JP2007130900A - 筆記具用クリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】厚さの大きい物品の保持作用を確保しつつ筆記具にクリップを簡単に組み付ける。
【解決手段】ボールペン本体1にはその外面1aに凸状部4が一体的に形成されており、凸状部4には一対の軸体4aが形成されている。玉部5aと操作部5b間のクリップ本体5には受容孔5eが形成されている。軸体4aを受容孔5e内に受容することによりクリップ本体5とボールペン本体1とが揺動可能に連結される。受容孔5eは軸体4aよりも大きく寸法設定されており、クリップ本体5がボールペン本体1に連結されつつボールペン本体1に対し移動できるようにされている。クリップ本体5をボールペン本体1に向けて付勢する板バネ6を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は筆記具用クリップに関する。
従来より、クリップ本体を具備し、クリップ本体に受容孔を形成すると共に筆記具本体の外面に軸体を形成して軸体を受容孔内に受容することによりクリップ本体と筆記具本体とを揺動可能に連結し、受容孔を軸体とほぼ同じに寸法設定した筆記具用クリップが知られている。
また、クリップ本体を具備し、クリップ本体に軸体を取り付けると共に筆記具本体の内部空間内に受容孔を設けて軸体を受容孔内に揺動可能に受容することによりクリップ本体と筆記具本体とを互いに連結し、受容孔を軸体よりも大きく寸法設定してクリップ本体が筆記具本体に連結されたまま筆記具本体に対し移動できるようにし、クリップ本体を初期位置に向けて付勢するバネを具備した筆記具用クリップが公知である(特許文献1参照)。
特開2004−190699号公報
しかしながら、前者の筆記具用クリップでは、挟持可能な物品の厚さに限界があり、すなわち厚さの大きい物品を確実に挟持することが困難であるという問題点がある。
一方、後者の筆記具用クリップでは、クリップ本体が筆記具本体から離れる方向に移動できるので、厚さの大きい物品を確実に挟持することができる。このクリップでは受容孔が筆記具本体の内部空間内に設けられているので、受容孔と軸体とがこの内部空間内で互いに連結されることになる。しかしながら、この内部空間は一般に小さいので、この小さな内部空間内でクリップ本体と筆記具本体とを互いに連結するのは困難であり、すなわち筆記具にクリップを組み付けるのが困難であるという問題点がある。そもそも、小さな内部空間内に受容孔及び軸体を収容すること自体困難であり、受容孔及び軸体を収容するためだけに内部空間を拡大するというようなことは現実的でない。
前記課題を解決するために1番目の発明によれば、クリップ本体を具備し、該クリップ本体に形成されたクリップ側連結部と、筆記具の本体又はキャップの外面に形成された筆記具側連結部とのうちいずれか一方を軸体から構成すると共に他方を受容孔から構成して該軸体を該受容孔内に受容することによりクリップ本体と筆記具の本体又はキャップとを揺動可能に連結した筆記具用クリップにおいて、受容孔を軸体よりも大きく寸法設定してクリップ本体が筆記具の本体又はキャップに連結されたまま筆記具の本体又はキャップに対し移動できるようにすると共に、軸体が受容孔の周縁に当接することにより筆記具の本体又はキャップに対するクリップ本体の移動が規制されるようにし、クリップ本体を筆記具の本体又はキャップに向けて付勢するバネを具備している。
また、2番目の発明によれば1番目の発明において、クリップ本体の後端に操作部を形成し、前記バネを板バネから構成し、該板バネの一端を筆記具側連結部内又はそれよりも後側の筆記具の本体又はキャップに取り付けると共に他端をクリップ側連結部よりも前側のクリップ本体に取り付けている。
また、3番目の発明によれば2番目の発明において、クリップ本体に向け開口する凹溝を前記筆記具側連結部に設けて前記板バネが該凹溝内に位置できるようにしている。
また、4番目の発明によれば1番目の発明において、筆記具の本体又はキャップに対するクリップ本体の最大移動量が前記軸体の直径の少なくとも0.2倍になるように前記受容孔を寸法設定している。
また、5番目の発明によれば4番目の発明において、筆記具の本体又はキャップに対するクリップ本体の最大移動量が前記軸体の直径の0.5倍から2倍になるように前記受容孔を寸法設定している。
なお、本明細書では、筆記具本体の先端側又はキャップの開口端側を前側と考え、筆記具本体の末端又はキャップの閉塞端側を後側と考えている。
厚さの大きい物品の保持作用を確保しつつ筆記具にクリップを簡単に組み付けることができる。
図1は本発明を筆記具の本体ないし軸筒に適用した場合を示している。しかしながら、筆記具のキャップに本発明を適用することもできる。
図1を参照すると、1は複数色のインク収容管を収容した多色ボールペンの本体、2はボールペン本体1の後側に設けられた複数のノック部材をそれぞれ示す。ノック部材2がユーザにより押し下げられると、対応するインク収容管のペン先がボールペン本体1の前端から突出されて使用可能となる。なお、ボールペン本体1は例えば合成樹脂から形成される。
ボールペン本体1の後側にはクリップ3がノック部材2に隣接して配置されている。図2に詳しく示されるように、ボールペン本体1の外面1aには凸状部4が一体的に形成されている。この凸状部4はその両側面に形成された一対の軸体4aと、これら一対の軸体4a間を長手軸線方向に延びかつクリップ本体5に向け開口する凹溝4bとを備えている。なお、図2(A)においてL−Lはボールペン本体1の中心軸線を、図2(C)においてK−Kは軸体4aの中心軸線をそれぞれ示している。
クリップ3は例えば合成樹脂製のクリップ本体5を具備する。このクリップ本体5の前端には玉部5aが一体的に形成されており、後端には操作部5bが一体的に形成されている。特に図2(C)からわかるように、クリップ本体5は玉部5aと操作部5b間において一対の側壁5cとこれら側壁5cを接続する頂壁5dとを備えており、これら側壁5cに受容孔5eがそれぞれ形成されている。
クリップ本体5は側壁5c及び頂壁5dにより画定される内部空間内に凸状部4を収容できるよう寸法設定されており、したがってクリップ本体5を凸状部4上に被せて一対の軸体4aを受容孔5e内に受容させることにより、クリップ本体5とボールペン本体1とが揺動可能に連結される。
当然、ボールペン本体1に受容孔を形成し、クリップ本体5に軸体を形成してもよい。また、受容孔5eをクリップ本体5の後端周りの側壁5cに形成し操作部5bが設けられないようにしてもよい。したがって、概念的に言うと、クリップ本体にクリップ側連結部を形成し、筆記具の本体又はキャップに筆記具側連結部を形成し、筆記具の本体又はキャップに形成された筆記具側連結部とのうちいずれか一方を軸体から構成すると共に他方を受容孔から構成して軸体を受容孔内に揺動可能に受容することによりクリップ本体と筆記具の本体又はキャップとを互いに連結しているということになる。
図2に示されるように、受容孔5eは軸体4aよりも大きく寸法設定されており、本発明による実施例では長円形状をなしている。その結果、軸体4aが受容孔5e内に受容されたまま、すなわちクリップ本体5がボールペン本体1に連結されたまま、クリップ本体5がボールペン本体1に対し移動可能になっている。なお、本発明による実施例では、受容孔5eはその長手軸線がボールペン本体1の中心軸線L−L(図2(A)参照)に対しほぼ垂直となるよう形成されている。
クリップ3は例えば金属製のバネ6を更に具備する。本発明による実施例では、このバネ6は前側に向け開口するU字形状の単一の板バネから構成されている。板バネ6の後端6aは凸状部4内に形成された挿入孔4c内に圧入固定されており、板バネ6の前端6bは玉部5a周りのクリップ本体5に形成された挿入孔5f内に圧入固定されている。
クリップ本体5は板バネ6によりボールペン本体1に向けて付勢されている。すなわち、本発明による実施例では図2に示されるように、クリップ本体5は板バネ6により、玉部5aがボールペン本体1に当接するよう付勢されつつ軸体4aが受容孔5eの頂縁5eaに当接するよう付勢されている。なお、クリップ3が物品を保持しておらずかつクリップ3に外部から力が作用していない自然状態において、玉部5aがボールペン本体1に当接していなくてもよい。
このように本発明による実施例では、凸状部4がボールペン本体1の外面1aに形成されており、板バネ6を含むクリップ3全体がボールペン本体1の外部に位置するようにしている。その結果、ボールペン本体1とクリップ本体5とを簡単に連結させることができる。また、クリップ3のためだけにボールペン本体1の内部空間を拡大させる必要がない。
さて、クリップ3に書類や衣類などの物品を挟んで保持すべきときには、図3(A)に矢印Xで示されるようにユーザにより操作部5bがボールペン本体1に向けて押し下げられる。その結果、軸体4aが受容孔5eの頂縁5eaに当接しつつクリップ本体5が軸体4aの中心軸線K−K(図2(C))回りに揺動し、玉部5aがボールペン本体1から離脱し、それにより玉部5aとボールペン本体1間に空間7が形成される。次いで、この空間7内に物品8が挿入される。図3(A)に示される例では、物品8がクリップ本体5に当接するまで挿入されている。次いで、操作部5bに印加されていた力が除去されると、図3(B)に示されるようにクリップ本体5が物品8とクリップ本体5間の当接箇所9を中心として揺動し、このとき軸体4aは受容孔5eの頂縁5eaから離脱して受容孔5e内を移動する。次いで、玉部5aが物品8に当接するとクリップ本体5の揺動及び軸体4aの受容孔5e内での移動が停止し、クリップ本体5がボールペン本体1から離れた状態で物品8がクリップ3に保持される。その結果、クリップ本体5がボールペン本体1に対し移動できない場合に比べて、厚みの大きい物品8を確実に保持することができることになる。
あるいは、図4(A)に示されるように操作部5bが押し下げられた後、受容孔5eよりも前側のクリップ本体5に対し図4(B)に矢印Yで示されるように力がユーザにより印加されると、この場合にはクリップ本体5とボールペン本体1との当接箇所10を中心としてクリップ本体5が揺動し、このとき軸体4aは受容孔5eの頂縁5eaから離脱して受容孔5e内を移動する。すなわち、クリップ本体5がボールペン本体1から離れるよう移動される。その結果、クリップ本体5がボールペン本体1に対し移動できない場合に比べて、空間7を大きくすることができ、厚みの大きい物品8を確実に保持することができるようになる。
図3の場合も図4の場合も、軸体4aが受容孔5eの底縁5ebに当接すると、ボールペン本体1から離れる方向へのクリップ本体5の移動が制限される。一方、物品8がクリップ3から除去されると、クリップ本体5はボールペン本体1に近づくよう移動し、このとき軸体4aは受容孔5e内を移動する。次いで、玉部5aがボールペン本体1に当接し軸体4aが受容孔5eの頂縁5eaに当接すると、クリップ本体5は初期位置(図2)に戻ることとなる。
このように、ボールペン本体1に対する軸体4aないしクリップ本体5の移動は受容孔5eの周縁により規制される。上述したように、受容孔5eはその長手軸線がボールペン本体1の中心軸線L−Lに対しほぼ垂直となるよう形成されており、この場合、頂縁5eaから底縁5ebまでの受容孔5eの長手方向長さLは、ボールペン本体1の半径方向へのボールペン本体1に対するクリップ本体5の最大移動量Pを規定する。本発明による実施例では図5に示されるように、最大移動量Pが軸体4aの直径Dの1倍程度になるように、受容孔5eの長手方向長さLが軸体4aの直径Dの2倍程度に設定されている(L≒2D)。
好ましくは、クリップ本体5の最大移動量Pが軸体4aの直径Dの少なくとも0.2倍になるように、より好ましくは軸体4aの直径Dの0.5倍から2倍になるように受容孔5eが寸法設定される。このことは、図2のように受容孔5eの長手軸線がボールペン本体1の中心軸線L−Lに対しほぼ垂直の場合で言うと、受容孔5eの長手方向長さLを軸体4aの直径Dの少なくとも1.2倍に設定し(1.2D≦L)、好ましくは1.5倍から3倍(1.5D≦L≦3D)に設定しているということになる。
クリップ本体5がボールペン本体1に対し移動可能である限り、受容孔5eはどのような形状でも構わない。図6(A)から(L)には受容孔5eの別の実施例が示されている。図6(C)から(G)までは受容孔5eを多角形状に形成した場合を示しており、図6(H)から(K)までは受容孔5eを多角形の少なくとも1つの角又は辺が丸められた形状に形成した場合を示している。ところで、上述した図3の例では軸体4aは物品8とクリップ本体5間の当接箇所9を中心として移動し、図4の例では軸体4aはクリップ本体5とボールペン本体1との当接箇所10を中心として移動する。前者における軸体4aの軌跡をTB、後者における軸体4aの軌跡をTCとすると、図6(L)は受容孔5eの周縁をこれら軌跡TB,TCに沿って形成した場合を示している。このようにすると、軸体4aないしクリップ本体5の滑らかな移動が確保される。
上述したように、クリップ本体5は板バネ6により、玉部5aがボールペン本体1に当接するよう付勢され、同時に軸体4aが受容孔5eの頂縁5eaに当接するよう付勢される。これら二つの付勢作用を得るためには、板バネ6の前端6bを軸体4aよりも前側のクリップ本体5に取り付ければ足りる。しかしながら、本発明による実施例のように、板バネ6の前端6bをクリップ本体5の前端又は玉部5a周りの挿入孔5fに取り付けて板バネ6を長くすると、クリップ3を開けるために操作部5bに印加されるべき力を小さくすることができる。
このように板バネ6が軸体4aよりも前側まで延びるようにすると、板バネ6が凸状部4と干渉ないし当接する危険性が生ずる。特に、ボールペン本体1に対するクリップ本体5の移動量を大きくすべく軸体4aのボールペン本体1からの高さを大きくすると、この危険性は高くなる。しかしながら、本発明による実施例では凸状部4に凹溝4bが形成されており、板バネ6はこの凹溝4b内に位置することができる(図2(C)参照)。その結果、板バネ6が凸状部4に干渉するのを阻止しつつクリップ本体5の移動量を大きくすることが可能となる。このため、板バネ6のための空間を設ける必要がなく、クリップ3全体をコンパクトにすることができる。また、凹溝4bを形成することにより、クリップ本体5の受容孔5e内に軸体4aを受容させるときに、軸体4aが互いに近づくよう凸状部4が変形しやすくなり、したがってクリップ本体5の取り付けが容易になる。更に、板バネ6が凹溝4b内に位置しているときに板バネ6が凹溝4b内壁面に係合することにより、横方向(軸線K−K方向、図2(C)参照)におけるクリップ本体5の安定性を高めることができる。
上述したように、クリップ本体5に操作部5bを設けなくてもよい。しかしながら、操作部5bを設けることにより筆記具用クリップとして使いやすくなる。また、本発明による実施例のクリップは部品点数が少なく複雑な機構を備えていないので、簡単にかつ安価に製造することができる。
これまで説明した本発明による実施例では、バネ6は前側に向け開口するU字形状の単一の板バネから構成されている。しかしながら、バネ6を例えば後側に向け開口するU字形状の単一の板バネから構成することもできる。この場合、板バネの一端を凸状部4よりも後側のボールペン本体1に形成された挿入孔内に固定し、板バネの他端を操作部5b周りのクリップ本体5に形成された挿入孔内に固定することができる。
ボールペン全体の(A)平面図及び(B)側面図である。 クリップの(A)側面図、(B)縦断面図、(C)線IIC−IICに沿った横断面図である。 本発明による実施例を説明するためのクリップの側面図である。 本発明による実施例を説明するためのクリップの側面図である。 受容孔を示す図である。 受容孔の別の実施例を示す図である。
符号の説明
1 ボールペン本体
3 クリップ
4a 軸体
5 クリップ本体
5e 受容孔
6 板バネ

Claims (5)

  1. クリップ本体を具備し、該クリップ本体に形成されたクリップ側連結部と、筆記具の本体又はキャップの外面に形成された筆記具側連結部とのうちいずれか一方を軸体から構成すると共に他方を受容孔から構成して該軸体を該受容孔内に受容することによりクリップ本体と筆記具の本体又はキャップとを揺動可能に連結した筆記具用クリップにおいて、受容孔を軸体よりも大きく寸法設定してクリップ本体が筆記具の本体又はキャップに連結されたまま筆記具の本体又はキャップに対し移動できるようにすると共に、軸体が受容孔の周縁に当接することにより筆記具の本体又はキャップに対するクリップ本体の移動が規制されるようにし、クリップ本体を筆記具の本体又はキャップに向けて付勢するバネを具備した筆記具用クリップ。
  2. クリップ本体の後端に操作部を形成し、前記バネを板バネから構成し、該板バネの一端を筆記具側連結部内又はそれよりも後側の筆記具の本体又はキャップに取り付けると共に他端をクリップ側連結部よりも前側のクリップ本体に取り付けた請求項1に記載の筆記具用クリップ。
  3. クリップ本体に向け開口する凹溝を前記筆記具側連結部に設けて前記板バネが該凹溝内に位置できるようにした請求項2に記載の筆記具用クリップ。
  4. 筆記具の本体又はキャップに対するクリップ本体の最大移動量が前記軸体の直径の少なくとも0.2倍になるように前記受容孔を寸法設定した請求項1に記載の筆記具用クリップ。
  5. 筆記具の本体又はキャップに対するクリップ本体の最大移動量が前記軸体の直径の0.5倍から2倍になるように前記受容孔を寸法設定した請求項4に記載の筆記具用クリップ。
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