JP2007117036A - 大豆タンパク質改質剤及び改質大豆タンパク質 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大豆タンパク質を改質し、加熱調理しても油脂分のドリップが少なくて多汁性に富み、風味、ジューシー感及びソフト感のよい挽肉加工品を製造できる大豆タンパク質改質剤提供する。
【解決手段】 下記のA成分、B成分、及びC成分を含み、10℃における粘度が50〜1000mPa・sの水中油滴型乳化液であることを特徴とする大豆タンパク質改質剤。
A成分:食用油脂 5〜60質量%、
B成分:カゼイン類 0.5〜3質量%、
C成分:炭素数14から18の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂肪酸モノエステル 0.1〜2.0質量%。
【選択図】 なし
【解決手段】 下記のA成分、B成分、及びC成分を含み、10℃における粘度が50〜1000mPa・sの水中油滴型乳化液であることを特徴とする大豆タンパク質改質剤。
A成分:食用油脂 5〜60質量%、
B成分:カゼイン類 0.5〜3質量%、
C成分:炭素数14から18の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂肪酸モノエステル 0.1〜2.0質量%。
【選択図】 なし
Description
本発明は、水中油滴型乳化液である大豆タンパク質改質剤、及びこの改質剤により吸水・吸油した改質大豆タンパク質に関する。
大豆タンパク質は良質な植物性タンパク質であり、味噌、醤油、油揚げ等の食品に多く利用されてきた。また、大豆タンパク質は、肉的食感を有することからミートボール、ハンバーグ、つくね、肉まんや餃子の餡、コロッケの具等冷凍食品、あるいはチルド惣菜類に挽肉の代用品として、原料コストの低減を目的で使用されている。大豆タンパク質の原料となる脱脂大豆は、大豆からヘキサン等の溶剤抽出で油脂分を除去した残りであり、油脂分をほとんど含有していない。したがって、大豆タンパク質を挽肉加工品に添加した場合、加熱調理した挽肉加工品において、ジューシー感やソフト感を満足させることは難しかった。また、大豆タンパク質は、特有の風味を有している。水中油滴型乳化液はこの臭いをマスキングするために使用されるに過ぎなかった(特許文献1、特許文献2)。
特開平4−207158号公報
特開平5−41951号公報
本発明は、特定のポリグリセリン脂肪酸モノエステル、カゼイン類を特定量含み、特定の粘度とした食用油脂の水中油滴型乳化液を大豆タンパク質改質剤として使用すると、大豆タンパク質に対する吸水・吸油性が向上することを見い出した。さらに、これにより改質した大豆タンパク質を使用して加熱調理した挽肉加工品は、油脂分のドリップが少なくて多汁性に富み、風味、ジューシー感及びソフト感が良好であることを見出した。
本発明は、大豆タンパク質に対する吸水・吸油性に優れ、改質した大豆タンパク質を使用して加熱調理した挽肉加工品において、油脂分のドリップが少なくて多汁性に富み、風味、ジューシー感及びソフト感が良好となる大豆タンパク質改質剤を提供する。
本発明は、大豆タンパク質に対する吸水・吸油性に優れ、改質した大豆タンパク質を使用して加熱調理した挽肉加工品において、油脂分のドリップが少なくて多汁性に富み、風味、ジューシー感及びソフト感が良好となる大豆タンパク質改質剤を提供する。
本発明は、
(1)下記のA成分、B成分、及びC成分を含み、10℃における粘度が50〜1000mPa・sの水中油滴型乳化液であることを特徴とする大豆タンパク質改質剤。
A成分:食用油脂 5〜60質量%、
B成分:カゼイン類 0.5〜3質量%、
C成分:炭素数14から18の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂肪酸モノエステル 0.1〜2.0質量%。
(2)A成分の食用油脂が20℃における固体脂指数10〜50である前記(1)の大豆タンパク質改質剤。
(3)前記(1)又は(2)の大豆タンパク質改質剤により吸水・吸油した改質大豆タンパク質である。
(1)下記のA成分、B成分、及びC成分を含み、10℃における粘度が50〜1000mPa・sの水中油滴型乳化液であることを特徴とする大豆タンパク質改質剤。
A成分:食用油脂 5〜60質量%、
B成分:カゼイン類 0.5〜3質量%、
C成分:炭素数14から18の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂肪酸モノエステル 0.1〜2.0質量%。
(2)A成分の食用油脂が20℃における固体脂指数10〜50である前記(1)の大豆タンパク質改質剤。
(3)前記(1)又は(2)の大豆タンパク質改質剤により吸水・吸油した改質大豆タンパク質である。
本発明の大豆タンパク質改質剤は食用油脂成分が多くても乳化安定性に優れ、大豆タンパク質への吸水・吸油性に優れている。食用油脂成分が牛脂、豚脂などの室温で固形の油脂であっても安定な水中油滴型乳化液を形成でき、大豆タンパク質への吸水・吸油性に優れている。本発明の大豆タンパク質改質剤を用いると大豆タンパク質の風味を改質できる。
さらに本発明の大豆タンパク質改質剤で吸水・吸油した改質大豆タンパク質製品を挽肉加工食品に使用すると、加熱調理しても油脂分のドリップが少なくて多汁性に富み、ジューシー感及びソフト感のある挽肉加工品を提供することができる。
本発明は、食用油脂(A成分)、カゼイン類(B成分)及び、炭素数14から18の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂肪酸モノエステル(C成分)を含む水中油滴型乳化液である大豆タンパク質改質剤である。
(A成分)
本発明において使用する食用油脂としては、例えば、ナタネ油、パーム油、パーム核油、大豆油、コーン油、ヤシ油等の食用植物油や、牛脂、豚脂、鶏油、魚油等の食用動物油脂、さらにはオリーブ油、ゴマ油、落花生油等の呈味性を有する油脂類が挙げられる。これらの油脂を1種または2種以上の混合油として使用することもできる。
さらに、硬化油、分別油、エステル交換油等の食用加工油脂も使用できる。食用油脂中には風味・呈味または着色料等を配合してもかまわない。
本発明において、A成分の食用油脂の20℃における固体脂指数を10〜50にすると、改質した大豆タンパク質製品を挽肉加工食品に使用する際により多汁性に富み、ジューシー感及びソフト感に富むことから好ましい。20℃における固体脂指数は15〜30であることがより好ましい。固体脂指数が低いと、焼成時での保油性が十分とはいえなくなり風味に乏しくなる。固体脂指数が高いと、口ざわりが損なわれるおそれがある。
A成分の食用油脂の融点は20〜55℃が好ましく、より好ましくは30〜45℃である。融点が低いと、焼成時での保油性が十分とはいえなくなり風味に乏しくなる。融点が高いと、口ざわりが損なわれるおそれがある。
本発明において使用する食用油脂としては、例えば、ナタネ油、パーム油、パーム核油、大豆油、コーン油、ヤシ油等の食用植物油や、牛脂、豚脂、鶏油、魚油等の食用動物油脂、さらにはオリーブ油、ゴマ油、落花生油等の呈味性を有する油脂類が挙げられる。これらの油脂を1種または2種以上の混合油として使用することもできる。
さらに、硬化油、分別油、エステル交換油等の食用加工油脂も使用できる。食用油脂中には風味・呈味または着色料等を配合してもかまわない。
本発明において、A成分の食用油脂の20℃における固体脂指数を10〜50にすると、改質した大豆タンパク質製品を挽肉加工食品に使用する際により多汁性に富み、ジューシー感及びソフト感に富むことから好ましい。20℃における固体脂指数は15〜30であることがより好ましい。固体脂指数が低いと、焼成時での保油性が十分とはいえなくなり風味に乏しくなる。固体脂指数が高いと、口ざわりが損なわれるおそれがある。
A成分の食用油脂の融点は20〜55℃が好ましく、より好ましくは30〜45℃である。融点が低いと、焼成時での保油性が十分とはいえなくなり風味に乏しくなる。融点が高いと、口ざわりが損なわれるおそれがある。
さらに、本発明において製造する挽肉加工品は、挽肉を主原料とした加工食品であるが、例えば、ハンバーグ、ミートボール、つくね等の食肉加工食品に用いられる挽肉加工品の原料として用いる挽肉は、牛肉、豚肉、鶏肉などが使用されている。したがって、A成分としてこれらと同じ由来の食用動物油脂を用いると肉組織に馴染み易く、また風味にも影響しないことになる。特に牛脂と豚脂の混合油脂を用いると、風味の相乗効果を期待でき、さらに体温に近い融点に改善されることで脂肪のなめらかさを口の中で感じ易く、口当たりのソフトな食味とすることができるので好ましい。
A成分の水中油滴型乳化液中の含有量は、より効果的にジューシー感を付与させるためには5〜60質量%であり、より好ましくは、10〜55質量%、さらに好ましくは20〜50質量%である。
A成分の含有量が、5質量%より少ないと、大豆タンパク質への吸油量が少なくなり、ジューシー感が感じられなくなるおそれがある。また、A成分の含有量が、60質量%より多いと油中水滴型へ転相しやすくなり、水中油滴型乳化液を得ることができなくなりやすい。
A成分の含有量が、5質量%より少ないと、大豆タンパク質への吸油量が少なくなり、ジューシー感が感じられなくなるおそれがある。また、A成分の含有量が、60質量%より多いと油中水滴型へ転相しやすくなり、水中油滴型乳化液を得ることができなくなりやすい。
(B成分)
本発明においてB成分に使用するカゼイン類は、牛乳、脱脂等から分離して製造される乳酸カゼイン、塩酸カゼイン等の酸カゼイン、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム等のカゼイン塩、又はこれらの任意の混合物を使用できる。なかでもカゼインナトリウムは安全性、供給安定性等で使用に適している。
カゼイン類の含有量は、水中油滴型乳化液中に0.5〜3質量%、好ましくは1〜2質量%である。カゼイン類の含有量をこの範囲にすることにより、乳化液がオイルオフすることもなく優れた乳化安定性が得られる。カゼイン類を添加することにより、調理時の熱に対して乳液を安定化でき油脂分のドリップが少なくすることができる。
カゼイン類の含有量が0.5質量%より低いと、水中油滴型乳化液の安定性が悪くなったり、大豆タンパク質への吸水性・吸油性が悪くなり、さらにこれを添加し調理した挽肉加工品においてジューシー感が得られ難くなる。
本発明においてB成分に使用するカゼイン類は、牛乳、脱脂等から分離して製造される乳酸カゼイン、塩酸カゼイン等の酸カゼイン、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム等のカゼイン塩、又はこれらの任意の混合物を使用できる。なかでもカゼインナトリウムは安全性、供給安定性等で使用に適している。
カゼイン類の含有量は、水中油滴型乳化液中に0.5〜3質量%、好ましくは1〜2質量%である。カゼイン類の含有量をこの範囲にすることにより、乳化液がオイルオフすることもなく優れた乳化安定性が得られる。カゼイン類を添加することにより、調理時の熱に対して乳液を安定化でき油脂分のドリップが少なくすることができる。
カゼイン類の含有量が0.5質量%より低いと、水中油滴型乳化液の安定性が悪くなったり、大豆タンパク質への吸水性・吸油性が悪くなり、さらにこれを添加し調理した挽肉加工品においてジューシー感が得られ難くなる。
カゼイン類の含有量が3質量%より多いと、乳化液の連続相である水相部の粘度が高くなり、乳化操作が困難になり、乳化液自体の製造が難しくなることがある。この場合、例え、乳化液を製造できても高粘度となり、大豆タンパク質への吸水性・吸油性が悪くなり、改質された大豆タンパク質を添加した挽肉加工品においてジューシー感が得られ難くなる。さらに、カゼイン類の量が多くなることによって、カゼイン特有の風味が製品にでてしまうため、挽肉加工品の旨味や風味を顕著に損なう原因ともなる。
(C成分)
本発明においてC成分に使用するポリグリセリン脂肪酸モノエステルは、炭素数14から18の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂肪酸モノエステルである。
具体的には、テトラグリセリンモノステアレート、ペンタグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンモノパルミレート、ヘキサグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノオレエートが挙げられる。
本発明においてC成分に使用するポリグリセリン脂肪酸モノエステルは、炭素数14から18の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂肪酸モノエステルである。
具体的には、テトラグリセリンモノステアレート、ペンタグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセリンモノパルミレート、ヘキサグリセリンモノオレエート、ヘキサグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノオレエートが挙げられる。
炭素数12以下の脂肪酸がエステル結合したポリグリセリンモノ脂肪酸エステルを使用すると乳化液の安定性は十分とはいえない。また炭素数が20以上の脂肪酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸モノエステルについても、安定した乳化状態を維持することができ難くなる。いずれも、大豆タンパク質へ十分に吸水・吸油できなくなる。
重合度4未満のポリグリセリン、もしくは重合度が10を超えるポリグリセリンを原料とする脂肪酸モノエステルを使用しても同様に乳化安定性は十分とはいえない。さらに2以上の脂肪酸が結合したポリグリセリン脂肪酸モノエステルを使用しても十分な乳化安定性は得られ難い。
C成分のポリグリセリン脂肪酸モノエステルの含有量は水中油滴型乳化液中に、0.1〜2.0質量%である。さらに、0.25〜1.0質量%が好ましい。
重合度4未満のポリグリセリン、もしくは重合度が10を超えるポリグリセリンを原料とする脂肪酸モノエステルを使用しても同様に乳化安定性は十分とはいえない。さらに2以上の脂肪酸が結合したポリグリセリン脂肪酸モノエステルを使用しても十分な乳化安定性は得られ難い。
C成分のポリグリセリン脂肪酸モノエステルの含有量は水中油滴型乳化液中に、0.1〜2.0質量%である。さらに、0.25〜1.0質量%が好ましい。
本発明の大豆タンパク質改質剤は、水中油滴型乳化液中にA成分、B成分及びC成分を合計量5.6〜64.5質量%、即ち水35.0〜94.4質量%を含む水中油滴型乳化液である。A成分、B成分及びC成分の合計量が5質量%未満、即ち水の含有量が95質量%を超える場合は、大豆タンパク質への吸油性が極めて少ないため、これを添加し調理した挽肉加工品においてジューシー感が得られ難くなる。またA成分、B成分及びC成分の合計量が65.5質量%を超えるとき、即ち水の含有量が35.0質量%未満の場合は、乳化液の乳化状態が不安定もしくは、高粘度化することになる。大豆タンパク質への乳化液の含浸性が悪く、十分な吸水・吸油がなされないため、調理後の挽肉加工品においてジューシー感を向上させることができ難くなる。
本発明において水中油滴型乳化液の粘度は、10℃で50〜1000mPa・sである。ここで、粘度は、B型粘度計(形式BL;株式会社東京計器製作所製)を使用し、ローターNo.1およびNo.2を30rpmの回転数で1分間回転させたのちの粘度を測定した値である。粘度が50mPa・s未満のものは、大豆タンパク質への吸油性が悪くなり、調理後の挽肉加工品のジューシー感向上効果が弱くなる。粘度が1000mPa・sを超えると大豆タンパク質への乳化液の含浸性が悪くなり、十分な吸水・吸油ができず、調理後の挽肉加工品のジューシー感を向上させることが難しくなる。
本発明において水中油滴型乳化液の粒径は、0.3〜3.0μmであることが好ましい。3.0μmを超えると、乳化液の安定性が悪くなる傾向があり、十分な吸水・吸油ができず、調理後の挽肉加工品のジューシー感を向上させることが難しくなる。
(水中油滴型乳化液の製造方法)
本発明の大豆タンパク質改質剤である水中油滴型乳化液は、例えば以下のようにして製造することができる。B成分のカゼイン類、C成分のポリグリセリン脂肪酸エステルを水に分散させたのちに、70℃まで加熱して溶解する。こうして得られた水液中に、A成分の食用油脂を徐々に加えて攪拌しながら20分間粗乳化を行い、粗乳化液を作製する。A成分の食用油脂は加熱するなどし液体状であることが好ましい。
この乳化液をそのまま使用できる場合もあるが、粘度が高いことから、さらにホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミルなどの水中油滴型乳化液製造機を用いて乳化することが好ましい。
また水中油滴型分散液は、冷却して分散液中の液滴粒子が、固形化した油脂となる分散液であってもよい。その際に用いる冷却方法・装置は特に限定するものでないが、冷却温度は、3〜10℃に急冷することが好ましい。
水中油滴型分散液の粘度は、A〜C成分の配合量、乳化時の攪拌力、冷却方法等により調整することができる。
本発明の大豆タンパク質改質剤である水中油滴型乳化液は、例えば以下のようにして製造することができる。B成分のカゼイン類、C成分のポリグリセリン脂肪酸エステルを水に分散させたのちに、70℃まで加熱して溶解する。こうして得られた水液中に、A成分の食用油脂を徐々に加えて攪拌しながら20分間粗乳化を行い、粗乳化液を作製する。A成分の食用油脂は加熱するなどし液体状であることが好ましい。
この乳化液をそのまま使用できる場合もあるが、粘度が高いことから、さらにホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミルなどの水中油滴型乳化液製造機を用いて乳化することが好ましい。
また水中油滴型分散液は、冷却して分散液中の液滴粒子が、固形化した油脂となる分散液であってもよい。その際に用いる冷却方法・装置は特に限定するものでないが、冷却温度は、3〜10℃に急冷することが好ましい。
水中油滴型分散液の粘度は、A〜C成分の配合量、乳化時の攪拌力、冷却方法等により調整することができる。
本発明で用いる水中油滴型乳化液には、A〜C成分の他に、B、C成分以外の乳化剤、乳化安定剤、ビーフエキス、グルタミン酸ナトリウム、食塩等の調味料類、着香料、着色料、保存料、抗酸化剤、発色剤などの各種添加物を添加してもよい。さらにビタミン類、微量金属成分、薬効成分、動植物の抽出エキス類を配合しても構わない。その際油性成分は食用油脂の油相に加え、親水性成分は水相に加えることが望ましい。
この場合に使用できる乳化剤としては、例えば、有機酸モノグリセリンエステル、ポリグリセリン脂肪酸ジエステルポリグリセリン脂肪酸トリエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。また乳化安定剤としては、例えば、サポニン、乳タンパク、結晶セルロース等を使用することができる。
この場合に使用できる乳化剤としては、例えば、有機酸モノグリセリンエステル、ポリグリセリン脂肪酸ジエステルポリグリセリン脂肪酸トリエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。また乳化安定剤としては、例えば、サポニン、乳タンパク、結晶セルロース等を使用することができる。
(吸水・吸油)
本発明の大豆タンパク質改質剤を使用し吸水・吸油できる大豆タンパク質は、脱脂大豆、濃縮大豆タンパク質、分離大豆タンパク質いずれであってもよい。これら大豆タンパク質製品は、粉末状、粒状あるいは繊維状に加工して食品材料として用いられるが、本発明に使用する場合、いずれの形状であってもよい。
こうした大豆タンパク質100質量部に対して本発明の大豆タンパク質改質剤を200〜300質量部添加して、吸水・吸油する。この場合、例えば、予め、ステンレス容器等に入れた大豆タンパク質に、本発明の大豆タンパク質改質剤を均一になるように加えて10〜20分程、5〜25℃に放置すればよい。
本発明の大豆タンパク質改質剤を使用し吸水・吸油できる大豆タンパク質は、脱脂大豆、濃縮大豆タンパク質、分離大豆タンパク質いずれであってもよい。これら大豆タンパク質製品は、粉末状、粒状あるいは繊維状に加工して食品材料として用いられるが、本発明に使用する場合、いずれの形状であってもよい。
こうした大豆タンパク質100質量部に対して本発明の大豆タンパク質改質剤を200〜300質量部添加して、吸水・吸油する。この場合、例えば、予め、ステンレス容器等に入れた大豆タンパク質に、本発明の大豆タンパク質改質剤を均一になるように加えて10〜20分程、5〜25℃に放置すればよい。
(食肉加工品)
本発明の大豆タンパク質改質剤を使用した挽肉加工品の製造方法として、前記の方法で吸水・吸油させた大豆タンパク質を挽肉に練り込んで、挽肉加工品を処理することができる。この場合目的とする食肉加工品により本発明の効果を損なわない範囲において必要により、小麦粉、パン粉等のつなぎ成分、玉ねぎ等の風味成分、植物性粒状タンパク質等の食感改良剤、食塩等の調味料、コショウ等の香辛料など、他の副原料を混合する。
本発明の大豆タンパク質改質剤を使用した挽肉加工品の製造方法として、前記の方法で吸水・吸油させた大豆タンパク質を挽肉に練り込んで、挽肉加工品を処理することができる。この場合目的とする食肉加工品により本発明の効果を損なわない範囲において必要により、小麦粉、パン粉等のつなぎ成分、玉ねぎ等の風味成分、植物性粒状タンパク質等の食感改良剤、食塩等の調味料、コショウ等の香辛料など、他の副原料を混合する。
本発明において製造する挽肉加工品は、挽肉を主原料とした加工食品であり、例えば、ハンバーグ、ミートボール、つくね等の食肉加工食品に用いられる公知の挽肉加工品を挙げることができる。
原料として用いる挽肉としては、特に限定されないが、例えば、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉、馬肉、鹿肉、魚肉等の食肉が挙げられる。これらの食肉の1種または2種以上を使用できる。
原料として用いる挽肉としては、特に限定されないが、例えば、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉、馬肉、鹿肉、魚肉等の食肉が挙げられる。これらの食肉の1種または2種以上を使用できる。
本発明の挽肉加工品の製造方法に用いる水中油滴型乳化液は、食肉の筋肉組織との親和性の高い水相が連続相であるために肉組織への馴染みやすさに優れている。ハンバーグ生地へ容易に混合させることが可能なので、加熱調理後の製品歩留りがよく、ジューシー感かつソフト感に優れた挽肉加工品を製造することができる。
実施例1
水93.25質量部にB成分のカゼインナトリウム(中央商工株式会社製 商品名:インスタンラックS)1.5質量部、C成分のデカグリセリンモノステアレート(太陽化学株式会社、商品名:サンソフトQ−18S)0.25質量部を溶解した後、70℃まで加温した。65℃にまで加温し液体としたA成分の精製牛脂(固体脂指数17)5.0質量部をスリーワンモーター(HEIDON製)で攪拌しながら徐々に添加して15分間乳化した。その後圧力式ホモジナイザーを用いて120kg/cm2で油滴粒子を微細に均質化し、10℃まで急速冷却した。
乳化液の物性評価については、以下の基準で評価した。
(1)乳化安定性
製造後10℃に60分間放置し、相分離の状態を目視にて観察した。
安定:粘度上昇もなく、液状のままで相分離が見られない。
やや不安定:水中油滴型乳液であるが、若干の粘度上昇があり、半液状に近い物性。
不安定:一部油相分離しており、急冷後、乳化液全体が固体状になった状態。
転相:油相と水相が完全に分離し、急冷後、油相(牛脂)部分のみが固化した状態。
(2)乳化の粘度:乳化液の温度を10℃とし、B型粘度計(形式BL;東京計器株式会社製)を使用し、ローターを30rpmの回転数で1分間回転させたのちの粘度を測定した。
(3)乾燥粒状大豆タンパク質への吸水・吸油性
乾燥粒状大豆(ミーテックスシリーズ:昭和産業株式会社製)100質量部を乳化液300質量部に含浸させ、10℃に放置した後の乾燥粒状大豆の状態により評価した。
◎:放置後、15分には中心部まで乳化液が含浸し、乾燥粒状大豆がぶよぶよの状態となった。
○:放置後、15分〜30分には中心部まで乳化液が含浸し、乾燥粒状大豆がぶよぶよの状態となった。
△:放置後、30分後においても、中心部まで乳化液が含浸できず、乾燥粒状大豆は芯がある状態であった。
×:放置後、30分後においても、乳化液は、乾燥粒状大豆の内部に含浸できなかった。
(4)油分含量
乾燥粒状大豆(ミーテックスシリーズ:昭和産業株式会社製)100質量部を乳化液300質量部に含浸させ、10℃で30分間放置した後、紙タオル(商品名:キムタオル)で表面にある乳化液を除去した。これに、500質量部のエーテルを加え油脂分を抽出し、吸水・吸油処理後の乾燥粒状大豆に含まれる油分含量を測定した。油分含量は大豆タンパク質100質量部に対する油分の質量部で表した。
(5)固体脂指数
固体脂指数(SFI)は、日本油化学協会制定基準油脂分析試験法(2.2.4.2−1996)に準じて測定した。
結果を表1に示す。
水93.25質量部にB成分のカゼインナトリウム(中央商工株式会社製 商品名:インスタンラックS)1.5質量部、C成分のデカグリセリンモノステアレート(太陽化学株式会社、商品名:サンソフトQ−18S)0.25質量部を溶解した後、70℃まで加温した。65℃にまで加温し液体としたA成分の精製牛脂(固体脂指数17)5.0質量部をスリーワンモーター(HEIDON製)で攪拌しながら徐々に添加して15分間乳化した。その後圧力式ホモジナイザーを用いて120kg/cm2で油滴粒子を微細に均質化し、10℃まで急速冷却した。
乳化液の物性評価については、以下の基準で評価した。
(1)乳化安定性
製造後10℃に60分間放置し、相分離の状態を目視にて観察した。
安定:粘度上昇もなく、液状のままで相分離が見られない。
やや不安定:水中油滴型乳液であるが、若干の粘度上昇があり、半液状に近い物性。
不安定:一部油相分離しており、急冷後、乳化液全体が固体状になった状態。
転相:油相と水相が完全に分離し、急冷後、油相(牛脂)部分のみが固化した状態。
(2)乳化の粘度:乳化液の温度を10℃とし、B型粘度計(形式BL;東京計器株式会社製)を使用し、ローターを30rpmの回転数で1分間回転させたのちの粘度を測定した。
(3)乾燥粒状大豆タンパク質への吸水・吸油性
乾燥粒状大豆(ミーテックスシリーズ:昭和産業株式会社製)100質量部を乳化液300質量部に含浸させ、10℃に放置した後の乾燥粒状大豆の状態により評価した。
◎:放置後、15分には中心部まで乳化液が含浸し、乾燥粒状大豆がぶよぶよの状態となった。
○:放置後、15分〜30分には中心部まで乳化液が含浸し、乾燥粒状大豆がぶよぶよの状態となった。
△:放置後、30分後においても、中心部まで乳化液が含浸できず、乾燥粒状大豆は芯がある状態であった。
×:放置後、30分後においても、乳化液は、乾燥粒状大豆の内部に含浸できなかった。
(4)油分含量
乾燥粒状大豆(ミーテックスシリーズ:昭和産業株式会社製)100質量部を乳化液300質量部に含浸させ、10℃で30分間放置した後、紙タオル(商品名:キムタオル)で表面にある乳化液を除去した。これに、500質量部のエーテルを加え油脂分を抽出し、吸水・吸油処理後の乾燥粒状大豆に含まれる油分含量を測定した。油分含量は大豆タンパク質100質量部に対する油分の質量部で表した。
(5)固体脂指数
固体脂指数(SFI)は、日本油化学協会制定基準油脂分析試験法(2.2.4.2−1996)に準じて測定した。
結果を表1に示す。
実施例2〜5及び比較例1〜2
表1に示す配合により、他は実施例1と同様にして水中油滴型乳化液を製造し評価した。結果を表1に示す。
表1に示す配合により、他は実施例1と同様にして水中油滴型乳化液を製造し評価した。結果を表1に示す。
比較例3
水48.25質量部にB成分のカゼインナトリウム(中央商工株式会社 商品名:インスタンラックS)1.5質量部、C成分のテトラグリセリンモノステアレート(太陽化学株式会社 商品名:サンソフトQ−18S)0.25質量部を溶解した後、70℃まで加温した。65℃にまで加温し液体としたA成分の精製牛脂50.0質量部をスリーワンモーター(HEIDON製)で攪拌しながら徐々に添加して15分間乳化し、10℃まで急速冷却した。
水48.25質量部にB成分のカゼインナトリウム(中央商工株式会社 商品名:インスタンラックS)1.5質量部、C成分のテトラグリセリンモノステアレート(太陽化学株式会社 商品名:サンソフトQ−18S)0.25質量部を溶解した後、70℃まで加温した。65℃にまで加温し液体としたA成分の精製牛脂50.0質量部をスリーワンモーター(HEIDON製)で攪拌しながら徐々に添加して15分間乳化し、10℃まで急速冷却した。
表1の結果より、本発明の範囲の水中油滴型乳化液は、安定性、乾燥粒状大豆タンパク質への吸水・吸油性に優れていることが分かる。
水中油滴型乳化液のA成分の量が少ない場合(比較例1)、大豆タンパク質中の油分が少なくなり油脂による改質効果が十分ではない。A成分の量が多い場合(比較例2)、均質工程直後に油中水滴型へ転相し、水中油滴型乳化液を得ることができなかった。
さらに実施例4と同様の配合であるが高粘度の水中油滴型乳化液を作製した場合(比較例3)、乳化液の安定性が悪く、十分な吸水・吸油性が得られなかった。
水中油滴型乳化液のA成分の量が少ない場合(比較例1)、大豆タンパク質中の油分が少なくなり油脂による改質効果が十分ではない。A成分の量が多い場合(比較例2)、均質工程直後に油中水滴型へ転相し、水中油滴型乳化液を得ることができなかった。
さらに実施例4と同様の配合であるが高粘度の水中油滴型乳化液を作製した場合(比較例3)、乳化液の安定性が悪く、十分な吸水・吸油性が得られなかった。
実施例6〜9及び比較例4〜10
表2に示す配合により、他は実施例1と同様にして水中油滴型乳化液を製造し評価した。結果を表2に示す。
表2に示す配合により、他は実施例1と同様にして水中油滴型乳化液を製造し評価した。結果を表2に示す。
表2の結果より、本発明の範囲の水中油滴型乳化液は、安定性、乾燥粒状大豆タンパク質への吸水・吸油性に優れていることが分かる。
水中油滴型乳化液のB成分のカゼイン類の量が、無添加(比較例4)では安定な乳化液を得ることができなかった。一方、5.0質量%(比較例5)では粘度が高くなり作業性に大きく影響するとともに、乳化液にカゼインの風味が認められた。さらにカゼインナトリウムを使用しないで、脱脂粉乳(比較例6)、ラクトアルブミン(比較例7)、アラビアガム(比較例8)、加工澱粉(比較例10)を使用した場合、いずれにおいても、乳化状態が不安定であった。キサンタンガム(比較例9)については、比較的に安定した乳化状態であったが、高粘度のため、十分な吸水・吸油性が得られなかった。
水中油滴型乳化液のB成分のカゼイン類の量が、無添加(比較例4)では安定な乳化液を得ることができなかった。一方、5.0質量%(比較例5)では粘度が高くなり作業性に大きく影響するとともに、乳化液にカゼインの風味が認められた。さらにカゼインナトリウムを使用しないで、脱脂粉乳(比較例6)、ラクトアルブミン(比較例7)、アラビアガム(比較例8)、加工澱粉(比較例10)を使用した場合、いずれにおいても、乳化状態が不安定であった。キサンタンガム(比較例9)については、比較的に安定した乳化状態であったが、高粘度のため、十分な吸水・吸油性が得られなかった。
実施例10〜16及び比較例11〜16
表3、4に示す配合により、他は実施例1と同様にして水中油滴型乳化液を製造し評価した。結果を表3、4に示す。
表3、4に示す配合により、他は実施例1と同様にして水中油滴型乳化液を製造し評価した。結果を表3、4に示す。
表3の結果より、本発明の範囲の水中油滴型乳化液は、安定性、乾燥粒状大豆タンパク質への吸水・吸油性に優れていることが分かる。
表4の結果より、モノグリセリン脂肪酸エステル(比較例11)、エステル化度に高いポリグリセリン脂肪酸エステル(比較例12、13)、炭素数12の脂肪酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(比較例14〜16)を使用した場合は、製造される水中油滴型乳化液の安定性が悪かった。さらに、吸水・吸油性も悪く、油分量も低かった。
表4の結果より、モノグリセリン脂肪酸エステル(比較例11)、エステル化度に高いポリグリセリン脂肪酸エステル(比較例12、13)、炭素数12の脂肪酸がエステル結合したポリグリセリン脂肪酸エステル(比較例14〜16)を使用した場合は、製造される水中油滴型乳化液の安定性が悪かった。さらに、吸水・吸油性も悪く、油分量も低かった。
実施例17〜21及び比較例17〜19
表5に示す配合により、他は実施例1と同様にして水中油滴型乳化液を製造し評価した。結果を表5に示す。
表5に示す配合により、他は実施例1と同様にして水中油滴型乳化液を製造し評価した。結果を表5に示す。
表5の結果より、本発明の範囲の水中油滴型乳化液は、安定性、乾燥粒状大豆タンパク質への吸水・吸油性に優れていることが分かる。
C成分が少ないと(比較例17)、乳化液が分離した。一方、多量に添加すると、乳化剤の風味がした(比較例18、19)。
C成分が少ないと(比較例17)、乳化液が分離した。一方、多量に添加すると、乳化剤の風味がした(比較例18、19)。
本改質法による粒状タンパク質の呈味性を評価するために、本発明の大豆タンパク質改質剤で処理した粒状大豆タンパク質粒状タンパク質を使用したハンバーグを作製し、ジューシー感、ソフト感について官能評価を行った。
実施例22
牛挽肉43.5質量部、豚挽肉20.2質量部に本発明の大豆タンパク質改質剤(実施例4)で改質した粒状大豆タンパク質10.0部を加えて混練し、食塩0.7質量部を添加して混練する。さらにこれに玉ねぎのみじん切り15.0質量部、パン粉7.5質量部、香辛料0.1質量部を加えてさらに混練を行ってハンバーグ生地を得た。上記に示した配合比で調整したハンバーグ生地80gを、それぞれ縦径8.0cm、横径6.0cm、厚さ1.6cmにハンバーグ状に成型したハンバーグ生地を200℃の熱鉄板で片面45秒間ずつ両面を加熱後、200℃のオーブンで7分間焼成し、−40℃で24時間凍結した。2次調理加熱は、電子レンジ(700W)で、2分間加熱してジューシー感とソフト感を評価した。
なお、乾燥粒状大豆は、乾燥粒状大豆(ミーテックスシリーズ:昭和産業株式会社製)100質量部を本発明の大豆改質剤である乳化液300質量部に含浸させ、10℃に30間放置し改質した。
結果を表6に示す。
牛挽肉43.5質量部、豚挽肉20.2質量部に本発明の大豆タンパク質改質剤(実施例4)で改質した粒状大豆タンパク質10.0部を加えて混練し、食塩0.7質量部を添加して混練する。さらにこれに玉ねぎのみじん切り15.0質量部、パン粉7.5質量部、香辛料0.1質量部を加えてさらに混練を行ってハンバーグ生地を得た。上記に示した配合比で調整したハンバーグ生地80gを、それぞれ縦径8.0cm、横径6.0cm、厚さ1.6cmにハンバーグ状に成型したハンバーグ生地を200℃の熱鉄板で片面45秒間ずつ両面を加熱後、200℃のオーブンで7分間焼成し、−40℃で24時間凍結した。2次調理加熱は、電子レンジ(700W)で、2分間加熱してジューシー感とソフト感を評価した。
なお、乾燥粒状大豆は、乾燥粒状大豆(ミーテックスシリーズ:昭和産業株式会社製)100質量部を本発明の大豆改質剤である乳化液300質量部に含浸させ、10℃に30間放置し改質した。
結果を表6に示す。
比較例20及び21
水あるいは比較例3の大豆タンパク質改質剤により改質した粒状大豆タンパク質を使用したハンバーグを実施例22と同様に作製し、官能評価を行った。結果を表6に示す。
水あるいは比較例3の大豆タンパク質改質剤により改質した粒状大豆タンパク質を使用したハンバーグを実施例22と同様に作製し、官能評価を行った。結果を表6に示す。
ハンバーグの食感については、加熱調理したハンバーグの食感を、パネラー7名で官能評価を行った。実施した試食評価は、ジューシー感とソフト感について4段階評価(0〜3)を行い、その平均値(小数点第2位を四捨五入)を算出し、表に示した(数値が大きいほどジューシー感かつソフト感に優れる)。表6におけるジューシー感の評価基準及びソフト感の評価基準は、下記のとおりである。
〈ジューシー感の評価基準〉
3点:ジューシー感において満足できる。
2点:ジューシー感を感じる。
1点:ややジューシー感を感じる。
0点:ジューシー感を感じない。
〈ソフト感の評価基準〉
3点:極めてソフトである。
2点:かなり改善され、ソフトである。
1点:硬さが少し改善されたが、未だに硬い。
0点:全体に硬く、ソフト感に欠ける。
〈ジューシー感の評価基準〉
3点:ジューシー感において満足できる。
2点:ジューシー感を感じる。
1点:ややジューシー感を感じる。
0点:ジューシー感を感じない。
〈ソフト感の評価基準〉
3点:極めてソフトである。
2点:かなり改善され、ソフトである。
1点:硬さが少し改善されたが、未だに硬い。
0点:全体に硬く、ソフト感に欠ける。
表6の結果から明らかなように、本発明の大豆タンパク質改質剤で改質した粒状大豆タンパク質を使用したハンバーグは、ジューシー感、ソフト感に優れている。
実施例23
豚挽肉45.0質量部に大豆タンパク質改質剤(実施例4)で処理した粒状大豆タンパク質粒状タンパク質6.75質量部を加えて混練し、食塩0.7質量部を添加混練する。さらにたけのこ11.25質量部、しいたけ9.45質量部、玉ねぎ5.76質量部、長ネギ3.84質量部、調味料を加えて混練し、中華まんの餡を得た。
これを50gの大きさに丸めて、別途、作製した中華まんの皮に包んで、中華まんを作製した。これを試食による官能評価を行った。
なお、乾燥粒状大豆は、乾燥粒状大豆(ミーテックスシリーズ:昭和産業株式会社製)100質量部を本発明の大豆改質剤である乳化液300質量部に含浸させ、10℃に30間放置し改質した。
結果を表7に示す。
豚挽肉45.0質量部に大豆タンパク質改質剤(実施例4)で処理した粒状大豆タンパク質粒状タンパク質6.75質量部を加えて混練し、食塩0.7質量部を添加混練する。さらにたけのこ11.25質量部、しいたけ9.45質量部、玉ねぎ5.76質量部、長ネギ3.84質量部、調味料を加えて混練し、中華まんの餡を得た。
これを50gの大きさに丸めて、別途、作製した中華まんの皮に包んで、中華まんを作製した。これを試食による官能評価を行った。
なお、乾燥粒状大豆は、乾燥粒状大豆(ミーテックスシリーズ:昭和産業株式会社製)100質量部を本発明の大豆改質剤である乳化液300質量部に含浸させ、10℃に30間放置し改質した。
結果を表7に示す。
比較例22
水にて改質した粒状タンパク質を使用した中華まんを実施例22と同様に作製し、官能評価を行った。結果を表7に示す。
水にて改質した粒状タンパク質を使用した中華まんを実施例22と同様に作製し、官能評価を行った。結果を表7に示す。
製品の官能評価については、調理した中華まんの食感(ジューシー感、ソフト感)を、パネラー10名でハンバーグの検討実験と同様の官能評価方法で行った。実施した試食評価は、ジューシー感とソフト感について4段階評価(0〜3)を行い、その平均値(小数点第2位を四捨五入)を算出し、表7に示した(数値が大きいほどジューシー感かつソフト感に優れる)。なお、表7におけるジューシー感の評価基準及びソフト感の評価基準は、下記のとおりである。
〈ジューシー感の評価基準〉
3点:ジューシー感において満足できる。
2点:ジューシー感を感じる。
1点:ややジューシー感を感じる。
0点:ジューシー感を感じない。
〈ソフト感の評価基準〉
3点:極めてソフトである。
2点:かなり改善され、ソフトである。
1点:硬さが少し改善されたが、未だに硬い。
0点:全体に硬く、ソフト感に欠ける。
〈ジューシー感の評価基準〉
3点:ジューシー感において満足できる。
2点:ジューシー感を感じる。
1点:ややジューシー感を感じる。
0点:ジューシー感を感じない。
〈ソフト感の評価基準〉
3点:極めてソフトである。
2点:かなり改善され、ソフトである。
1点:硬さが少し改善されたが、未だに硬い。
0点:全体に硬く、ソフト感に欠ける。
表7の結果から明らかなように、本発明の大豆タンパク質改質剤で改質した粒状大豆タンパク質粒状タンパク質を使用した中華まんは、ジューシー感、ソフト感に優れている。
Claims (3)
- 下記のA成分、B成分、及びC成分を含み、10℃における粘度が50〜1000mPa・sの水中油滴型乳化液であることを特徴とする大豆タンパク質改質剤。
A成分:食用油脂 5〜60質量%、
B成分:カゼイン類 0.5〜3質量%、
C成分:炭素数14から18の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂肪酸モノエステル 0.1〜2.0質量%。 - A成分の食用油脂が20℃における固体脂指数10〜50である請求項1記載の大豆タンパク質改質剤。
- 請求項1又は2に記載の大豆タンパク質改質剤により吸水・吸油した改質大豆タンパク質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005315913A JP2007117036A (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | 大豆タンパク質改質剤及び改質大豆タンパク質 |
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JP2005315913A JP2007117036A (ja) | 2005-10-31 | 2005-10-31 | 大豆タンパク質改質剤及び改質大豆タンパク質 |
Publications (1)
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---|---|---|---|---|
WO2021145303A1 (ja) * | 2020-01-14 | 2021-07-22 | 株式会社J-オイルミルズ | 肉様食品用食感改良組成物 |
WO2022202532A1 (ja) * | 2021-03-22 | 2022-09-29 | 不二製油グループ本社株式会社 | 水中油型乳化物 |
-
2005
- 2005-10-31 JP JP2005315913A patent/JP2007117036A/ja active Pending
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