JP2007131474A - 加熱炉、及びワークの加熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで炉内の雰囲気を維持して炉内材質の酸化劣化を防止することができる加熱炉、及びワークの加熱方法を提供する。
【解決手段】本発明の加熱炉11は、入口20及び出口22の少なくとも一方に、開口度可変のシャッター21を有し、シャッター21のシャッター部材30には、その移動平面内における開口部33の内側へ向けてガスを噴出する内側ガス噴出口34と、シャッター部材30をその移動平面内における開口部33の外側へ向けてガスを噴出する外側ガス噴出口35が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、入口及び出口の少なくとも一方にシャッターが設けられた加熱炉、及びその加熱炉を用いたワークの加熱方法に関する。
抵抗加熱方式や誘導加熱方式でワークの加熱を行う加熱炉に関する技術として、例えば光ファイバの線引き炉や光ファイバ母材の焼結炉、延伸炉などがある。
この種の加熱炉を構成する炉心管や発熱体としては、カーボンが広く用いられているが、炉内材質の酸化劣化を防止するために、炉内は不活性ガス雰囲気とする必要がある。一方、光ファイバや光ファイバ母材の長手方向の均一性を確保するために、光ファイバ母材であるワークの表面は清浄に保つ必要がある。この2点を満たすために、加熱炉の炉心管と光ファイバ母材の間には一定の隙間を設け、その隙間に不活性ガスを注入することで炉内の酸化を防止するガスシール構造を採用する場合が多い。
上記のようなガスシールを良好に行うためには、炉の入口及び出口の少なくとも何れか一方で、ワークとの隙間を適正に調節する必要がある。このため、ワークの外径を非接触式の外径測定器で検出し、この外径測定器の検出結果に基づいて、加熱炉の上部のシールリングの開口度を変える技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−161545号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような技術では、加熱炉の入口や出口でワークの外径をモニタしている。
本発明は、ワークの外径をモニタしなくても炉内の雰囲気を維持して炉内材質の酸化劣化を防止することができる加熱炉、及びワークの加熱方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決することのできる本発明に係る加熱炉は、入口及び出口の少なくとも一方に、開口度可変のシャッターを有する加熱炉であって、前記シャッターには、その移動平面内における開口の内側へ向けてガスを噴出する内側ガス噴出口と、当該シャッターをその移動平面内における開口の内側へ向けて付勢する付勢手段とが設けられていることを特徴としている。
本発明に係る加熱炉において、前記付勢手段は、前記シャッターの移動平面内における開口の外側へ向けてガスを噴出する外側ガス噴出口であることが好ましい。
また、本発明に係る加熱炉において、前記付勢手段は、前記シャッターの移動平面内における開口の内側へ向けて前記シャッターを弾性的に付勢するバネであることが好ましい。
また、上記課題を解決することのできる本発明に係るワークの加熱方法は、棒状のワークを加熱炉で加熱する方法であって、加熱炉の入口及び出口の少なくとも一方にシャッターを設け、前記シャッターから前記ワークに向けてガスを噴出するとともに前記シャッターを前記ワークに向けて付勢して、前記シャッターと前記ワークとの距離を調整することを特徴としている。
本発明によれば、シャッターから開口内のワークに向けてガスを噴出するとともにシャッターをワークに向けて付勢することにより、ワークの外径の変化に応じてシャッターとワークとの間のガスからシャッターが受ける力が変化して、シャッターが移動する。したがって、ワークの外径を測定してそれにシャッターの開口度をあわせる操作をしなくても良好にシャッターとワークとの距離を調整することができ、炉内の雰囲気を維持して炉内材質の酸化劣化を防止することができる。
以下、本発明に係る加熱炉、及びワークの加熱方法の実施形態の例について説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明に係る加熱炉の第1実施形態を示す全体構成図であり、図2は図1の入口シャッターを示す正面図である。
この加熱炉11では一方側(図1における右側から)からインゴット(ワーク)12が挿入される。
加熱炉11は、略円筒状の炉体15の内側に円筒形のカーボンからなる炉心管16が設けられており、この炉心管16と炉体15との間には抵抗加熱式の発熱体17が設けられている。発熱体17の発熱により炉心管16が昇温し、その内側に配置されたインゴット12が炉心管16の熱により加熱される。
また、加熱炉11の入口20には、この加熱炉11に供給されるインゴット12との隙間を調整して加熱炉11の内部をガスシールするための入口シャッター(シャッター)21が設けられている。炉心管16における入口シャッター21よりも下流側(図中左側)には、炉心管16の内側の空間にアルゴン、窒素、ヘリウム等の不活性ガスを供給するガスシール用のガス供給部(図示省略)が設けられている。
さらに、加熱炉11の出口22には、入口シャッター21と対を成す出口シャッター(シャッター)23が設けられている。
図2に示すように、入口シャッター21は、略矩形板状の一対のシャッター部材30を有しており、これらシャッター部材30は、板厚方向に直交する方向であって互いに近接または離間する方向に、共通の上下一対のガイド31によってスライド可能に支持されている。各シャッター部材30の対向側には、略半円形状をなして板厚方向と直交する方向に凹む半割開口部32がそれぞれ形成されている。
各シャッター部材30の両半割開口部32で形成される略円形状の開口部33の内側に、径の太い棒状のインゴット12が挿通される。これにより、各シャッター部材30は、相互に近接または離間するように厚さ方向と直交する方向にスライド移動することでインゴット12との間に形成される加熱炉11の入口20の開口度を変えるようになっている。
また、各シャッター部材30には、その移動平面内における開口部33の内側へ向けてガスを噴出する内側ガス噴出口34と、その移動平面内における開口部33の外側へ向けてガスを噴出する外側ガス噴出口35がそれぞれ設けられている。そして、各シャッター部材30には、半割開口部32の中央位置に内側ガス噴出口34を開口させて内側にガスを噴出するための内側ガス噴出流路36がそれぞれ形成されており、また、この内側ガス噴出口34とは略180度反対方向に向けられた外側ガス噴出口35を開口させて外側にガスを噴出するための外側ガス噴出流路37がそれぞれ形成されている。
各シャッター部材30において、内側ガス噴出流路36及び外側ガス噴出流路37には、何れもガスが導入されるようになっており、各シャッター部材30にガスが導入されると、各シャッター部材30は、それぞれ、内側ガス噴出口34からシャッター部材30の移動平面内における開口部33の内側へ向けて、すなわちインゴット12の側にガスを噴出するとともに、外側ガス噴出口35からシャッター部材30の移動平面内における開口部33の外側へ向けて、すなわちインゴット12とは反対側にガスを噴出することになる。
ここで、各シャッター部材30に導入されるガスとしては、上記のガスシール用のガス供給部と同様に、炉心管16の酸化防止のため、酸素を含まない例えばアルゴン、窒素、ヘリウム等の不活性ガスが用いられることになり、好ましくはガスシール用のガス供給部と同じ種類のガスが用いられる。
このような入口シャッター21は、インゴット12に向かう内向きのガスとその略180度反対方向に向かう外向きのガスとを各シャッター部材30から噴出させる。このとき、両ガスによりシャッター部材30が受ける力の釣り合いで、各シャッター部材30は止まっている。つまり、外側ガス噴出口35は各シャッター部材30をその移動平面内における開口部33の外側へ向けて付勢する付勢手段として機能する。
そして、インゴット12の径が変化(例えば径が漸減/漸増)すると、各シャッター部材30とインゴット12との間の隙間が変化し、それにより開口部33の気圧が変化する。インゴット12の径が減ると気圧が下がり、インゴット12の径が増えると気圧が上がる。これにより、インゴット12と各シャッター部材30との間の気体からシャッター部材30が受ける力が変化して各シャッター部材30が自ら移動する。気圧が上がると外向きに移動する一方、気圧が下がると内向きつまりインゴット12の向きに移動する。外向きのガスの反力があるので各シャッター部材30は、力が釣り合ったある位置で止まる。このようにインゴットの径の変化に追随してシャッターが開閉する。
つまり、棒状のインゴット12を加熱炉11で加熱する際に、加熱炉11の入口20に設けた入口シャッター21の各シャッター部材30からガスをインゴット12に向けて噴出させるとともに、逆方向にも噴出させることで各シャッター部材30をインゴット12に向けて付勢して、入口シャッター21の各シャッター部材30とインゴット12との距離を調整する。
図2では開口部33が半円に近いものを示したが、縦に長い半長円とするとインゴットの径が太い箇所がシャッター部材30を通過するときのシャッター部材30間の隙間を小さくすることができる。
ここで、より詳細に説明すると、仮にシャッター部材30とインゴット12との間の空間の容積を密閉度sと定義し、この密閉度の関数として供給するガスの圧力を力Epとして伝達する圧力伝達効率をEp(s)と定義して、供給するガスによりシャッター部材30が受ける力をFp=PEp(s)とすると、シャッター部材30の内側ガス噴出口34から噴出するガスの圧力がP1、外側ガス噴出口35から噴出するガスの圧力がP2の場合、P1Ep(s1)=P2Ep(s2)となるように密閉度s1が決まるが、シャッター部材30の外側ガス噴出口35の前面に障害物がなければ、これは一定と考えられるため、密閉度s1が一定となるように動作する。つまり、インゴット12とシャッター部材30との間の距離が一定に保たれる。
ここで、上記したシャッター部材30を案内するガイド31としては、滑り抵抗の少ないものを採用することによって、わずかな力の変化でも各シャッター部材30が移動可能であるようにするのが良い。例えば、各シャッター部材30の重力による摩擦抵抗を少なくするために、下側のガイド31からガスを噴出させて少しシャッター部材30を浮き上がらせる構造とすることもできる。
また、出口シャッター23についても入口シャッター21と同様の開口度可変の構造とされている。なお、入口シャッター21及び出口シャッター23のうちの何れか一方に上記構造を適用することも可能である。
このように、第1実施形態の加熱炉11によれば、入口20に開口度を可変にするために設けられた入口シャッター21の各シャッター部材30に、その移動平面内の開口部33の内側へ向けてガスを噴出する内側ガス噴出口34と、移動平面内における開口部33の外側へ向けてガスを噴出する外側ガス噴出口35とが設けられており、ガスの噴出のバランスでインゴット12とシャッター部材30との間の距離を一定に保つことができる。よって、ガスを噴出させるようにすればインゴット12の外径を測定する外径測定器及びその検出結果に基づいてシャッター開口度を調節する機構等が不要となり、低コストで良好にガスシールを行うことができる。また、出口シャッター23も同様の構造であるため同様の効果を奏することができる。
なお、上記した実施形態では、炉心管16が水平方向に配置された横型の加熱炉を例に挙げて説明したが、炉心管16が鉛直方向に配置された縦型の加熱炉にも適用可能である。この場合、ガスを噴出させてシャッター部材を炉体に対し少し浮き上がらせる構造とすることもできる。
また、内側ガス噴出口34及び外側ガス噴出口35からシャッター部材30の移動平面内の内側と外側に向けてガスを噴出させるというのは、移動平面内方向と全く同じでなくても、移動方向に推力を発生可能な方向にガスを噴出させれば良い。
さらに、内側ガス噴出口34及び外側ガス噴出口35がガスを噴出する方向を互いに反対方向に向けている構成は、厳密に180度反対方向でなくても良く、両者のガスにより作用する力が釣り合うことができれば良い。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る加熱炉、及びワークの加熱方法の第2実施形態について説明する。
図3は、第2実施形態における入口シャッターを示す正面図である。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は省略する。
第2実施形態では、第1実施形態における加熱炉11の入口シャッター21の構造を図3に示す入口シャッター21aのように変更している。入口シャッター21aは、各シャッター部材30aに付勢手段としての外側ガス噴出口を含む外側ガス噴出流路が設けられておらず、その代わりにバネ40が、各シャッター部材30aの半割開口部32とは反対側にそれぞれ設けられている。つまり、各シャッター部材30aの半割開口部32とは反対の後面と後面に対向する位置固定のベース壁部41との間にバネ40がそれぞれ介装されている。バネ40はシャッター部材30aの内側ガス噴出口34のガス噴出方向に沿ってこの噴出方向と同じ方向に付勢力を発生させ、シャッター部材30aをその移動平面内における開口の内側へ向けて弾性的に付勢する。
このような入口シャッター21aは、インゴット12に向かう内向きのガスを各シャッター部材30aから噴出させると、互いに略180度異なるガスの力とバネ40の付勢力との釣り合いで各シャッター部材30は止まっている。
そして、インゴット12の径が変化(例えば径が漸減/漸増)すると、各シャッター部材30aとインゴット12との間の隙間が変化し、それにより第1実施形態と同様に気圧が変化して、インゴット12と各シャッター部材30aとの間の気体からシャッター部材30aが受ける力が変化して各シャッター部材30aが自ら移動する。このとき、バネ40の付勢力があるので各シャッター部材30aは、力が釣り合ったある位置で止まる。このように各シャッター部材30aが停止する位置において、各シャッター部材30aとインゴット12との隙間は常にほぼ一定となる。このようにして、インゴット12の径の変化により自動的にシャッター部材30aが隙間をほぼ一定にするように開閉される。
つまり、棒状のインゴット12を加熱炉11で加熱する際に、加熱炉11の入口20に設けた入口シャッター21aの各シャッター部材30aからガスをインゴット12に向けて噴出させるとともに各シャッター部材30aに向けてバネ40の付勢力を発生させることで、これらのバランスによって入口シャッター21aの各シャッター部材30aとインゴット12との距離を調整する。
ここで、より詳細に説明すると、第1実施形態と同様に、密閉度をs、圧力伝達効率をEp(s)、ガスによる力をFp=PEp(s)とすると、これと変位xによりバネ定数kのバネ40から生じる力とが釣り合って、kx=PEp(s)となる。この場合、バネ40から受ける力は一定ではないが、例えばバネ40の変位を測定しこれに合わせてガスの供給圧力を変えることで適切な調整が可能となる。
ここで、上記したシャッター部材30aを案内するガイド31としては、第1実施形態と同様に滑り抵抗の少ないものを用いるのが良いが、シャッター部材30aをバネ40で浮かせるように支持しても良い。
また、第2実施形態の加熱炉11において、出口シャッター23についても入口シャッター21aと同様に開口度可変の構造とされるが、入口シャッター21a及び出口シャッター23のうちの何れか一方に上記構造を適用することも可能である。
このように、第2実施形態によれば、入口20に開口度を可変にするために設けられた入口シャッター21aの各シャッター部材30aに、その移動平面内の開口部33の内側へ向けてガスを噴出する内側ガス噴出口34と、移動平面内における開口部33の内側へ向けて付勢力を発生させるバネ40がそれぞれに設けられており、ガスを噴出させるとガスの力とバネ40の付勢力とのバランスでインゴット12とシャッター部材30aとの間の距離を一定に保つことができる。そのため、インゴット12の外径を測定する外径測定器及びその検出結果に基づいてシャッターの開口度を調節する機構等が不要となり、低コストで良好にガスシールを行うことができる。また、出口シャッター23も同様の構造であるため同様の効果を奏することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る加熱炉、及びワークの加熱方法の第3実施形態について説明する。
図4は第3実施形態における入口シャッターを示す正面図であり、図5は入口シャッターを構成するシャッター片を示す正面図である。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は省略する。
第3実施形態では、上記した入口シャッター21,21aに代えて、図4に示すようなアイリス絞り方式の入口シャッター45が用いられている。この入口シャッター45は、同形板状の複数のシャッター片47が環状に並べられており、各シャッター片47は、それぞれ一端近くに設けられた固定点48を支点として板厚と直交する方向に回転移動可能となっている。これらシャッター片47は、それぞれの環の内側形成部分が平面状の内面部49とされており、各内面部49を結んだ線が多角形状をなし、その内側にインゴット12が挿通される。これにより、各シャッター片47は、インゴット12に対し近接または離間するように回転移動することでインゴット12との間に形成される加熱炉11の入口20の開口度を変えるようになっている。
そして、各シャッター片47には、図5に示すように、その移動平面内における開口の内側へ向けてガスを噴出する内側ガス噴出口51と、その移動平面内における開口の外側へ向けてガスを噴出する外側ガス噴出口52がそれぞれに設けられている。そして、各シャッター片47には、内面部49の固定点48が設けられた側とは反対側に内側ガス噴出口51を開口させて内側ガス噴出流路53がそれぞれに形成されており、また、この内側ガス噴出口51とは略180度反対方向に向けて外側ガス噴出口52を開口させる外側ガス噴出流路54がそれぞれに形成されている。
各シャッター片47において、それぞれの内側ガス噴出流路53及び外側ガス噴出流路54にガスが導入されると、各シャッター片47は、それぞれの内側ガス噴出口51からその移動平面内のインゴット12の側にガスを噴出するとともに、それぞれの外側のガス噴出口52からこれが設けられたシャッター片47の移動方向に沿って、インゴット12とは反対側にガスを噴出することになる。つまり、各シャッター片47には、ガスを噴出する方向を互いに反対方向に向けてガス噴出口51,52がそれぞれ設けられている。
このような入口シャッター45は、インゴット12に向かう内向きのガスとその略180度反対方向に向かう外向きのガスとを、各シャッター片47から噴出させる。このとき、互いに略180度異なる方向に向かうガスの釣り合いで各シャッター片47は止まっている。
そして、インゴット12の径が変化(例えば径が漸減/漸増)すると、各シャッター片47とインゴット12との間の隙間が変化し、それにより気圧が変化することになり、これによって、第1実施形態と同様に、インゴット12と各シャッター片47との間の気体からシャッター片47が受ける力が変化し各シャッター片47が自ら移動して、力が釣り合ったある位置で止まる。このように各シャッター片47が停止する位置において、各シャッター片47とインゴット12との隙間は常にほぼ一定となる。このようにして、インゴット12の径の変化により自動的にシャッター片47が開閉される。
つまり、棒状のインゴット12を加熱炉11で加熱する際に、加熱炉11の入口20に設けた入口シャッター45の各シャッター片47からガスをインゴット12に向けて噴出させるとともに逆方向にも噴出させることで入口シャッター45の各シャッター片47とインゴット12との距離を調整する。
なお、出口シャッターについても入口シャッター45と同様の開口度可変のアイリス構造とされている。入口シャッター及び出口シャッターのうちの何れか一方に上記構造を適用することも可能である。
このように、第3実施形態によれば、入口シャッター45の各シャッター片47に、それぞれの移動平面内の開口の内側へ向けてガスを噴出する内側ガス噴出口51と、移動平面内の開口の外側へ向けてガスを噴出する外側ガス噴出口52が設けられており、ガスの噴出のバランスでインゴット12とシャッター片47との間の距離を一定に保つことができる。よって、ガスを噴出させるようにすればインゴット12の外径を測定する外径測定器及びその検出結果に基づいてシャッターの開口度を調節する機構等が不要となり、低コストで良好にガスシールを行うことができる。また、出口シャッターも同様の構造であるため同様の効果を奏することができる。
この場合も、内側ガス噴出口51及び外側ガス噴出口52からシャッター片47の移動平面内の内側と外側に向けてガスを噴出させるというのは、移動平面内方向と全く同じでなくても、移動方向に推力を発生可能な方向にガスを噴出させれば良い。
さらに、内側ガス噴出口51及び外側ガス噴出口52がガスを噴出する方向を互いに反対方向に向けている構成は、厳密に180度反対方向でなくても良く、両者のガスにより作用する力が釣り合うことができれば良い。
なお、第1〜第3の何れの実施形態の場合も、シャッター21,21a,23,45とインゴット12との間の空間の容積が大きくなるほど、インゴット12の径が変化したときにその空間の圧力の変化量が大きくなりシャッター21,21a,23,45が動き易くなる。したがって、シャッター21,21a,23,45はある程度の厚さを有することが好ましい。ただし、それによる重量増加はシャッター21,21a,23,45が動きにくくなる原因となるため、厚くかつ軽くするのが好ましい。
本発明に係る加熱炉及びワークの加熱方法の第1実施形態を示す側断面図である。 第1実施形態の入口シャッターを示す正面図である。 第2実施形態における入口シャッターを示す正面図である。 第3実施形態における入口シャッターを示す正面図である。 第3実施形態における入口シャッターを構成するシャッター片を示す正面図である。
符号の説明
11 加熱炉
12 インゴット(ワーク)
20 入口
21,21a,45 入口シャッター
22 出口
23 出口シャッター
34,35,51,52 ガス噴出口
40 バネ

Claims (4)

  1. 入口及び出口の少なくとも一方に、開口度可変のシャッターを有する加熱炉であって、
    前記シャッターには、その移動平面内における開口の内側へ向けてガスを噴出する内側ガス噴出口と、当該シャッターをその移動平面内における開口の内側へ向けて付勢する付勢手段とが設けられていることを特徴とする加熱炉。
  2. 請求項1に記載の加熱炉であって、
    前記付勢手段は、前記シャッターの移動平面内における開口の外側へ向けてガスを噴出する外側ガス噴出口であることを特徴とする加熱炉。
  3. 請求項1に記載の加熱炉であって、
    前記付勢手段は、前記シャッターの移動平面内における開口の内側へ向けて前記シャッターを弾性的に付勢するバネであることを特徴とする加熱炉。
  4. 棒状のワークを加熱炉で加熱する方法であって、
    加熱炉の入口及び出口の少なくとも一方にシャッターを設け、
    前記シャッターから前記ワークに向けてガスを噴出するとともに前記シャッターを前記ワークに向けて付勢して、前記シャッターと前記ワークとの距離を調整することを特徴とするワークの加熱方法。
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