JP2007118561A - 伝動ベルトの製造方法及び金型装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム原料をキャビティへ圧入し充填しても、コアー型に巻付けた心線がコアー型の長手方向へずれるといったピッチ乱れを起こさない伝動ベルトの製造方法及び金型装置を提供する。
【解決手段】熱可塑化したゴム原料を射出成形あるいはトランスファー成形によって金型内のキャビティに充満させて伝動ベルトを製造する方法であり、未加硫のゴム層19を付着処理した帆布20をゴム付着面が外側になるようにコアー型14に被せ、ゴム付着面に心線21を巻付けて心線21がゴム層21に喰い込むようにし、そしてこのゴム層21を半加硫した後、かかるコアー型14と外型2aとの間に形成されたキャビティ16に熱可塑化したゴム原料をコアー型に巻き付けられた心線と直角方向へ圧入し、加硫する。
【選択図】 図7
【解決手段】熱可塑化したゴム原料を射出成形あるいはトランスファー成形によって金型内のキャビティに充満させて伝動ベルトを製造する方法であり、未加硫のゴム層19を付着処理した帆布20をゴム付着面が外側になるようにコアー型14に被せ、ゴム付着面に心線21を巻付けて心線21がゴム層21に喰い込むようにし、そしてこのゴム層21を半加硫した後、かかるコアー型14と外型2aとの間に形成されたキャビティ16に熱可塑化したゴム原料をコアー型に巻き付けられた心線と直角方向へ圧入し、加硫する。
【選択図】 図7
Description
本発明は伝動ベルトの製造方法及び金型装置に係り、熱可塑化したゴム原料を射出成形あるいはトランスファー成形によって金型内のキャビティに充満させ、加硫して得られる伝動ベルトの製造方法及びこれに使用する金型装置に関する。
ゴム、エラストマー、樹脂材料を何らかの形状に成形する際には様々な方法が用いられているが、圧縮成形法以外の方法、即ち射出成形、トランスファー成形、圧入成形等では、材料と金型との間に大きなせん断力、摩擦力が生じることは広く知られている。これらの力は特に薄物を成形する際には顕著である
例えば、転写ベルトのような平ベルトを製造するにあたっては、円筒状の加硫用金型を用い、この加硫用金型の外周に筒状金型を設置し形成されたキャビティ内へ熱可塑化したゴム組成物を圧入していた。(特許文献1、特許文献2)
即ち、特許文献1には、トランスフアー金型の中子(コアー型)に均一な厚さに仕上げた未加硫エチレン・プロピレン3元共重合体ゴムの半加硫状態の円筒体を嵌入し、この表面に心線を巻き補強芯体層を形成する。中子をセットして金型を組立てた後、電熱プレスに設置し、注入孔を円周方向に複数個設けたポット上に計算量の未加硫ゴムを置きプランジャーによって加圧することにより金型内に形成されたキャビティに注入孔より未加硫ゴムを注入充填させ、加硫する。その後、成型されたゴムベルト素材を脱型し、紙幣、磁気カードの読取り、搬送を正確に行うT字型ゴムベルトを形成する方法が記載されている
また特許文献2には、金型本体とコアーとで薄肉円筒状のキャビティを形成させ、このキャビティの軸方向中間部にリングゲートを少なくとも1個設けて構成した金型を、射出成形機またはトランスファー成形機に直接、またはスプルーもしくはランナーを介してセットし、成形機からエラストマーをキャビティに注入して加硫し、その後金型本体を開いて脱型し、脱型した薄肉円筒成形体の内外面を反転させて搬送用薄肉ベルト製造する方法が開示されている。
特開昭62−273836号公報
特公平6−98708号公報
しかし、従来の射出成形あるいはトランスファー成形によって製造されるベルトは、主に紙幣、磁気カードの読取り、搬送を正確に行うT字型ゴムベルト、あるいは搬送用薄肉ベルトであり、撚糸コードを心線として用いた伝動ベルトの製造には不適切であった。即ち、従来のこの種のベルトを製造する場合には、コアー型に心線を巻付けた後に熱可塑化したゴム原料をキャビティへ圧入し充填するため、心線はこの過程で大きな圧力を受け、その配列を大きく乱すことがあった。心線が乱れたベルトは伝動ベルトとしては使用できず、その多くをスクラップにしていた。
本発明は、これら上記の問題点を改善するものであり、ゴム原料をキャビティへ圧入し充填しても、コアー型に巻付けた心線がコアー型の長手方向へずれるといった心線ピッチの乱れを起こさない伝動ベルトの製造方法及び金型装置を提供する。
上記課題を解決する手段の1つとしては、本願請求項1に記載されている発明は、熱可塑化したゴム原料を射出成形あるいはトランスファー成形によって金型内のキャビティに充満させて伝動ベルトを製造する方法であり、未加硫のゴム層を付着処理した帆布を、ゴム付着面が外側になるようにコアー型に被せ、ゴム付着面に心線を巻付けて心線がゴム層に喰い込むようにし、かかるコアー型と外型との間に形成されたキャビティに熱可塑化したゴム原料をコアー型に巻き付けられた心線と直角方向へ圧入して充填し、加硫する方法にある。この方法では、心線をゴム層に喰い込むように巻付けているために、ゴム層に喰い込んだ心線の保持力を一段と高めることができ、この結果キャビティに熱可塑化したゴム原料を巻き付けられた心線と直角方向に圧入しても、心線ピッチの乱れを阻止することができる。
本願請求項2に記載されている発明は、心線を喰い込ませたゴム層が半加硫になった後に、コアー型と外型との間に形成されたキャビティに熱可塑化したゴム原料を圧入して充填し、加硫することもできる。これにより、ゴム層に喰い込んだ心線の保持力を一段と高めることができ、この結果キャビティに熱可塑化したゴム原料を巻き付けられた心線と直角方向に圧入しても、心線ピッチの乱れを阻止することができる。
本願請求項3に記載されている発明は、ゴム層の厚みは心線の平均径の40〜150%に相当するものであり、これによって心線がゴム層へ喰い込みやすくなる。
本願請求項4に記載されている発明は、熱可塑化したゴム原料を射出成形あるいはトランスファー成形によって金型内のキャビティに充填し、得られた成形物を加硫して得られる伝動ベルトの製造方法であり、帆布を外表面に被せ、その上に心線を巻付けたコアー型を外型と組み合わせてこれらの型間にキャビティを形成するとともに、該キャビティの入口に向けて徐々に間隙を狭くしたゴム通路を設け、熱可塑化したゴム原料をゴム通路からキャビティ内に充填するとともに、コアー型に巻き付けられた心線と直角方向へ圧入する方法にある。
この方法では、キャビティの入口に通じるゴム通路の間隙をゴム原料の流れる方向に向けて徐々に狭くしているために、ゴム通路を通過するゴム原料は局部的に大きなせん断力を心線に与えることがなく、スムーズにキャビティに充填され、この結果たとえ心線と直角方向へ圧入しても心線ピッチの乱れを阻止することができる。
本願請求項5に記載されている発明は、未加硫のゴム層を付着処理した帆布をゴム付着面が外側になるようにコアー型に被せ、心線をゴム付着面に巻付けてゴム層に喰い込ませることもできる。これにより、ゴム層に喰い込んだ心線の保持力を一段と高めることができ、心線ピッチの乱れを阻止することができる。
本願請求項6に記載されている発明は、心線をゴム付着面に巻付けてゴム層に喰い込ませた後、該ゴム層を半加硫した場合には、更にゴム層に喰い込んだ心線の保持力を高めることができる。
本願請求項7に記載されている発明は、外型の内周面には円周方向に沿って平行な複数のリブ溝を有しているもので、Vリブドベルトを成形することができる。
本願請求項8に記載されている発明は、ポット部内に収容した熱可塑化したゴム原料を射出成形あるいはトランスファー成形によって金型内のキャビティに圧入し、得られた成形物を加硫して得られる伝動ベルト成形用金型装置であり、熱可塑化したゴム原料の所定量を収容するポット部と、少なくとも心線を巻付けるコアー型と、コアー型の外側に少なくとも2つに分解した割りモールドからなる外型と、コアー型と外型と組み合わせてこれらの型間にベルト形成体を形成するキャビティと、ポット部に連通し、キャビティの入口に向けて徐々に間隙を狭くするようにしたゴム通路と、そしてポット部に収容した熱可塑化したゴム原料を押圧する加圧部材からなる伝動ベルト成形用金型装置にある。
この金型装置では、キャビティの入口に通じるゴム通路の間隙をゴム原料の流れる方向に向けて徐々に狭くしているために、ゴム通路を通過するゴム原料は局部的に大きなせん断力を心線に与えることがなく、スムーズにキャビティに充填され、この結果心線ピッチの乱れを阻止することができる。
本願請求項9に記載されている発明は、外型の内周面には、円周方向に沿って平行な複数のリブ溝を有しているもので、Vリブドベルトを成形することができる。
本発明の伝動ベルトの製造方法では、心線をゴム層に喰い込むように機械的に強固に巻付し、しかもゴム層を半加硫することで硬度を高め、心線のゴム層への保持力が一段と高めることができ、熱可塑化したゴム原料を射出成形あるいはトランスファー成形によって巻き付けられた心線と直角方向に圧入しても、心線のピッチ乱れを阻止することができ、スクラップの発生しない品質の安定化した伝動ベルトを製造することができる。
また、本発明の伝動ベルトの製造方法では、キャビティの入口に通じるゴム通路の間隙をゴム原料の流れる方向に向けて徐々に狭くしているために、ゴム通路を通過するゴム原料は局部的に大きなせん断力を心線に与えることがなく、スムーズにキャビティに充填され、この結果心線ピッチの乱れを阻止することができ、スクラップの発生しない品質の安定化した伝動ベルトを製造することができる。また、心線をゴム層に喰い込むように巻付けすることで、心線のゴム層への保持力を高めることができ、心線のピッチ乱れを阻止することができる。
更に、金型装置では、キャビティの入口に通じるゴム通路の間隙をゴム原料の流れる方向に向けて徐々に狭くしているために、ゴム通路を通過するゴム原料は局部的に大きなせん断力を心線に与えることがなく、スムーズにキャビティに充填され、この結果心線ピッチの乱れを阻止することができ、スクラップの発生しない品質の安定化した伝動ベルトを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は伝動ベルトを射出成形によって製造する際に使用する金型装置の断面図であって射出成型前の状態を示し、図2は射出成型後の状態を示している。射出成形機もしくはトランスファー成形機25に設置される金型装置は、固定部材3と可動部材4の間に上型2c、第1外型2a、第2外型2b、そして底型2dを挟持した組立、分解可能な構造になっている。上型2c、第1外型2a、第2外型2b、そして底型2dは可動部材4の昇降ともに移動して固定部材3に当接あるいは分離する。
図1は伝動ベルトを射出成形によって製造する際に使用する金型装置の断面図であって射出成型前の状態を示し、図2は射出成型後の状態を示している。射出成形機もしくはトランスファー成形機25に設置される金型装置は、固定部材3と可動部材4の間に上型2c、第1外型2a、第2外型2b、そして底型2dを挟持した組立、分解可能な構造になっている。上型2c、第1外型2a、第2外型2b、そして底型2dは可動部材4の昇降ともに移動して固定部材3に当接あるいは分離する。
上型2cの凹部6は、予め計量された所定量の熱可塑化したゴム原料8を固定部材3内に設けたスプルー9から取り込んで収容するポット部7を形成している。固定部材3と一体に形成された突起部5は、上型2cに形成された凹部6に嵌合し、ポット部7に収容されたゴム原料を圧縮してランナー10へ送り出す。
ポット部7に連通したランナー10は上型2cを通って、上型2c、第1外型2a、第2外型2b、そして底型2dによって形成されたコアー型14を収容する空所へと連通している。コアー型14と第1外型2a、第2外型2b間には、ベルト本体部を成形するキャビティ16が形成されている。上記第1外型2aと第2外型2bの内周面には、円周方向に沿って平行な複数のリブ溝17を有し、Vリブドベルトを成形する外型になっている。
図2に示すように、所定量の熱可塑化したゴム原料8をポット部7に仕込んだ後、可動部材4を上昇させて、ポット部7内のゴム原料8を圧入し、コアー型14の長手方向に沿って圧入し、キャビティ16へ充填する。
図3〜図4は、別の金型装置の実施形態を示す。
図3は伝動ベルトを射出成形によって製造する際に使用する金型装置の断面図であって射出成型前の状態を示し、図4は射出成型後の状態を示している。ここで示される金型装置は図1と図2に示した符号と同一の符号で示している。
図3は伝動ベルトを射出成形によって製造する際に使用する金型装置の断面図であって射出成型前の状態を示し、図4は射出成型後の状態を示している。ここで示される金型装置は図1と図2に示した符号と同一の符号で示している。
ここで示される金型装置1は、固定部材3と可動部材4の間に上型2c、第1外型2a、第2外型2b、そして底型2dを挟持した組立、分解可能な構造になっている。上型2c、第1外型2a、第2外型2b、そして底型2dは可動部材4の昇降ともに移動して固定部材3に当接あるいは分離する。
上型2cの凹部6は、予め計量された所定量の熱可塑化したゴム原料8を固定部材3内に設けたスプルー9から取り込んで収容するポット部7を形成している。固定部材3と一体に形成された突起部5は、上型2cに形成された凹部6に嵌合し、ポット部7に収容されたゴム原料を押圧してランナー10へと送り出す。上記第1外型2aと第2外型2bの内周面には、円周方向に沿って平行な複数のリブ溝17を有し、Vリブドベルトを成形する外型になっている。
ベルト本体部を成形するキャビティ16は、コアー型14と第1外型2a、第2外型2bとの間に形成され、そしてゴム通路11がキャビティの入口Eに通じている。ゴム通路11の間隙dは図5において矢印で示すゴム原料の流れる方向(キャビティの入口E)に向って徐々に小さくなっている。この場合、ゴム通路11の側壁12のなす傾斜角αは5〜30°であり、5°未満になるとゴム原料をキャビティ16へ押込む力が大きくなってゴム原料が大きなせん断力を心線に与えることになって心線の乱れを起こすことになり、一方30°を超えるとゴム原料をキャビティ16へ押込む力が小さくなり、ゴム原料がスムーズに流れなくなる。
図4では、ポット部7に仕込まれた所定量の熱可塑化したゴム原料8が、可動部材4の上昇によって押圧されてポット部7から排出され、ポット部7からランナー10、そしてゴム通路11を経由してキャビティ16へと圧入、充填される。ゴム通路11の間隙dがゴム原料の流れる方向に向けて徐々に狭くなっているために、ゴム通路11を通過するゴム原料8は流れ方向の力も作用して、心線21に局部的に大きなせん断力を与えることがなく、スムーズにキャビティ16に圧入される。
以下に、図1及び図2に示される金型装置を用いた伝動ベルトの製造方法を説明する。
図5は使用するコアー型にゴム層を付着処理した帆布を被せた状態、図6はゴム層上に心線をスピニングした状態を示す。コアー型14は、両端部に支持部(図示せず)を、中央部に真円のベルト成型部18を備えている。未加硫のゴム層19を付着処理(コーティング処理)した帆布20は、ベルト成型部18にゴム層19が外側になるように被せられる。そして、図6に示すようにコードからなる心線21を上記ゴム層19の表面にスピニングしてゴム層19に喰い込ませる。心線21の喰い込み量は心線径100に対して10〜80%が好ましい。10%未満では喰い込み量が少なくて充分な保持力を得ることができずにゴム原料8の圧入時に心線の移動が起こしやすくなり、一方80%を超えると心線のスピニング力が大きくなってベルト成型体をコアー型14から脱型しにくくなる。
図5は使用するコアー型にゴム層を付着処理した帆布を被せた状態、図6はゴム層上に心線をスピニングした状態を示す。コアー型14は、両端部に支持部(図示せず)を、中央部に真円のベルト成型部18を備えている。未加硫のゴム層19を付着処理(コーティング処理)した帆布20は、ベルト成型部18にゴム層19が外側になるように被せられる。そして、図6に示すようにコードからなる心線21を上記ゴム層19の表面にスピニングしてゴム層19に喰い込ませる。心線21の喰い込み量は心線径100に対して10〜80%が好ましい。10%未満では喰い込み量が少なくて充分な保持力を得ることができずにゴム原料8の圧入時に心線の移動が起こしやすくなり、一方80%を超えると心線のスピニング力が大きくなってベルト成型体をコアー型14から脱型しにくくなる。
その後、未加硫のゴム層19を加熱して半加硫にして硬度を高め、心線21のゴム層19への保持力をより一層高めることができる。半加硫とは完全に加硫していない状態であり、ここでは80〜170℃で5〜10分間、オーブン中で加熱処理される。
コアー型14に被せる帆布20は、綿、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等を平織り、綾織り、朱子織りなどにした布を用いることができるものであり、該帆布にRFL処理を行なった後に、該帆布の片面に未加硫のゴム組成物をコーティングしたゴム層19付き帆布として使用する。ゴム層19の厚みは使用する心線の平均径の40〜150%に相当するもので、心線21がゴム層19へ充分に喰い込む程度のものであり、40%未満になると心線21のゴム層19への喰い込みが小さくなってゴム原料の圧入時の圧力に耐え切れずに局部的に心線がコアー型の長手方向へずれて心線ピッチを乱すことがあり、また150%を超えると心線21がゴム層19に喰い込みやすくなって心線の位置の乱れが起こりやすくなる。尚、通常の心線の平均径は0.5〜1.5mmである。
ゴム層19に使用するゴム組成物のゴムは、エチレン−α−オレフィンエラストマーを始めとして、水素化ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレン(ACSM)、クロロプレンゴムなどの耐熱老化性の改善されたゴムが好ましい。そして、この原料ゴムには、加硫剤、加硫助剤、またこれ以外に必要に応じてカーボンブラック、シリカのような補強剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤のような通常のゴム配合物に使用されるものが使用される。そして、上記ゴム組成物を通常の溶剤に溶かしたものを、例えばロール等を用いて塗布することができる。
本発明の伝動ベルトの製造工程では、図5に示すように、コアー型14にゴム層19が外側になるように帆布20を被せた後、心線21をスピニングする。スピニング工程では、コアー型14の両端支持部を心線のスピニング装置(図示せず)の回転軸に装着し、テンションロ−ルを介して低伸度、高強力のコードからなる心線21を所定のスピニングピッチで螺旋状に巻付け、図6に示すようにゴム層19に喰い込ませる。
このときの心線21のスピニングテンションは5〜70N/本である。心線21の末端固定方法は、コアー型14のエッジに設けた切欠き部に機械的に固定することができるが、この方法に限らず粘着テープ等を用いて固定することもできる。
上記心線21としては、ポリアリレート繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維などのポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの高強度・低伸度のコードを用いることができる。
心線21にはゴムとの接着性を向上させる目的で接着処理を施すのが好ましい。このような接着処理としては、心線21をRFL液などの接着処理液に浸漬して加熱乾燥することによって行なうことができる。
心線21をスピニングしてゴム層19に喰い込ませたコアー型14をオーブンに入れて80〜170℃で5〜10分間、加熱処理してゴム層19を半加硫にして硬度を上げ、心線21のゴム層19への保持力を高める。
心線21をスピニングしてゴム層19に喰い込ませ、ゴム層を半加硫したコアー型14を図1に示す金型装置1に設置する。
油圧付きの可動部材4を降下して上型2cを下降してポット部7の容積を調節した後、射出成形機もしくはトランスファー成形機25から予めキャビティ16の容積に応じて計量したゴム原料8を押出してスプルー9を通してポット部7へ収容する。ポット部7に仕込んだゴム原料8はヒーター等によって120〜170℃に加熱される。
そして、図2及び図7に示すように可動部材4を上昇させてポット部7内を加圧し、ポット部7に仕込んだゴム原料8を押出してランナー10内を通過させ、図中矢印方向(巻き付けられた心線21と直角方向)へ圧入してキャビティ16内を充填し、120〜170℃で20〜30分の間、加熱加圧して加硫する。この場合の加圧力は、50〜120MPaである。尚、本発明では、ポット部7に仕込んだゴム原料8を押出してランナー10内を通過させ、心線21の巻付け方向へ圧入してキャビティ16内を充填することもできる。
加硫が終わると、可動部材4を下降させて固定部材3から開放して第1外型2aと第2外型2bの割モールドを分解し、コアー型14を取り出した後、成形物であるスリーブ状のVリブドベルトをコアー型14から抜き出して成形を終える。得られたスリーブ状のVリブドベルトは、心線の乱れがなく均一に配列し、心線をゴム層に喰い込むように巻付けて機械的に強固に巻き付けた効果が確認される。
以下に、図3〜図4に示される金型装置を用いた伝動ベルトの製造方法を示す。
図5に示すように、コアー型14にゴム層19が外側になるように帆布20を被せた後、心線21を一定ピッチでスピニングする。スピニング工程では、コアー型14の両端支持部を心線のスピニング装置(図示せず)の回転軸に装着し、テンションロ−ルを介して低伸度、高強力のコードからなる心線21を所定のスピニングピッチで螺旋状に巻付け、図6に示すようにゴム層19に喰い込ませる。
図5に示すように、コアー型14にゴム層19が外側になるように帆布20を被せた後、心線21を一定ピッチでスピニングする。スピニング工程では、コアー型14の両端支持部を心線のスピニング装置(図示せず)の回転軸に装着し、テンションロ−ルを介して低伸度、高強力のコードからなる心線21を所定のスピニングピッチで螺旋状に巻付け、図6に示すようにゴム層19に喰い込ませる。
このときの心線21のスピニングテンションは5〜70N/本である。心線21の末端固定方法は、コアー型14のエッジに設けた切欠き部に機械的に固定することができるが、この方法に限らず粘着テープ等を用いて固定することもできる。
この金型装置を使用する場合には、心線21をゴム層19に喰い込ませなくても、心線のピッチ乱れを阻止することができる。
そして、心線21をスピニングしてゴム層19に喰い込ませたコアー型14をオーブンに入れて80〜170℃で5〜10分間、加熱処理してゴム層19を半加硫にして硬度を上げ、心線21のゴム層19への保持力を高める。無論、ゴム層19を半加硫にする必要はない。
油圧付きの可動部材4を作動させ、上型2cを下降してポット部7の容積を調節した後、予めキャビティ16の容積に応じて計量したゴム原料8を射出成形機もしくはトランスファー成形機25から押出してスプルー9からポット部7へ収容する。ポット部7に入れたゴム原料8はヒーター等によって120〜170℃に加熱され、熱可塑化が維持される。
そして、図4及び図8に示すように可動部材4を上昇させてポット部7内を加圧し、ポット部7に仕込んだゴム原料8を押出しながらランナー10からゴム通路11を経由してキャビティ16内を充填する。ゴム通路11を通過するゴム原料8は間隙dがキャビティの入口に向けて(ゴム原料の流れる方向)徐々に狭くなっているために、局部的に大きなせん断力を心線21に与えることがなく、スムーズにキャビティ16を充填することができる。そして、キャビティ16を充填したゴム原料は120〜170℃で20〜30分の間、加熱加圧して加硫される。この場合の加圧力は、50〜120MPaである。
ここで使用する心線21や原料ゴム8は、前述と同じである。
加硫が終わると、前述の通り可動部材4を下降させて固定部材3から開放して第1外型2aと第2外型2bの割モールドを分解し、コアー型14を取り出した後、成形物であるスリーブ状のVリブドベルトをコアー型14から抜き出して成形を終える。
尚、図3〜図4に示される金型装置を用いた伝動ベルトの製造方法では、未加硫のゴム層を付着処理した帆布をゴム付着面が外側になるようにコアー型に被せ、心線をゴム付着面に巻付けてゴム層に喰い込ませる必要はない。また、心線をゴム付着面に巻付けてゴム層に喰い込ませた後、該ゴム層を未加硫の状態であってもよい。
本発明では、比較的小さい外周長100〜1,400mmを有するVリブドベルトのような伝動ベルトを効率よく製造することができる方法である。
1 金型装置
2a 第1外型
2b 第2外型
2c 上型
3 固定板
4 可動板
5 突起部
6 凹部
7 ポット部
8 ゴム原料
9 スプルー
10 ランナー
14 コアー型
16 キャビティ
19 ゴム層
20 帆布
21 心線
2a 第1外型
2b 第2外型
2c 上型
3 固定板
4 可動板
5 突起部
6 凹部
7 ポット部
8 ゴム原料
9 スプルー
10 ランナー
14 コアー型
16 キャビティ
19 ゴム層
20 帆布
21 心線
Claims (9)
- 熱可塑化したゴム原料を射出成形あるいはトランスファー成形によって金型内のキャビティに充満させて伝動ベルトを製造する方法であり、未加硫のゴム層を付着処理した帆布を、ゴム付着面が外側になるようにコアー型に被せ、ゴム付着面に心線を巻付けて心線がゴム層に喰い込むようにし、かかるコアー型と外型との間に形成されたキャビティに熱可塑化したゴム原料をコアー型に巻き付けられた心線と直角方向へ圧入して充填し、加硫することを特徴とする伝動ベルトの製造方法。
- 心線を喰い込ませたゴム層が半加硫になった後に、コアー型と外型との間に形成されたキャビティに熱可塑化したゴム原料を圧入して充填し、加硫する請求項1記載の伝動ベルトの製造方法。
- ゴム層の厚みが心線の平均径の40〜150%に相当する請求項1または2記載の伝動ベルトの製造方法。
- 熱可塑化したゴム原料を射出成形あるいはトランスファー成形によって金型内のキャビティに充填し、得られた成形物を加硫して得られる伝動ベルトの製造方法であり、帆布を外表面に被せ、その上に心線を巻付けたコアー型を外型と組み合わせてこれらの型間にキャビティを形成するとともに、該キャビティの入口に向けて徐々に間隙を狭くしたゴム通路を設け、熱可塑化したゴム原料をゴム通路からキャビティ内に充填するとともに、コアー型に巻き付けられた心線と直角方向へ圧入することを特徴とする伝動ベルトの製造方法。
- 未加硫のゴム層を付着処理した帆布を、ゴム付着面が外側になるようにコアー型に被せ、心線をゴム付着面に巻付けてゴム層に喰い込ませた請求項4記載の伝動ベルトの製造方法。
- 心線をゴム付着面に巻付けてゴム層に喰い込ませた後、該ゴム層を半加硫する請求項5記載の伝動ベルトの製造方法。
- 外型の内周面には、円周方向に沿って平行な複数のリブ溝を有している請求項1乃至6の何れかに記載の伝動ベルトの製造方法。
- ポット部内に収容した熱可塑化したゴム原料を射出成形あるいはトランスファー成形によって金型内のキャビティに圧入し、得られた成形物を加硫して得られる伝動ベルト成形用金型装置であり、
熱可塑化したゴム原料の所定量を収容するポット部と、
少なくとも心線を巻付けるコアー型と、
コアー型の外側に少なくとも2つに分解した割りモールドからなる外型と、
コアー型と外型と組み合わせてこれらの型間にベルト形成体を形成するキャビティと、
ポット部に連通し、キャビティの入口に向けて徐々に間隙を狭くするようにしたゴム通路と、
ポット部に収容した熱可塑化したゴム原料を押圧する加圧部材と、
からなることを特徴とする伝動ベルト成形用金型装置。 - 外型の内周面には、円周方向に沿って平行な複数のリブ溝を有している請求項8記載の伝動ベルト成形用金型装置。
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