JP2002114560A - 潜熱蓄熱型石膏系建材 - Google Patents

潜熱蓄熱型石膏系建材

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JP2002114560A JP2000305873A JP2000305873A JP2002114560A JP 2002114560 A JP2002114560 A JP 2002114560A JP 2000305873 A JP2000305873 A JP 2000305873A JP 2000305873 A JP2000305873 A JP 2000305873A JP 2002114560 A JP2002114560 A JP 2002114560A
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storage material
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Shinichi Matsushita
晋一 松下
Kensuke Aoki
謙介 青木
Mamoru Ishiguro
守 石黒
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Asahi Kasei Corp
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、通常の石膏系建材と同様に、切断
や孔あけ加工が可能で特殊な施工方法を必要としない潜
熱蓄熱型建材を提供することを可能にすることを目的と
している。 【解決手段】 体積平均粒径が0.5μm以上、且つ5
0μm以下であるマイクロカプセル化潜熱蓄熱材を含有
し、その含有重量が石膏100重量部に対して10重量
部以上、且つ100重量部の範囲で添加して乾燥、硬化
させて建材を得る。マイクロカプセルの皮膜はメラミン
ホルマリン樹脂、尿素ホルマリン樹脂が好ましく、潜熱
蓄熱材の融点は5℃以上、且つ50℃以下が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の潜熱蓄熱石膏系建材
は、壁、床、天井等の材料として用いられ、夏場は涼し
く、冬場は暖かい室内環境を提供し得る蓄熱性を有する
石膏系建材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅等の建築においては、石膏系
のボード建材を構造躯体に取り付ける工法が多用されて
いる。石膏系建材は、セメント系建材に比べて低比重で
加工性に優れることから、薄板状の部材が内装仕上げ材
の下地等に広く用いられているが、このような住宅では
室内の熱容量が極めて小さくなることが多い。
【0003】そのため、室内温度や壁面温度が外界の環
境温度に対して敏感に連動し、室内の温度変化が大きく
なる傾向がある。したがって、断熱性能を高めるととも
に、電力やガスなどのエネルギーを大量に消費する空調
設備を使用して快適温度を維持しているのが現状であ
る。
【0004】一方、太陽熱や空調の熱などを蓄え、必要
な時にそれを取り出す蓄熱技術を住宅に応用することに
よって、快適性や省エネルギー性を向上させようとする
試みも行われている。この場合の蓄熱材料として、一般
的にはコンクリートや砂、煉瓦などを顕熱蓄熱材として
用いる方法、いわゆる躯体蓄熱法が提案されている。
【0005】潜熱蓄熱材は、物質の相変化等に伴う潜熱
を利用したものであり、一般的に蓄熱密度が大きいとい
う特徴を持つ。従って、蓄熱体容積を小さくすることが
可能で、省スペース化に寄与する。
【0006】また、所望の狭い温度域での蓄放熱が可能
なため、室温付近に相転移点を有する潜熱蓄熱材を住宅
用の蓄熱体として利用することにより、室内温度の安定
化、快適温度の維持に役立てることが出来る。これを実
施するに際し、最も求められている技術は、潜熱蓄熱材
を一体化させた複合建材の実用化であった。
【0007】上述のような複合建材を実現するために
は、建材内に内蔵された相変化材料の融解時の流出を防
ぐ必要がある。例えば、特開平2-298759号公報(公知例
1)のように樹脂製容器で封入したり、特開平5-1281号
公報(公知例2)のように樹脂材料へ含浸一体化した
り、特開平8-219673号公報(公知例3)のようにアルミ
ラミネートフィルムで密封する等の手段が開示されてい
る。
【0008】また、特開昭61-235485号公報(公知例
4)では、潜熱蓄熱材を有機質被膜により被覆して粒径
50μm〜2mm程度の微小粒状とし、コンクリート等
の母材内に分散させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来例において、躯体蓄熱法では十分な蓄熱容量を確保
するためには、相応の容積が必要であり、躯体自体がコ
ンクリートなどで構成されている建物以外においては、
新たに蓄熱部材を設ける必要があるため、新たなスペー
スを確保する必要が生じていた。
【0010】また、前述の公知例1〜3のように樹脂製
容器への封入や、表面を被覆する方法では、蓄熱材の切
断や孔あけ等の加工が不可能である。また、相変化材料
と親和性が高い樹脂材料に含浸させたり、練り込んだり
した場合であっても、蓄熱材の漏出を防止するには不十
分であった。
【0011】また、前述の公知例4では、混練時に強い
撹拌を与えると有機質被膜が破壊して潜熱蓄熱材の漏出
が起こり、反対に有機質被膜の破壊を避けるために混練
が不足すると、材料の均一性が損なわれて材料強度が低
下する等の問題があった。
【0012】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、通常の石膏系建材と同様に、
切断や孔あけ加工が可能で特殊な施工方法を必要としな
い潜熱蓄熱型石膏系建材を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係る潜熱蓄熱型石膏系建材の代表的な構成
は、石膏100重量部に対して体積平均粒子径が0.5
μm以上、且つ50μm以下の潜熱蓄熱材のマイクロカ
プセルが1重量部以上、且つ100重量部以下の範囲で
混合されたことを特徴とする。
【0014】上記構成により、特定の粒子径と膜材を有
した潜熱蓄熱材のマイクロカプセルを含有する石膏系材
料を得ることにより通常の石膏系建材と同様に、切断や
孔あけ加工が可能で特殊な施工方法を必要としない。更
に詳しくは水に均一に分散した特定の粒子径を有するマ
イクロカプセル化潜熱蓄熱材を半水石膏に混合し、乾
燥、硬化させることにより効果的である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る潜熱蓄熱型
石膏系建材について、詳細に説明する。一般に潜熱蓄熱
材をマイクロカプセル化する方法としては、複合エマル
ジョン法によるカプセル化法(特開昭62-1452号公
報)、蓄熱材粒子の表面に熱可塑性樹脂を噴霧する方法
(特開昭62-45680号公報)、蓄熱材粒子の表面に液中で
熱可塑性樹脂を形成する方法(特開昭62-149334公
報)、蓄熱材粒子の表面でモノマーを重合させ被覆する
方法(特開昭62-225241公報)、界面重縮合反応による
ポリアミド皮膜マイクロカプセルの製法(特開平2-2580
52公報)等に記載されている方法を用いることが出来る
ので、ここではその説明を省略する。
【0016】マイクロカプセルの膜材としては、界面重
合法、インサイチュー(in-situ)法等の手法で得られ
るポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、
ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタ
ン、アミノプラスト樹脂、またはゼラチンとカルボキシ
メチルセルロース若しくはアラビアゴムとのコアセルベ
ーション法を利用した合成あるいは天然の樹脂が用いら
れるが、本発明のように、マイクロカプセルを破壊させ
ずに母材中に分散させることを考慮すれば、物理的、化
学的に安定なインサイチュー法によるメラミンホルマリ
ン樹脂皮膜、尿素ホルマリン樹脂皮膜を用いたマイクロ
カプセルを使用することが特に好ましい。
【0017】一般に体積平均粒径が大きいマイクロカプ
セルは、撹拌や成形時に生じる剪断力などによりカプセ
ルが破壊し易くなり、また粒子径の大きいカプセルで
は、基材中に均一に分散させても、母材とカプセルの界
面が欠陥になりやすく、曲げ強度等の機械的性質が低下
する。加えて、母材との比重差による材料の分離が発生
し易くなる等の問題があった。
【0018】更に、原料粉体の粒度よりも著しく大きい
カプセルを混入すると、カプセルの存在によって、石膏
スラリーの流動特性が著しく悪化し製造上好ましくない
ため、マイクロカプセルの体積平均粒子径は、0.5μ
m以上、且つ50μm以下、好ましくは1μm以上、且
つ20μm以下の範囲に設定することが好ましい。
【0019】この範囲より小さいマイクロカプセルは、
安定して製造することが技術的に難しく、製造コストが
高くなるばかりでなく、カプセルの表面積が著しく大き
くなるので撹拌時に必要な水量がかえって多くなり石膏
ボードの機械的強度を低下させる傾向があるので好まし
くない。
【0020】尚、本発明のマイクロカプセル粒子径は、
米国コールター社製粒度測定装置コールターカウンター
マルチサイザーを用いて得られた体積平均粒子径を示
す。マイクロカプセルの粒子径は、乳化剤の種類と濃
度、乳化時の乳化液の温度、乳化比(水相と油相の体積
比率)、乳化機、分散機等と称される微粒化装置の運転
条件(撹拌回転数、時間等)等を適宜調節して所望の粒
子径に設定する。
【0021】上記を鑑み、本発明に示すように、建材中
に分散させる潜熱蓄熱マイクロカプセルの体積平均粒子
径を0.5μm以上、且つ50μm以下、更に好ましく
は1μm以上、且つ20μm以下の範囲にすることによ
って、原料撹拌、成形等の製造工程におけるカプセルの
破損、すなわち潜熱蓄熱材の漏出をより低く抑えること
が可能となる。
【0022】また、大きなカプセルを使用する場合に比
べ、石膏マトリックスと潜熱蓄熱材との接触面積が大き
くなるので、潜熱蓄熱材と石膏マトリックスとの間の伝
熱が速やかに行われるようになり、有機系蓄熱材の難点
であった熱伝導率が低い潜熱蓄熱物質を用いても、蓄放
熱特性に優れた蓄熱建材を形成出来ることを意味する。
【0023】潜熱蓄熱材の相転移温度は特に限定されな
いが、快適な温度環境維持を目的としていることを考慮
すれば、潜熱蓄熱材の融点が5℃以上、且つ50℃以下
が望ましい。しかしながら、日本の様な夏場と冬場の温
度差が大きい気候風土においては、潜熱蓄熱材の融点を
一定にしてしまうことは、いずれかの季節においては、
その蓄熱機能が充分発揮されないことになるため、その
土地の環境に応じた融点設定又は、2種類以上の融点を
有する潜熱蓄熱材を別々に内包したマイクロカプセルを
組み合わせることが効果的である。
【0024】具体的には、夏場の室内の温度上昇を抑え
るためには約25℃以上、且つ30℃以下に融点を有す
る潜熱蓄熱材のマイクロカプセルを用い、冬場の室温の
低下を抑えるために10℃以上、且つ20℃以下に融点
を有する潜熱蓄熱材のマイクロカプセルの2種類を含む
建材を用いることにより年間を通してより快適な室内環
境を提供し得ることが期待出来る。
【0025】また、25℃以上、且つ50℃以下の比較
的高い相転移温度の潜熱蓄熱材を使用することによっ
て、床暖房システムの一部を構成させたり、5℃以上、
且つ25℃以下の比較的低い相転移温度の潜熱蓄熱材を
使用することによって、冷房システムの一部を構成させ
たりすることも可能である。
【0026】本発明の建材は、顕熱蓄熱材に比べて蓄熱
量付与のために大きなスペースを必要としないから、従
来の住宅設計を変えることなく、躯体構造に取り付ける
だけで、蓄熱機能を付与することが出来る。もちろん、
本発明による建材の使用目的および用途は、これらに限
定されるものではない。
【0027】本発明で使用出来る潜熱蓄熱材としては、
テトラデカン(C14)、ペンタデカン(C15)、ヘキサデ
カン(C16)、オクタデカン(C18)等のn−パラフィン
類や、無機系共晶物および無機系水和物、酢酸、カプリ
ル酸等の脂肪酸類、ベンゼン、p−キシレン等の芳香族
炭化水素化合物、パルミチン酸イソプロピル、ステアリ
ン酸ブチル、デシルアルコール等のアルコール類等の化
合物が挙げられ、好ましくは融解熱量が約80kJ/k
g以上の化合物で、化学的、物理的に安定でしかも安価
なものが用いられる。これらは混合して用いても良い
し、必要に応じ過冷却防止剤、比重調節剤、劣化防止剤
等を添加することが出来る。
【0028】マイクロカプセル化潜熱蓄熱材は、水に均
一に分散させたスラリー状態、粉体、脱水を施して含水
固形状体のいずれの状態で添加しても本発明の効果は発
現するが、スラリー状態で添加することが好ましい。
【0029】スラリーとして添加することにより、マイ
クロカプセル化潜熱蓄熱材が均一に分散した基材が容易
に得られるだけでなく、混練、撹拌時などに、カプセル
同士、あるいはカプセルと石膏粉体粒子との衝突や摩擦
によるカプセルの破損を低減出来る。また、石膏の水和
に必要な水分をスラリーから供給することにより、製造
設備が簡略化される。
【0030】本発明の石膏系建材中に占めるマイクロカ
プセルの含有量は、石膏100重量部に対して1重量部
以上、且つ100重量部以下の範囲、好ましくは10重
量部以上、且つ80重量部以下の範囲であることが好ま
しい。
【0031】この範囲以上であると潜熱蓄熱性に富み好
ましいが、完成した建材の物理的強度が著しく低下する
ので好ましくなく、逆に含有量が少ないと本発明で述べ
る蓄熱効果に乏しくなり好ましくない。
【0032】石膏に添加するマイクロカプセル化潜熱蓄
熱材スラリーの好ましい濃度は、5%以上、且つ70%
以下であり、さらに好ましくは30%以上、且つ50%
以下である。
【0033】固形分濃度が高すぎると、スラリーの流動
性が悪化し、石膏と混合しにくくなるばかりでなくマイ
クロカプセルの破損を防止する効果が低下する。固形分
濃度が低すぎると、一定のマイクロカプセルを混合しよ
うとした場合に添加水分の量が必然的に多くなり得られ
た石膏ボードの強度に悪影響を与えたり効果に長時間を
要するため好ましくない。
【0034】石膏系建材としては、石膏ボードや石膏プ
ラスター、石膏系セルフレベリング材等が挙げられる。
これら石膏系建材は、半水石膏を主成分とする粉体原料
に水分を添加して撹拌して得られたスラリー状組成物を
施工あるいは成形し、凝結、硬化させることによって製
造される。
【0035】一般的に石膏系建材は凝結時間が短く、水
を添加してから極めて短時間に均一なスラリーを得るこ
とが重要で、石膏ボードの製造等においては、短時間の
高速撹拌によって均一なスラリーとする必要がある。
【0036】石膏系材料におけるこのような工程におい
ては、混入するマイクロカプセル化潜熱蓄熱材の機械的
強度が重要であり、撹拌、成形工程においてマイクロカ
プセルが破壊しないことが重要である。また、成形、施
工において、マイクロカプセル混入に伴って、スラリー
の流動特性が著しく変化しないようにしなければならな
い。
【0037】本発明において使用される石膏原料は、石
膏ボード原料として使用出来るレベルの純度があれば十
分である。使用される石膏は、α型半水石膏、β型半水
石膏のいずれか、あるいはこれらの混合物であってもよ
く、任意の配合比率で使用出来る。潜熱蓄熱材スラリー
と半水石膏の配合比率は、目的とする蓄熱量によって決
定するが、混練に好適な水分量は、使用する半水石膏に
よって異なる。
【0038】混練に必要な水分が不足すると、混練物の
流動性が著しく悪くなり、均一な組成物が得られにくく
なるばかりでなく、混練後の成形や施工が難しくなるた
め、あらかじめ潜熱蓄熱材スラリーに必要量の水を添加
しておくことが好ましい。また、分散材や補強繊維材料
など、石膏ボード等の石膏系建材を製造する際に使用さ
れる各種材料を添加することが可能である。
【0039】
【実施例】次に本発明に係る潜熱蓄熱型石膏系建材の具
体的な実施例を示す。
【0040】
【実施例1】<マイクロカプセルの製造例1>メラミン
粉末6.2gに37%ホルムアルデヒド水溶液12gと
水40gを加え、pHを8に調整した後、約70℃まで
加熱してメラミンホルムアルデヒド初期縮合物水溶液を
得た。pHを4.5に調整した10%スチレン無水マレ
イン酸共重合体のナトリウム塩水溶液100g中に、潜
熱蓄熱材としてn−オクタデカン(融点27℃)80g
を激しく撹拌しながら添加し平均粒子径が3.5μmに
なるまで乳化を行なった。
【0041】この乳化液に上記メラミン−ホルムアルデ
ヒド初期縮合物水溶液全量を添加し70℃で2時間撹拌
を施した後、pHを9に調製して固形分濃度45%の潜
熱蓄熱材のマイクロカプセル分散液を得た。
【0042】α型半水石膏1000gと、上記製造例1
のマイクロカプセル化潜熱蓄熱材スラリー600gと後
述する製造例2のマイクロカプセルスラリー700gを
混合し、攪拌機を用いて1分間撹拌することによって石
膏とマイクロカプセルとが均一に分散したスラリーを得
た。得られたスラリーを、石膏ボード用の紙を両側の面
材として成形し、乾燥、硬化させて石膏ボードを得た。
【0043】この石膏ボードを潜熱蓄熱材の相転移温度
以上に加熱しても、相転移以下に冷却しても、外観上変
化はなく、潜熱蓄熱材の融解による漏出等は全く認めら
れなかった。溶剤抽出によってマイクロカプセルの破損
に起因する潜熱蓄熱材の漏出量を測定し、カプセルの損
傷状態を調べた結果、混入したマイクロカプセルのほと
んどが破損せずに分散内在していることが明らかとなっ
た。
【0044】得られた蓄熱ボードを環境温度が0℃以
上、且つ50℃以下の変温試験槽の中に置き、蓄熱ボー
ド中心部分の温度を測定したところ、27℃と18℃の
付近に温度の緩衝性が観測され、その付近の温度から容
易に変動しにくい性質の建材が得られた。
【0045】
【実施例2】<マイクロカプセルの製造例2>尿素8部
を含む、pHを3.0に調製した5%エチレン無水マレ
イン酸共重合体水溶液100部中にミリスチン酸メチル
(融点約18℃)80部を激しく攪拌しながら添加し、
平均粒子径が8μmになるまで乳化を行った。
【0046】この乳化液に37%ホルムアルデヒド水溶
液16部と水を添加し60℃で2時間攪拌を施した後、
pHを9に調製して固形分濃度40%の潜熱蓄熱材マイ
クロカプセル分散液を得た。
【0047】β型半水石膏1000gと、製造例2のマ
イクロカプセル化潜熱蓄熱材スラリー1000gに水4
00gを添加したスラリーとを混合し、攪拌機を用いて
1分間撹拌することによって石膏とマイクロカプセルと
が均一に分散したスラリーを得た。
【0048】得られたスラリーを、石膏ボード用の紙を
両側の面材として成形し、乾燥、硬化させて石膏ボード
を得た。実施例1と同様の手法によって環境温度を変化
させた場合の潜熱蓄熱材ボード中心の温度を測定したと
ころ27℃付近から容易に温度変動しにくい建材が得ら
れることが分かった。
【0049】
【比較例1】マイクロカプセルの製造例1において、マ
イクロカプセルの平均粒子系を100μmとした以外は
同様にマイクロカプセルを調製し、尚かつ実施例1と同
様の操作で石膏ボードを作製したところ、ボード表面に
潜熱蓄熱材が染み出したと思われる変色部分が生じた。
更に溶剤抽出法で破壊したマイクロカプセルの比率を測
定したところ約80%以上の破壊が見られた。
【0050】
【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、上記実施例の実験結果から本発明による潜熱
蓄熱型建材をビルや住宅用家屋に用いることにより、夏
場は異常な室温の上昇、冬場は朝夕方の室温の低下を抑
え、冷房や暖房などの設備を使用しなくとも快適な環境
が得られることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F24D 11/00 F24D 11/00 A (72)発明者 青木 謙介 静岡県富士市鮫島2番地の1 旭化成工業 株式会社内 (72)発明者 石黒 守 茨城県つくば市和台46番地 Fターム(参考) 2E001 DD17 FA03 FA11 FA14 HA03 HE10 JD04 3L071 CC00 CD01 CF01 CF06 4G012 PA23 PC11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石膏100重量部に対して体積平均粒子
    径が0.5μm以上、且つ50μm以下の潜熱蓄熱材の
    マイクロカプセルが1重量部以上、且つ100重量部以
    下の範囲で混合されたことを特徴とする潜熱蓄熱型石膏
    系建材。
  2. 【請求項2】 前記マイクロカプセルの皮膜がメラミン
    ホルマリン樹脂、尿素ホルマリン樹脂の何れか1つから
    なることを特徴とする請求項1に記載の潜熱蓄熱型石膏
    系建材。
  3. 【請求項3】 前記潜熱蓄熱材の融点が5℃以上、且つ
    50℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の潜
    熱蓄熱型石膏系建材。
  4. 【請求項4】 少なくとも2種類以上の融点を有する潜
    熱蓄熱材を別々に内包したマイクロカプセルを含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の潜熱蓄熱型石膏系建
    材。
JP2000305873A 2000-10-05 2000-10-05 潜熱蓄熱型石膏系建材 Pending JP2002114560A (ja)

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