は、液体検出装置の構造を示す断面図である。
図1に示すように、このカートリッジ(液体収容容器)1は、記録装置に装着されるもので、半殻体をなす有底箱体からなる第1のケース10と第2ケース20とを合体させてケースが構成されている。第1のケース10にはインク等の液体を収容する液体収容部2を形成すべく第1のケース10に形成された開口部を樹脂フィルム等からなる可撓性膜体3により覆い、第1のケース10の周囲に熱溶着等で接合している。一方、可撓性膜体3の他方の側には、可撓性膜体3の熱溶着した部分に第2のケース20の周囲が圧接して、第2のケース20と可撓性膜体3との間で形成された気密空間が形成されている。この気密空間は、外部から図示しない加圧流体導入口より加圧流体(加圧空気)が導入される加圧領域4とされ、この加圧領域4に加圧流体が導入されることにより、可撓性膜体3が加圧され、第1のケース10内の液体が、外部に排出する方向に加圧される。
そして、この液体供給口5では、記録装置と未接続の状態にて、バネ9により常時閉弁状態が維持され、また、接続された状態にて、液体導入針6により弁体8が開弁方向に押圧されて開弁する。
液体供給口5と液体収容部2とは、液体流入口11A及び液体流出口11Bにより連通されており、これら液体流入口11A及び液体流出口11Bの途中に液体検出装置30が設けられている。
このように、センサチップ40が搭載されたセンサベース46は、ユニットベース47に形成された凹所47Cに収容されている。そして、センサベース46とユニットベース47とは、その上から樹脂製のダイヤフラム48により被覆されて一体に固着されている。
つまり、ダイヤフラム48の内周側を、センサベース46及びユニットベース47の上面に接着させることにより、センサベース46とユニットベース47との間が互いに固着されると同時にシールされている。
これにより、圧電センサ34は、ダイヤフラム48によって液体検出室33内にて、その上下方向に変位可能に支持されている。
そして、液体検出室33が、ダイヤフラム48によって支持された圧電センサ34によって上下に分割され、液体流入口11A及び液体流出口11Bと連通する空間部分が圧力センサ室33Bとされており、この圧力センサ室33B内に、液体流入口11Aを介して液体収容部2からインクが送り込まれるようになっている。
これにより、上記圧電センサ34を備えた液体検出装置30は、加圧流体である空気が加圧領域4に未供給の状態では、圧電センサ34が圧縮バネ50の付勢力を受けて液体検出室33の底面33Cに位置する。
そして、この状態にて、圧力センサ室33B内のインクは、センサベース46及びユニットベース47の流路46A,47Aを介してセンサキャビティ41に入り込む。
インクカートリッジ1を記録装置の装着部に装着すると、装着部の液体導入針6が液体供給口5に係合して弁体8が後退され、また、図示しない加圧流体供給源が加圧領域4に連通する。なお、加圧領域4は、流路により液体供給口5の形成されている面に導かれて、インクカートリッジ1を記録装置に装着した際に加圧流体供給源に接続できるように構成するのが望ましい。
これにより、液体収容部2のインクが液体流入口11Aを通って液体検出室33の圧力センサ室33B内に流れ込み、これにつれて液体検出室33の圧電センサ34は、図4に示すように、圧力センサ室33B内に流れ込むインクの液圧によって圧縮バネ50の付勢力に抗して上昇する。
そして、この圧力センサ室33Bに流入したインクは、液体流出口11Bを介して液体導入針6から記録装置内の流路に送り出され、記録ヘッドでの印刷に用いられる。
ここで、圧電センサ34の振動板43は、センサキャビティ41、流路46A,47A及び圧力センサ室33B内に充填されたインクが振動する、図3(ロ)に示すような比較的大きい振幅で自由振動する。また、圧電センサ34は、その周囲が、可撓性を有するダイヤフラム48によって液体検出室33の内周壁33Aに支持されているので、振動板43の自由振動が増幅され、これにより、圧電素子44における逆起電力が増幅される。
圧力センサ室33B内のインクの減少が所定量以下に低下すると、ダイヤフラム48によって支持された圧電センサ34が圧縮バネ50の付勢力によってインクの減少に追従して下方に移動する。そして、この圧電センサ34が液体検出室33の底面33Cに到達すると、図5に示すように、ユニットベース47が液体検出室33の底面33Cに押圧され、センサキャビティ41及び流路46A,47Aが圧力センサ室33B内と遮断される。
ここで、圧電センサ34の振動板43は、圧力センサ室33Bと遮断されたセンサキャビティ41及び流路46A,47A内のインクが殆ど振動しないために自由振動が殆ど生じず、圧電素子44からの出力信号は、図3(ハ)に示すように、変動波形のない信号とされる。
前述したように、上記液体検出装置30では、圧力センサ室33B内にインクが充填された図6におけるFの領域では、振動板43の自由振動は、センサキャビティ41、流路46A,47A及び圧力センサ室33B内に充填されたインクが振動する比較的大きい振幅となる。
そして、圧電センサ34が液体検出室33の底面33Cに到達した後の図6におけるEの領域では、振動板43の自由振動は、センサキャビティ41及び流路46A,47A内のインクが殆ど振動せず、極めて小さい振幅となる。
特に、振動板43を備えた圧電センサ34を、可撓性を有するダイヤフラム48によって支持したので、少ない部品点数にて振動板43の自由振動をより大きなレベルに増幅することができ、圧力センサ室33B内におけるインクの状態を確実に検出することができる。
これにより、インクカートリッジ1のインクが空となってインクが供給されていない状態で記録装置を作動させてしまう、いわゆる空打ちをなくすことができ、空打ちによる記録装置の記録ヘッドの損傷を防止することができる。
つまり、圧力センサ室33B内のインクが減少した際に、圧電素子44による振動作用領域を確実に変化させて圧力センサ室33B内における液体の有無を円滑に検出することができる。
さらに、ダイヤフラム48が、アルミニウムをラミネートしたアルミラミネートフィルムから形成されているので、ダイヤフラム48における気密性を高めることができ、圧力センサ室33B内のインクへの気体の侵入を確実に防止し、高い脱気度を維持させることができる。
また、上記液体検出装置30では、圧縮バネ50からなる付勢手段によって圧電センサ34を圧力センサ室33の底面33Cへ向かって付勢したが、付勢手段としては、圧縮バネ50に限らず、例えば、圧電センサ34を圧力センサ室33の底面33C側へ引き寄せる引っ張りバネでも良い。
Claims (5)
- 液体を貯蔵した外部の液体収容部に連通する液体流入口及び液体の供給先に連通する液体流出口を備えた圧力センサ室と、
振動板を有し、この振動板の前記圧力センサ室側にキャビティが形成された圧電センサと、
前記圧電センサの振動板に取り付けられて前記圧力センサ室内の液体に振動を印加するとともに振動に伴う自由振動の状態を検出する圧電素子と、
前記圧電センサを前記圧力センサ室内の液量に応じて変位可能に支持し、前記圧電センサとともに前記圧力センサ室の一部を形成し可撓性を有するダイヤフラムとを備えたことを特徴とする液体検出装置。 - 請求項1に記載の液体検出装置であって、
前記圧力センサ室を形成する壁面に向かって前記圧電センサを付勢する付勢手段を備え、前記圧力センサ室内の液量の減少に伴い、前記付勢手段の付勢力により前記圧電センサが前記壁面に当接され、前記キャビティが閉ざされることを特徴とする液体検出装置。 - 請求項2に記載の液体検出装置であって、
前記付勢手段は、前記圧力センサ室内に流入する液体の液圧よりも弱い付勢力を有することを特徴とする液体検出装置。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の液体検出装置であって、
前記ダイヤフラムは、アルミニウムをラミネートしたアルミラミネートフィルムから形成されていることを特徴とする液体検出装置。 - 加圧手段に加圧されて液体を送り出す液体収容部と、前記液体収容部に連通し、外部に液体を供給する液体供給口とを備え、前記液体収容部と前記液体供給口との間に、請求項1から4の何れか一項に記載の液体検出装置が設けられたことを特徴とする液体収容容器。
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