JP2007121084A - 案内装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩耗粉除去パッドと可動体の当接面との隙間から摩耗粉が逃げ出して外部に摩耗粉が飛散するのを防ぐ超音波モータ用の案内装置を提供する。
【解決手段】楕円運動する振動体と、該振動体の楕円運動を伝達するための摩擦部材56とを有する超音波モータ500と、摩擦部材56に当接する当接面64aを有し、摩擦部材56と前記当接面64aとの摩擦駆動により移動可能に設けられた可動体64と、超音波モータ500を包囲し、可動体64側に開口する筐体1とを含む案内装置において、前記可動体64の当接面64aに摺接する摺接面2aを備えるとともに、超音波モータ500に対応する開口部を備えた封止体2を有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、超音波モータの摩擦駆動により直線運動や回転運動を行う可動体を駆動させる案内装置に関するものである。
超音波モータは、最小振幅がナノメートルオーダーと小さく、高分解能の位置決めが可能であり、しかも同サイズの他の電磁モータと比較して駆動力が大きいといった特徴を有している。この特徴を生かしてカメラのレンズズーム機構や腕時計のバイブレーションアラーム等の主として回転運動系において実用化されているが、最近では直線運動系への適用もなされている。
図8は、超音波モータを可動体の駆動源とした従来の案内装置を半導体製造等に用いる露光装置に配される試料位置決め装置に用いたものである。この試料位置決め装置における案内装置は、ベース盤61上にクロスローラガイドのような一対のガイド部材62を介して可動体であるステージ63が設けられ、そのステージ63を超音波モータ500で直線的に案内するようになっている。
この従来の案内装置において、ステージ63の一方の側面には、ガイド部材62に平行に可動体64が設けられ、ステージ63の他方の側面には、可動体64と平行にリニアスケール65が設置されている。また、リニアスケール65と対向する位置には測定ヘッド66を設けて位置検出手段67を構成するとともに、可動体64と対向する位置には超音波モータが設けられており、この超音波モータの摩擦部材56を可動体64の当接面64aに対して垂直に当接させて振動を伝える。
なお、図8において68は位置検出手段67より得られた位置情報を基にステージ63の駆動条件を制御する制御部、69は制御部68から出力された信号を基に超音波モータを駆動させるための指令信号を出力するドライバーであり、案内装置を高精度に移動させるためのものである(特許文献1参照)。
図9は、この案内装置におけるケース57内に収容された超音波モータ500の断面を示している。超音波モータ500は、ケース57内に4つのスプリング58で保持された振動体55を有してなる。この振動体55は、圧電セラミック板52と、圧電セラミック板52の一方の主面に形成された電極膜53a,53b,53c,53dと、圧電セラミック板52の他方の主面ほぼ全面に形成された共通電極膜(不図示)とによって構成されている。なお、圧電セラミック板52の一方の主面に形成された、4分割された電極膜53a,53b,53c,53dは、対角に位置する電極膜53aと電極膜53dが結線され、他の対角に位置する電極膜53bと電極膜53cが結線される。また、この振動体55の一方端面にはセラミックスやガラスからなる摩擦部材56が設けられている。
以上のように構成された超音波モータ500において、共通電極膜をアースするとともに、電極膜53bと電極膜53dにそれぞれ位相を異ならせた電圧を印加すると、圧電セラミック板52に縦振動と横振動が生じ、これらの振動の合力によって摩擦部材56が楕円運動する。
また、超音波モータ500は、ケース57内においてその両側面をスプリング58により保持されているが、摩擦部材56が設けられている側とは反対側の端面にはスプリング59が設けられており、そのスプリング59によって押圧されて振動体55に設けられら摩擦部材56をステージ63に設けられた可動体64の当接面64aに押し付けて予圧を与えるようになっている。
特許文献1に開示された案内装置は、以上のような構成になっており、超音波モータ500を駆動させると、その摩擦部材56の摩擦駆動によってステージ63をガイド部材62に沿って移動させることができ、ステージ63の移動に伴う位置検出手段67からの位置情報と、予め設定してあるステージ63の基準位置情報との偏差に応じて変化するパラメータを基に制御部68にて例えばPID演算処理を行ってドライバー69に超音波モータ500への指令信号を出力するフィードバック制御を行うことにより、ステージ63を移動、位置決めするようになっていた。
ところが、超音波モータの摩擦部材56やステージ63の可動体64は互いに摩耗し、その摩耗粉が可動体64の当接面64aに付着するという問題がある。この付着量が多くなると摩擦部材56の振動によって摩耗粉が周囲に飛散したり、ベース盤61に堆積した摩耗粉がステージ63の移動時の振動によって周囲に飛散したりするため、周囲の雰囲気を汚染するといった課題があった。特に半導体製造装置のようにウエハ上に粉塵の付着量が制限されている装置では大きな問題となる。
そこで、特許文献1には、前記問題を解決するために、筐体1に圧縮気体の噴射孔と排気溝を有する摩耗粉除去パッドを設けることが開示されている。
図10に、特許文献1に開示された案内装置の平面図および側面図を示す。ここで、摩耗粉除去パッド70は、その噴射孔71より圧縮気体を駆動力伝達部材64の当接面64aに向けて噴出させることにより、当接面64aに付着する摩耗粉を吹き飛ばすようにしたことから、可動体64の超音波モータ500との当接面64aに摩耗粉が殆ど残らないようにすることができるとともに、可動体64と摩耗粉除去パッド70との隙間に飛散した摩耗粉や周囲に浮遊するダストを噴射孔71の周囲に設けた排気溝72より吸引して回収することができるため、摩耗粉やダストを周囲に飛散させないようにすることができる。また、筐体1によって超音波モータ外周部を覆うことによって摩耗粉の飛散を防止することができる。
特開2003−251541号公報
しかしながら、特許文献1に開示された摩耗粉除去パッド70を備えた構造では、圧縮気体を使用するため真空中で使用するためには圧縮空気が真空中に漏れないように差動排気を行う必要があるために真空排気系が追加で必要となること、摩耗粉除去パッド70が非常に大きくなることと、また差動排気用の配管を引き回すためにステージの位置決め精度が悪化するといった課題があった。また、圧縮空気を使用しないで摩耗粉除去パッド70のみで超音波モータを覆うと、摩耗粉除去パッド70と可動体64の当接面64aとの隙間から摩耗粉が逃げ出して外部に摩耗粉が飛散する。また、隙間を小さくすると摩耗粉除去パッド70と可動体64との間に摩耗粉が噛み込み、可動体64が異常摩耗を起こす課題があった。
そこで、本発明は、圧縮気体を用いることなく簡単な構造で磨耗粉の除去が可能な案内装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明に係る案内装置は、振動する振動体と、該振動体の楕円運動を伝達するための摩擦部材とを有する超音波モータと、前記摩擦部材に当接する当接面を有し、前記摩擦部材と前記当接面との摩擦により移動可能に設けられた可動体と、前記超音波モータを包囲するように可動体側に開口する筐体とを備えた案内装置であって、前記筐体の開口側に、前記可動体の当接面に摺接する摺接面を有するとともに超音波モータに対応した開口部を有する封止体を備えたことを特徴とする。
また、前記封止体は、その開口部が前記超音波モータ側に広がる傾斜面を有することを特徴とする。
さらに、前記傾斜面と前記可動体の当接面との成す角度θが10〜40°であることを特徴とする。
またさらに、前記可動体及び封止体は、アルミナ、アルチック、ジルコニアおよび窒化珪素から選択される少なくとも1種類を主成分とするセラミックスからなることを特徴とする。
さらにまた、前記封止体の少なくとも摺接面側の表面粗さがRa0.01μm以上、かつRa0.2μm以下であることを特徴とする。
また、前記筐体と封止体との間に両者の接触圧力を調整するための調整部材を備えたことを特徴とする。
さらに、前記可動体の当接面と封止体の摺接面との接触圧力は、5〜20Nの範囲であることを特徴とする。
またさらに、前記筐体は、内部の空気を外部に通気するための通気孔を有することを特徴とする。
本発明に係る案内装置によれば、可動体の当接面に摺接する摺接面を備えるとともに、前記超音波モータに対応する開口部を備えた封止体を有することによって、前記可動体の移動に伴って前記封止体に摩耗粉が捕獲されるように設定しているので、圧縮気体を用いることなく簡単な構造で磨耗粉の除去が可能な案内装置を提供することができる。
また、前記封止体は、その開口部が前記超音波モータ側に広がる傾斜面を備えてなることから、可動体と摩擦部材との間に発生する摩耗粉を傾斜面の先端で除去することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、実施の形態の図において、従来例と同一部分については同一符号で示している。
図1は、本発明の案内装置を半導体製造等に用いる露光装置に配される試料位置決め装置として用いた斜視図である。
ここで、本発明の案内装置は、ベース盤61上にクロスローラガイドの如き一対のガイド部材62を備え、これらガイド部材62によって可動体としてのステージ63を直線的に往復運動可能に案内するようになっている。また、ステージ63はその一方の側面にガイド部材62に対して平行に取り付けた可動体64を、ステージ63の他方の側面には、前記可動体64と平行にリニアスケール65をそれぞれ有している。そして、そのリニアスケール65と対向する位置には測定ヘッド66を設けて位置検出手段67を構成するとともに、前記可動体64と対向する位置には一つの超音波モータを配置し、筐体1内に設けられた超音波モータの摩擦部材を可動体64の当接面64aに対して垂直に当接させる仕組みである。
このように構成される案内装置は、ベース盤61上に筐体1を筐体固定ネジで6により固定し、位置検出手段67より得られた位置情報を基にステージ63の駆動条件を制御部68により制御し、制御部68から出力された信号を基にドライバー69により超音波モータを駆動させる指令信号を出力する。
また、図2(a)は図1の位置決め装置における案内装置を示す平面図であり、筐体1の上面を取り除いて示しており、(b)は同図(a)の側面図である。なお、図2(a)において超音波モータ部分は断面図で示している。
図2に示すように、超音波モータ500は、摩擦部材56と可動体64の摺動により発生する摩耗粉の飛散を防止する筐体1内に配置されている。筐体1は、超音波モータ500を包囲するように可動体64側に開口するように配設されており、可動体64と超音波モータ500の摩擦部材56の摩耗により発生する摩耗粉が周囲に飛散するのを防止する作用をなす。この筐体1の材質は、超音波モータ500の振動と共振しないアルミニウム合金やステンレス合金等の金属もしくはアルミナやジルコニア等のセラミックスが好ましい。
なお、図1に示す超音波モータの構造及び超音波モータ500の取り付け構造は、図8及び図10に示したものと同様であるため説明を省略する。
ここで、本発明の案内装置は、超音波モータの摩擦部材56やステージ63の可動体64の摩耗の際に発生する摩耗粉の飛散を防止するために、封止体2を備えることを特徴とするものである。詳細を図2〜図4を参照して説明する。
本発明の案内装置において、筐体1の開口側に封止体固定ネジ5により封止体2が固定されていることが重要である。この封止体2は、可動体64の当接面に摺接する摺接面2aを備えるとともに、超音波モータ500に対応する部分が開口する開口部2bを備えており、筐体1に着脱可能に固定されている。
この封止体2により、可動体64との間に隙間がないことから、摩擦部材56と可動体64の当接面64aとが摺接することにより発生する摩耗粉の飛散をより効果的に防止することができる。
また、封止体2は、セラミックスやステンレス、銅合金等の金属から形成され、特に、アルミナ、アルチック(アルミナ−炭化チタン)、ジルコニアおよび窒化珪素から選択される少なくとも1種類を主成分とするセラミックスからなることが好ましい。
これらセラミックスから形成することによってステージ63の移動時の摺動抵抗が小さくなり、超音波モータ500の摩擦部材56と可動体64とのすべり量が小さくなる。これにより超音波モータ500の摩擦部材56と可動体64の摩耗量も少なくなるため、寿命を長くすることができる。また、可動体64も封止体2と同様な材質で形成することにより同様な効果を生じることができる。
これら材質の中で封止体2をアルミナ質セラミックス、可動体64をアルチック質セラミックスの組み合わせとすることにより、アルチックに含有する炭素が固体潤滑剤の役割を果たし、超音波モータ500の摩擦部材56と可動体64の摩耗量が最小となるため特に好ましい。
また、封止体2の少なくとも摺接面2aの表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)で0.01μm以上、かつ0.2μm以下であることが好ましい。
これは、可動体64の当接面64aと封止体2の摺接面2aが常時摺接しているため、表面粗さRaが0.2μmより大きいと、可動体64の当接面64aと封止体2の摺接面2aが異常摩耗を起こし、異常摩耗によって発生した摩耗粉が可動体64の当接面64aと封止体2の摺接面2aの間に噛み込んでステージ63が動作しなくなる。一方、表面粗さRaが0.01μm未満になると、可動体64の当接面64aと封止体2の摺接面2aが分子間力によって吸着されるため抵抗が大きくなり、ステージ63が動作しなくなるためである。さらには、Ra0.01μm以上Ra0.1μm以下とすることがより好ましい。なお、表面粗さの測定方法はJIS B 0651に準じて測定できる。
また、封止体2は、図4(a)に示すように開口部2bが、超音波モータ500側に広がる傾斜面2cを備えていることが好ましい。これは、例えば、図3に示すようにステージ63を超音波モータ500に対してX方向に移動させた場合、可動体64と摩擦部材56との間に発生する摩耗粉7を傾斜面2cの先端で除去することが可能となる。このことから、可動体64と封止体2の間への摩耗粉7の噛み込みを防止することができるとともに、摩耗粉の飛散を効果的に防止することができる。
この傾斜面2cは、可動体64への摩耗粉7の付着も除去することが可能となるので、摩擦部材56の振動を安定して可動体64に伝達することができ、振動がなく定速性に優れるステージ63の移動を得ることができる。
さらに、傾斜面2cによって摩耗粉7をより効果的に捕獲するためには、可動体64の当接面64aと傾斜面2cの接触する角度θは、図2に示すように10〜40°とすることが好ましい。
傾斜面2cの角度θが10°未満であると、傾斜面2cの先端の強度が不足し、摩耗粉7によってチッピングが発生しやすく、可動体64に異常摩耗等が発生するため、摩耗粉7が可動体64の当接面64aと封止体2との摺接面2aに噛み込み易くなるからである。一方、角度θが40°を超えると、摩耗粉7が傾斜面2cの先端に固まって堆積するため、堆積した摩耗粉7が可動体64の当接面64aと封止体2との摺接面2aに噛み込み易くなるからである。また、傾斜面2cの先端のチッピングを防止することを目的として、先端をR形状に形成することが好ましい。この時、好ましいR形状の大きさとしては、曲率半径10μm〜100μmの範囲である。
また、図4(b)に示すように封止体2の摺動面2aには、長手方向が可動体64の移動方向に略直交する複数の溝8を形成することが好ましい。これにより、摩耗粉7が可動体64の当接面64aと封止体2の摺接面2aに噛み込んだとしても、摩耗粉7を溝8でトラップし飛散を防止するとともに、摩耗粉7の当接面64aへの凝着を防止することができる。また、溝8内に捕獲した磨耗粉7を溝8外部に放出しないように、溝8の開口幅を、溝8内部の最大幅より狭くすることが好ましい。このようにすると、溝8の側壁と可動体64の当接面64aとのなす角度が鋭角になり溝8内に捕獲された磨耗粉8が溝外部に放出されにくくできるとともに、当接面64aへの摩耗分7の凝着を除去できる。
さらに、図4に示すように、封止体2と筐体1との間に調整部材3を有していることが好ましい。調整部材3は可動体64の当接面64aと封止体2の摺接面2aとの接触圧力を調整する機能を有すると同時に、封止体2の摺接面2aが可動体64の当接面64aに均一に接触するようになっている。これは、接触圧力を調整することによって、筐体1の取り付け時に可動体64と封止体2との間に隙間が生じやすく、押付圧力が強くなりすぎてステージ63が動作しなくなることを防ぐことができる。また、封止体2を均一に接触できることによって、可動体64と封止体2の押付圧力が強い箇所のみが異常摩耗を起こすことを防ぐことができる。
この接触圧力を調整する調整部材3は、弾性係数が50N/mm程度の柔らかくかつ密着性のある材料が望ましく、材質は四フッ化エチレン樹脂、ニトリルゴム、フッ素ゴムが好ましい。なお、前記材質の中で特に密着性に優れているのが四フッ化エチレン樹脂等から形成される。
さらに、可動体64の当接面64aと封止体2の摺接面2aとの接触圧力は5〜20Nの範囲に設定することが好ましい。
すなわち、両者の接触圧力が5N未満の場合には可動体64の当接面64aと封止体2との間に部分的な隙間が発生し、その隙間から摩耗粉7が外部に排出されステージ63上に載置される試料などに堆積する可能性がある。また、20Nを超えると、ステージ63に対する移動方向の抵抗が大きくなり、超音波モータ500への負荷が大きくなって超音波モータ500の摩擦部材56が異常摩耗を起こして正常に動作しなくなる。なお、可動体64の当接面64aと封止体2の摺接面2aの接触圧力は、ベース盤61に対する筐体固定ネジ6の着設位置及び封止体2を筐体1に着設する際の封止体固定ネジ5の着設圧力により適宜調整することが可能である。
すなわち、本発明は、(1)封止体2の摺接面2aと可動体64の当接面64aとの接触圧力と、(2)超音波モータ500の両側に設けた傾斜面2cの形状を、適切な範囲に設定すると、ステージ(可動体)の移動による、筐体1の対向面と可動体64の当接面64aとの相対的な運動により、圧縮空気や吸引機構を用いることなく傾斜面2cに摩耗粉を効果的に捕獲することができる。
なお、接触圧力は、プッシュプルゲージにより測定することができる。
また、筐体1は摩耗粉が外部に排出されないように密閉構造になっているが、大気環境から真空環境に移行する途中で筐体1内にある空気が可動体64の当接面64aと封止体2との摺接面2aを押し広げて抜け出す際に摩耗粉が一緒に排出されてしまう可能性がある。そこで、図2、図4に示すように筐体1の側面等の一部に筐体1内の空気を通過させるための多数の通気孔を形成することが好ましい。この通気孔は筐体1の一部に直接形成されていてもよく、図2、4に示すように通気孔を有する通気板4として備えてもよい。 なお、通気板4の材質は、銅合金やステンレス合金等の金属もしくはアルミナやジルコニア等のセラミックスが好ましい。また、通気板4の最小透過粒径は0.1μm以下とすることが好ましい。通気板4を取り付けることによって、大気環境から真空環境に移行する途中で筐体1内に堆積した摩耗粉が外部に排出されなくなり、摩耗粉の飛散を効果的に防止することができる。
さらに、通気板4に形成する細孔は、通気板4の一方主面から他方主面に貫通していてもよいが、3次元的に形成される方が好ましい。その理由は細孔の一部に摩耗粉が詰まったとしても透過性の劣化が遅いからである。
以上、本実施形態では、可動体64が直線運動する案内装置を例にとって説明したが、可動体64が回転運動する案内装置にも適用できることは言う迄もなく、さらに、可動体64を駆動させる超音波モータについても、多重モード型のものに限らず、単一振動モードの定在波型や進行波、複数振動モードのモード変換型、複合振動型の超音波モータであっても構わない。
このように、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々改良や変更したものにも適用できることはいう迄もない。
以下、本発明に係る実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、図2の筐体1と封止体2を備えた図1に示す本発明の案内装置と、封止体2を備えず筐体1のみの案内装置及び図8の筐体1を備えていない従来の案内装置を用意し、各案内装置のステージ63を10時間移動させた後のステージ63の上面部に付着する摩耗粉7の付着量について比較した。
本実施例及び従来例において、実験に使用する案内装置の仕様は以下のようにした。
案内装置を構成するガイド部材62には、ストロークが100mmのクロスローラガイドを用い、前記ガイド部材62によって約50Nの重さを有するステージ63を移動させるようにした。また、ステージ63の一方の側面にはアルミナセラミックス製の可動体64を配置し、超音波モータ51との当接面64aの表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.05μmとした。
一方、ステージ63の駆動源である超音波モータ500は、振動体55を、長さ30mm、幅7.5mm、厚み3mmの直方体をしたチタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミック体52により形成し、振動体55の端面に、長さ4.2mm、直径3mmの円柱状をしたアルミナセラミック製の摩擦部材56を接合したものを用いた。なお、摩擦部材56の可動体64との当接面64aは、曲率半径が7mmの球面とした。
実験にあたっては、制御部68に予め設定しておくステージ63の移動プロファイルとして、移動距離100mm、加減速度0.03G、最高速度100mm/secに設定した台形制御とし、超音波モータ500を40kHzの駆動周波数で駆動させるようにした。
そして、ステージ63上に摩耗粉測定用の試料(100mm×100mm)をセットし、前記条件にてステージ63を10時間駆動させ、走行試験後に摩耗粉測定用の試料面に付着した粒径1μm以上の摩耗粉の量をステージ上にセットした光学顕微鏡(倍率2000倍)で検出した。その結果を図5に示す。図5の従来は筐体1のない試料、データ1は筐体1のみの試料、データ3は本発明試料であり筐体1および封止体2を供えた試料である。
前記実験方法に基づいて行った実験結果では、図5に示すように筐体1及び封止体2を持たない従来の案内装置では、摩耗粉7の付着量が100個と多かったのに対し、図2に示す筐体1のみを有する本発明の案内装置では、摩耗粉7の付着量が30個であった。また、筐体1と封止体2を有する場合には2個に低減した。よって、本発明の案内装置は摩耗粉の飛散を大幅に減少させることができる。
(実施例2)
実施例1に用いた、筐体1と封止体2を有する案内装置を用い、可動体64の表面(当接面64a)と傾斜面2cの接触する角度は5、10、20、30、40、50、60、70、80、90°に変えて実験を行った。なお、封止体2の接触圧力は10Nとした。ここで、ステージ63の移動プロファイル、摩耗粉7の量の検出方法は、実施例1と同様にして行った。その結果を図6に示す。
図6に示すように可動体64の表面(当接面64a)と傾斜面2cの接触する角度を10〜40°の間に設定すると摩耗粉7の付着量は2個以下になるが、10°未満及び40°を超えると摩耗粉7が封止体2の接触面に入り込んで排出されるため、摩耗粉7の付着量は増大して筐体1の効果が低くなる。
(実施例3)
さらに、実施例1に用いた、筐体1と封止体2を有する案内装置を用い、可動体64の当接面64aと封止体2の接触圧力を2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50Nに変えて実験を行った。なお、可動体64の表面(当接面64a)と傾斜面2cの接触する角度は前記実験で摩耗粉7の飛散の少ない20°とした。
ここで、ステージ63の移動プロファイル、摩耗粉7の量の検出方法は、実施例1と同様にして行った。その結果を図7に示す。
図7に示すように接触圧力を5〜20Nに設定すると摩耗粉7の付着量は2個以下になるが、接触圧力が5N未満の場合には可動体64の当接面64aと封止体2との間に部分的な隙間が発生し、その隙間から摩耗粉7が外部に排出される。また、20Nを超えると、ステージに対する移動方向の抵抗が大きくなり、超音波モータ500への負荷が大きくなって超音波モータ500の摩擦部材56が異常摩耗を起こして摩耗粉7も増大するとともに正常に動作しなくなる。
本発明に係る案内装置は、直線運動や回転運動する可動体を超音波モータにて駆動させる案内装置に関するものであり、特に精密加工機械、精密測定装置、半導体製造装置に用いられる大気中及び真空中で用いられる案内装置として好適なものである。
本発明の案内装置を用いた試料位置決め装置を示す斜視図である。 (a)は本発明の案内装置を示す平面図であり、(b)は同図(a)の側面図である。 (a)は図2におけるステージを移動させたときの様子を示す平面図であり、(b)は同図(a)の側面図である。 (a)、(b)は本発明の案内装置における封止体および筐体とその内部を示す斜視図である。 本発明に係る実施例1の案内装置における摩耗粉収集効果を示すグラフである。 本発明に係る実施例2の案内装置における摩耗粉収集効果を示すグラフである。 本発明に係る実施例3の案内装置における摩耗粉収集効果を示すグラフである。 従来の案内装置を用いた試料位置決め装置を示す斜視図である。 案内装置に用いる超音波モータの構成を模式的に示す平面図である。 (a)は従来の案内装置を示す平面図であり、(b)は同図(a)の側面図である。
符号の説明
1:筐体
2:封止体
2a:摺接面
2b:開口部
2c:傾斜面
3:調整部材
4:通気板
5:封止体固定ネジ
6:筐体固定ネジ
7:摩耗粉
8:溝
52:圧電セラミック板
53a、53b、53c、53d:電極膜
55:振動体
56:摩擦部材
57:ケース
58、59:スプリング
61:ベース盤
62:ガイド部材
63:ステージ
64:可動体
64a:当接面
65:リニアスケール
66:測定ヘッド
67:位置検出手段、
68:制御部
69:ドライバー
70:摩耗粉除去パッド
71:噴射孔
72:排気溝
500:超音波モータ

Claims (8)

  1. 振動体および該振動体の振動を伝達するための摩擦部材を有する超音波モータと、
    前記摩擦部材に当接する当接面を有し、前記摩擦部材と前記当接面との摩擦により移動可能に設けられた可動体と、
    前記超音波モータを包囲するように可動体側に開口する筐体と
    を備えた案内装置であって、
    前記筐体の開口側に、前記可動体の当接面に摺接する摺接面を有するとともに超音波モータに対応した開口部を有する封止体を備えたことを特徴とする案内装置。
  2. 前記封止体は、その開口部が前記超音波モータ側に広がる傾斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の案内装置。
  3. 前記傾斜面と前記可動体の当接面との成す角度θが10〜40°であることを特徴とする請求項1または2に記載の案内装置。
  4. 前記可動体及び封止体は、アルミナ、アルチック、ジルコニアおよび窒化珪素から選択される少なくとも1種類を主成分とするセラミックスからなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の案内装置。
  5. 前記封止体の少なくとも摺接面側の表面粗さがRa0.01μm以上、かつRa0.2μm以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の案内装置。
  6. 前記筐体と封止体との間に両者の接触圧力を調整するための調整部材を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の案内装置。
  7. 前記可動体の当接面と封止体の摺接面との接触圧力は、5〜20Nの範囲であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の案内装置。
  8. 前記筐体は、内部の空気を外部に通気するための通気孔を有することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の案内装置。
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