JP2007131714A - 膜形成用組成物、その硬化物からなる硬化膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 無機粒子、ポリシラン化合物、重合性モノマー及び硬化促進剤を必須成分とする膜形成用組成物、該膜形成用組成物の硬化物からなる硬化膜及びその製造方法とする。
【選択図】 なし
Description
特許文献2は、オルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物および該オルガノシランの縮合物から選択される一種と加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するフッ素含有アクリル系重合体を含有するコーティング組成物を硬化してなる反射防止膜を開示している。
特許文献4は、加水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびその縮合物から選択される一種と光酸発生剤を含有する光硬化性組成物を光硬化してなる反射防止膜を開示している。
特許文献5は、フッ素含有オレフィン系重合体、熱硬化性化合物、硬化触媒、溶剤、を含有する液状樹脂組成物を開示している。
特許文献6は、平均粒径が0.5乃至200nmの無機微粒子、およびポリマーを含む反射防止膜であり、この無機微粒子を少なくとも2個以上積み重ねることにより微粒子間にミクロボイドが形成されている低屈折率層を有する反射防止膜を開示している。
特許文献1に開示されるコーティング組成物は、重合反応により直接共有結合した超微粒子から形成されている。さらに、この共有結合では強度が十分ではないため、バインダ成分を添加することが開示されている。この場合、超微粒子は互いに共有結合する必要があるため、高い密度で導入されていることから、少量のバインダであっても、超微粒子間のミクロボイドに充填し、結局反射率が高くなるという問題を有している。
特許文献2に開示されるコーティング組成物は、架橋密度が低いため、特にプラスティック基板との密着性に劣るという問題を有している。
特許文献4に開示されている反射防止膜は、架橋密度が低いためプラスティック基材との密着性に劣るという問題、さらに、屈折率が高いため、単層構造では、十分な反射防止効果を得ることができないという問題を有している。
特許文献6に開示されている反射防止膜は、含有される微粒子間にミクロボイドを形成することにより反射率を低下させているが、ミクロボイド量を多くしすぎると微粒子間の接着量が少なくなり、結果、強度や硬度が低下する。逆に、強度や硬度を向上させるために、ミクロボイドの量を減らす、或いは、ポリマーの含有量を増加させると、反射率が高くなるという問題を有している。
本発明者は、前記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、無機粒子(A)、ポリシラン化合物(B)、重合性モノマー(C)及び硬化促進剤(D)を必須成分として含有する膜形成用組成物からなる硬化膜が上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の他の課題は、極めて低い反射率、優れた機械的強度、及び、特にアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂基材に対して優れた基材との密着性を有する硬化膜を提供すること、また該効果膜の製造方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、極めて低い硬化エネルギーにより膜形成用組成物を硬化させ、硬化膜を得ることにある。
請求項2に係る発明は、前記重合性モノマーが、(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニル基又はアリル基から選択される重合性官能基を有することを特徴とする請求項1に記載の膜形成用組成物に関する。
請求項3に係る発明は、前記重合性モノマーが、官能基数3以上である多官能重合性モノマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の膜形成用組成物に関する。
請求項4に係る発明は、前記硬化促進剤として、酸発生剤、光増感剤又は脱水剤から選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の膜形成用組成物に関する。
請求項5に係る発明は、前記酸発生剤として、光酸発生剤及び/又は熱酸発生剤を含有することを特徴とする請求項4に記載の膜形成用組成物に関する。
請求項6に係る発明は、さらに、シランカップリング剤及び/又は重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の膜形成用組成物に関する。
請求項7に係る発明は、前記無機粒子が、粒子表面に存在するシラノール基が疎水性基を有する表面改質剤で疎水化処理されたシリカ粒子であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の膜形成用組成物に関する。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7いずれかに記載の膜形成用組成物の硬化物からなる硬化膜に関する。
請求項9に係る発明は、屈折率が1.45以下であることを特徴とする請求項8に記載の硬化膜に関する。
請求項10に係る発明は、前記硬化膜が、ハードコート膜又は反射防止膜として用いられることを特徴とする請求項8又は9記載の硬化膜に関する。
請求項11に係る発明は、単層構造又は多層構造であることを特徴とする請求項8乃至10いずれかに記載の硬化膜に関する。
請求項12に係る発明は、以下の工程(1)及び(2)を含むことを特徴とする硬化膜の製造方法に関する。
(1)無機粒子、ポリシラン化合物、重合性モノマー及び硬化促進剤を有機溶媒に混合すする工程
(2)工程(1)で得た混合液を基材上で光照射処理及び/又は加熱処理することにより硬化させる工程
請求項13に係る発明は、前記工程(1)において、さらにシランカップリング剤及び/又は重合開始剤を混合することを特徴とする請求項12記載の硬化膜の製造方法に関する。
請求項2の膜形成用組成物は、特にアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂基材との密着性がさらに優れた硬化膜を提供することができる。また、基材がプラスティックの場合であっても優れた密着性を発揮する。詳細には、含有される重合性モノマーが、(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニル基又はアリル基のいずれかを有し、基材もまた(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニル基又はアリル基を有しており、且つ、前記重合性モノマーと基材が共通の場合、極めて優れた密着性を発揮する。
請求項3の膜形成用組成物は、特にアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂基材との密着性と表面硬度がさらに優れた硬化膜を提供することができる。
請求項4の膜形成用組成物は、含有される硬化促進剤として、酸発生剤、光増感剤又は脱水剤のうちいずれか一種以上が選択されるから、硬化エネルギーを顕著に低下させることができる。
請求項5の膜形成用組成物は、含有されうる酸発生剤として、光酸発生剤及び/又は熱酸発生剤が混合されるため、ポリシラン化合物、及びシランカップリング剤の縮合促進に優れ、また、光や熱を与えない限り酸は発生しないので、組成物の保存性に優れる。
請求項6膜形成用組成物は、さらに、シランカップリング剤及び/又は重合開始剤を含有することにより、ポリシラン化合物と重合性モノマー、或いは膜形成用組成物と基材との間の密着性を増強するとともに、前記成分同士の結合が強固になるため、より優れた耐磨耗性及び耐擦傷性を有する硬化膜を提供することができる。
請求項7の膜形成用組成物は、粒子表面に存在するシラノール基が、疎水性基を有する表面改質剤で疎水化処理されたシリカ粒子を含有することにより、機械的強度に優れるとともに、基材との密着性に優れた硬化膜を提供することができる。
請求項8の硬化膜は、極めて低い反射率、優れた耐摩耗性、耐擦傷性を有するとともに、機械的強度及び基材との密着性に優れる。
請求項9の硬化膜は、その屈折率が1.45以下であるから、例えば、外部光源から照射された光線の反射が少ないことが求められる液晶ディスプレイ等の画像表示面等における反射防止膜として好適に用いることができる。
請求項10の硬化膜は、ハードコート膜又は反射防止として使用され得る。
請求項11の硬化膜は、単層構造又は多層構造であるから、単層構造の硬化膜は、単純なために作製コストが低く抑えることができるという効果を有し、一方、多層構造の硬化膜は、顕著に低い最小反射率であるという効果がある。
請求項12の硬化膜の製造方法によると、極めて低い反射率を有するとともに、機械的強度及び基材との密着性に優れた硬化膜を製造することができる。
請求項13の硬化膜の製造方法によると、さらに、シランカップリング剤及び/又は重合開始剤を混合することにより、ポリシラン化合物と重合性モノマー、或いは膜形成用組成物と基材の間の密着性を増強するとともに、前記成分同士の結合が強固になるため、より優れた耐磨耗性及び耐擦傷性を有する硬化膜を製造することができる。
本発明の膜形成用組成物は、無機粒子(A)、ポリシラン化合物(B)、重合性モノマー(C)及び硬化促進剤(D)を必須成分として含有する。
本発明に係る無機粒子としては、例えば、金属原子Na、K、Mg、Ca、Ba、Al、Zn、Fe、Cu、Ti、Sn、In、W、Y、Sb、Mn、Ga、V、Nb、Ta、Ag、Si、B、Bi、Mo、Ce、Cd、Be、Pb、EuおよびNi、好ましくは、Si、Na、K、Ca、Mgから構成される無機粒子が挙げられる。また、二種類の金属を含む無機粒子を用いてもよく、特に好ましい無機粒子としては、二酸化ケイ素(SiO2)、アルカリ金属フッ化物(NaF,KFなど)、アルカリ土類金属フッ化物(CaF2,MgF2など)である。
本発明に係るポリシラン化合物としては、主となる骨格が一般式1(化1)で示される直鎖状ポリシラン及び環状ポリシラン、主となる骨格が一般式2(化2)で示されるシリコンネットワークポリマー、主となる骨格が一般式3(化3)で示されるシリコンネットワークポリマー、及びポリシラン化合物とビニル系モノマーとのブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも一種のポリマーを例示することができる。
また、ポリシラン化合物は、光分解によってシリルラジカルを生成し、ラジカル重合開始剤としても働く。
(R1 2Si)m
(式中、R1は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基又はアリール基であり、同一又は異なっていても構わない。mは2〜10000の整数である。)
(R2Si)n
(式中、R2は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基又はアリール基であり、同一又は異なっていても構わない。nは4〜10000の整数である。)
(R3 2Si)x(R3Si)ySiz
(式中、R3は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基又はアリール基であり、同一又は異なっていても構わない。x、y及びzはいずれも1以上の整数であり、x、y及びzの和は5〜10000の整数である。)
アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基などを例示することができる。
本発明に係る重合性モノマーとして、好ましくは、(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニル基又はアリル基から選択される重合性官能基を有する重合性モノマーを用いる。このような重合性モノマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレート、アクリルアミド、ジビニルベンゼン、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、コハク酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、スベリン酸ジアリル、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジビニルエーテル、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート(TTEGDA)、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(PEGDA)、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(PEGDMA)、及びポリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、エポキシシクロヘキシルメチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレート等が挙げられる。
好ましくは、前記重合性モノマーが、重合性官能基数3以上である多官能重合性モノマーを用いる。これは、官能基数が3以上である多官能重合性モノマーが含有された膜形成用組成物の硬化物からなる硬化膜は、架橋密度が高く、基材との密着性が特に優れるからである。
本発明に係る硬化促進剤としては、好ましくは、酸発生剤、光増感剤又は脱水剤が用いられる。
前記酸発生剤としては、好ましくは光酸発生剤及び/又は熱酸発生剤が用いられる。
本発明において、前記光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩、スルホン酸誘導体等を挙げることができる。また前記熱酸発生剤としては、例えば、トリアリルスルホニウム塩、カルボン酸エステル、アミンイミド等を挙げることができる。
前記光増感剤としては、例えば、チオキサントン、トリアジン系が挙げられる。
前記脱水剤としては、例えば、無水酢酸、無水ギ酸、無水マレイン酸、無水安息香酸、無水フタル酸などのカルボン酸無水物、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルトギ酸プロピル、オルトギ酸ブチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルト酢酸プロピル、オルト酢酸ブチルなどのカルボン酸オルトエステル、アセトンジメチルアセタール、アセトンジエチルアセタール、メチルエチルケトンジメチルアセタール、メチルエチルケトンジエチルアセタールなどのアセタール類が挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、好ましくは、有機官能基としてアクリロキシ基、メタクリロキシ基、グリドキシ基、エポキシシクロヘキシル基、ビニル基を有するシランカップリング剤が挙げられる。詳細には、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(APTMS)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
本発明においては、上記以外の目的で重合開始剤を添加しても良く、例えば、重合性モノマー(C)と基材との密着性を強化するために重合開始剤を添加してもよい。
「本発明に係るシリカ粒子」とは、粒子表面に存在するシラノール基が疎水性基を有する表面改質剤で疎水化処理されたシリカ粒子のことをいう。この「本発明に係るシリカ粒子」が含有された膜形成用組成物の硬化物からなる硬化膜は、特に優れた密着性と機械的強度を有する。
本発明の硬化膜は、その屈折率が1.45以下、より望ましくは1.40以下である。
本発明の硬化膜の製造方法は、以下の工程(1)及び(2)を含む。
(1)無機粒子、ポリシラン化合物、重合性モノマー及び硬化促進剤を有機溶媒に混合すする工程
(2)工程(1)で得た混合液を基材上で光照射処理及び/又は加熱処理することにより硬化させる工程
前記有機溶媒としては、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、クロロホルム、エチレンクロライド、クロロベンゼンなどのハロゲン化物、THF、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、ヘキサメチレンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、あるいはプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピルセルソルブ、ブチルセルソルブなどのグリコールエーテル類などを例示することができる。
特に本発明では、これらの有機溶媒のうち、THF、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセルソルブを用いることが好ましい。
前記工程(1)は、窒素雰囲気、空気雰囲気等いずれにおいて行われても良い。
膜形成用組成物を基材に塗布する方法は特に限定されず、スピンコート法、バーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法、印刷法、キャスト法、カーテンコート法、ロールコート法などを例示することができる。
光照射処理の際に用いられる光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ヘリウム−カドミウムレーザー、エキシマレーザー、メタルハライドランプなどを例示することができる。
照射される光の波長は特に限定されないが、200〜400nmが好ましい。この照射時間は特に限定されないが、5秒〜120分、好ましくは20秒〜30分程度とされる。波長が400nm以下の紫外線が照射される場合、好ましくは1000〜15000mJ/cm2、1500〜7000mJ/cm2となるように紫外線を照射することがより好ましい。
加熱時間も特に限定されないが、1分〜48時間、好ましくは3分〜24時間、より好ましくは5分〜18時間程度である。
※2 アクリル修飾したPL-3-TOL(シリカ濃度を10wt%に調製)
※3 PMPS(ポリメチルフェニルシラン(大阪ガスケミカル社製、商品名「オグソールSI-1010 Type1」)1wt%トルエン溶液)
※4 多官能アクリルモノマー(DPHA(ジペンタエリスリトールペンタまたはヘキサアクリレート)(東亞合成社製 商品名「M-400」)5wt%トルエン溶液)
※5 脱水剤(無水酢酸5wt%トルエン溶液)
※6 酸発生剤(光酸発生剤(荒川化学工業社製、商品名「シリコリースCATA201」)1wt%トルエン溶液)
※7 酸発生剤(熱酸発生剤(旭電化工業社製、商品名「SP-150」)0.5wt%PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)溶液)
※8 シランカップリング剤(APTMS(3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン)(信越化学工業社製、商品名「KBM-5103」)10wt%トルエン溶液)
※9 重合開始剤(ラジカル重合開始剤(チバスペシャリティーケミカル社製、商品名「ダロキュア1173」)1wt%トルエン溶液)
1−1.試験方法
実施例1〜5及び比較例1〜4の硬化膜の(PETフィルム上で製膜した場合の)反射率を紫外可視分光光度計(日本分光製V−560)により300〜800nmの範囲で測定した。550nm付近に最小反射率を合わせ、その最小反射率を読み取った。なお、干渉が大きい場合には干渉の中心値を最小反射率とした。
2−1.試験方法
実施例1〜5及び比較例1〜4の硬化膜表面を1kgf/cm2の荷重で10回擦り、膜に剥離が無いかを目視で確認した。(ペーパー : キムワイプ、十条キンバリー製)
3−1.試験方法
得られた薄膜表面を#0000のスチールウールで所定の荷重をかけて5回擦り(5往復)、膜に変化が無いかを目視で確認した。
上記全ての実施例及び比較例は、2000mJ/cm2となるように紫外線を照射することにより、即ち、低い硬化エネルギーにより硬化膜を得ている。実施例1〜5の試験結果が全て良好であることから、本発明の膜形成組成物を硬化させためには、2000mJ/cm2の紫外線照射で十分であり、しかも、そのようにして得られた硬化膜は、低反射率、及び耐磨耗性、耐擦傷性に優れることがわかる。
(試験例4:密着性試験)
4−1.試験方法
実施例1〜5の硬化膜表面に指の腹で荷重をかけて(2kgf/cm2程度で5往復)でセロテープを貼り付け、その後そのセロテープを5cm/secで剥がした。なお、膜厚は紫外可視分光光度計で反射率測定時と同じ波長で最小反射率となっているかで確認した。評価方法を以下表6に示す。
Claims (13)
- 無機粒子、ポリシラン化合物、重合性モノマー及び硬化促進剤を含有することを特徴とする膜形成用組成物。
- 前記重合性モノマーが、(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニル基又はアリル基から選択される重合性官能基を有することを特徴とする請求項1に記載の膜形成用組成物。
- 前記重合性モノマーが、官能基数3以上である多官能重合性モノマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の膜形成用組成物。
- 前記硬化促進剤として、酸発生剤、光増感剤又は脱水剤から選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の膜形成用組成物。
- 前記酸発生剤として、光酸発生剤及び/又は熱酸発生剤を含有することを特徴とする請求項4に記載の膜形成用組成物。
- さらに、シランカップリング剤及び/又は重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の膜形成用組成物。
- 前記無機粒子が、粒子表面に存在するシラノール基が疎水性基を有する表面改質剤で疎水化処理されたシリカ粒子であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の膜形成用組成物。
- 請求項1乃至7いずれかに記載の膜形成用組成物の硬化物からなる硬化膜。
- 屈折率が1.45以下であることを特徴とする請求項8に記載の硬化膜。
- 前記硬化膜が、ハードコート膜又は反射防止として用いられることを特徴とする請求項8又は9記載の硬化膜。
- 単層構造又は多層構造であることを特徴とする請求項8乃至10いずれかに記載の硬化膜。
- 以下の工程(1)及び(2)を含むことを特徴とする硬化膜の製造方法。
(1)無機粒子、ポリシラン化合物、重合性モノマー及び硬化促進剤を有機溶媒に混合すする工程
(2)工程(1)で得た混合液を基材上で光照射処理及び/又は加熱処理することにより硬化させる工程 - 前記工程(1)において、さらにシランカップリング剤及び/又は重合開始剤を混合することを特徴とする請求項12記載の硬化膜の製造方法。
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