JP4126453B2 - 案内装置の駆動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、精密加工装置、精密測定装置、半導体の製造工程で用いられる露光装置や描画装置など、可動体に物品を載せて移動させ、所定の位置に位置決めするのに用いる超音波モータを可動体の駆動源とする案内装置の駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、精密加工装置や測定装置、あるいは半導体の製造工程に用いられる描画装置、露光装置、検査装置、分析装置などの位置決めや搬送等に用いられる案内装置の駆動源として超音波モータを用いることが提案されている。
【0003】
図9に超音波モータを可動体の駆動源とする従来の案内装置の一例を示すように、この案内装置は、ベース基盤51上にクロスローラガイドの如き一対のガイド部材52を備え、これらのガイド部材52によって可動体としてのステージ53が直線的に案内されるようになっている。
【0004】
また、ステージ53の一方の側面には、ガイド部材52に対して平行に駆動力伝達部材54が、ステージ53の他方の側面には、上記駆動力伝達部材54に対して平行にリニアスケール56aが設置され、このリニアスケール56aと対向する位置には測定ヘッド56bを設けて位置検出手段56を構成するとともに、上記駆動力伝達部材54と対向する位置には超音波モータ55を設置し、超音波モータ55の摩擦部材55aを上記駆動力伝達部材54の当接面に対して垂直に当接させてある。
【0005】
なお、図中、55dは超音波モータ55を収容するケース、55cは超音波モータ55をステージ53の駆動力伝達部材54に当接させるためのバネ、55bはケース55d内に超音波モータ55を保持するための弾性体である。
【0006】
また、超音波モータ55は、楕円振動を発生させる圧電駆動部55eと、この圧電駆動部55eに備えるセラミックスやガラスからなる摩擦部材55aとからなり、圧電駆動部55eは、圧電セラミック板55fの一方の主面に4分割された電極膜55g,55h,55i、55jを有し、対角に位置する電極膜55gと電極膜55iを結線するとともに、対角に位置する電極膜55hと電極膜55jを結線し、かつ他方の主面には、ほぼ全面に共通電極膜(不図示)を形成してあり、共通電極膜をアースするとともに、電極膜55iと電極膜55jにそれぞれ位相を異ならせた電圧を印加することにより、圧電セラミック板55fに縦振動と横振動を発生させ、これらの振動の合力によって摩擦部材55aを楕円運動させるようになっていた。
【0007】
そして、ステージ53の移動に伴う位置検出手段56からの位置情報と、予め設定してあるステージ53の移動プロファイルに基づく基準位置情報との偏差に応じて駆動制御部50にて例えばPID演算処理し、超音波モータ55へ指令信号を出力するフィードバック制御を行うようになっていた。なお、PID演算を行うための制御パラメータであるP項、I項、D項の決定は、実駆動させる前にステージ53の移動中における位置偏差や位置決め精度が規格を満足するように実験により試行錯誤的に決定するようになっていた。
【0008】
ところで、精密加工装置や測定装置、あるいは半導体の製造工程に用いられる描画装置、露光装置、検査装置、分析装置などの位置決めや搬送等に用いられる案内装置には、サブミクロンオーダーの高精度な移動中の位置偏差や位置決め精度と、案内装置の長寿命化、高信頼性化が望まれている。
【0009】
しかしながら、超音波モータ55を用いた駆動は摩擦駆動であるため、超音波モータ55の摩擦部材55aとステージ53の駆動力伝達部材54との間に滑りが発生し易く、この滑りによってステージ53の高精度な位置決めが困難になるとともに、両者の接触状態が変化するために異常摩耗が発生するといった課題があった。
【0010】
即ち、超音波モータ55はバネ55cによって駆動力伝達部材54に対して一定の予圧を与える構造であることから、高推力が必要な加減速時に対応できるような高い予圧を与えると、ステージ53の最大速度が小さくなったり、摩擦部材55aの摩耗が進行し、逆に予圧を低く設定すると、加減速時に摩擦部材55aと駆動力伝達部材54との間に滑り現象が発生し、摩擦部材55aの摩耗が進行するとともに、加速度や減速度が小さくなるというように、図9に示す案内装置では高推力が要求される加減速時と高速度時での安定した駆動特性を両立させることが難しいといった課題があった。
【0011】
そこで、超音波モータ55とステージ53との間の滑りを防止するため、次のような案内装置が提案されている。
【0012】
例えば、特開2000−308939公報には、図10に示すように、超音波モータ55に予圧を与えるバネ55cに代えて電圧の印加により伸縮する圧電アクチュエータ等の予圧調整部61を用いるとともに、超音波モータ55の駆動中における摩擦部材55aの変位、速度、加速度等の位置情報を測定するレーザー変位測定機等の非接触型測定手段62を設け、非接触型測定手段62からの位置情報と位置検出手段56からの位置情報を基に滑り量計測部63にて超音波モータ55とステージ53との間の滑り量を算出し、この滑り量に応じて予圧調整部61を駆動させることにより、超音波モータ65のステージ53への押圧力を調整するようになっていた。
【0013】
しかしながら、図10に示す案内装置を構成するには、超音波モータ55の駆動中における摩擦部材55aの位置情報を測定するレーザー変位測定機等の非接触型測定手段62が必要であり、部品点数が多くなるとともに、非接触型測定手段62の取り付けや調整が難しく、組み立てやメンテナスに要する作業時間が長くなるとともに、レーザー変位測定機等の非接触型測定手段62は高価な構成部品であるため、案内装置が高額なものになってしまうといった課題があった。
【0014】
【発明の目的】
本発明は、新たな測定手段を用いることなく、比較的安価に超音波モータの滑りを抑えて異常摩耗を防止するとともに、可動体との接触状態を安定させ、移動中においても高い位置精度でもって駆動させることが可能な、超音波モータを可動体の駆動源とする案内装置の駆動方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題に鑑み、本発明の案内装置の駆動方法は、超音波モータと、該超音波モータとの摩擦駆動により可動する可動体と、該可動体の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段からの位置情報と予め格納してある上記可動体の移動プロファイルに基づく基準位置情報との偏差を基に演算し、上記超音波モータへ駆動指令信号を出力する駆動制御部と、上記超音波モータを上記可動体に押圧させるアクチュエータと、上記可動体の移動プロファイルに基づく基準位置情報より算出される加減速時の加速度の絶対値に対応して上記アクチュエータを駆動させ、上記超音波モータの可動体への押圧力を調整するアクチュエータ制御部とを有する案内装置において、上記加速度の絶対値の増減に伴って上記押圧力を増減させるように上記アクチュエータを駆動させる際に、上記アクチュエータ制御部に格納された、上記加速度の絶対値と上記アクチュエータの駆動量との比例関係を示すデータテーブルに基づいて、上記アクチュエータを駆動させるようにした案内装置の駆動方法であって、上記データテーブルが以下の(1),(2)の手順によって決定されていることを特徴とする案内装置の駆動方法。
(1)アクチュエータの変位量をそれぞれ異ならせて超音波モータを駆動させた時の可動体の最大加速度を測定する。
(2)上記(1)の測定結果に基づいて可動体の最大加速度とアクチュエータの変位量との関係を決定し、データテーブルに格納する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は超音波モータを可動体の駆動源とする本発明の案内装置の一例を示す平面図であり、図2は図1の案内装置に備える超音波モータの固定構造を示す図で、同図(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は側面図であり、図3(a)〜(d)は図1の案内装置に備える超音波モータの振動状態を説明するための模式図であり、図4は図1の案内装置を示すブロック線図である。
【0022】
この案内装置は、ベース盤21上に可動体としてのステージ23を備え、該ステージ23はクロスローラーガイド、エアスライドガイド、油圧ガイド等の如き一対のガイド部材22を介して直線的に案内されるようになっている。
【0023】
また、ステージ23の一方の側面には駆動力伝達部材24を、他方の側面にはリニアスケール25をそれぞれ取着してあり、リニアスケール25と対向する位置には位置検出器26を設けてステージ23の位置検出手段27を構成するとともに、駆動力伝達部材24と対向する位置には超音波モータ1を当接させて設置してある。なお、30は超音波モータ1を支持するための支持部材、31は超音波モータ1をステージ23の駆動力伝達部材24に押し付けて予圧を与えるためのアクチュエータである。
【0024】
また、本発明の案内装置に用いる超音波モータ1は、金属軸2の中央に備えるフランジ部3を挟んで軸両端よりそれぞれ第一の超音波振動部5、金属スペーサ6、第二の超音波振動部7を順次嵌入し、金属キャップ8にて固定すると共に、上記各金属キャップ8に摩擦部材9を備えたもので、第一の超音波振動部5は、環状をした圧電セラミック板の両面に電極を備えたものを電極板を挟んで二枚貼り合わせてなり、図2(a)に示す矢印の向きに分極処理を施し、また、第二の超音波振動部7は、環状をした圧電セラミック板の両面に分割電極を備えたものを電極板を挟んで二枚貼り合わせてなり、図2(a)に示す矢印の向きに分極処理を施してある。
【0025】
そして、この超音波モータ1の金属スペーサ6、フランジ部3、金属キャップ8をそれぞれアースした状態で第一の超音波振動部5の電極板にのみ交流電圧を印加すると、超音波モータ1を軸方向に伸縮振動させることができ、また、第二の超音波振動部7の電極板にのみ交流電圧を印加すると、超音波モータ1に対してたわみ振動させることができるようになっており、第一の超音波振動部5の電極板と第二の超音波振動部7の電極板にそれぞれ通電する交流電圧を、周波数が同じで位相を異ならせた交流電圧とすることで、図3(a)〜(d)に示すような振動を発生させることができるため、超音波モータ1の摩擦部材9をステージ23の駆動力伝達部材24に押圧させておくことにより、両者の間に発生する摩擦駆動によってステージ23をガイド部材22に沿って移動、位置決めすることができるようになっている。
【0026】
なお、超音波モータ1の摩擦部材9は、摩擦駆動に伴う摩耗を抑えるため、耐摩耗性に優れたアルミナ質焼結体、ジルコニア質焼結体、窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体、Al23−TiC系焼結体等のセラミックス若しくは、超硬合金、TiC系サーメット、TiN系サーメット、TiC−TiN系サーメット等の焼結合金のうち、いずれか一種により形成することが好ましい。また、この超音波モータ1は、本件出願人が先に提案しているものである(特願2001−024782号)。
【0027】
この超音波モータ1の固定にあたっては、ステージ23の移動方向に対して垂直に第二のガイド部材33によって案内可能に配置されたテーブル32を設け、このテーブル32上に備える支持部材30に超音波モータ1のフランジ部3を固定するようになっており、支持部材30と別に設けられた不動の壁との間に積層型圧電アクチュエータからなるアクチュエータ31を配置し、このアクチュエータ31を駆動させることにより超音波モータ1をステージ23の駆動力伝達部材24に押し付け、予圧を制御するようにしてある。
【0028】
また、本発明の案内装置における制御部40の構造は、図4に示すように、目標値発生部41と、超音波モータ1への駆動用指令信号を出力する駆動制御部42と、アクチュエータ31への指令信号を出力するアクチュエータ制御部43とから構成してある。
【0029】
目標値発生部41には、予め設定してあるステージ23の移動プロファイルを格納してあり、各時刻における要求位置信号304を駆動制御部42及びアクチュエータ制御部43にそれぞれ送るようになっている。
【0030】
駆動制御部42では、目標値発生部41から得られる各時刻における要求位置信号304と、位置検出手段27から得られるステージ23の実際の位置信号305との偏差を基に、例えばPID演算処理を行い、超音波モータ用ドライバ28へ駆動用指令信号を出力するようになっている。
【0031】
即ち、目標値発生部41と位置検出手段27から得られる位置情報の偏差を基にフィードバック制御を行い、駆動制御部42の出力値を駆動用指令信号306として超音波モータ用ドライバ28へ送り、超音波モータ用ドライバ28からの駆動電圧に基づいて超音波モータ1を駆動させるようになっている。
【0032】
なお、PID演算を行うための制御パラメータであるP項、I項、D項の決定は、実駆動させる前にステージ23の移動中における位置偏差や位置決め精度が規格を満足するように実験により試行錯誤的に決定する。
【0033】
一方、アクチュエータ制御部43は、さらに加速度値発生部44とデータテーブル45とからなる。
【0034】
加速度値発生部44では、目標値発生部41より送られた各時刻における要求位置信号354を基に駆動時の指令加速度の絶対値355を算出し、データテーブル45へ送るようになっている。
【0035】
データテーブル45には、指令加速度の絶対値355に応じて超音波モータ1の摩擦部材9を駆動力伝達部材24に押し付ける最適な予圧を与えるのに必要なアクチュエータ31の変位量の指令信号356を予め格納してあり、加速度値発生部44より送られる指令加速度の絶対値355を基にアクチュエータ31を所定量変位させるのに必要な変位量の指令信号356をアクチュエータ用ドライバ29に出力するようになっている。
【0036】
即ち、加速度値発生部44より得られる指令加速度の絶対値355を基に、予めテータテーブル45に格納してある加速度値とアクチュエータ31の駆動用の指令信号との関係から最適な変位量の指令信号356をアクチュエータ用ドライバ29へ出力し、アクチュエータ用ドライバ29からの駆動電圧に基づいてアクチュエータ31を変位させ、超音波モータ1を駆動力伝達部材24に押し付ける最適な与圧を与えるようになっている。
【0037】
このように、超音波モータ1と駆動力伝達部材24との間の予圧を調整するアクチュエータ31を設けるとともに、テータテーブル45に予め格納してあるステージ23の指令加速度の絶対値355と好適な予圧との関係より上記アクチュエータ31を変位させる変位量の指令信号356を出力し、アクチュエータ31の変位によってステージ23の指令加速度の絶対値355に応じて超音波モータ1と駆動力伝達部材24との間に好適な予圧を与えるようにしたことから、ステージ23の駆動中、駆動条件に適した予圧を常に与えることができる。
【0038】
その為、ステージ23の速度が変化したとしても超音波モータ1の滑りや過剰な予圧を与えることがないため、異常摩耗を抑えることができるとともに、所定の最大速度が得られなくなることを防ぐことができる。
【0039】
また、アクチュエータ31の駆動は、予めテータテーブル45に格納してあるステージ23の加速度の絶対値と好適な予圧との関係に基づいて制御するようにしてあることから、図10に示す従来の案内装置のように高価なレーザードップラー振動計のような非接触型測定手段を用いる必要がない。
【0040】
その為、本発明の案内装置によれば、長期にわたりステージ23の安定した駆動を実現することができるとともに、安価で長寿命の案内装置を提供することができる。
【0041】
なお、データテーブル45に格納するステージ23の指令加速度の絶対値355と好適な予圧との関係式は、実駆動させる前に予め以下の(1)(2)の条件にて予備駆動させた結果に基づくデータを格納しておけば良い。
【0042】
(1)アクチュエータ31の変位量をそれぞれ異ならせて超音波モータ1を駆動させた時のステージ23の最大加速度を測定する。
【0043】
(2)上記(1)の測定結果に基づいてステージ23の最大加速度とアクチュエータ31の変位量との関係を決定し、データテーブル45に格納する。
【0044】
上記(1)(2)の条件にて、ステージ23の加減速時の加速度の絶対値355とアクチュエータ31の駆動量との比例式をデータテーブル45に格納しておけば良い。
【0045】
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態だけに限定されるものではなく、例えば、超音波モータ1は図1,2に示すものに限らず、図9,10に示した超音波モータや他の駆動構造を持った超音波モータであっても構わない。また、アクチュエータ31も積層型圧電アクチュエータを基に説明したが、これ以外に、リニアモータ、サーボモータを用いたボールネジ、サーボモータを用いたラックアンドピニオンギヤなど、指令信号に対してその変位を変化させることができるものであれば構わない。
【0046】
さらに、本実施形態では可動体として直線運動するステージ23を用いた案内装置について示したが、可動体が回転運動する案内装置にも好適に用いることができる。
【0047】
このように、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良や変更したものにも適用できることは言うまでもない。
【0048】
【実施例】
ここで、図1に示す本発明の案内装置及びアクチュエータ制御部を持たない図9に示す従来の案内装置をそれぞれ用意し、各ステージ23,53を一定距離ステップ移動させたときの最大速度及び最大加速度について調べる実験を行った。なお、図9に示す従来の案内装置に用いた超音波モータは図1に示す本発明の案内装置に用いたものと同一のものを用い、また、超音波モータに与える予圧はバネの代わりに積層型圧電アクチュエータを用い、その変位量を固定して実験を行った。
【0049】
各案内装置を構成する各ステージ23,53は、300mm×300mm×20mmの板状体とし、アルミナ純度99.5%のアルミナセラミックスにより形成するとともに、駆動力伝達部材24,64は、300mm×30mm×30mmの板状体とし、ステージ23,53と同材質のアルミナセラミックスにより形成した。
【0050】
また、負荷重量物としてステージ23,53上に、300mm×300mm×20mmのアルミナセラミックスからなる板状体を載せ、ステージ23,53、駆動力伝達部材24,54、及び負荷重量物の総重量を30Kgとした。
【0051】
一方、ステージ23,53を案内する一対のガイド部材22,52には、長さが300mmのクロスローラガイドを用いるとともに、位置検出手段27,56を構成するリニアスケール25,56aには、最小分解能が0.004μmのものを用いた。
【0052】
さらに、ステージ23,53の駆動源となる超音波モータ1は、外径40mm×内径20mm×厚み4mmの円環状をした圧電セラミック板の両面に電極を形成し、さらに厚み方向に分極処理を施したものを電極板を挟んで二枚貼り合わせた第一の超音波振動部5と、外径40mm×内径20mm×厚み4mmの円環状をした圧電セラミック板の両面に分割電極を形成し、さらに厚み方向に分極処理を施したものを電極板を挟んで二枚貼り合わせた第二の超音波振動部7をそれぞれ用意し、まず、第一の超音波振動部5を、軸径18mm×軸長92mmで、中央部に厚み6mm×外径50mmのフランジ部3を有する金属軸2へ挿入し、次に、外径40mm×内径20mm×厚み3mmのアルミニウムからなる金属スペーサ6を挿入し、さらに第二の超音波振動部7を挿入し、最後に外径40mm×内径18mm×厚み24mmのアルミニウムからなる金属キャップ8を金属軸2にボルトで固定した後、金属キャップ8に、アルミナ純度が99.5%のアルミナセラミックスからなる摩擦部材9を接着剤で接着して構成した。なお、摩擦部材9の寸法は、10mm×10mm×厚み6mmとし、被駆動摩擦材24,54との接触部分はR50mmの球面形状とした。
【0053】
また、本発明の案内装置におけるアクチュエータ31には積層型圧電アクチュエータを用いるとともに、制御部40のデーターテーブル45へ入力する値は以下のようにして求めた。
【0054】
(1)アクチュエータ31の変位量をそれぞれ異ならせて超音波モータ1を駆動させた時のステージ23の最大加速度を測定する。
【0055】
(2)上記(1)の測定結果に基づいてステージ23の最大加速度とアクチュエータ31の変位量との関係を決定し、データテーブル45に格納する。
【0056】
図5は「アクチュエータ変位量とステージ23の速度」との関係を示す線図、図6は「アクチュエータ変位量とステージ23の最大速度」との関係を示す線図であり、これらの結果を基に図7に示す「アクチュエータ変位量と指令加速度」との関係を導き、データーテーブル45に格納した。
【0057】
一方、従来の案内装置は、バネの代わり用いた積層型圧電アクチュエータの変位量を10μm、50μm、90μmにそれぞれ固定するようにした。
【0058】
そして、本発明の案内装置と従来の案内装置を、ステージ23,53の移動プロファイルとして図8(a)(b)に示す速度401、加速度402を設定し、移動距離100mmを駆動させた場合においての最大の速度401と、最大の加速度402を求めた。
【0059】
結果は表1に示す通りである。
【0060】
【表1】
Figure 0004126453
【0061】
これらの結果より明らかなように、本発明の案内装置を用いれば超音波モータ1の滑りを抑え、ステージ23の最大速度及び最大加速度を高められることが判る。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明の案内装置の駆動方法によれば、超音波モータと、該超音波モータとの摩擦駆動により可動する可動体と、該可動体の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段からの位置情報と予め格納してある上記可動体の移動プロファイルに基づく基準位置情報との偏差を基に演算し、上記超音波モータへ駆動指令信号を出力する駆動制御部と、上記超音波モータを上記可動体に押圧させるアクチュエータと、上記可動体の移動プロファイルに基づく基準位置情報より算出される加減速時の加速度の絶対値に対応して上記アクチュエータを駆動させ、上記超音波モータの可動体への押圧力を調整するアクチュエータ制御部とを有する案内装置において、上記加速度の絶対値の増減に伴って上記押圧力を増減させるように上記アクチュエータを駆動させる際に、上記アクチュエータ制御部に格納された、上記加速度の絶対値と上記アクチュエータの駆動量との比例関係を示すデータテーブルに基づいて、上記アクチュエータを駆動させるようにしたことによって、従来のような高価な測定手段を用いなくても駆動中における超音波モータの滑りを効果的に防止することができるため、超音波モータの異常摩耗を防止するとともに、可動体の最大速度、最大加速度を大きくすることができ、その結果として、可動体を所定の位置に位置決めするまでの時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超音波モータを可動体の駆動源とする本発明の案内装置の一例を示す平面図である。
【図2】図1の案内装置に備える超音波モータの固定構造を示す図で、同図(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は側面図である。
【図3】(a)〜(d)は図1の案内装置に備える超音波モータの振動状態を説明するための模式図である。
【図4】図1の案内装置を示すブロック線図である。
【図5】アクチュエータ変位量と速度との関係を示す線図である。
【図6】アクチュエータ変位量と加速度との関係を示す線図である。
【図7】データテーブルに格納するアクチュエータ変位量と指令加速度との関係を示す線図である。
【図8】実験条件を示す図で(a)は時間と加速度との関係を示す線図、(b)は時間と速度との関係を示す線図である。
【図9】超音波モータを可動体の駆動源とする従来の案内装置の一例を示す平面図である。
【図10】超音波モータを可動体の駆動源とする従来の案内装置の他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 超音波モータ
2 金属軸
3 フランジ部
5 第一の超音波振動部
6 金属スペーサ
7 第二の超音波振動部
8 金属キャップ
9 摩擦部材
21 ベース盤
22 ガイド部材
23 ステージ
24 駆動力伝達部材
25 リニアスケール
26 位置検出器
27 位置検出手段
28 超音波モータ用ドライバ
29 アクチュエータ用ドライバ
30 支持部材
31 アクチュエータ
32 テーブル
33 第二のガイド部材
40 制御部
41 目標値発生部
42 駆動制御部
43 アクチュエータ制御部
44 加速度値発生部
45 データテーブル

Claims (1)

  1. 超音波モータと、該超音波モータとの摩擦駆動により可動する可動体と、該可動体の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段からの位置情報と予め格納してある上記可動体の移動プロファイルに基づく基準位置情報との偏差を基に演算し、上記超音波モータへ駆動指令信号を出力する駆動制御部と、上記超音波モータを上記可動体に押圧させるアクチュエータと、上記可動体の移動プロファイルに基づく基準位置情報より算出される加減速時の加速度の絶対値に対応して上記アクチュエータを駆動させ、上記超音波モータの可動体への押圧力を調整するアクチュエータ制御部とを有する案内装置において、上記加速度の絶対値の増減に伴って上記押圧力を増減させるように上記アクチュエータを駆動させる際に、上記アクチュエータ制御部に格納された、上記加速度の絶対値と上記アクチュエータの駆動量との比例関係を示すデータテーブルに基づいて、上記アクチュエータを駆動させるようにした案内装置の駆動方法であって、上記データテーブルが以下の(1),(2)の手順によって決定されていることを特徴とする案内装置の駆動方法。
    (1)アクチュエータの変位量をそれぞれ異ならせて超音波モータを駆動させた時の可動体の最大加速度を測定する。
    (2)上記(1)の測定結果に基づいて可動体の最大加速度とアクチュエータの変位量との関係を決定し、データテーブルに格納する。
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