JP2007123072A - 電線保持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】電線を簡単且つ確実に且つより省スペースで且つ比較的正確な位置で保持できる電線保持具を提供すること。
【解決手段】電線受部材11を構成する板状部材11Cに於いて、ピン14Aが摺動可能な周回溝16を形成する。ピン14Aは、開口閉鎖部12を構成する腕部12Aの基端側に連結された連結部材14の先端に設ける。周回溝16には、腕部12Aを閉鎖する方向への力が加えられることによってピン14Aが予め定められた周回方向にのみ摺動するように角部16A〜16Dと段差16S〜16Vを形成する。腕部12Aと腕部12Bは、リンク部材12D、12Eによって連結する。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば自動車用のワイヤハーネスを組み立てるための保持具に関し、詳しくは、3次元形状のワイヤハーネスを組み立てる際、該ワイヤハーネスを3次元経路に沿って正確に保持するための技術に関する。
自動車等で使用されるワイヤハーネスは、3次元経路に沿って配索される。従来、このようなワイヤハーネスの組立は次のようになされていた。
即ち、3次元的なワイヤハーネスの経路を、2次元の平面内に展開して作業用図面に表現する。次に、この作業用図面を組立作業台上に貼り付けて、2次元的な電線の布線経路やコネクタの取付位置、クランプ等の外装部品の取付位置を指示した組立作業台を準備する。そして、この組立作業台に於ける電線の布線経路の途中や分岐位置に、略U字状の電線受部を備えた電線保持具を立設し、この電線保持具に沿って所定の2次元形態に複数の電線を布線するようにしている。
更に、電線保持具に沿って布線された電線束の外周に粘着テープを巻付けることでワイヤハーネスとしての電線束の形態を整えると共にクランプ等の外装部品を取付けることによって、所要形態のワイヤハーネスが組み立てられる。
このようにして組み立てられたワイヤハーネスは、2次元的平面に展開された形態で形作られているので、実際の自動車に配索する場合には、配索箇所の3次元配索経路に馴染ませながら組み付ける必要がある。
通常、ワイヤハーネスは、柔軟性を有する材料(電線)から構成されているため、3次元配索経路に馴染ませるように屈曲することは無理ではない。しかしながら、テープ巻によってある程度その形態が固められた電線束を、3次元配索経路に馴染ませるように屈曲することは困難である。特に、電線束の径が大きな幹線部分や屈曲度の大きい配索経路の部分では、その屈曲自体が困難であるし、また、狭いスペースでの配索作業はその困難性を大にする。
また、配索経路へワイヤハーネスを馴染ませながら配索する場合、幹線を屈曲させる方向が不適切であると、それに付随して分岐線の分岐方向が本来配索すべき方向と合致しなくなってしまうという問題もある。
そこで、組立作業台に於いてワイヤハーネスの組立を行う段階で、組立作業台に垂直な方向(Z軸方向)への布線を可能にして実際の自動車の配索経路に略対応する3次元形態で組み立てることができれば、上記問題を低減することが可能となる。
しかしながら、従来の電線保持具を用いて3次元的なワイヤハーネスの布線を行った場合、次のような問題が生じる。
即ち、従来の電線保持具に於ける電線受部は、上方に開口する略U字状形状を呈している。このため、電線受部に上方から電線を布線すること及び電線受部から上方に電線束を取出すことは非常に容易に行うことができる。しかしながら、3次元的なワイヤハーネスの布線に応じて組立作業台の板面に対し斜め上方へ電線が布線される場合に於いて、その布線作業に伴って斜め上方への変化点に立設された電線保持具では、電線が斜め上方へ持ち上げられて該電線保持具から外れることになる。
これを防止するための技術として、布線経路の上方への変化点に位置する電線保持具の近傍に、略コ字状の電線受部を有する補助支持具を起伏可能に設け、この補助支持具を横向きに倒すことで、電線保持具から離脱するのを防止するようにしたものがある(第1従来技術)。このような補助支持具は、本来の課題は異なるものの、特許文献1に開示されている。
また、電線受部に保持された電線が電線受部からあふれ出てしまうのを防止する技術として次の構成のものがある。即ち、電線受部を構成する一対の腕部が開閉可能とされ、通常状態に於いて電線が離脱しないように、一対の腕部が閉じた状態となるように付勢部材によって付勢されている。そして、電線を閉姿勢の電線受部に挿入する際には、該電線の押込作業に伴って付勢部材の付勢力に抗して一対の腕部が開き、また、布線完了後、テープ巻された電線束を電線受部から取外す際には、該取り外し作業に伴って付勢部材の付勢力に抗して一対の腕部が開くように構成されている(第2従来技術)。このような技術は、例えば、特許文献2乃至特許文献4に開示されている。
特開2003−132747号公報 特開平10−40752号公報 特開平9−17251号公報 特開平9−17252号公報
しかしながら、上記第1従来技術では、斜め上方へ向けて布線される布線経路の変化点が、電線保持具が本来電線を支持すべき位置であるのに、補助支持具を経由することで、電線の支持位置がずれるという問題がある。
また、電線保持具の近傍にこれとは別に補助支持具を立設しているので、ワイヤハーネスを布線する際に、略コ字状の補助支持具の側方にある開口から布線しなければならず作業が煩雑になるという問題の外、設置スペースが大きくなるという問題もある。特に、3次元的に布線する際には、2次元的に布線する場合と比較して、垂直方向成分への屈曲配線が加わる関係上、各電線保持具の設置位置の間隔がより狭い設定となり易いので、小設置スペース化の要請が大きい。
また、上記第2従来技術では、3次元的な布線に伴って上方へ持ち上げるような強い力が電線に加わる使用状況に於いては、電線受部に保持された電線が一対の腕部を付勢力に抗して開いてしまい、結局電線が外れてしまう恐れがある。これを防止するために一対の腕部が閉じた状態を維持するためのロック部を更に設けても良いが、ロック部の操作により作業性が低下するという問題が新たに生じる。
そこで、本発明は、電線を簡単且つ確実に且つより省スペースで且つ比較的正確な位置で保持できる電線保持具を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明は、電線を一定位置で保持する電線保持具であって、開口を有する電線受部材と、前記電線受部材に連結されて前記開口を閉鎖する閉姿勢と前記開口を開放する開姿勢との間で姿勢変更自在な開口閉鎖部と、前記開口閉鎖部を前記開姿勢に向けて付勢する付勢部材と、前記開口閉鎖部を前記閉姿勢でロックするロック機構とを備え、前記ロック機構は、前記開口閉鎖部が前記閉姿勢から更に前記開口を閉鎖する方向の力を受けてロック状態またはアンロック状態に切り替わるものである。
この場合、前記ロック機構は、前記電線受部材側に設けられた周回溝と、前記開口閉鎖部の姿勢変更に連動して前記周回溝を周回するピンとを備え、前記周回溝は、前記開口閉鎖部が前記閉姿勢にあるときに前記ピンと係合可能な係合部を有していてもよい。
また、前記周回溝は、前記開口閉鎖部が前記開姿勢から前記閉姿勢を経て更に前記開口を閉鎖する方向への移動により、前記ピンを前記係合部に導く案内路と、前記開口閉鎖部が前記閉姿勢から更に前記開口を閉鎖する方向への移動により、前記ピンを前記係合部から離脱させる離脱路とを更に有していてもよい。
更に、前記周回溝は、前記ピンが前記係合部から前記案内路に戻るのを阻止する段差と、前記ピンが前記離脱路から前記係合部に戻るのを阻止する段差とを有していてもよい。
また、前記開口閉鎖部は、前記電線受部材に回動自在に連結された一対の腕部を有し、前記一対の腕部を連動して開閉させるリンク機構を備えていてもよい。
更に、前記一対の腕部のうち相互に対向する部分に、弾性部が設けられていてもよい。
また、前記一対の腕部のうちの一方が前記ロック機構によりロック可能に構成されていてもよい。
また、前記開口は、複数の電線を有する電線束を挿通可能な開口幅を有していてもよい。
この発明の電線保持具によると、開口を有する電線受部材と、前記開口を閉鎖する閉姿勢と前記開口を開放する開姿勢との間で姿勢変更自在な開口閉鎖部と、前記開口閉鎖部を前記開姿勢に向けて付勢する付勢部材と、前記開口閉鎖部を前記閉姿勢でロックするロック機構とを備え、前記ロック機構は、前記開口閉鎖部が前記閉姿勢から更に前記開口を閉鎖する方向の力を受けてロック状態またはアンロック状態に切り替えられる。このため、開口閉鎖部の姿勢変更を作業性の低下を招くことなくワンタッチで簡単且つ確実に行うことが可能となる。しかも、比較的正確な位置で且つ省スペースで電線を保持できる。更に、開口閉鎖部は閉姿勢でロックとなるため、より確実に保持できる。
また、前記ロック機構が前記電線受部材側に設けられた周回溝と、前記周回溝を前記開口閉鎖部の姿勢変更に連動して周回するピンとを有し、前記周回溝は、前記開口閉鎖部が前記閉姿勢にあるときに前記ピンと係合可能な係合部を有していると、簡単な構成で確実なロック機構を構成することが可能である。
また、前記周回溝には、前記開口閉鎖部が前記開姿勢から前記閉姿勢を経て更に前記開口を閉鎖する方向への移動により、前記ピンを前記係合部に導く案内路と、前記開口閉鎖部が前記閉姿勢から更に前記開口を閉鎖する方向への移動により、前記ピンを係合部から離脱させる離脱路とを有していると、前記開口が閉鎖する方向の力を前記開口閉鎖部に加えることによって前記開口閉鎖部のロック状態またはアンロック状態を切り替えることが可能となる。
更に、前記周回溝には、前記ピンが前記係合部から前記案内路に戻るのを阻止する段差と、前記ピンが前記離脱路から前記係合部に戻るのを阻止する段差とを有していると、前記ピンを前記周回溝内に於いて予め定められた周回方向にのみ摺動させることが可能となり、ロック機構を確実に動作させることが可能となる。
また、前記開口閉鎖部が前記電線受部材に回動自在に連結された一対の腕部を有し、前記一対の腕部を連動して開閉させるリンク機構を備えていると、一方の腕部を駆動することによって他方の腕部を従動させることが可能となる。
更に、前記一対の腕部のうち相互に対向する部分に、弾性部が設けられていると、腕部の先端に於いて電線が擦れて損傷することを防ぐことが可能となる。
また、前記一対の腕部のうちの一方と前記ロック機構とが連結されていると、他方の腕部は前記リンク機構によって一方の腕部と連動するので、簡易な構成で電線保持具を形成することが可能となる。
また、前記開口が複数の電線を有する電線束を挿通可能な開口幅を有していると、例えば、予め2次元的に予備組立されたワイヤハーネスを構成する電線束を一括して電線受部材にセットし、また、これを電線受部材から取り出すことが容易である。
以下、この発明の実施形態に係る電線保持具について説明する。先ず始めに電線保持具の使用方法を簡単に説明する。図1は、電線保持具の使用方法を説明するための図である。尚、図1では、ワイヤハーネス(電線束)WHの一部及び組立作業台20の一部を図示している。
図1に示す如く、電線保持具10は、車両等に3次元的に配索されるワイヤハーネスWHを組み立てるためのものである。
ワイヤハーネスWHの3次元的な布線経路を2次元に展開した布線経路に沿って電線保持具10と、一般的な略U字状の電線受部をもつ電線保持具21aとが混在して適宜立設され、3次元的な布線経路に応じた電線保持具10、21aのZ軸方向の位置が支柱21bを用いて調整されている。
尚、本明細書に於いてZ軸方向とは、組立作業台20の作業面20aに対して略垂直な方向を指し、通常は電線保持具10の立設方向である上下方向と一致している。
このようにして電線保持具10、21aが立設された組立作業台20を用いたワイヤハーネスWHの組立は、例えば、次のようにしてなされる。
まず、2次元的にワイヤハーネスWHを布線できるように電線保持具を立設した予備組立台を他に準備し、これを用いて2次元的な布線形態でワイヤハーネスを予備組立する。この段階では、ワイヤハーネスWHの幹線部や分岐部分等を部分的に結束する等して、ワイヤハーネスWHを3次元的に屈曲可能な態様に予備組立しておく。
そして、このワイヤハーネスWHを前記予備組立用作業台から取り外し、電線保持具10、21aが立設された本組立用の組立作業台20にセットする。即ち、予備組立されたワイヤハーネスWHの適宜部分(特に、3次元的に屈曲される変化点の部分)を3次元的な布線経路に応じて屈曲させつつ上記電線保持具10、21aに保持させる。これにより、ワイヤハーネスWHが3次元的に屈曲した形態に保持される。この状態で、束になった電線に粘着テープを密に巻回等すると、ワイヤハーネスWHは、立体的な形態に曲げ癖を付けられた状態で結束されることになる。
この後、ワイヤハーネスWHは、本組立作業用の組立作業台20から取り外されて、車両に組み付けられる。
もちろん、上記予備組立の工程を省略し、電線保持具10、21aを立設した本組立用の組立作業台20を用いて、電線を当初から3次元的な態様に布線して3次元的なワイヤハーネスWHを組み立てるようにしてもよい。
図2は、本発明の実施形態に係る電線保持具を示す正面図であり、図3は、その内部構成を示す図である。
図2に示す如く、この電線保持具10は、少なくとも1本の電線EWを一定位置で保持するためのものであり、開口11Aを有する電線受部材11と、その開口11Aを閉鎖する閉姿勢と開放する開姿勢との間で姿勢変更自在な開口閉鎖部12とを備えて構成されている。
電線受部材11は、開口11Aを有すると共に電線EWを下方から載置状に支持する電線受支持部11Bを有している。
より具体的には、電線受部材11は、例えば、金属等により形成される一対の板状部材11Cが間隔を空けて並設された構成とされている。そして、各板状部材11Cの一端側の略中間部を凹状に形成してその部位で両板状部材11Cを連結することで、電線受支持部11Bが形成されている。
この電線受支持部11Bは、電線EWを下方から載置状に支持可能な凹形状、より具体的には、例えば、図3に示す如く、略半円弧形状に形成されている。
この電線受支持部11Bの開口11Aは、電線受支持部11Bに電線EWを保持するための開口でもある。この開口11Aは、複数の電線EWを有するワイヤハーネスWHのうち保持対象となる部分を挿通可能な開口幅W2(図4参照)を有していることが望ましい。これにより、例えば、予め2次元的に予備組立されたワイヤハーネスWHを一括して電線受部材11にセットし、また、これを電線受部材11から取り出すことが容易である。
また、電線受支持部11Bは、電線EWと接する外周部分が曲面に形成されていることが望ましい。例えば、図2に示す如く、電線受支持部11Bで点線で示されている部位が面取りまたはラウンド処理されることにより、保持されたワイヤハーネスWHが電線受支持部11Bと擦れて損傷することを軽減することが可能となる。
一対の板状部材11Cのうちの一方には、例えば、図3に示す如く、開口11Aの下部に於いて開口閉鎖部12を回動自在に連結するための軸部11Dと、板状部材11Cの中段側部に於いてコイルバネ(付勢部材)13の一端を固定するための係止部11Eと、板状部材11Cの下部に於いて周回溝16が一体形成されている。
尚、これらの軸部11D、係止部11E、周回溝16は、必ずしも板状部材11Cに一体形成される必要はなく、別体の軸片(図示省略)、係止片(図示省略)、周回レール(図示省略)を取り付ける等しても差し支えない。
開口閉鎖部12は、例えば、図3に示す如く、先端部が互いに対向し合う角(つの)形状に形成された一対の腕部12A、12Bを備えて構成されている。一対の板状部材11C間で各腕部12A、12Bの長手方向の中間部に形成された軸孔12Cに板状部材11Cに形成された軸部11Dが嵌り込むことで、開口閉鎖部12が回動自在に支持されている。
各腕部12A、12Bは、一対の板状部材11C間に於いて互いの姿勢(開姿勢または閉姿勢)に連動するリンク機構によって連結されている。具体的には、各腕部12A、12Bの軸孔12Cよりも基端側に於いて、互いに接近する方向に向けて延びるようにリンク部材12D、12Eが形成されている。このリンク部材12D、12Eの一方であるリンク部材12Dの先端部に係止ピン12Fが形成され、リンク部材12Eに係止溝12Gが形成されている。係止溝12Gは、リンク部材12Eの先端から基端側に向けて開口閉鎖部12の先端側に向けて傾斜する方向に延びるように形成されている。そして、一の腕部12A(または12B)の姿勢を変化させることによって係止ピン12Fが係止溝12G内を移動し、一の腕部12A(または12B)の動きが他の腕部12B(または12A)に伝わる。これにより、腕部12A、12Bが同姿勢で連動して開閉する。
尚、リンク部材12Dに係止溝12Gを形成し、リンク部材12Eに係止ピン12Fを形成しても差し支えないのは勿論である。
また、腕部12Aの先端部と腕部12Bの先端部との間には閉姿勢に於いても電線EWを挿通可能な隙間W1が設けられていても良い。
また、各腕部12A、12Bの先端部には、例えば、合成樹脂等で形成された弾性部12Hが設けられている。これにより、隙間W1を通って電線EWを挿入する際等に、腕部12A、12Bの先端に於いて電線EWが擦れて損傷することを防ぐことが可能となる。
また、一対の腕部12A、12Bのうち、例えば、図3に示す如く、腕部12B側の板状部材11Cに形成された係止部11Eから離れた側の腕部12Aに於いて、リンク部材12Eよりも基端側には、小孔12Iが形成されている。
この小孔12Iと係止部11Eとの間にはコイルバネ13が架け渡されている。このコイルバネ13により、腕部12Aの小孔12Iが、板状部材11Cの腕部12B側に形成された係止部11Eに向けて引っ張られるように付勢されている。これにより、腕部12Aは開姿勢に向けて付勢され、リンク部材12D、12Eによって連結された腕部12Bもまた開姿勢に向けて付勢されている。つまり、コイルバネ13は、開口閉鎖部12を構成する腕部12Aを開姿勢に向けて付勢する付勢部材として機能する。
また、例えば、腕部12Aの基端側には、連結部材14の一端が回転自在に連結されており、連結部材14の他端には、板状部材11Cに形成された周回溝16内を摺動するピン14Aが設けられている。
更に、例えば、腕部12Aの基端側に於いて連結部材14が連結された部位の近傍には、板バネ15の一端がネジ15Aによってネジ止めされており、他端が連結部材14を、より具体的には連結部材14の先端に設けられたピン14Aを板状部材11Cに形成された周回溝16に押圧している。
周回溝16は、例えば、図5に示す如く、板状部材11Cの中央下部に形成されており、後述する第1経路〜第4経路が、この順で略ハート形の環状に連なる溝形状に形成されている。また第1経路〜第4経路は、角部を介して予め定められた角度で連なっている。この周回溝16内をピン14Aが板バネ15によって押圧されながら予め定められた周回方向にのみ摺動可能なようになっている。
具体的には、例えば、周回溝16は、第1経路16cdと、第2経路16daと、第3経路16abと、第4経路16bcから構成されている。そして、例えば、第1経路16cdと第2経路16daが交わる部位に於いて、予め定められた周回方向の上流側に段差16Vが設けられており、この段差16Vを介して第2経路16daが、第1経路16cdよりも1段低くなっている。
更に、第2経路16daと、第3経路16abが交わる部位に於いて、図6に示す如く、上述の周回方向の上流側に段差16Sが設けられており、この段差16Sを介して第3経路16abが、第2経路16daよりも1段低くなっている。
同様に、第3経路16abと、第4経路16bcが交わる部位に於いて、図7に示す如く、上述の周回方向の上流側に段差16Tが設けられており、この段差16Tを介して第4経路16bcが、第3経路16abよりも1段低くなっている。
そして、第4経路16bcは、周回方向に向けて緩やかな勾配で上昇しており、第1経路16cdと交わる部位に於いて、上述の周回方向の上流側に段差16Uが設けられている。尚、第4経路16bcの勾配は、段差16S〜16Vを相殺するような勾配である。
このように形成された周回溝16内をピン14Aが摺動することによって、ピン14Aに連結された腕部12A(及び腕部12Aに連動する腕部12B)がロック状態とアンロック状態を切り替えるようになっている。
具体的には、例えば、図4に示す如く、腕部12Aが開姿勢にあるときに、ピン14Aは、第4経路16bcと第1経路16cdが交わる部位である角部16C(図5参照)にある。そして、腕部12Aに対して、コイルバネ13の付勢力に抗して開口11Aを閉鎖する方向の力が加えられると、段差16Uによって第4経路16bcへの移動を抑制されつつ、ピン14Aは、第1経路16cd内を第2経路16daに向かって摺動する。
そして、ピン14Aが第1経路16cdの途中位置16Eへ移動すると腕部12Aは閉姿勢となり、更に、開口11Aを閉鎖する方向の力が加えられると、図8に示す如く、ピン14Aは、第1経路16cdと第2経路16daが交わる部位である角部16D(図5参照)に移動する。
その後、腕部12Aに加えられていた力がなくなると、コイルバネ13の付勢力によって腕部12Aは開姿勢に向けて引っ張られることになるが、ピン14Aは、段差16Vを乗り越えることができないので、図3に示す如く、第3経路16abに向かって摺動し、第2経路16daと第3経路16abが交わる部位である角部16A(図5参照)に係合する。このとき、腕部12A(及び腕部12Aに連動する腕部12B)はロック状態となる。つまり、第2経路16daが、ピン14Aを角部16Aに導く案内路として機能する。また、このとき、角部16Aは、開口閉鎖部12を構成する腕部12Aが閉姿勢にあるときにピン14Aと係合する係合部として機能する。
次に、腕部12Aに対して、開口11Aを閉鎖する方向の力が加えられると、ピン14Aは、第3経路16ab内を第4経路16bcに向かって摺動する。
そして、ピン14Aが段差16Tを経て角部16Bへ移動すると腕部12Aは、図9に示す如く、閉姿勢よりも更に開口11Aを閉鎖した姿勢となる。
その後、腕部12Aに加えられていた力がなくなると、コイルバネ13によって腕部12Aは開姿勢に向けて引っ張られることになるが、ピン14Aは、段差16Tを乗り越えることができないので、第4経路16bc内を第1経路16cdに向かって斜面を登りながら摺動する。
そして、図4に示す如く、第4経路16bcと第1経路16cdが交わる部位である角部16C(図5参照)に於いて、ピン14Aは、段差16Uを経て角部16Cに移動する。このとき、腕部12A(及び腕部12Aに連動する腕部12B)はアンロック状態となる。つまり、第3経路16abが、ピン14Aを角部16Aから離脱させる離脱路として機能する。
その後、腕部12Aに対して、開口11Aを閉鎖するような力が加えられると、段差16Uを乗り越えられないピン14Aは、第1経路16cd内を第2経路16daに向かって摺動し、上述の動作を繰り返す。
このような周回溝16とピン14Aにより、電線保持具10のロック機構を構成している。
尚、段差16S〜16Vを相殺するような勾配は必ずしも第4経路16bcに形成されている必要はなく、第1経路16cdに形成されていても構わないし、両経路16bc、16cdに形成されていても構わないのは勿論である。
上記の電線保持具10によれば、開口11Aを有する電線受部材11と、開口11Aを閉鎖する閉姿勢と開口11Aを開放する開姿勢との間で姿勢変更自在な開口閉鎖部12と、開口閉鎖部12を開姿勢に向けて付勢するコイルバネ13と、開口閉鎖部12を閉姿勢でロックするロック機構とを備え、ロック機構は、開口閉鎖部12が閉姿勢から更に開口11Aを閉鎖する方向の力を受けてロック状態またはアンロック状態に切り替えられる。このため、開口閉鎖部12の姿勢変更を作業性の低下を招くことなくワンタッチで簡単且つ確実に行うことが可能となる。しかも、比較的正確な位置で且つ省スペースで電線EWを保持できる。更に、開口閉鎖部12は閉姿勢でロック状態となるため、より確実に保持できる。
また、ロック機構が電線受部材11側に設けられた周回溝16と、周回溝16を開口閉鎖部12の姿勢変更に連動して周回するピン14Aとを有し、周回溝16は、開口閉鎖部12が閉姿勢にあるときにピン14Aと係合可能な角部16Aを有していると、簡単な構成で確実にロック機構を構成することが可能である。
また、周回溝16には、開口閉鎖部12が開姿勢から閉姿勢を経て更に開口11Aを閉鎖する方向への移動により、ピン14Aを角部16Aに導く経路16abと、開口閉鎖部12が閉姿勢から更に開口11Aを閉鎖する方向への移動により、ピン14Aを角部16Aから離脱させる経路16abとを有していると、開口11Aが閉鎖する方向の力を開口閉鎖部12に加えることによって開口閉鎖部12のロック状態またはアンロック状態を切り替えることが可能となる。
更に、周回溝16には、ピン14Aが角部16Aから経路16daに戻るのを阻止する段差16Sと、ピン14Aが経路16bcから経路16abを経て角部16Aに戻るのを阻止する段差16Tとを有していると、ピン14Aを周回溝16内於いて予め定められた周回方向にのみ摺動させることが可能となり、ロック機構を確実に動作させることが可能となる。
また、開口閉鎖部12が電線受部材11に回動自在に連結された一対の腕部12A、12Bを有し、一対の腕部12A、12Bを連動して開閉させるリンク機構を備えていると、一方の腕部12Aを駆動することによって他方の腕部12Bを従動させることが可能となる。
更に、一対の腕部12A、12Bのうち相互に対向する部分に、弾性部12Hが設けられていると、腕部12A、12Bの先端に於いて電線EWが擦れて損傷することを防ぐことが可能となる。
また、一対の腕部12A、12Bのうちの一方とロック機構とが連結されていると、他方の腕部12Bはリンク機構によって一方の腕部12Aと連動するので、簡易な構成で電線保持具10を形成することが可能となる。
電線保持具の使用方法を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る電線保持具の正面図である。 本発明の実施形態に係る電線保持具の内部構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電線保持具の開姿勢に於ける内部構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電線保持具のロック機構の周回溝を示す図である。 図5のI−I線断面図である。 図5のII−II線断面図である。 本発明の実施形態に係る電線保持具のロック前状態を示す内部構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電線保持具のアンロック状態を示す内部構成を示す図である。
符号の説明
10 電線保持具
11 電線受部材
11A 開口
11B 電線受支持部
12 開口閉鎖部
12A、12B 腕部
12C 軸孔
12D、12E リンク部材
12F 係止片
12G 係止溝
12H 弾性部
12I 小孔
13 コイルバネ
14 連結部材
14A ピン
15 板バネ
16 周回溝
16A〜16D 角部
16S〜16V 段差
16cd、16da、16ab、16bc 経路
EW 電線
WH ワイヤハーネス
W1 隙間
W2 開口幅

Claims (8)

  1. 電線を一定位置で保持する電線保持具であって、
    開口を有する電線受部材と、
    前記電線受部材に連結されて前記開口を閉鎖する閉姿勢と前記開口を開放する開姿勢との間で姿勢変更自在な開口閉鎖部と、
    前記開口閉鎖部を前記開姿勢に向けて付勢する付勢部材と、
    前記開口閉鎖部を前記閉姿勢でロックするロック機構と
    を備え、
    前記ロック機構は、前記開口閉鎖部が前記閉姿勢から更に前記開口を閉鎖する方向の力を受けてロック状態またはアンロック状態に切り替わることを特徴とする電線保持具。
  2. 請求項1記載の電線保持具であって、
    前記ロック機構は、
    前記電線受部材側に設けられた周回溝と、
    前記開口閉鎖部の姿勢変更に連動して前記周回溝を周回するピンと
    を備え、
    前記周回溝は、前記開口閉鎖部が前記閉姿勢にあるときに前記ピンと係合可能な係合部を有することを特徴とする電線保持具。
  3. 請求項2記載の電線保持具であって、
    前記周回溝は、
    前記開口閉鎖部が前記開姿勢から前記閉姿勢を経て更に前記開口を閉鎖する方向への移動により、前記ピンを前記係合部に導く案内路と、
    前記開口閉鎖部が前記閉姿勢から更に前記開口を閉鎖する方向への移動により、前記ピンを前記係合部から離脱させる離脱路と
    を更に有することを特徴とする電線保持具。
  4. 請求項3記載の電線保持具であって、
    前記周回溝は、
    前記ピンが前記係合部から前記案内路に戻るのを阻止する段差と、
    前記ピンが前記離脱路から前記係合部に戻るのを阻止する段差と
    を有することを特徴とする電線保持具。
  5. 請求項1記載の電線保持具であって、
    前記開口閉鎖部は、前記電線受部材に回動自在に連結された一対の腕部を有し、
    前記一対の腕部を連動して開閉させるリンク機構を備えることを特徴とする電線保持具。
  6. 請求項5記載の電線保持具であって、
    前記一対の腕部のうち相互に対向する部分に、弾性部が設けられている電線保持具。
  7. 請求項5または請求項6記載の電線保持具であって、
    前記一対の腕部のうちの一方が前記ロック機構によりロック可能に構成されていることを特徴とする電線保持具。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の電線保持具であって、
    前記開口は、
    複数の電線を有する電線束を挿通可能な開口幅を有している電線保持具。
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