JP2007113658A - 円すいころ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】円すいころの充填率を増大させても、円すいころの組み付け時にその円すいころが保持器内で安定した姿勢で支持され、組立性の向上を図ることができ、しかも軸受剛性を低下させることなく、低トルク化を実現することが可能な円すいころ軸受を提供する。
【解決手段】内輪13と、外輪12と、内輪13と外輪12との間に転動自在に配された複数の円すいころ14と、円すいころ14を円周所定間隔に保持する保持器16とを備える円すいころ軸受である。保持器15が、大径リング部15bと、小径リング部15cと、大径リング部15bと小径リング部15cと連結する複数の柱部15aとを有する。柱部15aの内径面の両側に円すいころ14の外径面が摺接するテーパ面18を設ける。テーパ面18の幅方向の長さ寸法Lを、円すいころ14の平均直径Dの5%以上で、11%未満とする。小径リング部15cの端縁から径方向にリブを延在させ、そのリブ先端部15dを軸方向内側に屈曲させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は円すいころ軸受に関し、たとえば自走車両のデファレンシャルやトランスミッション等の動力伝達軸を支持する軸受に適用することができる。
例えば、自動車のトランスミッションの軸支持部には、一般的に円すいころ軸受が組み込まれている。図6は円すいころ軸受の標準的な構成を示す。
この円すいころ軸受1は、円すい状の軌道面2aを有する外輪2と、円すい状の軌道面3aを有し、この軌道面3aの小径側端部に小鍔部3b、大径側端部に大鍔部3cを有する内輪3と、外輪2の軌道面2aと内輪3の軌道面3aとの間に転動自在に配された複数の円すいころ4と、円すいころ4を円周方向等間隔に保持する保持器5とを備えている。
このような円すいころ軸受では、図7に示すように、柱部5aの内径面の両側に前記円すいころの外径面が摺接するテーパ面10を設け、円すいころ4の外径面に接触疵が生じないようにしている。従来では、このテーパ面10の幅方向の長さ寸法Lを、前記円すいころ4の平均直径の11%〜20%としている。
ところで、図13は、上述の円すいころ軸受を使用し得る自動車のデファレンシャルの構成を例示したものである。このデファレンシャルは、プロペラシャフト(図示省略)に連結され、デファレンシャルケース21内に挿入したドライブピニオン22が差動歯車ケース23に取り付けたリングギヤ24とかみ合い、差動歯車ケース23の内部に取り付けたピニオンギヤ25が、差動歯車ケース23に左右から挿入されるドライブシャフト(図示省略)と結合するサイドギヤ26とかみ合って、エンジンの駆動力をプロペラシャフトから左右のドライブシャフトに伝達するようになっている。このデファレンシャルでは、動力伝達軸であるドライブピニオン22と差動歯車ケース23が、それぞれ一対の円すいころ軸受1a,1bで支持してある。
デファレンシャルケース21はシール部材27a、27b、27cで密封され、内部にており潤滑油が貯留される。各円すいころ軸受1a、1bはこの潤滑油の油浴に下部が漬かった状態で回転する。このように、油浴潤滑状態で使用される円すいころ軸受1a、1bでは、円すいころ4の外径面と保持器5の柱部内径面のテーパ面10との間も、これらの面で形成されるくさび空間に入り込む潤滑油で潤滑される。
したがって、保持器のテーパ面10の幅方向の長さ寸法Lが、円すいころ4の平均直径の11%〜20%である場合、円すいころ4の外径面と柱部内径面のテーパ面との間に比較的大きいくさび空間が形成され、多量の潤滑油がくさび空間に入り込む。このくさび空間からころの外径面と保持器のテーパ面との界面に入る潤滑油の量は限られているので、このように大量の潤滑油がくさび空間に入り込むと、これらの潤滑油の逃げ場がなくなって軸受回転の抵抗となり、トルク損失が大きくなる問題がある。また、このように軸受内部への流入する円すいころ軸受では、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗も、無視できないトルク損失の要因となる。
そのため、軸受内部に潤滑油が流入する円すいころ軸受における潤滑油の流動抵抗によるトルク損失を低減させる必要がある。すなわち、低トルク化のために油の流動抵抗を減少させる必要がある。しかしながら、大幅な低トルク化を行うためには、転がり粘性抵抗が低下するように軸受諸元を変更することが必要である。ところが、従来の低トルク化手法(特許文献1〜3参照)では、定格荷重を低下させない低トルク化は可能であるが、軸受剛性はいくらか低下する。
ところで、保持器5は一般的には鋼板製のプレス成形品であって、円すいころ4を転動自在に収容するために、図7に示すように円すいころ4の形状に対応した等脚台形のポケット6が円周方向に一定の間隔で複数打ち抜かれて形成され、そのポケット6間に位置する複数の柱部5aが大径リング部5bと小径リング部5cを連結する形状を有する。
この円すいころ4と保持器5を内輪3に組み付けるには、保持器5に組み付けられた円すいころ4を小鍔部3bを乗り越えさせて内輪3に嵌合させる。この時、円すいころ4と小鍔部3bとの間で無理な負荷が発生しないようにする必要がある。そこで、保持器5を正規の形状に成形した後、図8に示すように底押し治具8によって柱部5aの小径リング部5cの近傍部分を押し広げて塑性変形させて、円すいころ4の内接円径を拡大させる。
次に、ポケット6内に内側から円すいころ4を嵌入させて、内輪3を保持器5内に嵌入させる。この際、保持器5の柱部5aが外側に拡径され、円すいころ4の内接円径が正規寸法に比べ大きくなっているため、内輪3の小鍔部3bと円すいころ4とが干渉せずに組み付けが行われる。その後、図9に示すように底押しされて外側に拡径した柱部5aを加締め治具9によって内側に加締める(例えば、特許文献4参照)。
特開平09−096352号公報 特開平11−0210765公報 特開2003−343552号公報 特開2003−139133号公報 特開2003−28165号公報
前述の円すいころ軸受1では、図9に示すように柱部5aの小径リング部5cの近傍部分が押し広げられた保持器5のポケット6のすべてに円すいころ4を収容した状態で内輪3を保持器5内に挿入し、その後、柱部5aの小径リング部5cの近傍部分が押し広げられた保持器5を内側に加締めるようにして、円すいころ4と保持器5を内輪3に組み付けている。
円すいころ4の組み付けに際しては、図10に示すように円すいころ4を上方から降下させて保持器5のポケット6内に内側から挿入する。次に、図11に示すように円すいころ4の小端面4aがポケット6に引っ掛かり、その円すいころ4が径方向外側に傾倒してポケット6に収容され、図12の状態に至る。
しかしながら、円すいころ4の径が大きく、そのPCD(ピッチ円径)に対して保持器5の外径が大きい場合には、円すいころ4を保持器5のポケット6に挿入した時にその円すいころ4の姿勢が不安定となって、図11の状態から図12の状態へスムーズに移行せず、円すいころ4を挿入してから内輪3を挿入するまでの間に円すいころ4が円周方向に傾倒してしまい、組み立てが困難となる。
一方、自動車のトランスミッションには、近年、ミッションのAT・CVT化、低燃費化などのため、低粘度オイルが使用される傾向にあるが、低粘度オイルが使用される環境下では、油温が高い、油量が少ない、予圧抜けが発生する等の悪条件が重なった場合に潤滑不良に起因する非常に短寿命での表面起点剥離が、面圧の高い内輪の軌道面に生じることがある。
この軌道面の最大面圧の差異が表面起点剥離の発生率に影響するため、軸受寸法を変更することができない場合には、軸受内の円すいころ4の充填率(本数)を増大させることが、軌道面での最大面圧を低減するための有効な解決策となる。この円すいころ4の充填率を増大させた軸受として、保持器5の径を大きくした構造のものがある(例えば、特許文献5参照)。この種の円すいころ軸受1は、円すいころ4の充填率を増大させるため、保持器5の外径と円すいころ4のPCDとの差が大きくなっている。そのため、軸受の組立てにおいて、円すいころ4を保持器5のポケット6に挿入した時にその円すいころ4の姿勢が不安定となることに起因する前述の問題が顕著となる。
この発明の主要な目的は、円すいころの充填率を増大させても、円すいころの組み付け時にその円すいころが保持器内で安定した姿勢で支持され、組立性の向上を図ることができ、しかも軸受剛性を低下させることなく、低トルク化を実現することが可能な円すいころ軸受を提供することにある。
この発明の円すいころ軸受は、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周所定間隔に保持する保持器とを備えるとともに、前記保持器が、大径リング部と、小径リング部と、大径リング部と小径リング部と連結する複数の柱部とを有する円すいころ軸受において、前記柱部の内径面の両側に前記円すいころの外径面が摺接するテーパ面を設けるとともに、このテーパ面の幅方向の長さ寸法を、前記円すいころの平均直径の5%以上で、11%未満とし、さらに、小径リング部の端縁から径方向にリブを延在させ、そのリブ先端部を軸方向内側に屈曲させたことを特徴とするものである。
テーパ面の幅方向の長さ寸法を、円すいころの平均直径の11%未満(好ましくは9%以下)としたことにより、円すいころの外径面とテーパ面との間にあまり大きなくさび空間が形成されない。テーパ面の幅方向の長さ寸法が、円すいころの平均直径の5%未満では、円すいころの外径面とテーパ面との弾性接触領域がテーパ面の幅よりも大きくなるおそれがあるので、テーパ面の幅方向の長さ寸法を、円すいころの平均直径の5%以上とするのが好ましい。
保持器を、その小径リング部のリブ先端部を軸方向内側に屈曲させた形状としたことにより、保持器に円すいころを組み付けるに際して、保持器の小径リング部を下向きにした状態で、円すいころをポケットに降下させたとき、円すいころがポケット端縁部とリブ先端部の両方で支持されるようにする。これにより、円すいころを安定した姿勢に保持することができ、円すいころが円周方向に傾倒するようなことはない。
前記柱部の厚さ寸法を、前記円すいころの平均直径の5%以上で、17%未満とする。これにより、柱部の厚みを薄くして、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくすることができる。なお、柱部の厚さ寸法を円すいころの平均直径の5%未満では、保持器の剛性を十分に確保できないので、柱部の厚さ寸法を円すいころの平均直径の5%以上とするのが好ましい。
上述した各円すいころ軸受は、自走車両の動力伝達軸を支持するものに好適である。
本発明の円すいころ軸受は、テーパ面の幅方向の長さ寸法を、円すいころの平均直径の5%以上で、11%未満(好ましくは9%以下)としたので、円すいころの外径面とテーパ面との間にあまり大きなくさび空間が形成されない。このため、くさび空間に入り込む潤滑油の量を少なくし、潤滑油の逃げ場が無くなることによるトルク損失を低減できる。
保持器を、その小径リング部のリブ先端部を軸方向内側に屈曲させた形状としたことにより、その保持器に円すいころを組み付けるに際して、保持器のポケットに挿入された円すいころを安定した姿勢に保持することができるので、自動組立機による円すいころ軸受の組立性が向上し、軸受内の円すいころの充填率(ころ本数)を容易に増大させることが可能となる。
ところで、図15は円すいころ軸受において円すいころピッチ径(PCD)を変化させたときの剛性比(−●−)およびトルク比(−○−)を表したものである。図15に示すように、PCDを小さくすると軸受のトルクは大幅に低下するが、軸受剛性はあまり低下しないことが、円すいころの弾性変形量を計算確認した結果として得られた。そこで、ころ本数を減らさないか増加させつつ、PCDを小さくすることによって、剛性を低下させずにトルクを低減させることができる。
本発明では、組立時にころを安定した姿勢に保持できるようにすることによって、円すいころの充填率(ころ本数)を増大させつつころPCDを小さくできるようにした。このため、軸受剛性を低下させることなく、低トルク化を実現できる。また、ころ本数を増加させることによって、負荷容量がアップするばかりでなく、軌道面の最大面圧を低下させることができるため、過酷潤滑条件下での極短寿命での表面起点剥離を防止することができる。すなわち、本発明では、軌道面の面圧過大による早期破損を未然に防止し得る円すいころ軸受を容易かつ安価に提供できる。
また、柱部の厚さ寸法を、円すいころの平均直径の5%以上で、17%未満とすることにより、柱部の厚みを薄くして、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくし、トルク損失をより低減できる。
以下、図面に従ってこの発明の実施の形態を説明する。
図1に示す実施形態における円すいころ軸受11は、円すい状の軌道面12aを有する外輪12と、円すい状の軌道面13aを有し、この軌道面13aの小径側端部に小鍔部13b、大径側端部に大鍔部13cを有する内輪13と、外輪12の軌道面12aと内輪13の軌道面13aとの間に転動自在に配された複数の円すいころ14と、円すいころ14を円周方向等間隔に保持する保持器15とを備えている。
この円すいころ軸受11は、図13に示すような自動車のデファレンシャルに使用される。すなわち、図13の1a、1bの円すいころ軸受にこの円すいころ軸受11を使用することになる。このため、円すいころ軸受11は、下部が貯留された潤滑油の油浴に漬かった状態で回転し、油浴の潤滑油が軸受内部に流入する。
保持器15は、図2(a)で示すように、大径リング部15bと、小径リング部15cと、大径リング部15bと小径リング部15cと連結する複数の柱部15aとを有し、ポケット16が形成されている。図2(b)に示すように、柱部15aの内径面の両側には、円すいころ14の外径面が摺接するテーパ面18が設けられ、このテーパ面18の幅方向の長さ寸法Lは、円すいころ14の平均直径Dの5%以上で、11%未満(好ましくは9%以下)とされる。テーパ面18の幅方向の長さ寸法Lを、円すいころ14の平均直径の11%未満としたことにより、円すいころ14の外径面とテーパ面18との間にあまり大きなくさび空間が形成されない。テーパ面18の幅方向の長さ寸法Lが、円すいころの平均直径の5%未満では、円すいころ14の外径面とテーパ面18との弾性接触領域がテーパ面18の幅よりも大きくなるおそれがあるので、テーパ面18の幅方向の長さ寸法Lを、円すいころ14の平均直径の5%以上とするのが好ましい。なお、この実施形態では、テーパ面18の幅方向の長さ寸法Lを、円すいころ14の平均直径Dの7%とした。
また、柱部15aの厚さ寸法Tを、円すいころ14の平均直径Dの5%以上で、17%未満とする。これにより、保持器15の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくできるようにしている。なお、柱部15aの厚さ寸法Tを円すいころの平均直径の5%未満では、保持器15の剛性を十分に確保できないので、柱部15aの厚さ寸法Tを円すいころ4の平均直径の5%以上とするのが好ましい。この実施形態では、柱部15aの厚さ寸法Tを、円すいころ14の平均直径Dの10%とした。
保持器15は、鋼板製のプレス成形品であって、円すいころ14を転動自在に収容するために、円すいころ14の形状に対応した等脚台形のポケット16が円周方向に一定の間隔で複数打ち抜かれて形成され、そのポケット16間に位置する複数の柱部15aが大径リング部15bと小径リング部15cを連結し、その小径リング部15cの端縁から径方向にリブを延在させ、そのリブ先端部15dを軸方向内側に屈曲させた形状を有する。
この円すいころ軸受11の製造において、円すいころ14と保持器15を内輪13に組み付けるに際し、円すいころ14と小鍔部13bとの間で無理な負荷が発生しないようにするため、まず、保持器15を正規の形状に成形した後、底押し治具8(図8参照)によって柱部15aの小径リング部15cの近傍部分を押し広げて塑性変形させて、円すいころ14の内接円径を拡大させる。
円すいころ軸受11の自動組立機では、前述のようにして柱部15aの小径リング部15cの近傍部分が押し広げられた保持器15は、その小径リング部15cを下向きにした状態で設置され、図3に示すように円すいころ14を上方から降下させてポケット16内に内側から挿入する。次に、図4に示すように円すいころ14の小端面14aがポケット16の端縁部に引っ掛かり、その円すいころ14が径方向外側に傾倒して図5の状態に至る。このように円すいころ14の小端面14aがポケット16の端縁部に引っ掛かる時に、その円すいころ14は、ポケット16の端縁部とリブの先端部15dの両方で支持されて安定した状態になるため、円すいころ14が円周方向に傾倒することはなく、その後、径方向外側に確実に傾倒してポケット16に収容される。
その後、内輪13が上方から降下してきてその内輪13を保持器15内に嵌入させる。この際、保持器15の柱部15aが外側に拡径され、円すいころ14の内接円径が正規寸法に比べ大きくなっているため、内輪13の小鍔部13bと円すいころ14とが干渉せずに組み付けが行われる。その後、底押しされて外側に拡径した柱部15aを加締め治具9(図9参照)によって内側に加締める。
すなわち、保持器15を、その小径リング部15cのリブ先端部15dを軸方向内側に屈曲させた形状としたことにより、その保持器15に円すいころ14を組み付けるに際して、保持器15の小径リング部15cを下向きにした状態で、円すいころ14をポケット16に降下させたとき、円すいころ14がポケット端縁部とリブ先端部15dの両方で支持されるようにする。これにより、円すいころ14を安定した姿勢に保持することができ、円すいころ14が円周方向に傾倒するようなことはない。
本発明では、テーパ面18の幅方向の長さ寸法Lを、円すいころ14の平均直径の5%以上で、11%未満としたので、円すいころ14の外径面とテーパ面18との間にあまり大きなくさび空間が形成されない。このため、くさび空間に入り込む潤滑油の量を少なくし、潤滑油の逃げ場が無くなることによるトルク損失を低減できる。
保持器15を、その小径リング部15cのリブ先端部15dを軸方向内側に屈曲させた形状としたことにより、その保持器15に円すいころ14を組み付けるに際して、保持器15のポケット16に挿入された円すいころ14を安定した姿勢に保持することができるので、自動組立機による円すいころ軸受の組立性が向上し、軸受内の円すいころ14の充填率(ころ本数)を容易に増大させることが可能となる。すなわち、ころ本数を増加させつつころPCDを小さくできる。
これにより、軸受剛性を低下させることなく、低トルク化を実現できる。また、ころ本数を増加させたので、負荷容量がアップするばかりでなく、軌道面12a、13aの最大面圧を低下させることができるため、過酷潤滑条件下での極短寿命での表面起点剥離を防止することができる。すなわち、本発明では、軌道面12a、13aの面圧過大による早期破損を未然に防止し得る円すいころ軸受を容易かつ安価に提供できる。
また、柱部15aの厚さ寸法Tを、円すいころ14の平均直径の5%以上で、17%未満とすることにより、柱部15aの厚みを薄くして、保持器15の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくし、トルク損失をより低減できる。
図2(a)(b)に示した、テーパ面の長さ寸法Lを円すいころの平均直径Dの7%とした保持器を用いた円すいころ軸受(実施例)と、テーパ面の長さ寸法Lを円すいころの平均直径Dの13%とした従来の保持器を用いた円すいころ軸受(比較例)とを用意した。なお、各円すいころ軸受は、寸法が外径100mm、内径45mm、幅27.25mmとした。また、保持器の柱部の厚さ寸法Tは、実施例のものが円すいころの平均直径Dの13%、比較例のものが17%とした。
実施例と比較例の円すいころ軸受について、縦型トルク試験機を用いたトルク測定試験を行った。試験条件は以下のとおりである。
アキシアル荷重:300kgf
回転速度:300〜2000rpm(100rpmピッチ)
潤滑条件:油浴潤滑(潤滑油:75W−90)
図14は、上記トルク測定試験の結果を示す。図14のグラフの縦軸は、比較例のもののトルクに対する実施例のもののトルクの低減率を表す。テーパ面の長さ寸法Lを円すいころの平均直径Dの7%と小さくした実施例のものは、低速回転から高速回転まで顕著なトルク低減効果が認められ、試験の最高回転速度である2000rpmでも12.0%のトルク低減率が得られている。この実施例のトルク低減効果には、柱部の厚さ寸法Tを薄くして、保持器の回転に対する潤滑油の流動抵抗を小さくした効果も含まれている。
本発明に係る円すいころ軸受の実施形態を示す断面図である。 図1の保持器を示し、(a)は展開平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 図1の保持器に円すいころを挿入する要領を説明するための断面図である。 図1の保持器に円すいころを挿入する要領を説明するための断面図である。 図1の保持器に円すいころを挿入する要領を説明するための断面図である。 円すいころ軸受の従来例を示す断面図である。 図6の保持器を示す部分斜視図である。 保持器を底押しする要領を示す説明図である。 保持器を加締める要領を示す説明図である。 図6の保持器に円すいころを挿入する要領を説明するための断面図である。 図6の保持器に円すいころを挿入する要領を説明するための断面図である。 図6の保持器に円すいころを挿入する要領を説明するための断面図である。 デファレンシャルを示す横断面図である。 トルク測定試験の結果を示すグラフである。 円すいころ軸受において円すいころピッチ径(PCD)を変化させたときの剛性比およびトルク比の変化を表す線図である。
符号の説明
11 軸受
12 外輪
12a 軌道面
13 内輪
13a 軌道面
13b 小鍔部
13c 大鍔部
14 円すいころ
14a 小端面
15 保持器
15a 柱部
15b 大径リング部
15c 小径リング部
15d リブ先端部
16 ポケット
16 保持器
18 テーパ面

Claims (3)

  1. 内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周所定間隔に保持する保持器とを備えるとともに、前記保持器が、大径リング部と、小径リング部と、大径リング部と小径リング部と連結する複数の柱部とを有する円すいころ軸受において、
    前記柱部の内径面の両側に前記円すいころの外径面が摺接するテーパ面を設けるとともに、このテーパ面の幅方向の長さ寸法を、前記円すいころの平均直径の5%以上で、11%未満とし、さらに、小径リング部の端縁から径方向にリブを延在させ、そのリブ先端部を軸方向内側に屈曲させたことを特徴とする円すいころ軸受。
  2. 前記柱部の厚さ寸法を、前記円すいころの平均直径の5%以上で、17%未満としたことを特徴とする請求項1の円すいころ軸受。
  3. 自走車両の動力伝達軸を支持することを特徴とする請求項1又は請求項2の円すいころ軸受。

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