JP2007131729A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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幸介 大谷
Hironobu Shigematsu
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Abstract

【課題】熱および光に対する耐久性、NOxガスとの接触による耐変色、機械物性に優れる熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】下記(A)成分100重量部に対して下記(B)、(C)および(D)成分がそれぞれ0.05〜3重量部含有されてなる熱可塑性エラストマー組成物。(A):(a1)プロピレン系樹脂10−80重量部、(a2)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム90−20重量部((a1)と(a2)の合計量を100重量部とする)からなる熱可塑性エラストマー、(B):下記式(I)で表わされるヒンダードフェノール化合物、(C):2個のピペリジン環を有するヒンダードアミン、(D):ピペリジン環化合物とジカルボン酸からなるエステルオリゴマーで分子量が2000〜5000であるヒンダードアミン。
(I)
Figure 2007131729

【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、使用時の熱酸化劣化および光劣化に対して安定であるのみならず、燃焼ガスや酸化窒素ガス(以下NOxガスと略記する)との接触による変色に対しても優れた安定性を有し、さらには機械物性に優れた熱可塑性エラストマーに関するものである。
熱可塑性エラストマー組成物は、適度な剛性(柔軟性)と成形加工性を併せ持ち、更にはリサイクルが可能であるといった特徴を持ち、コンソールボックス、インストルメントパネル、エアバッグカバー材などの自動車内装部品、及びウインドモールなどの自動車外装部品に用いられるようになった。(特許文献1、特許文献2参照。)。
しかしながら、高性能が求められる自動車部品用途において、上記組成物より得られる成形体は、熱および光に対する耐久性、NOxガスとの接触による耐変色、機械物性の全てを満足するには至らない場合があった。
特開平8−337697号公報 特開平11−111061号公報
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、熱および光に対する耐久性、NOxガスとの接触による耐変色、機械物性の全てを満足する熱可塑性エラストマー組成物を提供することにある。
すなわち本発明は、下記成分(A)100重量部に対して下記(B)、(C)および(D)がそれぞれ0.05〜3重量部含有されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
(A):下記成分(a1)の含有量が10〜80重量部であり、(a2)の含有量が90〜20重量部である熱可塑性エラストマー。(ただし(a1)および(a2)の合計量を100重量部とする)
(a1):プロピレン系樹脂
(a2):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(B):下記式(I)で表されるヒンダードフェノール化合物
(C):下記式(II)で表される化合物
(D):下記式(III)で表され分子量が2000から5000である化合物
(I)
Figure 2007131729



(II)
Figure 2007131729
(III)(nは、8〜18の整数である)
Figure 2007131729
本発明により、熱および光に対する耐久性、NOxガスとの接触による耐変色、機械物性に優れる熱可塑性エラストマー組成物を提供することができる。
成分(a1)のプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体および/またはプロピレンから誘導される単量体単位と、エチレンまたは炭素原子数4〜20の鎖状オレフィンから誘導される単量体単位とを含有する重合体である。炭素原子数4〜20の鎖状オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の直鎖状オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状オレフィンなどがあげられ、これらは1種以上用いられる。
成分(a1)のプロピレン系樹脂としては、具体的には、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン今日重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体などをあげることができる。これら共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
成分(a1)のプロピレン系樹脂として共重合体を用いる場合、第1工程で重合された第1セグメントである結晶性プロピレンホモポリマー部分もしくは結晶性プロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー部分と、第2工程で重合された第2セグメントであるプロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー部分とを有するブロックコポリマーを用いることが好ましい。
成分(a1)のプロピレン系重合体がプロピレン−α−オレフィンブロックコポリマーの場合、プロピレンホモポリマー部分とプロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー部分とを有する重合体であって、以下の要件(イ)、(ロ)および(ハ)を充足する重合体であることが好ましい。
(イ)20℃キシレン可溶部の含有量が2.0重量%以下であること
(ロ)20℃キシレンに可溶の成分と沸騰ヘプタンに可溶の成分との総量の含有量が5.0重量%以下であること
(ハ)20℃キシレンに不溶であり、かつ沸騰ヘプタンに不溶である成分のアイソタクチック・ペンタッド分率が0.970以上であること
20℃キシレン可溶の成分の含有量とは、以下の方法で測定されるものである。すなわち、成分(a1)のプロピレン系樹脂5gを沸騰キシレン500mlに完全に溶解させた後、20℃で4時間放置し、次にこれを濾別し、20℃キシレン不溶成分を分離する。濾液を濃縮、乾固してキシレンを蒸発させ、さらに減圧下60℃で乾燥して、20℃のキシレンに可溶な重合体を得る。この乾燥重量を仕込みサンプル重量で除した値を百分率で表現したものが20℃キシレン可溶部の含有量である。
20℃キシレンに可溶の成分と沸騰ヘプタンに可溶の成分との総量の含有量とは、以下の方法で測定されるものである。すなわち、上記の「20℃キシレン可成分の測定」で得られた20℃キシレン不溶成分を乾燥後、沸騰n−ヘプタンで8時間ソックスレー抽出する。この抽出残渣を沸騰ヘプタン不溶成分と称し、この沸騰ヘプタン不溶成分の乾燥重量を仕込みサンプル重量(5g)から減じた値を仕込みサンプル重量で除した値を百分率で表現したものが、20℃キシレンに可溶の成分と沸騰ヘプタンに可溶の成分との総量の含有量である。
20℃キシレンに不溶であり、かつ、沸騰ヘプタンに不溶である成分のアイソタクチック・ペンタッド分率は、上記の「20℃キシレンに可溶の成分と沸騰ヘプタンに可溶の成分との総量の含有量の測定」で得られた沸騰ヘプタン不溶成分を用いて測定される。
アイソタクチック・ペンタッド分率とは、13C−NMRを使用して測定される結晶性ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖、換言すればプロピレン単量体単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレン単量体単位の分率であり、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に発表されている方法を、Macromolecules,8,687(1975)に基づいたNMR吸収ピークの帰属によって行うものである。具体的には13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測定する。なお、この方法により英国NATIONAL PHYSICAL LABORATORYのNPL 標準物質CRM No. M19−14Polypropylene PP/MWD/2のアイソタクチック・ペンタッド分率を測定したところ、0.944であった。
該ブロックコポリマーはスラリー重合法および気相重合法によって製造が可能である。特に高い耐衝撃性が要求される用途に用いる場合、第2セグメント量を多くすることが必要であり気相重合法によって好適に製造される。
成分(a1)のプロピレン系樹脂のプロピレンから誘導される単量体単位の含有量は、60〜100重量%であり、好ましくは70〜100重量%であり、より好ましくは80〜98重量%である。ただし、プロピレン系樹脂の全単量体単位の含有量を100重量%とする。該含有量が少なすぎると成形品の耐熱変形性が不十分となる(熱変形量が大きくなる)。
成分(a1)のプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、5〜200g/10分であり、好ましくは10〜150g/10分であり、より好ましくは20〜200g/10分である。該MFRが小さすぎると樹脂組成物の溶融流動性が低いため成形品が変形したり外観不良が発生し、該MFRが大きすぎると成形品の機械物性が低下する。該MFRは、JIS K7210に従い、荷重21.18N、温度230℃の条件で測定される。
成分(a1)のプロピレン系樹脂の融解温度は、130℃以上であり、好ましくは140℃以上であり、より好ましくは150℃以上である。該融温度が低すぎると、成形品の耐熱変形性が不十分となる(熱変形量が大きくなる)。なお、該融解温度は、JIS K7122に準拠し、示差走査熱量測定(DSC)法により測定される。
成分(a1)のプロピレン系樹脂の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。また、市販の該当品を用いることも可能である。
成分(a2)のエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムは、エチレン単量体単位およびα−オレフィン単量体単位を含有し、オレフィン単量体単位を主成分とする共重合体ゴムである。ムーニー粘度(ML1+4,100℃)20〜200であるゴム質重合体。α−オレフィンとしては、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の直鎖状オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状オレフィンなどがあげられ、なかでもプロピレンが好ましい。また、オレフィン以外の単量体単位として、例えば、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン単位を含有していてもよく、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)やエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)などを挙げることができる。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)の100℃のム−ニ−粘度(ML1+4100℃)は、得られる熱可塑性エラストマ−組成物の機械的強度を高める観点から、好ましくは20以上であり、より好ましくは30以上であり、成形加工性を高める観点からは、該ム−ニ−粘度は、好ましくは200以下であり、より好ましくは150以下である。ここで、通常、ムーニー粘度はゴムの分子量を示す尺度として使用されている。その測定し得る上限は実態として200であり、通常は100以下の測定値が得られる温度で測定されるから、上記ムーニー粘度の100を超える値は、100℃より高い温度(たとえば、125℃や140℃)での測定値を経験式に基づいて換算した値となる。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)のエチレン含有量は10〜80重量%、好ましくは30〜78重量%、更に好ましくは50〜75重量%である。エチレン含有量が10重量%より少ないと機械的特性、熱、酸素および光に対する安定性が低下する場合があり、80重量%より多いと柔軟性が低下する場合がある。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)は、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法により製造される。例えば、チ−グラ−・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、スラリ−重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等があげられる。
成分(a2)には鉱物油系軟化剤が含有されていていてもよい。鉱物油系軟化剤には、通常アロマ系、ナフテン系、パラフィン系鉱物油などが用いられる。これら鉱物油の中では、成形品の外観、色調を高める観点からパラフィン系鉱物油が好ましい。鉱物油系軟化剤は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)に対し伸展油として配合されていてもよく、この場合、鉱物油系軟化剤を含有するエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム(a2)としては油展ゴムが使用される。油展ゴムを使用した場合、鉱物油系軟化剤が系外に排出する配合比の上限が上昇するためより好ましい。
本発明で用いる成分(B)ヒンダードフェノール化合物は前記式(I)で示される。
ヒンダードフェノール化合物の使用量は、熱可塑性エラストマー成分(A)100重量部あたり、0.05〜3重量部である。好ましくは0.1〜1重量部である。含有量が0.05重量部未満では、熱可塑性エアラストマーに対して熱、光による劣化を抑制することが困難となり、また、3重量部を越えて含有された場合、NOxガスとの接触による変色が悪化する場合がある。
本発明で用いる成分(C)ヒンダードアミン化合物は前記式(II)で示される。
ヒンダードアミン化合物の使用量は、熱可塑性エラストマー成分(A)100重量部あたり、0.05〜3重量部である。好ましくは0.1〜1重量部である。含有量が0.05重量部未満では、熱可塑性エアラストマーに対して熱、光による劣化を抑制することが困難となり、また、3重量部を越えて含有された場合、NOxガスとの接触による変色が悪化する場合がある。
本発明で用いる成分(D)ヒンダードアミン化合物は前記式(III)で示される。
ヒンダードアミン化合物の使用量は、熱可塑性エラストマー成分(A)100重量部あたり、0.05〜3重量部である。好ましくは0.1〜1重量部である。含有量が0.05重量部未満では熱可塑性エアラストマーに対して熱、光による劣化を抑制することが困難となり、また、3重量部を越えて含有してもそれに見合うだけの効果の向上が得られず、経済的にも不利となる。
本発明で用いる成分(D)ヒンダードアミン化合物の分子量は、2000〜5000である。好ましくは2500〜4000である。該分子量が過小であると熱可塑性エラストマー組成物の耐NOx変色性が劣る場合があり、また該分子量が過大であると得られる熱可塑性エラストマー組成物の耐光性が不十分となる場合がある。
本発明で用いる前記ヒンダードフェノール系化合物を熱可塑性エラストマー成分(A)に配合する方法としては、一軸押出機または二軸押出機を用いる混練など、均質な混合物を得るのに適したあらゆる方法をとることができる。また、予め作製した熱可塑性エラストマー成分(A)に配合してもよいし、熱可塑性エラストマー成分(A)を作製する際に同時に配合してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、射出成形する場合の生産安定性を高める観点から離型性を付与するために、上記成分(A)〜(D)に加え、下記成分(E)を含有することが好ましい。
(E):炭素原子数5以上の脂肪酸、炭素原子数5以上の脂肪酸の金属塩、炭素原子数5以上の脂肪酸のアミド、および、炭素原子数5以上の脂肪酸のエステルからなる化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(E)の炭素原子数5以上の脂肪酸としては、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リシノール酸を例示することができる。
成分(E)の炭素原子数5以上の脂肪酸の金属塩としては、上記脂肪酸と、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ba、Pbなどの金属との塩を、具体的には、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などを例示することができる。
成分(E)の炭素原子数5以上の脂肪酸のアミドとしては、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリルジエタノールアミドを例示することができる。なかでも、エルカ酸アミドが好ましい。
成分(E)の炭素原子数5以上の脂肪酸のエステルとしては、脂肪族アルコール(ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、12ヒドロキシステアリルアルコールなど)、芳香族アルコール(ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、フタリルアルコールなど)、多価アルコール(グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなど)などのアルコールと、上記脂肪酸とのエステルを、具体的には、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、クエン酸ジステアレートを例示することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じ、無機フィラー(タルク、炭酸カルシウム、焼成カオリン等)、有機フィラー(繊維、木粉、セルロースパウダー等)、滑剤(シリコーンオイル、シリコーンガム等)、酸化防止剤(イオウ系、燐系、ラクトン系、ビタミン系等)、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、アニリド系、ベンゾフェノン系等)、顔料、造核剤、吸着剤(金属酸化物(酸化亜鉛、酸化マグネシウム等)、金属塩化物(塩化鉄、塩化カルシウム等)、ハイドロタルサイト、アルミン酸塩等)等を含有してもよい。
成分(E)の含有量としては、射出成形での脱型性と、成形品表面の外観とのバランスから、成分(A)100重量部あたり、好ましくは0.01〜1.5重量部であり、より好ましくは0.05〜1重量部である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は公知の成形加工方法、好ましくは射出成形法により、コンソールボックス、インストルメントパネル、エアバッグカバー材などの自動車内装部品をはじめ、各種成形部品に適用することができる。特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるエアバッグカバーは、運転席用エアバッグカバー、助手席用エアバッグカバー、サイドエアバッグカバー、ニーエアバッグカバー、カーテンエアバッグカバーに用いられる。
[1]原料
(a1)プロピレン系樹脂
PP:プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学株式会社製 ノーブレンZ144T、MFR(230℃)=22g/10分、Tm=149℃、プロピレン単量体単位含量=96重量%)
(a2)エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
EPR−1:エチレン−プロピレン共重合体ゴム(住友化学株式会社製 エスプレン 201、100℃ムーニー粘度=43、エチレン含有量=47重量%)
EPR−2:エチレン−プロピレン共重合体ゴム(住友化学株式会社製 エスプレン 512P、100℃ムーニー粘度=86、エチレン含有量=67重量%)
(B)成分
AO−1:住友化学(株)製スミライザーGA−80
AO−2:チバスペシャリティーケミカル社製イルガノックス1010
AO−3:チバスペシャリティーケミカル社製イルガフォス168
(C)成分
LMw−HALS−1:チバスペシャリティケミカルズ社製 チヌビン123
LMw−HALS−2:チバスペシャリティケミカルズ社製 チヌビン770
(D)成分
HMw−HALS:チバスペシャリティケミカルズ社製 チヌビン622
(E)その他
E−1:エルカ酸アミド:日本精化(株)製ニュートロンS
E−2:紫外線吸収剤(UVA):住友化学(株)製スミソーブ300
[2]熱可塑性エラストマーの製造
下記表1の配合表に従い、バンバリーミキサーにより溶融混練を行い熱可塑性エラストマー組成物を得た。バンバリー混練により得られた塊状の熱可塑性エラストマー組成物は、ロールにて厚み2〜3mm程度のシート状に延伸した後、ペレット状に裁断した。該ペレットを用い、下記に示す条件にて射出成形体を作成し、各種評価を行った。評価結果を書く熱可塑性エラストマー組成物の配合と共に表1に示す。
[3]評価方法
(1)エチレン−プロピレン共重合体中のエチレン単量体単位量とプロピレン単量体単位量の比
赤外分光法により測定を行った。
(2)融解温度
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量測定装置(TAインスツルメント社製 Q100:熱流束DSC)を使用し、常温から30℃/分で220℃まで昇温し、5℃/分で−90℃まで降温した後、5℃/分で昇温する際の吸熱曲線から融解温度Tmを求めた。ピークが2点以上存在する場合、融解温度は、最も高温側のピークをその重合体の融解温度とした。
(3)ムーニー粘度(ML1+4100℃)
ASTM D−927−57Tに従って、100℃で測定を行った。
(4)射出成形体の製造方法
東芝機械社製射出成形機IS100−ENにて、サイドゲート平板金型を用い、シリンダー温度220℃、金型温度50℃の条件で、得られた樹脂組成物を縦90mm、横150mm、厚み2mmの射出成形体を得た。
(5)低温耐衝撃性(ノッチ付きIZOD)
JIS K6911に従い、上記条件で射出成形した厚さ2mmの試験片を用いて所定の温度で測定した。
試験後の試験片状態;破壊せず=○,破壊=×
(6)耐熱老化性
上記条件で射出成形した厚さ2mmの試験片を125℃のギヤーオーブン中に入れ、240時間暴露させた。暴露後、サンプルをJIS 3 号ダンベル形状に打ち抜きJIS K 6251(1993)に準拠して引張試験に供した。得られたサンプルの破断強度および破断伸びを暴露前に別途測定したそれぞれの値で除して保持率(%)を算出した。より大きな値(最大値100%)をとることで優れた耐熱酸化性を有する事を示す。
(7)耐光老化性
上記条件で射出成形した厚さ2mmの試験片をキセノンフェードメーターSC700−WA(スガ試験機(株)製)中に入れ、ガラスフィルタ(内側:石英/中間:#320/外側:ホーケー酸ソーダ)を用いて照射強度150W/m2(300〜400nm)、ブラックパネル89±2℃、水噴霧無しの条件下でエネルギー照射量360MJ/m2暴露させた。暴露前後の試験片を色差計にて測定し、変色度合い(ΔE値)を得た。
ΔE値;4未満=○,4以上=×
(8)耐NOx ガス変色性
上記条件で射出成形した厚さ2mmの試験片をJIS L 0855(1998)に準拠して、酸化窒素雰囲気中に3時間曝露させた。暴露前後の試験片を色差計にて測定し、変色の度合い(△E)を色差計にて測定した。数値が小さいほど耐NOx ガス変色性に優れる事を示す。
ΔE値;2未満=○,2以上=×
Figure 2007131729

Claims (3)

  1. 下記成分(A)100重量部に対して下記(B)、(C)および(D)がそれぞれ0.05〜3重量部含有されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
    (A):下記成分(a1)の含有量が10〜80重量部であり、(a2)の含有量が90〜20重量部である熱可塑性エラストマー。(ただし(a1)および(a2)の合計量を100重量部とする)
    (a1):プロピレン系樹脂
    (a2):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
    (B):下記式(I)で表されるヒンダードフェノール化合物
    (C):下記式(II)で表されるヒンダードアミン化合物
    (D):下記式(III)で表され分子量が2000から5000であるヒンダードアミン化合物
    (I)
    Figure 2007131729
    (II)
    Figure 2007131729
    (III)(nは、8〜18の整数である)
    Figure 2007131729
  2. 成分(a2)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10〜300である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 自動車部品用である請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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