しかしながら、上記特許文献4に開示される構成は、保持部材が球均し部材の上部に設けられた被保持部に当接して、該被保持部を突っ張るようにして支持することによって球均し部材を回動不能にするものである。しかし、このように球均し部材の回動を規制する構成では、保持部材に加わる負荷が大きくなるため、例えば、球均し部材が比較的下流側に設けられたり、タンクレールの幅を広くなっていたりして、遊技球から受ける流圧が大きくなると、保持部材と被保持部材との係合が外れてしまうおそれがあり、球均し部材の有する球止め機能は信頼性の低いものであった。
本発明は、このような問題点を解消するためになされたものであって、信頼性の高い球止め機能を兼備する球均し部材を備えたパチンコ遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、遊技機本体の裏面側に、遊技島設備の補給樋から供給された遊技球を受け入れる球タンクと、球タンクから放出された遊技球を流下させる下方傾斜したタンクレールと、タンクレールの上方に配設され、当該タンクレールに沿って回動して当該タンクレール内を積み重なって流下する遊技球を平らに均す球均し部材とを備えたパチンコ遊技機において、球均し部材と対向する固定部位、又は球均し部材のいずれか一方に、遊技機本体裏面に対して略垂直な支持軸が突設されると共に、いずれか他方に、前記支持軸が挿通される上下に長尺状なガイド溝が配設されており、支持軸が当該ガイド溝内で上下移動するように球均し部材を移動することによって、球均し部材が回動可能となって、当該球均し部材の下部によりタンクレール内を流下する遊技球に均し作用を生ずることとなる上方の球均し位置と、球均し部材の回動が規制されて、当該球均し部材の下部によりタンクレール内の遊技球の流下を遮断する下方の球止め位置とに球均し部材を変換可能であると共に、球均し位置で、球均し部材を回動可能となるように保持する球均し保持手段と、球止め位置で、球均し部材の下部をタンクレールの底部と係合して球均し部材の回動を規制する球止め保持手段とを備えることを特徴とするパチンコ遊技機である。ここで、「球均し部材と対向する固定部位」とは、遊技機本体の裏面側部位や、遊技機本体裏面に設けられたタンクレールの壁部等を指す。
すなわち、かかる構成では、球均し部材が、支持軸を中心に回動可能であるだけでなく、支持軸をガイド溝内で相対移動させることによって、タンクレールの底部と当接不能となる上方の球止め位置と、タンクレールの底部と当接可能となる下方の球均し位置とに移動可能となっており、この球均し部材を球均し位置で回動可能に保持することによって、球均し部材の下部が球均し作用を生じ、球均しが可能となると共に、球均し部材を球止め位置でタンクレールの底部に回動困難に係合することによって、球均し部材によりタンクレール内の遊技球が塞き止められて、球止めが可能となる。このように、本発明に係る球均し部材では、球止めを行う際に、遊技球の流圧を受ける球均し部材の下部がタンクレールの底部に直接係止されることとなるため、球均し部材の上部で球均し部材を係止する従来構成に比べて係止部分に強い力が加わり難く、遊技球の流圧に抗して球均し部材を確実に保持することが可能となる。
球止め保持手段は、球均し部材の下端に形成された係合凸部と、タンクレールの内底面に形成されて、球均し部材の球止め位置で係合凸部と係合する係合凹部とにより構成されることが提案される。すなわち、かかる構成では、球均し部材の球止め位置で、球均し部材の下端とタンクレールの内底面とが当接する位置に係合凸部と係合凹部を夫々形成し、球均し部材の球均し位置で係合凸部と係合凹部とを係合させることによって、球均し部材の回動を規制可能とするものである。
また、タンクレールの内底面に、タンクレール内を遊技球の流下方向に沿って区画する仕切り壁部が立設されている構成にあっては、球止め保持手段は、該仕切り壁部と、球均し部材の、仕切り壁部と上下に対向する位置に形成されて、球均し部材の球止め位置で仕切り壁部と係合する係合溝とにより構成されることも提案される。かかる構成では、球均し位置で球均し部材をタンクレールの仕切り壁部と係合させることによって、タンクレールの内底面と係合させることなく球均し部材の回動を規制可能となる。
一方で、球均し部材と対向する固定部位、又は球均し部材のいずれか一方に、遊技機本体裏面に対して略垂直な支持軸が突設されると共に、いずれか他方に、前記支持軸が挿通される上下に長尺状なガイド溝が配設されており、支持軸が当該ガイド溝内で上下移動するように球均し部材を移動することによって、支持軸から球均し部材の最長下端までの長さが支持軸からタンクレールの内底面までの最短距離より短くなり、球均し部材が回動可能となって、当該球均し部材の下部によりタンクレール内を流下する遊技球に均し作用を生ずることとなる上方の球均し位置と、支持軸から球均し部材の最長下端までの長さが支持軸からタンクレールの内底面までの最短距離よりも長くなり、該最長下端を支持軸の直下位置よりもタンクレールの上流側でタンクレールの内底面に当接することによってタンクレール内の遊技球の流下を遮断することとなる下方の球止め位置とに球均し部材を変換可能であると共に、球均し位置で、球均し部材を回動可能となるように保持する球均し保持手段を備える構成が提案される。ここで、球均し部材の最長下端とは、球均し部材の下端部の中で、支持軸から最も離れた位置の端部を指す。
かかる構成では、上記構成と同様に、支持軸をガイド溝内で相対移動させることによって上方の球止め位置と下方の球均し位置とに移動可能とし、球均し位置において支持軸を中心に球均し部材が回動可能となるよう保持し、球均し部材の下部により球均し作用を生じさせる。一方、本構成では、球止め位置において、球均し部材の最長下端から支持軸までの距離が、支持軸からタンクレールの内底面までの最短距離よりも長くなる。このため、その最長下端を支持軸の直下位置よりも上流側でタンクレールの内底面に当接させると、球均し部材が当該位置で内底面つかえて下流側方向に回動不能となり、球均し部材をタンクレールと係合させることなく、当該位置で上流からの遊技球を塞き止めて、遊技球の流下を遮断することが可能となる。
また、球均し保持手段は、先端部が間隔をおいて列設された可撓性の軸杆からなる支持軸と、支持軸が溝内で遊転可能となる溝幅をなし、球均し部材の球均し位置で支持軸が位置する部位に形成される球均し用溝部と、軸杆を弾性変形させて支持軸を径方向に弾縮させることによって当該支持軸が通過可能となる溝幅をなし、球均し用溝部の上方に連成される狭幅溝部とを備えるガイド溝とで構成されることが提案される。すなわち、かかる構成では、支持軸は、通常の径では狭幅溝部へは進入できないため、球均し用溝部で遊転可能に保持されることとなり、これにより、球均し部材を球均し位置で回動可能に保持可能となる。また、球均し用溝部に保持された支持軸は、径方向に弾縮させることによって狭幅溝部に進入させることができるため、必要に応じて支持軸を弾縮させて球均し用溝部から狭幅溝部に相対移動させることによって、球均し位置に保持された球均し部材を下方の球止め位置に変位することができる。
また、遊技機本体の裏面側に、遊技島設備の補給樋から供給された遊技球を受け入れる球タンクと、球タンクから放出された遊技球を流下させる下方傾斜したタンクレールと、タンクレール上方位置に、遊技機本体裏面に対して略垂直に突設された支持軸と、該支持軸から、当該タンクレールに沿って回動可能となるよう吊り下げられて、当該タンクレール内を積み重なって流下する遊技球を平らに均す球均し部材とを備えたパチンコ遊技機において、支持軸から球均し部材の最長下端までの長さは、支持軸からタンクレールの内底面までの最短距離よりも長くなっており、球均し部材は、その最長下端を支持軸の直下位置よりもタンクレールの下流側に位置させる球均し位置においてタンクレール内を流下する遊技球に均し作用を生ずると共に、その最長下端を支持軸の直下位置よりもタンクレールの上流側でタンクレールの内底面に当接させる球止め位置においてタンクレール内の遊技球の流下を遮断するものである構成が提案される。
本構成では、球均し部材は、支持軸の直下位置付近でタンクレールの内底面と衝突することとなるため、その最長下端を支持軸の直下位置へ回動させることができない。このため、球均し部材は、球止め位置ではタンクレールの内底面につかえて下流側へ回動不能となり、当該球止め位置で上流からの遊技球を塞き止めて、遊技球の流下を遮断することが可能となる。一方、球均し部材は、球均し位置では、所定回動角度でタンクレールの内底面と衝突して上流側へ回動不能となるが、下流側方向へは制約なく回動可能となる。このため、球均し部材は、球均し位置では、上流側から流下する遊技球に押圧されて回動し、遊技球に均し作用を発揮することとなる。かかる構成では、球止めを行う際に球均し部材をタンクレールの内底面で支持可能となり、また、球均し部材を支持軸に回動自在に保持する機構だけで、球均し部材に球均しと球止めの二つの機能を発揮させることができ、球均し部材の構造の簡素化も可能となる。なお、本構成にあっては、球均し部材は、その最長下端を支持軸の直下位置へ回動させることができないため、球均し部材を球均し位置から球止め位置に変換する際には、その最長下端が支持軸上方を経由するように回動させることが提案される。
また、遊技機本体の裏面側に、遊技島設備の補給樋から供給された遊技球を受け入れる球タンクと、球タンクから放出された遊技球を流下させる下方傾斜したタンクレールとを備えたパチンコ遊技機において、タンクレールの遊技球流下方向沿った両側部位を構成する側壁部に、該側壁部と略平行な面に沿って回動可能となるよう一端を軸支される杆状のアーム部材と、該アーム部材の他端に、タンクレールを横断する方向に取り付けられてアーム部材の回動に伴い回動する支持軸と、該支持軸に、タンクレールに沿って回動可能となるように軸支される球均し部材とを備え、支持軸は、アーム部材の回動に伴って、球均し部材をタンクレールの上方から吊り下げて、球均し部材の下部によってタンクレール内を流下する遊技球に均し作用を生じさせる上方の球均し位置と、タンクレール内を横断するようにタンクレールの側壁部と係合して、タンクレール内の遊技球の流下を遮断することとなる下方の球止め位置とに変換可能となっている構成も提案される。かかる構成にあっては、タンクレールの遊技球の流下を、球均し部材によってではなく、支持軸によって遮断することとなる。ここで、支持軸は、側壁部に係合した状態でタンクレール内を横断するように遊技球の流下を遮断するため、本構成にあっても、遊技球を塞き止める部材がタンクレールに直接支持されることとなり、従来構成に比べて遊技球の流下をより強固に遮断可能となる。
以上に述べたように、本発明は、球均し部材の下端部によりタンクレール内を流下する遊技球に均し作用を生ずることとなる上方の球均し位置と、球均し部材の下部によりタンクレール内の遊技球の流下を遮断する下方の球止め位置とに球均し部材を変換可能とすると共に、球均し位置で、球均し部材を回動可能となるように保持する球均し保持手段と、球止め位置で、球均し部材の下部をタンクレールの底部と係合して球均し部材の回動を規制する球止め保持手段とを備えることを特徴とするパチンコ遊技機であるから、球均し部材の球止め位置において、球均し部材を従来よりも強固に保持することが可能となり、タンクレールの上流側から受ける流圧が大きいものであっても、当該流圧に抗して遊技球の流下を遮断し続けることができ、球止め機能が信頼性の高いものとなる。
ここで、球止め保持手段が、球均し部材の下端に形成された係合凸部と、タンクレールの内底面に形成されて、球均し部材の球止め位置で係合凸部と係合する係合凹部とにより構成される場合には、球均し部材の下端とタンクレールの内底面とに係合凸部と係合凹部を形成するだけで部品点数を増加させずに球止め保持手段を実現できるため、球止め機能を兼備する球均し部材を備える従来構成と比べて、部品点数や部材の設置スペースを削減できるという利点がある。
また、タンクレールの内底面に、タンクレール内を遊技球の流下方向に沿って区画する仕切り壁部が立設されている構成にあって、球止め保持手段を、仕切り壁部と、球均し部材の球止め位置で仕切り壁部と係合する係合溝とにより構成した場合にも、部品点数を増加させずに球止め保持手段を実現可能であるため、従来構成に比して部品点数や部材の設置スペースを削減できるという利点がある。
一方、支持軸が当該ガイド溝内で上下移動するように球均し部材を移動することによって、支持軸から球均し部材の最長下端までの長さが支持軸からタンクレールの内底面までの最短距離より短くなり、球均し部材が回動可能となって、当該球均し部材の下部によりタンクレール内を流下する遊技球に均し作用を生ずることとなる上方の球均し位置と、支持軸から球均し部材の最長下端までの長さが支持軸からタンクレールの内底面までの最短距離よりも長くなり、該最長下端を支持軸の直下位置よりもタンクレールの上流側でタンクレールの内底面に当接することによってタンクレール内の遊技球の流下を遮断可能となる下方の球止め位置とに球均し部材を変換可能とした場合にも、球均し部材による球止め機能を信頼性の高いものとなる。特に本構成では、球止め位置において、球均し部材を保持部材によって係止したり、球均し部材をタンクレールの底部と係合させたりすることなく球均し部材の回動を規制できるため、球均し部材の回動を規制するための機構を簡素化することができる。
さらに、球均し保持手段を、先端部が間隔をおいて列設された可撓性の軸杆からなる支持軸と、支持軸が溝内で遊転可能となる溝幅をなす球均し用溝部と、軸杆を弾性変形させて支持軸を径方向に弾縮させることによって当該支持軸が通過可能となる溝幅をなす狭幅溝部とを備えるガイド溝とで構成した場合には、部品点数を増加させることなく、コンパクトな構成によって球均し保持手段を実現できる。
また、支持軸から球均し部材の最長下端までの長さを、支持軸からタンクレールの内底面までの最短距離よりも長くして、球均し部材の最長下端が支持軸の直下位置よりも下流側に位置する球均し位置において球均しを行うと共に、球均し部材の最長下端が支持軸の直下位置よりもタンクレールの上流側でタンクレールの内底面に当接する球止め位置において球止めを行うようにした場合には、球均し部材の球止め位置において、球均し部材を従来よりも強固に保持できると共に、球均し部材を支持軸に保持するための機構を簡素化することができる。
さらに、上記アーム部材と、該アーム部材のに取り付けられてアーム部材の回動に伴い回動する支持軸と、該支持軸に、タンクレールに沿って回動可能となるように軸支される球均し部材とを備え、支持軸を、球均し部材を吊り下げて、球均し部材の下部によって均し作用を生じさせる上方の球均し位置と、タンクレール内を横断するようにタンクレールの側壁部と係合して、タンクレール内の遊技球の流下を遮断する下方の球止め位置とに変換可能とした場合には、支持軸を球止め位置とすることによってタンクレールの遊技球を極めて強固に塞き止めることができる。
本発明の実施形態を、以下の各実施例に従って説明する。
第一実施例のパチンコ遊技機1は、図1,図2に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、該外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。
遊技機本体3は、略正方形状の開口部5が中央上部に形成された前枠6を備え、該前枠6の一側縁がヒンジ部材4,4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。この前枠6には、略円形のレール7により区画形成された遊技領域を備える遊技盤8が前記開口部5に嵌合された状態で取り付けられており、さらに前枠6には、遊技盤8を覆うガラス扉10と、上受皿11を備えた上皿パネル12とが夫々開閉可能に軸支されている。また、前枠6の下部には、上受皿11の下方に位置させて下受皿13が一体形成されており、該下受皿13の右側方に発射ハンドル14が配設されている。なお、図示省略されているが、前記遊技盤8の遊技領域には、図柄表示装置,大入賞口,電動役物,遊技釘,風車等の各種遊技部材が所定位置に配設されている。
一方、遊技機本体3の裏面側には、遊技盤8の背面に当接させるようにして裏機構板15(図3参照)が対設されている。該裏機構板15は、その一側縁が前枠6の裏面側縁部にヒンジ部材16,16を介して開閉可能に枢結されている。該裏機構板15には、図3に示すように、その上部に球タンク17が配設されており、図示しない遊技島設備の補給樋から可撓パイプを介して供給される遊技球を該球タンク17内に受け入れ得るようになっている。また、裏機構板15には、球タンク17の底壁に開口された球出口18から放出される遊技球を受け入れて流下させる緩勾配で下方傾斜した左右方向のタンクレール19と、該タンクレール19の下端部と連通して遊技球を下方の球払出装置20に導く上下方向の球通路21とが設けられている。また、裏機構板15には、前記球払出装置20から払い出される遊技球をさらに下方に導く二股状に分岐された払出し流路22a,22bが設けられており、その一方の払出し流路22aは上受皿11の球出口23に連通され、他方の払出し流路22bは下受皿13の球出口24に連通されている。なお、前記タンクレール19,球通路21,払出し流路22a,22bは、透光性を有する合成樹脂によって形成されており、内部を流下する遊技球を視認し得るようになっている。
また、裏機構板15には、遊技盤8の裏面側に突出した状態で取り付けられる制御装置や該制御装置の保護カバー(いずれも図示省略)との干渉を避けるために、その略中央部に矩形状の開口部25が形成されており、該開口部25の上方に前記タンクレール19が配設され、該開口部25の側方に前記球通路21と球払出装置20が配設されている。さらに裏機構板15の上部位置には、遊技状態等の所要情報信号を出力する情報端子基板26が、球タンク17の横に並べて配設されている。
以下に、本発明の要部に係る構成を詳細に説明する。
前記タンクレール19は、図4に示すように、底壁部30と前後の側壁部31a,31bとにより断面略コ字形に形成され、その内部には底壁部30に立設された仕切り壁部32によって二条の流路33,33が区画形成されている。この流路33,33の各横幅は、遊技球の直径寸法より若干広く設定されており、これによって、遊技球xを一列状に整列させて流下させ得るようになっている。また、タンクレール19の中流部位には、本発明の要部にかかる球均し部材35(図3参照)が配設されている。この球均し部材35よりタンクレール19の上流側の側壁部31bは、所定高さ位置まで上方に延設されており、該側壁部31bによってタンクレール19の後面側の側部を遮断して、遊技球xが積み重なった状態で流下してもタンクレール19からこぼれ落ちないようにしている。また、タンクレール19の内底面29の、球均し部材35の下方に当たる位置には、球均し部材35の下端と係合する溝状の係合凹部34が、流路33を横断する方向に形成される。以下、タンクレール19の上流側を単に上流側と、タンクレール19の下流側を単に下流側という。
図5(a),(b)に示すように、裏機構板15の、タンクレール19中流部位の上方位置には、タンクレール19内における遊技球の流下方向に直交する支持軸36が突設される。前記球均し部材35は、この支持軸36に上端部を軸支されて、タンクレール19に沿って回動可能となるよう吊り下げられる。支持軸36は、図4に示すように、裏機構板15の正面側に突成された軸受筒部27に内嵌した状態で、抜止めピン28によって軸受筒部27に回動不能に固定される。また、図5(a)に示すように、支持軸36の裏機構板15の背面側に突出する先端部は、一定間隔の収容間隙41を置いて左右に列設された軸杆38a,38bにより構成される。各軸杆38a,38bは弾性樹脂材からなる可撓性を有するものであり、各軸杆38a,38bを収容間隙41側に撓ませて相互に近接させることによって、支持軸36の先端部の横幅を縮幅できるようになっている。前記軸杆38a,38bは、収容間隙41を挟んで相互に対称形状をなすものであり、夫々の外側面は断面円弧状をなすように膨出して、球均し部材35を回動可能に支持する支持面を形成している。また、支持軸36は、先端側部分と根元側部分が中間部分よりも太径であると共に、先端側部分は先端方向に縮径するテーパー状をなしており、球均し部材35を先端側部分から圧入して中間部分で脱落困難に保持し得るようになっている。
球均し部材35は、図4,5に示すように、前後対称形状をなすものであって、前記支持軸36を挿通させるガイド溝37が形成された上部の取付腕部39と、取付腕部39の下端に連成されてタンクレール19内に進入し、遊技球に均し作用を生じる本体部40とで構成される。なお、球均し部材35は比較的比重の重い金属(例えばステンレス)により構成されており、球均し部材35自体が下方に垂下するための重錘として機能するようになっている。
取付腕部39は、図5(a)に示すように、上下に長尺な溝形状をなし、この取付腕部39の中央にガイド溝37が前後に貫設される。ガイド溝37は、上下に長尺形状をなすものであり、その下端部には、支持軸36の中間部分を溝内で遊転させ得る大きさの円形をなす球均し用溝部43bが形成される。また、球均し用溝部の上方には、軸杆38a,38bを収容間隙41内に撓ませて縮幅した支持軸36aの中間部分が辛うじて通過し得る幅をなす狭幅溝部44が連成される。さらに、ガイド溝37の上端部には、支持軸36を溝内で遊転させ得る大きさの円形をなす球止め用溝部43aが、狭幅溝部44の上端と連続するように形成される。かかるガイド溝37と支持軸36によれば、図6,7に示すように、縮幅させない限り支持軸36を球止め用溝部43a又は球均し用溝部43bのいずれかに保持して、各溝部43a,43b内で支持軸36を相対的に遊転させることが可能であり、また、支持軸36を縮幅させて、支持軸36を狭幅溝部44に沿って相対移動させることにより、球止め用溝部43aと球均し用溝部43bとに支持軸36を変位させることができる。後述するように、本実施例では、支持軸36がガイド溝37下端の球均し用溝部43bに保持される位置を球均し部材35の球均し位置α1とすると共に、支持軸36がガイド溝37上端の球止め用溝部43aに保持される位置を球均し部材35の球止め位置β1としている。すなわち、本実施例では、本発明に係る球均し保持手段が、球均し用溝部43bと狭幅溝部44とを備えたガイド溝37と、弾縮可能な支持軸36とによって構成される。
本体部40は、図4に示すように、タンクレール19の前後幅よりも若干狭幅となっており、タンクレール19の側壁部31a,31bと当接せずにタンクレール19内に進入可能となっている。この本体部40は、正面視が上下に長尺な長円形状をなしており、後述するように、その上流側下部の曲面部分をタンクレール19の遊技球と当接することによって均し作用を生じる。本体部40の下端部には、タンクレール19の内底面29に形成された前記係合凹部34と係合し得る形状の係合凸部42が形成される。また、本体部40の下部には、タンクレール19の仕切り壁部32と上下に対向する位置に、該仕切り壁部32と係合し得る形状の係合溝45が形成される。なお、本実施例では、図7(b)に示すように、仕切り壁部32の上縁が平坦形状であるため、係合溝45の上底面もこれに合わせて平坦形状となっているが、これ以外にも、仕切り壁部32の上縁と係合溝45の上底面とを相互に係合し得る凹凸形状にしてもよい。
球均し部材35は、図4,5(b),6(a)に示すように、通常は、ガイド溝37下端の球均し用溝部43bに支持軸36に保持した状態、すなわち、球均し部材35を上述の球均し位置α1に保持した状態で取り付けられる。かかる状態では、球均し部材35の下端とタンクレール19の内底面29との間に遊技球約1.5個分の間隙が生じており、球均し部材35はタンクレール19と衝突することなく支持軸36を中心に回動可能となる。このため、かかる状態では、図8(a)に示すように、流路33の最下層の遊技球xが球均し部材35の下方の間隙から下流側に通過可能となると共に、上層の遊技球xは本体部40の上流側下部に衝突し、球均し部材35を下流側に回動させ、垂下状態に復帰しようとする球均し部材35に適切な力で下方に押圧されることによって平らに均されることとなる。
一方、球均し部材35によって球止めを行う場合には、図7(a)に示すように、ガイド溝37上端の球止め用溝部43aに支持軸36を保持した状態、すなわち球均し部材35を上述の球止め位置β1に保持する。球均し位置α1から球止め位置β1への変換は、支持軸36が垂下した状態で、軸杆38a,38bを左右に摘んで内側に撓ませて支持軸36の左右幅を縮幅させると共に、図6(b),7(a)に示すように、球均し部材35を下方に移動させて支持軸36を狭幅溝部44に進入させ、支持軸36を球止め用溝部43aまで相対移動させることによって行うことができる。球止め位置β1から球均し位置α1への変換はかかる操作と逆向きの操作によって可能である。
かかる球止め位置β1では、図7(a)に示すように、本体部40下端の係合凸部42が、タンクレール19の内底面29の係合凹部34と係合し、球均し部材35は回動不能に保持される。また、図7(b)に示すように、球均し部材35の係合溝45が、タンクレール19の内底面29に立設された仕切り壁部32と係合し、かかる係合によっても球均し部材35は回動不能に保持されることとなる。すなわち、本実施例においては、本発明に係る球止め保持手段が、相互に係合する係合凸部42及び係合凹部34と、これらとは別に係合する仕切り壁部32及び係合溝45との二つの組合せによって構成される。このため、かかる球止め位置β1では、図8(b)に示すように、球均し部材35の下部によりタンクレール19の流路33が閉塞されると共に、球均し部材35が回動不能に規制され、タンクレール内の遊技球の流下が球均し部材35によって遮断されることとなる。
このように、本実施例に係る球均し部材35は、球均し位置α1に保持することで球均し機能を発揮すると共に、球止め位置β1に保持することで球均し機能を発揮することとなる。ここで、本実施例では、球均し部材35の球止め位置β1において、係合凸部42と係合凹部34とを係合させると共に、仕切り壁部32と球均し部材35の係合溝45とを係合させることによって球均し部材35が回動不能となるように規制している。このため、球均し部材の上部で球均し部材の回動を規制する従来構成に比べて、球均し部材の回動を強固に規制することができ、上流側に多量の遊技球が存在する場合でも、かかる遊技球の流下を確実に遮断できるといった利点がある。
また、本実施例では、相互に係合する係合凸部42及び係合凹部34と、これらとは別に係合する仕切り壁部32及び係合溝45との二つの組合せによって本発明に係る球止め保持手段を構成しているため、部品点数を増加させずに球止め保持手段を実現できるという利点がある。
また、本実施例では、図8(a)に示すように、球均し位置α1において球均し部材35が垂下した状態で、球均し部材35とタンクレール19との間に、タンクレール19の最下層の遊技球xが球均し部材35と当接せずに通過し得るだけの間隙を生じさせている。このため、本実施例では、球均しを行う際に、最下層の遊技球が阻害されることなく球均し部材35の下方を円滑に通過することができ、球詰り等の不具合が生じにくいという利点がある。
また、本実施例では、可撓性の軸杆38a,38bを先端部に有する支持軸36と、球均し用溝部43bと狭幅溝部44とを備えるガイド溝37によって本発明に係る球均し保持手段を構成している。このため、球均し保持手段を、部品点数を増加させることなく、コンパクトな構成によって実現できるという利点がある。
なお、本実施例では、球均し部材35の可動スペースを最小限に留める観点から、球均し部材35を球均し位置α1から球止め位置β1へ変換する際に、球均し部材35を鉛直方向へ移動するようにしているが、これに限らず、支持軸36の弾縮し得る方向を変更することにより、上流方向又は下流方向や斜め方向への移動によって球均し部材35を位置変換することもできる。また、上記実施例では、球均し部材35を回動自在に保持する支持軸36を裏機構板15に固定しているが、これに限らず、支持軸36を、タンクレール19の側壁部31a,31bなどに固定することもできる。さらにいえば、支持軸36を球均し部材35側に固定し、ガイド溝37を裏機構板15やタンクレール19などの固定部材に配設することも可能である。また、本実施例では、本発明に係る球止め保持手段を、係合凸部42及び係合凹部34と、仕切り壁部32及び係合溝45の二対によって構成しているが、いずれか一対のみによって球止め保持手段を構成するようにしてもよい。
次に、第一実施例から球均し部材の構成を変更した第二実施例について説明する。なお、第一実施例と共通する構成については、符号を一致させて説明を簡略又は省略する。
本実施例の球均し部材35aは、上記第一実施例の球均し部材35から本体部40の形状を変更したものである。球均し部材35aの取付腕部39は第一実施例と同構成であり、球均し部材35aは、第一実施例同様に、裏機構板15に突設された支持軸36をガイド溝37に挿通させることによってタンクレール19内に吊り下げられる。
ここで、本実施例の球均し部材35aは、図9に示すように、本体部40aの下端に係合凸部が形成されておらず、タンクレール19の内底面29にも係合凹部が形成されていない。本実施例では、それらの代わりに、本体部40aの下部に、下流側へ突出する係合突端50が形成される。係合突端50は、球均し部材35aの下端部の中で、支持軸36から最も離れた位置にあり、この係合突端50が球均し部材35aの最長下端を構成する。また、球均し部材35aの、仕切り壁部32と上下に対向する位置には、球止め位置β2において仕切り壁部32との衝突を回避するための溝状の逃げ部51が形成される。
球均し部材35は、図9(b),10,11(a)に示すように、通常は、球均し部材35を球均し位置α2に保持した状態で取り付けられる。かかる状態では、図10,11(a)に示すように、支持軸36から係合突端(最長下端)50までの長さが支持軸36からタンクレール19の内底面29までの最短距離よりも短くなり、球均し部材35aの下端とタンクレール19の内底面29との間に遊技球約1.5個分の間隙が生じ、球均し部材35aはタンクレール19と衝突することなく支持軸36を中心に回動可能となる。このため、かかる状態では、図12(a)に示すように、流路33の最下層の遊技球xが球均し部材35aの下方の間隙から下流側に通過可能となると共に、上層の遊技球xは本体部40aの上流側下部に衝突し、球均し部材35aを下流側に回動させ、垂下状態に復帰しようとする球均し部材35aに適切な力で下方に押圧されることによって平らに均されることとなる。
一方、球均し部材35aによって球止めを行う場合には、図11(c)に示すように、ガイド溝37上端の球止め用溝部43aに支持軸36を保持した状態、すなわち球均し部材35aを上述の球止め位置β2に保持する。球均し位置α2から球止め位置β2への変換は、第一実施例と同様に、支持軸36が垂下した状態で、軸杆38a,38bを左右に摘んで内側に撓ませて支持軸36の左右幅を縮幅させると共に、図11(b),(c)に示すように、球均し部材35aを下方に移動させて支持軸36を狭幅溝部44に進入させ、支持軸36を球止め用溝部43aまで相対移動させることによって行うことができる。また、球止め位置β2から球均し位置α2への変換もかかる操作と逆向きの操作によって可能である。
かかる球止め位置β2では、支持軸36から係合突端50までの長さが、支持軸36からタンクレール19の内底面29までの最短距離より長くなることとなる。ここで、球均し部材35aを垂下させた状態では、図11(c)の想像線で示すように、球均し部材35aの係合突端50が支持軸36の直下位置よりも下流側寄りに位置しており、係合突端50をタンクレール19の内底面29に衝突させずに、球均し部材35aを下流側に回動可能となっている。そして、かかる状態から、図11(c)に示すように、支持軸36を中心に、球均し部材35aを略一回転させると、支持軸36aの直下位置よりも上流側で、係合突端50がタンクレール19の内底面29に衝突し、球均し部材35aは当該位置から下流側へは回動不能となる。このため、かかる状態では、図12(c)に示すように、球均し部材35aの下部によりタンクレール19の流路33が閉塞されると共に、球均し部材35aが下流側へ回動不能に規制されることとなり、タンクレール19内の遊技球の流下が球均し部材35aによって遮断されることとなる。
このように、本実施例に係る球均し部材35aでは、球止め位置β2において、支持軸36から球均し部材35aの係合突端(最長下端)50までの長さが、支持軸36からタンクレール19の内底面29の最短距離より長くなるため、係合突端50を支持軸36の直下位置よりも上流側でタンクレール19の内底面29に当接することによって球均し部材35aの下流側への回動を規制して、タンクレール19内の遊技球の流下を遮断する。したがって、本実施例にあっても、球止めを行う際に、遊技球の流圧を受ける球均し部材35aの下部がタンクレール19の底部に直接支持されることとなるため、従来構成に比べて、球均し部材の回動を強固に規制することができ、タンクレールの遊技球の流下を確実に遮断することができる。特に本構成では、球止め位置β2において、球均し部材35aの下部をタンクレールの底部に当接させて球均し部材35aの回動を規制できるため、球均し部材35aの回動を規制するための機構を簡素化できるという利点がある。
次に、第二実施例から球均し部材の構成を変更した第三実施例について説明する。なお、第二実施例と共通する構成については、符号を一致させて説明を簡略又は省略する。
本実施例に係る球均し部材35bは、図13〜15に示すように、上記実施例同様にタンクレール19の中流部位に設けられた支持軸36aに、タンクレール19に沿って回動可能となるよう吊り下げられる。また、タンクレール19の構成は上記実施例と同じである。
支持軸36aは断面円形の長尺金属棒によって構成される。この支持軸36aは、図13〜15に示すように、タンクレール19の側壁部31bと裏機構板15とに形成された支持軸孔55a,55bに挿通されて、タンクレール19の上方を横断するように架け渡される。支持軸36aの背面側の端部には正面円形状の操作部材58が固定される。この操作部材58は側壁部31bの背面側に配置されており、操作部材58の背面に突成される摘み部59を指で回動操作することにより支持軸36aを自転させ得るようになっている。また、支持軸36aの前面側の端部には、裏機構板15の前面側から脱落防止用のリング部材56が外嵌し、固定用ボルト57によって支持軸36aに固定されている。
球均し部材35bは、図13〜15に示すように、前後対称形状をなすものであって、支持軸36aに上端部を軸支される杆状の取付腕部39aと、該取付腕部39aの下端部に保持されてタンクレール19内に垂下し、遊技球に均し作用を生じる本体部40bとで構成される。取付腕部39aと本体部40bとは、円柱状の連結軸60によって、タンクレール19に沿って所定範囲で相対傾動し得るように連結される。
取付腕部39aは上下に長尺な樹脂片からなる。この取付腕部39aの上端部には、図15に示すように、支持軸36aを挿通させる支持軸孔55cが前後方向に貫設される。また、取付腕部39aの頂部には、支持軸孔55c内を臨むボルト孔62が形成されており、このボルト孔62に固定用ボルト57を螺着することによって、取付腕部39aは支持軸36aに固定される。また、取付腕部39aの下端部には、連結軸60を挿通させる連結軸孔63aが前後方向に貫設される。
本体部40bは、図14に示すように、タンクレール19の前後幅よりも若干狭幅な金属片によって構成される。この本体部40bの上部には、図15に示すように、連結軸60を挿通させる連結軸孔63bが前後方向に貫設されると共に、取付腕部39aの下部形状に合わせた切欠凹部64が形成されており、この切欠凹部64に取付腕部39aの下部を収容し、各連結軸孔63a,63bに連結軸60を挿通することによって、本体部40bは連結軸60を中心にしてタンクレール19に沿って回動可能に保持される。ここで、本体部40bの、切欠凹部64の上流側に当たる部分には、本体部40bの回動範囲を規制するストッパ部65が形成されており、このストッパ部65によって、本体部40bは、取付腕部39aに対してその下端を下流側に傾ける方向のみに傾動可能となっている。また、本体部40bの下部には、第二実施例同様に、下流側に突出する係合突端50aが形成されており、当該係合突端50aが球均し部材35bの最長下端を構成する。また、図14,15に示すように、本体部40bの、仕切り壁部32と上下に対向する位置には、仕切り壁部32との衝突を回避するための溝状の逃げ部51aが形成される。
球均し部材35bは、図13,14,16(a)に示すように、通常は、支持軸36aに吊り下げられて、係合突端50aを支持軸36aの直下位置よりも下流側に位置させる球均し位置α3に配置される。ここで、球均し部材35bが支持軸36aの直下に垂下した状態では、図14,16(a)に示すように、本体部40bとタンクレール19の間には遊技球が通過し得る隙間は生じていないが、かかる状態では取付腕部39a及び本体部40bが下流側に回動可能であるため、図17(a)に示すように、上流側から遊技球xが流下すると、その流圧によって取付腕部39a及び本体部40bが下流側に回動し、球均し部材35bとタンクレール19との間に、最下層の遊技球xのみを通過させ得る間隙が生じることとなる。このため、流路33の最下層の遊技球xは、球均し部材35aの下方の間隙から下流側に通過すると共に、上層の遊技球xは本体部40aの上流側下部に衝突して下方に案内されることとなり、球均し部材35bの下方を通過する遊技球xは一層に均されることとなる。
一方、球均し部材35bによって球止めを行う場合には、図16(c)に示すように、係合突端50aを支持軸36aの直下位置よりも上流側でタンクレール19の内底面29に当接させる球止め位置β3に球均し部材35bを保持する。前記球均し位置α3から球止め位置β3への変換は、操作部材58の操作によって、図16(b),17(b)に示す方向に球均し部材35bを回転させることにより行うことができる。また、球止め位置β3から球均し位置α3への変換はこれと逆向きの操作によって可能である。
かかる球止め位置β3では、図16(c)に示すように、係合突端50がタンクレール19の内底面29に当接し、本体部40bは、内底面29とストッパ部65とに保持されて取付腕部39aに対して上流側へも下流側へも傾動不能となり、取付腕部39aも下流側へ回動不能となる。このため、かかる球止め位置β3では、図17(c)に示すように、球均し部材35bによってタンクレール19の流路33が閉塞されると共に、上流側から遊技球xの流圧を受けても球均し部材35bは下流側に回動せず、タンクレール19内の遊技球の流下が遮断されることとなる。
このように、本実施例では、支持軸36aから球均し部材35bの係合突端(最長下端)50aまでの長さが、支持軸36aからタンクレール19の内底面29までの最短距離よりも長くなっており、球均し部材35bを、係合突端50aが支持軸36aの直下位置よりも下流側に位置する球均し位置α3に保持した状態で球均し機能を発揮させると共に、球均し部材35bを、係合突端50aが支持軸36aの直下位置よりも上流側でタンクレール19の内底面29に当接する球止め位置β3に保持した状態で、球止め機能を発揮させる。したがって、本実施例にあっても、球止めを行う際に球均し部材35bの下部がタンクレール19の底部に直接支持されるため、従来構成に比べて、球均し部材の回動を強固に規制することができ、タンクレールの遊技球の流下を確実に遮断することができる。
特に本構成では、球均し部材35bは支持軸36aに対して回動自在に保持するのみであり、上記実施例におけるガイド溝のような球均し部材を上下移動させる機構を要しないため、球均し部材の保持機構を簡易化できるといった利点がある。
なお、本実施例では、球均し部材35bを、連結軸60を介して連結された取付腕部39aと本体部40bとにより構成しているが、取付腕部39aと本体部40bは一体的な構成であってもかまわない。
次に、支持軸によって遊技球の流下を遮断するようにした第四実施例を説明する。なお、上記実施例と共通する構成については説明を簡略又は省略する。
本実施例では、タンクレール19の背面側の側壁部31bに杆状のアーム部材66の一端が回動可能に軸支されており、支持軸36bはこのアーム部材66の他端に保持されて、アーム部材66の回動に伴って回動し得るようになっている。
具体的には、アーム部材66は杆状の金属片からなる。図18に示すように、このアーム部材66の一端には円形の回動軸孔74が前後方向に貫設され、他端には回動軸孔74と略同形状の支持軸孔73aが前後方向に貫設されている。側壁部31bの中流部位には、回動軸孔74に内嵌し得る円筒形状の回動軸67が背面側に突成されており、アーム部材66は、回動軸67を回動軸孔74に自転自在に挿通させることによって、側壁部31bと平行な面に沿って回動可能に軸支される。また、回動軸67の先端には、アーム部材66の脱落を防止するための抜止ピン68が取り付けられる。
一方、アーム部材66の他端の支持軸孔73aには、図18,19に示すように、支持軸36bが遊転可能に挿通されて、タンクレール19を横断する方向に保持される。ここで、支持軸36bの後端には、アーム部材66の後方に突出する操作部69が形成されており、該操作部69を作業者が摘んでアーム部材66を回動させる方向に操作することによって、アーム部材66と共に支持軸36bを回動させ得るようになっている。
前記支持軸36bには、図18,19に示すように、タンクレール19の遊技球xを均すための球均し部材35cが軸支される。球均し部材35cは、樹脂材からなる外殻に金属製の重錘(図示省略)を内蔵してなるものであり、その上端部に形成された支持軸孔73bに支持軸36bを挿通させることにより、タンクレール19に沿って回動可能に軸支される(図20(a)参照)。
また、タンクレール19の両側壁部31a,31bには、支持軸36bと嵌合し得る形状の嵌合溝70が形成され、仕切り壁部32には、支持軸36bが嵌合溝70に嵌合した状態で、球均し部材35cと係合する保持凹部75が形成される。本実施例では、アーム部材66が回動軸67の上方を向いて、支持軸36bが回動軸67の上方に保持されることとなる位置を支持軸36bの球均し位置α4としており、アーム部材66が回動軸67の下流側を向いて支持軸36bが嵌合溝70と嵌合し、支持軸36bがタンクレール19内を横断することとなる位置を支持軸36bの球止め位置β4としている。
また、支持軸36bは、アーム部材66の支持軸孔73aに対して軸方向に摺動可能に保持されており、操作部69を作業者が摘んで前後に操作することによって支持軸36bを前後に摺動させ得るようになっている。ここで、支持軸36bの球均し位置α4で、支持軸36bの前端と対向する裏機構板15の板面には、支持軸36cの前端を内嵌させ得る形状の球均し用保持孔71が形成されており、支持軸36bの球均し位置α4で支持軸36bを前方に摺動させて、球均し用保持孔71に内嵌させることによって、支持軸36bを球均し位置α4に保持し得るようになっている。また、同様に、支持軸36bの球止め位置β4で、支持軸36bの前端と対向する裏機構板15の板面には、球止め用保持孔72が形成されており、球止め位置β4で支持軸36bを前方に摺動させて、球止め用保持孔72に内嵌させることによって、支持軸36bを球止め位置β4に保持し得るようになっている。
支持軸36bは、図18(b),19(a),20(a)に示すように、通常は球均し位置α4に保持される。かかる球均し位置α4では、球均し部材35cが支持軸36bから吊り下げられて、その下端とタンクレール19の内底面29との間に遊技球約1.5個分の間隙を生じさせており、球均し部材35cはタンクレール19と衝突することなく支持軸36bを中心に回動可能となっている。
このため、かかる状態では、図21(a)に示すように、流路33の最下層の遊技球xが球均し部材35cの下方の間隙から下流側に通過可能となると共に、上層の遊技球xは球均し部材35cの上流側下部に衝突して球均し部材35cを下流側に回動させ、垂下状態に復帰しようとする球均し部材35cに適切な力で下方に押圧されることによって平らに均されることとなる。
そして、本実施例において、タンクレール19の遊技球xの流下を遮断する場合には、図19(b),20(c)に示すように、支持軸36cを球止め位置β4に保持する。ここで、球均し位置α4から球止め位置β4への変換は、図20(b)に示すように、操作部69の操作によって球均し部材35cを上流側に回動させると共に、支持軸36cを球均し用保持孔71から引き抜いて、アーム部材66と共に下流側下方の球止め位置β4に回動させ、球止め用保持孔72に内嵌させる。球止め位置β4から球均し位置α4への変換は、かかる操作と逆の操作によって行うことができる。
かかる球止め位置β4では、図19(b),20(c)に示すように、支持軸36cがタンクレール19の流路33を横断状に閉塞すると共に、支持軸36cは嵌合溝70,70に内嵌して側壁部31a,31bと係合しているため、かかる球止め位置β4では、図21(b)に示すように、支持軸36bは、上流側から遊技球xの流圧を受けても移動せず、タンクレール19内の遊技球xの流下を遮断することとなる。
このように、本実施例では、アーム部材66を回動させることによって、支持軸36bを上方の球均し位置α4と下方の球止め位置β4とに変換可能とし、支持軸36bを球均し位置α4に保持した状態で、球均し部材35cをタンクレール19の上方から吊り下げて、球均し部材35cの下部によってタンクレール19内の遊技球xに均し作用を生じさせると共に、支持軸36bを球止め位置β4に保持した状態で、支持軸36bが、タンクレール19内を横断するようにして両側壁部31a,31bと係合し、タンクレール19の遊技球の流下を遮断する。したがって、本実施例では、球止めの際に遊技球を塞き止める支持軸36bがタンクレール19の側壁部31a,31bに直接支持されることとなるため、従来構成に比べてタンクレール19の遊技球を極めて強固に塞き止めることができる。
以上のように本発明の実施形態を実施例によって説明したが、本発明の実施形態は上述の実施例の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、実施例のタンクレール19は、仕切り壁部32によって二条の流路に区画されたものであるが、本発明は区画されていないタンクレールや、三条以上に区画されたタンクレールにも適用可能である。また、実施例の球均し部材は、二つの流路の遊技球に対して球均しと球止めを行うものであるが、支持軸から複数の球均し部材を吊り下げて、各球均し部材によって流路ごとに球均しと球止めを行う構成にしてもよい。