JP2007131897A - 金属部材の熱処理方法及び金属部材の熱処理装置 - Google Patents

金属部材の熱処理方法及び金属部材の熱処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属部材を焼入れ処理する場合に、焼歪みの発生を低減可能な金属部材の熱処理方法及び熱処理装置を提案する。
【解決手段】 冷却水w中に、多数の微細な気泡が連続的に上昇するエアレーション水域Tを生成し、所定温度に熱した金属部材30を、このエアレーション水域T内に水没させることにより、この金属部材30を急冷して焼入れ処理するようにした熱処理方法及びその熱処理装置とした。これにより、エアレーション水域Tの気泡により金属部材30の表面を全体的に被覆し、当該金属部材30を冷却する場合に生じる冷却ムラを充分に抑制できるため、金属部材30の焼入れ処理で生ずる焼歪みを低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属部材を焼入れ処理するための、金属部材の熱処理方法、及び金属部材の熱処理装置に関するものである。
金属部材の熱処理として、該金属部材をその変態点以上の所定温度に加熱し、溶体化処理した後に急冷する焼入れ処理が、良く知られている。金属部材に焼入れ処理を行うことにより、該金属部材の硬さを増加することができる。しかし、この焼入れ処理により、金属部材に形状変化や寸法変化等の焼歪みが生じてしまう。このため、部材形状や寸法の許容誤差が比較的小さな製品にあっては、焼歪みを修正するための別工程を必要としていた。
ここで、焼入れ処理により焼歪みが生じる主原因としては、高温に熱した金属部材を冷却水等に浸水して急冷する場合に、該金属部材の部分毎に冷却作用に差が生じてしまうことである。詳述すると、高温に熱した金属部材が冷却水内に浸水することにより、金属部材の表面で、該表面に接した水分が蒸発して気泡となって生じる。そして、この気泡が金属部材の表面を覆うことにより冷却作用を緩和することとなるが、金属部材の形状によっては、この気泡が金属部材の一部の表面から離れ易くなり、この部位では冷却作用が早まってしまう。又、金属部材の形状や肉厚によっては、比較的早く冷却し易い部分もあり、この部分では気泡の発生が早く収まることから、比較的冷却され難い部分との冷却時間に一層の差が生じることとなってしまう。このように金属部材の部分的に、冷却作用が早く進行したり遅くなったりする冷却ムラが生ずると、前記のように焼歪みが発生することとなる。尚、この冷却作用の差(冷却ムラ)が大きくなるに従って、焼歪みも大きくなる傾向にある。
例えば、車両用のアルミニウム合金製ホイールにあっては、その製造工程で、鋳造後にT6処理を行うようにしていることが一般的である。ここで、T6処理としては、焼入れ処理後に人工時効処理を行うことにより、高強度化と高靭性化とを実現できる。ところが、この焼入れ処理により、上記したように焼歪みを生じてしまう。この焼歪みとしては、具体的に、リム部のホイール径方向への変形や、リム部やスポーク部のホイール軸方向への変形等である。ここで、車両用のホイールは、一般的に、その寸法形状が比較的精密に定められていることから、前記したように焼入れ処理で生じた焼歪みを修正することが必要となる。この焼歪みを修正するために、例えば、所望の寸法形状に対して予め比較的多くの駄肉を付けて鋳造し、T6処理後に、焼歪みが生じている状態から切削加工して、所望の寸法形状に整えるようにしている。この場合には、予め焼歪みの発生を考慮して、充分な駄肉を有する形状に鋳造することを要する。
このような焼入れ処理により生ずる焼歪みを低減することができれば、駄肉の量を低減することが可能となることから、従来より、焼歪みを低減する焼入れ処理の方法が種々提案されている。例えば特許文献1のように、外側水槽内に内側水槽を配した二重構造の水槽とし、この外側水槽と内側水槽との間で冷却水を循環させる構成が提案されている。この構成にあっては、焼入れ温度に熱したアルミニウム合金製ホイールを内側水槽内に浸水した場合に、該ホイールの全表面(内外周面や意匠面等の全ての表面)に発生する気泡を、冷却水の循環により、該表面上から除去するようにしている。このように、表面上に発生する気泡を除去することにより、該気泡によって部分的に冷却作用に差が生じることを防止でき、このアルミニウム合金製ホイールに生ずる焼歪みを低減できるようにしている。
特開2002−285230号公報
上述したように、焼入れ処理により生ずる焼歪みを低減することにより、この焼歪みを修正する作業を軽減できることから、焼歪みの低減効果に優れた熱処理方法や装置が求められている。例えば、上記した車両用ホイールにあっては、焼歪みを低減することによって、駄肉を低減できることから、切削加工工程の作業を軽減する効果や材料費を低減する効果などが期待できる。
ところで、上述した従来の、冷却水を循環するようにした構成にあっては、アルミニウム合金製車両ホイール(金属部材)の表面上に発生した気泡を強制的に除去するようにしたものであるが、ホイール自体の形状が比較的複雑であることから、その全表面に発生する全ての気泡を等しく除去することは難しい。このため、ホイール全表面で、気泡を除去し易い部分と除去し難い部分とが生じ、冷却作用の部分的な差を低減する効果に限界があった。また、形状が複雑になるほど、逆に冷却作用の部分的な差が大きくなることもあり得る。
本発明は、車両用のアルミニウム合金製ホイール等のように複雑な形状の金属部材にあっても、焼入れ処理により焼歪みの発生を低減可能とする金属部材の熱処理方法及び金属部材の熱処理装置を提案するものである。
本発明は、金属部材を、所定温度で熱した後、水冷することにより焼入れ処理する金属部材の熱処理方法において、20℃以上かつ100℃以下の冷却水中に、多数の微細な気泡が連続的に上昇するエアレーション水域を生成し、金属部材を、このエアレーション水域内に水没させることにより、この金属部材を急冷して焼入れ処理するようにしたことを特徴とする方法である。
上記のように、所定温度で熱した金属部材をエアレーション水域に水没すると、このエアレーション水域内で上昇する多数の気泡が、この金属部材の表面に全体的に満遍なく付着することとなり、この多数の気泡によって金属部材が被覆される。これにより、冷却水が金属部材に直接的に触れることが防止されることから、該金属部材から熱を奪う冷却作用が緩和される。そして、金属部材の表面全体が気泡により満遍なく被覆されることにより、冷却作用が部分的に早く進行したり遅れたりすること(以下、冷却ムラという)を抑制することができる。したがって、この焼入れ処理により生ずる焼歪みを低減することができ得る。尚、このエアレーション水域では、多数の気泡が、金属部材の表面を隙間なく被覆できるように、比較的密に上昇している状態となっている。
ここで、エアレーション水域では、微細な気泡が連続して上昇していることから、当該水域に水没した金属部材の表面では、気泡が付着し、該気泡がこの表面上を伝って上昇して離れていく流れが順次繰り返される。そして、次々に気泡が付着することから、常に金属部材の表面が気泡により被覆された状態に保たれる。さらに、前記のように多数の気泡が表面に付着し、該気泡が表面上を伝って上昇することから、例えば、車両用ホイールのように比較的複雑な形状の金属部材にあっても、その全表面が多数の気泡により被覆され得る。したがって、本発明の熱処理方法によれば、様々な形状の金属部材を焼入れ処理した場合に、上記した冷却ムラを抑制して焼歪みを低減する作用効果を、確実かつ充分に発揮することができる。尚、金属部材をエアレーション水域に水没した場合に、該金属部材の姿勢を、微細な気泡が直接付着可能な表面領域をできるだけ多くし、かつ、この直接付着可能な表面領域から、直接付着できない表面領域に気泡が伝わり易いような姿勢とすることが好適である。
上述したように、鋳造成形されるアルミニウム合金製ホイールにあっては、T6処理した後、所望の寸法形状に整えるための切削加工を行っている。このため、従来は、駄肉を比較的多く付けて鋳造し、焼歪みを有したまま切削加工していた。しかし、本発明の方法によれば、焼歪みを充分に低減することができるため、駄肉量を低減することができ、かつ材料使用量を低減することができる。これにより、歩留まり性を改善することができ得る。さらに、駄肉量が少なければ、切削加工に要する時間を低減することもできるため、ホイール生産工程の効率化と製造コストの低減が実現可能である。また、焼歪みの低減が可能であることから、冷却水の水温を低下することも可能となる。これにより、冷却水を所定温度とするための工程や熱量を必要とせず、焼入れ処理を効率的に行うこともでき得る。
また、上述した金属部材の熱処理方法にあって、エアレーション水域の微細な気泡が、気泡径10mm以下である方法が提案される。
ここで、気泡径が小さいほど、金属部材の表面に付着した気泡は、上述したように、金属部材の表面を伝って流れ易いことから、エアレーション水域で水没した金属部材の上向き面をも一層容易かつ確実に被覆でき得る。さらに、気泡径が小さいほど、金属部材の表面を全体的に密に覆うように付着し易くなる。このようなことから、本方法では、気泡径を10mm以下とするようにし、エアレーション水域に水没した金属部材をより適正かつ容易に被覆できるようにしている。これにより、金属部材の表面には全体的に、多数の気泡が隙間無く付着して被覆することとなり、上述した冷却ムラを低減する効果がさらに高まる。
ここで、気泡径は、気泡の生成可能な大きさに限界があるため、一般的に生成可能な0.05mm以上とすれば良い。ところで、気泡は上昇中に複数が重なって大きくなることから、例えば、前記した気泡径0.05mmで発生した気泡も、金属部材に接触する付近では0.5mm以上にもなり得る。したがって、金属部材に付着する気泡は、一般的に生成可能な0.05mm以上の気泡径であり、かつ、金属部材に付着する場合に10mm以下となるようにする。
尚、この気泡の気泡径としては、金属部材に付着する場合に、5mm以下となるようにすることが、金属部材の表面を全体的に被覆する作用もさらに向上することから、好適である。さらには、気泡径を3mm以下とすることが一層好適である。
また、上述した金属部材の熱処理方法にあって、エアレーション水域は、多数の微細な開孔がほぼ均一に形成されてなる多孔質部材を、冷却水中に配設し、この多孔質部材内に所定流量の空気を供給することにより、その各開孔から気泡を順次発生させ、これら多数の気泡が当該冷却水中を上昇することにより生成されている方法が提案される。
かかる方法により、多数の微細な気泡が上昇するエアレーション水域を、比較的容易に生成できる。そして、この多孔質部材は、多数の開孔がほぼ均一に形成されたものであるから、エアレーション水域内で、多数の気泡がほぼ均一に存在することとなる。したがって、多数の気泡が金属部材の表面に満遍なく付着し易くなるため、当該金属部材の焼入れ処理における冷却ムラを低減する効果が一層向上する。尚、この多孔質部材は、エアレーション水域内に金属部材を完全に水没できるように、その形状や開孔位置が設定されているものである。
また、上述した金属部材として車両用のアルミニウム合金製ホイールを焼入れ処理する熱処理方法であって、エアレーション水域は、冷却水中に配設された多孔質部材内にアルミニウム合金製ホイール一個当たり50L/min以上かつ100L/min以下の流量の空気を供給することによって生成されている方法が提案される。
ここで、エアレーション水域は、金属部材の形状に対して、この水域内を上昇する気泡の量を適正化することにより、この気泡が金属部材の表面を全体的に充分かつ容易に被覆することができることとなる。かかる方法にあっては、エアレーション水域を上昇する気泡の量を、多孔質部材内に供給する空気の量により制御するようにしている。そして、アルミニウム合金製ホイール一個当り、上記した範囲の流量によって空気を供給することにより、該ホイールの全表面を満遍なく被覆可能となる多数の微細な気泡を、多孔質部材から発生し得る。而して、アルミニウム合金製ホイールの焼入れ処理にあって、焼歪みを一層確実かつ適正に低減することができる。
多孔質部材内に供給する空気の流量としては、50L/minより少ないと、アルミニウム合金製ホイールを充分に被覆するための気泡量を発生し難い。一方、100L/minより多いと、多孔質部材から発生した気泡同士の間隔が狭くなり易く、重なりあって大きな気泡へ成長することともなる。このように気泡径が大きくなると、上述したように、ホイール全表面を充分に被覆し難くなってしまう。尚、アルミニウム合金製ホイールにあっても、ホイール径が比較的小径のものは、空気の供給量を少なめとし、比較的大径のものは、該供給量を多めとすることが好ましい。
さらにまた、上述した金属部材として車両用のアルミニウム合金製ホイールを焼入れ処理する熱処理方法であって、このアルミニウム合金製ホイールを、該ホイールの意匠面を上向きとし、かつホイール軸方向が気泡の上昇方向とほぼ沿うようにして、エアレーション水域内に水没するようにした方法も提案される。
かかる方法にあって、エアレーション水域内を上昇する気泡が、ホイール内周面及びディスク部背面に直接付着して被覆できると共に、該ホイール内周面及びディスク部背面に付着した気泡がこれら面を伝って上昇することにより、飾り孔を通じて意匠面への移動して、該意匠面をも比較的容易かつ確実に被覆することができ得る。また、ホイール外周面にも、エアレーション水域内を上昇する気泡が付着したり、該外周面を伝って上昇することにより、このホイール外周面を比較的容易かつ確実に被覆することができ得る。したがって、ホイール全表面を多数の気泡により満遍なく被覆する作用に一層優れ、冷却ムラを抑制し、焼入れ処理による焼歪みを低減する効果を安定して発揮でき得る。
尚、このように意匠面を上向きにしてエアレーション水域に水没することは、意匠面を下向きに水没する場合や意匠面を横向きに水没した場合に比して、気泡がホイール内周面面の全域を被覆し易い。このため、かかる方法により、焼歪みを低減する効果が一層向上する。
一方、本発明は、金属部材を、所定温度で熱した後、水冷することにより焼入れ処理する金属部材の熱処理装置において、20℃以上かつ100℃以下の冷却水を貯留する水槽と、所定流量の空気を送出するエア供給源と、多数の微細な開孔をほぼ均一に備えてなるものであって、前記水槽内に配設され、エア供給源から送出された空気を導入して各開孔から微細な気泡を排出することにより、多数の微細な気泡が上昇するエアレーション水域を生成する多孔質部材と、金属部材を、前記エアレーション水域内に保持する保持手段とを備えたことを特徴とするものを提案している。この金属部材の熱処理装置は、上述した金属部材の熱処理方法を実現可能な構成となっている。
かかる構成にあっては、エア供給源から空気を多孔質部材へ送出し、この多孔質部材の各開孔から気泡を発生することにより、多数の気泡が上昇してエアレーション水域を生成するようにしている。そして、このエアレーション水域に、所定温度で熱した金属部材を水没することにより、焼入れ処理を行うことができるようになっている。本装置によれば、上述したように、多数の微細な気泡により金属部材の表面を全体的に被覆することができるため、冷却ムラを抑制でき、焼入れ処理による焼歪みを低減でき得る。さらに、上述したように鋳造により車両用のアルミニウム合金製ホイールを製造する生産工程にあって、本熱処理装置を導入すると、焼歪みが低減されることから、予め鋳造時に付加する駄肉を低減することができ、かつホイールの鋳造に要するアルミニウム合金の使用量を低減できる。これにより、歩留まり性を改善できると共に、熱処理後の切削加工の作業効率をも向上できる。さらにまた、焼歪みを低減可能であることにより、冷却水の水温を低下することも可能となる。これにより、冷却水を所定温度とするための工程や熱量を必要とせず、焼入れ処理を効率的に行うこともでき得る。
ここで、金属材料をエアレーション水域内に保持する保持手段としては、該金属材料をエアレーション水域に水没した状態に保つことができるものであれば良い。尚、エアレーション水域では、上述したように、気泡が上昇するに伴って大きくなる傾向にあるため、このエアレーション水域内であっても、金属部材の表面を全体的により被覆し易いように、適正な大きさの気泡が適正な密度で存在する高さ位置(高さ方向の範囲)に、金属部材を保持することが好ましい。このため、保持手段は、このような高さ位置で金属部材を保持可能としたものを、好適に用い得る。
また、このような金属部材の熱処理装置にあって、多孔質部材の開孔が、孔径0.2mm以下であるとした構成が提案される。
ここで、多孔質部材の開孔から発生した多数の気泡は、上昇するに従って、相互に重なる等して大きくなる傾向にある。このため、多孔質部材の開孔の孔径が小さく、該孔径に応じた気泡が発生しても、冷却水中を上昇して金属部材に付着する時には、発生時の孔径よりも大きくなってしまう。ところで、気泡は、上述したように、気泡径が小さいほど、金属部材の表面に付着し易く、かつ該表面を伝って流れ易く、金属部材の表面を全体的に満遍なく被覆し易い。したがって、本構成は、金属部材に付着する気泡が、該金属部材を確実かつ容易に被覆できる大きさとなるように、多孔質部材の開孔の孔径を定めている。尚、この開孔の孔径は、一般的に形成可能な0.05mm以上とすれば良い。
また、上述した金属部材として車両用のアルミニウム合金製ホイールを焼入れ処理する熱処理装置であって、エア供給源から送出する空気の流量を制御する送出流量制御手段を備え、この送出流量制御手段が、アルミニウム合金製ホイール一個当たり50L/min以上かつ100L/min以下の空気量を多孔質部材へ供給するように、エア供給源の送出流量を制御可能なものとした構成が提案される。
このように、送出流量制御手段によりエア供給源から多孔質部材へ供給する空気の流量を上記範囲に制御することによって、アルミニウム合金製ホイールの全表面を容易かつ充分に被覆できる多数の気泡が上昇するエアレーション水域を生成でき得る。これにより、冷却ムラを抑制して焼歪みを低減するという本発明の作用効果を安定して発揮することができる。そして、鋳造によりアルミニウム合金製ホイールを製造する生産工程にあって、上述したように、駄肉を低減できることによる歩留まり性の改善と、切削加工の作業性の改善とを実現し、製造効率を高めるという効果が一層高まる。
尚、空気の流量として、50L/minより少ないと、ホイール全表面を充分に被覆するための気泡量を発生し難い。一方、100L/minより多いと、気泡同士が重なりあって大きな気泡へ成長し易くなるため、ホイール全表面を充分に被覆し難くなってしまう。ここで、ホイールの大きさに応じて流量を適宜制御することが好適であり、比較的小径のものは、空気の供給量を少なめとし、比較的大径のものは、該供給量を多めとする。
また、上述した金属部材として車両用のアルミニウム合金製ホイールを焼入れ処理する熱処理装置であって、エアレーション水域内にアルミニウム合金製ホイールを保持する保持手段が、該アルミニウム合金製ホイールを、その意匠面を上向きとし、かつホイール軸方向が気泡の上昇方向とほぼ沿うようにして、エアレーション水域内に保持するようにした構成が提案される。
かかる構成により、エアレーション水域を上昇する気泡が、アルミニウム合金製ホイールの全表面を被覆し易くなる。これは、ホイール内周面及びディスク部背面へは気泡が直接付着すると共に、このように付着した気泡が各面を伝って上昇することにより、意匠面へ移動して該意匠面を被覆する。また、ホイール外周面へも気泡が直接付着すると共に、該外周面を伝って上方へ流れることにより、このホイール外周面を充分に被覆できる。したがって、多数の気泡がホイール全表面をほぼ隙間無く被覆できることとなる。
本発明の金属部材の熱処理方法は、上述したように、20℃以上かつ100℃以下の冷却水中に、多数の微細な気泡が連続的に上昇するエアレーション水域を生成し、所定温度で熱した金属部材を、このエアレーション水域内に水没させることにより、この金属部材を急冷して焼入れ処理するようにした方法であるから、エアレーション水域の気泡により金属部材の表面を全体的に被覆し、当該金属部材を冷却する場合に生じる冷却ムラを充分に抑制できるため、金属部材の焼入れ処理で生ずる焼歪みを低減できる。したがって、鋳造製造される車両用のアルミニウム合金製ホイールにあって、製造工程で行われるT6処理により生ずる焼歪みを低減できるため、歩留まり性を改善できると共に、切削加工を効率化でき得る。さらには、冷却水の水温を比較的低温としても焼歪みの発生を低減できるため、冷却水の水温を設定する熱量も低減でき得る。このように、アルミニウム合金製ホイールを鋳造成形する製造工程にあって、工程の効率化と製造コストの低減とを実現可能である。
上述した金属部材の熱処理方法にあって、エアレーション水域の微細な気泡が、気泡径10mm以下である方法とすることにより、エアレーション水域の気泡が容易に、金属部材の表面を全体的にほぼ隙間無く被覆できる。したがって、上述した焼入れ処理により生ずる冷却ムラを低減する効果を一層高め得る。
上述した金属部材の熱処理方法にあって、多数の微細な開孔がほぼ均一に形成されてなる多孔質部材を、冷却水中に配設し、この多孔質部材内に所定流量の空気を供給することにより、その各開孔から気泡を順次発生させ、エアレーション水域を生成するようにした場合には、エアレーション水域内で多数の微細な気泡がほぼ均一に上昇することとなるため、該気泡が金属部材の表面にほぼ一様に付着し易く、該表面全体を隙間無く被覆できることとなる。したがって、上述した焼入れ処理により生ずる冷却ムラを低減する効果が一層向上する。
車両用のアルミニウム合金製ホイールの熱処理方法であって、冷却水中に配設された多孔質部材内にアルミニウム合金製ホイール一個当たり50L/min以上かつ100L/min以下の流量の空気を供給することによってエアレーション水域を生成するようにした場合には、このエアレーション水域内で上昇する多数の気泡により、アルミニウム合金製ホイールの全表面を充分に被覆可能とすることができ得る。したがって、アルミニウム合金製ホイールの焼入れ処理にあって、焼歪みを低減することができ、上述した製造工程上の作用効果を一層容易かつ安定して発揮することができ得る。
車両用のアルミニウム合金製ホイールの熱処理方法であって、このアルミニウム合金製ホイールを、該ホイールの意匠面を上向きとし、かつホイール軸方向が気泡の上昇方向とほぼ沿うようにして、エアレーション水域内に水没するようにした場合には、エアレーション水域内で上昇する多数の気泡により、ホイール内周面、ディスク部背面、ホイール外周面、意匠面を一層容易かつ充分に被覆できるから、冷却ムラを抑制して焼歪みを低減する作用効果を安定して発揮でき得る。
一方、本発明の金属部材の熱処理装置は、20℃以上かつ100℃以下の冷却水を貯留する水槽内に、多数の微細な開孔をほぼ均一に備えた多孔質部材を配設し、該多孔質部材にエア供給源から送出された空気を導入することにより、その各開孔から微細な気泡を排出して、この多数の気泡が上昇するエアレーション水域を生成し、保持手段により、所定温度で熱した金属部材をこのエアレーション水域内に保持することによって、金属部材の焼入れ処理を行うようにした構成であるから、この焼入れ処理では、多数の微細な気泡により、金属部材の表面を全体的に被覆することができるため、冷却ムラを抑制でき、焼歪みを低減でき得る。この熱処理装置により、アルミニウム合金製ホイールを熱処理する場合にあっても、前記のように焼歪みを低減できることから、鋳造時に付加する駄肉を低減でき、歩留まり性を改善でき得る。さらに、冷却水の水温も比較的低く設定可能となるため、水温設定の作用や熱量を低減できる。したがって、アルミニウム合金製ホイールを鋳造成形する製造工程にあって、その製造効率を向上できると共に、製造コストを低減可能となる。
上述した金属部材の熱処理装置にあって、多孔質部材の開孔が、孔径0.2mm以下である構成とした場合には、この開孔から発生する気泡が、金属部材の表面に比較的容易に付着し易く、かつこの付着した気泡が表面に沿って上昇し易くなる。したがって、金属部材の表面を全体的に満遍なく被覆でき、冷却ムラを抑制するという作用効果に一層優れる。
車両用のアルミニウム合金製ホイールの熱処理装置であって、エア供給源から送出する空気の流量を、アルミニウム合金製ホイール一個当たり50L/min以上かつ100L/min以下とするように制御可能な送出量制御手段を備えた構成とした場合には、アルミニウム合金製ホイールの全表面を容易かつ充分に被覆できる気泡が上昇するエアレーション水域を生成でき得る。したがって、冷却ムラを抑制して焼歪みを低減するという本発明の作用効果を一層安定して発揮することができ、アルミニウム合金製ホイールの製造効率を一層向上できると共に製造コストを一層低減できる。
車両用のアルミニウム合金製ホイールを焼入れ処理する熱処理装置であって、保持手段が、アルミニウム合金製ホイールを、その意匠面を上向きとし、かつホイール軸方向が気泡の上昇方向とほぼ沿うようにして、エアレーション水域内に保持するようにした構成とした場合には、エアレーション水域を上昇する気泡が、アルミニウム合金製ホイールのホイール内周面、ディスク部背面、ホイール外周面、意匠面に被覆し易く、ほぼ隙間無く被覆でき得る。したがって、上述した冷却ムラを抑制し、焼歪みを低減できるという作用効果が一層高まる。
本発明の実施例を添付図面を用いて詳述する。
本実施例の熱処理装置は、車両用のアルミニウム合金製ホイールを鋳造成形する製造工程にあって、所定金型により鋳造する鋳造工程後に、T6処理する熱処理工程で、焼入れ処理に用いられるものである。ここで、アルミニウム合金製ホイールの製造工程では、前記熱処理工程後に、所望の製品形状に切削加工する切削加工工程を行うようになっている。このため、鋳造工程では、所望の製品形状に対して駄肉を付加された形状に鋳造するようにしている。本実施例にあっては、この鋳造工程により得られる状態を、鋳造ホイール30(図4参照)として説明している。尚、この鋳造ホイール30は、所望の製品形状に駄肉が付加された状態のものであるから、実質的にアルミニウム合金製ホイールと同じであり、本実施例を説明する上での表現である。
この熱処理装置は、鋳造ホイール30を所定温度に熱して溶体化処理する加熱炉(図示省略)と、図1に示す、溶体化処理した鋳造ホイール30を水冷する急冷装置1とを備えている。この急冷装置1には、所定水温の冷却水wを貯留する水槽3と、この水槽3内に配設され、多数の微細な開孔(図示省略)が形成されたエアストーン4と、該エアストーン4内へ所定流量の空気を送出するコンプレッサー5とを備えている。
ここで、エアストーン4は、多孔質のセラミック材からなり、所定板厚の略円盤形状を成している。本実施例にあっては、鋳造ホイール30のホイール径に対して約1.2倍〜約1.5倍の円盤径としており、その開孔を、約0.05mm〜0.2mmの孔径としている(図示省略)。エアストーン4には、その表面の全域に、このような多数の開孔がほぼ均一に存在する。このエアストーン4は、水槽3内の底に、その略円形状面が水平方向にほぼ沿うように配置される。
このエアストーン4には、前記したコンプレッサー5から送出された空気が流れてくるエアチューブ6が結合されており、コンプレッサー5から送出された空気が、エアチューブ6を介してエアストーン4の内部に導入されるようになっている。このようにエアストーン4内に導入された空気は、該エアストーン4の多数の微細な開孔から排出する。ここで、エアストーン4内に導入された空気は、主に上側の開孔から排出される。これにより、エアストーン4の上方に、該エアストーン4から排出した多数の気泡が上昇するエアレーション水域Tが生成される。このエアレーション水域Tの水平方向面積は、前記したエアストーン4の円盤径に従って定まっている。すなわち、このエアレーション水域Tは、該領域T内に鋳造ホイール30を充分に水没可能な大きさとなっている。さらに、上記したように、エアストーン4は多数の開孔をほぼ均一に有しているものであるから、エアレーション水域Tでは、多数の気泡がほぼ均一かつ比較的密に上昇する状態となっている。
また、上述したコンプレッサー5には、空気を送出する送出口(図示省略)を開閉する開閉弁(図示省略)と、この開閉弁の開閉を制御して送出口の開口量を調整することにより、空気の送出流量を制御する送出量制御装置8とが設けられている。この送出量制御装置8により、コンプレッサー5から送出する空気の送出流量を設定することによって、エアストーン4の各開口から排出される気泡の排出量が決まり、エアレーション水域T内に存在する気泡量も定まることとなる。本実施例にあって、送出量制御装置8は、コンプレッサー5から送出する空気の送出流量を50L/min〜100L/minとなるように制御可能となっている。
また、この急冷装置1には、加熱炉(図示省略)で溶体化処理した鋳造ホイール30を、上記した水槽3内に生成したエアレーション水域T内に保持する保持装置9を備えている。この保持装置9は、細長いの二本の載置杆9aと、この二本の載置杆9aを水平方向に沿って互いに略平行となるように支持する支持部9bと、載置杆9aを上下方向及び水平方向へ移動するように支持部9bを駆動制御する駆動制御部(図示省略)とを備えている。この保持装置9は、加熱炉(図示省略)で溶体化処理した鋳造ホイール30を、二本の載置杆9a上に載置して該加熱炉から取り出し、水槽3内のエアレーション水域Tへ水没して、このエアレーション水域T内に水没した状態で保ち、該水槽3内から取り出して次ぎの人工時効する工程へ搬送する作動を、順次実行するように制御されているものである。このように、本実施例の保持装置9は、鋳造ホイール30をエアレーション水域T内で保持する作業と、鋳造ホイール30をエアレーション水域Tへ水没する作業と、取り出す作業とを実行するものである。尚、載置杆9aは、水平方向幅が比較的薄いものとしており、鋳造ホイール30を載置してエアレーション水域T内に保持した場合に、該エアレーション水域Tでエアストーン4から上昇する気泡を遮る領域をできるだけ狭くしている。
ここで、加熱炉(図示省略)で溶体化処理した鋳造ホイール30は、保持装置9の載置杆9a上に、図1のように、その意匠面が上向きとなるように載置している。これにより、この保持装置9により、エアレーション水域T内に水没した鋳造ホイール30は、その意匠面が上向きであり、かつホイール軸方向がエアレーション水域Tの気泡の上昇方向とほぼ沿った姿勢で、該エアレーション水域T内に保持される。
尚、上述したエアストーン4が、本発明にかかる多孔質部材である。また、コンプレッサー5が、本発明にかかるエア供給源であり、送出量制御装置8が、本発明に掛かる送出量制御手段である。さらに、保持装置9が、本発明にかかる保持手段である。
次に、上述した熱処理装置の急冷装置1により、所定温度で溶体化処理した鋳造ホイール30を冷却し、焼入れ処理する過程について説明する。
上述したように、鋳造工程から得た鋳造ホイール30を、図示しない加熱炉により、500℃以上共晶温度以下に加熱して溶体化処理する。一方、急冷装置1にあっては、水槽3内に約80℃の冷却水wを満たすと共に、該水槽3の底に、上記したエアストーン4を、その円形状面が略水平方向に沿うようにして配置する。そして、コンプレッサー5を起動すると共に、送出量制御装置8により空気の流量を約80L/minに設定する。このようにコンプレッサー5から送出された空気が、エアチューブ6を介してエアストーン4に導入されると、エアストーン4の主に上側の各開孔から気泡が連続して発生し、水槽3内の冷却水w中を上昇して、エアレーション水域Tが生成される。
ここで、上述したように、エアストーン4は、孔径0.05mm〜0.2mmの開孔が多数存在する多孔質なものであるため、この孔径に従って微細な気泡が各開孔から連続発生する。このように発生した気泡は、比較的密に上昇することから、互いに気泡同士が重なって大きな気泡に成長する。本実施例にあっては、前記孔径から発生した気泡は、空気の流量を上記のように約80L/minとしていることから、冷却水w中を上昇する過程で、約0.5mm〜約5mmの気泡径となっている。このように微細な気泡が、多数連続して上昇することにより上記したエアレーション水域Tが生じている。
上記した加熱炉により、鋳造ホイール30を溶体化処理すると、保持装置9を駆動し、その載置杆9a上に鋳造ホイール30を載置して、該加熱炉から取り出す。そして、この鋳造ホイール30を、載置杆9a上に載置したまま、急冷装置1の水槽3内に生成したエアレーション水域T内に水没させる。ここで、保持装置9は、上述したように、鋳造ホイール30を、その意匠面が上向きとなるようにして、載置杆9a上に載置している。尚、保持装置9は、鋳造ホイール30を、加熱炉から取り出してからエアレーション水域Tへ水没するまで、約30秒以内という比較的短い時間で移送するように駆動制御している。
このように、保持装置9により、鋳造ホイール30をエアレーション水域T内に所定時間保持し、該鋳造ホイール30を焼入れ処理する。ここで、上述のように、エアストーン4から発生した気泡は、上昇するに従って大きく成長することから、エアレーション水域T内で、エアストーン4からの高さ位置に応じて気泡径も異なっている。本実施例にあっては、鋳造ホイール30の表面に気泡が被覆する作用をより適正に発揮できるように、該鋳造ホイール30を保持するエアレーション水域T内の高さ位置(高さ範囲)を、該鋳造ホイール30に付着する気泡の気泡径が約2mm以下となる高さとして、保持装置9を制御している。ここで、エアレーション水域T内の、気泡が約2mm以下の気泡径という比較的小さな大きさである高さ位置では、気泡も比較的密集している(高密度)となっていることから、鋳造ホイール3の表面に隙間無く付着する作用も一層高くなる。
そして、上述したように溶体化処理した鋳造ホイール30をエアレーション水域T内に水没すると(図1参照)、鋳造ホイール30の全表面に、エアレーション水域T内で上昇する多数の微細な気泡が付着して、この鋳造ホイール30の全表面を被覆する。詳細に説明すると、鋳造ホイール30のホイール内周面31(図4参照)には、エアストーン4の開孔から上昇した気泡が直接付着し、連続的にホイール内周面31を伝って順次上昇する。このようにして、鋳造ホイール30のホイール内周面31は多数の気泡により被覆される。また、鋳造ホイール30のディスク部背面32(図4参照)にも、同様に気泡が直接付着する。そして、このディスク部背面32に付着した多数の気泡は、飾り孔34(図4参照)から、ディスク部背面32を伝って意匠面33(図4参照)に順次移動する。さらに、前記したホイール内周面31に付着した気泡も、このホイール内周面31を伝って上昇し、その一部が飾り孔34から回り込んで意匠面33に順次移動する。このように意匠面33に移動した多数の気泡により、該意匠面33が被覆される。尚、エアレーション水域Tでは、多数の気泡が連続して発生して上昇していることから、前記した付着及び表面を伝う移動が絶え間なく進行し、鋳造ホイール30のホイール内周面31、ディスク部背面32、意匠面33とが多数の微細な気泡により被覆された状態が維持される。
一方、鋳造ホイール30のホイール外周面35(図4参照)にも、エアレーション水域Tを上昇する多数の気泡が付着する。一般的にホイール外周面35は、リムフランジ部37a,37bがホイール径方向外側に突出していることから、多数の気泡は、下側(背面側)のリムフランジ部37bから回り込むように、ホイール外周面35に順次付着して、該外周面を伝って順次上昇する。ここでも、上述したように、多数の気泡が連続して発生していることから、ホイール外周面35に付着して上昇することが絶え間なく進行するため、このホイール外周面35にあっても、多数の微細な気泡により満遍なく被覆された状態が維持される。
このように鋳造ホイール30の全表面には、上述したように、エアストーン4から発生した多数の微細な気泡だけでなく、鋳造ホイール30の熱量により蒸発した冷却水wの気泡も付着する。すなわち、鋳造ホイール30の温度が比較的高い状態では、エアレーション水域Tの気泡と、冷却水wの蒸発した気泡とにより、全表面を被覆する作用が高まっている。これは、エアレーション水域Tでは、エアストーン4から順次連続して発生する気泡により、水槽3内の冷却水w中の空気含有率が高まることから、溶体化処理した鋳造ホイール30を水没したときに、該鋳造ホイール30に触れた冷却水wが蒸発して気泡となって付着する量も増加し、エアストーン4から発生する気泡と相乗効果が生じるためである。
鋳造ホイール30の全表面を被覆する多数の気泡は、上述したように、約2mm以下の気泡径の微細なものであるから、該全表面に隙間無く付着し易く、かつ全表面を伝って流れ易くなっている。すなわち、エアレーション水域Tを連続して上昇する多数の微細な気泡により、上述したような鋳造ホイール30を被覆する作用が確実かつ充分に発生する。
このように、鋳造ホイール30は、その全表面が多数の微細な気泡により満遍なく被覆され、この状態が維持されることから、被覆された多数の気泡により冷却水wが直接鋳造ホイール30に接触することを防いでいる。これにより、これら気泡があたかも断熱層となって、冷却水wが鋳造ホイール30から直接的に熱を奪うことを防ぎ、冷却作用を全体的に和らげると共に、該冷却作用が全体的にほぼ同じように進行するようにしている。これにより、鋳造ホイール30の同程度の肉厚部位がほぼ同様に冷却されるだけでなく、肉厚の異なる部位間でも、比較的薄肉の冷却され易い部分と比較的厚肉の冷却され難い部分との冷却ムラを抑制することができる。さらに、上記したように、鋳造ホイール30の全表面が多数の気泡により被覆されることから、形状に伴って生じる冷却ムラは、そのほとんどを抑制でき得る。したがって、上述した従来構成のように、局部的に冷却作用が強く生じたりすることもなくなるため、当該焼入れ処理後に生ずる反りや変形等の焼歪みの発生を低減でき得る。
上述のように、溶体化処理した鋳造ホイール30をエアレーション水域Tに所定時間水没して急冷する焼入れ処理が終了すると、保持装置9は、鋳造ホイール30を冷却水w中から取り出して、次の人工時効処理工程(図示省略)へ移送する。そして、所定の人工時効処理が行われる。これにより、鋳造ホイール30を熱処理するT6処理が終了する。
次に、上述した実施例の熱処理装置により焼入れ処理した場合の、焼歪みを実測した結果について説明する。尚、本発明の焼歪み低減効果を明確にするための比較例1として、上述した従来構成として、外側水槽と内側水槽との間で冷却水wを循環させることにより、内側水槽に水没した鋳造ホイールの表面に発生した気泡を取り除き、焼入れ処理するようにした場合についても、その焼歪みを測定している。さらに別の比較例2として、冷却水wを貯留した通常の水槽内に、鋳造ホイール30を単純に水没した場合についても、その焼歪みを測定している。
ここで、鋳造ホイール30はリム径16インチのホイールを用い(図4参照)、所望のホイール形状に付加する駄肉量としては、上記した比較例2の一般的な焼入れ処理を行った場合に、当該熱処理工程後の切削加工工程により所望のホイール形状を得ることができる量としている。また、実施例、比較例1、比較例2とも、同じ鋳造金型により鋳造した鋳造ホイール30を用いている。
焼歪みとして、焼入れ処理前のホイール形状に対して、該焼入れ処理後(人工時効後)のホイール形状の変化量を、ホイール径方向とホイール軸方向とについて測定した。ここで、ホイール径方向の変化量は、意匠面側及び背面側のリムフランジ部37a,37b、ホイール内周面31のホイール軸方向中心位置(図示省略)について夫々測定している。また、ホイール軸方向の変化量は、意匠面側及び背面側のリムフランジ部37a,37b、ディスク部背面32の外側寄り位置、ディスク部背面32の内側寄り位置について夫々測定している。そして、ホイール径方向及びホイール軸方向の各変化量は、それぞれの測定位置で、周方向に沿って略均等間隔で20箇所測定している。
この焼入れ処理による焼歪みの測定結果を、上記した意匠面側のリムフランジ部37aを代表として、図2,図3に示す。図2は、ホイール径方向の変形量を測定した結果であり、ホイール径方向外側への変形をプラス表示し、ホイール径方向内側への変形をマイナス表示している。また、図3は、ホイール軸方向の変形量を測定した結果であり、ホイール軸方向背面側への変形をマイナス表示し、その逆側への変形をプラス表示している。
図2から、ホイール径方向への変形量は、比較例1及び比較例2の各焼入れ処理の場合に比して、本実施例の焼入れ処理により、焼入れ処理前後で小さくなっていることが分かる。円周方向についても、全体的に変形量が少ないことから、真円に近い形状となっている。尚、この意匠面側のリムフランジ部37a以外の測定点にあっても、同様に、比較例1及び比較例2に比して、本実施例の変形量が少ないことが分かった。
また同様に、図3から、ホイール軸方向への変形量も、比較例1及び比較例2の各焼入れ処理の場合に比して、本実施例の焼入れ処理により、焼入れ処理前後で小さくなっていることが分かる。円周方向の各測定位置でも、全体的にほぼ同様に変形量が小さいことから、円周方向全体として、所謂うねりが少ないことがわかる。尚、この意匠面側のリムフランジ部37a以外の測定点にあっても、同様に、比較例1及び比較例2に比して、本実施例の変形量が少ないことが分かった。
このように、本実施例の熱処理装置による焼入れ処理によれば、従来の比較例1及び比較例2に比して、焼歪みが低減できることが明らかである。そして、上記した16インチのホイールにあっては、比較例2の焼入れ処理に比して、本実施例の焼入れ処理を行うことにより、駄肉量を約50%少なくすることも可能である。これにより、歩留まり性が向上する。加えて、原料費が低減できると共に、切削加工工程の切削量も低減することから、この加工工程も効率化できる。また、焼歪みを低減できることにより、冷却水wの水温をさらに低くして、急冷する効果を高めることもできる。上記した16インチのホイールにあっては、比較例2の焼入れ処理で冷却水wの水温を約80度としていたことに対して、本実施例の焼入れ処理では冷却水wの水温を約50度とすることも可能である。これにより、冷却水wを所定水温に加熱するための熱量を低減できると共に、急冷時間も短時間化できることから、製造工程の効率化と低コスト化が実現でき得る。
また、上述した実施例にあっては、エアレーション水域Tをなす多数の微細な気泡を、コンプレッサー5からエアストーン4に送出した空気により発生させるようにしたことから、比較的安価にエアレーション水域Tを生成することが可能である。さらに、空気の気泡を発生することにより、鋳造ホイール30の熱量により冷却水wが蒸発して生じる気泡も増加する傾向となるため、エアレーション水域Tの気泡だけでなく、鋳造ホイール30の熱量により冷却水wが蒸発して生じる気泡によっても、当該鋳造ホイール30を隙間無く被覆する効果が増大する。また、冷却水wを満たした水槽3内に、コンプレッサー5とエアチューブ6を介して連結したエアストーン4を配設するだけでよいため、比較的容易に構成することができるという優れた利点も有する。
上述した実施例にあっては、一個のエアストーン4により一個の鋳造ホイール30を水没するエアレーション水域Tを生成するようにした構成であるが、複数個の鋳造ホイール30を同時に急冷可能となるように、エアレーション水域を生成することもできる。この場合には、同時に急性する鋳造ホイール30の個数に応じて、これら鋳造ホイール30を全て水没できるエアレーション水域を生成可能な大きさのエアストーンを配設する。そして、鋳造ホイール30の個数に従って、コンプレッサーからホイール一個当り50L/min〜100L/minの流量の空気を、エアストーンへ送出して微細な気泡を発生させる。尚、鋳造ホイール30の個数が多くなった場合に、エアストーンが全体的にほぼ均一な気泡を発生することができるように、複数のコンプレッサーからエアストーンの複数箇所に夫々に連結するようにしても良い。
また、このエアストーン4にあっても、上記した略円盤形状に限定されず、様々な形状とすることができる。ここで、焼入れ処理する金属部材を、エアレーション水域T内に充分に水没できるように、エアストーンの大きさを設定すれば良い。尚、このエアストーンだけでなく、ほぼ均一に微細な開孔を多数有する多孔質部材を用いることにより、上記した実施例と同様の作用効果を発揮でき得る。
また、上述した実施例にあって、コンプレッサー5から送出する空気の流量を制御するために、送出量制御装置8を設けた構成であるが、その他、開閉弁と、該開閉弁の下流側に流量計を設置し、作業者が、流量計で送出量を確認しながら、手動により開閉弁の開閉量を調整するようにしても良い。さらにまた、コンピュータ等を開閉弁に接続して、予め設定した流量に自動制御したり、コンプレッサーが、それ自体に送出流量を制御する機能を有する構成として制御するものとしても良い。
また、上述した実施例のコンプレッサー5の代わりに、エアポンプを配設するようにしても良い。また、比較的広い工場では、高性能の工場用コンプレッサーが設置され、工場内に配管されたエア管路にエアを供給するようにしている場合もあることから、このエア管路からエアストーン4に空気を送るようにすることもできる。
さらに、上述した実施例にあっては、保持装置9がその載置杆9a上に鋳造ホイール30を載置してエアレーション水域T内に保持するようにしているが、この他の構成として、鋳造ホイール30を、そのハブ穴等で把持し、エアレーション水域T内でほとんど動くことがないように保持する保持装置を備えたものとすることもできる。この構成にあっても、上述した本発明の作用効果を適切に発揮できる。
また、上述した実施例にあっては、焼入れ処理における冷却水wを、約80℃の水温に設定した構成であるが、鋳造ホイールの寸法形状等の焼入れ処理条件に応じて、異なる水温に設定することも可能である。上述したように、約50℃の水温の冷却水を用いることができ、さらに、比較的薄肉かつ小径の鋳造ホイールにあっては、一層低い水温(約20℃〜50℃)の冷却水を用いることもできる。本発明にあっては、例えば、約80℃〜100℃の冷却水で焼入れ処理していた処理方法に対して、上述したように焼歪みの低減効果を利用することにより、前記水温より低温の冷却水で焼入れ処理できるようにしたものである。すなわち、同じ条件で焼入れ処理する場合には、従来より低い、約60℃以下の水温の冷却水を用い得る。特に、冷却水を約20℃〜約30℃とすれば、この水温はほぼ室温と同じであることから、該冷却水を所定水温に加熱することも必要とならず、車両用のアルミニウム合金製ホイールの製造コスト低減への寄与が非常に大きい。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、アルミニウム合金製ホイールだけでなく、スチール製やマグネシウム合金製等のような他の金属製ホイールにも適用でき得る。さらに、車両用ホイール以外の用途にあっても、焼入れ処理する用途で適用可能である。
本発明の熱処理装置の急冷装置1を表す概略図である。 本実施例の熱処理装置により焼入れ処理した、鋳造ホイール30の真円度を測定した結果を表す図表である。 本実施例の熱処理装置により焼入れ処理した、鋳造ホイール30のうねりを測定した結果を表す図表である。 鋳造工程後の鋳造ホイール30の、(A)平面図と(B)断面図である。
符号の説明
1 急冷装置(熱処理装置)
3 水槽
4 エアストーン(多孔質部材)
5 コンプレッサー(エア供給源)
8 送出量制御装置(送出量制御手段)
9 保持装置(保持手段)
30 鋳造ホイール(アルミニウム合金製ホイール、金属部材)
T エアレーション水域
w 冷却水

Claims (9)

  1. 金属部材を、所定温度で熱した後、水冷することにより焼入れ処理する金属部材の熱処理方法において、
    20℃以上かつ100℃以下の冷却水中に、多数の微細な気泡が連続的に上昇するエアレーション水域を生成し、金属部材を、このエアレーション水域内に水没させることにより、この金属部材を急冷して焼入れ処理するようにしたことを特徴とする金属部材の熱処理方法。
  2. エアレーション水域の微細な気泡が、気泡径10mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属部材の熱処理方法。
  3. エアレーション水域は、多数の微細な開孔がほぼ均一に形成されてなる多孔質部材を、冷却水中に配設し、この多孔質部材内に所定流量の空気を供給することにより、その各開孔から気泡を順次発生させ、これら多数の気泡が当該冷却水中を上昇することにより生成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属部材の熱処理方法。
  4. 金属部材として車両用のアルミニウム合金製ホイールを焼入れ処理する熱処理方法であって、
    エアレーション水域は、冷却水中に配設された多孔質部材内に、アルミニウム合金製ホイール一個当たり50L/min以上かつ100L/min以下の流量の空気を供給することによって生成されていることを特徴とする請求項3に記載の金属部材の熱処理方法。
  5. 金属部材として車両用のアルミニウム合金製ホイールを焼入れ処理する熱処理方法であって、
    このアルミニウム合金製ホイールを、該ホイールの意匠面を上向きとし、かつホイール軸方向が気泡の上昇方向とほぼ沿うようにして、エアレーション水域内に水没するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の金属部材の熱処理方法。
  6. 金属部材を、所定温度で熱した後、水冷することにより焼入れ処理する金属部材の熱処理装置において、
    20℃以上かつ100℃以下の冷却水を貯留する水槽と、
    所定流量の空気を送出するエア供給源と、
    多数の微細な開孔をほぼ均一に備えてなるものであって、前記水槽内に配設され、エア供給源から送出された空気を導入して各開孔から微細な気泡を排出することにより、多数の微細な気泡が上昇するエアレーション水域を生成する多孔質部材と、
    金属部材を、前記エアレーション水域内に保持する保持手段と
    を備えてなるものである金属部材の熱処理装置。
  7. 多孔質部材の開孔が、孔径0.2mm以下である請求項6に記載の金属部材の熱処理装置。
  8. 金属部材として車両用のアルミニウム合金製ホイールを焼入れ処理する熱処理装置であって、
    エア供給源から送出する空気の流量を制御する送出流量制御手段を備え、この送出流量制御手段が、アルミニウム合金製ホイール一個当たり50L/min以上かつ100L/min以下の空気量を多孔質部材へ供給するように、エア供給源の送出流量を制御可能なものである請求項6又は請求項7に記載の金属部材の熱処理装置。
  9. 金属部材として車両用のアルミニウム合金製ホイールを焼入れ処理する熱処理装置であって、
    エアレーション水域内にアルミニウム合金製ホイールを保持する保持手段が、該アルミニウム合金製ホイールを、その意匠面を上向きとし、かつホイール軸方向が気泡の上昇方向とほぼ沿うようにして、エアレーション水域内に保持するようにしたものである請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の金属部材の熱処理装置。
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