JP2007126071A - 車両用サンバイザ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両用サンバイザ101は、サンバイザ本体103と、車体側固定部107と、サンバイザ本体103を車体側固定部107に接続する支軸105と、を有する。支軸105に対して所定量の外力が所定方向から作用したときに嵌合軸部105aにおいて破断する構成とされる。嵌合軸部105aには、車体側固定部107の車室側外側表面よりも奥まった位置に破断の開始を誘発する破断起点部125bが設定され、車体側固定部107には、支軸105の軸線に関して破断起点部125bと反対側に外力に対する支点127eが設定され、これにより破断が破断起点部125bから支点127eに向かって生ずる構成とされ、そして支点127eが車体側固定部107の車室側外側表面よりも奥まった位置に設定されている。
【選択図】 図2
Description
請求項1に記載の発明に係る車両用サンバイザは、サンバイザ本体と、車体側固定部と、サンバイザ本体を車体側固定部に接続する支軸とを有する。支軸は、車体側固定部の中空孔部内に嵌入された嵌合軸部を有するとともに、支軸に対して所定量の外力が所定方向から作用したときに嵌合軸部において破断する構成とされる。なお本発明における「車体側固定部」とは、典型的には、サンバイザを車体の天井面に取り付けるべく、当該天井面の構成部材とは別部品として備えられる軸受部材(ブラケット)がこれに該当するが、支軸を天井面の構成部材に直接に装着する構成においては、天井面の構成部材を包含する概念である。また本発明における「嵌合軸部において破断する構成」とは、典型的には、嵌合軸部に破断を誘発する破断誘発部としての応力集中領域を設けることがこれに該当する。なお「破断誘発部」とは、嵌合軸部の外面における後側(乗員と対向する側)のみに径方向に所定深さの切り込み、あるいは切欠(溝)を設ける態様、嵌合軸部の外面における前面側と後面側とのそれぞれに切り込み、あるいは切欠(溝)を設ける態様、嵌合軸部の外面全周にわたって環状の溝を設ける態様等を広く包含する。また「所定方向」とは、典型的には、後方から前方に向う概ね水平方向、すなわち径方向がこれに該当するが、径方向成分を含む方向を包含する。
本発明においては、嵌合軸部には、車体側固定部の車室側外側表面よりも軸方向の奥まった位置に破断の開始を誘発する破断起点部が設定され、車体側固定部には、支軸の軸線に関して破断起点部と反対側に外力に対する支点が設定され、これにより破断が破断起点部から支点に向かって生ずるよう構成されている。なお本発明における「破断起点部」は、支軸の破断が開始する際の起点となる箇所であり、典型的には、嵌合軸部の外面後側に形成される「破断誘発部」としての、切り込み、切欠等によって構成される。また「外力に対する支点」とは、嵌合軸部に対する車体側固定部の中空孔部内における前側の接触開始点(接触と非接触との境界)をいう。
支軸に対して横方向(径方向)あるいは径方向成分を含む方向に衝撃的な外力が作用し、この外力によって当該支軸の嵌合軸部に破断が生ずる際、破断起点部に生じた亀裂は、嵌合軸部の内部に生ずる応力が最も集中する部位、すなわち支点に向かって進行する。本発明によれば、支軸に作用する外力に対する支点を車体側固定部の車室側外側表面よりも軸方向の奥まった位置に設定したことにより、破断の終点領域を車体側固定部の中空孔部内とすることができる。すなわち、車体側固定部に残留する嵌合軸部の破断面を車体側固定部の中空孔部内に生じさせ、当該破断面が車体側固定部の中空孔部から車室側に突出した状態ないし概ね面一状態で残留することを合理的に防止することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の車両用サンバイザにおいて、中空孔部と嵌合軸部との嵌合領域につき、中空孔部の内面に車体側固定部の車室側外側表面から奥側に向って軸方向に所定長さで延びる除肉部が形成され、当該除肉部の奥側端部と嵌合軸部との接触部分が支軸に作用する外力の支点とされている。なお本発明における「除肉部」とは、中空孔部の内面に内径が広がる側に凹み(切欠)を形成することであり、その態様としては、中空孔部の内径部につき、周方向の所定の領域にわたって凹みを形成する態様、あるいは全周にわたって凹みを形成する態様のいずれも好適に包含する。本発明によれば、車体側固定部の中空孔部に対して簡単な加工を加えることで、あるいは成形することによって除肉部を簡単に構成できる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の車両用サンバイザにおいて、中空孔部と嵌合軸部との嵌合領域につき、嵌合軸部の外面に車体側固定部の車室側外側表面から奥側に向って軸方向に所定長さで延びる除肉部が形成され、当該除肉部の奥側端部と中空孔部との接触部分が支軸に作用する外力の支点とされている。なお本発明における「除肉部」とは、嵌合軸部の外面に外径を小さくする側に凹み(切欠)を形成することであり、その態様としては、嵌合軸部の外径部につき、周方向の所定の領域にわたって凹みを形成する態様、あるいは全周にわたって凹みを形成する態様のいずれも好適に包含する。本発明によれば、請求項2に記載の発明と同様に、支軸の嵌合軸部に対して簡単な加工を加えることで、あるいは成形することによって除肉部を簡単に構成できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用サンバイザにおける嵌合軸部は、支点と対応する部位に応力集中部を有する構成とされる。なお本発明における「支点と対応する部位」とは、支点と応力集中部位が嵌合軸部の軸方向において概ね一致している態様をいう。また「応力集中部」とは、嵌合軸部に径方向に適宜深さの切り込み、あるいは切欠等を設ける態様がこれに該当する。このように、応力集中部と支点とを対応する位置に設定したときは、支軸に対する外力の作用時に、嵌合軸部の内部に生ずる応力が応力集中部に集中し易くなり、破断面の孔内部での発生率をより向上させることができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る車両用サンバイザについて、図面を参照しつつ詳しく説明する。図1には本実施の形態に係る車両用サンバイザの全体構成が簡略に示されている。図1に示すように、本実施の形態に係る車両用サンバイザ101は、概括的に見て、サンバイザ101の外形を構成するサンバイザ本体103、サンバイザ本体103を車両に装着するための支軸105、および取付ブラケット107を主体として構成されている。支軸105は、概ね鉛直方向に延びる縦軸部105aと、概ね水平方向に延びる横軸部105bとを備えた略L字状に形成されている。支軸105の横軸部105bは、サンバイザ本体103における上縁部の一方の隅部に内蔵された軸受部(便宜上図示を省略する)に装着され、これによりサンバイザ本体103が横軸部105bの軸回りに相対的に回動自在とされる。支軸105の縦軸部105aは、取付ブラケット107を介して車室天井面の前側隅部に回動自在に装着される。縦軸部105aは、本発明における「嵌合軸部」に対応し、取付ブラケット107は、本発明における「車両側固定部」に対応する。
この場合、例えば支点127eが軸受部127の孔開口端部に位置しているときは、たとえ前面側に切り込み125aのような応力集中部が設けられていても、後面側の切り込み125bを起点にして生じた破断が支点127eに向かって進行し、その結果として縦軸部105aの破断面が軸受部127の室内側端面から露出した状態あるいは露出しないまでも室内側端面近くに発生する可能性がある。
本実施の形態によれば、上記のように支点127eの位置を、軸受部127の孔開口端部よりも奥まった位置に設定したことにより、軸受部127側に残留する縦軸部105aの破断面を支点127e付近、すなわち軸受部127の孔内に生じさせることが可能となる。その結果、図3に示すように、縦軸部105aの破断面が軸受部127の孔開口端面から車室側に突出しない状態とすることができる。
次に本発明の第2の実施形態に係る車両用サンバイザ101につき、図7および図8を参照して説明する。この第2の実施形態は、縦軸部105aの平行軸部121の前面側外面に軸方向に所定長さで延びる除肉部121aを設けることによって、平行軸部121と平行孔127aとの間に隙間隙Cを形成し、これにより軸受部127の孔開口端部から奥まった位置に支点127eを設定する構成としている。なお除肉部121aは、図8に示すように、平行軸部121の前面における周方向の、例えば、180度前後の範囲にわたって円弧状に形成されている。これにより、図2に示すように、除肉部121aの奥側端部と軸受部127の孔内面との接触開始部分が、支軸105に作用する外力の支点127eとされる。なお本実施の形態では、除肉部121aは、縦軸部105aに形成された前面側の切り込み125aに達している。このため、支点127eは、切り込み125aの上に設定されることになる。
(態様1) 破断起点部は、縦軸部の後面側に形成されたスリット状の凹部によって構成されるとともに、当該凹部は、縦軸部の径方向に所定深さを有する。
(態様2) 軸受部あるいは縦軸部には除肉部が形成され、当該除肉部は、軸受部の孔内面あるいは縦軸部の外面における周方向の概ね180度の領域にわたって形成され、これにより軸受部の内面と縦軸部の外面との間に間隙が設定される。
(態様3) 除肉部は、軸受部の孔内面あるいは縦軸部の外面における周方向に円弧状に形成されている。
(態様4) 縦軸部の前面側と後面側のそれぞれにスリット状の凹部が設定されている。
(態様5) 態様4に記載のスリット状の凹部を有する縦軸部の断面形状は、概ね小判型に形成されている。
(態様6) 破断起点部、あるいは応力集中部として形成されるスリット状の凹部は、縦軸部の周面に沿う円弧状に形成されている。
(態様7) 支点は、縦軸部の軸線に関し、当該縦軸部に形成される破断起点部としてのスリット状の凹部と対称位置あるいはその近傍位置に設定されている。
103 サンバイザ本体
105 支軸
105a 縦軸部(嵌合軸部)
105b 横軸部
107 取付ブラケット(車両側固定部)
109 サポート軸
121 平行軸部
121a 除肉部
122 テーパ軸部
123 小径軸部
124 係止頭部
125a 前面側の切り込み(応力集中部)
125b 後面側の切り込み(応力集中部、破断起点部)
125c 前面側の切欠(応力集中部)
125d 後面側の切欠(応力集中部、破断起点部)
126 取付基部
127 軸受部
127a 平行孔(中空孔部)
127b テーパ孔(中空孔部)
127c 係止爪
127d 除肉部
127e 支点
Claims (4)
- サンバイザ本体と、
車体側固定部と、
前記サンバイザ本体を前記車体側固定部に接続する支軸と、を有し、
前記支軸は、前記車体側固定部の中空孔部内に嵌入された嵌合軸部を有するとともに、前記支軸に対して所定量の外力が所定方向から作用したときに前記嵌合軸部において破断する構成とされ、
前記嵌合軸部には、前記車体側固定部の車室側外側表面よりも奥まった位置に破断の開始を誘発する破断起点部が設定され、前記車体側固定部には、前記支軸の軸線に関して前記破断起点部と反対側に前記外力に対する支点が設定され、これにより前記破断が前記破断起点部から前記支点に向かって生ずるよう構成された車両用サンバイザであって、
前記支点が前記車体側固定部の車室側外側表面よりも奥まった位置に設定されていることを特徴とする車両用サンバイザ。 - 請求項1に記載の車両用サンバイザであって、
前記中空孔部と前記嵌合軸部との嵌合領域につき、前記中空孔部の内面に前記車体側固定部の車室側外側表面から奥側に向って軸方向に所定長さで延びる除肉部が形成され、当該除肉部の奥側端部と前記嵌合軸部との接触部分が前記支軸に作用する外力の支点とされていることを特徴とする車両用サンバイザ。 - 請求項1に記載の車両用サンバイザであって、
前記中空孔部と前記嵌合軸部との嵌合領域につき、前記嵌合軸部の外面に前記車体側固定部の車室側外側表面から奥側に向って軸方向に所定長さで延びる除肉部が形成され、当該除肉部の奥側端部と前記中空孔部との接触部分が前記支軸に作用する外力の支点とされていることを特徴とする車両用サンバイザ。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用サンバイザであって、
前記嵌合軸部は、前記支点と対応する部位に応力集中部を有することを特徴とする車両用サンバイザ。
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2005
- 2005-11-07 JP JP2005322050A patent/JP4693600B2/ja active Active
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