JP2005061078A - 蓄熱性建材 - Google Patents

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Abstract

【課題】充填用素材と蓄熱材を内包するマイクロカプセルを混合して得られる蓄熱性建材を加工した場合、及び熱履歴を繰り返した場合に生じるマイクロカプセルの損傷と破壊を防止し、蓄熱性建材としての耐久性を向上させることを目的とする。
【解決手段】蓄熱材と充填用素材からなる蓄熱性建材において、蓄熱材が、複数の蓄熱材を内包するマイクロカプセルを造粒して得られた平均粒径10μm〜50mmの範囲の造粒物を用いる。造粒の工程で結着剤を用いることが好ましい。充填用素材としてセメント系材料、石膏系材料が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明の蓄熱性建材は、建材の主材となる充填用素材と蓄熱材が混和された建築用材料に関するものであり、本発明の蓄熱性建材を住宅やビルの壁、床、天井等の材料として用いらることにより、夏場は涼しく、冬場は暖かい室内環境を提供し得る耐久性の高い蓄熱性建材に関するものである。
近年、地球温暖化抑制が世界的に重要視されるようになり、その対策として化石燃料を燃焼させた際に多量に発生する二酸化炭素の削減化策が大きな問題となっている。特に建物の居住環境や作業環境を維持するために消費されるエネルギーは膨大な量となり、その削減や有効利用等の省エネルギー対策が不可欠である。通常、外気温の変動に対し室内の温度を快適な範囲の温度域に維持するために、建物自体の機密性を高めたり、壁や天井、床などの建物の中に多量の断熱材を配する対策が広く一般に用いられており、室内と室外の熱移動を極力抑える対策が昨今の主流である。
夏場の室温上昇防止または冬場の室温低下を意図するのであれば、上記のように躯体の断熱性を高めることが有効且つ容易であるが、太陽光エネルギーや朝方の冷気を蓄熱可能な材料を躯体として用いることにより人工的な冷暖房機器を使用しなくても自然の温冷熱を利用して快適な室内環境を作り出すことが可能である。その目的を達成するために潜熱蓄熱材を組み込んだ建材の研究が広く熱心に行われている。(例えば、特許文献1〜4参照)また、本発明者も蓄熱材を内包するマイクロカプセルをセメントや石膏等の水硬系材料中に練り込んで蓄熱性能を有する建材(例えば、特許文献5〜7参照)を提案した。
通常、ボード状の建材は主材となる木材、合成樹脂などの充填用素材を加圧・加熱して成型されるが、上記提案の如くマイクロカプセルを混入したボード状建材を作製する場合に高圧及び高温を加えるとマイクロカプセルの損傷、破壊が生じることがあった。また水硬系材料の場合には、前者のように強圧や高温が加えられなくても水和反応すなわち硬化反応が進むに従いマイクロカプセル皮膜の劣化や損傷ひいては破壊が顕著に生じることが判明した。その原因として上記水硬系材料が硬化する際に伴う収縮、脱水、発熱反応などがマイクロカプセルに悪影響を与えているものと考えられるが、最も大きな要因としてマイクロカプセル自体の収縮と膨張が挙げられる。すなわちマイクロカプセルに内包されている蓄熱材はその相変化の際に体積の収縮・膨張を繰り返し、少なからずマイクロカプセル皮膜に物理的ストレスを与えているものと考えられる。
通常マイクロカプセルの分散液であれば個々のマイクロカプセルの周囲には水や各種溶媒が存在するために体積膨張によるストレスは容易に緩和・吸収されるが、本発明の如くマイクロカプセルの周囲を固形の材料で覆われた状態では蓄熱材の体積収縮・膨張による物理的ストレスが発散または分散できないため極めて損傷を受けやすい状態であると考えられる。更に破壊を受け浸み出してきた蓄熱材は水硬系材料中に浸透し、長時間高温に曝された場合には次第に揮発して蓄熱性能の低下のみならず、気相中へ飛散することにより室内空気汚染の原因にもなりかねなかった。
特開昭57−202493号公報 特開昭58−2379号公報 特開昭62−117931号公報 特公平2−29824号公報 特開平10−297950号公報 特開2000−305872号公報 特開2000−305873号公報
本発明の課題は、建築用材料の主材となる充填用素材と蓄熱材を内包するマイクロカプセルを混合して加圧、加熱、養生工程を経た場合に生じるマイクロカプセルの損傷と破壊を防止し、蓄熱性建材としての耐久性を向上させることを目的とするものである。
本発明の課題は、建築用材料の主材となる充填用素材と蓄熱材からなる蓄熱性建材において、蓄熱材が複数のマイクロカプセルからなる平均粒径が10μm〜50mmの範囲の造粒物を用いることにより達成される。
上記手段を用いることにより、充填用素材とマイクロカプセルを混合して強加圧、強加熱を施してもマイクロカプセルの損傷や破壊は最小限に止めることが可能となり、また水硬系化合物と混合して養生工程を経ても同様に損傷や破壊は極めて小さいことが判明した。
本発明の蓄熱性建材の製法は次の3工程に大別される。1.マイクロカプセルの製造工程、2.マイクロカプセルの造粒工程、3.マイクロカプセル造粒物と充填用材料との混和及び成型工程。1.のマイクロカプセルの製法として物理的方法と化学的方法が知られているが、特に潜熱蓄熱材をマイクロカプセル化する方法としては、複合エマルジョン法によるカプセル化法(特開昭62−1452号公報)、蓄熱材粒子の表面に熱可塑性樹脂を噴霧する方法(特開昭62−45680号公報)、蓄熱材粒子の表面に液中で熱可塑性樹脂を形成する方法(特開昭62−149334公報)、蓄熱材粒子の表面でモノマーを重合させ被覆する方法(特開昭62−225241公報)、界面重縮合反応によるポリアミド皮膜マイクロカプセルの製法(特開平2−258052公報)等に記載されている方法が用いられる。
マイクロカプセルの膜材としては、界面重合法、インサイチュー(in-situ)法等の手法で得られるポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂、またはゼラチンとカルボキシメチルセルロース若しくはアラビアゴムとのコアセルベーション法を利用した合成あるいは天然の樹脂が用いられるが、物理的、化学的に安定なインサイチュー法によるメラミンホルマリン樹脂皮膜、尿素ホルマリン樹脂皮膜を用いたマイクロカプセルを使用することが特に好ましい。
潜熱蓄熱材の相転移温度は特に限定されないが、快適な温度環境維持を目的としていることを考慮すれば、潜熱蓄熱材の融点が5℃以上、且つ50℃以下が望ましい。しかしながら、日本の様に北と南で温度差が大きい気候風土で潜熱蓄熱材の融点を最も快適とされる20℃付近に一定にしてしまうことは、蓄熱材の機能が充分発揮されないことになるため、その土地の気候環境に応じた融点設定又は、2種類以上の融点を有する潜熱蓄熱材を別々に内包したマイクロカプセルを組み合わせることが効果的である。
具体的には、夏場の室内の温度上昇を抑えるためには約20℃以上、且つ30℃以下に融点を有する潜熱蓄熱材のマイクロカプセルを用い、冬場の室温の低下を抑えるために0℃以上、且つ20℃以下に融点を有する潜熱蓄熱材のマイクロカプセルの2種類を含む建材を用いることにより年間を通してより快適な室内環境を提供し得ることが期待出来る。
また、25℃以上、且つ50℃以下の比較的高い相転移温度の潜熱蓄熱材を使用することによって、床暖房システムの一部を構成させたり、5℃以上、且つ25℃以下の比較的低い相転移温度の潜熱蓄熱材を使用することによって、冷房システムの効率化を伴う補助蓄熱材として構成させたりすることも可能である。
本発明で使用出来る好ましい潜熱蓄熱材としては、C14〜C20の範囲のn−パラフィン類や、無機系共晶物および無機系水和物、酢酸、カプリル酸等の脂肪酸類、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、デシルアルコール等のアルコール類等の化合物が挙げられ、好ましくは融解熱量が約80kJ/kg以上の化合物で、化学的、物理的に安定でしかも安価なものが用いられる。これらは混合して用いても良いし、必要に応じ過冷却防止剤、比重調節剤、劣化防止剤等を添加することが出来る。
2.の造粒工程は1.で得られたマイクロカプセル分散液を乾燥して一定の大きさ及び形状に整える工程である。具体的な乾燥方法として、マイクロカプセル分散液をスプレードライング法、ドムドライング法、フリーズドライング法などで粉末化、固形化したりすることで得られる。これらの粉末形態の造粒物はそのままの状態で水硬系化合物と混合されても良いが、更なる造粒工程を経て粒径を更に大きくすることができる。具体的には、マイクロカプセルの粉末や脱水したケーキに水や増粘材を添加した後、適する造粒方法で粒状に加工される。
造粒方法としては、転動造粒法、押し出し型造粒法、ロール圧縮造粒法、打錠造粒法等の各種造粒方法が用いられるがマイクロカプセルの損傷のない装置、条件を選ぶ必要があり、好ましくは一定径の孔から連続的に成型物が押し出される押し出し型造粒方法が好ましい。粉体の形状は、球状、楕円形、立方体、直方体、円柱状、円錐状、桿状、正多面体、星形、筒型等如何なる形状でも良い。本発明で述べる蓄熱材の平均粒径とは真球状のものであればその直径を意味するが、それ以外のものについては最短系と最長径の平均値を意味する。本発明で述べる蓄熱材の平均粒径の好ましい範囲は10μm〜50mm、好ましくは20μm〜10mmの範囲に成型されることが好ましい。この範囲以下の大きさであると本発明の耐久性向上の目的は達しえず、またこの範囲以上であると水硬系化合物への練り込みが困難になるため好ましくない。
上記、粉体化および造粒化の工程で結着剤が用いられ、造粒物に圧力が加えられても容易に物理的ストレスを吸収できるように結着剤を用いて造粒物に柔軟性が付与される。更にマイクロカプセル同士の凝集力、耐水性、強度を高めるために不可欠な成分である。本発明で用いられる結着剤の具体例として、結着能及び皮膜形成能を有する従来より公知の天然高分子物質、天然高分子変性品(半合成品)、及び合成品を用いることができる。
天然高分子物質としては、酸化でんぷん、リン酸エステル化でんぷん等の多糖類、並びにゼラチン、カゼイン、にかわ、及びコラーゲン等のタンパク質等が挙げられる。また、半合成品としては、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の繊維素誘導体が用いられる。
また、合成品としては、ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、アリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、及びポリビニルイソブチルエーテル等の変性ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル部分けん化物、及びポリ(メタ)アクリルアマイド等のポリ(メタ)アクリル酸誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、及びビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体の親水性高分子や、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレンブタジエン共重合体、カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、アクリル酸メチルブタジエン共重合体、及びエチレン酢酸ビニル共重合体等のラテックス類等、メラミンホルムアルデヒド初期宿業物、尿素ホルマリン初期宿業物等が挙げられるが、ポリウレタン系樹脂がその耐水性、柔軟性等の点で最も好ましい結着剤として挙げられる。
前記結着剤は、マイクロカプセル固形質量に対し1〜80%(w/w)、好ましくは5〜50%(w/w)の範囲で用いられる。この範囲以上であると蓄熱性能の低下が生じ好ましくなく、またこの範囲以下であると結着能力の低下とマイクロカプセルの収縮・膨張の際のストレス吸収に預からないので好ましくない。
3.のマイクロカプセル造粒物と充填用材料との混和及び成型工程について説明する。本発明の建材の製法として、充填用素材とマイクロカプセルの造粒物を混合して加圧、加熱を施してボード状に成型する方法と、充填用素材素材としてセメント系材料、石膏系材料等を用いて水和反応により成型する方法があるが本発明ではいずれの手法にも有効に作用する。前者の加圧、加熱工程を経て成形する際に用いられる充填用材料として、木質繊維、鉱物性繊維、合成樹脂繊維、ゴム状樹脂等、及びこれらを決着させるために必要であれば新たに先に示したような結着剤が混合されて成形される。
水硬系化合物としてはセメント、石膏(硫酸カルシウム)、珪酸カルシウム、酸化マグネシウムが挙げられるが、セメント、石膏が好ましい材料として挙げられる。セメント系建材として、普通、早強、中庸熱ポルトランドセメント、高炉、シリカ、フライアッシュセメントなどの混合セメント等、及びアルミナセメントなどが挙げられる。石膏系建材としては、石膏ボードや石膏プラスター、石膏系セルフレベリング材等が挙げられる。これら石膏系建材は、半水石膏を主成分とする粉体原料に水分を添加して撹拌して得られたスラリー状組成物を施工あるいは成形し、凝結、硬化させることによって製造される。
充填用素材とマイクロカプセルの造粒物の混合、分散の際は分散材や補強繊維材料など、通常ボード状建材を製造する際に使用される各種材料を添加することが可能である。配合物の混合、分散方法は特に限定しないが、2軸強制攪拌ミキサー、アイリッヒミキサー、オムニミキサー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサーなど市販の混合・分散機用いて造粒物に極力圧力が加わらないよう且つ均一に分散することが重要である。
本発明の蓄熱性建材中に占めるマイクロカプセルの質量含有比率は、5〜70%(w/w)、好ましくは10〜50%(w/w)の範囲に設定することが好ましい。この範囲以上であると建材としての強度に乏しく、またこの範囲以下であると蓄熱性能に乏しくなるため好ましくない。
以下本発明に係る具体的な実施例を以下に示す。
<マイクロカプセルの製造例1>
メラミン粉末6.2gに37%ホルムアルデヒド水溶液12gと水40gを加え、pHを8に調整した後、約70℃まで加熱してメラミンホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を得た。pHを4.5に調整した10%スチレン無水マレイン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100g中に、潜熱蓄熱材としてn−オクタデカン(融点27℃)80gを激しく撹拌しながら添加し平均粒子径が3.5μmになるまで乳化を行なった。
この乳化液に上記メラミン−ホルムアルデヒド初期縮合物水溶液全量を添加し70℃で2時間撹拌を施した後、pHを9に調製して固形分濃度45%の潜熱蓄熱材のマイクロカプセル分散液を得た。
このマイクロカプセル分散液100部にアクリル−ウレタン樹脂エマルジョン(大日本インキ化学工業(株)製「ボンコートCG−5010」、固形分濃度45%)30部を添加し、よく混合した後スプレードライヤーで粉末化処理を行い平均粒径が60μmのマイクロカプセル粉体が得られた。普通ポルトランドセメント1000部と水300部とを2分間よく混合した後、前記マイクロカプセル粉体300部を添加し更に2分間混練した。得られたモルタルを400mm四方の金型を用いて脱水プレス成形し、約10mm厚の板状成形体を得た。成形体は30℃で12時間養生し建材として充分な強度を有するものが得られた。
た。
得られた蓄熱ボードを環境温度が0℃以上、且つ50℃以下の変温試験槽の中に置き、蓄熱ボード中心部分の温度を測定したところ、27℃と18℃の付近に温度の緩衝性が観測され、その付近の温度から容易に変動しにくい性質の建材が得られた。この温度履歴を2000回与えた後にボード中からマイクロカプセル粉体のみを取り出してその破壊程度を調べたところ全く損傷がないことが確認できた。
<マイクロカプセルの製造例2>
尿素8部を含む、pHを3.0に調製した5%エチレン無水マレイン酸共重合体水溶液100部中にミリスチン酸メチル(融点約18℃)80部を激しく攪拌しながら添加し、平均粒子径が8μmになるまで乳化を行った。
この乳化液に37%ホルムアルデヒド水溶液16部と水を添加し60℃で2時間攪拌を施した後、pHを9に調製して固形分濃度40%の潜熱蓄熱材マイクロカプセル分散液を得た。
このマイクロカプセル分散液を実施例1と同様にスプレードライヤーを用いて粒径100μmの粉体を得た。この粉体100部に固形分濃度40%のポリアクリル酸ソーダ水溶液20部を添加しよく混合した後、押し出し式造粒装置を用いて短径1mm、長径2mmの桿状ペレットを作製した。このペレット400部とβ型半水石膏1000部、水400部をよく混合し、攪拌機を用いて2分間撹することによって石膏とマイクロカプセルの固形ペレットが均一に分散した混和スラリーを得た。
得られたスラリーを、石膏ボード用の紙を両側の面材として成形し、乾燥、硬化させて400mm四方の石膏ボードを得た。実施例1と同様の手法で28℃と8℃の間で環境温度を変化させた場合の潜熱蓄熱材ボード中心の温度を測定したところ18℃付近から容易に温度変動しにくい建材が得られることが分かった。同様に温度履歴を2000回与えた後ボード中からペレットを取り出してその破壊程度を調べたところ全く損傷がないことが確認できた。
実施例1で得られた粉体造粒物100部に10%ポリビニルアルコール水溶液20部を添加し、押し出し式造粒装置を用いて短径2mm、長径3mmの粒状蓄熱材を得た。この蓄熱材造粒物100部と充填用素材として長径3mm以下の木材粉末30部、及び30%濃度の尿素ホルマリン樹脂初期縮合物水溶液40部をよく混合した後、圧力40kg/m2、温度160℃の条件下で加圧、加熱成形を行い厚さ約5mmのボードを得た。実施例1、2と同様に温度履歴を加えた後、蓄熱材の造粒物を取り出しその破壊程度を調べたが温度履歴処理前とほぼ同じ品質であった。
(比較例)
実施例1において、得られたマイクロカプセルの分散液(平均粒径3.7μm)と結着剤をスプレードライ処理を行わずに、そのまま固形質量が同じになるように別々にセメントと混合し同様の養生処理を行い板状の成型体を得た。この成型体の断面を電子顕微鏡で観察するとマイクロカプセルがモルタル中に均一に存在している状態が観察され、しかもマイクロカプセルの一部に破壊が見られた。この成型体を実施例1と同様の熱履歴耐久性試験を行ったところ、熱履歴回数400回位から蓄熱性能に低下がみられ始めた。
本発明の活用例として、床暖房用のヒーターと組み合わせて使用電力の削減に寄与したり、太陽光を受けて蓄熱しておきその熱を夜間に有効に利用することもできる。本発明による潜熱蓄熱型建材をビルや住宅用家屋に用いることにより、夏場は異常な室温の上昇、冬場は朝夕方の室温の低下を抑え、冷房や暖房などの設備を使用しなくとも快適な環境が得られることが可能である。

Claims (4)

  1. 充填用素材と蓄熱材からなる蓄熱性建材において、蓄熱材が複数のマイクロカプセルからなる平均粒径が10μm〜50mmの範囲の造粒物である蓄熱性建材。
  2. 蓄熱材が複数のマイクロカプセルと結着剤とからなる請求項1記載の蓄熱性建材。
  3. 充填用素材がセメント系材料である請求項1記載の蓄熱性建材。
  4. 充填用素材が石膏系材料である請求項1記載の蓄熱性建材。
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