JP2016007660A - 超音波振動切断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】切断刃の長寿命化を図ることができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】ステージ3の載置面31に載置された切断の対象物Sを切断する際に、振動子22を振動させて共振器21を超音波振動させた状態で、駆動機構4により共振器21を振動子22の振動方向に平行な押切方向Zに移動させつつ、当該振動方向に直交かつ切断刃23に平行な引切方向Xに移動させる。そのため、包丁における押し切りと引き切りとが組合わされた状態で対象物Sが切断刃23により切断されるので、切断刃23により対象物Sを切断する際の切れ味が鋭くなり、切断の対象物Sを切断する際の荷重をさらに低減することができる。したがって、切断刃23が破損するのがさらに抑制されるので、切断刃23の長寿命化を図ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】ステージ3の載置面31に載置された切断の対象物Sを切断する際に、振動子22を振動させて共振器21を超音波振動させた状態で、駆動機構4により共振器21を振動子22の振動方向に平行な押切方向Zに移動させつつ、当該振動方向に直交かつ切断刃23に平行な引切方向Xに移動させる。そのため、包丁における押し切りと引き切りとが組合わされた状態で対象物Sが切断刃23により切断されるので、切断刃23により対象物Sを切断する際の切れ味が鋭くなり、切断の対象物Sを切断する際の荷重をさらに低減することができる。したがって、切断刃23が破損するのがさらに抑制されるので、切断刃23の長寿命化を図ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、切断刃に超音波振動を印加して対象物を切断する技術に関する。
一端側縁部に刃先が形成された矩形平板状の切断刃に超音波振動を印加して対象物を切断する技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。すなわち、一方端に接続された振動子の振動に共振する共振器の他方端に切断刃が取り付けられ、ステージに載置されたセラミックグリーンシートに代表される切断の対象物が、超音波振動が印加された状態の切断刃により切断される。超音波振動が印加された状態の切断刃により切断の対象物が切断されることで、対象物を切断する際に切断刃に刃曲がりが生じることなどが防止されて、切断刃に振動を印加しない場合と比較して良好な切断面を有する切断片を得ることができる。また、切断刃に超音波振動が印加されることにより、切断の対象物を押し切りする際の荷重を低減することができるので、切断刃の破損が抑制される。
ところで、切断刃に欠けが生じると切断刃を交換しなければならない。しかしながら、切断刃は高価であるため、切断刃の更なる長寿命化が要求されている。
この発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、切断刃の長寿命化を図ることができる技術を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明にかかる振動切断装置は、一端側縁部に刃先を有する矩形平板状の切断刃と、振動子が一方端に接続され、前記刃先が前記振動子の反対側を向くように該振動子の振動方向に平行配置された切断刃が他方端の取付部に取り付けられて、前記振動子の振動に共振する共振器と、切断の対象物が載置される載置面を有するステージと、前記切断刃の刃先が前記ステージの前記載置面と対向するように前記共振器を支持する支持手段と、前記支持手段に支持された前記共振器を、前記振動方向に平行な押切方向と、前記振動方向に直交かつ前記切断刃に平行な引切方向とに移動させる移動手段と、前記振動子および前記移動手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記対象物を切断する際に、前記振動子を振動させて前記共振器を超音波振動させた状態で、前記移動手段により前記共振器を前記押切方向に移動させつつ前記引切方向に移動させることを特徴としている。
このように構成された発明では、一端側縁部に刃先を有する矩形平板状の切断刃が、振動子が一方端に接続された共振器の他方端の取付部に、刃先が振動子の反対側を向くように該振動子の振動方向に平行配置されて取り付けられている。そして、ステージの載置面に載置された切断の対象物を切断する際に、振動子を振動させて共振器を超音波振動させた状態で、移動手段により共振器を振動子の振動方向に平行な押切方向に移動させつつ、当該振動方向に直交かつ切断刃に平行な引切方向に移動させる。
そのため、包丁における押し切りと引き切りとが組合わされた状態で対象物が切断刃により切断されるので、切断刃により対象物を切断する際の切れ味が鋭くなり、切断の対象物を切断する際の荷重をさらに低減することができる。したがって、切断刃が破損するのがさらに抑制されるので、切断刃の長寿命化を図ることができる。また、切断刃により対象物を切断する際の切れ味が鋭くなるので、切断の対象物の切断面の品質をさらに向上することができる。また、切断刃の刃先の一部に欠けが生じていても、切断の対象物を押し切りする際に引切方向に切断刃を移動させることにより、刃先の欠けが生じている部分を移動させることができるので、切断の対象物を良好に切断することができる。したがって、刃先に多少の欠けが生じていても切断刃を交換する必要がないので、切断刃の実質的な使用(切断)可能期間を増大させることができる。
また、前記切断刃の刃幅が前記対象物よりも幅広に形成され、前記制御手段は、前記切断刃により前記対象物を切断する際に、前記対象物が前記刃先の外側にはみ出さないように前記移動手段により前記共振器を前記引切方向に移動させるとよい。
このようにすれば、切断刃の刃幅が切断の対象物よりも幅広に形成され、切断刃により対象物を切断する際に、切断の対象物が刃先の外側にはみ出さないように移動手段により共振器を引切方向に移動させるので、切断の対象物が常時刃先の範囲内に収まり、切断の対象物を精度よく切断することができる。
また、前記制御手段は、前記共振器を前記引切方向において往復移動させるとよい。
このようにすると、製造精度の問題から切断刃の刃先が微小に湾曲している場合であっても、共振器を引切方向において小刻みに往復移動させることにより、切断刃を引切方向に移動させることによる刃先の湾曲の影響を抑制することができる。
本発明によれば、ステージの載置面に載置された切断の対象物を切断する際に、振動子を振動させて共振器を超音波振動させた状態で、移動手段により共振器を振動子の振動方向に平行な押切方向に移動させつつ、当該振動方向に直交かつ切断刃に平行な引切方向に移動させる。そのため、包丁における押し切りと引き切りとが組合わされた状態で対象物が切断刃により切断されるので、切断刃により対象物を切断する際の切れ味が鋭くなり、切断の対象物を切断する際の荷重をさらに低減することができる。したがって、切断刃の破損がさらに抑制されるので、切断刃の長寿命化を図ることができる。
<第1実施形態>
この発明の振動切断装置の第1実施形態について図1〜図6を参照して説明する。図1は本発明の振動切断装置の第1実施形態を示す側面図、図2は図1の振動切断装置の正面図である。また、図3は切断刃と切断の対象物との配置関係を示す図である。また、図4は切断の対象物が切断される際の切断刃の動きを説明するための図であって、(a)は切断刃を正面から見た要部拡大図、(b)は切断刃の動きを示す図である。また、図5は図1の動作の一例を示すフローチャートである。また、図6は切断刃の向きを調整する方法を説明するための図である。
この発明の振動切断装置の第1実施形態について図1〜図6を参照して説明する。図1は本発明の振動切断装置の第1実施形態を示す側面図、図2は図1の振動切断装置の正面図である。また、図3は切断刃と切断の対象物との配置関係を示す図である。また、図4は切断の対象物が切断される際の切断刃の動きを説明するための図であって、(a)は切断刃を正面から見た要部拡大図、(b)は切断刃の動きを示す図である。また、図5は図1の動作の一例を示すフローチャートである。また、図6は切断刃の向きを調整する方法を説明するための図である。
(装置構成)
図1および図2に示す振動切断装置1は、一端側縁部に刃先23aが形成された矩形平板状の切断刃23に振動を印加してステージ3の載置面31に載置された切断の対象物Sを切断するものであって、共振器21が設けられたヘッド部2と、載置面31に切断の対象物Sが載置されるステージ3と、支持手段24に支持された共振器21を押切方向(矢印Z方向)および引切方向(矢印X方向)に駆動する駆動機構4(本発明の「移動手段」に相当)と、振動切断装置1の各部の制御を行う制御装置6(本発明の「制御手段」に相当)とを備えている。
図1および図2に示す振動切断装置1は、一端側縁部に刃先23aが形成された矩形平板状の切断刃23に振動を印加してステージ3の載置面31に載置された切断の対象物Sを切断するものであって、共振器21が設けられたヘッド部2と、載置面31に切断の対象物Sが載置されるステージ3と、支持手段24に支持された共振器21を押切方向(矢印Z方向)および引切方向(矢印X方向)に駆動する駆動機構4(本発明の「移動手段」に相当)と、振動切断装置1の各部の制御を行う制御装置6(本発明の「制御手段」に相当)とを備えている。
ヘッド部2は、図1および図2に示すように、共振器21と、共振器21を支持する支持手段24とを備えている。
共振器21は、図1および図2に示すように、ブースタ25とホーン26とを備え、ブースタ25の他方端とホーン26の一方端とが、互いの中心軸が同軸になるように無頭ねじにより連結されている。
ブースタ25は、ブースタ25のほぼ中央の位置と、両端位置とが最大振幅点となるように、共振周波数の一波長の長さに形成されている。このとき、最大振幅点から1/4波長離れた位置は、それぞれ第1および第2最小振幅点に相当する。また、ブースタ25は端部側から見た断面が円形である円柱状に形成されている。そして、ブースタ25の一方端に、ブースタ25の中心軸と同軸になるように振動子22が無頭ねじにより接続されている。
また、ブースタ25の第1最小振幅点および第2最小振幅点におけるブースタ25の外周面に、それぞれ凹状の溝が形成されることによりブースタ25(共振器21)が把持されるため被把持部が形成されている。なお、この実施形態では、ブースタ25の中心軸にほぼ直交する断面形状が八角形状となるように被把持部が形成されているが、断面形状が円形状やその他の多角形状となるように被把持部を形成してもよい。
ホーン26は、その両端位置が最大振幅点となるように、共振周波数の半波長の長さに形成されている。このとき、ホーン26のほぼ中央の位置が第3最小振幅点に相当する。また、ホーン26は、正面視矩形状に形成され、側面視が先端に向って先細りする口ばし状に形成されている。そして、ホーン26の他方端の取付部には段差26aが形成され、刃先23aが振動子22の反対側を向くように該振動子22の振動方向(矢印Z方向)に平行配置された切断刃23がホーン26の他方端の取付部の段差26aに取り付けられている。
そして、制御装置6に制御されることによって振動する振動子22の超音波振動に共振する共振器21から、共振器21の中心軸の方向に振動する超音波振動が切断刃23に印加される。また、この実施形態では、ホーン26の側面には、振動子22の振動方向であるブースタ25およびホーン26の中心軸方向にほぼ平行に2つの長孔26bが透設されている。なお、長孔26bの形成場所およびその数は、ホーン26の幅等、ホーン26の形状に応じて適宜調整すればよく、長孔26bは1個であってもよいし、3個以上の長孔26bがホーン26に形成されていてもよい。また、ホーン26に長孔26bが形成されていなくても構わない。
このように構成された共振器21において、振動子22が制御装置6に制御されて超音波振動を発生し、これにより共振器21がその中心軸方向に振動する。このとき、ホーン26には振動方向とほぼ平行に2つの長孔26bが透設されているため、ホーン26の長孔26bを挟んだ各部位における振動の位相および振幅が調整される。したがって、振動の振幅がホーン26の他方端の幅方向に渡ってほぼ同じ大きさとなり、幅方向に渡って振幅の大きさが調整された振動が切断刃23に印加される。
なお、切断刃23は、高炭素鋼、炭素工具鋼、合金工具鋼、高速度鋼、焼結高速度鋼、超硬合金、セラミックス、サーメット、工業用ダイヤモンド、電鋳ダイアモンドなどの種々の材質により形成することができ、切断対象の種類や、要求される切断片の大きさに応じて刃厚は数μm〜約200μmとなるように形成される。また、切断刃23は、熱硬化性や熱可塑性の性質を有する樹脂接着剤や、Ni、Cu、Agなどの金属ろう、はんだなどの接着材によって接着されることによりホーン26の取付部に取り付けられたり、ネジによりホーン26の取付部に取り付けられる。また、切断刃23の刃先23を、化学気相成長(CVD)や物理気相成長(PVD)により、窒化チタン、炭窒化チタン、チタンアルミナイトライド、アルミクロムナイトライド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond−like Carbon)などの硬質物質によりコーティングしてもよい。
支持手段24は、基部27とクランプ手段28とを備え、クランプ手段28でブースタ25の被把持部を把持することにより共振器21を支持する。
また、クランプ手段28は、ブースタ25に形成された2つの被把持部を把持できるように、金属製の第1部材28aおよび第2部材28bを備えている。また、第1部材28aおよび第2部材28bには、被把持部の断面形状に合わせた凹部がそれぞれ設けられている。そして、第1部材28aおよび第2部材28bの凹部で被把持部を挟持するように、被把持部を形成する凹状の溝に、基部27に支持されたクランプ手段28の第1部材28aと第2部材28bとが嵌挿され、ボルトで第1部材28aおよび第2部材28bが固定されることによって、被把持部がクランプ手段28により直接挟んで締め付けられて把持される。
これにより、共振器21は、切断刃23の刃先23aがステージ3の載置面31と対向するように支持手段24により支持される。
また、共振器21の中心軸方向(振動方向)に対する切断刃23の回転方向(θ方向)における刃先23aの向きを調整するためのレバー100が、共振器21に取り付けられている。また、流体シリンダ、ギア、プーリー等が組み合わされたモータ等のアクチュエータを備え、レバー100を移動させることにより刃先23aの向きを調整する微調整ユニット101が設けられている。なお、図示省略されたマイクロメータ等の手動のアクチュエータが微調整ユニット101に設けられていてもよい。
したがって、クランプ手段28のボルトを緩めた状態でレバー100を微調整ユニット101によりθ方向に回動することで、切断刃23のθ方向における刃先23aの向きを調整することができる。そして、刃先23aの向きと、ステージ3に載置された切断対象物Sの向きとを容易に微調整することができる。そして、刃先23aの向きと、ステージ3に載置された切断対象物Sの向きとの微調整が完了すれば、クランプ手段28のボルトを再度締付けて共振器21を把持するとよい。
なお、共振器21を支持する支持手段24の構成は、ブースタ25に形成された被把持部を把持してボルトにより固定されるクランプ手段28に限られず、例えば、電気制御可能に構成された機械的なクランプ機構や、ワンタッチで取り付け可能なクランプ機構など、被把持部を把持して支持できる構成であればどのようなものであってもよい。
また、共振器21に形成される被把持部の位置は、最小振幅点に限らず、共振器21の任意の位置に被把持部を形成すればよい。また、被把持部の形状は凹形状に限られず、例えば、凸形状に形成するなど、どのような形状にして形成してもよい。
ステージ3は、セラミックグリーンシートの積層体、半導体ウエハ、回路基板、合成樹脂による積層基板、金属板、シリコン、フェライト、石英、ガラス、セラミック、樹脂板、単層の金属薄膜、金属薄膜の積層体などの切断の対象物が載置される載置面31と、載置面31の傾きを調整する倣い機構32と、Y軸テーブル34とを備えている。また、この実施形態では、切断の対象物Sが載置される載置面31を成す緩衝層33が設けられている。緩衝層33は、ポリイミドやポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂などの樹脂材料や紙など、切断刃23による切込みが可能な種々の材質により形成される。
また、載置面31には、切断の対象物を保持するための保持機構(図示省略)が設けられている。保持機構の構成としては、真空吸着機構によるものや、機械式のチャック機能よるものなど、対象物を載置面31に保持することができる構成であればどのようなものであってもよい。また、保持機構を設けずに、載置面31に対象物を載置するだけでもよい。
また、この実施形態では、倣い機構32は、ステージ3の載置面31に倣いの対象物が当接されることによる生じるモーメントにより載置面31の傾きを倣いの対象物の傾きに倣わせるものであって、載置面31が所定の傾きとなった状態で、制御装置6による制御に基づいて当該載置面31の傾きを維持することができるように構成されている。すなわち、例えば共振器21に取り付けられた切断刃23の刃先23aが載置面31に当接することにより載置面31の傾きが刃先23aの傾きに倣った状態で、倣い機構32は、制御装置6による制御に基づいて載置面31の傾きを刃先23aの傾きに一致させた状態に維持することができる。
なお、倣い機構32の構成としては、所謂、載置面31の傾きを所定の傾きに維持することができる一般的な倣い機構であれば、上記した構成に限られず、どのような構成の倣い機構であってもよいが、例えば、圧力検出手段としても機能するピエゾ素子によりピエゾアクチュエータを形成し、載置面31下方の少なくとも3箇所に配設されたピエゾアクチュエータそれぞれにより検出される圧力が一致するように、制御装置6によりピエゾアクチュエータを駆動することで載置面31の傾きを調整することができる倣い機構のように、アクチュエータによる載置面31の傾き調整を行うことができる倣い機構であってもよい。
Y軸テーブル34は、制御装置6に制御されて、載置台35に載置された倣い機構32(載置面31)を、押切方向Zにほぼ直交する矢印Y方向に平行移動させることで、共振器21に取り付けられた切断刃23の刃先23aと、載置面31に載置された対象物Sとの相対的な位置調整を行うものである。
Y軸テーブル34は、倣い機構32が載置される載置台35と、駆動モータ36と、ボールねじ37と、ボールねじ52に螺合するねじ穴が設けられた移動部材38と、ガイドレール39とを備えている。
載置台35は、その下面にガイド部材35aが設けられ、架台11の矢印X方向における両側それぞれに矢印Y方向に沿って設けられたガイドレール39に、矢印Y方向において往復移動自在にガイド部材35aがガイドされた状態で、その下面側からガイドレール39により支持されている。また、ボールねじ37は、架台11の矢印X方向におけるほぼ中央の位置においてその長軸方向が矢印Y方向に沿うように配置されており、ボールねじ37は、架台11の矢印Y方向における両側に設けられたフレーム(図示省略)にその中心軸を回転中心として回転自在に支持されている。また、移動部材38は、ボールねじ37と螺合した状態で載置台35の下面に結合されている。
そして、制御装置6に制御されてボールねじ37の一端に連結された駆動モータ36が回転することにより、ボールねじ37と螺合した移動部材38が矢印Y方向において往復移動し、これにより、移動部材38に結合された載置台35がガイドレール39にガイドされつつ矢印Y方向において往復移動する。
駆動機構4は、共振器21に取り付けられた切断刃23の刃先23aがステージ3の載置面31と対向するように支持手段24に支持された共振器21を、振動子22の振動方向に平行な押切方向Zと、当該振動方向に直交かつ切断刃23に平行な引切方向Xとに移動させるものであって、Z軸テーブル41と、X軸テーブル51とを備えている。また、架台11には、正面視略矩形所の正面板12aの両側に側面板12bが後方に向けて延設されたフレーム部材12が立設されており、正面板12aの下方位置にはアーチ状の開口12cが設けられている。駆動機構4は、フレーム部材12の開口12cの上方に配置されて正面板12aに取り付けられている。
Z軸テーブル41は、フレーム部材12の正面板12aに取り付けられた正面板42と、正面板42に設けられたフレーム43に取り付けられた駆動モータ44と、駆動モータ44に連結されたボールねじ45と、ボールねじ45が螺合する移動部材が結合された移動台46と、ガイドレール47とを備えている。移動台46は、その裏面にガイド部材46aが設けられ、正面板42の矢印X方向における両側それぞれに矢印Z方向に沿ってガイドレール47が設けられ、矢印Z方向において往復移動自在にガイド部材46aがガイドレール47によりガイドされている。
また、ボールねじ45は、正面板42の矢印X方向におけるほぼ中央の位置においてその長軸方向が矢印Z方向に沿うように配置されており、ボールねじ45は、正面板42に設けられたフレーム43にその中心軸を回転中心として回転自在に支持されている。制御装置6に制御されて駆動モータ44が回転することにより、ガイド部材46aとガイドレール47とが摺接しつつ、ボールねじ45に螺合された移動部材が結合された移動台46が押切方向Zにおいて往復移動し、これにより、支持手段24に支持された共振器21がステージ3に近接またはステージ3から離間する。
具体的には、共振器21は、共振器21の中心軸の方向がボールねじ45の長軸方向とほぼ同じ方向、すなわち、共振器21の中心軸の方向と駆動機構4による共振器21の移動方向(図1中の矢印Z方向(押切方向))とがほぼ同方向となり、切断刃23の刃先23aがステージ3と対向するように支持手段24により支持される。そして、駆動機構4により移動台46が下動されることで共振器21が一体的にステージ3に近接し、これにより、駆動機構4による加圧力が切断刃23の刃先23aからステージ3の載置面31に載置された切断の対象物Sに加えられて、当該対象物Sが切断刃23により切断される。
また、Z軸テーブル41は、流体シリンダ48により上方に牽引された状態で移動台46に連結されたスライド板49を備え、スライド板49にX軸テーブル51が配設されている。スライド板49は、移動台46の表面に設けられたガイド46bによりZ軸方向にスライド自在にガイドされて配設されている。また、流体シリンダ48は、ヘッド部2およびX軸ステージ51の自重をキャンセルする機能を有しており、これにより、共振器21は流体シリンダ48により上方に牽引された状態で支持手段24に支持される。
また、移動台46とスライド板29とを連結する流体シリンダ48が接続された位置には、ロードセルなどによる圧力検出手段(図示省略)が設けられており、切断刃23による対象物Sへの加圧力を検出することができる。そして、制御装置6は、圧力検出手段の検出信号に基づいて駆動モータ44のトルク制御を行うことにより、切断刃23による対象物Sへの加圧力を制御することができる。以上のように、圧力検出手段の検出信号に基づく駆動機構4(駆動モータ44)のフィードバック制御を行うことで、ボールねじ45と移動台46に結合された移動部材との螺合部分に生じる摩擦力などに影響されずに、切断刃23による対象物Sへの加圧力を所定の加圧力に制御することができる。また、制御装置6により、流体シリンダ48の差圧を所定値に設定することにより、切断刃23による対象物Sへの加圧力を容易に一定に設御することができる。
X軸ステージ51は、本体52と、移動台53と、駆動モータ54と、駆動モータ54に連結されたボールねじ(図示省略)とを備えている。なお、X軸ステージ51の構成は、上記したY軸ステージ34およびZ軸ステージ41の構成とほぼ同様であるため、その構成についての詳細な説明は省略する。そして、制御装置6に制御されて駆動モータ54が回転することにより、ボールねじに螺合された移動部材が結合された移動台53が矢印X方向において往復移動し、これにより、支持手段24に支持された共振器21が、振動子22の振動方向に直交かつ切断刃23に平行な引切方向Xにおいて往復移動する。
また、正面板42にはリニアエンコーダ13が設けられており、これによりヘッド部2の高さが検出されて、リニアエンコーダ13の検出信号に基づいて制御装置6により駆動モータ44を制御することにより、ヘッド部2の高さを調整することができる。
なお、Y軸ステージ34、Z軸ステージ41、X軸ステージ51は、それぞれ、駆動モータ36,44,54およびボールねじ37,45が組み合わされて構成されているが、エアシリンダによる流体圧力を利用したアクチュエータやリニアモータ等の他のアクチュエータを用いて各ステージ34,41,51が構成されていてもよい。また、共振器21(切断刃23)を引切方向Xに移動させるX軸ステージ51のアクチュエータをピエゾアクチュエータにより構成してもよい。ピエゾアクチュエータを用いることにより、共振器21(切断刃23)を引切方向Xにおいて容易に微小移動させたり、微小振幅で容易に振動させることができる。
また、ステージ3の載置面31に載置された対象物Sと共振器21に取り付けられた切断刃23の刃先23aとの相対位置を認識する位置認識手段がさらに設けられていてもよい。位置認識手段は、2視野光学系レンズと、CCDやCMOSなどの撮像手段により形成されるカメラと、2視野光学系レンズを水平方向および上下方向に移動する駆動部とにより形成することができる。そして、位置認識手段は、2視野光学系レンズが駆動部により対向配置された載置面31上の対象物Sと切断刃23の刃先23aとの間に挿入されることにより、対象物Sに設けられた位置認識用のアライメントマークと刃先23aとを認識することができる。なお、位置認識手段の構成としてはこれに限られず、対向配置された載置面31上の対象物Sと刃先23aとの相対位置を認識することができれば、どのように位置認識手段が構成されていてもよい。
制御装置6は、振動切断装置1全体の制御を行うための操作パネル(図示省略)を備えており、振動子22へ印加される電圧値または電流値により算出される超音波エネルギーの大きさ、ステージ3が備える倣い機構32の自由可動状態および不可動状態の切換え、リニアエンコーダ13の検出信号に基づく駆動モータ44の制御、駆動モータ36,44,54の駆動トルクの制御、位置認識手段の移動制御、位置認識手段の検出信号に基づくステージ3の矢印Y方向における移動制御などの制御を行って、図1および図2中の矢印X−Y方向におけるヘッド部2の位置を調整したり、切断刃23の刃先23aと載置面31上の対象物Sとの相対位置を調整する。
(切断刃23と切断の対象物Sとの配置関係)
図3に示すように、切断の対象物Sが幅W2である場合に、切断刃23の刃幅W1が切断の対象物Sよりも幅広に形成されている。また、図4(a)に示すように、厚みZ1の切断の対象物Sが切断される際に、制御装置6により制御されることによって、振動子22の振動に共振して共振器21が超音波振動した状態で、図4(b)に示すように、共振器21は、Z軸テーブル41により押切方向Zに移動しつつ、X軸テーブル51により引切方向Xに移動する。
図3に示すように、切断の対象物Sが幅W2である場合に、切断刃23の刃幅W1が切断の対象物Sよりも幅広に形成されている。また、図4(a)に示すように、厚みZ1の切断の対象物Sが切断される際に、制御装置6により制御されることによって、振動子22の振動に共振して共振器21が超音波振動した状態で、図4(b)に示すように、共振器21は、Z軸テーブル41により押切方向Zに移動しつつ、X軸テーブル51により引切方向Xに移動する。
また、刃先23aが切断の対象物Sに接触したタイミングで(図4(a)中に点線で示された切断刃23の位置)、X軸テーブル51による共振器21の引切方向Xへの移動を開始させるようにし、刃先23aが対象物Sに接触してから共振器21の押切方向Zへの移動量が対象物Sの厚みZ1を多少超えたタイミングで(図4(a)中に実線で示された切断刃23の位置)、切断刃23による対象物Sの切断動作が終了するようにするとよい。この場合に、共振器21(スライド板49)を上方に牽引する流体シリンダ48の差圧の変化を制御装置6により監視することによって、切断刃23の刃先23aが切断の対象物Sに接触したことを検出することができる。なお、刃先23aが切断の対象物Sに接触する少し手前のタイミングで、X軸テーブル51による共振器21の引切方向Xへの移動を開始させるようにしても、もちろんよい。
また、この実施形態では、図4(b)に示すように、切断刃23により切断の対象物Sが切断される際に、対象物Sが刃先23aの外側にはみ出さないように共振器21が引切方向Xに移動すると共に、共振器21が引切方向Xにおいて小刻みに往復移動するように、駆動機構4(Z軸テーブル41、X軸テーブル51)が制御装置6により制御される。なお、共振器21(切断刃23)を往復移動させるときの振幅および周期は、切断の対象物Sの大きさに合わせて、例えば振幅を5μm〜100mmに設定し、例えば周期を1Hz〜1kHzに設定すればよい。
(切断動作)
次に、ステージ3の載置面31に載置された切断の対象物Sを切断する動作の一例について図5を参照して説明する。
次に、ステージ3の載置面31に載置された切断の対象物Sを切断する動作の一例について図5を参照して説明する。
まず、制御装置6により微調整ユニット101が駆動されて、切断刃23(刃先23a)の向きを引切方向Xに一致させる処理が実行される。具体的には、図6に示すように、例えばレーザ光Lを用いた測距器102により、X軸ステージ51によって共振器21(切断刃23)が引切方向Xに移動したときの測距器102から切断刃23までの距離の変化が測定される。このとき、切断刃23が引切方向Xに平行に配置されていれば、測距器102により測定される切断刃23までの距離は変化しない。したがって、X軸ステージ51によって共振器21(切断刃23)が引切方向Xに移動したときに測距器102により測定される切断刃23までの距離が変化しないように、制御装置6より微調整ユニット101が駆動されて切断刃23のθ方向における刃先23aの向きが調整されることによって、切断刃23(刃先23a)の向きを引切方向Xに一致させることができる。
次に、制御装置6により、倣い機構32が自由可動状態にされて、駆動機構4が駆動されることにより待機位置の共振器21がステージ3に近接移動され、切断刃23の刃先23aと載置面31とが当接される。そして、刃先23aが載置面に31に当接することにより発生したモーメントにより倣い機構32が可動し、載置面31の傾きが刃先23aの傾きに倣うことにより刃先23aの傾きと載置面31の傾きとが一致すれば、倣い機構32が不可動状態に制御されて載置面31の傾きが固定される(ステップS1)。そして、駆動機構4が駆動されて共振器21が上方の待機位置まで移動される。
次に、ステージ3の載置面31にグリーンシートの積層体などの切断の対象物S(ワーク)が載置され(ステップS2)、刃先23aとステージ4との間に位置認識手段が挿入されることにより、刃先23aと載置面31上の対象物との相対位置が認識されて、認識された相対位置に基づいてステージ3が駆動されることにより刃先23aと載置面31上の対象物とがアライメントされる(ステップS3)。
そして、駆動機構4により共振器21の押切方向Zへの移動が開始され(ステップS4)、振動子22に対して駆動信号が印加されることにより共振器21の振動が開始される(ステップS5)。このとき、駆動機構4の駆動モータ41の駆動トルクが制御されると共に、流体シリンダ48の差圧が所定値に設定されることにより、切断刃23による載置面31上の対象物Sへの加圧力が所定値で一定となるように駆動機構4により共振器21がステージ3に近接移動される(ステップS6)。また、切断刃23の刃先23aが切断の対象物Sに接触したタイミングで駆動機構4により共振器21の引切方向Xにおける小刻みな往復移動が開始される。
そして、対象物Sの切断が完了すれば共振器21が上方の待機位置に移動されて、ステージ3が駆動されて対象物Sの位置が次の切断位置に移動される(ステップS8)。このとき、対象物設Sに設定された全ての切断位置の切断が完了するまでステップS3〜ステップS7までの動作が繰返し実行され(ステップS8でNO)、対象物Sの全ての切断位置の切断が完了すれば処理を終了する(ステップS8でYES)。なお、ステップS3において、一旦、アライメントが完了した後は、ステップS4〜ステップS7までの動作が、対象物設Sに設定された全ての切断位置の切断が完了するまで繰り返し実行されるようにしてもよい。
なお、切断刃23による載置面31上の対象物への加圧力の大きさは、例えば、対象物の試験切断を行って対象物切断の際に生じる刃曲がりの大きさを測定することにより、切断の際に生じる刃曲がりの大きさが要求される切断精度における許容範囲内に収まるように加圧力を設定すればよい。
以上のように、上記した実施形態によれば、一端側縁部に刃先23aを有する矩形平板状の切断刃23が、振動子22が一方端に接続された共振器21の他方端の取付部に、刃先23aが振動子22の反対側を向くように該振動子22の振動方向に平行配置されて取り付けられている。そして、ステージ3の載置面31に載置された切断の対象物Sを切断する際に、振動子22を振動させて共振器21を超音波振動させた状態で、駆動機構4により共振器21を振動子22の振動方向に平行な押切方向Zに移動させつつ、当該振動方向に直交かつ切断刃23に平行な引切方向Xに移動させる。
そのため、包丁における押し切りと引き切りとが組合わされた状態で対象物Sが切断刃23により切断されるので、切断刃23により対象物Sを切断する際の切れ味が鋭くなり、切断の対象物Sを切断する際の荷重をさらに低減することができる。したがって、切断刃23が破損するのがさらに抑制されるので、切断刃23の長寿命化を図ることができる。また、切断刃23により対象物Sを切断する際の切れ味が鋭くなるので、切断の対象物Sの切断面の品質をさらに向上することができる。また、切断刃23の刃先23aの一部に欠けが生じていても、切断の対象物Sを押し切りする際に引切方向Xに切断刃23を移動させることにより、刃先23aの欠けが生じている部分を移動させることができるので、切断の対象物Sを良好に切断することができる。したがって、刃先23aに多少の欠けが生じていても切断刃23を交換する必要がないので、切断刃の実質的な使用(切断)可能期間を増大させることができる。
また、切断刃23の刃幅W1が切断の対象物Sよりも幅広に形成され、切断刃23により対象物Sを切断する際に、切断の対象物Sが刃先23aの外側にはみ出さないように移動手段により共振器21を引切方向Xに移動させるので、切断の対象物Sが常時刃先23aの範囲内に収まり、切断の対象物をS精度よく切断することができる。
また、切断刃23により対象物Sが切断される際に、共振器21が引切方向Xにおいて小刻みに往復移動するように駆動機構4が制御装置6により制御される。したがって、製造精度の問題から切断刃23の刃先23aが微小に湾曲している場合であっても、共振器21を引切方向Xにおいて小刻みに往復移動させることにより、切断刃23を引切方向Xに移動させることによる刃先23aの湾曲の影響を抑制することができる。
<第2実施形態>
この発明の振動切断装置の第2実施形態について図7を参照して説明する。図7は本発明の第2実施形態にかかる振動切断装置において切断の対象物が切断される際の切断刃の動きを説明するための図であって、(a)は切断刃を正面から見た要部拡大図、(b)は切断刃の動きを示す図である。図7(a),(b)に示すように、この実施形態の切断刃23の動きが上記した第1実施形態において図4(a),(b)を参照して説明した動作と異なるのは、切断の対象物Sが切断される際に、切断刃23(共振器21)が移動方向Xにおいて一方向に移動するように駆動機構4が制御装置6により制御される点である。その他の構成および動作は上記第1実施形態と同一であるため、同一符号を引用することによりその構成および動作の説明を省略する。
この発明の振動切断装置の第2実施形態について図7を参照して説明する。図7は本発明の第2実施形態にかかる振動切断装置において切断の対象物が切断される際の切断刃の動きを説明するための図であって、(a)は切断刃を正面から見た要部拡大図、(b)は切断刃の動きを示す図である。図7(a),(b)に示すように、この実施形態の切断刃23の動きが上記した第1実施形態において図4(a),(b)を参照して説明した動作と異なるのは、切断の対象物Sが切断される際に、切断刃23(共振器21)が移動方向Xにおいて一方向に移動するように駆動機構4が制御装置6により制御される点である。その他の構成および動作は上記第1実施形態と同一であるため、同一符号を引用することによりその構成および動作の説明を省略する。
<第3実施形態>
この発明の振動切断装置の第3実施形態について図8を参照して説明する。図8は本発明の第3実施形態にかかる振動切断装置における切断刃の形状を示す図である。図8に示すように、この実施形態の切断刃23が上記した第1実施形態の切断刃23と異なるのは、切断刃23の刃先23aの方向が押切方向Zに対して斜めに傾いて配置されるように形成されて、刃先23aの先端部分に尖った尖頭23a1が設けられている点である。その他の構成および動作は上記第1実施形態と同一であるため、同一符号を引用することによりその構成および動作の説明を省略する。
この発明の振動切断装置の第3実施形態について図8を参照して説明する。図8は本発明の第3実施形態にかかる振動切断装置における切断刃の形状を示す図である。図8に示すように、この実施形態の切断刃23が上記した第1実施形態の切断刃23と異なるのは、切断刃23の刃先23aの方向が押切方向Zに対して斜めに傾いて配置されるように形成されて、刃先23aの先端部分に尖った尖頭23a1が設けられている点である。その他の構成および動作は上記第1実施形態と同一であるため、同一符号を引用することによりその構成および動作の説明を省略する。
したがって、上記した実施形態によれば、共振器21を押切方向Zに駆動することにより、切断刃23の刃先23aを尖頭23a1部分から徐々に切断の対象物Sに切り込ませることができる。この場合には、引切方向Xにおいて、切断刃23の刃先23aが向く方向のみに共振器21が駆動されるようにするとよい。なお、刃先23aに尖頭23a1を有しない矩形平板状の切断刃23であっても切断刃23を対象物に対して傾斜させた状態で切断することにより、この実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であり、例えば共振器の形状等の構成は上記した例に限定されるものではなく、切断刃の押切方向に平行な振動を切断刃に印加することができれば、共振器をどのように構成してもよい。例えば、側面視形状が末広がり状を有するように共振器が構成されていてもよいし、一般的な直方体状に共振器が構成されていてもよい。また、共振器が一体的な一つの部材により形成されていてもよいし、3個以上の部材が連結されることにより共振器が形成されていてもよい。
また、切断刃の共振器の取付部への取付方法については上記した例に限定されるものではなく、例えば、共振器の他方端面に引切方向に平行に嵌合構が形成され、切断刃が刃先と反対側の他端側から嵌合構に嵌入され接着されることにより、切断刃が共振器の取付部に取り付けられていてもよい。
また、上記した振動切断装置は、ドライ環境だけでなく、油や水などの潤滑剤が使用されるウェット環境において使用されてもよい。
そして、本発明は、切断刃に超音波振動を印加して対象物を切断する装置すべてに適用することができる。
1 振動切断装置
21 共振器
22 振動子
23 切断刃
23a 刃先
24 支持手段
3 ステージ
31 載置面
4 駆動機構(移動手段)
6 制御装置(制御手段)
S 対象物
W1 刃幅
W2 対象物の幅
X 引切方向
Z 押切方向
21 共振器
22 振動子
23 切断刃
23a 刃先
24 支持手段
3 ステージ
31 載置面
4 駆動機構(移動手段)
6 制御装置(制御手段)
S 対象物
W1 刃幅
W2 対象物の幅
X 引切方向
Z 押切方向
Claims (3)
- 一端側縁部に刃先を有する矩形平板状の切断刃と、
振動子が一方端に接続され、前記刃先が前記振動子の反対側を向くように該振動子の振動方向に平行配置された切断刃が他方端の取付部に取り付けられて、前記振動子の振動に共振する共振器と、
切断の対象物が載置される載置面を有するステージと、
前記切断刃の刃先が前記ステージの前記載置面と対向するように前記共振器を支持する支持手段と、
前記支持手段に支持された前記共振器を、前記振動方向に平行な押切方向と、前記振動方向に直交かつ前記切断刃に平行な引切方向とに移動させる移動手段と、
前記振動子および前記移動手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記対象物を切断する際に、前記振動子を振動させて前記共振器を超音波振動させた状態で、前記移動手段により前記共振器を前記押切方向に移動させつつ前記引切方向に移動させる
ことを特徴とする超音波振動切断装置。 - 前記切断刃の刃幅が前記対象物よりも幅広に形成され、
前記制御手段は、前記切断刃により前記対象物を切断する際に、前記対象物が前記刃先の外側にはみ出さないように前記移動手段により前記共振器を前記引切方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動切断装置。 - 前記制御手段は、前記共振器を前記引切方向において往復移動させることを特徴とする請求項2に記載の超音波振動切断装置。
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