JP2007132244A - 横型エンジン - Google Patents

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Katsuyuki Shioda
克之 塩田
Hikari Hashimoto
光 橋本
Nobuhiro Watanabe
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Abstract

【課題】横型エンジンの構造改良による潤滑油経路の簡略化および適正化に関する技術について提案をする。
【解決手段】シリンダブロック3の前部にシリンダヘッド4を配置し、該シリンダヘッド4の前部に弁腕室12を形成するとともに、該シリンダブロック3内に左右方向にクランク軸7を支承し、該クランク軸7の左右一側に潤滑油ポンプ26を配置し、左右他側にギヤケース25を配置し、前後略水平方向に往復動されるピストン8を有する横型のエンジン1において、前記潤滑油ポンプ26の吐出ポート(油路3a)をシリンダブロック3の壁内を前後方向に穿設した油路3bに連通し、該油路3bの前端部(油路3d)をシリンダヘッド4内に穿設したヘッド側の油路4aと連通し、該ヘッド側の油路4aの他端を弁腕室12に設けた弁腕サポート13に穿設した油路13bと連通した。
【選択図】図5

Description

本発明は、シリンダブロックの前部にシリンダヘッドを配置し、該シリンダヘッドの前部に弁腕室を形成するとともに、該シリンダブロック内に左右方向にクランク軸を支承し、該クランク軸の左右一側に潤滑油ポンプを配置し、左右他側にギヤケースを配置し、前後略水平方向に往復動されるピストンを有する横型エンジンにおける、潤滑油の送油経路改善および前記エンジン内各部の潤滑改善に係る前記横型エンジンの構造改良の技術に関する。
従来から、例えば、水冷式ディーゼルエンジンとして、ピストンを前後略水平方向に往復動させる横型エンジンがトラクタ等の作業機に用いられている。この横型エンジンにおいては、シリンダブロックの横側(前側)にシリンダヘッドが設けられ、シリンダブロック及びシリンダヘッドが横設されてエンジン本体が構成される。エンジン本体においては、シリンダブロック内に支承されるクランク軸の回転により前後略水平方向に往復動されるピストンが、シリンダブロック内に設けられるシリンダに内嵌される。そして、シリンダヘッドの前側に弁腕室を構成するボンネットが取り付けられ、ボンネットの内部に吸・排気弁作動用の弁腕などが配設されて動弁機構が構成される。このようにエンジン本体の前部に設けられる弁腕室内には、エンジン本体の後部などに設けられる潤滑油ポンプにより潤滑油が供給される構成となっている(例えば、特許文献1参照。)。
実開平5−10722号公報
従来の横型エンジンにおいては、前述のようにエンジン本体の前部に設けられる弁腕室へは、エンジン本体の後部などに設けられる潤滑油ポンプにより潤滑油が供給されるのであるが、その弁腕室への潤滑油の供給は、エンジン本体の外部に配される外部配管を介して行われていた。つまり、潤滑油ポンプからの潤滑油は、エンジン本体内部の各部に供給されるとともに外部配管に分岐され、ボンネット内の弁腕室には、外部配管からの潤滑油が供給されていた。このため、部品点数が増加してコスト高となったり、外部配管に伴う接続部の増加やその強度・耐久性が問題となったりしていた。
また、このような構成の従来の横型エンジンにおいては、エンジン傾斜時に前記ボンネット内の弁腕室に浸入した潤滑油が、正立位置に戻った際に速やかにオイルパンに戻らず、エンジン内部の潤滑が不均一となったり、弁腕室からシリンダ内に潤滑油が浸入する等の好ましくない状況が生じていた。
そこで、本発明では、以上のような現状を鑑み、横型エンジンの構造改良による潤滑油経路の簡略化および適正化に関する技術について提案をするものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、シリンダブロックの前部にシリンダヘッドを配置し、該シリンダヘッドの前部に弁腕室を形成するとともに、該シリンダブロック内に左右方向にクランク軸を支承し、該クランク軸の左右一側に潤滑油ポンプを配置し、左右他側にギヤケースを配置し、前後略水平方向に往復動されるピストンを有する横型エンジンにおいて、前記潤滑油ポンプの吐出ポートをシリンダブロック壁内を前後方向に穿設した油路に連通し、該油路の前端をシリンダヘッド内に穿設したヘッド側油路と連通し、該ヘッド側油路の他端を弁腕室に設けた弁腕支えに穿設した弁腕油路と連通したものである。
請求項2においては、請求項1記載の横型エンジンにおいて、前記弁腕油路は弁腕軸と直角方向に穿設し、該弁腕油路の途中に、前記弁腕軸と平行に注油路を穿設したものである。
請求項3においては、請求項2記載の横型エンジンにおいて、前記注油路を水平方向に穿設したものである。
請求項4においては、請求項1記載の横型エンジンにおいて、前記シリンダヘッドの下部に潤滑油戻し通路を前後方向に開口し、該戻し通路にプッシュロッドを挿通可能とするとともに、該戻し通路の前上部にエア抜き用切欠を設けたものである。
請求項5においては、請求項4記載の横型エンジンにおいて、前記エア抜き用切欠の後方延長上に位置するシリンダブロックに溝部を形成したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、シリンダブロック外側に設けた配管によらず弁腕軸の潤滑が可能となり、潤滑油経路を短くできる。また、部品点数を削減できる。
請求項2においては、ボンネット内の潤滑が改善される。また、簡単に潤滑油路を構成できる。
請求項3においては、通油孔から噴出した油が効果的にボンネット内に拡散される。
請求項4においては、エア抜きがされるようになるため、エンジン傾斜時にシリンダヘッド内に浸入した油が、エンジン正立時には確実にシリンダヘッドから排出される。
請求項5においては、エンジン傾斜時にシリンダヘッド内に溜まる潤滑油が、溝部を介してオイルパンに戻される。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明に係る横型エンジン(以下、「エンジン」という。)1の全体構成について、図1乃至図4を用いて説明する。なお、以下においては、エンジン1の背面図である図3における紙面に対して垂直方向をエンジン1の前後方向とし、図2に示すエンジン1の側面を右側面として説明する。
本発明に係るエンジン1は、シリンダブロック3及びシリンダヘッド4を横設してエンジン本体2を構成している。エンジン本体2においては、シリンダブロック3の前側にシリンダヘッド4が設けられ、シリンダブロック3の後側は後蓋40(図6参照)により覆われており、シリンダブロック3の下側には潤滑油を貯留するオイルパン5が取り付けられている。また、シリンダブロック3の下側であってオイルパン5の前後には、エンジン本体2を支持する支持脚6・6が取り付けられている。
図4に示すように、シリンダブロック3内には、左右方向にクランク軸7が支承されており、該クランク軸7の回転により前後略水平方向に往復動されるピストン8がコンロッド9を介して設けられている。すなわち、シリンダブロック3内の前側(シリンダヘッド4側)にシリンダ10が設けられており、該シリンダ10内に、クランク軸7とコンロッド9を介して連結されるピストン8が前後略水平方向に摺動可能に内嵌されている。
また、シリンダヘッド4の前側には、ボンネット(弁腕ケース)11が取り付けられており、該ボンネット11の内部が弁腕室12とされて動弁機構が構成されている。すなわち、弁腕室12においては、弁腕サポート13がシリンダヘッド4に取り付けられており、この弁腕サポート13に、吸気弁及び排気弁をそれぞれ作動させる弁腕14・14が、左右並列に配置された状態で回動可能に嵌合されている(図4においては一方の弁腕14のみ図示)。各弁腕14は、その上端部に吸・排気弁の弁棒15先端を当接させるとともに、下端部にはプッシュロッド16の一端が連結されている。該プッシュロッド16の他端はクランク軸7の回転により回転されるカム軸32上のカム32bに当接され、該カム32bの回動によりプッシュロッド16が前後に往復駆動される。また、各弁腕14の上端部とシリンダヘッド4との間の弁棒15の外周上にはバネ17が配置されている。これにより、各弁腕14は、プッシュロッド16に押されることにより、弁腕サポート13に対して回転するとともにバネ17の弾性力に抗して吸・排気弁の弁棒15を押す一方、プッシュロッド16による押しが解除されることにより、バネ17の弾性力により元の位置に復帰するように回転する。
また、シリンダヘッド4の後面と、ピストン8のピストンヘッドとによって形成される燃焼室には、シリンダベッド4を貫通した状態で燃料噴射弁18が臨ませて設けられている。つまり、吸気弁または排気弁がプッシュロッド16が押されることにより、バネ17の弾性力に抗して吸・排気弁の弁棒15を押して開け、元の位置に復帰した時に閉じることになる。
一方、エンジン本体2の上側においては、冷却水タンク(冷却水ホッパ)19及び燃料タンク20が前後に配置された状態で、シリンダブロック3に固着されて設けられている。これら両タンク19・20の上面の略中央部には、エンジン1を吊上げる際の係止部となる吊上げボルト21が設けられている。
また、エンジン本体2の前部においては、燃料フィルタ22、エアクリーナ23及び排気マフラ24等がそれぞれ配設されており、エンジン本体2の後部においては、後蓋40にエンジン始動用のセルモータ27が付設されている。すなわち、後蓋40は、後方に向けて突設されるとともに側面視で円状の開口部が形成されるステー41を有しており、該ステー41の開口部41a(図9参照)に、筒状に構成されるセルモータ27の一端側が挿入された状態で支持されることにより、該セルモータ27が後蓋40に付設されている。
シリンダブロック3の右側(図3における左側)には、ギヤケース25が取り付けられており、このギヤケース25内には、クランク軸7の軸端に固設されるクランクギヤ7a、前記動弁機構を作動させるカム軸32の軸端に固設されるカムギヤ32aおよびカム軸32上に固設されるカム32b、エンジン本体2の後部に設けられる潤滑油ポンプ26の駆動軸に固設される潤滑油ポンプ駆動ギヤ26a、前記クランクギヤと噛合する始動ギヤ29a、及び燃料噴射ポンプに付設されるガバナ(ともに図示略)を駆動させるガバナギヤ34a等が収容されている。
このようにエンジン本体2の右側に設けられるギヤケース25からは、前記ガバナに連結され燃料噴射ポンプの燃料噴射量を調節するためのスピードコントロールレバー28が突出されており、エンジン1の右側から操作可能に構成されている。
また、ギヤケース25には、前記始動ギヤ29aを支持する軸を回転させるための始動ハンドルを取り付ける始動ハンドル取付部29が設けられている。一方、エンジン本体2の前端部におけるボンネット11からは、エンジン1をデコンプ作動させシリンダ10内の圧力を開放するデコンプレバー30が右側に突設されており、エンジン1の右側から操作可能に構成されている。
すなわち、始動ハンドルを用いて手動によりエンジン1を始動させる場合は、デコンプレバー30を操作して、前記燃焼室の圧縮圧力を開放してクランク軸7の回転をし易くする。具体的には、始動ハンドル取付部29に取り付けられる始動ハンドルを手動で回転させることにより、始動ギヤ29a及びクランクギヤ7aを介してクランク軸7が回転されて、ピストン8が往復動する。このクランク軸7の回転は、該クランク軸7の左側端部に設けられるフライホイル35によって勢い付けられる。このとき、デコンプレバー30を操作することにより、弁腕14が図示せぬデコンプ操作具によって押圧されることにより回動され、バネ17の弾性力に抗してデコンプ作動弁(吸・排気弁)が開弁作動されて前記燃焼室の圧縮圧力が開放されることにより、クランク軸7の回転がし易くなる。
そして、クランク軸7の回転速度が上昇するのを見計らって、デコンプレバー30を復帰操作することによって前記デコンプ作動弁を閉弁作動させ、燃焼室の圧縮圧力を上昇させてエンジン1を始動させる。
このように、エンジン1は、セルモータ27による電気的な始動に加え、始動ハンドルを用いた手動での始動が可能に構成されている。
また、エンジン本体2の右側においては(具体的には、シリンダブロック3の前部右側)、燃料タンク20から燃料フィルタ22を介して燃料噴射弁18へと通じる燃料供給路の開閉を行う燃料コック31が設けられている。
このように、本発明に係るエンジン1においては、燃料噴射量を調節するスピードコントロールレバー28は、シリンダブロック3の右側面に取り付けられるギヤケース25の前部において突設されており、該ギヤケース25の後部においてはエンジン始動用の始動ハンドル取付部29が設けられている。また、ギヤケース25の前方であってシリンダブロック3の右側には、燃料供給路の開閉を行う燃料コック31が設けられており、エンジン1をデコンプ作動させるデコンプレバー30は、シリンダヘッド4の前側に取り付けられるボンネット11の右側から突設されている。
すなわち、エンジン1においては、スピードコントロールレバー28、始動ハンドル取付部29、デコンプレバー30、燃料コック31等が配設されるエンジン本体2の右側がエンジン操作側となる。
以上が、エンジン1の主な構成である。
次に、前記シリンダブロック3内部および前記シリンダヘッド4内部を介する油路構成について、図4乃至図9を用いて説明をする。
図4乃至図6に示す如く、潤滑油ポンプ26により供給される潤滑油がシリンダブロック3内に形成される油路3a・3bを介して流入する。そして、前記油路3bからは前方へ向けて油路が形成されており、シリンダブロック3においてクランク軸7が挿通される開口部3gの内周に形成される略円環溝状の油路3cとクランク蓋7bの外周部に形成される略円環溝状の油路7cが合成してなる油路を介して前方へ向けて延設される油路3dにより、シリンダヘッド4へと流入する。シリンダヘッド4へと流入する潤滑油は、図5および図9に示す如く、油路4aを介してボンネット11内の弁腕室12へと供給され、該弁腕室12内の動弁機構を潤滑する。
弁腕室12に供給された潤滑油は、図5、図7または図8に示す如く、まず弁腕サポート13に供給される。該弁腕サポート13は、側面視で略T字形状の部材を天地逆転させたような形状を有し、具体的な形状は、図8(a)から図8(e)に図示する通りである。
前記弁腕サポート13には、左右方向に弁腕軸61の左右略中央部を支持する支持孔13aが上下中央部で左右方向に貫通されて形成され、該支持孔13aの上下両側にボルトを挿通してシリンダヘッドに固定するためのボルト孔13d・13dが前後方向に貫通されている。前記弁腕軸61と直交する前後方向には油路13bが穿設されている。そして、該油路13bは油路4aと支持孔13aを連通するようにしている。これにより、潤滑油が弁腕軸61の回動摺動部に供給され、適切に潤滑が行なわれるようにしている。
また、弁腕サポート13の支持孔13aからは全幅に渡って垂直下方に切り溝13eが形成され、つまり、該切り溝13eが支持孔13aから半径方向外側下方に向かって開口されている。該支持孔13a及び切り溝13eは前記ボルト孔13dと一部重複するように配設され、ボルトを挿入して弁腕サポート13を固定したときに、弁腕軸61が回らないように固定するとともに、切り溝13eから潤滑油をボンネット11内に放出するようにしている。
前記弁腕軸61の左右両端には、前記弁腕14・14が軸止されており、該弁腕14・14の上端には前後方向に弁棒15・15が締結され、また下端には前後方向にプッシュロッド16・16が締結されている。
このように構成すると、カム32bの回転に応じてプッシュロッド16・16が左右異なったタイミングで略前後に摺動し、弁腕14・14が前記弁腕軸61を回動支点として往復回動する。これにより、前記弁棒15・15が略前後に摺動し、弁頭60・60が排気ポート67および吸気ポート68の前端部を周期的に開閉するようにしている。
また、前記弁腕サポート13において、前記油路13bは前後方向の略中央部で分岐され、前記弁腕軸61と平行の左右水平方向にキリ孔13cが穿設されている。該キリ孔13cからは、前記油路3bを介して供給された潤滑油が弁腕室12内に噴出し、ボンネット11内を潤滑するようにしている。
また、該キリ孔13cは、弁頭60よりも下方に配置されており、シリンダ10内への潤滑油の浸入を防止するよう考慮している。
さらに、前記キリ孔13cから噴出する潤滑油が、弁腕室12内の例えばヘッドボルトナット62に向けて噴出するように配置されており、潤滑油が該ヘッドボルトナット62と衝突することによりボンネット11内に効果的に拡散されることを考慮している。尚、この噴出対象はヘッドボルトナット62に限定するものではなく、弁腕室12内の部材であり、効果的な拡散を実現するものであればよく、噴出対象として専用の突起を内部に設けるような構成であってもよい。
つまり、油路4aから油路13bに供給された潤滑油が、キリ孔13cから弁腕室12内に噴出し、効果的にボンネット11内に拡散するようにしている。
以上が、前記シリンダブロック3内部および前記シリンダヘッド4内部を介する油路構成についての説明である。
次に、前記シリンダブロック3内部および後蓋40内部を介する油路構成について、図5を用いて説明をする。
図5に示す如く、後蓋40内には後蓋内油路43が左右水平方向に形成されており、潤滑油ポンプ26により供給される潤滑油がシリンダブロック3内に形成される油路3a・3bを介して流入する。
一方、後蓋内油路43から流出する潤滑油は、シリンダブロック3内においてその後面から前方へ向けて形成される油路3dおよびキリ孔3fを介してギヤケース25内へ供給される。
以上が、前記シリンダブロック3内部および後蓋40内部を介する油路構成についての説明である。
次に、潤滑油の流通を改善した構造について、図9乃至図12を用いて説明をする。
潤滑油がオイルパン5に速やかに返送されるためには、通気経路の確保と流通経路の確保が必要である。
まず、通気経路の確保について説明をする。
図10に示す如く、シリンダヘッド4内には前後方向に穿設された前面視略矩形状のヘッドプッシュロッド室64・64、および、右側のヘッドプッシュロッド室64に繋がる側面視略三角形状の切欠部69が形成されている。前記ヘッドプッシュロッド室64・64には、プッシュロッド16・16が挿通されるとともに、潤滑油の流通経路ともなっている。
尚、本実施例では、切欠部69が右側のヘッドプッシュロッド室64にのみ形成されているが、この配置に限定されるものではなく、左側のヘッドプッシュロッド室64にのみ形成されるものであっても良いし、また左右両側のヘッドプッシュロッド室64・64に形成されるものであっても良い。
図10に示す如く、エンジン1が約20度前下方に傾斜したときには、シリンダヘッド4の内部では、油面が(線X)のようになる。このとき、図9および図10に示す如く、前記右側のヘッドプッシュロッド室64の前上部に前記切欠部69を設けることにより、傾斜したときの油面と切欠部69上面との間に通気経路を形成することができる。
このため、シリンダヘッド4の空隙部に潤滑油が満たされて密閉状態となることが防止され、潤滑油が常にスムーズに流動可能となる。
よって、エンジン1が正立状態に戻った際には、潤滑油がヘッドプッシュロッド室64をスムーズに流下することができる。
次に、流通経路の確保について説明をする。
図11および図12に示す如く、シリンダブロック3内の前記ヘッドプッシュロッド室64の後方延長線上にはオイル戻し溝65が設けられている。
図11に示す如く、シリンダブロック3下部の左右中央部には、前面断面視で開放側を上向きとした略コの字形状の溝であるオイル戻し溝65が形成されている。このオイル戻し溝65は、図12に示す如く、側面断面視では前方から後方に向けて下り勾配を付けて形成されている。このため潤滑油は、オイル戻し溝65により自然に流下され、またオイル戻し溝65が下りきった地点からは垂直下方に流下しオイルパン5に自然に流れ込むようにしている。
よって、エンジン1が正立状態に戻った際には、潤滑油が速やかにオイルパン5に返送されるようにしている。
以上が、潤滑油の流通を改善した構造についての説明である。
以下においては、シリンダブロック3の前部にシリンダヘッド4を配置し、該シリンダヘッド4の前部に弁腕室12を形成するとともに、該シリンダブロック3内に左右方向にクランク軸7を支承し、該クランク軸7の左右一側に潤滑油ポンプ26を配置し、左右他側にギヤケース25を配置し、前後略水平方向に往復動されるピストン8を有する横型のエンジン1において、前記潤滑油ポンプ26の吐出ポート(油路3a)をシリンダブロック3の壁内を前後方向に穿設した油路3bに連通し、該油路3bの前端部(油路3d)をシリンダヘッド4内に穿設したヘッド側の油路4aと連通し、該ヘッド側の油路4aの他端を弁腕室12に設けた弁腕サポート13に穿設した油路13bと連通した構成について説明をする。
前述した通り、図4乃至図6に示す如く、潤滑油ポンプ26により供給される潤滑油がシリンダブロック3内に形成される油路3a・3bを介して流入する。そして、前記油路3bからは前方へ向けて油路が形成されており、シリンダブロック3においてクランク軸7が挿通される開口部3gの内周に形成される略円環状の油路3cとクランク蓋7bの外周部に形成される略円環状の油路7cが合成してなる油路を介して前方へ向けて延設される油路3dにより、シリンダヘッド4へと流入する。シリンダヘッド4へと流入する潤滑油は、図5および図9に示す如く、油路4aを介してボンネット11内の弁腕室12へと供給され、該弁腕室12内の動弁機構を潤滑する。
弁腕室12に供給された潤滑油は、図5、図7または図8に示す如く、まず弁腕サポート13に供給される。該弁腕サポート13には、左右方向に弁腕軸61の左右略中央部を回動可能に支持する支持孔13aが上下中央部で左右方向に貫通されて形成され、該支持13aの上下両側にボルトを挿通してシリンダヘッドに固定するためのボルト孔13d・13dが前後方向に貫通されている。前記弁腕軸61と直交する前後方向には油路13bが穿設されている。そして、該油路13bは油路4aと支持孔13aを連通するようにしている。これにより、潤滑油が弁腕軸61の回動摺動部に供給され、適切に潤滑が行なわれるようにしている。
即ち、シリンダブロック3の外側に設けた配管によらず弁腕軸61の潤滑が可能となり、潤滑油経路を短くできるのである。また、部品点数を削減できるのである。
次に以下においては、前記エンジン1において、前記油路13bは弁腕軸61と直角方向に穿設し、該油路13bの途中に、前記弁腕軸61と平行にキリ孔13cを穿設した構成について説明をする。
前述した通り、弁腕室12に供給された潤滑油は、図5、図7または図8に示す如く、まず弁腕サポート13に供給される。前記弁腕サポート13には、左右方向に弁腕軸61の左右略中央部を支持する支持孔13aが形成されているとともに、前記弁腕軸61と直交する前後方向には油路13bが穿設されている。そして、該油路13bは油路4aと支持孔13aを連通するようにしている。これにより、潤滑油が弁腕軸61の回動摺動部に供給され、適切に潤滑が行なわれるようにしている。
また、前記弁腕サポート13において、前記油路13bは前後方向の略中央部で分岐され、前記弁腕軸61と平行の左右水平方向にキリ孔13cが穿設されている。該キリ孔13cからは、前記油路3bを介して供給された潤滑油が弁腕室12に噴出し、ボンネット11内を潤滑するようにしている。
即ち、ボンネット11内の潤滑が改善されるのである。また、簡単に潤滑油路を構成できるのである。
次に以下においては、前記エンジン1において、前記キリ孔13cを水平方向に穿設した構成について説明をする。
前述した通り、前記弁腕サポート13において、図7に示す如く、前記油路13bは前後方向の略中央部で分岐され、前記弁腕軸61と平行の左右水平方向にキリ孔13cが穿設されている。また、該キリ孔13cは、弁頭60よりも下方に配置されており、シリンダ10内への潤滑油の浸入を防止するよう考慮している。
さらに、前記キリ孔13cから噴出する潤滑油が、弁腕室12内の例えばヘッドボルトナット62に向けて噴出するように配置されており、潤滑油が該ヘッドボルトナット62と衝突することによりボンネット11内に効果的に拡散されることを考慮している。
即ち、キリ孔13cから噴出した潤滑油が効果的にボンネット11内に拡散されるのである。
次に以下においては、前記エンジン1において、前記シリンダヘッド4の下部にヘッドプッシュロッド室64を前後方向に開口し、該ヘッドプッシュロッド室64にプッシュロッド16を挿通可能とするとともに、該ヘッドプッシュロッド室64の前上部にエア抜き用の切欠部69を設けた構成について説明をする。
前述した通り、図10に示す如く、シリンダヘッド4内には前後方向に穿設された前面視略矩形状のヘッドプッシュロッド室64・64、および、右側のヘッドプッシュロッド室64に繋がる側面視略三角形状の切欠部69が形成されている。前記ヘッドプッシュロッド室64・64には、プッシュロッド16・16が挿通されるとともに、潤滑油の流通経路ともなっている。
図10に示す如く、エンジン1が約20度前下方に傾斜したときには、シリンダヘッド4の内部では、油面が(線X)のようになる。このとき、図9および図10に示す如く、前記右側のヘッドプッシュロッド室64の前上部に前記切欠部69を設けることにより、傾斜したときの油面と切欠部69上面との間に通気経路を形成することができる。
このため、シリンダヘッド4の空隙部に潤滑油が満たされて密閉状態となることが防止され、潤滑油が常にスムーズに流動可能となる。
よって、エンジン1が正立状態に戻った際には、潤滑油がヘッドプッシュロッド室64をスムーズに流下することができる。
即ち、エア抜きがされるようになるため、エンジン1傾斜時にシリンダヘッド4内に浸入した潤滑油が、エンジン1正立時には確実にシリンダヘッド4から排出されるのである。
次に以下においては、前記エンジン1において、前記切欠部69の後方延長上に位置するシリンダブロック3にオイル戻し溝65を形成した構成について説明をする。
前述した通り、図11および図12に示す如く、シリンダブロック3内の前記ヘッドプッシュロッド室64の後方延長線上にはオイル戻し溝65が設けられている。
図11に示す如く、シリンダブロック3下部の左右中央部には、前面断面視で開放側を上向きとした略コの字形状の溝であるオイル戻し溝65が形成されている。このオイル戻し溝65は、図12に示す如く、側面断面視では前方から後方に向けて下り勾配を付けて形成されている。このため潤滑油は、オイル戻し溝65により自然に流下され、またオイル戻し溝65が下りきった地点からは垂直下方に流下しオイルパン5に自然に流れ込むようにしている。
よって、エンジン1が正立状態に戻った際には、潤滑油が速やかにオイルパン5に返送されるようにしている。
即ち、エンジン1の傾斜時にシリンダヘッド4内に溜まる潤滑油が、オイル戻し溝65を介してオイルパン5に戻されるのである。
本発明に係るエンジンの全体構成を示す斜視図。 同じく右側面図。 同じく背面図。 同じく一部断面右側面図。 図4のエンジンにおけるA−A断面図。 シリンダブロックを示す左側面図。 弁腕室内の動弁機構の部分構成を示す前面図。 弁腕サポートの具体例を示す部品図。(a)図は前面図、(b)図は下面図、(c)図は(a)図におけるC−C断面図、(d)図は(b)図におけるD−D断面図、(e)図は(b)図におけるE−E断面図。 シリンダヘッドを示す前面図。 図9のシリンダヘッドにおけるF−F断面図。 図6のシリンダブロックにおけるB−B断面図。 図11のシリンダブロックにおけるG−G断面図。
符号の説明
1 エンジン
3 シリンダブロック
3a 油路
3b 油路
3d 油路
4 シリンダヘッド
4a 油路
7 クランク軸
8 ピストン
12 弁腕室
13 弁腕サポート
13b 油路
25 ギヤケース
26 潤滑油ポンプ

Claims (5)

  1. シリンダブロックの前部にシリンダヘッドを配置し、該シリンダヘッドの前部に弁腕室を形成するとともに、該シリンダブロック内に左右方向にクランク軸を支承し、該クランク軸の左右一側に潤滑油ポンプを配置し、左右他側にギヤケースを配置し、前後略水平方向に往復動されるピストンを有する横型エンジンにおいて、
    前記潤滑油ポンプの吐出ポートをシリンダブロック壁内を前後方向に穿設した油路に連通し、該油路の前端をシリンダヘッド内に穿設したヘッド側油路と連通し、該ヘッド側油路の他端を弁腕室に設けた弁腕支えに穿設した弁腕油路と連通したことを特徴とする横型エンジン。
  2. 請求項1記載の横型エンジンにおいて、
    前記弁腕油路は弁腕軸と直角方向に穿設し、該弁腕油路の途中に、前記弁腕軸と平行に注油路を穿設したことを特徴とする横型エンジン。
  3. 請求項2記載の横型エンジンにおいて、
    前記注油路を水平方向に穿設したことを特徴とする横型エンジン。
  4. 請求項1記載の横型エンジンにおいて、
    前記シリンダヘッドの下部に潤滑油戻し通路を前後方向に開口し、該戻し通路にプッシュロッドを挿通可能とするとともに、該戻し通路の前上部にエア抜き用切欠を設けたことを特徴とする横型エンジン。
  5. 請求項4記載の横型エンジンにおいて、
    前記エア抜き用切欠の後方延長上に位置するシリンダブロックに溝部を形成したことを特徴とする横型エンジン。
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