JP2007119656A - 蓄熱ボード - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度、高耐久性、高蓄熱量の蓄熱ボードを提供する。
【解決手段】蓄熱材を内包するマイクロカプセルと結着樹脂とからなる平均粒子径10μm〜10mmのマイクロカプセル固形物を加熱加圧成型してなる蓄熱ボード。
【選択図】なし

Description

本発明は、形状が常に強固な固体状態でありながら希望する任意の温度域の潜熱を多量に蓄熱可能な蓄熱ボードに関するものである。
融解及び凝固の相変化時に蓄放熱される、いわゆる潜熱を蓄える方法を用いて、冷暖房の消費エネルギーを有効利用する試みが多数提案されている。その応用例として、水又は無機系の潜熱蓄熱材を数センチ大の樹脂製又は金属製容器に充填しその周りに冷媒を流し熱交換する方法(特許文献1)、有機系蓄熱材にゲル化剤を溶解せしめ融解時においても流動性をなくし容器内に固定化しやすくする方法(特許文献2)、有機系潜熱蓄熱材をマイクロカプセルに封入することにより潜熱蓄熱材を常に液状または固形状態として取り扱える手法(特許文献3)が提案されている。
潜熱蓄熱材をビルの床材、壁材、天井材に加工して、夜間電力や太陽熱を利用して温熱又は冷熱を蓄えておくことにより、冷暖房のためのエネルギーが著しく節約できることが可能となる蓄熱性建材としての利用方法が提案されており、それに用い得る蓄熱体又は蓄熱ボードが提案されている(特許文献4及び5)。これらの方法は、見かけ上高比熱の潜熱蓄熱ボードが得られているが、強度や施工性の点で通常の建材と同様に扱うことは困難であり、特別な施工方法が必要にとなるという欠点がある。
切断や孔開け加工が可能な建材用ボードとしては、蓄熱材を内包するマイクロカプセルをセメント等の無機系充填剤の中に練り込んだ蓄熱性を有する建材用ボードが提案されている(特許文献6)。このボードでは、通常の建築用ボードと同じ作業性を保つのに充分な強度を得ようとすると、マイクロカプセルの添加量は質量比率で50%以下、実用上は約20%以下まで下げなければならず、蓄熱量が低下するという問題がある。充分な強度を有し、かつ高蓄熱量を有する蓄熱ボードを得ることは困難であった。
高比率で蓄熱材を含むボードを得る方法として、蓄熱材を内包するマイクロカプセル固形物と、木質繊維を乾式で混合し、加熱成型する蓄熱ボードの製造方法が提案されている(特許文献7)。この蓄熱ボードは、セメント等の無機系硬化材料を用いたボード製造方法と比較すると、マイクロカプセル比率が遙かに高くなるが、マイクロカプセルの質量比率が50%を超えると、脆弱性が増してきて強度が低下することが課題であった。
蓄熱性材料である蓄熱材内包マイクロカプセルが、高分子マトリックス中に分散された蓄熱層からなる建装部材用蓄熱シートが提案されている(特許文献8)。この蓄熱層は、高分子マトリックスと蓄熱材内包マイクロカプセルとを分散させてインキとして、フィルムに塗布して建装部材用蓄熱シートとしており、蓄熱層自体は強度が低いものである。また、蓄熱層自体を建装部材用蓄熱シートとする場合には、蓄熱材の含有量が低く、高蓄熱量を有する蓄熱ボードを得ることは困難であった。
蓄熱マイクロカプセルの表面が2液硬化型樹脂バインダーの主剤で被覆され、さらに主剤に凝集防止微粒子が付着した蓄熱粒子と、蓄熱マイクロカプセルの表面が2液硬化樹脂バインダーの硬化剤で被覆され、さらに硬化剤に凝集防止微粒子が付着した蓄熱粒子を混合してプレス加工し、蓄熱構造体を成形する方法が提案されている(特許文献9)。この方法では、主剤と硬化剤で被覆された2種類の蓄熱粒子を調製しなければならない。また、粒子の凝集防止を目的とした微粒子を付着させるために、蓄熱マイクロカプセルを大きめに設定せざるをえず、機械的強度や耐久性といった点で必ずしも満足のいく蓄熱構造体を得ることができない。
特開平8−94269号公報 特開平4−72382号公報 特開平5−163486号公報 特開平5−1281号公報 特開平5−1283号公報 特開平10−297950号公報 特開2003−260705号公報 特開2000−314187号公報 特開2005−96129号公報
本発明の課題は、高強度、高耐久性、高蓄熱量の蓄熱ボードを提供することである。
上記課題を解決するための手段として、本発明者らは下記を見出した。
(1)蓄熱材を内包するマイクロカプセルと結着樹脂とからなる平均粒子径10μm〜10mmのマイクロカプセル固形物を加熱加圧成型してなる蓄熱ボード。
(2)蓄熱ボードに対するマイクロカプセルの含有量が80〜99質量%である請求項1記載の蓄熱ボード。
(3)加熱加圧成型時に接着剤を添加する請求項1または2記載の蓄熱ボード。
本発明の蓄熱ボードでは、まず、蓄熱材を内包するマイクロカプセルと結着樹脂とからなるマイクロカプセル固形物を調製する。その後、マイクロカプセル固形物を加熱加圧成型して蓄熱ボードが得られる。このように、2段階の工程で得られた蓄熱ボードは、マイクロカプセルの含有量が高く、高蓄熱量の蓄熱ボードとなる。また、無機系化合物や木質繊維等を添加しなくても、機械的強度に優れた蓄熱ボードを得ることができる。また、平均粒子径10μm〜10mmにすることで充填率が高くなり、かつ加熱加圧成型時に凝集が起こりにくい。
本発明の蓄熱ボードの主な構成成分は、蓄熱材を内包するマイクロカプセル及び結着樹脂からなる。マイクロカプセルの製法として物理的方法と化学的方法が知られているが、特に蓄熱材をマイクロカプセル化する方法としては、複合エマルジョン法によるカプセル化法(特開昭62−1452号公報)、蓄熱材粒子の表面に熱可塑性樹脂を噴霧する方法(特開昭62−45680号公報)、蓄熱材粒子の表面に液中で熱可塑性樹脂を形成する方法(特開昭62−149334号公報)、蓄熱材粒子の表面でモノマーを重合させ被覆する方法(特開昭62−225241号公報)、界面重縮合反応によるポリアミド皮膜マイクロカプセルの製法(特開平2−258052号公報)等に記載されている方法が用いられる。
本発明に係わる蓄熱材マイクロカプセルを形成するカプセル皮膜構成樹脂としては、界面重合法、インサイチュー(in−situ)重合法、ラジカル重合法等の手法で得られるポリスチレン類、ポリアクリロニトリル類、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリアミド類、ポリアクリルアミド類、エチルセルロース類、ポリウレタン類、アミノプラスト樹脂類、またはゼラチンとカルボキシメチルセルロース若しくはアラビアゴムとのコアセルベーション法を利用した合成あるいは天然の樹脂が用いられる。特に、インサイチュー重合法によるメラミンホルマリン樹脂類や尿素ホルマリン樹脂類、界面重合法によるポリアミド類、ポリウレア類、ポリウレタンウレア類及びポリウレタン類、ラジカル重合法によるポリメタクリレート類が好ましく用いることができる。
本発明に係わる蓄熱材マイクロカプセルの体積平均粒子径は、0.5〜50μmが好ましく、1〜20μmがさらに好ましく、1〜10μmが特に好ましい。50μmより大きい粒子径では機械的剪断力に極めて弱くなることがあり、0.5μmより小さい粒子径では破壊は抑えられるものの、膜厚が薄くなり耐熱性に乏しくなることがある。本発明で述べる体積平均粒子径とはマイクロカプセル粒子の体積換算値の平均粒子径を表わすものであり、原理的には一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。体積平均粒子径の測定は顕微鏡観察による実測でも測定可能であるが、市販の電気的、光学的粒子径測定装置を用いることにより自動的に測定可能であり、本発明における体積平均粒子径は米国コールター社製粒度測定装置マルチサイザーII型を用いて測定を行なった。
本発明で用いられる蓄熱材として、n−パラフィン類や、無機系共晶物及び無機系水和物、パルミチン酸、ミリスチン酸等の脂肪酸類、ベンゼン、p−キシレン等の芳香族炭化水素化合物、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル等のエステル化合物、ステアリルアルコール等のアルコール類等の化合物が挙げられ、化学的、物理的に安定で、しかも安価なものが用いられる。これらは混合して用いても良い。必要に応じ過冷却防止材、比重調節材、劣化防止剤等を添加することができる。また、融点の異なるマイクロカプセルを2種以上混合して用いることも可能である。
本発明の蓄熱ボードは、蓄熱材を内包するマイクロカプセルと結着樹脂とからなるマイクロカプセル固形物を加熱加圧成型することにより得られる。本発明の蓄熱ボードは、蓄熱材を内包するマイクロカプセルと結着樹脂とからなるマイクロカプセル固形物が主成分であり、複数のマイクロカプセル固形物を加熱加圧成型することによって、高強度且つ高密度の蓄熱ボードが得られる。すなわち、蓄熱ボードを構成する個々のマイクロカプセル固形物内に、蓄熱材を内包するマイクロカプセルと結着樹脂の両者が必ず存在していることが本発明の最も重要な点である。マイクロカプセル固形物を加熱加圧成型した場合、結着樹脂は結着力を発現するばかりでなく、マイクロカプセル周囲全体に存在して、マイクロカプセルの破壊を防ぐ。また、一度マイクロカプセル固形物にして形状や大きさを整えることで、充填率が上がり、蓄熱量が高くなる。反対に、マイクロカプセルを固形物にせずに接着剤を添加して加熱加圧成型した場合、接着剤はマイクロカプセルに対して不均一に付着したり、マイクロカプセルが異形状、異なる大きさに凝集してしまうことがあるため、不均一な蓄熱ボードとなり、充填率も低く、機械的強度も得られない。
マイクロカプセル固形物の平均粒子径は10μm〜10mmであり、好ましくは30μm〜5mm、さらに好ましくは100μm〜3mmである。マイクロカプセル固形物の平均粒子径が10μmより小さい場合、充填率は高くなるものの、粉体の表面積が極めて大きな値となり添加した結着剤が効果的に作用しなくなるためボードの強度が不足する傾向になるため好ましくない。その結果、蓄熱ボードの機械的強度や耐久性を低下させることがあり用途によっては使用できなくなる可能性がある。また、10mmを超えると、マイクロカプセル固形物の充填率が低くなり、いわばスカスカの空隙の多いボードになり単位体積当たりの蓄熱量が低くなり好ましくない。
本発明に係わるマイクロカプセル固形物を得る方法としては、水分散液の状態で作製されるマイクロカプセル分散液に結着剤を加えて、スプレードライヤー、ドラムドライヤー、フリーズドライヤー、フィルタープレスなどの各種乾燥装置・脱水装置を用いて媒体の水を蒸発・脱水させて粉体や固形体の形態にする方法を挙げることができる。また、結着剤を加えて又は加えずに上記の装置で粉体や固形体の形態にした後に、結着剤を加えて、押出し造粒、転動造粒、撹拌造粒など各種造粒法を用いて造粒することで粒径を大きくし、扱いやすくした造粒体の形態にすることも可能である。本発明ではこれら粉体や固形体および造粒体の総称として固形物と呼ぶことにする。マイクロカプセル固形物は、乾燥状態でも湿潤状態でも良いが、乾燥状態が好ましい。湿潤状態の造粒体を得るためには、高速で回転するケディーミル、ヘンシェルミキサーなどの混合・混練装置を使用することができる。
マイクロカプセル固形物の形状としては球状、楕円形、立方体、直方体、円柱状、円錐状、俵状、桿状、正多面体、星形、筒型等如何なる形状でも良いが、球状が好ましく、特に真球状が好ましい。ここで、真球状とはマイクロカプセル固形物の真円率(短径/長径)が0.2〜1、更に好ましくは0.5〜1であることをいう。特に、1に近いほど良い。真円率が1に近いほど、蓄熱ボードにしたときに、単位体積当たりの充填密度、機械的強度が高くなる。
マイクロカプセル固形物の短径、長径は、最低10ケ以上のマイクロカプセル固形物に対して、工業用ノギスもしくは計測機能のある光学顕微鏡で測定した最短径、最長径である。マイクロカプセル固形物の平均粒子径とは、マイクロカプセル固形物の体積換算値の平均径を表わすものであり、原理的には一定体積の固形物を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる固形物が分別された時点での物体径を意味する。粉体の場合の体積平均径の測定は篩い分け法や顕微鏡観察による実測でも算定可能であるが、市販の電気的、光学的粒子径測定装置を用いることにより自動的に測定することも可能である。造粒物等の固形物の場合における体積平均径の測定は、篩い分け法や工業用ノギス等による実測で算定可能である。固形物を工業用ノギスで測定する場合には、無作為抽出した20個以上の固形物の最短径と最長径とを実測して、それらの平均値をもって体積平均径としてもよい。
本発明で用いられる結着樹脂として以下の様な化合物が挙げられ、特にこれらの化合物の水溶液又は水分散液が好ましい形態として用いられる。フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン共縮合樹脂、レゾルシノール型樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
本発明の蓄熱ボードにおいて、蓄熱材を内包するマイクロカプセルの含有量は、80〜99質量%が好ましく、85〜99%がより好ましく、90〜99%がさらに好ましい。マイクロカプセルの含有量が99%を超えると、結着樹脂による結着力が低下し、充分な強度が得られないことがある。80質量%より低いと、蓄熱材の含有量が低くなるため、高蓄熱量の蓄熱ボードとはなりにくくなる。
蓄熱ボードに成型する際の加熱温度及び圧力は、マイクロカプセルに対するダメージを最小限に留めるように設定する。具体的には、加熱温度は250℃以下、圧力は20kgf/cm2(1.96MPa)以下、加圧時間は1時間以内の短時間に留めることが好ましい。
蓄熱ボードを加熱加圧成型する際に、接着剤を添加しても良い。接着剤の添加量は、蓄熱ボードに対するマイクロカプセル含有量が80〜99質量%になるような添加量に調製する。接着剤としては、以下の様な化合物が挙げられ、特にこれらの化合物の水溶液又は水分散液が好ましい形態として用いられる。また、結着樹脂と接着剤は、同一の化合物であっても、異なる化合物であっても、いずれでも良い。
フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン共縮合樹脂、レゾルシノール型樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
実施例中の部数や百分率は特にことわりがない限り質量基準である。
マイクロカプセル分散液の調製例1
メラミン粉末12部に37%ホルムアルデヒド水溶液15.4部と水40部を加え、pHを8に調整した後、約70℃まで加熱してメラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整した10%スチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100部中に、蓄熱材としてミリスチン酸ミリスチル(融解熱量180kJ/kg、融点39〜40℃)80部を激しく撹拌しながら添加し、粒子径が3.0μmになるまで乳化を行った。得られた乳化液に、上記メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液全量を添加し70℃で2時間撹拌を施した後、pHを9まで上げて水を添加して乾燥固形分濃度40%の蓄熱材マイクロカプセル分散液を得た。
実施例1
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で4.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をスプレードライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径100μmの球状のマイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、90%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを60cm角の鋼鉄製金枠に充填し、上部に蓋をして圧力10kgf/cm2(0.98MPa)、温度180℃で、5分間、加熱加圧成型して、厚さ8.2mmの蓄熱ボード1を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
実施例2
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で4.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をスプレードライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径11μmの球状のマイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、90%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.2mmの蓄熱ボード2を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
実施例3
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着剤樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で4.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%以下まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状のマイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、90%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.5mmの蓄熱ボード3を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
実施例4
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着剤樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で4.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%以下まで乾燥し、平均粒子径2.7mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、90%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.5mmの蓄熱ボード4を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
実施例5
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着剤樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で4.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%以下まで乾燥し、平均粒子径9.3mmの球状のマイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、90%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ10mmの蓄熱ボード5を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
実施例6
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で26.7部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状のマイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、60%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.4mmの蓄熱ボード6を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は60%であった。
実施例7
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で17.1部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、70%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.4mmの蓄熱ボード7を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は70%であった。
実施例8
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で12部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、77%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.5mmの蓄熱ボード8を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は77%であった。
実施例9
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で9.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、81%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.5mmの蓄熱ボード9を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は81%であった。
実施例10
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で6.5部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、86%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.5mmの蓄熱ボード10を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は86%であった。
実施例11
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で0.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は99%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.5mmの蓄熱ボード11を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は99%であった。
実施例12
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で0.2部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は99.5%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.5mmの蓄熱ボード12を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は99.5%であった。
実施例13
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100質量部(固形質量40部)に何も添加せずに、スプレードライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体を得た。マイクロカプセル粉体に結着樹脂として、水性ポリウレタン樹脂エマルジョンを固形質量で4.9部添加した後、ヘンシェルミキサーでよく混合することにより、0.5〜3mm大の湿潤状態の造粒物を得た。この造粒物を押し出し型造粒装置を用いて短径1mm、長径5mmのペレット状造粒物に加工し、マイクロカプセル固形物とした。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は89%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.1mmの蓄熱ボード13を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は89%であった。
実施例14
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100質量部(固形質量40部)に何も添加せずに、スプレードライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体を得た。マイクロカプセル粉体に結着樹脂として、水性ポリウレタン樹脂エマルジョンを固形質量で2.1部添加した後、ヘンシェルミキサーでよく混合することにより、0.5〜3mm大の湿潤状態の造粒物を得た。この造粒物を押し出し型造粒装置を用いて短径2mm、長径5mmのペレット状造粒物に加工し、マイクロカプセル固形物とした。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は95%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.2mmの蓄熱ボード14を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は95%であった。
実施例15
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着剤樹脂分散液として、スチレンブタジエンゴムラテックスを固形質量で2.1部添加し均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率5%以下まで乾燥し、平均粒子径1mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有率は95%である。
このマイクロカプセル固形物2660gに、接着剤として、熱軟化点100℃の固形状のエチレン酢酸ビニル樹脂粉末64.4gを添加し充分に混合した後、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して、厚さ8.2mmの蓄熱ボード15を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
実施例16
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着剤樹脂分散液として、エチレン酢酸ビニル樹脂エマルジョンを固形質量で4.4部添加し均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率5%以下まで乾燥し、平均粒子径50μmの球状マイクロカプセル固形物を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
このマイクロカプセル固形物2660gに、接着剤として、水溶性フェノール樹脂75.6gを添加し充分に混合した後、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.3mmの蓄熱ボード16を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は約85%であった。
マイクロカプセル分散液の調製例2
潜熱蓄熱材として融点23℃のデカン酸ドデシル(融解熱量176kJ/kg)80gに多価イソシアネートとして、ジシクロヘキシルメタン4,4−ジイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)製脂肪族イソシアネート、商品名デスモジュールW)15gを溶解した物を、5%ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、商品名ポバール117)水溶液100g中に添加し、平均粒径が3μmになるまで室温で撹拌乳化を行った。次にこの乳化液に3%ポリエーテル水溶液(旭電化工業(株)製ポリエーテル、商品名アデカポリエーテルEDP−450)60gを添加した後、60℃で加熱と撹拌を施した。低粘度で分散安定性が良好な、乾燥固形分濃度40%の蓄熱材マイクロカプセル分散液が得られた。得られたマイクロカプセルの体積平均粒子径は3.2μmであった。
実施例17
マイクロカプセル分散液の調製例2で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着剤樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で4.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%以下まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状のマイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、90%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.4mmの蓄熱ボード17を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
実施例18
マイクロカプセル分散液の調製例2で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で0.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は99%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して、厚さ8.3mmの蓄熱ボード18を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は99%であった。
実施例19
マイクロカプセル分散液の調製例2で得られたマイクロカプセル分散液100質量部(固形質量40部)に何も添加せずに、スプレードライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体を得た。マイクロカプセル粉体に結着樹脂として、水性ポリウレタン樹脂エマルジョンを固形質量で4.9部添加した後、ヘンシェルミキサーでよく混合することにより、0.5〜3mm大の湿潤状態の造粒物を得た。この造粒物を押し出し型造粒装置を用いて短径1mm、長径5mmのペレット状造粒物に加工し、マイクロカプセル固形物とした。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は89%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して、厚さ8.2mmの蓄熱ボード19を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は89%であった。
実施例20
マイクロカプセル分散液の調製例2で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着剤樹脂分散液として、スチレンブタジエンゴムラテックスを固形質量で2.1部添加し均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率5%以下まで乾燥し、平均粒子径1mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。
このマイクロカプセル固形物2660gに、接着剤として、熱軟化点100℃の固形状エチレン酢酸ビニル樹脂粉体64.4gを添加し充分に混合した後、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して、厚さ8.3mmの蓄熱ボード20を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
マイクロカプセル分散液の調製例3
蓄熱材マイクロカプセル分散液の作製:pHを4.5に調整した5%のスチレン−無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100gの中に、潜熱蓄熱材として融点16℃のn−ヘキサデカン(融解熱量210kJ/kg)80gを激しく撹拌しながら添加し、乳化を行なった。次にメラミン6gと37%ホルムアルデヒド水溶液9g及び水15gを混合し、これをpH8に調整し、約80℃でメラミン−ホルマリン初期縮合物水溶液を調製した。この全量を上記乳化液に添加し70℃で2時間加熱撹拌を施してカプセル化反応を行なった後、この分散液のpHを9に調整してカプセル化を終了し、低粘度で分散安定性が良好な、乾燥固形分濃度40%の蓄熱材マイクロカプセル分散液を得た。得られたマイクロカプセルの体積平均粒子径は2.5μmであった。
実施例21
マイクロカプセル分散液の調製例3で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着剤樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で4.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%以下まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状のマイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、90%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.4mmの蓄熱ボード21を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
実施例22
マイクロカプセル分散液の調製例3で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で0.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径1.2mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は99%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して、厚さ8.3mmの蓄熱ボード22を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は99%であった。
実施例23
マイクロカプセル分散液の調製例3で得られたマイクロカプセル分散液100質量部(固形質量40部)に何も添加せずに、スプレードライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径50μmのマイクロカプセル粉体を得た。マイクロカプセル粉体に結着樹脂として、水性ポリウレタン樹脂エマルジョンを固形質量で4.9部添加した後、ヘンシェルミキサーでよく混合することにより、0.5〜3mm大の湿潤状態の造粒物を得た。この造粒物を押し出し型造粒装置を用いて短径1mm、長径5mmのペレット状造粒物に加工し、マイクロカプセル固形物とした。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は89%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して、厚さ8.2mmの蓄熱ボード23を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は89%であった。
実施例24
マイクロカプセル分散液の調製例3で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着剤樹脂分散液として、スチレンブタジエンゴムラテックスを固形質量で2.1部添加し均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率5%以下まで乾燥し、平均粒子径1mmの球状マイクロカプセル固形物を得た。
このマイクロカプセル固形物2660gに、接着剤として、熱軟化点100℃の固形状エチレン酢酸ビニル樹脂粉体64.4gを添加し充分に混合した後、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し、同様の条件で加熱、加圧処理を施して、厚さ8.3mmの蓄熱ボード24を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
(比較例1)
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に何も添加せずに、スプレードライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒径約50μmのマイクロカプセル粉体を得た。
このマイクロカプセル固形物2660gに、接着剤として、熱軟化点100℃の固形状エチレン酢酸ビニル樹脂粉体64.4gを添加し充分に混合した後、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.7mmの蓄熱ボード25を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
(比較例2)
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で4.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をスプレードライヤーで水分含有率1%まで乾燥し、平均粒子径8μmの球状のマイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、90%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ8.8mmの蓄熱ボード26を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
(比較例3)
マイクロカプセル分散液の調製例1で得られたマイクロカプセル分散液100部(固形質量40部)に結着剤樹脂分散液として、アクリル系ラテックスを固形質量で4.4部添加し、均一な分散液とした。この分散液をドラムドライヤーで水分含有率1%以下まで乾燥し、平均粒子径13mmの球状のマイクロカプセル固形物を得た。マイクロカプセル固形物に対するマイクロカプセルの含有量は、90%である。
このマイクロカプセル固形物2660gを用いて、実施例1と同様の条件で、60cm角の金枠に充填し同様の条件で加熱、加圧処理を施して厚さ12.5mmの蓄熱ボード27を得た。このボード中に占める蓄熱材を内包するマイクロカプセルの質量比率は90%であった。
実施例及び比較例で得られた蓄熱ボードに対して、以下の評価を行い、結果を表1及び表2にまとめた。
(1)ボード密度[g/cm3]:JIS A5908に準じた。
(2)曲げ強度[N/cm2]:JIS A5908に準じた。
(3)蓄熱量[J/cm3]:示差走査熱量計(米国パーキンエルマー社、DSC7)で測定される融解熱量を測定し、単位体積当たりの蓄熱量をボードの密度から算出した。(4)熱履歴耐久性:温度制御が可能な恒温槽中に蓄熱ボードを入れ、相変化温度を挟む温度域として−10℃から60℃までを温度変化させ、(昇温に1時間、60℃で30分保持、降温に1時間、−10℃で30分保持のサイクルを1回として)、1000回の温度変化を与えた。その後、曲げ強度及び蓄熱量を測定した。
Figure 2007119656
Figure 2007119656
本発明の蓄熱ボードは、機械的強度及び蓄熱量に優れ、かつ熱履歴耐久性も優れていることが確認された。また、本発明の蓄熱ボードを切断したところ、マイクロカプセル固形物が均一に充填されていた。空気の巻き込み等の欠陥も存在しなかった。マイクロカプセル固形物の平均粒子径が小さい方が蓄熱ボードの密度が高かった。温度変化を与えた後の蓄熱ボードを切断しても、ひび等の欠陥は確認されなかった。
比較例1では、蓄熱材を内包するマイクロカプセルを固形物とせずに蓄熱ボードに加工したが、ボード密度が低く、機械的強度が低かった。また、熱履歴耐久性も低いものであった。比較例2では、マイクロカプセル固形物の平均粒子径が10μmよりも小さいが、蓄熱ボードを切断したところ、一部に空気が入っていた。そのため、ボード密度、機械的強度や蓄熱量、熱履歴耐久性が低下していたと考えられる。比較例3は、マイクロカプセル固形物の平均粒子径が10mmを超えているが、蓄熱ボードを切断したが、空気の巻き込み等は確認できなかった。しかし、充填率が低いために、ボード密度、機械的強度及び蓄熱量が低かった。また、熱履歴耐久性も低く、温度変化を与えた後の蓄熱ボードを切断したところ、一部にひびが確認された。
本発明の蓄熱ボードは、屋根、壁、床の下地、内壁、天井、ドア、間仕切りといった建築用材料として使用することができる。また、床暖房システムに組み込むことも可能である。その他、人や動物向けの温度保持マット、精密機器用温度保持材、マイクロ波照射による温度保持材、土木用材料、廃熱利用設備、産業用温度保持材、農業用温度保持材、家庭用品、健康用品、医療用材料などに利用できる。

Claims (3)

  1. 蓄熱材を内包するマイクロカプセルと結着樹脂とからなる平均粒子径10μm〜10mmのマイクロカプセル固形物を加熱加圧成型してなる蓄熱ボード。
  2. 蓄熱ボードに対するマイクロカプセルの含有量が80〜99質量%である請求項1記載の蓄熱ボード。
  3. 加熱加圧成型時に接着剤を添加する請求項1または2記載の蓄熱ボード。
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