JP2007130798A - 円環状中空体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】円筒状部材それ自身のオーバラップ接合域が、その円筒状部材の端部分の、外周側への折返しによって半径方向の内外に対向して位置することになっても、それらの不測の接着等を十分に防止することができ、また、円筒状部材の外周面上に貼着等させた離型シートが、円環状中空体の成型に当ってその表面から剥がれたり、脱落したりすることがあっても、成型されたその円環状中空体の内表面の、意図しない接着等を有効に防止することができる円環状中空体の製造方法を提供する。
【解決手段】一枚の未加硫ゴムシート2のそれぞれの端部分を相互にオーバラップ接合させて円筒状部材3とした後、その円筒状部材3の軸線方向の両端部部を、円筒状部材の外表面上の離型シート4とともに外周側へ折返し、この折返し姿勢で円筒状部材3の両端部をオーバラップ接合させて円環状中空体とするに当って、円筒状部材3の形成後、円筒状部材3の外表面上の離型シート4の、円周方向の両端部を円筒状にオーバラップ接合させるにある。
【選択図】図1
【解決手段】一枚の未加硫ゴムシート2のそれぞれの端部分を相互にオーバラップ接合させて円筒状部材3とした後、その円筒状部材3の軸線方向の両端部部を、円筒状部材の外表面上の離型シート4とともに外周側へ折返し、この折返し姿勢で円筒状部材3の両端部をオーバラップ接合させて円環状中空体とするに当って、円筒状部材3の形成後、円筒状部材3の外表面上の離型シート4の、円周方向の両端部を円筒状にオーバラップ接合させるにある。
【選択図】図1
Description
この発明は、たとえば、安全タイヤ用空気のうの内圧保持部材、タイヤチューブ等として用いることができる未加硫の円環状中空体の製造方法、なかでも成型方法に関するものであり、とくには、加硫成形工程に到るまでの間に、その円環状中空体の内表面どうしが意図しない接着、接合等をするのを有効に防止する技術を提案するものである。
たとえば安全タイヤ用の空気のうは、図4に半径方向の断面を概念的に例示するように、ゴムを主体とする、気密構造の内圧保持部材111を、それの内表面どうしの不測の接着等を防止する離型シート112を有するものとし、かかる内圧保持部材111の周りに、たとえば不織布からなる補強層113を積層するとともに、この補強層113の外周側領域に、これも不織布にて形成することができる内圧支持用の補強層114を配設し、一方、その補強層113の内周側領域には、空気のうの、リムへの着座を確実なものとする、タイヤのビードコアに対応する一対の環状補強部材115を、内圧保持部材の中心軸線方向への相互の離隔状態でそれぞれ配設し、さらに、外周側領域の補強層114をアウターシート116により、そして残部をゴム外皮117によってそれぞれカバーするとともに、内圧保持部材111に、内圧給排用のバルブ118を取付けることによって構成することができ、このような空気のうの、内圧保持部材111のための、未加硫の円環状中空体の成型方法としては図5に示すような方法が提案されている。
この提案方法は、たとえば図5(a)に示すように、一定厚みの未加硫のゴムシート121の長さ方向のそれぞれの端縁を、それの延在方向Xと直交する幅方向Yに対して所定の角度θをなす、相互に平行な傾斜端縁121aとし、全体としてほぼ平行四辺形状をなすこのゴムシート121を、図5(b)に示すように、成型ドラム122の周りに一回巻き回した状態で、ゴムシート121の両端部を相互にオーバラップ接合させることで円筒状部材123を形成し、次いで、この円筒状部材123の軸線方向の両端部分を、円筒状部材123の外表面上に事後的に、または事前に貼着させた離型シート124とともに、通常は成型ドラム122上で、図5(c)に示すように、外周側に向けてそれぞれ折返して、それらの両端部分を、離型シート124の作用下で、元の円筒状部材123の外表面には接着等させることなく、相互にオーバラップ接合させることで、未加硫の円環状中空体125を成型するとするものであり、このように成型してなる円環状中空体125は、図5(d)に示すように、成型ドラム122から抜き出して、加硫成形を施した後、または加硫を施すことなく、先に述べたような構造の空気のうの成型に供することができる。
しかるに、この提案技術にあっては、たとえば、プラスチック材料からなる離型シート124を、図5(b)に示すように、円筒状部材123の外表面上の、円筒状部材それ自身のオーバラップ接合域126を除いた領域に、通常は未加硫ゴムからなる円筒状部材123に固有の粘着力だけをもって貼着させることとしているため、その円筒状部材123から円環状中空体125を成型するに当って、離型シート124が円筒状部材123から部分的に剥がれたり、脱落したりすることがあり、この結果として、成型された円環状中空体125がその内表面で不測の接着等を生じるおそれがあった。
しかも、離型シート124が剥がれたり、脱落したりしない場合にあっても、たとえば図6に、図5(d)のVI−VI線に沿う断面を例にとって示すように、離型シート124が貼着されていない、円筒状部材それ自身のオーバラップ接合域126が、円筒状部材123の端部分の折返しによって、半径方向の内外に相互に対向して位置することとなる個所では、その対向部分に意図しない接着等が生じるおそれがあるという問題があった。
この発明は、提案技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、円筒状部材それ自身のオーバラップ接合域が、その円筒状部材の端部分の、外周側への折返しによって半径方向の内外に対向して位置することになっても、それらの不測の接着等を十分に防止することができ、また、円筒状部材の外周面上に貼着等させた離型シートが、円環状中空体の成型に当ってその表面から剥がれたり、脱落したりすることがあっても、成型されたその円環状中空体の内表面の、意図しない接着等を有効に防止することができる円環状中空体の製造方法を提供するにある。
この発明に係る円環状中空体の製造方法は、一枚の未加硫ゴムシートのそれぞれの端部分を相互にオーバラップさせて円筒状部材とした後、その円筒状部材の軸線方向の両端部分を、円筒状部材の外表面上の離型シートとともに外周側へ折返し、この折返し姿勢で円筒状部材の両端部をオーバラップ接合させて円環状中空体を成型するに当り、円筒状部材の形成後、その円筒状部材の外表面上の、事後的に貼着させて配置した、または、円筒状部材の形成前に事前に貼着させて配置した離型シートの、円周方向の両端部を円筒状にオーバラップ接合させて、その離型シートをエンドレスに構成するにある。
この場合好ましくは、熱可塑性プラスチック材料にて形成した離型シートの両端部を、それらの重ね合わせ姿勢で熱融着させる。
この場合好ましくは、熱可塑性プラスチック材料にて形成した離型シートの両端部を、それらの重ね合わせ姿勢で熱融着させる。
この発明ではとくに、円筒状部材の外表面上の離型シートの、円周方向の両端部分を円筒状にオーバラップ接合させてその離型シートをエンドレスに構成することにより、円筒状部材それ自身のオーバラップ接合域を、離型シートをもって確実に覆うことができ、しかも、円筒状部材を円環状中空体に成型するに際して、その離型シートが、円筒状部材から部分的に剥がれたり、脱落したりすることがあっても、エンドレスに接合したその離型シートは、円環状中空体内で、軸線方向の一方側に偏る等の特段の事情がない限り、それ本来の機能を十分に発揮することができるので、円環状中空体の内表面どうしが、その中空体の、内圧充填に基く膨満の妨げとなる接着、接合等を生じるのを有効に防止することができる。
ところで、離型シートの両端部のオーバラップ接合は、貼着剤をも含む接着剤その他を用いて行うことも可能であるが、その離型シートを、熱可塑性プラスチック材料にて形成するとともに、それの両端部を、相互の重ね合わせ姿勢で熱融着させる場合には、接着剤等の準備およびそれの塗布作業等を不要として、所要のオーバラップ接合を簡易に、かつ迅速に行うことができる。
図1はこの発明の実施形態を示す工程図であり、ここでははじめに、所定の幅および長さを有するとともに一定の厚みを有する長方形状の未加硫ゴムシート、または、両端縁を、従来技術で述べたような、相互に平行な傾斜端縁とした平行四辺形状の未加硫ゴムシートを、図1(a)に示すように、成型ドラム1の周面上に一回以上、図では一回巻き回して、そのゴムシート2のそれぞれの端部分を相互の粘着下でオーバラップ接合させて円筒状部材3を形成する。
次いで、この円筒状部材3の外表面上に、たとえば、そこへの粘着下で事後的に貼着させて配置した、または、円筒状部材3の形成前の未加硫ゴムシート2に予め粘着させて配置した、熱可塑性プラスチック材料からなる離型シート4の、円周方向の両端部4a、4bを、たとえば、円筒状部材3のオーバラップ接合部5からドラム1の円周方向に離隔した位置で相互の重ね合わせ姿勢とし、その後、それらの両端部4a、4bの重なり部分を、たとえば、図1(b)に示すように、加熱したローラ6の転動に基く加圧、加熱によって熱融着させて、離型シート4の相互のオーバラップ接合部7を形成する。
このことによれば、離型シート4はエンドレスの円筒形状に形成されて、成型ドラム1上の円筒状部材3の外周面を、所定の軸線方向位置で、それの全周にわたって完全にカバーすることができる。
なおここで、離型シート4の重ね合わせ端部4a、4bの熱融着は、図2(a)、(b)に要部展開略線斜視図で例示するように、過熱された電気ごて8またはアイロン9をもってその重ね合わせ端部4a、4bを加圧および加熱するとともに、それを、その重ね合わせ端部4a、4bの延在方向の全長にわたって移動させることによって行うこともできる。
ところで、離型シート4の重ね合わせ端部4a、4bの熱融着は、それらの両端部4a、4bのオーバラップ接合部7の強度等との関連において、重ね合わせ端部4a、4bの全長にわたって行うことは必須ではなく、たとえば、それの延在方向に間欠的に行うこともできる。
離型シート4をこのようにしてエンドレス接合した後は、先の提案技術で述べたように、たとえば成型ドラム1上で、円筒状部材3の軸線方向のそれぞれの端部分を離型シート4とともに外周側に折返し、そして、それらの両端部を、これもたとえば粘着力の作用下でオーバラップ接合させることにより、図5(c)に示すような形態を有する所要の円環状中空体を成型することができる。
そしてこの円環状中空体によれば、その中空体の、図6と同様の断面図を示す図3から明らかなように、離型シート4の端部分4a、4bのオーバラップ接合による円筒形状への形成の故に、円筒状部材3のオーバラップ接合部5もまた離型シート4によって確実に覆われることになるので、成型された円環状中空体で半径方向の内外に対向して位置することとなるそのオーバラップ接合部の不測の接着等のおそれを十分に除去することができ、また、円筒形状をなすその離型シート4が、元の円筒状部材3または成型された円環状中空体から部分的に剥がれたり、脱落したりすることがあっても、その離型シート4に、それ本来の離型機能を常に有効に発揮させることができる。
1 成型ドラム
2 未加硫ゴムシート
3 円筒状部材
4 離型シート
4a、4b 端部
5 円筒状部材のオーバラップ接合部
6 ローラ
7 離型シートのオーバラップ接合部
8 電気ごて
9 アイロン
2 未加硫ゴムシート
3 円筒状部材
4 離型シート
4a、4b 端部
5 円筒状部材のオーバラップ接合部
6 ローラ
7 離型シートのオーバラップ接合部
8 電気ごて
9 アイロン
Claims (2)
- 一枚の未加硫ゴムシートのそれぞれの端部分を相互にオーバラップ接合させて円筒状部材とした後、その円筒状部材の軸線方向の両端部部を、円筒状部材の外表面上の離型シートとともに外周側へ折返し、この折返し姿勢で円筒状部材の両端部をオーバラップ接合させて円環状中空体とするに当って、
円筒状部材の形成後、円筒状部材の外表面上の離型シートの、円周方向の両端部を円筒状にオーバラップ接合させる円環状中空体の製造方法。 - 熱可塑性プラスチック材料にて形成した離型シートの両端部を、それらの重ね合わせ姿勢で熱融着させる請求項1に記載の円環状中空体の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2005323637A JP2007130798A (ja) | 2005-11-08 | 2005-11-08 | 円環状中空体の製造方法 |
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JP2005323637A JP2007130798A (ja) | 2005-11-08 | 2005-11-08 | 円環状中空体の製造方法 |
Publications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2007130798A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012041455A (ja) * | 2010-08-19 | 2012-03-01 | Bridgestone Corp | 未加硫ゴムの表面改質方法 |
-
2005
- 2005-11-08 JP JP2005323637A patent/JP2007130798A/ja not_active Withdrawn
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