JP2007120063A - 建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】自然換気を効率よく行うことが可能な建物を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の部屋の天井部付近に溜まる暖かい空気を外部へと排出するに際し、下階10の部屋から上階30の部屋を経て外部に向かう連続的な排気経路を有する排気設備1を備えたものであり、
下階10の床10aの一部の上に中間床2aが設けられ、この中間床2aと下階10の床10aとの間が低天井室2とされており、
前記下階10の部屋には、前記低天井室2の出入り口3が面しているとともに、前記排気設備1の下端部が設けられ、
前記低天井室2には、建物Aの外部へ通じる開口部4が前記出入り口3と対向する壁2bに設けられていることを特徴とする建物Aの提供を上記課題の解決手段とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の部屋の天井部付近に溜まる暖かい空気を外部へと排出するに際し、下階の部屋から上階の部屋を経て外部に向かう連続的な排気経路を有する排気設備を備えた建物に関する。
近年、空調機器の発達に伴い、空調機器を利用して冷暖房を行うようになっている。そのため、住宅等の建物においては、空調効果を高めるために、屋内外の空気の出入りを遮断し、室内の熱が屋外に漏れないようにし、建物の内部の空調におけるエネルギー損失を少なくするために、室内の気密性および断熱性を高くした高気密・高断熱建物が利用されている。
そして、このような高気密・高断熱建物は、屋内外の空気の出入りを遮断しているために換気を十分に行う必要があった。そこで、高気密・高断熱建物の換気を行うために、建物内の部屋等、仕切られた複数の空間をまとめて換気するセントラル換気装置が利用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−344253号公報
ところが、このような換気装置を用いると換気装置の設置にコストがかかる上、多くのエネルギーを消費するという問題があった。このため、特に、春や秋等の気候がよい季節においては上記のような換気装置を用いずに、各部屋の窓やドアを開けて建物内に外気を導入し、建物内部の空気と入れ換える等して自然換気を行うようにしている。
しかしながら、各部屋の窓やドアを開けただけでは、暖かい空気は各部屋の天井付近に溜まってしまい、効率よく換気を行うことが困難であったため、住宅等の建物において自然換気を効率よく行うことが可能な技術の開発が望まれていた。
本発明の課題は、自然換気を効率よく行うことが可能な建物を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1に示すように、複数の部屋の天井部付近に溜まる暖かい空気を外部へと排出するに際し、下階10の部屋から上階30の部屋を経て外部に向かう連続的な排気経路を有する排気設備1を備えた建物Aにおいて、
下階10の床10aの一部の上に中間床2aが設けられ、この中間床2aと下階10の床10aとの間が低天井室2とされており、
前記下階10の部屋には、前記低天井室2の出入り口3が面しているとともに、前記排気設備1の下端部が設けられ、
前記低天井室2には、建物Aの外部へ通じる開口部4が前記出入り口3と対向する壁2bに設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記低天井室2に、建物Aの外部へ通じる開口部4が設けられているので、この開口部4から建物A内に外部の空気が流入するようになっている。そして、この開口部4と前記出入り口3とが対向して設けられていることから、建物Aの外部から流入した空気が、前記出入り口3を通じて前記下階10の部屋に吹き込まれる。これによって、下階10の部屋の天井部11a付近に溜まる暖かい空気を、前記排気設備1を通じて外部へと排気することができるので、自然換気を効率良く行うことができる。
しかも、前記低天井室2は前記中間床2aと下階10の床10aとの間とされ、前記下階10の部屋よりも低い位置にあるので、この低天井室2から前記下階10の部屋へと吹き込む外部の空気は、下階10の部屋の低い位置にある暖かい空気を押し上げて上昇させることができる。これによって、前記下階10の部屋の暖かい空気を天井部11a付近に溜めて、前記排気設備1によって排気しやすくなるので、より効率良く自然換気を行うことが可能となる。
請求項2に記載の発明は、例えば図2(a)、(b)に示すように、請求項1に記載の建物Aにおいて、
前記低天井室2に設けられた開口部4は地窓であり、前記下階10の床10aに近い高さに設けられ、室内側からのみ開閉可能となっていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記低天井室2に設けられた開口部4が地窓であり、前記下階10の床10aに近い高さに設けられているので、外部からの空気がより低い高さから流入するようになる。そして、前記低天井室2から前記下階10の部屋へと吹き込む外部の空気が、下階10の部屋の低い位置にある暖かい空気を押し上げて上昇させるので、前記下階10の部屋の暖かい空気を天井部11a付近に溜めて、前記排気設備1によって排気しやすくなり、より一層効率良く自然換気を行うことが可能となる。
また、前記低天井室2に設けられた開口部4が地窓であり、室内側からのみ開閉可能となっていることから、屋外側から開閉することができず、外部からの人の侵入を防止することができるので防犯上優れる。
請求項3に記載の発明は、例えば図3に示すように、請求項1または2に記載の建物Aにおいて、
前記排気設備1は、前記下階10の部屋の天井部11aに設けられ、上端部が前記上階30の部屋の天井部31aに連通する風洞部6と、
前記上階30の部屋の天井部31aに設けられ、上端部が外部に連通する排気塔7とからなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記風洞部6が下階10の部屋の天井部11aに設けられ、上端部が前記上階30の部屋の天井部31aに連通するので、前記下階10の部屋の天井部11a付近に溜まった暖かい空気を前記上階30の部屋の天井部31aへと確実に排気することができる。一方、前記排気塔7が上階30の部屋の天井部31aに設けられ、上端部が外部に連通するので、前記上階30の部屋の天井部31a付近に溜まった暖かい空気を外部へと確実に排気することができる。
これによって、複数の部屋の天井部付近に溜まる暖かい空気を外部へと排出するに際して、前記風洞部6から排気塔7へ、延いては外部へと連続的な排気経路を確保することができるので、自然換気を効率良く行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明は、例えば図3に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物Aにおいて、
前記下階10の部屋は、前記風洞部6の下端部が設けられる第1部屋11と、この第1部屋11に隣接するとともに、第1部屋11よりも天井高の低い第2部屋12とを備えていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記下階10の部屋は、前記第1部屋11と、この第1部屋11に隣接するとともに、第1部屋11よりも天井高の低い第2部屋12とを備えているので、前記第1部屋11の暖かい空気と、前記第2部屋12の天井部12a付近に溜まった暖かい空気とが、次第に天井高の高い前記第1部屋11の天井部11a付近に集まって溜まるようになる。
そして、上端部が前記上階30の部屋の天井部31aに連通する風洞部6が、前記第1部屋11の天井部11aに設けられているので、この風洞部6の下端部から前記第1部屋11の天井部11a付近に溜まった暖かい空気を、前記風洞部6を通じて第3部屋31の天井部31aへと排気することが可能となる。したがって、自然換気を効率良く行うことができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図3に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物Aにおいて、
前記上階30の部屋は、前記第2部屋12の上部に位置し、かつ前記排気塔7の下端部が設けられる第3部屋31と、前記第1部屋11の上部に位置するとともに前記第3部屋31に隣接する第4部屋32とを備えており、
前記第4部屋32の天井部32aは、前記第3部屋31の天井部31aよりも若干低い位置に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、前記第3部屋31と、この第3部屋31に隣接するとともに、第3部屋31よりも若干低い天井高の第4部屋32とを備えているので、前記下階10の部屋から排気された暖かい空気と、前記第3部屋31の暖かい空気と、前記第4部屋32の天井部32a付近に溜まった暖かい空気とが、次第に天井高の高い前記第3部屋31の天井部31a付近に集まって溜まるようになる。
そして、上端部が外部に連通する前記排気塔7が、前記第3部屋31の天井部31aに設けられていることによって、この排気塔7の下端部から前記第3部屋31の天井部31a付近に溜まった暖かい空気を、前記排気塔7を通じて外部へと排気することが可能となる。したがって、自然換気を効率良く行うことができる。
本発明によれば、下階の床の一部の上に設けられた中間床と、下階の床との間の低天井室に、建物の外部へ通じる開口部が設けられているとともに、この開口部と低天井室の出入り口とが対向して設けられているので、前記開口部を通じて建物の外部から流入した空気が、前記出入り口を通じて下階の部屋に吹き込まれる。これによって、下階の部屋の天井部付近に溜まる暖かい空気を、風洞部および排気塔を通じて外部へと排気しやすくなるので、自然換気を効率良く行うことができる。
しかも、前記風洞部から排気塔を経て、外部へと連続的な排気経路を確保することができるので、天井高の高い第1部屋の天井部付近に溜まった下階の部屋の暖かい空気を、前記風洞部を通じて上階の第3部屋へと排気することが可能となり、天井高の高い前記第3部屋の天井部付近に溜まった下階の部屋の暖かい空気および上階の部屋の暖かい空気を、前記排気塔を通じて外部へと排気することが可能となる。したがって、より一層効率良く自然換気を行うことが可能となる。
また、前記低天井室に設けられた開口部が地窓であり、室内側からのみ開閉可能となっていることから、屋外側から開閉することができず、外部からの人の侵入を防止することができるので防犯上優れる。
以下、図面を参照して本発明に係る建物Aの実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態の建物Aは、壁や床、屋根といった建物の構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てて構築するパネル工法で構築されるが、従来の軸組工法や壁式工法の木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の建物にも適用することができる。
本実施の形態の建物Aは、図1に示すように、複数の部屋の天井部付近に溜まる暖かい空気を外部へと排出するに際し、下階10の部屋から上階30の部屋を経て外部に向かう連続的な排気経路を有する排気設備1を備えたものであり、
下階10の床10aの一部の上に中間床2aが設けられ、この中間床2aと下階10の床10aとの間が低天井室2とされており、
前記下階10の部屋には、前記低天井室2の出入り口3が面しているとともに、前記排気設備1の下端部が設けられ、
前記低天井室2には、建物Aの外部へ通じる開口部4が前記出入り口3と対向する壁2bに設けられている。
また、前記排気設備1は、図3に示すように、前記下階10の部屋の天井部11aに設けられ、上端部が前記上階30の部屋の天井部31aに連通する風洞部6と、前記上階30の部屋の天井部31aに設けられ、上端部が外部に連通する排気塔7とからなる。
さらに、前記下階10の部屋は、図3および図4に示すように、前記風洞部6の下端部が設けられる第1部屋11と、この第1部屋11に隣接するとともに、第1部屋11よりも天井高の低い第2部屋12とを備えている。
一方、前記上階30の部屋は、図3および図5、図6に示すように、前記第2部屋12の上部に位置し、かつ前記排気塔7の下端部が設けられる第3部屋31と、前記第1部屋11の上部に位置するとともに前記第3部屋31に隣接する第4部屋32とを備えており、前記第4部屋32の天井部32aは、前記第3部屋31の天井部31aよりも若干低い位置に設けられている。
ここで、本実施の形態の建物Aの間取りについて詳細に説明する。なお、本実施の形態の建物Aは、1階10と2階30、これら1階10および2階30の中間に位置する中間階20とからなる。
まず、本実施の形態の建物Aの1階10は、図4に示すように、前記低天井室2が設けられ、その他に、前記第1部屋11および第2部屋12や、玄関ポーチ13a、玄関土間13b、玄関ホール13c、シューズクローゼット13d等の玄関部13や、小室14、また、洗面室15a、1階用トイレ15b、浴室15c等の水回り室15や、サンルーム16が設けられている。
前記低天井室2は、図1に示すように、1階10の床10a上に設けられた中間床2aと1階10の床10aとの間のスペースを指している。また、図2(a)、(b)に示すように、前記低天井室2に設けられた開口部4は地窓であり、前記1階10の床10aに近い高さに設けられ、室内側からのみ開閉可能となっている。
前記地窓の態様として、前記低天井室2の壁2bに設けられたサッシ2cの下側で床10aに近い高さに設けられており、図2(a)に示すような内倒し式の窓4aと、図2(b)に示すような上方に向かって開ける窓4bとが挙げられる。
このように上方に向かって開ける窓4bの場合、窓4bを設けるための土台を設けなければならない。本実施の形態においては、図2(b)に示すように、複数の枠部材4cを室内側に突出させて土台を形成している。
なお、本実施の形態の地窓は以上のような態様のものが用いられているが、これに限るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
このように前記低天井室2に設けられた地窓が、前記1階10の床10aに近い高さに設けられているので、外部からの空気がより低い高さから流入するようになる。そして、前記低天井室2から前記1階10の部屋へと吹き込む外部の空気が、1階10の部屋の低い位置にある暖かい空気を押し上げて上昇させるので、前記1階10の部屋の暖かい空気を天井部11a付近に溜めて、前記排気設備1によって排気しやすくなり、より一層効率良く自然換気を行うことが可能となる。
また、前記低天井室2に設けられた地窓が、室内側からのみ開閉可能となっていることから、屋外側から開閉することができず、外部からの人の侵入を防止することができるので防犯上優れる。
また、前記低天井室2は、その天井高が0.9m〜1.4mに設定されており、様々なものを収納するための収納空間となっている。
このように前記低天井室2の天井高を0.9m〜1.4mに設定することによって、居住者が低天井室2に入って、何とか作業ができる最低限の高さを確保でき、また、このように天井高を必要最低限に押さえることで、建物Aの高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照現象等の影響を極力少なくすることができるようになっている。
また、前記低天井室2の出入り口3が前記第1部屋11に面して設けられており、物品の収納がしやすくなっている。
さらに、前記低天井室2は、図1および図4に示すように、床10aの一部が土間床5となっており、蓄冷することができるようになっている。すなわち、前記開口部4付近の床10aが土間床5となっていることによって、開口部4を通じて外部から空気を流入させた場合、前記土間床5の付近の冷たい空気が一緒に建物A内へと吹き込むようになるので、建物A内の暖かい空気を排気する際に補助の役割を果たすことができるようになっている。
一方、前記低天井室2は、建物Aが構築される方角において北側に位置するように建物A内に配置されることが望ましい。これは、夏場においても比較的冷たい空気を建物A内に流入させることができるためである。この時、前記低天井室2に設けられる開口部4が北側に面して設けられることによって、より一層冷たい空気を建物A内に流入させることができるようになっている。
また、冬場においては、前記開口部4を閉じて空気の流入を防ぐことができるので、室内温度を極端に低下させることはない。さらに、前記低天井室2自体が収納空間となっており、居住者が積極的に足を運ぶスペースではないので、冬場における居住者の生活に与える影響は少ない。
一方、前記1階10の部屋は、上述のように前記風洞部6の下端部が設けられる第1部屋11と、この第1部屋11に隣接するとともに、第1部屋11よりも天井高の低い第2部屋12とを備えている。
前記第1部屋11は、リビングとなっており、前記第2部屋12は、ダイニングおよびキッチンを備えた構成となっている。すなわち、これら第1部屋11および第2部屋12は、居住者が集う共用居住空間となっている。
また、前記第1部屋11は、図3に示すように、前記第2部屋12よりも天井高が高く、1階10から中間階20にわたる吹抜けを備えた部屋となっている。
そして、前記第1部屋11と第2部屋12との天井高に高低差が生じているとともに、前記第1部屋11とその他の1階10の部屋との天井高に高低差が生じているので、前記第1部屋11の暖かい空気と、前記第2部屋12の天井部12a付近に溜まった暖かい空気とが、次第に天井高の高い前記第1部屋11の天井部11a付近に集まって溜まるようになる。
これによって、上端部が前記第3部屋31の天井部31aに連通する風洞部6が、前記第1部屋11の天井部11aに設けられているので、この風洞部6の下端部から前記第1部屋11の天井部11a付近に溜まった暖かい空気を、前記風洞部6を通じて第3部屋31の天井部31aへと排気することができるようになっている。したがって、自然換気を効率良く行うことができる。
そして、前記低天井室2に隣接するとともに前記第1部屋11および第2部屋12に面して、中間階20を含む2階30に向かう階段17が設けられている。また、このように階段を、前記第1部屋11および第2部屋12の共用居住空間に設けることによって、前記玄関部13と上階30との行き来をする場合に、前記共用居住空間を必ず通過することになるので、居住者どうしのコミュニケーションの機会を容易に得ることができるようになっている。
次に、本実施の形態の建物Aの中間階20は、図5に示すように、前記階段17を途中まで上がった踊り場21に面して、和室22が設けられている。また、前記踊り場21から、さらに階段23上がると階段ホール24があり、この階段ホール24を中心に複数の部屋が設けられている。
これら複数の部屋のうち、前記階段23に隣接して中間階低天井室25が設けられている。この中間階低天井室25も前記低天井室2と同様に、その天井高が0.9m〜1.4mに設定されており、様々なものを収納するための収納空間となっている。
また、前記中間階低天井室25に隣接して洋室26が設けられており、この洋室26の外部にバルコニー27が設けられている。
さらに、前記洋室26とバルコニー27を通じて行き来でき、かつ前記中間階低天井室25に、前記階段ホール24を介して隣接する位置に、前記第3部屋31が設けられている。この第3部屋31は、図3に示すように、吹抜けを備え、中間階20と2階30とにわたる高天井の部屋となっている。また、前記第3部屋31には、図5に示すように、前記第4の部屋に至る階段31bが設けられている。
なお、例えば前記中間階低天井室25に、前記低天井室2と同様に、建物Aの外部へ通じる開口部を出入り口と対向する壁に設けて、前記第3部屋31に外部からの空気が吹き込むようにしても良い。
次に、本実施の形態の建物Aの2階30は、図6に示すように、前記階段ホール24から階段33を上がった場所に階段ホール34が設けられている。また、この階段ホール34に面して2階用トイレ35が設けられている。
また、前記中間階低天井室25の上部に、前記階段ホール34に面して出入り口36aが設けられた洋室36が設けられており、この洋室36はロフト部36bを備えている。
一方、この洋室36と対向した位置に出入り口32bが設けられた前記第4部屋32が、前記第1部屋11の上部に位置するようにして設けられている。また、この第4部屋32は、上述したように、前記階段31bを通じて前記第3部屋31と隣接するようにして設けられている。なお、この第4部屋32は、前記第1部屋11の上部に位置するだけでなく、前記中間階20の和室22の上部にも位置しており、前記和室22の上部にはクローゼット32cが設けられている。
また、前記第4部屋32の天井部32aは、前記第3部屋31の天井部31aよりも若干低い位置に設けられているので、前記1階10の部屋から排気された暖かい空気と、前記第3部屋31の暖かい空気と、前記第4部屋32の天井部32a付近に溜まった暖かい空気とが、次第に天井高の高い前記第3部屋31の天井部31a付近に集まって溜まるようになる。
そして、上端部が外部に連通する前記排気塔7が、前記第3部屋31の天井部31aに設けられていることによって、この排気塔7の下端部から前記第3部屋31の天井部31a付近に溜まった暖かい空気を、前記排気塔7を通じて外部へと排気することが可能となる。したがって、自然換気を効率良く行うことができるようになっている。
なお、以上のように本実施の形態の建物Aは複数の部屋を備えているが、例えば、これら複数の部屋どうしの間にドア等を設けた場合、これらドアは閉じられたままの状態になる場合があるので、図示はしないが、ドアの上部に欄間等を設けて自然換気を促すことが望ましい。また、このような欄間を、前記低天井室2の地窓の対角線上に設けるなどして、より一層効率良く自然換気を行うことが望ましい。
以上のように本実施の形態の建物Aは、前記低天井室2、第1部屋11および第2部屋12を始めとする複数の部屋を備えた1階10と、前記第3部屋31を始めとする複数の部屋を備えた2階30と、これら1階10および2階30の中間に位置し、複数の部屋を備えた中間階20とからなる。
なお、本実施の形態の建物Aの間取りは以上のように構成されているが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
次に、このような建物Aに設置された前記風洞部6および排気塔7からなる排気設備1について詳細に説明する。
すなわち、前記排気設備1は、前記第1部屋11の天井部11aに設けられ、上端部が前記第3部屋31の天井部31aに連通する風洞部6と、前記第3部屋31の天井部31aに設けられ、上端部が外部に連通する排気塔7とからなる。
ここで、これら風洞部6と排気塔7との位置関係としては、図3に示すように、前記第3部屋31の天井部31aを介して前記排気塔7の下方に前記風洞部6が設けられた状態となっている。
これによって、前記風洞部6から排気塔7へ、延いては外部へと連続的な排気経路を確保することが可能となる。すなわち、前記第1部屋11の天井部11aに溜まった暖かい空気が上方の第3部屋31に向かって排気されやすくなるとともに、第3部屋31の天井部31a付近に溜まった暖かい空気が外部へと排気されやすくなるので、自然換気を効率良く行うことができるようになっている。
前記風洞部6は、図3に示すように、下端部が前記第1部屋11の天井部11aに設けられた状態となっており、図5に示すように、本体部は第3部屋31において前記階段31bに隣接して設けられている。そして、その上端部は、図3および図6に示すように、前記第3部屋31の天井部31aに連通している。
前記排気塔7は、図3に示すように、下端部が前記第3部屋31の天井部31aに設けられた状態となっており、本体部は小屋裏を通過した状態となっている。そして、その上端部は屋根40から突出しており、外部に連通した状態となっている。
なお、図1に示すように、この排気塔7の周囲に、空気が外部から建物A内へと侵入することを防ぐための外壁7cを設けることが望ましい。
また、図3に示すように、前記第1部屋11の天井部11aと前記風洞部6の下端部との間には、空気を流通させるための開口部6aが設けられているとともに、前記第3部屋31の天井部31aと前記排気塔7の下端部との間にも、空気を流通させるための開口部7aが設けられている。
このように、それぞれ開口部6a、7aを設けることによって、前記第1部屋11の天井部11a付近に溜まった暖かい空気を前記風洞部6へと確実に排気することができるとともに、前記第3部屋31の天井部31a付近に溜まった暖かい空気を前記排気塔7へと確実に排気することができので、前記風洞部6から排気塔7へ、延いては外部へと開放された排気経路を確保することが可能となり、自然換気を効率良く行うことができるようになっている。
また、前記第3部屋31の天井部31aと前記排気塔7の下端部との間に設けられた開口部7aには、この開口部7aを開閉する開閉部材7bが設けられた状態となっている。
そして、このように前記開口部7aを開閉する開閉部材7bを設けることによって、前記開口部7aを開いた状態にすると、排気経路が開放されて自然換気を効率良く行うことができ、前記開口部7aを閉めた状態にすると、排気経路が閉塞されて建物A内の気密性を向上することができるようになっている。
すなわち、例えば夏場においては、前記開口部7aを開いた状態にすることによって、建物A内の暖かい空気を効率良く排気することができるとともに、冬場においては、前記開口部7aを閉めた状態することによって、建物A内の暖かい空気を逃がさないようにすることができるので、居住性の向上を図ることが可能となる。
また、このように夏場において暖かい空気を効率良く排気することができるとともに、冬場において建物A内の暖かい空気を逃がさないようにすることができるので、従来とは異なり、空調機器や換気装置等に係るコストを抑えることが可能となり、その上、多くのエネルギー消費を抑制することが可能となっている。
なお、本実施の形態の排気塔7は上述のような構成となっているが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、前記排気塔7に代わって、光を建物A内に導くための筒体を備えるとともに、開閉機能を有するトップライト(図示せず)等を設けても良い。
すなわち、このように前記排気塔7に代わり、開閉機能を有するトップライトを設けることによって、前記筒体を通じて、前記第3部屋31の天井部31a付近に溜まった暖かい空気を外部へと排出することが可能となる。したがって、前記排気塔7を設けた場合と略同等の効果を得ることができるようになっている。
また、前記トップライトを閉めておけば建物Aの気密性が高まるので、上述のように夏場だけでなく、冬場における居住性の向上を図ることができるようになっている。
さらには、以上のように、前記排気塔7に代わってトップライトを設けることによって、採光性の向上を図ることができるので、建物A内により多くの光を採り込むことが可能となるので好ましい。
次に、このような本実施の形態の建物Aによる自然換気の流れは、図1および図3に示すように、まず、前記1階10の各部屋で発生した暖かい空気が、1階10で最も天井の高い前記第1部屋11の天井部11a付近に集まって溜まる。これは、暖かい空気がより高い所へと上昇していく性質を利用したものである。
この時、図1に示すように、前記低天井室2に、床10aに近い高さにおいて外部と通じる前記地窓を設けておくことによって、低い位置から外部の空気が流入してくるので、この外部からの空気よりも暖かい空気は、より高い位置に上昇するようになっている。これによって、さらに効率良く自然換気を行うことが可能となっている。
また、上述したが、前記低天井室2の床10aの一部を土間床5とすることによって、前記地窓を通じて外部から空気を流入させた場合に、前記土間床5の付近の冷たい空気が一緒に建物A内へと吹き込むようになるので、建物A内の暖かい空気を排気する際に補助の役割を果たすことができるようになっている。
次に、図3に示すように、この第1部屋11の天井部11a付近に溜まった暖かい空気は前記風洞部6を通じて前記第3部屋31と流れていく。
この第3部屋31には、前記第1部屋11の天井部11a付近に溜まった暖かい空気だけでなく、前記中間階20および2階30の各部屋から集まるようになっている。すなわち、前記第3部屋31が前記中間階20および2階30で最も天井が高く設定されていることによる。
そして、前記第3部屋31の天井部31a付近に溜まった暖かい空気は前記排気塔7を通じて外部へ排気されるようになっている。このようにして本実施の形態の建物Aによる自然換気の流れがスムーズに行われるようになっている。
なお、その他にも、自然換気を促す方法として、各階の窓を開放したり、自然換気を補助する方法として、比較的深い軒を設置することによって日射を遮蔽したり、日射熱を外気に逃がす通気瓦屋根を使用したり等、様々な方法を行うことができる。
また、冬場においても、前記サンルーム16から積極的に太陽熱を取り込んだり、建物Aの気密性、断熱性を向上させたり等、様々な方法で寒さ対策を行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、1階10の床10aの一部の上に設けられた中間床2aと、1階10の床10aとの間の低天井室2に、建物Aの外部へ通じる開口部4が設けられているとともに、この開口部4と低天井室2の出入り口3とが対向して設けられているので、前記開口部4を通じて建物Aの外部から流入した空気が、前記出入り口3を通じて1階10の部屋に吹き込まれる。これによって、1階10の部屋の天井部11a付近に溜まる暖かい空気を、風洞部6および排気塔7を通じて外部へと排気しやすくなるので、自然換気を効率良く行うことができる。
しかも、前記風洞部6から排気塔7を経て、外部へと連続的な排気経路を確保することができるので、天井高の高い第1部屋11の天井部11a付近に溜まった1階10の部屋の暖かい空気を、前記風洞部6を通じて2階30の第3部屋31へと排気することが可能となり、天井高の高い前記第3部屋31の天井部31a付近に溜まった1階10の部屋の暖かい空気および2階30の部屋の暖かい空気を、前記排気塔7を通じて外部へと排気することが可能となる。したがって、より一層効率良く自然換気を行うことが可能となる。
また、前記低天井室2に設けられた開口部4が地窓であり、室内側からのみ開閉可能となっていることから、屋外側から開閉することができず、外部からの人の侵入を防止することができるので防犯上優れる。
本発明の実施形態に係る建物を示す断面図である。 (a)と(b)とで異なる種類に構成されている低天井室の開口部を示す要部拡大図である。 図1とは異なる方向から見た建物の断面図である。 図1の建物の1階間取りを示す平面図である。 図1の建物の中間階間取りを示す平面図である。 図1の建物の2階間取りを示す平面図である。
符号の説明
A 建物
1 排気設備
2 低天井室
3 出入り口
4 開口部
6 風洞部
7 排気塔
10 下階(1階)
11 第1部屋
12 第2部屋
20 中間階
30 上階(2階)
31 第3部屋
32 第4部屋

Claims (5)

  1. 複数の部屋の天井部付近に溜まる暖かい空気を外部へと排出するに際し、下階の部屋から上階の部屋を経て外部に向かう連続的な排気経路を有する排気設備を備えた建物において、
    下階の床の一部の上に中間床が設けられ、この中間床と下階の床との間が低天井室とされており、
    前記下階の部屋には、前記低天井室の出入り口が面しているとともに、前記排気設備の下端部が設けられ、
    前記低天井室には、建物の外部へ通じる開口部が前記出入り口と対向する壁に設けられていることを特徴とする建物。
  2. 請求項1に記載の建物において、
    前記低天井室に設けられた開口部は地窓であり、前記下階の床に近い高さに設けられ、室内側からのみ開閉可能となっていることを特徴とする建物。
  3. 請求項1または2に記載の建物において、
    前記排気設備は、前記下階の部屋の天井部に設けられ、上端部が前記上階の部屋の天井部に連通する風洞部と、
    前記上階の部屋の天井部に設けられ、上端部が外部に連通する排気塔とからなることを特徴とする建物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物において、
    前記下階の部屋は、前記風洞部の下端部が設けられる第1部屋と、この第1部屋に隣接するとともに、第1部屋よりも天井高の低い第2部屋とを備えていることを特徴とする建物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物において、
    前記上階の部屋は、前記第2部屋の上部に位置し、かつ前記排気塔の下端部が設けられる第3部屋と、前記第1部屋の上部に位置するとともに前記第3部屋に隣接する第4部屋とを備えており、
    前記第4部屋の天井部は、前記第3部屋の天井部よりも若干低い位置に設けられていることを特徴とする建物。
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