JP2007121521A - 再帰性反射材およびその製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定して優れた反射性能を発揮し得る再帰性反射材を提供する。
【解決手段】本発明により提供される再帰性反射材1は、再帰反射可能な微小球16が配設された反射表面2を有する。反射表面2は、微小球16の突出による微小な凸部2aを有し、該凸部2aにはその形状に沿って厚さ10nm以下の撥水膜20が形成されている。撥水膜20としては自己組織化単分子膜が好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、再帰反射可能な微小球を備える再帰性反射材に関する。また、かかる再帰性反射材の製造装置に関する。
再帰性反射材は、入射した光が再び入射方向に帰るように反射(再帰反射)する性質を示す材料であって、夜間における視認性等に優れることから、道路標識、安全ベスト(工事作業者用、警察・消防用等)、衣料、靴等の各種分野に広く使用されている。再帰性反射材に関する従来技術文献として特許文献1および2が挙げられる。
このような再帰性反射材の一つの代表的な構造として、透明な微小球(典型的にはガラスビーズ)を適当な基材に保持し、該微小球による光の屈折(レンズ機能)を利用して再帰反射能を発揮させるものがある。この種の再帰性反射材は、微小球の前面側(反射光が視認される側)が保持体から露出しているオープンタイプと、微小球の前面側が樹脂等の透明材料で覆われているクローズドタイプとに大別される。
特許第3432507号明細書 特開2001−318216号公報
微小球が表面に露出しているオープンタイプの反射材は、微小球の前面側に配された透明材料を通して光が出入りするクローズドタイプの反射材に比べて高い反射性能を発揮することができる。しかし、オープンタイプの反射材は、微小球(レンズ)表面に水滴等が付着している状態では本来の反射性能を十分に発揮することができない。かかる状態では、反射材に出入りする光の軌道(屈折軌道)が、本来予定された軌道(良好な再帰反射性能が実現されるように設計された軌道)とは異なるものとなってしまうためである。水が付着しやすい状況(例えば、雨天時に安全ベストを着用して屋外作業を行う状況)においても安定して優れた反射性能を発揮し得る反射材が提供されれば有益である。
反射材表面への水付着を防止する方法として、該反射材の表面を一般的な撥水剤(典型的には、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂等の撥水性成分を含む。)で処理する方法が考えられる。例えば特許文献2には、微小球の空気中に露出した側に被覆された透明樹脂層を備える再帰性反射材が記載され、該透明樹脂層にフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等を配合して撥水効果を高めてもよいとされている。しかし、オープンタイプの反射材の表面(微小球が露出している面)を一般的な撥水剤で処理すると、微小球の上方に配置された撥水剤の影響により、反射材の屈折軌道が本来予定された軌道とは異なるものとなってしまう。このため本来の反射性能を十分に発揮することができない。特許文献2のように撥水性成分を含む透明樹脂層を設けた場合も同様である。
そこで本発明は、水が付着しやすい状況においても安定して優れた反射性能を発揮し得る再帰性反射材を提供することを一つの目的とする。本発明の他の一つの目的は、そのような反射材の製造(特に撥水膜の形成)に適した再帰性反射材製造装置を提供することである。また、かかる反射材の製造方法を提供することである。関連する他の一つの目的は、再帰性反射材に撥水性を付与する方法(撥水処理方法)を提供することである。
本発明者は、反射材の表面形状に沿った極めて薄い撥水膜を設けることにより、該撥水膜が設けられていない場合と比較して屈折軌道を大きく異ならせることなく該反射材に撥水性を付与し得ることを見出して本発明を完成した。
ここに開示される一つの発明は、再帰反射可能な微小球が配設された反射表面を有する再帰性反射材に関する。その反射材の反射表面は、前記微小球の突出による微小な凸部を有する。該凸部には、その形状に沿って、厚さ10nm以下の撥水膜が形成されている。
かかる構成の再帰性反射材によると、反射表面に設けられた撥水膜によって該表面への水付着を防止することができる。該撥水膜は、反射表面の形状(少なくとも凸部の形状)に沿って形成されており、かつ厚さ10nm以下という極めて薄い膜であるため、反射材に出入りする光の屈折軌道を大きく異ならせることはない。換言すれば、本来予定された屈折軌道(良好な再帰反射性能が実現されるように設計された軌道)を生かして反射材に撥水性を付与することができる。このような撥水膜を備える再帰性反射材は、水が付着しやすい状況においても本来の反射性能が損なわれにくい。したがって、該反射材は安定して優れた反射性能を発揮することができる。
ここで「撥水膜」とは、該膜が設けられていない場合に比べて反射表面の撥水性を高める得る膜をいう。撥水性の程度は、例えば、水に対する接触角を指標として把握することができる。換言すれば、反射表面の水に対する接触角を、該膜が設けられていない場合に比べて大きくする機能を示し得る膜は、ここでいう「撥水膜」の概念に包含され得る。
好ましい一つの態様では、前記反射表面の水に対する接触角が140°以上である。このような反射材は特に優れた撥水性を示す。したがって、水の付着による性能低下をよりよく防止することができる。
好ましい他の一つの態様では、前記撥水膜が単分子層により構成されている。かかる態様によると、薄くかつ均一な膜(単分子膜)によって反射表面(凸部)に撥水性を付与することができる。したがって、該膜が屈折軌道に与える影響を特に小さくすることができる。より好ましい一つの態様では、上記撥水膜が自己組織化単分子膜(Self-assembled monolayer,以下「SAM」ともいう。)である。
このような再帰性反射材の典型的な態様では、微小球の背面側に反射要素が配置されている。例えば、該微小球の背面側の表面に金属層が設けられている。ここに開示される反射材の好ましい一つの態様では、前記微小球の間にも反射要素(例えば金属層)が設けられている。かかる構成の反射材によると、より高い反射性能(輝度)を発揮することができる。
前記撥水膜は、少なくとも前記凸部にその形状に沿って設けられている。好ましい一つの態様では、前記凸部の間を含む前記反射表面の全体に前記撥水膜が形成されている。このような反射材は、さらに良好な撥水性を示すものであり得る。また、反射要素として金属層を有するタイプの反射材では、反射表面の全体に撥水膜が設けられた構成とすることにより、該金属層の外観変化を抑制する効果が得られる。例えば、空気中の酸素や薬品(酸性またはアルカリ性の染色剤等)による変色等が防止される。すなわち、このような構成の反射材は、耐酸化性および/または耐薬品性が良好である。微小球の間(したがって凸部の間)に金属層が設けられているタイプの反射材では、かかる効果が特に顕著に発揮され得る。
ここに開示される再帰性反射材の一つの好ましい態様では、前記撥水膜が、前記微小球が配設された表面を有する反射基材の該表面に酸素分子を含む雰囲気下で真空紫外光を照射し、次いで該表面に自己組織化単分子膜形成材料を化学蒸着して形成されたものである。このような撥水膜を有する再帰性反射材は、より良好な撥水性および/または反射性能を示すものであり得る。
本発明によると、また、再帰反射可能な微小球が配設された表面を有する反射基材の該表面に自己組織化単分子膜形成材料を化学蒸着して撥水膜を形成することにより再帰性反射材を製造する装置が提供される。その製造装置は、ガス流入口およびガス流出口を備える反応容器を備える。また、前記反応容器内の雰囲気温度を制御する雰囲気温度制御手段を備える。また、前記反応容器内の湿度を制御する湿度制御手段を備える。また、前記反応容器内に配置された前記反射基材の温度を調節する基材温度調節手段を備える。また、前記ガス流入口から反応容器内に自己組織化単分子膜形成材料を含むガスを供給する原料ガス供給手段を備える。かかる構成の装置は、上述したいずれかの再帰性反射材であって前記撥水膜が自己組織化単分子膜である再帰性反射材を製造するのに好適である。
また、この明細書により開示される発明には以下のものが含まれる。
(1)再帰性反射材の製造方法。その方法は、再帰反射可能な微小球が配設された表面を有する反射基材を用意すること、および、該表面に厚さ10nm以下の撥水膜を形成すること、を包含する。ここで、該撥水膜の形成は、これにより反射基材表面の水に対する接触角をより大きくし得るように行われる。
(2)自己組織化単分子膜形成材料を用いて前記撥水膜を形成する、上記(1)に記載の方法。撥水膜の形成方法としては、いわゆる液相法および気相法(化学蒸着法)のいずれも選択可能である。ここに開示される方法の好ましい一つの態様では、該撥水膜を気相法により形成する。これにより、SAM形成材料を効率よく利用することができる、液相法に比べて廃液量を低減し得るので環境への負荷が少ない、等の利点が得られる。
(3)上記撥水膜を化学蒸着(CVD法)により形成し、その化学蒸着は、以下の条件:
雰囲気ガスとして、25℃における相対湿度が10〜25%のガスを用いる;および、
雰囲気温度が80〜150℃である;
を満たすように行う、上記(2)に記載の方法。この方法は、反射基材の構成材料として熱可塑性樹脂(例えばポリエステル樹脂)が含まれる場合に特に好ましく採用される。
(4)前記原反射材を得ることは:
(a).前記微小球の前面側を離型材に仮固定すること;
(b).該微小球の背面側に、該微小球を保持する保持体を形成すること;および、
(c).前記離型材を除去して前記微小球の前面側を露出させること、
を含む、上記(1)から(3)のいずれかに記載の方法。
上記保持体は、上記微小球の背面に直接接して該微小球を保持するように形成されてもよく、微小球の背面に設けられた反射要素(例えば金属層)を介して該微小球を保持するように形成されてもよい。反射要素を介して微小球を保持する形態の反射材は、例えば、上記(a).の後、離型材に仮固定された該微小球の露出面(背面)に金属層を形成し、次いで上記(b).を行うことにより得ることができる。
(5)上記(4)に記載の方法であって、前記撥水膜を形成する直前に前記離型材を除去する。かかる態様によると、反射基材の表面(微小球の前面側)は撥水膜の形成直前まで離型材で覆われた状態にあるので、該表面に塵埃等が付着することが防止される。したがって、より高品質の製品を効率よく(例えば、該表面を洗浄する処理を省略または簡略化して)製造することができる。
以下、本発明に関する具体的な実施態様につき説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。また、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項(例えば、良好な再帰反射性を示す反射基材の設計方法、各種のSAM形成材料を入手または合成する方法、CVDに使用する加熱装置の構成および運転方法等)は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書および図面によって開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明に係る再帰性反射材は、その表面の全体が反射表面であっていてもよく、表面の一部が反射表面であっていてもよい。該反射材の全体形状がシート状である形態の例としては、該シートの両面全体が反射表面である形態、いずれか一方の面の全体が反射表面である形態、両面または片面の一部領域(ひとつながりの領域であってもよく、独立した二以上の領域であってもよい。)が反射表面である形態、等が挙げられる。
本発明に係る再帰性反射材の一構成例を図1に示す。再帰性反射材1はシート状であって、その片面が反射表面2となっている。反射材1は、シート状の反射基材10と、その前面側表面(反射光が視認される側の表面)に設けられた撥水膜20とを備える。反射基材10は、保持体12と、保持体12の前面側表面に設けられた反射要素14と、反射要素14を介して保持体12の前面に配設された微小球16とを有する。微小球16の背面側(視認される側とは反対側)は保持体12に埋まっている。微小球16の前面側は反射基材10の前面側表面に露出している。また、微小球16同士の間では反射要素14が反射基材10の前面側表面に露出している。そして、反射基材10の前面側表面に厚さ10nm以下の撥水膜20が形成されている。この撥水膜20は反射基材10の表面形状に沿って形成されている。このため反射表面2は、保持体12から露出(突出)した微小球16によって微小な凸部2aを有する形状となっている。その凸部2aおよび凸部の間2bを含む反射表面の全体に撥水膜20が設けられている。
微小球の材質は特に限定されない。例えば、再帰反射性を示すものとして従来知られている種々の微小球を適宜選択して使用することができる。ここに開示される反射材の好ましい一つの態様では、ガラス製の微小球(以下、「ガラスビーズ」ということもある。)を使用する。あるいは、透明樹脂製の微小球を用いてもよい。透明樹脂の例としては、ポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。屈折率が1.3以上(より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは1.7以上)の範囲にある材質からなる微小球が好ましい。屈折率の上限は特に限定されないが、入手容易性やコスト等の観点から、通常は屈折率が2.2以下の材質からなる微小球を用いることが好ましい。例えば、屈折率1.8〜2.0程度の高屈折ガラスからなる微小球を好ましく使用することができる。該微小球は無色透明であってもよく、着色透明であってもよい。
使用する微小球の直径は、該微小球の屈折率および反射材の構造(例えば反射層の配置)等を考慮して、所望の再帰反射性能が発揮されるように適宜選択することができる。例えば、平均直径が凡そ5〜200μmの範囲にある微小球を使用することができる。平均直径が凡そ10〜100μmの範囲にある微小球が好ましく、平均直径が凡そ20〜70μmの範囲にある微小球がさらに好ましい。微小球の形状としては真球に近いものが好ましい。また、通常は、粒径の分布が比較的狭い(好ましくは、単分散またはそれに近い粒径分布の)微小球を使用することが好ましい。
ここに開示される反射材は、このような微小球の一種または二種以上を有する構成とすることができる。二種以上の微小球(例えば、色、材質および直径のうち少なくとも一つが異なる微小球)を有する場合、それらの微小球を混合して使用してもよく、反射表面の面方向に場所を異ならせて使用してもよい。
ここに開示される反射材の典型的な態様では、図1に示すように、微小球16が保持体12の前面側表面に、該保持体からその少なくとも一部が露出した状態で保持されている。微小球のうち保持体から露出している部分の割合は、該微小球の直径の凡そ10%以上であることが好ましく、より好ましくは凡そ25%以上、さらに好ましくは凡そ40%以上である。保持体から露出している部分の割合が上記範囲よりも少なすぎると、角度の浅い(斜めからの)入射光に対する再帰反射性が低下しやすくなる。また、微小球は、その直径の凡そ20%以上(より好ましくは30%以上)が保持体に埋まるように配設されていることが好ましい。この割合が上記範囲よりも少なすぎると、保持体から微小球が脱落しやすくなる場合がある。
特に限定するものではないが、反射表面に垂直な方向(図1の上方)からみて、微小球の中心の平均間隔(凸部の頂点の間隔とほぼ一致する。)は、凡そ5〜500μmの範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は凡そ10〜300μm、さらに好ましい範囲は凡そ20〜200μm、特に好ましい範囲は凡そ30〜100μmである。このような間隔で配置された微小球(凸部)であってその表面に沿って撥水膜が設けられた反射表面は、撥水膜自体の性質と反射表面の表面形状とが相俟って、特に良好な撥水性を示すものとなり得る。
保持体の形状は特に限定されず、反射材の用途等に応じて適宜選択することができる。好ましい一つの態様では、該保持体の形状が層状(膜状、シート状、フィルム状、帯状等)である。微小球を保持する(微小球の一部が埋まる)のに十分な厚さを有する形状の保持体が好ましい。
保持体の構成材料は、該微小球を適切に保持し得るものであればよく、特に限定されない。例えば、高分子材料、セラミックス、金属またはこれらのハイブリッド材料を、反射材の用途等に応じて適宜選択することができる。保持体の構成材料として好ましく使用し得る高分子材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。微小球の構成材料よりも軟化点の低い高分子材料を選択することが好ましい。この保持体は、透明でもよく不透明でもよく、着色剤(染料、顔料等)を含んでも含まなくてもよい。また、雲母、金属粉末(アルミニウム粉末等)等のような粉末状の反射要素がマトリックス材料(例えば高分子材料)中に分散した保持体を用いてもよい。上記粉末状反射要素として、いわゆるパール粉体(例えば、雲母の表面に二酸化チタン等の微粒子をコートしたもの)、有色パール粉体等を使用してもよい。上記マトリックス材料としては透明(無色透明または着色透明)な材料を選択することが好ましい。
ここに開示される反射材の一つの典型的な態様では、微小球の背面側(視認される側とは反対側)に、入射光の少なくとも一部を反射可能な反射要素が設けられている。該反射要素の構成材料としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Cr)、クロム(Cr)、銀(Ag)、金(Au)等から選択されるいずれかの金属または該金属を含む合金;および、酸化チタン(TiO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)および硫化亜鉛(ZnS)等の金属化合物;等が例示される。このような材料の一種または二種以上から主として構成される、層状、粉末状、板状等の反射要素を使用することができる。
好ましい一つの態様では、微小球の背面に沿って層状の反射要素(反射層)が設けられている。すなわち、微小球16と保持体12との間に反射層が設けられている。典型的には、図1に示すように、微小球16のうち保持体12に埋まっている部分に、その微小球16の背面に沿って反射層14が設けられている。特に限定するものではないが、該反射層の厚みは凡そ200Å(20nm)以上とすることが適当であり、例えば200〜1500Å程度の範囲とすることができ、300〜1200Å程度の範囲が好ましく、500〜1000Å程度の範囲がより好ましい。
また、図2に示すように、微小球16の背面側に平坦な反射層14を配置した構成としてもよい。かかる平坦な反射層は、図2のように微小球16の背面の一端に接する位置に設けてもよく、図3のように微小球16の背面からやや離れた位置に設けてもよい。また、このような反射層14を設ける代わりに、図4に示すように、粉末状の反射要素142を含む保持体12を使用してもよい。また、図5に示すように、透光性を有する反射層144(例えば、透光性を示す程度の厚さの酸化チタン層)を微小球16の背面に沿って設けるとともに、粉末状の反射要素142を含む保持体12を使用してもよい。あるいは、透光性を有する反射層と、微小球の背面に接して(または微小球の背面からやや離れて)設けられた金属等からなる平坦な反射層とを組み合わせた構成としてもよい。
ここに開示される反射材の好ましい一つの態様では、微小球の背面およびそれらの微小球の間に反射要素が設けられている。例えば図1に示すように、反射表面2に垂直な方向からみて微小球16の間に位置する保持体12の前面側表面にも反射層(例えば、アルミニウム層等の金属層)14が設けられた構成とすることができる。かかる構成の反射材1によると、より良好な反射性能(反射輝度)を発揮することができる。また、このように微小球の間に設けられた反射層(特に金属層)は酸化等による外観変化(例えば、黒ずみ等の変色)を生じやすいところ、本発明の構成によると反射表面への水付着が防止されるので、かかる外観変化を抑制することができる。微小球の間を含む反射表面の全体に撥水膜が形成された態様の反射材では特に顕著な効果が発揮され得る。かかる構成の反射材は良好な耐酸化性および/または耐薬品性を有するため、該反射材に染色等を施す用途(従来は耐薬品性の観点から主としてクローズドタイプの再帰性反射材が用いられている。)にも好適に使用することができる。
本発明の反射材の反射表面には、保持体から露出(突出)した微小球によって微小な凸部が形成されている。そして、少なくとも該凸部にはその表面に沿って撥水膜が形成されている。ここに開示される反射材の一つの好ましい態様では、反射表面のうち上記凸部以外の部分にも撥水膜が形成されている。例えば、凸部およびその周囲に撥水膜が形成された態様であり得る。また、図1に示すように、凸部2aおよび凸部の間2bを含む反射表面2の全体に撥水膜20が形成された態様等であり得る。図1に示すように微小球16の間にある保持体12の表面にも反射要素(金属層等)14を有する反射材では、反射表面2の全体にわたって撥水膜20が形成された態様とすることが特に好ましい。このことによって、微小球16の間にある反射層14の変色等をよりよく抑制することができる。
上記撥水膜の厚さは凡そ10nm以下(典型的には1〜10nm)である。かかる厚さの撥水膜によると、該撥水膜が設けられていない場合と比較して光の屈折軌道を大きく異ならせることなく、該反射材に良好な撥水性を付与することができる。好ましい一つの態様では、該撥水膜の厚さが凡そ5nm以下(典型的には1〜5nm)である。なお、撥水膜の厚さは、例えばエリプソメータにより測定することができる。また、該撥水膜が自己組織化単分子膜である場合には、その化学構造から膜厚を見積もることができる。本発明の反射材が備える撥水膜としては、厚さが上記範囲にあって、その形成により反射表面に撥水性を付与し得る(反射表面の水に対する接触角をより大きくし得る)限り、種々の撥水膜を本発明の目的のために採用することができる。
ここに開示される反射材は、水に対する接触角が凡そ130°以上の反射表面を有するものであり得る。好ましい一つの態様では、該接触角が凡そ140°以上(より好ましくは150°以上)である。撥水膜を有しない点以外は同様に構成された反射表面と比較して、該反射表面の水に対する接触角を凡そ20°以上(好ましくは凡そ30°以上)大きくし得る撥水膜が好ましい。ここで、「水に対する接触角」とは、25℃の雰囲気下において、蒸留水の静的接触角を液滴法(液滴直径約2mm)により測定して得られた値をいう。かかる接触角測定は、例えば、協和界面科学株式会社製の接触角測定装置(型式「CA−X150」)を用いて行うことができる。
好ましい一つの態様では、上記撥水膜が自己組織化単分子膜である。ここで「自己組織化単分子膜(SAM)」とは、原料分子が基材の表面(固体と液体との界面または固体と気体との界面)に集合して自律的に組みあがる単分子膜(分子一層による膜)をいう。SAMからなる撥水膜は、被処理面の形状に沿って薄く均一に形成することができる。したがって、反射表面のミクロな形状(良好な再帰反射性を発揮し得るように設計されている。)を大きく異ならせることなく、該反射表面に撥水性を付与することができる。
以下、SAMからなる撥水膜を作製するために好ましく使用し得る原料分子(SAMを形成し得る材料)について説明する。このような原料分子(以下、「自己組織化単分子膜形成材料」または「SAM形成材料」ということもある。)は、典型的には、基材表面との化学結合等によって該基材に吸着可能な少なくとも一つの官能基(ヘッド基)と、それとは逆に基材の外側に向けて延びる少なくとも一つのテール基とを有する。例えば、シリコン(Si),チタン(Ti)等のコア原子に上記ヘッド基およびテール基が結合した構造の化合物を用いることができる。コア原子がシリコンである化合物(有機シリコン化合物)が特に好ましい。
上記ヘッド基はアルコキシ基またはハロゲン原子であり得る。本発明にとり特に好ましいヘッド基としてアルコキシ基(アルコキシシリル基等)が挙げられる。例えば、炭素数1〜4(より好ましくは炭素数1〜3)のアルコキシ基が好ましい。メトキシ基またはエトキシ基がさらに好ましく、通常はメトキシ基が最も好ましい。一分子中に二つ以上(典型的には、二つまたは三つ)のヘッド基を有する化合物が好ましく、三つのヘッド基を有する化合物がより好ましい。複数のヘッド基を有するSAM形成材料において、それらのヘッド基は同じであっても異なっていてもよい。通常は、複数の同じヘッド基を有する化合物が好ましい。好ましいSAM形成材料の例として、コア原子としてのシリコン原子に三つのアルコキシ基と一つのテール基とが結合した構造の化合物(トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等)が挙げられる。
SAM形成材料の有するテール基は、例えば、炭素数1〜30(より好ましくは、炭素数5〜30)の脂肪族基または芳香族基(芳香族性を示す構造部分を有する基。典型的には、少なくとも一つの芳香環を含む基)であり得る。反射表面に良好な撥水性を付与するSAM(撥水膜)を形成し得るという観点から、疎水性のテール基を有するSAM形成材料の使用が好ましい。好ましいテール基の一例として、炭素数10以上(典型的には10〜30)の脂肪族基が挙げられる。この脂肪族基は飽和であっても不飽和であってもよく、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。また、該脂肪族基は開鎖状であってもよく、少なくとも一部が非芳香族性の環(例えばシクロヘキシル環)を形成していてもよい。例えば、炭素数10〜30の直鎖状の脂肪族基(典型的には、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基等の炭化水素基)が好ましい。炭素数10〜30の直鎖状のアルキル基が特に好ましい。このようなテール基を有するSAM形成材料の一具体例として、n−オクタデシルトリメトキシシランが挙げられる。また、脂肪族基を構成する水素原子の一部または全部がハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)に置き換えられた構造のテール基も好ましい。例えば、脂肪族基を構成する水素原子の過半数(例えば70個数%以上の水素原子)がフッ素原子に置き換えられたものが好適である。このようなテール基を有するSAM形成材料の一具体例として、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリメトキシシランが挙げられる。
ここに開示される再帰性反射材は、例えば以下のようにして好適に製造することができる。すなわち、再帰反射可能な微小球が配設された表面を有する反射基材を用意する。典型的には、該表面から微小球の前面が突出(露出)した構成の反射基材を用いる。その反射基材の表面に厚さ10nm以下の撥水膜(例えばSAM)を形成する。該撥水膜は、少なくとも反射基材の表面に露出した微小球の表面(露出面)に、該微小球の形状に沿って形成することが好ましい。微小球の露出面および微小球相互の間を含む表面全体に撥水膜を形成することがより好ましい。
ここで使用する反射基材は、条件のよい場合には(例えば、該反射基材の表面に水滴等が存在しない状態では)、それ自体が良好な再帰反射性能を発揮するものであり得る。例えば、従来公知のいわゆるオープンタイプの再帰性反射材(典型的には、微小球の前面が露出している。)は、いずれも上記製造方法における反射基材として使用可能である。反射基材の製造方法は特に限定されない。例えば、従来公知のオープンタイプの再帰性反射材の製造方法に含まれる工程の一部または全部を適宜採用して、上記再帰性反射材の製造方法に使用する反射基材を用意することができる。このような反射基材の表面に上記撥水膜を形成することにより、該反射基材の再帰反射性能(例えば屈折軌道)を大きく異ならせることなく撥水性を付与することができる。ここに開示される発明は、他の側面として、上述したいずれかの反射基材(例えば、従来のオープンタイプの再帰性反射材)を用意すること、および、該反射基材の表面に上記撥水膜を形成すること、を包含する再帰性反射材の撥水処理方法を提供する。
反射基材の表面に撥水膜を形成する方法は特に限定されない。例えば、該撥水膜がSAMである場合、SAM形成材料を含む溶液を反射基材に接触させる方法(液相法)、SAM形成材料を化学蒸着する方法(気相法)等を適宜採用することができる。このようなSAM形成処理を行う前に、必要に応じて、被処理面(ここでは反射基材の表面)に適切な前処理を施すことができる。かかる前処理は、被処理面を洗浄する処理、SAM形成材料と反応する官能基(例えば水酸基)を被処理面に導入する処理、被処理面を改質する処理(例えば、基材表面に酸化膜を形成する処理)等から選択される一種または二種以上を含み得る。被処理面を洗浄する処理としては、反射基材を適当な液体に浸漬して超音波振動を加える等の物理的処理、被処理面を適当な薬品(典型的には、酸、アルカリ、過酸化物等から選択される一種または二種以上)で処理する等の化学的処理、被処理面に紫外線,電子線等の高エネルギー線を照射する高エネルギー線処理、等から選択される一種または二種以上を適宜採用することができる。高エネルギー線処理の好適例としては、紫外線のうち真空紫外光(Vacuum Ultra Violet;波長が100〜300nmの範囲にある紫外線。以下、「VUV」ともいう。)を照射する処理を例示することができる。かかるVUV照射は、エキシマランプ、H2ランプ等の光源を備えた従来公知のVUV照射装置を使用して実施することができる。酸素(典型的には酸素分子(O2))を含む雰囲気下(例えば、凡そ1Pa〜1500Pa、好ましくは凡そ10Pa〜1000Paの減圧下の大気中)でVUVを照射することによって、酸素を構成原子として含む官能基(水酸基等)を被処理面に適切に導入することができる。また、かかるVUV照射によると、被処理面の洗浄と、被処理面への官能基導入とを共に行うことができる。
なお、微小球としてガラスビーズを使用する場合、通常その表面にはいくらかのシラノール基が存在する。したがって、SAM形成材料(好ましくは、アルコキシシリル基を有する。)と反応する官能基を被処理面に導入する処理を省略しても、該ガラスビーズの表面にSAMを適切に形成することが可能である。また、微小球の間にアルミニウム層が設けられている場合、通常は該アルミニウム層の表面に自然に酸化膜(Al23膜)が形成されている。したがって、SAM形成材料と反応する官能基を被処理面に導入する処理を省略しても、該アルミニウム層の表面にSAMを適切に形成することが可能である。もちろん、これらの場合において上記官能基導入処理を行ってもよい。
反射基材の表面にSAMからなる撥水膜を作製する方法としては、気相法(CVD法)を好ましく採用することができる。この気相法は、SAM形成材料を効率よく利用することができる、液相法に比べて廃液量を低減し得るので環境への負荷が少ない、等の利点を有する。以下、気相法によって撥水膜を製造する方法についてさらに詳しく説明する。
ここに開示される再帰性反射材は、厚さ10nm以下のSAMを形成し得るSAM形成材料を被処理面(反射基材の表面)に化学蒸着することによって好適に製造することができる。かかる化学蒸着は、従来公知の化学蒸着法と同様にして行うことができる。例えば、所定の雰囲気ガスのもとでSAM形成材料(原料分子)を基材に蒸着する。ここで「雰囲気ガス」とは、原料分子が被処理面に蒸着されるとき(すなわち、気体状の原料分子が気相から反射基材の表面に堆積するとき)に、その蒸着空間(例えば反応容器内)を満たすガスをいう。該雰囲気ガスの主成分としては、SAM形成材料や基材表面に対する反応性の低いガスを使用することが好ましい。例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを好ましく使用することができる。
また、上記反射基材の表面に気相法によりSAMを形成する方法として、以下の方法を特に好ましく採用することができる。すなわち、上記化学蒸着を、(1).雰囲気ガスとして、25℃における相対湿度が凡そ10〜25%のガスを用いる、および、(2).雰囲気温度(雰囲気ガスの湿度をいう。以下同じ。)が凡そ80〜150℃(より好ましくは凡そ100〜150℃)である、を満たす条件で行う。上記雰囲気湿度は、例えば窒素ガスを主成分とする雰囲気ガスの場合、乾燥窒素ガスに水蒸気を単独で混入することにより調節することができる。また、目標値よりも湿度の高いガス(例えば空気)を乾燥窒素ガスに混入することにより調節してもよい。
化学蒸着時の雰囲気温度が上記範囲よりも低すぎると、被処理面に到達した原料分子(SAM形成材料)がその表面を動き回り難くなる。このため、該原料分子が被処理面において他の部分よりもエネルギー的に有利な位置を見つけてそこに吸着することによって自律的に組織化するというSAM形成過程を適切に進行させることが困難となり、SAMの品質(例えば密度)が低下しがちとなる。一方、雰囲気温度を高くすると得られるSAMの密度は上昇する傾向にあるが、上記範囲よりも雰囲気温度が高すぎると反射基材が熱によるダメージを受けやすくなる。上述した(1).および(2).を共に満たす条件で化学蒸着を行うことにより、比較的低い雰囲気温度において高品質の(例えば高密度の)SAMを作製することができる。このような化学蒸着条件は、反射基材の構成材料(例えば、保持体および微小球のうち少なくとも一方)に熱可塑性樹脂が含まれる場合に特に好適に採用され得る。例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選択される一種または二種以上の熱可塑性樹脂を含む保持体を有する反射基材の表面に撥水膜を形成する方法として好適である。
より高品質のSAMを作製するという観点からは、蒸着を開始する時点における反射基材の温度を上記雰囲気温度に近づけておくことが好ましい。例えば、蒸着開始時における反射基材の温度が上記雰囲気温度よりも30℃以上(より好ましくは20℃以上)は低くない温度となるように、該反射基材の温度をコントロールすることが好ましい。
本発明に係る再帰性反射材の好適な製造方法の一例につき、図6(A)〜(F)を参照しつつその概略を説明する。図6(A)〜(D)は最終的に得られる再帰性反射材の前面側が図の下側となる向きで図示しており、図6(E)および図6(F)は最終的に得られる再帰性反射材の前面が図の上側となる向きで図示している。
図6(A)に示すように、ポリエチレン樹脂からなる離型層32の表面にガラス製の微小球(ガラスビーズ)16を配置する。次いで、離型層32を適度に加熱して軟化させ、図6(B)に示すように、微小球16の下端側(前面側)を離型層32に沈ませる。離型層32を冷却すると、この離型層32から微小球16の一部(背面側)が露出した状態で離型層32に微小球16が仮固定される。次いで、図6(C)に示すように、微小球16の露出面(背面)およびその間にある離型層32の表面にアルミニウムを真空蒸着してアルミニウム層(反射要素)14を形成する。そのアルミニウム層14の上(背面側)に、ポリウレタン樹脂からなる層状の保持体12を形成する(図6(D))。このようにして、表面が離型層32で覆われた反射基材10を得ることができる。保持体12の上にさらに支持体を設けてもよい。例えば、ポリエステルフィルム、ポリエステル生地(ポリエステル繊維からなる織布)等の支持体を保持体の上面(背面)に貼り合わせてもよい。かかる支持体の上にさらに接着剤層を設けてもよい。例えば、ホットメルト型接着剤、感圧性接着剤(粘着剤)等の層を支持体上に形成してもよい。あるいは、このような接着剤層を保持体の上面に直接形成してもよい。
その後、図6(E)に示すように、反射基材10の表面から離型層32を除去する。これにより、微小球16の前面および微小球16の間にあるアルミニウム層14が露出する。図6(F)に示すように、その露出面の全体にわたり、該露出面の表面形状に沿って厚さ10nm以下の撥水膜20を形成する。好ましい一つの態様では、該露出面にSAMからなる撥水膜20を気相法によって形成する。このようにして、本発明に係る再帰性反射材1を製造することができる。
反射基材10の表面にSAMからなる撥水膜20を形成して再帰性反射材を製造するのに好ましく使用し得る装置の概略構成例を図7に示す。この再帰性反射材製造装置50は、大まかに言って、反応チャンバ52と、該チャンバ内の温度を制御する雰囲気温度制御手段70と、該チャンバ内の湿度を制御する湿度制御手段80と、該チャンバに導入された反射基材10の温度を調節する基材温度調節手段90と、から構成されている。
チャンバ52の壁面(例えば天井部)には、該チャンバの内外を連通させるガス流入口54およびガス流出口56が形成されている。ガス流入口54には、SAM形成材料を含むガス(例えば、SAM形成材料のガスとキャリアガスとの混合ガス)をチャンバ52内に供給可能な原料ガス供給手段51が接続されている。雰囲気温度制御手段70は、チャンバ52の内部に配置された温度計72と、チャンバ52の外周を囲むように設けられたヒータ74とを含み、温度計72による温度検出結果に応じてヒータ74の出力を調節することによりチャンバ52内の温度(雰囲気温度)を制御し得るように構成されている。湿度制御手段80は、チャンバ52の内部に配置された湿度計82を含み、湿度計82による湿度検出結果に応じて、例えばガス流入口54から供給されるガスの組成(湿度)を調節することによりチャンバ52内の湿度(雰囲気ガスの湿度)を制御し得るように構成されている。反応チャンバ52の内部(例えば底面)には、該チャンバ内で処理される反射基材10を載置するための基材載置台58が設けられている。基材温度調節手段90は、この基材載置台58に内蔵された温度計92と、該温度計による温度検出結果に応じて出力調節可能に構成されたヒータ94とを含む。
このような構成の再帰性反射材製造装置50は、さらに反射基材搬送装置60を備えることができる。この搬送装置60は、例えば、表面が離型層32で覆われた反射基材10(図6(D)に示す状態)が巻かれている巻出ロール62と、この巻出ロール62から巻き出された離型層付反射基材がチャンバ52に導入される前に反射基材10の表面から除去離型層32を除去して巻き取る離型ロール64と、チャンバ52を通過する間に撥水処理が施された(撥水膜2が形成された)反射基材10(すなわち再帰性反射材1)を巻き取る巻取ロール66とを備える。また、この再帰性反射材製造装置50は、必要に応じて、離型層32が除去された反射基材10の露出面に真空紫外光を照射可能に設けられた真空紫外光照射装置85を備えることができる。
かかる構成の再帰性反射材製造装置50を用いて、例えば以下のようにして再帰性反射材1を製造する(反射基材10に撥水加工を施す)ことができる。すなわち、離型層32で覆われた反射基材10を巻出ロール62から巻き出してチャンバ52側へと搬送しつつ、該反射基材10から離型材32を剥がして離型ロール64に巻き取る。離型材32が除去された反射基材10は真空紫外光照射装置へと送られ、ここで該照射装置の備える真空紫外光源によって反射基材10の表面に真空紫外光が照射される。この反射基材10はチャンバ52の内部に搬入され、基材載置台58上に載置される。基材載置台58の温度は、内蔵された温度計92およびヒータ94によって、ここに載置された反射基材10の温度を予め設定した所定の温度とし得るように調節されている。反応チャンバ52の内部は、雰囲気温度制御手段70および湿度制御手段80によって、予め設定された所定の温度および湿度に制御されている。また、チャンバ52の内部は、例えば、撥水性のSAMを形成し得るSAM形成材料のガスとキャリアガスとの混合ガスをガス流入口54から供給することにより、SAM形成材料を所定の濃度で含む雰囲気ガス組成に調節されている。このようにな状態に調整されたチャンバ52の内部で反射基材10を所定時間処理することにより、該反射基材10の表面に高品質の撥水膜(SAM)2を形成することができる。そして、撥水膜2の形成された反射基材10(すなわち再帰性反射材1)は、チャンバ52から搬出され、巻取ロール66に巻き取られる。このようにして再帰性反射材1を製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
厚さ100μmのPETフィルム(ユニチカ株式会社製品、商品名「EMBLET」を使用した。)の片面に厚さ約500μmのポリエチレン樹脂層(離型層)が設けられた離型フィルムを用意した。そのポリエチレン樹脂層の表面にガラスビーズ(株式会社ユニオン製品、商品名「UB−13M」、屈折率1.92、粒径38〜53μm、平均粒径45μm)を配置し、200℃で30分間加熱した。これにより、ガラスビーズの下側(離型層側)の約半分をポリエチレン樹脂層中に沈ませて、該ガラスビーズを離型フィルム(ポリエチレン樹脂層)に仮固定した。なお、離型フィルムの面積当たりに配置されたガラスビーズの個数からその中心の平均間隔を算出したところ約20μmであった。
離型層から露出したガラスビーズの表面およびガラスビーズの間にある離型層の表面にアルミニウムを真空蒸着して、厚さ約200Åのアルミニウム層(反射層)を形成した。該アルミニウム層の上に、ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学株式会社製品、商品名「AG−946HV」を使用した。)からなる保持体を層状に形成した。この保持体の厚さは、ガラスビーズの間(アルミニウム層の上に形成された部分)において約300μmであった。さらに、該保持体の上に厚さ約200μmのPETフィルム(支持体)を配置した。このようにして、再帰反射可能なガラスビーズの配設された表面が離型フィルムで覆われた反射基材を用意した。
この反射基材から離型フィルムを除去して反射基材の表面(ガラスビーズの前面およびガラスビーズの間に形成されたアルミニウム層)を露出させた。次いで、大気圧の室温下において該露出面にエキシマランプ(ウシオ電気株式会社製、型式「UER20−172V」、波長λ=172nm、照射エネルギー密度10mWcm-2)から生じる真空紫外線光(VUV)を60分間照射した。ランプから基板までの距離は約10mmとした。
かかる前処理を施した反射基材を、所定の雰囲気温度および雰囲気ガス湿度にコントロールされた反応室に搬入した。本実施例では、雰囲気温度が約120℃、雰囲気ガスの25℃における相対湿度が約15〜20%となるように、反応室の温度および湿度をコントロールした。雰囲気ガスとしては、乾燥窒素ガスと水気を含む空気との混合ガスを使用した。反応室に搬入された反射基材の温度が雰囲気温度とほぼ等しくなったところで、該反応室に気体状のSAM形成材料を供給して反射基材の表面に化学蒸着した。SAM形成材料としては、CH3(CH217Si(OCH33で表されるn−オクタデシルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製、以下「ODS」と略記する。)を使用した。化学蒸着を行う時間は約3時間とした。このようにして、反射基材の表面(ガラスビーズの前面およびガラスビーズの間に形成されたアルミニウム層の表面)に、その表面形状に沿って、厚さ約2.3nmのSAMからなる撥水膜を形成した。このようにして、反射表面の全体に撥水膜を有する再帰性反射材を得た。
<実施例2>
反射基材の表面に真空紫外光を照射する前処理を省略した点以外は実施例1と同様にして再帰性反射材を得た。すなわち、本実施例では離型フィルムを除去した反射基材を速やかに反応室に搬入し、該反応室内で反射基材の表面にODSを蒸着して撥水膜(SAM)を形成した。
<再帰反射性評価>
実施例1および実施例2により得られた再帰性反射材、および、これらの再帰性反射材の製造に使用した反射基材につき、JIS Z 9117に準拠して(測定距離:21.4m、反射の色:白)、それらの再帰反射性能を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2007121521
この表からわかるように、反射基材の再帰反射性能と、該反射基材に撥水膜を設けて成る実施例1および2の再帰性反射材の再帰反射性能とはほぼ同等であった。すなわち、これらの実施例では、反射基材の表面に撥水膜を設けたことによる再帰反射性能の低下はみられなかった。
<撥水性評価>
実施例1および実施例2により得られた再帰性反射材、および、これらの再帰性反射材の製造に使用した反射基材の水に対する接触角を測定した。具体的には、協和界面科学株式会社製の接触角測定装置(型式「CA−X150」)を使用して、蒸留水の静的接触角を液滴法(液滴直径約2mm)により測定した。また、再帰性反射材を反射表面がほぼ垂直となるように保持し、これに霧吹きを用いて水を吹きつけて表面状態を目視により観察した。それらの結果を表2に示す。
Figure 2007121521
この表からわかるように、実施例1および2の再帰性反射材の反射表面は、水に対する接触角が150°またはそれ以上という高い値を示した。また、これらの反射材に吹き付けられた水は該反射材から水滴となって転がり落ち、反射表面に水滴が付着したままとなる現象は観察されなかった。一方、撥水膜を有しない反射基材では、表面に水滴が付着したままとなる現象がみられた。
<実施例3>
雰囲気温度を約150℃とし、雰囲気ガスの25℃における相対湿度をそれぞれ約5%、約10%、約15%、約20%、約25%および約30%とした点以外は実施例1と同様にして反射基材の表面全体にODSを化学蒸着した。また、雰囲気温度を約50℃、約100℃および約200℃とし、各雰囲気温度について相対湿度をそれぞれ約5%、約10%、約15%、約20%、約25%および約30%とした点以外は実施例1と同様にして、反射基材の表面にODSを化学蒸着した。このようにして、反射表面の全体にSAMを有する再帰性反射材を得た。いずれの再帰性反射材においても、SAMを設けたことによる再帰反射性能の低下はみられなかった。なお、雰囲気温度を約200℃としてODSを蒸着した再帰性反射材では、反射基材の一部に熱による変形がみられた。
これらの再帰性反射材につき、上記と同様に霧吹きで水を吹きつけて表面状態を目視により観察した。それらの結果を表3に示す。表3中、記号「A」は水滴が付着したままとなる現象が全く観察されなかったことを示し、記号「B」はかかる現象が殆ど観察されなかったことを示している。また、記号「C」は水滴が付着したままとなる現象が少し観察されるがSAMを有しない反射基材に比べれば明らかに水滴の付着が少なかったことを示している。記号「X」は、SAMを有しない反射基材と比較して、SAMを設けたことによる撥水性付与効果が少なかったことを示している。
Figure 2007121521
この表からわかるように、雰囲気温度を約100〜150℃程度とし、雰囲気ガスの湿度を10〜25%(さらに好ましくは15〜20%)とすることによって特に良好な結果が得られた。表中、記号「A」で示される撥水効果を示した再帰性反射材では、上記と同様にして測定した蒸留水の静的接触角がいずれも150°またはそれ以上であった。また、記号「B」で示される撥水効果を示した再帰性反射材では、該接触角がいずれも概ね140〜150°の間にあった。
<実施例4>
本実施例では、実施例1〜3で用いたODSに代わるSAM形成材料として、CF3(CF27(CH22Si(OCH33で示されるヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル−1−トリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、以下「HFDTS」と略記する。)を使用した。その他の点については実施例3と同様にして、各雰囲気ガス湿度および各雰囲気温度の下で反射基材の表面にSAMを作製した。このようにして、反射表面の全体にSAMを有する再帰性反射材を得た。いずれの再帰性反射材においても、SAMを設けたことによる再帰反射性能の低下はみられなかった。なお、雰囲気温度を約200℃としてHFDTSを蒸着した再帰性反射材では、反射基材の一部に熱による変形がみられた。
これらの再帰性反射材につき、上記と同様に霧吹きで水を吹きつけて表面状態を目視により観察した。それらの結果を表4に示す。表4中の記号「A」、「B」、「C」および「X」の意味は表3と同様である。
Figure 2007121521
この表からわかるように、雰囲気温度を約100〜150℃程度とし、雰囲気ガスの湿度を10〜25%(さらに好ましくは10〜15%)とすることによって特に良好な結果が得られた。表中、記号「A」で示される撥水効果を示した再帰性反射材では、上記と同様にして測定した蒸留水の静的接触角がいずれも150°またはそれ以上であった。また、記号「B」で示される撥水効果を示した再帰性反射材では、該接触角がいずれも概ね140〜150°の間にあった。
本発明に係る再帰性反射材の一態様を例示する模式的断面図である。 本発明に係る再帰性反射材の他の一態様を例示する模式的断面図である。 本発明に係る再帰性反射材の他の一態様を例示する模式的断面図である。 本発明に係る再帰性反射材の他の一態様を例示する模式的断面図である。 本発明に係る再帰性反射材の他の一態様を例示する模式的断面図である。 (A)〜(F)は、本発明に係る再帰性反射材の製造方法を例示する概略工程図である。 再帰性反射材製造装置の一構成例の概略を示す模式図である。
符号の説明
1:再帰性反射材
2:反射表面
10:反射基材
12:保持体
14:反射要素(金属層)
16:微小球
20:撥水膜
50 再帰性反射材製造装置
51 原料ガス供給手段
52 反応チャンバ(反応容器)
54 ガス流入口
56 ガス流出口
60 反射基材搬送装置
70 雰囲気温度制御手段
80 湿度制御手段
85 真空紫外光照射装置
90 基材温度調節手段

Claims (7)

  1. 再帰反射可能な微小球が配設された反射表面を有する再帰性反射材であって、
    該反射表面は、前記微小球の突出による微小な凸部を有し、該凸部にはその形状に沿って厚さ10nm以下の撥水膜が形成されている、再帰性反射材。
  2. 前記反射表面の水に対する接触角が140°以上である、請求項1に記載の反射材。
  3. 前記撥水膜が単分子層によって構成されている、請求項1または2に記載の反射材。
  4. 前記微小球の間に金属層が設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の反射材。
  5. 前記凸部の間を含む前記反射表面の全体に前記撥水膜が形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の反射材。
  6. 前記撥水膜は、前記微小球が配設された表面を有する反射基材の該表面に酸素分子を含む雰囲気下で真空紫外光を照射し、次いで該表面に自己組織化単分子膜形成材料を化学蒸着して形成されたものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の反射材。
  7. 再帰反射可能な微小球が配設された表面を有する反射基材の該表面に自己組織化単分子膜形成材料を化学蒸着して撥水膜を形成することにより再帰性反射材を製造する装置であって、以下の構成:
    ガス流入口およびガス流出口を備える反応容器;
    前記反応容器内の雰囲気温度を制御する雰囲気温度制御手段;
    前記反応容器内の湿度を制御する湿度制御手段;
    前記反応容器内に配置された前記反射基材の温度を調節する基材温度調節手段;および、
    前記ガス流入口から反応容器内に自己組織化単分子膜形成材料を含むガスを供給する原料ガス供給手段;
    を備える、再帰性反射材製造装置。
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