JP2008501809A - リグノセルロース含有材料からなる成形体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、成形体の質量に対して、接着樹脂5〜20質量%およびカプセル壁としてのポリマーと、主として潜熱貯蔵材料からなるカプセルコアとを有するマイクロカプセル2〜30質量%を含有する、リグノセルロース含有材料からなる成形体に関する。

Description

本発明は、リグノセルロース含有材料および接着樹脂からなる成形体、該成形体の製造方法ならびに接着樹脂およびマイクロカプセルを含有するバインダー組成物に関する。
現代建築による建築物はしばしば大きなガラス面が軽い内部の建築と組み合わされて構成されている。このような建築物の問題点は、建物内の熱を捕らえたままにする広いガラス面による熱の導入である。通常、このような建築物は、建材がわずかであり、そのため、熱エネルギーを貯蔵し、これにより温度ピークを緩衝する材料を有していない。
建築物の建築材料の素材は夏には昼間に流れ込む熱を貯蔵し、かつこのことにより理想的な場合には内部温度が一定に保たれる。より涼しい夜には貯蔵された熱がふたたび外気へと放出される。快適な室内の環境を夏でも積極的な空調を使用しないで達成するためには、建築物の熱材料もまた無視できない。しかし、このような大きな熱材料はその建築方法に基づいて現代の建築物には欠けている。
屋内の内装、たとえば天井の一部は今日ではパーティクルボードにより行われる。しかしパーティクルボードは全く熱を貯蔵することができず、むしろ絶縁作用を有する。
近年では建築材料における新しい材料の組合せとして潜熱貯蔵材料が試験されている。その機能方式は、固相/液相が相転移する際に現れる転移エンタルピーに基づいており、これはエネルギー吸収または環境へのエネルギー放出を意味している。従ってこれは確定された温度範囲内で温度を一定に保つために使用することができる。潜熱貯蔵材料は温度に応じて液状でも存在するので、直接建築材料と共に加工することはできない。というのは、室内の空気への放出ならびに建材からの分離が危惧されるからである。
EP−A−1029018は、高度に架橋したメタクリル酸エステルポリマーからなるカプセル壁と、潜熱貯蔵材料とを有するマイクロカプセルを、結合建築材料、たとえばコンクリートまたは石膏中で使用することを教示している。しかしカプセル壁はわずか5〜500nmの範囲の厚さを有しているにすぎないため、極めて圧力に敏感であり、複写紙中でのその使用の際の効果が利用される。しかしこれはその使用を限定している。
DE−A−10139171は、石膏ボード中でのマイクロカプセル化された潜熱貯蔵材料の使用を記載している。
本発明の課題は、効果的な熱貯蔵ひいては建築物の空調のための別の可能性を見いだすことである。
前記課題は、成形体の質量に対して、
接着樹脂 固体として計算して5〜20質量%、および
カプセル壁としてのポリマーと、主として潜熱貯蔵材料からなるカプセルコアとを有するマイクロカプセル 1〜30質量%
を含有する、リグノセルロース含有材料からなる成形体により解決される。
本発明による成形体中に含有されているマイクロカプセルは、主として95質量%以上が潜熱貯蔵材料からなるカプセルコアと、カプセル壁としてのポリマーとを有する粒子である。カプセルコアはその場合、温度に依存して固体であるか、または液状である。カプセルの平均粒径(光散乱による数平均)は、0.5〜100μm、有利には1〜80μm、特に1〜50μmである。カプセルコア対カプセル壁の質量比は、一般に50:50〜95:5である。70:30〜90:10のコア/壁の比は有利である。
潜熱貯蔵材料は、定義によれば、熱の伝達が行われるべき温度範囲で相転移を有する物質である。有利には潜熱貯蔵材料は、−20〜120℃の温度範囲で固相/液相が転移する。通常、潜熱貯蔵材料は有機の、有利には親油性物質である。
適切な物質としてたとえば次のものが挙げられる:
− 脂肪族炭化水素化合物、たとえば飽和もしくは不飽和のC10〜C40−炭化水素、これは分枝鎖状であるか、有利には線状であり、たとえばn−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、n−ノナデカン、n−エイコサン、n−ヘンエイコサン、n−ドコサン、n−トリコサン、n−テトラコサン、n−ペンタコサン、n−ヘキサコサン、n−ヘプタコサン、n−オクタコサンならびに環式炭化水素、たとえばシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン;
− 芳香族炭化水素化合物、たとえばベンゼン、ナフタリン、ビフェニル、o−もしくはn−ターフェニル、C1〜C40−アルキル置換された芳香族炭化水素、たとえばドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ヘキサデシルベンゼン、ヘキシルナフタリンまたはデシルナフタリン;
− 飽和もしくは不飽和のC6〜C30−脂肪酸、たとえばラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸またはベヘン酸、有利にはデカン酸と、たとえばミリスチン酸、パルミチン酸またはラウリン酸との共融混合物;
− 脂肪アルコール、たとえばラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、やし油アルコールのような混合物ならびにα−オレフィンのヒドロホルミル化およびさらなる反応により得られるいわゆるオキソアルコール;
− C6〜C30−脂肪アミン、たとえばデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはヘキサデシルアミン;
− 脂肪酸のC1〜C10−アルキルエステルのようなエステル、たとえばプロピルパルミテート、メチルステアレートまたはメチルパルミテートならびに有利にはその共融混合物またはメチルシンナメート;
− 天然および合成のワックス、たとえばモンタン酸ワックス、モンタンエステルワックス、カルナウバロウ、ポリエチレンワックス、酸化ワックス、ポリビニルエーテルワックス、エチレンビニルアセテートワックスまたはフィッシャー・トロプシュ法による硬質ロウ;
− ハロゲン化炭化水素、たとえばクロロパラフィン、ブロモオクタデカン、ブロモペンタデカン、ブロモノナデカン、ブロモエイコサン、ブロモドコサン。
さらに、これらの物質の混合物は、所望の範囲外への融点の低下につながらないか、または混合物の溶融熱が有意義な適用のために低くなりすぎない限りは適切である。
有利であるのはたとえば純粋なn−アルカン、80%より高い純度を有するn−アルカンまたはアルカン混合物の使用であり、これらは工業的な蒸留液として生じ、そのままで市販されている。
さらに、無極性の物質の場合に一部現れる凝固点の低下を防止するために、カプセルコアを形成する物質をその可溶性の化合物として添加することが有利であり得る。有利には、US−A−5456852に記載されているように、本来のコア物質よりも20〜120K高い融点を有する化合物を使用する。適切な化合物は上記に親油性物質として挙げた脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪アミドならびに脂肪族炭化水素化合物である。これらはカプセルコアに対して0.1〜10質量%の量で添加する。
熱貯蔵材料が所望される温度範囲に応じて潜熱貯蔵材料を選択する。たとえば熱貯蔵材料は穏和な気候における建築材料中では有利には、その固相/液相の移行が0〜60℃の温度範囲にある潜熱貯蔵材料を使用する。たとえば通常は屋内での適用のためには15〜30℃の転移温度を有する単独物質または混合物を選択する。
有利な潜熱貯蔵材料は脂肪族炭化水素、特に有利には上記で例として挙げたものである。特に、16、17または18個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ならびにこれらの混合物が有利である。
カプセル壁のためのポリマーとして、原則として複写紙のためのマイクロカプセルのために公知の材料を使用することができる。たとえばGB−A−870476、US2,800,457、US3,041,289に記載されている方法により別のポリマーを含有するゼラチン中にカプセル化することが可能である。
極めて老化安定性であることに基づいて有利な壁材料は、ジュロプラスチックポリマー(熱硬化性ポリマー)である。ジュロプラスチックとはこの場合、高い架橋度に基づいて軟化せず、高温で分解する壁材料であると理解される。適切なジュロプラスチック壁材料はたとえば高度に架橋したホルムアルデヒド樹脂、高度に架橋したポリ尿素および高度に架橋したポリウレタンならびに高度に架橋したメタクリル酸エステルポリマーである。
ホルムアルデヒド樹脂とは、ホルムアルデヒドと、
− トリアジン、たとえばメラミン、
− カルバミド、たとえば尿素、
− フェノール、たとえばフェノール、m−クレゾールおよびレゾルシン、
− アミノ化合物およびアミド化合物、たとえばアニリン、p−トルエンスルホンアミド、エチレン尿素およびグアニジン
とからなる反応生成物またはこれらの混合物であると理解する。
カプセル壁材料として有利なホルムアルデヒド樹脂は尿素−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−メラミン−樹脂およびメラミン−ホルムアルデヒド樹脂である。同様に有利であるのは、これらのホルムアルデヒド樹脂のC1〜C4−アルキル、特にメチルエーテルならびにこれらのホルムアルデヒド樹脂との混合物である。特にメラミン−ホルムアルデヒド−樹脂および/またはこれらのメチルエーテルが有利である。
複写紙から公知の方法では、樹脂をプレポリマーとして使用する。プレポリマーは水相中に可溶性であり、かつ重縮合の過程で界面に移動し、かつ油滴を覆う。ホルムアルデヒド樹脂を用いたマイクロカプセル化のための方法は一般に公知であり、かつたとえばEP−A−562344およびEP−A−974394に記載されている。
ポリ尿素およびポリウレタンからなるカプセル壁は同様に複写紙から公知である。カプセル壁はNH2基もしくはOH基を有する反応体とジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートとの反応により生じる。適切なイソシアネートはたとえばエチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよび2,4−および2,6−トルイレンジイソシアネートである。さらにポリイソシアネート、たとえばビウレット構造を有する誘導体、ポリウレトンイミンおよびイソシアヌレートが挙げられる。反応体として次のものが考えられる:ヒドラジン、グアニジンおよびその塩、ヒドロキシルアミン、ジアミンおよびポリアミンおよびアミノアルコール。このような界面重付加法は、たとえばUS4,021,595、EP−A−0392876およびEP−A0535384から公知である。
有利であるのはそのカプセル壁が高度に架橋したメタクリル酸エステルポリマーであるマイクロカプセルである。この場合、架橋度は全ポリマーに対して10質量%以上の架橋割合で達成される。
有利なマイクロカプセルは、壁形成ポリマーが、モノマーIとしてのアクリル酸および/またはメタクリル酸の1もしくは複数のC1〜C24−アルキルエステル30〜100質量%、有利には30〜95質量%から構成されている。さらに、ポリマーは80質量%まで、有利には5〜60質量%、特に10〜50質量%が、水中で不溶性であるか、または難溶性であるモノマーIIとしての二官能性もしくは多官能性モノマーを共重合して含有している。その他に、ポリマーは40質量%まで、有利には30質量%まで、その他のモノマーIIIを共重合して含んでいてもよい。
モノマーIとして、アクリル酸および/またはメタクリル酸のC1〜C24−アルキルエステルが適切である。特に有利なモノマーIは、メチル−、エチル−、n−プロピル−およびn−ブチルアクリレートおよび/または相応するメタクリレートである。有利であるのはイソ−プロピル−、イソ−ブチル−、s−ブチル−およびt−ブチルアクリレートおよび相応するメタクリレートである。さらにメタクリロニトリルが挙げられる。一般にメタクリレートが有利である。
適切なモノマーIIは、水中で不溶性であるか、または難溶性であるが、しかし良好なないし限定的な溶解性を親油性物質中で有する二官能性もしくは多官能性モノマーである。難溶性とは20℃で60g/lより小さい溶解度であると理解される。二官能性もしくは多官能性モノマーとは、少なくとも2つの共役結合していないエチレン性二重結合を有する化合物であると理解する。主としてジビニルモノマーおよびポリビニルモノマーが考えられ、これらは重合の間にカプセル壁の架橋をもたらす。
有利な二官能性モノマーは、ジオールとアクリル酸もしくはメタクリル酸とのジエステル、さらにこれらのジオールのジアリルエーテルおよびジビニルエーテルである。
有利なジビニルモノマーは、エタンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、メタリルメタクリルアミドおよびアリルメタクリレートである。特に有利であるのは、プロパンジオール−、ブタンジオール−、ペンタンジオール−およびヘキサンジオールジアクリレートまたは相応するメタクリレートである。
有利なポリビニルモノマーは、トリメチロールプロパントリアクリレートおよび−メタクリレート、ペンタエリトリットトリアリルエーテルおよびペンタエリトリットテトラアクリレートである。
モノマーIIIとして、その他のモノマーが考えられ、有利であるのはモノマーIIIa、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン、ビニルアセテート、ビニルプロピオネートおよびビニルピリジンである。
特に有利であるのは、水溶性モノマーIIIb、たとえばアクリロニトリル、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリレートおよび−メタクリレートおよびアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。さらに特にN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよびジエチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。
本発明による使用のために適切なマイクロカプセルは、いわゆるインサイチュー重合により製造することができる。
有利なマイクロカプセルならびにその製造は、EP−A−457154、DE−A−10139171、DE−A−10230581、EP−A−1321182から公知であり、これらを明文をもって引用する。たとえばマイクロカプセルは、モノマー、ラジカル開始剤、保護コロイドおよびカプセル封入される親油性物質から、その中で分散相として該物質が存在する安定した水中油型エマルションを製造するように製造する。引き続き、モノマーの重合を加熱により開始し、かつ重合をさらに温度を高めることにより制御し、その際、生じるポリマーはカプセル壁を形成し、これは親油性物質を包囲する。
通常、重合は20〜100℃、有利には40〜80℃で実施する。当然のことながら、分散温度および重合温度は親油性物質の融点を上回っているべきである。
最終温度に達した後、残留モノマー含有率を低下させるために、重合を有利にはさらに約2時間までの時間、継続する。90〜99質量%の反応率での本来の重合反応に引き続き、通常は、水性のマイクロカプセル分散液がほぼにおいのキャリア、たとえば残留モノマーおよびその他の有機揮発性成分を含有しなくなるように実施することが有利である。これは自体公知の方法で物理的に蒸留による除去(特に水蒸気蒸留により)または不活性ガスを用いた除去により行うことができる。さらに、化学的に、WO9924525に記載されているように、有利には、たとえばDE−A−4435423、DE−A−4419518およびDE−A−4435422に記載されているようなレドックス開始剤による重合により行うことができる。
このようにして0.5〜100μmの範囲の平均粒径を有するマイクロカプセルを製造することができ、その際、粒径は自体公知の方法で、剪断力、攪拌速度、保護コロイドおよびその濃度により調節することができる。
有利な保護コロイドは水溶性のポリマーである。というのも、該ポリマーは73mN/mの水の表面張力を、最大で45〜70mN/mに低下させ、ひいては閉じたカプセル壁の形成を保証し、ならびに1〜30μm、有利には3〜12μmの有利な粒径を有するマイクロカプセルを形成するからである。
通常、マイクロカプセルを、アニオン性であっても、中性であっても良い少なくとも1の有機保護コロイドの存在下で製造する。アニオン性および非イオン性保護コロイドは一緒に使用することもできる。有利には無機保護コロイドを場合により有機保護コロイドとの混合物として使用する。
有機の中性保護コロイドは、セルロース誘導体、たとえばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンのコポリマー、ゼラチン、アラビアゴム、キサンタン、アルギン酸ナトリウム、カゼイン、ポリエチレングリコール、有利にはポリビニルアルコールおよび部分的に水素化されたポリビニルアセテートである。
アニオン性保護コロイドとして、ポリメタクリル酸、スルホエチルアクリレートおよび−メタクリレート、スルホプロピルアクリレートおよび−メタクリレート、N−(スルホエチル)−マレイミド、2−アクリルアミド−2−アルキルスルホン酸、スチレンスルホン酸ならびにビニルスルホン酸のコポリマーが適切である。
有利なアニオン性保護コロイドは、ナフタリンスルホン酸およびナフタリンスルホン酸−ホルムアルデヒド−縮合物ならびに特にポリアクリル酸およびフェノールスルホン酸−ホルムアルデヒド−縮合物である。
アニオン性保護コロイドは通常、エマルションの水相に対して、0.1〜10質量%の量で使用する。
有利であるのはアニオン性保護コロイド、いわゆるピッカリング系であり、これは極めて微細な固体の粒子による安定化が可能であり、かつ水中で不溶性であるが、しかし分散性であるか、または水中で不溶性であって、非分散性であるが、親油性の物質により濡れることができる。
その作用様式およびその使用はEP−A−1029018ならびにEP−A−1321182に記載されており、その内容を明言をもって引用する。
この場合、ピッカリング系は、固体の粒子単独からなるか、またはさらに水中での粒子の分散性または親油相による粒子の湿潤性を改善する助剤からなっていてもよい。
無機の固体粒子は、金属塩、たとえばカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、ニッケル、チタン、アルミニウム、ケイ素、バリウムおよびマンガンの塩、酸化物および水酸化物であってよい。水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、蓚酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムおよび硫化亜鉛が挙げられる。ケイ酸塩、ベントナイト、ハイドロキシアパタイトおよびハイドロタルサイトも同様に挙げられる。特に有利であるのは高分散性のケイ酸、ピロリン酸マグネシウムおよびリン酸三カルシウムである。
ピッカリング系は、最初に水相に添加しても、攪拌される水中油型エマルションに添加してもよい。多くの微細な固体の粒子は、たとえばEP−A−1029018、ならびにEP−A−1321182に記載されているように、沈殿により製造される。
高分散性のケイ酸は、微細の固体粒子として水中に分散することができる。あるいはまた、水中のケイ酸のいわゆるコロイド分散液を使用することもまた可能である。コロイド分散液は、ケイ酸のアルカリ性の水性混合物である。アルカリ性のpH範囲で粒子は膨潤し、かつ水中で安定している。ピッカリング系としてのこれらの分散液を使用するために、水中油型エマルションのpH値を酸によりpH2〜7に調整することが有利である。
無機保護コロイドは通常、水相に対して0.5〜15質量%の量で使用する。
一般に有機中性保護コロイドは、水相に対して0.1〜15質量%、有利には0.5〜10質量%の量で使用する。
有利には安定した水中油型エマルションを製造するための分散条件を、油滴が所望のマイクロカプセルの大きさを有するように、自体公知の方法で選択する。
マイクロカプセルはリグノセルロースを含有する材料のために通常使用される接着樹脂中に混合することができる。
リグノセルロースを含有する材料は、従来技術に相応して、たとえば丸太および木片、製材所および単板加工の廃物、かんなくずおよび丸剥ぎ機の削り屑ならびにその他のリグノセルロースを含有する原料、たとえばバガス、亜麻結束繊維、綿の茎、ジュート、サイザル、わら、亜麻、ココナッツ繊維、バナナ繊維、大麻およびコルクである。特に有利であるのは木繊維または木材チップである。この場合、原料は、顆粒、粉または有利には木材チップ、繊維および/またはかんな屑の形で存在していてよい。
接着樹脂としてアミノプラスト樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂およびポリカルボン酸樹脂が有利なものとして挙げられる。
アミノプラスト樹脂として、尿素またはメラミンのホルムアルデヒド縮合物をベースとするバインダーが考えられる。これらは水溶液として、または粉末として、Kaurit(R)ならびにKauramin(R)(BASF社製)の名称で市販されており、かつ尿素−および/またはメラミン−ホルムアルデヒド−縮合物を含有している。混合縮合物および別の成分、たとえばフェノールあるいはまたその他のアルデヒドを含有していてもよい縮合物が通常である。適切なアミノプラスト樹脂およびフェノール樹脂は、尿素−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド−フェノール縮合物、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物、フェノール−レゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物、尿素−ホルムアルデヒド縮合物およびメラミンホルムアルデヒド縮合物ならびにこれらの混合物である。その製造および使用は一般に公知である。通常、出発材料の前縮合を、200〜500mPasの粘度になるまで実施する(66質量%の樹脂溶液に対する)。
有利であるのは尿素−ホルムアルデヒド樹脂、特に尿素1モル対ホルムアルデヒド1.1〜1.4モルのモル比を有する樹脂である。
アミノプラスト樹脂を加工する際に、可溶性および溶融可能なアミノプラスト前縮合物を、溶融することができず、かつ不溶性の生成物にする。硬化とよばれるこの工程の際に、周知のように、前縮合物の十分な架橋が行われ、これは通常、硬化剤により促進される。
硬化剤として当業者に公知の尿素−、フェノール−および/またはメラミン−ホルムアルデヒド−樹脂のための硬化剤、たとえば酸性で反応するおよび/または酸を分離する化合物、たとえばアンモニウム塩またはアミン塩を使用することができる。通常、硬化剤の割合は、接着樹脂浴中で、液状の樹脂成分に対して1〜5質量%である。
イソシアネート樹脂として、すべての通例のメチレンジフェニレンイソシアネート(MDI)ベースの樹脂が適切である。これらは通常、モノマー、ポリマーおよびオリゴマーのジイソシアネートからなる混合物、つまりセルロース、リグニンおよび木材の湿分と反応することができるいわゆる前縮合物からなる。これにより製造される成形体の樹脂含有量は通常、成形体に対して3〜5質量%である。
適切なイソシアネート樹脂はたとえば商標Lupranat(R)(Elastogran社)として市販されている。
さらに接着樹脂として、
A)ラジカル重合により得られるポリマー、これは5〜100まで、有利には5〜50質量%までが、エチレン性不飽和酸無水物または有利にはそのカルボン酸基が無水物基を形成することができるエチレン性不飽和ジカルボン酸(モノマーa)、および0〜95、有利には50〜95質量%までが、モノマーa)とは異なるモノマーb)からなり、かつ
B)少なくとも2つのヒドロキシル基を有するアルカノールアミンを含有する
ポリカルボン酸樹脂が適切である。
このような樹脂はEP−A−882093に記載されており、これを明文をもって引用する。
特に有利であるのは、モノマーa)としてマレイン酸および/または無水マレイン酸を含有するポリマーである。
有利なモノマーb)は、アクリル酸、メタクリル酸、エテン、プロペン、ブテン、イソブテン、シクロペンテン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルアセテート、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリルもしくはこれらの混合物である。特に有利であるのはアクリル酸、メタクリル酸、エテン、アクリルアミド、スチレンおよびアクリロニトリルもしくはこれらの混合物である。
特に、モノマーb)が少なくとも1のC3〜C6−モノカルボン酸、有利にはアクリル酸をコモノマーb)として含有しているものが有利である。
ポリマーは通例の重合法により、たとえば塊状重合、エマルション重合、懸濁重合、分散重合、沈殿重合および溶液重合により製造することができる。すべての重合法にとって、通例の装置、たとえば攪拌反応器、攪拌反応器カスケード、オートクレーブ、管型反応器および混練機を使用する。その際、当業者に周知であるように、酸素の排除下で作業する。有利には溶液重合およびエマルション重合の方法により作業する。重合は水中で、場合により溶剤または希釈剤としてのアルコールまたはグリコール60質量%までの割合で実施する。
水性の溶液または希釈液中で重合する場合、エチレン性不飽和カルボン酸を重合の前に、または重合の間に、全部または一部を塩基により中和することができる。塩基としてたとえばアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物、アンモニア、第一級、第二級および第三級アミン、たとえばジエタノールアミンおよびトリエタノールアミン、ならびに多塩基アミンが考えられる。
特に有利にはエチレン性不飽和カルボン酸を、重合の前にも、重合の間にも中和しない。有利には重合の後にも、アルカノールアミンB)を除いて、中和剤を添加しない。
重合の実施は、多数の変法により連続的に、または不連続的に実施することができる。通常、モノマーの一部を場合により適切な希釈剤または溶剤中で、および場合により乳化剤、保護コロイドまたは別の助剤の存在下で装入し、不活性化し、かつ温度を所望の重合温度になるまで高める。定義された時間内で、ラジカル開始剤、別のモノマーおよびその他の助剤、たとえば調節剤または架橋剤をそのつど場合により希釈剤中で計量供給する。
有利にはポリマーA)は、有利には10〜80質量%、特に40〜65質量%の固体含有率を有する水性の分散液または溶液の形で存在する。
成分B)として、2つのOH基を有するアルカノールアミンを使用し、たとえばこれにはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミンおよびメチルジイソプロパノールアミンが挙げられる。トリエタノールアミンが有利である。
ポリカルボン酸樹脂を製造するために、ポリマーA)およびアルカノールアミンB)を有利には、成分A)のカルボキシル基と、成分B)のヒドロキシル基とのモル比が20:1〜1:1、有利には8:1〜1.5:1および特に有利には5:1〜1.7:1であるように使用する(この場合、無水物基は2つのカルボキシル基として計算される)。
ポリカルボン酸樹脂の製造は、たとえばポリマーA)のアルカノールアミンを水性の分散液または溶液に添加することにより容易に行う。
マイクロカプセルは成形体のために使用される、木繊維もしくは木材チップおよびバインダーからなる混合物のためのベースとして、種々の方法および製造工程の種々の箇所で添加することができる。
マイクロカプセルは粉末として、または有利には分散液としてバインダー組成物中に混合することができる。その際、成形体に対して、マイクロカプセル2〜30質量%、有利には5〜15質量%を混合する。しかし同様に、マイクロカプセルを第一の方法工程で、リグノセルロース含有材料と一緒に乾燥させ、かつ引き続き、接着樹脂を用いて熱により硬化させることも可能である。
さらに本発明は、バインダー組成物100質量%に対して、接着樹脂を固体として計算して40〜95質量%、有利には40〜65質量%、特に50〜60質量%、マイクロカプセルを5〜40質量%、有利には10〜35質量%、特に20〜30質量%および場合により水を含有するバインダー組成物に関する。
さらに、リグノセルロース含有材料からなる成形体のための接着樹脂と共に、通例の助剤および添加剤、たとえば上記の硬化剤、緩衝剤、殺虫剤、殺菌剤、充填剤、疎水化剤、たとえばシリコーン油、パラフィン、ワックス、脂肪セッケン、保水剤、湿潤剤および難燃剤、たとえばホウ酸塩および水酸化アルミニウムを使用することができる。相応してこれらの助剤および添加剤は、本発明によるバインダー組成物中に含有されていてもよい。
本発明による成形体は特に板である。使用されるリグノセルロース含有粒子の大きさに応じて、OSB板(配向性ボード)、パーティクルボードおよび中密度ファイバーボード(MDF)および高密度ファイバーボード(HDF)を区別する。有利には本発明によるバインダー組成物はパーティクルボード材料のために、特にボードのために使用される。
リグノセルロース含有材料は、マイクロカプセルにより、または本発明によるバインダー組成物により直接被覆することができる。1変法によれば、リグノセルロース含有材料をバインダー組成物と混合し、かつこの混合物を熱により硬化させ、その際、バインダー組成物は、カプセル壁としてのポリマーと共に接着樹脂40〜95質量%およびマイクロカプセル5〜40質量%、および主として潜熱貯蔵材料と水0〜20質量%とからなるカプセルコアとを有する。
1変法によれば、リグノセルロース含有材料に、リグノセルロース含有材料と、バインダー組成物との全量に対して、水性のバインダー組成物9〜30質量%、有利には12〜20質量%を添加する。
水性のバインダー組成物の粘度は有利には(特に木繊維または木材チップからなる成形体を製造する際に)、10〜10000、特に有利には50〜1500およびとりわけ有利には100〜1000mPa・s(DIN 53019、回転粘度計、41秒-1)に調整する。
リグノセルロース材料とバインダー組成物とからなる混合物は、たとえば10〜150℃の温度で前乾燥することができ、かつ引き続きたとえば50〜300℃、有利には100〜250℃および特に有利には140〜225℃の温度および一般に2〜200バール、有利には5〜100バール、特に有利には20〜50バールの圧力で圧縮して成形体にすることができる。意外にも、高い成形温度を圧力と組み合わせるにもかかわらず、成形温度は多くの場合、カプセル壁材料の軟化温度を超えるのに、マイクロカプセルの破壊が生じない。
本発明によるバインダー組成物は、特に木材材料、たとえば粉砕した木材、たとえば木くずまたは木繊維を接着することにより製造することができる木材パーティクルボードおよび木繊維版を製造するために適切である(Ullmanns Encyclopaedie der technischen Chemie、第4版、1976年、第12巻、第709〜727頁を参照のこと)。
パーティクルボードの製造は一般に公知であり、かつたとえばH.J.Deppe、K.Ernst、Taschenbuch der Spanplattentechnik、第2版、Verlag Leinfelden、1982に記載されている。
パーティクルボードを製造する際に、あらかじめ乾燥させた木材チップへの接着剤の塗布を連続的なミキサー中で行う。多くの場合、種々の木材チップフラクションに別々のミキサー中で様々に接着剤を塗布し、かつ次いで別々に(多層ボード)、または一緒に中身をあける。木材チップへのマイクロカプセルの添加は水溶液中で、乾燥器の前で連続的な混合機中で、または接着剤の塗布の際に接着剤と一緒に、または別々に行うことができる。両方の方法の組合せも可能である。
有利には、その平均的な厚さが平均して0.1〜2mm、特に0.2〜0.5mmであり、かつ水を6質量%未満含有する木材チップを使用する。バインダー組成物は木材チップに対してできる限り均一に、たとえば、バインダー組成物を微分散した形で木材チップに噴霧することにより施与する。
接着剤を塗布した木材チップを引き続き、できる限り均一な表面を有する層になるよう広げ、その際、層の厚さは完成したパーティクルボードの所望の厚さに適合させる。広げた層を場合により低温で前圧縮し、かつたとえば100〜250℃、有利には140〜225℃の温度で、通常、10〜750バールの圧力を適用することにより、寸法形状の安定したボードになるよう圧縮する。必要とされるプレス時間は、広い範囲で変化することができ、かつ一般に15秒〜30分である。
バインダーから中密度ファイバーボード(MDF)を製造するために必要とされる適切な品質の木繊維は、樹皮を有していない木材砕片を特殊な粉砕機中で、またはいわゆるリファイナー中で、約180℃の温度で粉砕することにより製造することができる。
MDFボードおよびHDFボードを製造する場合、繊維をリファイナーの後にブローラインで接着剤を塗布する。接着剤の塗布のために、木繊維を一般には空気流により流動させ、かつバインダー組成物をこうして生じた繊維流中に噴霧する(「ブローライン」法)。接着剤を塗布された繊維は次いで乾燥器中を通過し、ここで7〜13質量%の残留湿分になるまで乾燥される。場合により繊維をまず乾燥し、かつ後から特殊な連続ミキサー中で接着剤を塗布する。ブローラインとミキサー接着との組合せも可能である。繊維へのマイクロカプセルの添加は、ブローライン中で水溶液として接着剤と一緒に、またはは別々に行うことができる。乾燥含有率もしくは固体含有率に対する木繊維対バインダー組成物の比は、通常、40:1〜3:1、有利には20:1〜4:1である。接着剤を塗布された繊維は繊維流中で、たとえば130〜180℃の温度で乾燥させて、繊維フリースに散布し、場合により低温で前圧縮し、かつ20〜40バールの圧力でボードまたは成形体へと圧縮する。
OSBを製造する場合、木片(ストランド)を1〜4%の残留湿分になるまで乾燥させ、中層材料および上層材料中で別々に、および連続的なミキサー中で別々に接着剤を塗布する。木片へのマイクロカプセルの添加は水溶液として乾燥器の前で、連続的なミキサー中で、または接着の際に接着剤と一緒に、または別々に行うことができる。両方の方法の組合せも可能である。
ボードを製造するために、次いで接着剤を塗布した木片をマットへと成形し、場合により低温で前圧縮し、かつ加熱されたプレス中、170〜240℃の温度でボードへとプレスする。
接着剤を塗布した木繊維は、たとえばDE−A−2417243に記載されているように、輸送可能なファイバーマットへと加工することもできる。次いでこの半製品を第二の、時間的および空間的に分離した工程でボードまたは成形体、たとえば自動車のドアの内装へとさらに加工することができる。
本発明によるバインダー組成物はさらに、一般に公知の製造法により、合板または指物用の板を製造するためにも適切である。
その他の上記の天然繊維、たとえばサイザル、ジュート、大麻、わら、亜麻、ココナッツ繊維、バナナ繊維およびその他の天然繊維もまた、バインダーを用いてボードおよび成形体へと加工することができる。天然繊維はプラスチック繊維、たとえばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミドまたはポリアクリロニトリルとの混合物として使用することもできる。その際、これらのプラスチック繊維は、本発明によるバインダー組成物とならんで補助的なバインダーとして機能する。その際、プラスチック繊維の割合は、すべての木材チップ、かんな屑または繊維に対して、有利には50質量%未満、特に30質量%未満、およびとりわけ有利には10質量%未満である。繊維の加工は、木繊維板において実際に適用されている方法により行うことができる。あるいはまた、前成形した天然繊維マットを本発明によるバインダーで、場合により湿潤助剤の添加下で含浸することもできる。次いで、含浸したマットをバインダーで湿らした、または前乾燥した状態で、たとえば100〜250℃の温度および10〜100バールの圧力でボードまたは成形部材へとプレスする。
本発明による成形体、特にパーティクルボードは、壁および天井のパネルのような屋内の適用のために好適である。さらに成形体は、たとえば家具および積層フローリングの製造のためには被覆により表面を強化することができる。これらは良好な熱貯蔵特性を有する。予想外にも、本発明によるボードは、水の吸収ならびに水貯蔵後の厚さにおける膨潤において良好な結果を示す。
以下の実施例は本発明を詳細に説明するためのものである:
マイクロカプセルの製造:
水相:
水 572g、
pH9.3で水中のSiO2の50質量%のコロイド分散液(平均粒径108.6nm、光散乱によるZ−平均値) 80g、
2.5質量%の水性亜硝酸ナトリウム溶液 2.1g、
1質量%の水性メチルセルロース溶液(水中2%で粘度15000mPas) 20g、
油相:
16〜C18−アルカン混合物(溶融温度26℃) 440g、
メチルメタクリレート 77g、
ブタンジオールジアクリレート 33g、
エチルヘキシルチオグリコレート 0.76g、
t−ブチルペルピバレート 1.35g、
供給流1:t−ブチルヒドロペルオキシド、水中70質量% 1.09g、
供給流2:アスコルビン酸 0.34g、NaOH 0.024g、H2O 56g。
室温で上記の水相を装入し、かつ10%の硝酸3gでpH4に調整した。油相を添加した後で、高速で運転される溶解攪拌機により4800rpmで分散した。40分の分散の後に直径1〜9μmの粒径の安定したエマルションが得られた。該エマルションを馬蹄型攪拌機で攪拌しながら40分で56℃に加熱し、さらに20分以内に58℃に、さらに60分以内に71℃に、およびさらに60分後に85℃に加熱した。生じたマイクロカプセル分散液を撹拌下で70℃に冷却し、かつ供給流1を添加した。供給流2を70℃で攪拌しながら80分にわたり計量供給した。引き続き、冷却した。生じたマイクロカプセル分散液は、47.2質量%の固体含有率および5.8μm(体積平均値、フラオエンホーファーの回折により測定)の平均粒径を有していた。
分散液を実験室用噴霧乾燥器中で2流体ノズルおよびサイクロン式分離器により加熱ガスの入口温度130℃および噴霧塔からの粉末の出口温度70℃で問題なく乾燥することができた。マイクロカプセル分散液および粉末は、示差熱量測定において1K/分の加熱速度で加熱した際に、アルカン混合物1gあたり110Jの転移エンタルピーで24.5〜27.5℃の融点を示した。
例1:潜熱貯蔵材料を含有するパーティクルボード
5400gの乾燥した木材チップに、
尿素−ホルムアルデヒド−樹脂、68% 100.0g、
パラフィン−エマルション、60% 6.3g、
硝酸アンモニウム溶液、52% 4.0g
マイクロカプセル、42% 23.5g、
マイクロカプセル、粉末 14.8g
からなる混合物1628gを噴霧し、かつここから3370gを型(56.5cm×44cm)に移した。材料をプレスで190℃で18mmの厚さに230秒でプレスしてパーティクルボードが得られた。
パーティクルボードは、固体樹脂14%/atro木材チップ、固体ワックス0.5%/atro木材チップおよびマイクロカプセル5%/atro木材チップ(atro=乾燥した木材チップに対する)を有していた。
パーティクルボードの試験
膨潤による厚みの増大:ノギスにより水貯蔵に基づいたボードの厚みの増加のパーセンテージを測定した。
パーティクルボードの特性:
厚さ 18mm、
密度 689kg/m3
横引張強さ、乾燥 0.70N/mm2
2時間の水貯蔵後の膨潤 1.8%、
24時間後の水貯蔵の膨潤 11.0%。
例2:潜熱貯蔵材料を含有するMDFボード
1000gatro繊維に42%マイクロカプセル50gおよび
尿素−ホルムアルデヒド−樹脂、68% 100.0g、
パラフィン−エマルション、60% 3.2g、
水 11.8g
からなる接着剤バッチを噴霧し、かつ8%の湿分になるまで乾燥させた。ここから920gを型(30cm×30cm)の中に移した。材料をプレスで190℃で12mmの厚さに300秒でプレスしてMDFボードが得られた。
MDFボードは固体樹脂14%/atro繊維、固体ワックス0.5%/atro繊維およびマイクロカプセル5%/atro繊維を含有していた。
MDFボードの特性:
厚さ 10.7mm、
密度 744kg/m3
横引張強さ 0.95N/mm2
2時間の水貯蔵後の膨潤 2.2%、
24時間後の水貯蔵の膨潤 7.1%。

Claims (13)

  1. 成形体の質量に対して、
    接着樹脂 固体として計算して5〜20質量%、および
    カプセル壁としてのポリマーと、主として潜熱貯蔵材料からなるカプセルコアとを有するマイクロカプセル 1〜30質量%
    を含有する、リグノセルロース含有材料からなる成形体。
  2. 接着樹脂をアミノプラスト樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂およびポリカルボン酸樹脂から選択する、請求項1記載の成形体。
  3. 接着樹脂が、尿素および/またはメラミン・ホルムアルデヒド樹脂である、請求項1または2記載の成形体。
  4. 潜熱貯蔵材料が、−20℃〜120℃の温度範囲で固・液相の相転移を有する親油性物質である、請求項1から3までのいずれか1項記載の成形体。
  5. 潜熱貯蔵材料が、脂肪族炭化水素化合物である、請求項1から4までのいずれか1項記載の成形体。
  6. カプセル壁が高度に架橋したメタクリル酸エステルポリマーである、請求項1から5までのいずれか1項記載の成形体。
  7. カプセル壁が、そのつどモノマーの全質量に対して、
    1もしくは複数のアクリル酸および/またはメタクリル酸のC1〜C24−アルキルエステル(モノマーI) 30〜100質量%、
    水中で不溶性であるか、または難溶性である二官能価もしくは多官能価モノマー(モノマーII) 0〜80質量%および
    その他のモノマー(モノマーIII) 0〜40質量%
    からなる、請求項1から6までのいずれか1項記載の成形体。
  8. モノマー、ラジカル開始剤および潜熱貯蔵材料が分散相としてその中に存在している水中油型エマルションを加熱することによりマイクロカプセルが得られる、請求項1から7までのいずれか1項記載の成形体。
  9. リグノセルロース含有材料とバインダー組成物とを混合し、かつ該混合物を熱により硬化させることにより得られ、その際、バインダー組成物は、
    接着樹脂 固体として計算して40〜95質量%、
    カプセル壁としてのポリマーと、主として潜熱貯蔵材料からなるカプセルコアとを有するマイクロカプセル 5〜40質量%および
    水 0〜20質量%
    を含有する、請求項1から8までのいずれか1項記載の成形体。
  10. 請求項1記載の成形体の製造方法において、リグノセルロース含有材料をマイクロカプセルと一緒に乾燥させ、かつ引き続き接着樹脂を用いて熱により硬化させることを特徴とする、請求項1記載の成形体の製造方法。
  11. リグノセルロース含有材料をバインダー組成物と混合し、かつ該混合物を熱により硬化させ、その際、該バインダー組成物は、
    接着樹脂 固体として計算して40〜95質量%、
    カプセル壁としてのポリマーと、主として潜熱貯蔵材料からなるカプセルコアとを有するマイクロカプセル 5〜40質量%および
    水 0〜20質量%
    を含有することを特徴とする、請求項9記載の成形体の製造方法。
  12. 木繊維および/または天然繊維、木材チップおよび/またはかんな屑をバインダー組成物との混合物として熱により硬化させることを特徴とする、請求項11記載の方法。
  13. 接着樹脂 固体として計算して40〜95質量%、
    カプセル壁としてのポリマーと、主として潜熱貯蔵材料からなるカプセルコアとを有するマイクロカプセル 5〜40質量%および
    水 0〜20質量%
    を含有する、バインダー組成物。
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