JP2007132293A - 過給機を備える内燃機関の制御 - Google Patents

過給機を備える内燃機関の制御 Download PDF

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Abstract

【課題】過給機を備える内燃機関のエンジンブレーキによる制動力を調整することのできる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】
過給器は、内燃機関からの排気ガスによって駆動されるタービンと、タービンの回転速度を調整する回転速度調整部とを、を備える。ここで、ユーザの要求する車両の制動力の強さに相関のあるパラメータを含む制御パラメータに基づいてタービンの目標回転速度を決定し、車両の制動時にタービンの回転速度が目標回転速度に近づくように回転速度調整部を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、過給機を備える内燃機関の制御に関するものである。
従来より、内燃機関を駆動源として利用する車両では、内燃機関の負の仕事によるブレーキ(「エンジンブレーキ」とも呼ばれる)が利用されている。ここで、内燃機関に設けられた過給手段が、圧縮始めの圧力を高めることにより、制動力を強くする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−88648号公報 特開平9−88619号公報 特開平11−182259号公報 特開平9−48334号公報 特開平2004−304889号公報 実開平5−80195号公報
ところで、走行中の車両の動作状態は種々の状態に変化し得るので、エンジンブレーキの適切な制動力の強さも種々の強さとなり得る。従って、エンジンブレーキを利用する場合には、制動力を調整することが好ましい。しかし、従来は、制動力を調整する方法に関しては十分な工夫がなされていないのが実情であった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、過給機を備える内燃機関のエンジンブレーキによる制動力を調整することのできる技術を提供することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の制御装置は、過給器を有する車両用の内燃機関を制御する制御装置であって、前記過給器は、 前記内燃機関からの排気ガスによって駆動されるタービンと、前記タービンの回転速度を調整する回転速度調整部と、を備え、前記制御装置は、ユーザの要求する前記車両の制動力の強さに相関のあるパラメータを含む制御パラメータに基づいて前記タービンの目標回転速度を決定する目標回転速度決定部と、前記車両の制動時に前記タービンの回転速度が目標回転速度に近づくように前記回転速度調整部を制御する回転速度制御部と、を備える。
この制御装置によれば、ユーザの要求する車両の制動力の強さに相関のあるパラメータを含む制御パラメータに基づいてタービンの目標回転速度が決定され、さらに、タービンの回転速度が目標回転速度に近づくように制御されるので、過給機を備える内燃機関のエンジンブレーキによる制動力を調整することが可能となる。
上記制御装置において、前記回転速度調整部は、前記タービンに接続された電動機を含み、前記回転速度制御部は、現行のタービン回転速度が前記目標回転速度よりも高い場合には、前記電動機を用いた回生を実行することとしてもよい。
この構成によれば、タービンの回転速度を低減させるとともに、タービンの運動エネルギを電力として回収することが可能となる。
上記制御装置において、前記回転速度調整部は、前記タービンに接続された電動機を含み、前記目標回転速度決定部は、前記タービンが前記排気ガスによる駆動方向に回転している場合よりも前記内燃機関による制動力を強くするために、前記排気ガスによる駆動方向とは逆方向の目標回転速度を決定し、前記回転速度制御部は、前記目標回転速度が前記逆方向の回転速度である場合には、前記電動機に逆向き用の電力を供給することによって、前記タービンを前記逆方向に回転させることとしてもよい。
この構成によれば、目標回転速度が逆方向の回転速度である場合には、タービンが逆方向に回転されるので、より強い制動力を利用することができる。
上記各制御装置において、前記制御パラメータは、前記車両の前後の傾きを示す傾斜角度を含み、前記目標回転速度決定部は、前記車両の進行方向が鉛直方向上向きに近いほど前記傾斜角度が大きいものとして前記傾斜角度の大きさを扱う場合に、前記傾斜角度が小さいほど前記内燃機関による制動力が強くなるように、前記目標回転速度を決定することとしてもよい。
この構成によれば、傾斜角度が小さいほど内燃機関による制動力が強くなるように、目標回転速度を決定されるので、傾斜角度の違いによる減速度の差が大きくなることを抑制することができる。
上記各制御装置において、前記制御パラメータは、前記車両に設けられた操舵装置の操舵角を含み、前記目標回転速度決定部は、前記操舵角の直進方向を含む一部の範囲において、前記操舵角が直進方向から遠いほど前記内燃機関による制動力が強くなるように、前記目標回転速度を決定することとしてもよい。
この構成によれば、操舵角の直進方向を含む一部の範囲において、操舵角が直進方向から遠いほど前記内燃機関による制動力が強くなるように、目標回転速度が決定されるので、ハンドルが直進方向からずれている場合に制動力が低下することを抑制することができる。
上記各制御装置において、前記制御パラメータは、前記車両の前方の車間距離を含み、前記目標回転速度決定部は、前記車間距離が、与えられた閾値よりも短い場合に、前記車間距離が短いほど前記内燃機関による制動力が強くなるように、前記目標回転速度を決定することとしてもよい。
この構成によれば、車間距離が閾値よりも短い場合に、車間距離が短いほど内燃機関による制動力が強くなるように、目標回転速度が決定されるので、車両の追突抑制を考慮して制動力の制御を行うことができる。
上記各制御装置において、前記目標回転速度決定部は、前記制御パラメータに基づいて、目標とする制動力の強さに相関のあるブレーキレベルを決定するブレーキレベル決定部と、前記決定されたブレーキレベルに基づいて前記目標回転速度を決定するレベル回転速度決定部と、を備えることとしてもよい。
この構成によれば、目標回転速度が、目標とする制動力の強さに相関のあるブレーキレベルに基づいて決定されるので、タービンの回転速度を目標回転速度に近づくように制御することによって、制動力の適切な制御を行うことができる。
上記制御装置において、前記ブレーキレベルは、目標速度までの前記車両の減速に要する時間の目標値である目標減速時間と、前記減速に要する移動距離の目標値である目標制動距離と、の内のいずれか一方を表すこととしてもよい。
このような目標減速時間と目標制動距離とは、ブレーキレベルとして適切である。
上記各制御装置において、前記制御パラメータは、前記車両に関する車間距離を含むこととしてもよい。
この構成によれば、制動力を車間距離に応じて制御することができる。
上記制御装置において、前記車間距離は前記車両の前方の車間距離を示し、前記ブレーキレベル決定部は、前記車間距離が与えられた閾値よりも短い場合に、前記車間距離が短いほど前記ブレーキレベルがより強い制動力を示すように、前記ブレーキレベルを決定することとしてもよい。
この構成によれば、車間距離が閾値よりも短い場合に、車間距離が短いほどブレーキレベルがより強い制動力を示すように、ブレーキレベルが決定されるので、車両の追突抑制を考慮して制動力の制御を行うことができる。
上記各制御装置において、さらに、前記ブレーキレベルが示すブレーキの強さが所定の強さ以上である場合に、前記車両に設けられたブレーキ装置を制御することによって、前記ブレーキ装置による制動力を、前記ブレーキ装置の制御用のブレーキ開度のみで決まる制動力よりも強めるブレーキ制御部を有することとしてもよい。
この構成によれば、ブレーキレベルが示すブレーキの強さが所定の強さ以上である場合にブレーキ装置による制動力が強められるので、比較的強い制動力が要求される場合であっても、制動力が不足することを抑制することができる。
上記制御装置において、前記ブレーキ制御部は、前記ブレーキレベルが示すブレーキの強さが前記所定の強さ以上である場合には、前記ブレーキ開度が、前記ブレーキ装置による制動力をゼロに設定すべき値を示す場合であっても、前記ブレーキ装置による制動力をゼロより大きな強さに強めることとしてもよい。
この構成によれば、ブレーキレベルが示すブレーキの強さが所定の強さ以上である場合には、ブレーキ開度が示す制動力がゼロであっても、ブレーキ装置による制動力がゼロより大きな強さに強められるので、制動力が不足することを抑制することができる。
上記各制御装置において、さらに、前記制御パラメータの少なくとも一部に基づいて制動力の目標値を決定するとともに、前記車両に設けられたブレーキ装置の制動力を前記制動力目標値から引いた差分値に基づいて境界回転速度を決定し、さらに、前記目標回転速度が前記境界回転速度以上である場合に、前記ブレーキ装置を制御することによって、前記ブレーキ装置による制動力を、前記ブレーキ装置の制御用のブレーキ開度のみで決まる制動力よりも強めるブレーキ制御部を有することとしてもよい。
この構成によれば、制動力の目標値が決定され、ブレーキ装置の制動力を制動力目標値から引いた差分値に基づいて境界回転速度が決定され、さらに、目標回転速度が境界回転速度以上である場合にブレーキ装置による制動力が強められるので、制動力の目標値に対する不足分が大きい場合であっても、制動力が不足することを抑制することができる。
上記各制御装置において、前記ブレーキレベル決定部は、前記制御パラメータの少なくとも一部を用いて前記車両の減速後の目標速度を決定する目標速度決定部と、前記目標速度を用いて前記ブレーキレベルを決定するパラメータレベル決定部と、を有することとしてもよい。
この構成によれば、車両の減速後の目標速度が決定され、さらに、目標速度を用いてブレーキレベルが決定されるので、ブレーキレベルの決定を適切に行うことができる。
上記各制御装置において、前記ブレーキレベル決定部は、前記制御パラメータの少なくとも一部を用いて前記車両の減速後の目標速度を決定する目標速度決定部と、前記制御パラメータの少なくとも一部を用いて減速時の前記車両の目標加速度を決定する目標加速度決定部と、前記目標速度と前記目標加速度とを用いて前記ブレーキレベルを決定するパラメータレベル決定部と、を有することとしてもよい。
この構成によれば、車両の減速後の目標速度と、減速時の車両の目標加速度とが、決定され、さらに、目標速度と目標加速度とを用いてブレーキレベルが決定されるので、ユーザに、加速度に起因する違和感を与えることを抑制することができる。
上記各制御装置において、さらに、前記制御パラメータの少なくとも一部を用いて前記車両の減速後の目標速度を決定する目標速度決定部を備え、前記回転速度制御部は、前記車両の速度が前記目標速度未満に低下したことに応じて、前記回転速度制御処理を終了することとしてもよい。
この構成によれば、回転速度制御処理によって、速度が目標速度まで低減されるので、安全性を向上させることができる。
上記各制御装置において、前記回転速度調整部は、摩擦を用いて前記タービンの回転を制動するタービンブレーキ機構を含み、前記回転速度制御部は、現行のタービン回転速度が前記目標回転速度よりも高い場合には、前記タービンブレーキ機構を用いて前記タービンの回転を制動することとしてもよい。
この構成によれば、摩擦によってタービンの回転が制動されるので、速やかに、タービンの回転速度を目標回転速度に低減することが可能である。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、エンジンの制御装置および制御方法、その制御装置を備えたエンジン、そのエンジンを搭載する車両、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
次に、この発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.第6実施例:
G.第7実施例:
H.第8実施例:
I.第9実施例:
J.第10実施例:
K.第11実施例:
L.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の実施例としての車両の構成を示す概略図である。この車両900は、駆動源としてエンジン100を有している。図1には、エンジン100の燃焼室の中心で断面を取ったときの燃焼室の構造が示されている。
このエンジン100の燃焼室は、シリンダブロック140内に設けられた中空円筒形のシリンダ142と、シリンダ142内を上下に摺動するピストン144と、シリンダブロック140の上部に設けられたシリンダヘッド130とによって形成されている。なお、シリンダブロック140とシリンダヘッド130とで構成される筒状体を、広義の「シリンダ」と呼ぶ。
シリンダヘッド130には、吸入空気が流入する吸気ポート133と、排気ガスが流出する排気ポート135と、点火プラグ136と、燃焼室内に燃料噴霧を噴射する燃料噴射弁14とが設けられている。
吸気ポート133には吸入空気を導く吸気通路12が接続されており、排気ポート135には排気ガスが通過する排気通路16が接続されている。排気通路16の下流には、排気ガスに含まれる大気汚染物質を浄化するための触媒26と、過給器50のタービン52とが設けられている。排気通路16内を通過する排気ガスはタービン52を回転させた後、大気に放出される。また、吸気通路12には、過給器50のコンプレッサ54が設けられている。コンプレッサ54は、タービンシャフト56を介してタービン52に接続されており、排気ガスによってタービン52が回転するとコンプレッサ54も回転する。その結果、コンプレッサ54は、エアクリーナ20から吸い込んだ空気を加圧した後、吸気ポート133に向かって圧送する。
コンプレッサ54で加圧すると空気温度が上昇するので、吸入空気を冷却するために、コンプレッサ54の下流側にはインタークーラ62が設けられている。また、吸気通路12内にはサージタンク60や、スロットル弁22も設けられている。サージタンク60は、燃焼室が空気を吸い込んだときに生じる圧力波を緩和させる作用を有しており、またスロットル弁22は電動アクチュエータ24によって適切な開度に設定されて、吸入空気量を調整する機能を有している。また、サージタンク60には、吸入空気の温度を測定する吸気温度センサ63と、吸入空気の圧力を測定する吸入管圧力センサ64とが、設けられている。さらに、エアクリーナ20の下流側には空気流量を測定するエアフローメータ66が設けられている。また、吸気通路12には、コンプレッサ54の上流側と下流側とを結ぶバイパス流路13が設けられている。バイパス流路13内にはエアバイパスバルブ17が設けられている。エアバイパスバルブ17は、電動アクチュエータ15によって適切な開度に設定されて、コンプレッサ54の下流側の圧力が急上昇することを抑制する機能を有している。
ピストン144は、コネクティングロッド146を介してクランクシャフト148に接続されており、クランクシャフト148には、クランク角度を検出するクランク角センサ32が取り付けられている。また、クランクシャフト148には、ベルトを介してオルタネータ149が接続されている。オルタネータ149は、クランクシャフト148に駆動され、発電する。生成された電力は、低圧バッテリ150に蓄えられる。また、生成された電力は、直流コンバータ(DC/DCコンバータ)152によって昇圧され、高圧バッテリ154にも蓄えられる。
高圧バッテリ154には、過給機電子駆動ユニット(EDU)160が接続されている。過給機電子駆動ユニット160には、過給器50の電動機70が接続されている。この電動機70は、過給器50のタービンシャフト56の回転をアシストするために利用される。電動機70は、タービンシャフト56に固定された永久磁石72と、永久磁石72を囲むように配置されたコイル74と、回転子位置センサ76と、を有している。永久磁石72が固定されているタービンシャフト56はロータ(回転子)として機能し、コイル74はステータ(固定子)として機能する。回転子位置センサ76の検出信号は、回転子(タービンシャフト56)の回転速度Ntの測定に利用される。
吸気ポート133に供給される空気の圧力が不足している場合には、過給機電子駆動ユニット160は、高圧バッテリ154の電力を電動機70に供給することによって、電動機70の回転速度を上昇させる。一方、電動機70は、発電機としても機能する。タービンシャフト56の回転速度が高い場合には、過給機電子駆動ユニット160は、電動機70によって生成された電力を用いて、高圧バッテリ154を充電する。なお、このような電動機70の駆動と高圧バッテリ154の充電とを実行する過給機電子駆動ユニット160としては、種々の電子回路を採用することができる。
過給機電子駆動ユニット160には、過給機電子制御ユニット(ECU)164が接続されている。過給機電子駆動ユニット160の動作は、過給機電子制御ユニット164によって制御される。また、過給機電子制御ユニット164には、回転子位置センサ76の検出信号が供給される。
このエンジン100の動作は、エンジン電子制御ユニット30(以下「EECU30」とも呼ぶ)によって制御される。EECU30は、CPU(中央演算処理装置)とメモリ(RAM、ROM)と、タイマと、種々の信号を処理するためのA/DコンバータとD/Aコンバータと、を有している。CPUは、プログラムを実行することによって、エンジン100を制御するための種々の機能を実現する。なお、過給機電子制御ユニット164も、EECU30と同様に、CPUとメモリとを有している。また、過給機電子制御ユニット164の動作は、EECU30によって制御される。
EECU30は、後述する排気ブレーキ処理を実行する。排気ブレーキ処理では、EECU30は、種々のパラメータを取得し、これらに基づいて、タービンシャフト56の回転速度を制御する。図1の例では、パラメータとして、アクセル開度Zと、ブレーキ開度BKと、車両900の速度Vと、車間距離Lと、車両900の傾斜角度θと、操舵角ωと、車両900の重量Wと、タービンシャフト56の回転速度Ntと、を利用可能である。
アクセル開度Zは、エンジン100の回転速度を指定するための、ユーザによる設定値である。図1の例では、アクセル開度Zは、アクセルペダルの踏み込み量を示しており、アクセルペダルに接続されたアクセル開度センサ36によって検出される。ブレーキ開度BKは、ブレーキ装置35の制動力を指定するための、ユーザによる設定値である。図1の例では、ブレーキ開度BKは、ブレーキペダルの踏み込み量を示しており、ブレーキペダルに接続されたアクチュエータ34の動作状況信号を用いて取得される。アクチュエータ34は、ブレーキ装置35を駆動するための装置であり、ブレーキペダルの踏み込み量が大きいほどブレーキ装置35による制動力が強くなるように動作する。速度Vは、車両900の速度を示し、速度センサ80によって検出される。車間距離Lは、距離センサ82によって検出される。距離センサ82は、車両900の前方の障害物(例えば、前を走行する別の車両)との距離を測定するセンサである。傾斜角度θは、車両900の前後の傾きを示し、傾斜角度センサ84によって検出される。操舵角ωは、操舵角センサ86によって検出される。操舵角センサ86は、図示しない操舵装置の操舵角を検出する。重量Wは、重量センサ88によって検出される。重量センサ88は、車輪のサスペンション(図示せず)のストロークにおける車輪(図示せず)の位置を検出する位置センサである。重量Wは、位置センサの検出結果から換算される。この換算は、重量Wが重いほど車両900の車高が低くなる特性を利用して行われる。また、回転速度Ntは、回転子位置センサ76の検出結果から算出される。
なお、ブレーキ装置35としては、車両900に制動力を付加する任意の装置を採用可能である。例えば、摩擦による制動力を車輪(図示せず)に付加する装置を採用可能である。また、電動機の回生による制動力を車輪に付加する装置を採用してもよい。
図2は、EECU30(図1)のROMの内部構成を示す概略図である。ROMには、CPUが実行するプログラムが格納されている。図2の例では、ROMには、パラメータ取得モジュール210と、ブレーキ要求判断モジュール220と、目標速度決定モジュール240と、目標回転速度決定モジュール280と、回転速度制御モジュール290と、が格納されている。これらのモジュールは、排気ブレーキ処理のためにCPUによって実行されるプログラムである。パラメータ取得モジュール210は、センサ等の構成要素からの信号を用いて種々のパラメータを取得する。信号からパラメータへの換算は、このパラメータ取得モジュール210によって行われる。取得されたパラメータは、他のモジュールによって利用される。他のモジュールの機能については後述する。なお、ROMには、エンジン100制御用の他のモジュール(プログラム)も格納されているが、図示が省略されている。
図3は、排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。この排気ブレーキ処理は、エンジン100の運転中に繰り返し実行される。また、ユーザがブレーキペダルを操作したことに応じて、排気ブレーキ処理が実行されることとしてもよい。
最初のステップS100では、パラメータ取得モジュール210(図2)が、アクチュエータ34(図1)からブレーキ開度BKを取得する。次のステップS102では、ブレーキ要求判断モジュール220が、ブレーキ開度BKが閾値よりも大きいか否かを判断する。ここで、ブレーキ開度BKは、ユーザによるブレーキペダルの踏み込み量が大きいほど、大きくなる。すなわち、ブレーキ開度BKが大きいことは、ブレーキ開度BKが小さい場合と比べて、ユーザの要求する車両900の制動力が強いことを意味している。図3の例では、閾値が「10%」に設定されている。ブレーキ開度BKが10%以下である場合には、ブレーキ要求判断モジュール220は、排気ブレーキが要求されていないと判断し、そして、処理を終了する。なお、閾値としては、「10%」に限らず任意の値を採用可能である。ただし、ユーザがブレーキペダルを踏んでいない場合(ブレーキ開度BK=0%)に、排気ブレーキが効くことを防止するためには、閾値を0%よりも大きな値にすることが好ましい。
ブレーキ開度BKが閾値よりも大きい場合には、ブレーキ要求判断モジュール220(図2)は、排気ブレーキ要求が発行されたと判断し、処理はステップS141に移行する。ステップS141では、目標速度決定モジュール240が、車両900の減速後の目標速度を決定する。図4は、ブレーキ開度BKと目標速度V_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。横軸はブレーキ開度BKを示し、縦軸は目標速度V_tgtを示している。図4の例では、ブレーキ開度BKが大きいほど目標速度V_tgtが小さくなるように、対応関係が設定されている。この理由は、より低い速度への減速を望むユーザが、しばしば、より強くブレーキペダルを操作するからである。目標速度決定モジュール240は、この対応関係に基づいて、ブレーキ開度BKから目標速度V_tgtを決定する。このような対応関係は、予め、EECU30(図1)のROMに格納されている(図示省略)。なお、対応関係の格納方法としては、マップを用いる方法や関数を用いる方法等の種々の方法を採用可能である。これは、後述する他の対応関係についても同じである。
なお、ブレーキ開度BKと目標速度V_tgtとの対応関係としては、図4に示す形状のグラフで決まる対応関係に限らず、ブレーキ開度BKが大きいほど目標速度V_tgtが小さくなるような任意の対応関係を採用可能である。例えば、目標速度V_tgtをステップ状に変化させてもよく、また、ブレーキ開度BKの一部の範囲において目標速度V_tgtが一定値であってもよい。
次のステップS170(図3)では、目標回転速度決定モジュール280が、タービンシャフト56の目標回転速度Nt_tgtを決定する。図5は、ブレーキ開度BKと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。横軸はブレーキ開度BKを示し、縦軸は目標回転速度Nt_tgtを示している。目標回転速度決定モジュール280は、この対応関係に基づいて、ブレーキ開度BKから目標回転速度Nt_tgtを決定する。この対応関係は、予め、EECU30(図1)のROMに格納されている(図示省略)。
図5の例では、ブレーキ開度BKが大きいほど目標回転速度Nt_tgtが小さくなるように、対応関係が設定されている。このような対応関係は以下の点を考慮して設定されている。すなわち、より強い制動力を望むユーザは、しばしば、より強くブレーキペダルを操作する。一方、コンプレッサ54の回転速度Ntが低いほど、エンジン100の排気圧力は高くなる。その結果、エンジン100のポンプ損失(「ポンピングロス」とも呼ばれる)が大きくなるので、排気ブレーキによる制動力が強くなる。なお、図5の例では、ゼロよりも大きな最小回転速度Nt_lowよりも目標回転速度Nt_tgtが小さくならないように、対応関係が設定されている。この最小回転速度Nt_lowは、エンジン100が所定の最小回転速度で運転されている状態におけるタービンシャフト56の回転速度である。このようなエンジン100の最小回転速度は、エンジン100がストールしないように予め設定された回転速度である。例えば、制動時において燃料供給が遮断されるエンジン100の回転速度範囲の下限値である。ここで、最小回転速度Nt_lowは、予め実験に基づいて設定可能である。
なお、ブレーキ開度BKと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係としては、図5に示す形状のグラフで決まる対応関係に限らず、ブレーキ開度BKが大きいほど目標回転速度Nt_tgtが小さくなるような任意の対応関係を採用可能である。
次のステップS200(図3)では、タービンシャフト56の回転速度の制御処理が実行される。回転速度制御処理が終了すると、排気ブレーキ処理は終了する。
図6は、回転速度制御処理(S200)の手順を示すフローチャートである。最初のステップS210では、パラメータ取得モジュール210が、現行のタービンシャフト56の回転速度Ntを取得する。この取得は、過給機電子制御ユニット164(図1)を介して行われる。
次のステップS230では、回転速度制御モジュール290(図2)が、現行回転速度Ntが目標回転速度Nt_tgtよりも速いか否かを判断する。現行回転速度Ntが速い場合には、ステップS242で、回転速度制御モジュール290は、電動機70を用いた回生を実行する。具体的には、回転速度制御モジュール290が、過給機電子制御ユニット164(図1)に「回生指示」を送信する。指示を受信した過給機電子制御ユニット164は、過給機電子駆動ユニット160を制御することによって、電動機70によって生成された電力を高圧バッテリ154に蓄える。すると、タービンシャフト56には、電動機70による制動力が付与されるので、タービンシャフト56の現行回転速度Ntが低下する。すると、コンプレッサ54とタービン52との両方の回転速度(回転速度Ntと同じ)が低下するので、エンジン100の吸気圧力の上昇が抑えられ、さらに、排気圧力が高められる。その結果、エンジン100のポンプ損失が大きくなるので、排気ブレーキによる制動力が強められる。
一方、現行回転速度Ntが目標回転速度Nt_tgt以下である場合には、ステップS244で、回転速度制御モジュール290は、電動機70の力行を行う。具体的には、回転速度制御モジュール290は、過給機電子制御ユニット164(図1)に「力行指示」を送信する。指示を受信した過給機電子制御ユニット164は、過給機電子駆動ユニット160を制御することによって、高圧バッテリ154に蓄えられた電力を電動機70に供給する。その結果、タービンシャフト56には、電動機70による駆動力が付与されるので、タービンシャフト56の現行回転速度Ntが上昇する。その結果、排気ブレーキによる制動力が弱められる。
次のステップS250では、パラメータ取得モジュール210が、速度センサ80から車両900の現行速度Vを取得する。
次のステップS260では、回転速度制御モジュール290は、現行速度Vが目標速度V_tgt未満であるか否かを判断する。現行速度Vが目標速度V_tgt以上である場合には、処理がステップS210に移行する。ステップS210からS260へ至る処理は、現行速度Vが目標速度V_tgt未満となるまで繰り返し実行される。現行速度Vが目標速度V_tgt未満となったら、回転速度制御モジュール290は、回転速度制御処理を終了する。その結果、電動機70の力行と、電動機70を用いた回生との、いずれの処理も終了する。
以上のように、第1実施例では、排気ブレーキ要求がされた場合に、タービンシャフト56の回転速度Ntが、目標回転速度Nt_tgtに近づくように制御される。従って、過給機を備える内燃機関の排気ブレーキ(エンジンブレーキ)による制動力を調整することができる。
また、第1実施例では、目標回転速度Nt_tgtが、ブレーキ開度BKに基づいて決定される。すなわち、目標回転速度Nt_tgtが、ユーザの要求に応じて決定される。従って、排気ブレーキによる制動力を、ユーザの要求に応じて調整することが可能となる。
また、第1実施例では、図5に示すように、ブレーキ開度BKが大きいほど目標回転速度Nt_tgtが小さい値に設定される。従って、制動力を、ユーザの要求する車両900の制動力の強さに適した強さに調整することができる。
また、第1実施例では、ブレーキ装置35による制動力の代わりに排気ブレーキの制動力が利用され得るので、ブレーキ装置35の寿命を延ばすこともできる。また、現行回転速度Ntが目標回転速度Nt_tgtよりも速い場合には、ステップS242(図6)で、電動機70を用いた回生が行われるので、燃費の向上を図ることもできる。
B.第2実施例:
図7は、第2実施例におけるEECU30(図1)のROMの内部構成を示す概略図である。図2に示す第1実施例との差違は、目標回転速度決定モジュール280が、目標時間決定モジュール260と、パラメータ回転速度決定モジュール270とを、有している点である。ここで、目標時間決定モジュール260は、目標加速度決定モジュール230と、目標速度決定モジュール240と、パラメータ時間決定モジュール250とを、有している。なお、エンジンのハードウェア構成は、図1に示す第1実施例のエンジン100と同じである。
図8は、第2実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。図3に示す手順との差異は、目標回転速度Nt_tgtの決定に、減速に要する時間の目標値である目標減速時間tが利用される点である。
最初のステップS100、S102は、図3のステップS100、S102とそれぞれ同じである。ブレーキ開度BKが閾値(10%)を超えている場合には、次のステップS120で、パラメータ取得モジュール210が、車両の状態に関する情報を取得する。図8の例では、パラメータ取得モジュール210は、速度Vを取得する。
次のステップS140では、目標加速度決定モジュール230(図7)が、車両900の減速時における加速度の目標値である目標加速度a_tgtを決定する。図9は、ブレーキ開度BKと目標加速度a_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。横軸はブレーキ開度BKを示し、縦軸は目標加速度a_tgtを示している。目標加速度a_tgtは、負の加速度、すなわち、減速度を表しており、値が大きいほど速度の低下率が大きいことを表している。図9の例では、ブレーキ開度BKが大きいほど目標加速度a_tgtが大きくなるように、対応関係が設定されている。この理由は、より強い制動力を望むユーザが、しばしば、より強くブレーキペダルを操作するからである。目標加速度決定モジュール230は、この対応関係に基づいて、ブレーキ開度BKから目標加速度a_tgtを決定する。また、この対応関係は、予め、EECU30(図1)のROMに格納されている(図示省略)。
なお、ブレーキ開度BKと目標加速度a_tgtとの対応関係としては、図9に示す形状のグラフで決まる対応関係に限らず、ブレーキ開度BKが大きいほど目標加速度a_tgtが大きくなるような任意の対応関係を採用可能である。
次のステップS141(図8)では、目標速度決定モジュール240(図7)が、目標速度V_tgtを決定する。このステップS141は、図3のステップS141と同じである。
次のステップS160では、パラメータ時間決定モジュール250(図7)が、目標減速時間tを決定する。ここで、目標減速時間tは、制動開始時(排気ブレーキ処理開始時)から車両900の速度が目標速度V_tgtとなるまでの経過時間の目標値を示している。本実施例では、パラメータ時間決定モジュール250は、以下の第1式T1に従って、速度Vと目標速度V_tgtと目標加速度a_tgtとを用いて目標減速時間tを決定する。
(第1式T1):t = ( V - V_tgt ) / a_tgt
この第1式T1で表される目標減速時間tは、速度Vから目標速度V_tgtまで、目標加速度a_tgtで減速し続けると仮定したときに要する時間を表している。従って、目標減速時間tが短いことは、ユーザによって要求される制動力、すなわち、目標とする制動力が強いことを意味している。すなわち、目標減速時間tは、目標とする制動力の強さに相関のある「ブレーキレベル」に相当する。
次のステップS170aでは、パラメータ回転速度決定モジュール270(図7)が、目標回転速度Nt_tgtを決定する。図10は、目標減速時間tと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。横軸は目標減速時間tを示し、縦軸は目標回転速度Nt_tgtを示している。パラメータ回転速度決定モジュール270は、この対応関係に基づいて、目標減速時間tから目標回転速度Nt_tgtを決定する。この対応関係は、予め、EECU30(図1)のROMに格納されている(図示省略)。
図10の例では、目標減速時間tが短いほど目標回転速度Nt_tgtが小さくなるように、対応関係が設定されている。すなわち、目標減速時間tが短いほど排気ブレーキによる制動力は強くなる。ただし、最小回転速度Nt_lowよりも目標回転速度Nt_tgtが小さくならないように、対応関係が設定されている。このNt_lowは、図5で説明した最小回転速度Nt_lowと同じである。
なお、目標減速時間tと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係としては、図10に示す形状のグラフで決まる対応関係に限らず、目標減速時間tが短いほど目標回転速度Nt_tgtが小さくなるような任意の対応関係を採用可能である。この際、目標減速時間t内に目標速度V_tgtまでの減速が完了できるように、目標減速時間tと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係を実験に基づいて決定することが好ましい。
次のステップS200(図8)では、回転速度の制御処理が実行される。この回転速度制御処理は、図6に示す処理と同じである。回転速度制御処理が終了したら、排気ブレーキ処理は終了する。
以上のように、第2実施例では、目標回転速度Nt_tgtの決定に目標減速時間tが利用される。この目標減速時間tは、制動力の強さに相関のあるパラメータである。その結果、現行回転速度Ntを、目標回転速度Nt_tgtに近づくように制御することによって、排気ブレーキの制動力の適切な制御を行うことができる。
また、第2実施例では、複数のパラメータ値変換(例えば、ブレーキ開度BKから目標減速時間tへの変換と、目標減速時間tから目標回転速度Nt_tgtへの変換)を介して目標回転速度Nt_tgtが決定されるので、以下の利点も有する。すなわち、ブレーキ開度BKから直接に目標回転速度Nt_tgtへ変換する場合と比べて、パラメータ値の変換を、比較的関連の強いパラメータ間(例えば、ブレーキ開度BKと目標減速時間tとの間や、目標減速時間tと目標回転速度Nt_tgtとの間)で行うことができる。従って、適切な目標回転速度Nt_tgtの決定を容易なものとすることができる。さらに、第2実施例では、目標減速時間tの決定が、さらに、目標速度V_tgtの決定と目標加速度a_tgtの決定とを介して行われる。従って、適切な目標減速時間tの決定を容易に行うことも可能である。
なお、これらのパラメータV_tgt、a_tgtは、いずれも、ユーザの要求する車両900の制動力の強さと相関のあるパラメータ(ブレーキ開度BK)に基づいて決定されている。従って、目標減速時間tをユーザの要求に応じて決定することができる。ここで、目標速度V_tgtは、ブレーキ開度BKが大きいほど小さな値に設定される(図4)。また、目標加速度a_tgtは、ブレーキ開度BKが大きいほど大きな値に設定される(図9)。その結果、目標減速時間tは、ユーザの要求する車両900の制動力が強いほど小さな値に決定される(第1式T1)。そして、目標回転速度Nt_tgtは、ユーザの要求する車両900の制動力が強いほど小さな値に決定される(図10)。従って、排気ブレーキの制動力を、ユーザの要求する車両900の制動力の強さに適した強さに調整することができる。
C.第3実施例:
図11は、第3実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。図8に示す手順との差異は、目標減速時間tの算出に、車間距離Lが用いられている点だけである。エンジンのハードウェア構成は、図1に示す第1実施例のエンジン100と同じである。また、EECU30(図1)に格納されたモジュールの構成は、図7に示す例と同じである。
ステップS100からS141までの処理は、図8の実施例と同じである。ただし、ステップS120では、パラメータ取得モジュール210は、速度Vに加えて、車間距離Lを距離センサ82から取得する。
次のステップS150では、パラメータ時間決定モジュール250(図7)が、車間距離Lが適正範囲内であるか否かを判断する。図12は、車間距離Lの適正範囲の一例を示すグラフである。横軸は車間距離Lを示し、縦軸は速度Vを示している。また、このグラフには、境界距離BLが示されている。パラメータ時間決定モジュール250は、この対応関係に従って、車間距離Lが適正である否かを判断する。具体的には、車間距離Lが、速度Vで決まる境界距離BLよりも短い場合に、車間距離Lが不適正であると判断される。ここで、境界距離BLは、速度Vが速いほど長くなるように設定されている。これは、安全上、速度Vが速いほど車間距離が長いことが好ましいからである。なお、この対応関係は、予め、EECU30(図1)のROMに格納されている。また、境界距離BLと速度Vとの対応関係としては、図12に示す形状のグラフで決まる対応関係に限らず、速度Vが速いほど境界距離BLが長くなるような任意の対応関係を採用可能である。また、境界距離BLとしては、このような対応関係で決まる値に限らず、種々の値を採用可能である。例えば、境界距離BLとして、速度Vと独立な所定値を採用してもよい。
車間距離Lが適正と判断された場合には、処理は、ステップS160に移行する。このステップS160は、図8のステップS160と同じであり、上述の第1式T1に従って、目標減速時間tが決定される。
一方、車間距離Lが不適正と判断された場合には、処理は、ステップS162に移行する。このステップS162では、パラメータ時間決定モジュール250(図7)は、以下の第2式T2に従って、車間距離Lと速度Vとを用いて目標減速時間tを決定する。
(第2式T2):t = ( L - Lth ) / V
ここで、距離閾値Lthは、所定の値であり、本実施例では「2m」に設定されている。ただし、ゼロより大きな他の値を採用することも可能である。
この第2式T2で表される目標減速時間tは、車間距離が排気ブレーキ処理の開始時(目標減速時間tの決定時)における車間距離Lから所定の距離閾値Lthとなるまで、車両900が一定の速度Vで走行し続けると仮定したときに要する時間を表している。ここで、距離閾値Lthはゼロより大きな値に設定されている。従って、この第2式T2で算出される目標減速時間tは、車両900が前方の物体(例えば、他の車両)に衝突せずに済む経過時間を表している。換言すれば、この目標減速時間tの内に、目標速度V_tgtまでの減速が完了すれば、衝突の可能性を大幅に低減することができる。車間距離Lが不適正と判断される場合には、このような第2式T2に従って、目標減速時間tが決定される。すなわち、車間距離Lが不適正と判断される場合には、車間距離Lが短いほど排気ブレーキの制動力が強められる。
目標減速時間tが決定された後、ステップS170a、S200の処理が順番に実行される。これらの処理は、図8のステップS170a、S200と同じである。
以上のように、第3実施例では、排気ブレーキ処理の開始時における車間距離Lに応じて、目標減速時間tが決定される。特に、車間距離Lが境界距離BLよりも短い場合には、車間距離Lが近いほど排気ブレーキの制動力が強くなるように、目標減速時間tが決定される。その結果、車両900の追突抑制を考慮して、排気ブレーキの制動力の制御を行うことができる。
D.第4実施例:
図13は、第4実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。図8に示す手順との差異は、目標減速時間tの算出に、傾斜角度θが用いられている点だけである。エンジンのハードウェア構成は、図1に示す第1実施例のエンジン100と同じである。また、EECU30(図1)に格納されたモジュールの構成は、図7に示す例と同じである。
ステップS100からS120までの処理は、図8の実施例と同じである。ただし、ステップS120では、パラメータ取得モジュール210は、速度Vに加えて、傾斜角度θを傾斜角度センサ84から取得する。
次のステップS134では、パラメータ時間決定モジュール250(図7)は、車両の前後の傾き(傾斜角度θ)に基づく傾き補正係数γを決定する。図14は、傾き補正係数γと傾斜角度θとの対応関係の一例を示すグラフである。横軸は傾斜角度θを示し、縦軸は傾き補正係数γを示している。ここで、「傾斜角度θ=0」は、車両900が水平であることを意味している。また、「傾斜角度θ>0」は、車両900の前方が上を向いていることを意味しており、逆に、「傾斜角度θ<0」は、車両900の前方が下を向いていることを意味している。すなわち、車両900が上り坂を上っている場合には、傾斜角度θは正値となり、車両900が下り坂を下っている場合には傾斜角度θは負値となる。ここで、車両900の進行方向が鉛直方向上向きに近いほど傾斜角度θが大きいということもできる。図14の例では、傾斜角度θが大きいほど傾き補正係数γが大きくなるように、対応関係が設定されている。この傾き補正係数γの意味については、後述する。パラメータ時間決定モジュール250は、この対応関係に基づいて、傾斜角度θから傾き補正係数γを決定する。この対応関係は、予め、EECU30(図1)のROMに格納されている(図示省略)。
傾き補正係数γが決定された後、次に、ステップS140、S141(図13)の処理が実行される。これらの処理は、図8のステップS140、S141と、それぞれ同じである。次のステップS160aでは、パラメータ時間決定モジュール250(図7)が、目標減速時間tを決定する。パラメータ時間決定モジュール250は、以下の第3式T3に従って、速度Vと目標速度V_tgtと目標加速度a_tgtと傾き補正係数γとを用いて目標減速時間tを決定する。
(第3式T3):t = ( V - V_tgt ) / a_tgt * γ
上述の第1式T1との差異は、傾き補正係数γが乗じられている点だけである。この傾き補正係数γは、図14に示すように、傾斜角度θが小さいほど小さな値に決定される。従って、目標減速時間tは、傾斜角度θが小さいほど小さくなる。例えば、下り坂では、水平と比べて、目標減速時間tが小さな値に補正される。また、上り坂では、水平と比べて、目標減速時間tが大きな値に補正される。この理由は以下の通りである。下り坂では、車両900が重力によって進行方向に引っ張られる。従って、車両900の減速度が過剰に小さくなることを抑制するためには、排気ブレーキの制動力を強めることが好ましい。逆に、上り坂では、車両900が重力によって進行方向とは逆の方向に引っ張られる。従って、車両900の減速度が過剰に大きくなることを抑制するためには、排気ブレーキの制動力を弱めることが好ましい。そこで、図14に示すように、傾き補正係数γは、傾斜角度θが小さいほど小さくなるように設定されている。
なお、傾き補正係数γと傾斜角度θとの対応関係としては、図14に示す形状のグラフで決まる対応関係に限らず、傾斜角度θが小さいほど傾き補正係数γが小さくなるような任意の対応関係を採用可能である。
目標減速時間tが決定された後、ステップS170a、S200の処理が順番に実行される。これらの処理は、図8のステップS170a、S200と同じである。
以上のように、第4実施例では、傾斜角度θに応じて目標減速時間tが補正される。その結果、排気ブレーキの制動力を傾斜角度θに基づいて調整することができる。特に、第4実施例では、傾斜角度θが小さいほど目標減速時間tが小さい値に補正される。すなわち、傾斜角度θが小さいほど排気ブレーキの制動力が強くなるように、目標減速時間tが決定される。その結果、傾斜角度θの違いによる減速度の差が大きくなることを抑制することができる。ここで、傾斜角度θの大きさは、車両900の進行方向が鉛直方向上向きに近いほど傾斜角度θが大きいものとして扱われている。なお、車両900の前進時に限らず、後退時においても、同様に、排気ブレーキ処理を実行可能である。
E.第5実施例:
図15は、第5実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。図8に示す手順との差異は、目標減速時間tの算出に、操舵角ωが用いられている点だけである。エンジンのハードウェア構成は、図1に示す第1実施例のエンジン100と同じである。また、EECU30(図1)に格納されたモジュールの構成は、図7に示す例と同じである。
ステップS100からS120までの処理は、図8の実施例と同じである。ただし、ステップS120では、パラメータ取得モジュール210は、速度Vに加えて、操舵角ωを操舵角センサ86から取得する。
次のステップS132では、パラメータ時間決定モジュール250(図7)は、操舵角ωに基づく補正係数εを決定する。図16は、操舵角補正係数εと操舵角ωとの対応関係の一例を示すグラフである。横軸は操舵角ωを示し、縦軸は操舵角補正係数εを示している。ここで、操舵角ωは、直進方向をゼロとしたときの角度を意味している。また、「操舵角ω>0」は、ハンドルが右方向に回転されたことを意味し、逆に、「操舵角ω<0」は、ハンドルが左方向に回転されたことを意味している。図16の例では、操舵角補正係数εは、操舵角ωの変化に対して連続であり、かつ、操舵角ω=0である軸(ε軸)を中心に対称である。また、操舵角ωが値をとり得る全範囲のうちのゼロを含む一部の範囲ARにおいては、操舵角ωがゼロから遠いほど、操舵角補正係数εが小さくなる。なお、範囲ARの外側では、操舵角補正係数εは一定値である。この操舵角補正係数εの意味については、後述する。パラメータ時間決定モジュール250は、この対応関係に基づいて、操舵角ωから操舵角補正係数εを決定する。この対応関係は、予め、EECU30(図1)のROMに格納されている(図示省略)。
操舵角補正係数εが決定された後、次に、ステップS140、S141(図15)の処理が実行される。これらの処理は、図8のステップS140、S141と、それぞれ同じである。次のステップS160bでは、パラメータ時間決定モジュール250(図7)が、目標減速時間tを決定する。パラメータ時間決定モジュール250は、以下の第4式T4に従って、速度Vと目標速度V_tgtと目標加速度a_tgtと操舵角補正係数εとを用いて目標減速時間tを決定する。
(第4式T4):t = ( V - V_tgt ) / a_tgt * ε
上述の第1式T1との差異は、操舵角補正係数εが乗じられている点だけである。この操舵角補正係数εは、図16に示すように、操舵角ωがゼロを含む一部の範囲内にある場合には、操舵角ωがゼロから遠いほど、操舵角補正係数εが小さな値に決定される。従って、ハンドルが直進方向からずれた方向を向いている場合には、ハンドルが直進方向を向いている場合と比べて、目標減速時間tが小さな値に補正される。この理由は以下の通りである。ハンドルが直進方向からずれた方向を向いている場合には、車輪(タイヤ)のグリップ(摩擦力)の一部が車両900の旋回に利用されるので、制動力が低下する場合がある。従って、制動力の低下を抑制するためには、排気ブレーキの制動力を強めることが好ましい。ただし、急カーブを走行中に排気ブレーキの制動力を過剰に強めると、車両900の走行状態の安定性が低下するおそれがある。そこで、図16の例では、ゼロを含む一部の範囲ARの外では、操舵角補正係数εが一定値に設定されている。
目標減速時間tが決定された後、ステップS170a、S200(図15)の処理が順番に実行される。これらの処理は、図8のステップS170a、S200と同じである。
以上のように、第5実施例では、操舵角ωに応じて目標減速時間tが補正される。その結果、排気ブレーキの制動力を操舵角ωに応じて調整することができる。特に、第5実施例では、操舵角ωがゼロから遠いほど目標減速時間tが小さい値に補正される。すなわち、操舵角ωがゼロから遠いほど排気ブレーキが強められる。その結果、ハンドルが直進方向からずれている場合に制動力が低下することを抑制することができる。
なお、操舵角補正係数εと操舵角ωとの対応関係としては、図16に示す対応関係に限らず、種々の対応関係を採用可能である。図17は、別の対応関係の一例を示すグラフである。図16の対応関係との差異は、範囲ARの外側では、操舵角補正係数εが、操舵角ωがゼロから遠いほど大きくなるように設定される点だけである。その結果、車両900が急カーブを走行している場合には、排気ブレーキの制動力が過剰に強化されることが抑制されるので、車両900の走行状態の安定性が低下することを抑制することができる。
なお、範囲ARの内側は、図16の例と同じである。また、一般には、操舵角ωが値をとり得る全範囲のうちのゼロ(直進方向)を含む一部の範囲において、操舵角ωがゼロから遠いほど、排気ブレーキの制動力が強くなるように、目標減速時間tが補正されることが好ましい。
F.第6実施例:
図18は、第6実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。この手順は、上述の3つの手順(図11、図13、図15)を統合したものであり、目標減速時間tが、車間距離Lと傾斜角度θと操舵角ωとを用いて決定される。エンジンのハードウェア構成は、図1に示す第1実施例のエンジン100と同じである。また、EECU30(図1)に格納されたモジュールの構成は、図7に示す例と同じである。
ステップS100からS120までの処理は、図8の実施例と同じである。ただし、ステップS120では、パラメータ取得モジュール210は、速度Vに加えて、車間距離Lと傾斜角度θと操舵角ωとを取得する。また、ステップS132からS150までの処理は、図11、図13、図15における同じ符号が付されたステップの処理と、それぞれ同じである。
車間距離Lが適正と判断された場合には、処理は、ステップS160cに移行する。このステップS160cでは、パラメータ時間決定モジュール250(図7)が、以下の第5式T5に従って、速度Vと目標速度V_tgtと目標加速度a_tgtと操舵角補正係数εと傾き補正係数γとを用いて目標減速時間tを決定する。
(第5式T5):t = ( V - V_tgt ) / a_tgt * ε * γ
上述の第1式T1との差異は、操舵角補正係数εと傾き補正係数γとが乗じられている点だけである。
一方、車間距離Lが不適正と判断された場合には、処理は、ステップS162cに移行する。このステップS162cでは、パラメータ時間決定モジュール250(図7)は、以下の第6式T6に従って、車間距離Lと速度Vと操舵角補正係数εと傾き補正係数γとを用いて目標減速時間tを決定する。
(第6式T6):t = ( L - Lth ) / V * ε * γ
上述の第2式T2との差異は、操舵角補正係数εと傾き補正係数γとが乗じられている点だけである。
目標減速時間tが決定された後、ステップS170a、S200(図18)の処理が順番に実行される。これらの処理は、図8のステップS170a、S200と同じである。
以上のように、第6実施例では、図11の例と同様に目標減速時間tの決定に車間距離Lが用いられる。さらに、図13の例と同様に目標減速時間tの決定に傾斜角度θが用いられる。さらに、図15の例と同様に目標減速時間tの決定に操舵角ωが用いられる。従って、第6実施例は、図11、図13、図15の実施例のそれぞれと同様の利点を有している。その結果、過給機を備える内燃機関の排気ブレーキによる制動力を、さらに適切に、調整することができる。
G.第7実施例:
図19は、第7実施例におけるEECU30(図1)のROMの内部構成を示す概略図である。図7に示す実施例との差違は、ブレーキ制御モジュール295が追加されている点だけである。なお、エンジンのハードウェア構成は、図1に示す第1実施例のエンジン100と同じである。
図20は、第7実施例における回転速度制御処理の手順を示すフローチャートである。図6に示す手順との差異は、ブレーキ装置35のアクチュエータ34(図1)を駆動する処理(S220、S222)が追加されている点だけである。
ステップS210の処理は、図6のステップS210の処理と同じである。現行回転速度Ntが取得された後、処理はステップS220に移行する。このステップS220では、ブレーキ制御モジュール295(図19)は、目標減速時間tが所定の閾時間t_thよりも小さいが否かを判断する。目標減速時間tが閾時間t_thよりも小さい場合には、ステップS222で、ブレーキ制御モジュール295は、アクチュエータ34(図1)に制動力を追加する指示を送信する。アクチュエータ34は、指示に従って制動力を追加する。その結果、ブレーキ装置35による制動力は、ブレーキ開度BKのみで決まる制動力よりも強められる。その後、処理は、ステップS230に移行する。一方、目標減速時間tが閾時間t_th以上である場合には、制動力の追加がされることなく、処理はステップS230に移行する。
ステップS230からステップS260へ至る処理は、図6のステップS230からS260へ至る処理と同じである。
以上のように、第7実施例では、目標減速時間tが所定の閾時間t_thよりも小さい場合、すなわち、目標とする制動力が所定の閾値よりも強い場合には、ブレーキ制御モジュール295が、アクチュエータ34を駆動することによって、ブレーキ装置35による制動力を、ブレーキ開度BKのみで決まる制動力よりも強くする。その結果、比較的強い制動力が要求される場合であっても、制動力が不足することを抑制することができる。なお、閾時間t_thは、制動力の不足が抑制されるように、予め実験的に決定しておけばよい。
なお、図20の回転速度制御処理は、上記各実施例において、図6の処理の代わりに採用することができる。例えば、図8と、図11と、図13と、図15と、図18との、それぞれのステップS200に図20の処理を適用可能である。
H.第8実施例:
図21、図22は、第8実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。図20に示す実施例との差違は、制動力の目標値が決定され、この目標値に基づいて、アクチュエータ34(図1)が駆動される点である。エンジンのハードウェア構成は、図1に示す第1実施例のエンジン100と同じである。また、EECU30(図1)に格納されたモジュールの構成は、図19に示す例と同じである。
ステップS100(図21)からS141までの処理は、図8の実施例と同じである。ただし、ステップS120では、パラメータ取得モジュール210は、速度Vに加えて、車両900の重量Wを重量センサ88から取得する。
次のステップS147では、ブレーキ制御モジュール295(図19)が、制動力の目標値F_tgtを決定する。ブレーキ制御モジュール295は、以下の制動力式F1に従って、重量Wと目標加速度a_tgtとを用いて目標値F_tgtを決定する。
(制動力式F1):F_tgt = W * a_tgt
この制動力式F1で表される目標制動力F_tgtは、重量がWである車両900を、目標加速度a_tgtで減速させるために要する力を表している。すなわち、目標制動力F_tgtは、重量Wが考慮された制動力の目標値を表している。
次のステップS148では、ブレーキ制御モジュール295(図19)が、ブレーキ装置35(図1)の現行の制動力F_fを取得する。図23は、ブレーキ開度BKと制動力F_fとの対応関係の一例を示すグラフである。横軸はブレーキ開度BKを示し、縦軸は制動力F_fを示している。ブレーキ装置35(アクチュエータ34)の動作は、ブレーキ開度BKが大きいほど制動力F_fが大きくなるように、予め設定されている。図23の対応関係は、このようなブレーキ装置35(アクチュエータ34)の動作に基づいて、予め実験的に設定されている。
以上のように、目標制動力F_tgtと制動力F_fとが決定された後、ステップS160、S170a、S200a(図21)の処理が順番に実行される。最初の2つのステップS160、S170aの処理は、図8のステップS160、S170aの処理と同じである。後のステップS200aの回転速度制御処理は、上記各実施例の回転速度制御処理(図6、図20)とは異なっている(後述)。回転速度制御処理が終了したら、排気ブレーキ処理は終了する。
図22は、回転速度制御処理の手順を示すフローチャートである。図20に示す手順との差異は、アクチュエータ34(図1)を駆動するか否かの判断が、目標減速時間tの代わりに、目標回転速度Nt_tgtと目標制動力F_tgtと制動力F_fとに基づいて行われる点だけである。
ステップS210の処理は、図20のステップS210の処理と同じである。現行回転速度Ntが取得された後、処理はステップS220aに移行する。このステップS220aでは、ブレーキ制御モジュール295(図19)は、目標回転速度Nt_tgtと目標制動力F_tgtと制動力F_fとの組み合わせがアクチュエータ34を駆動するための条件を満たしているか否かを判断する。図24は、この条件の一例を示すグラフである。横軸は、「目標制動力F_tgt−制動力F_f」を示している(以下、「制動力差分dF」とも呼ぶ)。ここで、制動力差分dFは、制動力の目標値に対する不足分を意味している。また、縦軸は目標回転速度Nt_tgtを示している。また、このグラフには、境界回転速度BLaが示されている。境界回転速度BLaは、制動力差分dFが大きいほど小さくなるように設定されている。また、境界回転速度BLaは、最小回転速度Nt_lowよりも小さくならないように設定されている。このNt_lowは、図5で説明した最小回転速度Nt_lowと同じである。
ブレーキ制御モジュール295は、この対応関係に従って、アクチュエータ34を駆動するか否かを判断する。具体的には、目標回転速度Nt_tgtが、制動力差分dFで決まる境界回転速度BLa以上である場合に、アクチュエータ34を駆動すると判断される。ここで、目標回転速度Nt_tgtは、排気ブレーキによる制動力の目標値を表していると考えることができる。従って、この判断条件では、排気ブレーキの制動力目標値が、制動力差分dFで決まる制動力境界値よりも弱い場合に、アクチュエータ34を駆動すると判断される、と考えることもできる。ここで、境界回転速度BLaは、制動力差分dFが大きいほど低い値に設定されている。これは、安全上、制動力差分dF(目標値に対する不足分)が大きいほど、ブレーキ装置35(図1)による制動力を強めることが好ましいからである。なお、この対応関係は、予め、EECU30(図1)のROMに格納されている。また、境界回転速度BLaと制動力差分dFとの対応関係としては、図24に示す形状のグラフで決まる対応関係に限らず、制動力差分dFが大きいほど境界回転速度BLaが低くなるような任意の対応関係を採用可能である。
目標回転速度Nt_tgtが、制動力差分dFで決まる境界回転速度BLa以上である場合には、処理はステップS222(図22)に移行する。このステップS222の処理は、図20のステップS222の処理と同じである。その後、処理は、ステップS230に移行する。一方、目標回転速度Nt_tgtが、制動力差分dFで決まる境界回転速度BLaよりも小さい場合には、処理は、ステップS222に移行せずに、ステップS230に移行する。また、制動力差分dFがゼロ以下である場合にも、処理は、ステップS222に移行せずに、ステップS230に移行する。
ステップS230からステップS260へ至る処理は、図20のステップS230からS260へ至る処理と同じである。
以上のように、第8実施例では、目標回転速度Nt_tgtが、制動力差分dFで決まる境界回転速度BLa以上である場合に、ブレーキ制御モジュール295が、アクチュエータ34を駆動することによって、ブレーキ装置35による制動力を、ブレーキ開度BKのみで決まる制動力よりも強くする。すなわち、排気ブレーキの制動力目標値が、制動力差分dFで決まる制動力境界値よりも強くない場合に、ブレーキ装置35による制動力が強化される。その結果、比較的強い制動力が要求される場合であっても、制動力が不足することを抑制することができる。ここで、境界回転速度BLaは、制動力差分dFが大きいほど低い値に設定されている。すなわち、制動力の目標値に対する不足分(制動力差分dF)が大きいほど、より低い目標回転速度Nt_tgtにおいても、ブレーキ装置35による制動力が強化される。従って、制動力の目標値に対する不足分が大きい場合であっても、制動力が不足することを抑制することができる。
また、第8実施例では、制動力差分dFの算出に用いられる目標制動力F_tgtは、重量Wに基づいて算出される。従って、ブレーキ装置35による制動力を強化するか否かの判断を、重量Wに応じて適切に行うことができる。
また、第8実施例では、重量Wが大きいほど目標制動力F_tgt(制動力差分dF)が大きな値に設定される。すなわち、第8実施例では、ブレーキ開度BKが同じであっても、重量Wが比較的軽い場合にはアクチュエータ34が駆動されず、重量Wが比較的重い場合にはアクチュエータ34が駆動される。その結果、荷物の積み入れや積み卸し等によって重量Wが変化した場合であっても、ブレーキ開度BKが同じ場合における車両900の減速度が大きく変化することを抑制することができる。例えば、重い荷物を積む場合であっても車両900の減速度が過剰に小さくなることを抑制することができる。逆に、荷物が軽い場合であっても減速度が過剰に大きくなることを抑制することができる。
なお、重量Wを用いてアクチュエータ34を駆動するか否かを判断する方法としては、他の種々の方法を採用可能である。例えば、重量Wが所定の重量閾値以上の場合にアクチュエータ34を駆動させることとしてもよい。一般に、ブレーキ開度BKが同じ場合において、重量Wが大きいほどブレーキ装置35による制動力が強くなるように、ブレーキ装置35(アクチュエータ34)が駆動されることが好ましい。
なお、図22の回転速度制御処理は、上記各実施例において、図6の処理の代わりに採用することができる。例えば、図8と、図11と、図13と、図15と、図18との、それぞれのステップS200に図22の処理を適用可能である。なお、いずれも場合も、ステップS147、S148(図21)が、排気ブレーキ処理に追加される。
I.第9実施例:
図25は、回転速度制御処理の別の例の手順を示すフローチャートである。図6に示す手順との差異は、電動機70(図1)を、排気ガスによって駆動される方向とは逆の方向に回転させる力行処理(ステップS232、S246)が追加されている点である。また、この回転速度制御処理では、負の(逆方向の)目標回転速度Nt_tgtを利用することができる。なお、エンジンのハードウェア構成は、図1に示す第1実施例のエンジン100と同じである。
ステップS210、S230、S244の処理は、図6のステップS210、S230、S244の処理と、それぞれ同じである。
ステップS232では、回転速度制御モジュール290(図2、図7、図19)が、現行回転速度Ntが所定の最小回転速度Nt_lowよりも高いか否かを判断する。この最小回転速度Nt_lowは、図5で説明した最小回転速度Nt_lowと同じである。現行回転速度Ntが最小回転速度Nt_lowよりも高い場合には、処理は、ステップS242に移行する。このステップS242の処理は、図6のステップS242の処理と同じである。このステップS242では、電動機70を用いた回生で生じる制動力によって、タービンシャフト56の現行回転速度Ntが低下する。なお、本実施例では、排気ブレーキが要求されていると判断された場合には(各実施例のステップS102:Yes)、EECU30(図1)がエンジン100に供給する燃料を遮断することとしている。この燃料遮断は、エンジン回転速度が所定の最小回転速度となるまで継続される。従って、現行回転速度Ntは、回生によって、最小回転速度Nt_lowまで低下する。
現行回転速度Ntが目標回転速度Nt_tgtよりも高く、かつ、現行回転速度Ntが最小回転速度Nt_low以下である場合には、処理はステップS246に移行する。このステップS246では、回転速度制御モジュール290(図2、図7、図19)は、電動機70(図1)の逆方向の力行を行う。具体的には、回転速度制御モジュール290は、過給機電子制御ユニット164(図1)に「逆方向力行指示」を送信する。指示を受信した過給機電子制御ユニット164は、過給機電子駆動ユニット160を制御することによって、高圧バッテリ154に蓄えられた電力を電動機70に供給する。ただし、ステップS244での回転方向とは逆方向にタービンシャフト56が回転するように、電力が供給される。その結果、タービンシャフト56には電動機70による逆方向の駆動力が付与されるので、タービンシャフト56は逆方向に回転する(現行回転速度Ntが負値となる)。その結果、電動機70を用いた回生を行う場合(ステップS242)と比べて、さらにエンジン100のポンプ損失が大きくなるので、排気ブレーキによる制動力を、さらに強くすることができる。
「正方向力行(S244)」と「回生(S242)」と「逆方向力行(S246)」とのいずれかが選択的に実行されると、処理はステップS250に移行する。以降のステップS250、S260の処理は、図6のステップS250、S260の処理と同じである。
以上のように、第7実施例の回転速度制御処理では、目標回転速度Nt_tgtを負値(逆方向)に設定することができる。また、目標回転速度Nt_tgtが負値に設定された場合には、ステップS246において、タービンシャフト56(図1)が、排気ガスの流れによって回る方向とは逆方向に回転する。その結果、現行回転速度Ntを正の範囲内で制御する場合と比べて、より強い排気ブレーキの制動力を利用することができる。
なお、図25の回転速度制御処理は、上記各実施例において、図6の処理の代わりに採用することができる。例えば、この回転速度制御処理を、図8と、図11と、図13と、図15と、図18とのそれぞれに示す実施例のステップS200に適用してもよい。この場合には、図10に示す目標減速時間tと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係の代わりに、図26に示す対応関係を採用することができる。また、この回転速度制御処理を、図3に示す実施例のステップS200に適用してもよい。この場合には、図5に示すブレーキ開度BKと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係の代わりに、図27に示す対応関係を採用することができる。また、この回転速度制御処理を、図21に示す実施例のステップS200aに適用してもよい。この場合には、図26の対応関係を採用するとともに、さらに、図24に示す制動力差分dFと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係の代わりに、図28に示す対応関係を採用することができる。なお、この場合には、図22のステップS220a、S222の処理を、図25のステップS210とS230との間に設ければよい。これらの図26、図27、図28の対応関係では、目標回転速度Nt_tgtの最小値が制限されておらず、目標回転速度Nt_tgtは負値まで減少する。その結果、より強い制動力が要求されている場合には、電動機70の逆方向力行によって、より強い排気ブレーキの制動力を利用することができる。
なお、タービンシャフト56が逆方向に回転している場合には、タービン52(タービンシャフト56)は、排気ガスの流れによって、正方向の回転駆動力を受ける。その結果、逆方向の力行を止めるだけで、正方向力行を用いずに、現行回転速度Ntを高めることが可能となる(逆方向の回転速度を下げることが可能となる)。従って、目標回転速度Nt_tgtが負値である場合には、ステップS244(図25)において、正方向力行を実行せずに、逆方向力行を止めるだけの処理を実行することとしてもよい。また、逆方向の力行を開始するための条件としては、図25のステップS232に示す条件に限らず、任意の条件を採用可能である。例えば、回転速度Ntが最小回転速度Nt_lowよりも高い所定の速度まで低下したことに応じて、逆方向の力行を開始してもよい。また、目標回転速度Nt_tgtが負値である場合には、ステップS242を省略してもよい。ここで、現行回転速度Ntが目標回転速度Nt_tgtよりも大きい場合には、常に、処理がステップS246に移行することとすればよい。
J.第10実施例:
図29は、第10実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。図18に示す実施例との差違は、ブレーキ開度BKの代わりにアクセル開度Zが用いられている点である。エンジンのハードウェア構成は、図1に示す第1実施例のエンジン100と同じである。また、EECU30(図1)に格納されたモジュールの構成は、図7に示す例と同じである。
最初のステップS110では、パラメータ取得モジュール210(図7)が、アクセル開度センサ36からアクセル開度Zを取得する。次のステップS120では、パラメータ取得モジュール210が、速度Vに加えて、車間距離Lと傾斜角度θと操舵角ωと重量Wとを取得する。
次のステップS122では、目標加速度決定モジュール230(図7)は、エンジン100の軸トルクの目標値T_tgtを決定する。図30は、アクセル開度Zと目標軸トルクT_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。横軸はアクセル開度Zを示し、縦軸は目標軸トルクT_tgtを示している。図30の例では、アクセル開度Zが大きいほど目標軸トルクT_tgtが大きくなるように、対応関係が設定されている。この理由は、より強い加速力を望むユーザが、しばしば、より強くアクセルペダルを操作するからである。また、アクセル開度Zが一定の場合には、速度Vが速いほど目標軸トルクT_tgtが小さくなるように、この対応関係が設定されている。この理由は、高速では、低速と比べて、大きな軸トルク(駆動力)が不要である場合が多いからである。また、高速での軸トルクを低速での軸トルクよりも小さくすることが安全上好ましいことも理由の一つである。ここで、図30の例では、速度Vが比較的速い場合には、アクセル開度Zの低減に伴って目標軸トルクT_tgtが負値まで低減している。すなわち、アクセル開度Zのゼロを含む一部の正の範囲において、目標軸トルクT_tgtが負値である。この理由は、比較的速い速度で走行中には、減速を望むユーザが、しばしば、アクセルペダルの操作力を弱めるからである。この際、より強い減速を望むユーザほど、アクセルペダルの操作力を弱くする。すなわち、アクセル開度Zが小さいほど、ユーザの要求する車両900の制動力が強いということができる。なお、軸トルクが負値であることは、エンジンブレーキが効くことを意味している。目標加速度決定モジュール230は、この対応関係に基づいて、アクセル開度Zから目標軸トルクT_tgtを決定する。このような対応関係は、予め、EECU30(図1)のROMに格納されている(図示省略)。
次のステップS124(図29)では、ブレーキ要求判断モジュール220が、目標軸トルクT_tgtが負値であるか否かを判断する。目標軸トルクT_tgtがゼロ以上である場合には、ブレーキ要求判断モジュール220は、排気ブレーキが要求されていないと判断して、処理を終了する。
目標軸トルクT_tgtが負値である場合には、ブレーキ要求判断モジュール220は、排気ブレーキ要求が発行されたと判断し、処理はステップS130に移行する。ステップS130では、目標加速度決定モジュール230(図7)が、目標軸トルクT_tgtを用いて目標制動力F_tgtを決定する。ここで、目標加速度決定モジュール230は、エンジン100によって駆動される車輪(図示せず)の回転速度に対するエンジン100の軸(図示せず)の回転速度の割合と、車輪(タイヤ)の大きさ(半径)とを、目標軸トルクT_tgtに乗じることによって、目標制動力F_tgtを算出する。ここで、エンジン100の軸と車輪とが、変速ギアとディファレンシャルギアとを介して連結されている場合には、回転速度の割合は、変速ギアの現行のギア比と、ディファレンシャルギアのギア比とを乗じることによって算出される。変速ギアの現行のギア比は、変速ギアに接続されたギア比センサ(図示せず)から取得される。また、ディファレンシャルギアのギア比としては、所定の値が用いられる。なお、目標制動力F_tgtは、正値として算出される。
次のステップS132、S134の処理は、図18のステップS132、S134の処理と同じである。
次のステップS143では、目標加速度決定モジュール230(図7)が、目標制動力F_tgtを重量Wで割ることによって、目標加速度a_tgtを決定する。
次のステップS144では、目標速度決定モジュール240(図7)が、目標速度V_tgtを決定する。図31は、目標制動力F_tgtと目標速度V_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。横軸は目標制動力F_tgtを示し、縦軸は目標速度V_tgtを示している。図31の例では、目標制動力F_tgtが大きいほど目標速度V_tgtが小さくなるように、対応関係が設定されている。この理由は以下の通りである。すなわち、より低い速度への減速を望むユーザは、しばしば、アクセル開度Zをより小さな値に設定する。その結果、制動力としての目標軸トルクT_tgtがより強くなることによって、目標制動力F_tgtもより強くなるからである。目標速度決定モジュール240は、この対応関係に基づいて、目標制動力F_tgtから目標速度V_tgtを決定する。このような対応関係は、予め、EECU30(図1)のROMに格納されている(図示省略)。
なお、目標制動力F_tgtと目標速度V_tgtとの対応関係としては、図31に示す形状のグラフで決まる対応関係に限らず、目標制動力F_tgtが大きいほど目標速度V_tgtが小さくなるような任意の対応関係を採用可能である。
目標速度V_tgtが決定された後、ステップS150からステップS200の処理が実行される。これらの処理は、図18のステップS150からステップS200の処理と、それぞれ同じである。
以上のように、第10実施例では、目標回転速度Nt_tgtが、アクセル開度Zに基づいて決定される。すなわち、目標回転速度Nt_tgtが、ユーザの要求に応じて決定される。従って、排気ブレーキによる制動力を、ユーザの要求に応じて調整することが可能となる。
なお、アクセル開度Zと目標軸トルクT_tgtとの対応関係としては、図30に示す形状のグラフで決まる対応関係に限らず、任意の対応関係を採用可能である。ただし、少なくともアクセル開度Zがゼロを含む一部の範囲内にある場合に、目標軸トルクT_tgtが負値であり、かつ、アクセル開度Zが小さいほど目標軸トルクT_tgtが小さくなるような(目標軸トルクT_tgtが示す制動力が強くなるような)対応関係を採用することが好ましい。こうすれば、目標軸トルクT_tgtを、そのまま、ユーザの要求する車両900の制動力の強さを表すパラメータとして利用することができる。また、アクセル開度Zが一定の場合には、速度Vが速いほど目標軸トルクT_tgtが小さくなるように(目標軸トルクT_tgtが示す制動力が強くなるように)、対応関係が設定されていることが好ましい。これは、速度Vが速いほど、強い制動力が要求される場合が多いからである。なお、この対応関係は、エンジン100の特性の実験結果に基づいて設定することが好ましい。
また、アクセル開度Zに基づいて排気ブレーキの制動力を調整する方法としては、図29の方法に限らず、種々の方法を採用可能である。例えば、操舵角ωに基づく補正を省略してもよく、また、傾斜角度θに基づく補正を省略してもよい。また、車間距離Lを用いずに目標減速時間tを決定してもよい。ただし、これらのパラメータω、θ、Lを用いて目標減速時間tを決定すれば、排気ブレーキの制動力を、より適切に調整することができる。また、アクセル開度Zと速度Vと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係を予め設定しておいてもよい。
K.第11実施例:
図32は、過給器の別の例の構成を示す概略図である。図1に示す過給器50との差異は、摩擦による制動力をタービンシャフト56に付与することが可能なブレーキシュー540を備えている点だけである。なお、エンジンの他のハードウェア構成は、図1に示す実施例のエンジン100と同じである。
この過給器50aは、タービン(タービンホイール)52を収納するタービンハウジング502と、コンプレッサ(コンプレッサホイール)54を収納するコンプレッサハウジング504と、を有している。タービンハウジング502には、タービン52を迂回して排気通路16を連通するバイパス流路512が接続されている。このバイパス流路512は、タービンハウジング502に設けられたウエイストゲートポート510と、排気通路16(図1)の過給器50と触媒26との間の部分とを、接続する。このバイパス流路512の途中には、バルブ520が設けられている。バイパス流路512は、このバルブ520によって開閉される。また、バイパス流路512の途中には、このバルブ520を介してブレーキガス流路514が接続されている。ブレーキガス流路514とバイパス流路512との接続部分も、このバルブ520によって開閉される。ブレーキガス流路514は、バイパス流路512と単動シリンダ530とを接続する。単動シリンダ530には、ブレーキシュー540が固定されている。このブレーキシュー540は、単動シリンダ530によってタービンシャフト56に押しつけられ得る。なお、バルブ520は、EECU30によって制御される。また、図32では、回転子位置センサ76の図示が省略されている。
図33は、過給器50aの動作を示す概略図である。図33(A)、図33(B)は、いずれも、排気ブレーキを利用していない場合の動作を示している。図33(A)は、エンジン100(図1)の回転速度が低い場合の動作を示し、図33(B)は、エンジン100の回転速度が高い場合の動作を示している。エンジン100の回転速度が低い場合には、バイパス流路512はバルブ520によって閉じられている。従って、全ての排気ガスがタービン52(図32)の駆動に利用される。一方、エンジン100の回転速度が高い場合には、バルブ520が開けられる。従って、タービンハウジング502に流入した排気ガスの一部は、タービン52を駆動せずに、バイパス流路512を介して過給器50aの下流側の排気通路16へ流れる。その結果、タービン52が過剰に高圧な排気ガスによって駆動されることが抑制される。なお、いずれの場合も、ブレーキガス流路514とバイパス流路512との接続部分は、バルブ520によって閉じられている。
図33(C)は、ブレーキシュー540による制動力を利用する場合の過給器50aの動作を示している。この場合には、ブレーキガス流路514とバイパス流路512との接続部分が開けられる。すると、排気ガスの圧力によって単動シリンダ530が駆動され、ブレーキシュー540がタービンシャフト56に押しつけられる。タービンシャフト56は、ブレーキシュー540との摩擦による制動力を受ける。
図34は、第11実施例における回転速度制御処理の手順を示すフローチャートである。図6に示す手順との差違は、電動機70を用いた回生を実行するステップS242の代わりに、ステップS248が実行される点だけである。他のステップの処理は、図6のステップの処理と、それぞれ同じである。
ステップS248では、回転速度制御モジュール290(図2、図7、図19)が、バルブ520(図32)を駆動して、ブレーキガス流路514とバイパス流路512との接続部分を開ける。その結果、図33(C)のように、ブレーキシュー540がタービンシャフト56に押しつけられる。すると、タービンシャフト56には、ブレーキシュー540との摩擦による制動力が付与されるので、タービンシャフト56の現行回転速度Ntが低下する。
なお、ステップS244に移行する場合には、回転速度制御モジュール290(図2、図7、図19)は、バルブ520(図32)を駆動して、バイパス流路512の下流側とブレーキガス流路514との間を開ければよい。こうすれば、単動シリンダ530に付与された圧力が低下し、ブレーキシュー540を引き戻すことができる。
以上のように、第11実施例では、過給器50aは、摩擦による制動力を利用するタービンブレーキ機構を備えている(図32の例では、バイパス流路512とバルブ520とブレーキガス流路514と単動シリンダ530とブレーキシュー540との全体が、タービンブレーキ機構に相当する)。従って、電動機70の回生による制動力よりも強い制動力がタービンシャフト56に付与され得るので、回転速度制御モジュール290(図2、図7、図19)は、速やかに現行回転速度Ntを目標回転速度Nt_tgtまで低減することができる。その結果、より大きな排気ブレーキの制動力が利用可能となる。また、電動機70(図32)を用いた回生が省略されているので、電動機70(図32)に、回生による急激な負荷がかかることを防止できる。
なお、図33の回転速度制御処理は、上記各実施例において、図6の処理の代わりに採用することができる。また、ステップS248の処理は、上記各実施例において、電動機70を用いた回生を行うステップS242の代わりに採用することができる。例えば、図6と、図20と、図22と、図25との、それぞれのステップS242の代わりに、図34のステップS248を適用可能である。
なお、ステップS248の処理において、タービンブレーキ機構による制動力に加えて、電動機70(図32)を用いた回生による制動力を、併用することとしてもよい。
また、タービンブレーキ機構の構成としては、タービン52の回転を制動する任意の機械的なブレーキ構成を採用可能である。例えば、油圧によってブレーキシュー540を駆動する構成を採用してもよい。また、電磁力によってブレーキシュー540を駆動する構成を採用してもよい。また、制動力の付与対象は、タービンシャフト56に限らず、タービン52に接続された任意の構成を採用可能である。例えば、コンプレッサ54に制動力を付与する構成を採用してもよい。いずれの場合も、摩擦による制動力を用いてタービン52の回転を制動する構成を採用することが好ましい。こうすれば、速やかに現行回転速度Ntを目標回転速度Nt_tgtまで低減することができる。
L.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
変形例1:
上記各実施例において、ブレーキ要求判断モジュール220(図2、図7、図19)が、排気ブレーキが要求されたと判断するための条件としては、任意の条件を採用可能である。ただし、ユーザの指示に基づく条件であることが好ましい。こうすれば、ユーザの意図に応じて排気ブレーキを効かせることができる。例えば、排気ブレーキ開始ボタン(図示せず)が押下されたことに応じて、排気ブレーキが要求されたと判断してもよい。ただし、上記各実施例のように、通常の運転に利用されるブレーキ開度BKやアクセル開度Zに基づく条件を採用すれば、ユーザの操作が煩雑となることを抑制できる。
また、上記各実施例において、回転速度制御モジュール290(図2、図7、図19)が、回転速度制御処理を停止するための条件としては、任意の条件を採用可能である。例えば、排気ブレーキ停止ボタン(図示せず)が押下されたことに応じて、回転速度制御処理を停止してもよい。ただし、上記各実施例のように、回転速度制御モジュール290が、車両900の現行速度Vが目標速度V_tgt未満に低下したことに応じて、回転速度制御処理を終了することが好ましい。こうすれば、排気ブレーキによって速度Vが目標速度V_tgtまで低減されるので、安全性を向上させることができる。
変形例2:
図8に示す第2実施例では、目標減速時間tの決定に目標加速度a_tgtを利用しているが、目標加速度a_tgtを利用せずに目標減速時間tを決定することとしてもよい。例えば、パラメータ時間決定モジュール250(図7)が、目標速度V_tgtのみから目標減速時間tを決定することとしてもよい。図35は、目標速度V_tgtと目標減速時間tとの対応関係の一例を示すグラフである。横軸は目標速度V_tgtを示し、縦軸は目標減速時間tを示している。図35の例では、目標速度V_tgtが小さいほど目標減速時間tが長くなるように、対応関係が設定されている。この理由は、通常は、目標速度V_tgtが小さいほど、より長い時間が減速に用いられるからである。
例えば、図8に示す実施例においてこのグラフを利用する場合には、ステップS160の代わりに、パラメータ時間決定モジュール250は、この対応関係に基づいて、目標速度V_tgtから目標減速時間tを決定する。他のステップの処理は、図8の実施例と同じである。なお、この場合には、図8のステップS140と、図7の目標加速度決定モジュール230とを省略することができる。
なお、目標速度V_tgtと目標減速時間tとの対応関係としては、図35に示す形状のグラフで決まる対応関係に限らず、任意の対応関係を採用可能である。例えば、目標速度V_tgtが小さいほど目標減速時間tが短くなるような対応関係を採用してもよい。この場合には、目標速度V_tgtが小さいほど、より強い制動力を利用することができる。
ところで、ユーザは、制動時における加速度(減速度)の違いに対して敏感である。従って、まず目標加速度a_tgtを決定し、決定された目標加速度a_tgtを用いて目標減速時間tを決定することとすれば、不適切な加速度で車両900が減速することを抑制することができる。この際、目標加速度a_tgtの決定に、ユーザの要求する車両900の制動力の強さと相関のあるパラメータ(例えば、ブレーキ開度BK)を利用することが好ましい。
変形例3:
図8に示す第2実施例では、目標回転速度Nt_tgtの決定に目標減速時間tが利用されているが、目標回転速度Nt_tgtの決定に利用されるブレーキレベルとしては、目標とする制動力の強さに相関のある種々のパラメータを利用可能である。例えば、目標制動距離D_tgtを利用してもよい。目標制動距離D_tgtは、制動開始時(排気ブレーキ処理開始時)から車両900の速度が目標速度V_tgtとなるまでに、車両900が走行する距離の目標値を示している。
例えば、図8に示す実施例において目標制動距離D_tgtを利用する場合には、この目標制動距離D_tgtは、ステップS120、S140、S141で得られる速度Vと目標加速度a_tgtと目標速度V_tgtとから積分によって算出され得る。目標制動距離D_tgtが短いことは、ユーザによって要求される制動力、すなわち、目標とする制動力が強いことを示している。なお、このような目標制動距離D_tgtを算出するモジュールの構成としては、図7の目標時間決定モジュール260(パラメータ時間決定モジュール250)と同様の構成を採用可能である。また、この目標制動距離D_tgtの算出は、ステップS160(図8)の代わりに実行され得る。次のステップS170aでは、パラメータ回転速度決定モジュール270が、目標制動距離D_tgtから目標回転速度Nt_tgtを決定する。図36は、目標制動距離D_tgtと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。横軸は目標制動距離D_tgtを示し、縦軸は目標回転速度Nt_tgtを示している。図36の例では、目標制動距離D_tgtが短いほど目標回転速度Nt_tgtが小さくなるように、対応関係が設定されている。これは、目標制動距離D_tgtが短いほど強い排気ブレーキの制動力が要求されるからである。ただし、最小回転速度Nt_lowよりも目標回転速度Nt_tgtが小さくならないように、対応関係が設定されている。なお、これらのパラメータD_tgt、Nt_tgtの決定以外の処理としては、図8の実施例と同じ処理を採用可能である。
なお、目標制動距離D_tgtと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係としては、図36に示す形状のグラフで決まる対応関係に限らず、目標制動距離D_tgtが短いほど目標回転速度Nt_tgtが小さくなるような任意の対応関係を採用可能である。この際、車両900が目標制動距離D_tgtを走行する間に、目標速度V_tgtまでの減速が完了できるように、目標制動距離D_tgtと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係を実験に基づいて決定することが好ましい。
なお、このようにブレーキレベルとして目標減速時間tとは異なる他のパラメータを利用する実施例も、上述の第2実施例と同様の利点を有している。また、いずれの場合も、ブレーキレベルが示す制動力が強いほど排気ブレーキの制動力が強くなるように、目標回転速度Nt_tgtが決定されることが好ましい。
また、目標速度V_tgtと目標加速度a_tgtとを用いてブレーキレベルを決定する場合には、以下の規則に従うことが好ましい。すなわち、目標速度V_tgtが一定である場合において、目標加速度a_tgtが大きいほどブレーキレベルがより強い制動力を示す。こうすれば、ブレーキレベルを、ユーザの要求に適した値に設定することができる。また、ブレーキレベルの決定に速度Vも用いることが好ましい。この場合には、速度Vと目標速度V_tgtとがそれぞれ一定である場合において、目標加速度a_tgtが大きいほどブレーキレベルがより強い制動力を示すことが好ましい。なお、速度Vの変化に対するブレーキレベルの変化の仕方については、任意に設定可能である。また、他の規則に従ってブレーキレベルを決定してもよい。
変形例4:
上記各実施例において、各パラメータ(例えば、ブレーキ開度BKや傾斜角度θ)を取得するための装置としては、図1に示す各装置(例えば、アクチュエータ34や傾斜角度センサ84)に限らず、各パラメータと相関のある情報を取得する任意の装置を採用可能である。例えば、ナビゲーションシステムの中には、車両900が位置する道路の傾斜角度を提供するものがある。このようなナビゲーションシステムが車両900に搭載されている場合には、EECU30は、ナビゲーションシステムから傾斜角度θを取得可能である。また、EECU30が、エンジン100によって生じる推進力と、速度Vの変化から算出される加速度と、の比率を用いて重量Wを算出することとしてもよい。ここで、アクセル開度Zと推進力との対応関係を予め実験に基づいて定めておけばよい。こうすれば、EECU30は、推進力を、アクセル開度Zを用いて取得可能である。また、この場合には、アクセル開度センサ36と速度センサ80との全体が、重量センサに相当することとなる。
また、ナビゲーションシステムの中には、道路の混雑情報を提供するものがある。このようなナビゲーションシステムが車両900に搭載されている場合には、EECU30は、ナビゲーションシステムから、車間距離Lを取得できる。ここで、混雑の度合いが高いほど車間距離Lが短いこととすればよい。
また、上記各実施例では、排気ブレーキ処理に利用される制御パラメータとして、ブレーキ開度BK、速度V、車間距離L、傾斜角度θ、操舵角ω、重量W、アクセル開度Zを利用していたが、制御パラメータとしては、他の種々のパラメータを採用可能である。例えば、スリップ率を利用してもよい。スリップ率は、車体速度に対する車体速度と車輪速度の差の比率である。スリップ率が高いことは、車輪が大きく滑っていることを示している。ここで、スリップ率が高いほど排気ブレーキの制動力が弱くなるように、種々のパラメータ(例えば、目標減速時間tや目標回転速度Nt_tgt)を決定することが好ましい。こうすれば、スリップによって車両900の操縦安定性が低下することを抑制できる。なお、このようなスリップ率は、周知のトラクションコントロールシステム(図示せず)から取得可能である。
いずれの場合も、車両900の動作状態を示すパラメータ(例えば、車間距離L、傾斜角度θ、操舵角ω、重量W、スリップ率)を用いれば、排気ブレーキの制動力を、車両900の状態に合わせて調整することができる。
ただし、排気ブレーキ処理には、少なくとも、ユーザの要求する車両900の制動力の強さと相関のある要求強度パラメータを利用することが好ましい。このような要求強度パラメータを用いて排気ブレーキの制動力を調整すれば、排気ブレーキの制動力をユーザの要求する車両900の制動力の強さに合わせて調整することが可能となる。ここで、要求強度パラメータが示す制動力の強さが強いほど排気ブレーキの制動力が強くなるように、種々のパラメータ(例えば、目標減速時間tや目標回転速度Nt_tgt)を決定すればよい。なお、要求強度パラメータとしては、種々のパラメータを採用可能である。例えば、ブレーキ開度BKやアクセル開度Zを採用可能である。また、排気ブレーキの制動力を指定するための専用レバー(図示せず)によって指定された値を採用してもよい。ただし、通常の運転に利用されるブレーキ開度BKやアクセル開度Zを採用すれば、ユーザの操作が煩雑となることを抑制できる。
なお、要求強度パラメータとしては、ブレーキ開度BKやアクセル開度Zのように、3段階以上の異なる値(強さ)をとり得るパラメータを採用することが好ましい。こうすれば、排気ブレーキの制動力を、きめ細かく調整することが可能となる。
また、図1に示すエンジン100には、各パラメータを取得するためのセンサ36、80、82、84、86、88と、アクチュエータ34とが設けられているが、これらの装置の内の排気ブレーキ処理に利用されないパラメータのための装置を省略してもよい。
変形例5:
上記各実施例において、要求強度パラメータが示す制動力の強さが強いほど目標速度V_tgtを小さな値に決定することが好ましい。こうすれば、目標速度V_tgtを、より低い速度への減速を望むユーザの要望に適した値に設定することができる。また、上記各実施例において、要求強度パラメータが示す制動力の強さが強いほど目標加速度a_tgtを大きな値に決定することが好ましい。こうすれば、目標加速度a_tgtを、より強い減速を望むユーザの要望に適した値に設定することができる。
また、図21に示す実施例において、目標制動力F_tgtの算出方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、実測された重量Wの代わりに所定の重量を目標加速度a_tgtに乗じて得られる値を採用してもよい。一般には、要求強度パラメータが示す制動力の強さが強いほど目標制動力F_tgtを大きな値に決定することが好ましい。
変形例6:
排気ブレーキ処理としては、上述した各実施例の処理に限らず、種々の処理を採用可能である。例えば、上述した各実施例の排気ブレーキ処理の中から複数の処理を選択して組み合わせた処理を採用可能である。
例えば、図3に示す第1実施例において、さらに、傾斜角度θに基づく補正を適用してもよい。この場合には、ステップS170で決定された目標回転速度Nt_tgtに傾き補正係数γ(図14)を乗じる補正を採用可能である。また、操舵角ωに基づく補正を適用してもよい。この場合には、ステップS170で決定された目標回転速度Nt_tgtに操舵角補正係数ε(図16、図17)を乗じる補正を採用可能である。また、車間距離Lに基づく補正を適用してもよい。この場合には、ステップS170で決定された目標回転速度Nt_tgtに、車間距離Lが短いほど小さな補正係数(図示せず)を乗じる補正を採用可能である。ここで、車間距離Lに基づく補正を、車間距離Lが、与えられた閾値(例えば、図12の境界距離BL)よりも短い場合のみに行うこととしてもよい。なお、これらの補正は、目標回転速度決定モジュール280(図2)が実行すればよい。
また、図21に示す第8実施例において、さらに、傾斜角度θに基づく補正を適用してもよい。この場合には、ステップS160をステップS160a(図13)に置き換え、さらに、ステップS134(図13)を追加すればよい。また、図21に示す第8実施例において、さらに、操舵角ωに基づく補正を適用してもよい。この場合には、ステップS160をステップS160b(図15)に置き換え、さらに、ステップS132(図15)を追加すればよい。また、図21に示す第8実施例において、さらに、車間距離Lに基づく補正を適用してもよい。この場合には、ステップS160を、ステップS150、S160、S162(図11)に置き換えればよい。また、ステップS160を、ステップS150、S160c、S162c(図18)に置き換えてもよい。この場合には、ステップS132、S134(図18)も追加される。なお、いずれの場合も、ステップS120(図21)では、処理に利用されるパラメータ(例えば、傾斜角度θや操舵角ωや車間距離L)が取得される。
また、上記各実施例において、ブレーキ開度BKやアクセル開度Zが変化する毎に、排気ブレーキ処理を最初のステップから実行し直すこととしてもよい。
変形例7:
図20、図22に示すステップS222において、追加される制動力の強さとしては、任意の強さを採用できる。例えば、所定の一定の強さを採用してもよい。また、ユーザによって要求された車両の制動力の強さに応じて、追加される制動力の強さを調整することとしてもよい。例えば、図20の実施例では、目標減速時間tが小さいほど、追加される制動力を強くすることが好ましい。また、図22の実施例では、制動力差分dFが大きいほど、追加される制動力を強くすることが好ましい。こうすれば、車両900に付与される制動力が、過剰に強くなることや、過剰に弱くなることを、抑制できる。
変形例8:
上記各実施例において、電動機70を用いた回生処理(図6、図20、図22、図25:ステップS242)における回生量としては、任意の量を採用可能である。例えば、所定の一定の量を採用してもよい。また、現行回転速度Ntに応じて回生量を調整してもよい。この場合には、現行回転速度Ntと目標回転速度Nt_tgtとの差が大きいほど、回生量を大きな値に設定することが好ましい。こうすれば、速やかに現行回転速度Ntを目標回転速度Nt_tgtに近づけることができる。この理由は、回生量が大きいほど制動力も強くなるからである。なお、回生量の調整は、バッテリ154への充電量を制御することによって行われ得る。
また、上記各実施例において、電動機70の力行処理(図6、図20、図22、図25、図34:ステップS244、S246)における、電動機70への電力供給量としては、任意の量を採用可能である。例えば、所定の一定量を採用してもよい。また、現行回転速度Ntに応じて電力供給量を調整してもよい。この場合には、現行回転速度Ntと目標回転速度Nt_tgtとの差が大きいほど、電力供給量を大きな値に設定することが好ましい。こうすれば、速やかに現行回転速度Ntを目標回転速度Nt_tgtに近づけることができる。
変形例9:
図11、図18に示す実施例では、排気ブレーキ処理に車両900の前方の車間距離Lが利用されているが、この代わりに、車両900の後方車間距離を利用することとしてもよい。この場合には、後方車間距離が短いほど排気ブレーキの制動力が弱くなるように、種々のパラメータ(例えば、目標減速時間tや目標回転速度Nt_tgt)が決定されることが好ましい。こうすれば、後方の車両に追突されることを抑制することができる。ただし、自己の車両900が前方の物体(車両等)に衝突することを抑制するためには、後方車間距離よりも前方車間距離Lを優先的に利用することが好ましい。例えば、前方車間距離Lが適正領域(図12)に無い場合、すなわち、前方車間距離Lが、与えられた閾値(例えば、図12の境界距離BL)よりも短い場合には、後方車間距離に拘わらずに、前方車間距離Lが短いほど排気ブレーキの制動力が強くなるように、処理が実行されることが好ましい。
変形例10:
図29に示す実施例において、ステップS200の処理として、図20に示す処理を採用してもよい。この場合には、アクセル開度Zに基づいて決定された目標減速時間tが所定の閾時間t_thよりも小さい場合に、ブレーキ装置35による制動力は、ブレーキ開度BKのみで決まる制動力よりも強められる。ここで、ブレーキ開度BKがゼロである場合であっても、すなわち、ブレーキ開度BKがブレーキ装置35の制動力をゼロに設定すべき値を示す場合であっても、目標減速時間tが所定の閾時間t_thよりも小さい場合には、ブレーキ装置35による制動力が、ゼロよりも大きな力に設定されることが好ましい。こうすれば、車両900の制動力が不足することを抑制できる。
変形例11:
上記各実施例において、タービン52の回転速度を調整する回転速度調整部としては、電動機70(図1)や、タービンブレーキ機構(図32)に限らず、タービン52の回転速度を調整可能な任意の装置を採用可能である。例えば、タービン52とコンプレッサ54とを変速機を介して接続することもできる。この場合には、この変速機を回転速度調整部として利用することができる。ここで、タービン52の回転速度に対するコンプレッサ54の回転速度の割合を高めれば、タービン52を駆動するために要する力が強くなるので、タービン52の回転速度を低減させることが可能となる。逆に、この割合を下げることによって、タービン52の回転速度を高めることが可能となる。
変形例12:
上記各実施例において、各モジュールが、排気ブレーキ処理に利用する対応関係を設定することを、ユーザに許容することとしてもよい。例えば、目標速度決定モジュール240(図2)が、図4に示す対応関係を設定することを、ユーザに許容してもよい。また、目標加速度決定モジュール230(図7)が、図9に示す対応関係を設定することをユーザに許容してもよい。こうすれば、制動力の調整をユーザの好みを合わせることが可能となる。ここで、各モジュールが、予め設定された複数の対応関係の中から、処理に利用される1つの対応関係を選択することをユーザに許容してもよい。また、各モジュールが、対応関係を任意に設定することをユーザに許容してもよい。
なお、ユーザによる設定を許容する構成としては、任意の構成を採用可能である。例えば、EECU30に入力部(図示せず)を接続し、さらに、EECU30の各モジュールが、この入力部に入力されたユーザの指示に従って、対応関係を決定する方法を採用可能である。入力部としては、ユーザの指示を受け入れる任意の装置を採用可能である。例えば、操作ボタンを有する操作パネルを用いてもよく、また、ナビゲーションシステムの操作パネルを用いてもよい。
変形例13:
上記各実施例においては、排気ブレーキが要求されていると判断された場合には(各実施例の「ステップS102:Yes」や、図29の「ステップS124:Yes」)、EECU30(図1)がエンジン100に供給する燃料を遮断することが好ましい。こうすれば、排気ブレーキの制動力を強めることができる。また、燃費を向上させることもできる。ただし、エンジンがストールすることを防止するためには、エンジン回転速度が所定の最小回転速度まで低下したことに応じて、燃料供給を開始することが好ましい。
変形例14:
上記各実施例において、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、回転速度制御モジュール290(図2)の機能を、論理回路を有するハードウェア回路によって実現することとしてもよい。
本発明の実施例としての車両の構成を示す概略図である。 EECU30(図1)のROMの内部構成を示す概略図である。 排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。 ブレーキ開度BKと目標速度V_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。 ブレーキ開度BKと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。 回転速度制御処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施例におけるEECU30(図1)のROMの内部構成を示す概略図である。 第2実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。 ブレーキ開度BKと目標加速度a_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。 目標減速時間tと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。 第3実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。 車間距離Lの適正範囲の一例を示すグラフである。 第4実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。 傾き補正係数γと傾斜角度θとの対応関係の一例を示すグラフである。 第5実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。 操舵角補正係数εと操舵角ωとの対応関係の一例を示すグラフである。 別の操舵角補正係数εと操舵角ωとの対応関係を示すグラフである。 第6実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。 第7実施例におけるEECU30(図1)のROMの内部構成を示す概略図である。 第7実施例における回転速度制御処理の手順を示すフローチャートである。 第8実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。 第8実施例における回転速度制御処理の手順を示すフローチャートである。 ブレーキ開度BKと制動力F_fとの対応関係の一例を示すグラフである。 アクチュエータ34を駆動するための条件の一例を示すグラフである。 回転速度制御処理の別の例の手順を示すフローチャートである。 目標減速時間tと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係を示すグラフ。 ブレーキ開度BKと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係を示すグラフ。 アクチュエータ34を駆動するための条件の一例を示すグラフである。 第10実施例における排気ブレーキ処理の手順を示すフローチャートである。 アクセル開度Zと目標軸トルクT_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。 目標制動力F_tgtと目標速度V_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。 過給器の別の例の構成を示す概略図である。 過給器50aの動作を示す概略図である。 第11実施例における回転速度制御処理の手順を示すフローチャートである。 目標速度V_tgtと目標減速時間tとの対応関係の一例を示すグラフである。 目標制動距離D_tgtと目標回転速度Nt_tgtとの対応関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
12…吸気通路
13…バイパス流路
14…燃料噴射弁
15…電動アクチュエータ
16…排気通路
17…エアバイパスバルブ
20…エアクリーナ
22…スロットル弁
24…電動アクチュエータ
26…触媒
30…エンジン電子制御ユニット(EECU)
32…クランク角センサ
34…アクチュエータ
35…ブレーキ装置
36…アクセル開度センサ
50、50a…過給器
52…タービン
54…コンプレッサ
56…タービンシャフト
60…サージタンク
62…インタークーラ
63…吸気温度センサ
64…吸入管圧力センサ
66…エアフローメータ
70…電動機
72…永久磁石
74…コイル
76…回転子位置センサ
80…速度センサ
82…距離センサ
84…傾斜角度センサ
86…操舵角センサ
88…重量センサ
100…エンジン
130…シリンダヘッド
133…吸気ポート
135…排気ポート
136…点火プラグ
140…シリンダブロック
142…シリンダ
144…ピストン
146…コネクティングロッド
148…クランクシャフト
149…オルタネータ
150…低圧バッテリ
154…高圧バッテリ
160…過給機電子駆動ユニット
164…過給機電子制御ユニット
210…パラメータ取得モジュール
220…ブレーキ要求判断モジュール
230…目標加速度決定モジュール
240…目標速度決定モジュール
250…パラメータ時間決定モジュール
260…目標時間決定モジュール
270…パラメータ回転速度決定モジュール
280…目標回転速度決定モジュール
290…回転速度制御モジュール
295…ブレーキ制御モジュール
502…タービンハウジング
504…コンプレッサハウジング
510…ウエイストゲートポート
512…バイパス流路
514…ブレーキガス流路
520…バルブ
530…単動シリンダ
540…ブレーキシュー
900…車両

Claims (19)

  1. 過給器を有する車両用の内燃機関を制御する制御装置であって、
    前記過給器は、
    前記内燃機関からの排気ガスによって駆動されるタービンと、
    前記タービンの回転速度を調整する回転速度調整部と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    ユーザの要求する前記車両の制動力の強さに相関のあるパラメータを含む制御パラメータに基づいて前記タービンの目標回転速度を決定する目標回転速度決定部と、
    前記車両の制動時に前記タービンの回転速度が目標回転速度に近づくように前記回転速度調整部を制御する回転速度制御部と、
    を備える、制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記回転速度調整部は、前記タービンに接続された電動機を含み、
    前記回転速度制御部は、現行のタービン回転速度が前記目標回転速度よりも高い場合には、前記電動機を用いた回生を実行する、
    制御装置。
  3. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記回転速度調整部は、前記タービンに接続された電動機を含み、
    前記目標回転速度決定部は、前記タービンが前記排気ガスによる駆動方向に回転している場合よりも前記内燃機関による制動力を強くするために、前記排気ガスによる駆動方向とは逆方向の目標回転速度を決定し、
    前記回転速度制御部は、前記目標回転速度が前記逆方向の回転速度である場合には、前記電動機に逆向き用の電力を供給することによって、前記タービンを前記逆方向に回転させる、
    制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記制御パラメータは、前記車両の前後の傾きを示す傾斜角度を含み、
    前記目標回転速度決定部は、前記車両の進行方向が鉛直方向上向きに近いほど前記傾斜角度が大きいものとして前記傾斜角度の大きさを扱う場合に、前記傾斜角度が小さいほど前記内燃機関による制動力が強くなるように、前記目標回転速度を決定する、
    制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記制御パラメータは、前記車両に設けられた操舵装置の操舵角を含み、
    前記目標回転速度決定部は、前記操舵角の直進方向を含む一部の範囲において、前記操舵角が直進方向から遠いほど前記内燃機関による制動力が強くなるように、前記目標回転速度を決定する、
    制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記制御パラメータは、前記車両の前方の車間距離を含み、
    前記目標回転速度決定部は、前記車間距離が、与えられた閾値よりも短い場合に、前記車間距離が短いほど前記内燃機関による制動力が強くなるように、前記目標回転速度を決定する、
    制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記目標回転速度決定部は、
    前記制御パラメータに基づいて、目標とする制動力の強さに相関のあるブレーキレベルを決定するブレーキレベル決定部と、
    前記決定されたブレーキレベルに基づいて前記目標回転速度を決定するレベル回転速度決定部と、
    を備える、制御装置。
  8. 請求項7に記載の制御装置であって、
    前記ブレーキレベルは、目標速度までの前記車両の減速に要する時間の目標値である目標減速時間と、前記減速に要する移動距離の目標値である目標制動距離と、の内のいずれか一方を表す、制御装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載の制御装置であって、
    前記制御パラメータは、前記車両に関する車間距離を含む、制御装置。
  10. 請求項9に記載の制御装置であって、
    前記車間距離は前記車両の前方の車間距離を示し、
    前記ブレーキレベル決定部は、前記車間距離が与えられた閾値よりも短い場合に、前記車間距離が短いほど前記ブレーキレベルがより強い制動力を示すように、前記ブレーキレベルを決定する、
    制御装置。
  11. 請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の制御装置であって、さらに、
    前記ブレーキレベルが示すブレーキの強さが所定の強さ以上である場合に、前記車両に設けられたブレーキ装置を制御することによって、前記ブレーキ装置による制動力を、前記ブレーキ装置の制御用のブレーキ開度のみで決まる制動力よりも強めるブレーキ制御部を有する、制御装置。
  12. 請求項11に記載の制御装置であって、
    前記ブレーキ制御部は、前記ブレーキレベルが示すブレーキの強さが前記所定の強さ以上である場合には、前記ブレーキ開度が、前記ブレーキ装置による制動力をゼロに設定すべき値を示す場合であっても、前記ブレーキ装置による制動力をゼロより大きな強さに強める、制御装置。
  13. 請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の制御装置であって、さらに、
    前記制御パラメータの少なくとも一部に基づいて制動力の目標値を決定するとともに、前記車両に設けられたブレーキ装置の制動力を前記制動力目標値から引いた差分値に基づいて境界回転速度を決定し、さらに、前記目標回転速度が前記境界回転速度以上である場合に、前記ブレーキ装置を制御することによって、前記ブレーキ装置による制動力を、前記ブレーキ装置の制御用のブレーキ開度のみで決まる制動力よりも強めるブレーキ制御部を有する、制御装置。
  14. 請求項7ないし請求項13のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記ブレーキレベル決定部は、
    前記制御パラメータの少なくとも一部を用いて前記車両の減速後の目標速度を決定する目標速度決定部と、
    前記目標速度を用いて前記ブレーキレベルを決定するパラメータレベル決定部と、
    を有する、制御装置。
  15. 請求項7ないし請求項13のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記ブレーキレベル決定部は、
    前記制御パラメータの少なくとも一部を用いて前記車両の減速後の目標速度を決定する目標速度決定部と、
    前記制御パラメータの少なくとも一部を用いて減速時の前記車両の目標加速度を決定する目標加速度決定部と、
    前記目標速度と前記目標加速度とを用いて前記ブレーキレベルを決定するパラメータレベル決定部と、
    を有する、制御装置。
  16. 請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の制御装置であって、さらに、
    前記制御パラメータの少なくとも一部を用いて前記車両の減速後の目標速度を決定する目標速度決定部を備え、
    前記回転速度制御部は、前記車両の速度が前記目標速度未満に低下したことに応じて、前記回転速度制御処理を終了する、
    制御装置。
  17. 請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の制御装置であって、
    前記回転速度調整部は、摩擦を用いて前記タービンの回転を制動するタービンブレーキ機構を含み、
    前記回転速度制御部は、現行のタービン回転速度が前記目標回転速度よりも高い場合には、前記タービンブレーキ機構を用いて前記タービンの回転を制動する、
    制御装置。
  18. 請求項1ないし請求項17のいずれかに記載の制御装置と、前記過給器と、を有する車両用の内燃機関。
  19. 過給器を有する車両用の内燃機関を制御する制御方法であって、
    前記過給器は、
    前記内燃機関からの排気ガスによって駆動されるタービンと、
    前記タービンの回転速度を調整する回転速度調整部と、
    を備え、
    前記制御方法は、
    (A)ユーザの要求する前記車両の制動力の強さに相関のあるパラメータを含む制御パラメータに基づいて前記タービンの目標回転速度を決定する工程と、
    (B)前記車両の制動時に前記タービンの回転速度が目標回転速度に近づくように前記回転速度調整部を制御する工程と、
    を備える、制御方法。
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