JP2007113307A - 換気遮音ドア - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建造物内における区画間に設けられているドア取付構造体に取り付けられ、これら区画を互いに換気及び遮音可能に閉じるための換気遮音ドア10であって、内部に鉛直方向に延びる通気用貫通孔7が形成され、上端及び下端にこの通気用貫通孔7の開口が形成されているドア本体1と、ドア本体1の下端から下方に間隔を置いて配置されている下枠材3と、鉛直方向に延びドア本体1及び下枠材3の両側端面にそれぞれ結合されドア本体1と下枠材3とを間隔を置いて連結する一対の縦枠材5と、ドア本体1の下端面、下枠材3の上端面及び各縦枠材5の内側側面により形成される通気空間9を一方の区画から閉塞する遮蔽部材11、14と、を備える、ことを特徴とする換気遮音ドア。
【選択図】 図1
Description
図10(A)は、特許文献1のドア構造を示す正面図であり、図10(B)はその縦断面図である。図10に示すように、上部に換気口51が形成された板状体53と、下部に換気口54が形成された板状体55とを対向させ、これら2枚の板状体53、55の周縁間を桟材57によって閉塞している。これにより、内部に空洞58を形成しこの空洞58の内面に吸音材59を貼り付けている。
このように、ドアの各側にて位置が異なるように換気口51、54が設けられるので、遮音性が確保されつつ換気も可能となっている。
図11(A)は、特許文献2のドア構造を示す斜視図であり、図11(B)はその縦断面図である。図11に示すように、ドアの上下方向に厚物板61の内部を貫通する複数の貫通孔63を形成し、ドアの上下両端における貫通孔63の開口を栓65で塞ぐと共に、ドアの表面に貫通孔63に通じる通気孔66を形成している。
これにより、特許文献2でも、ドアの各側にて位置が異なるように換気口が設けられるので、遮音性が確保されつつ換気も可能となっている。
ドアの閉鎖により遮音部材71が下降しドアと床面との隙間を閉塞している状態では、図12(B)に示すように、通気迂回路75が形成される。
このように、ドアの閉鎖時には、ドアと床面との隙間が閉塞され、かつ、通気迂回路75が形成されるので、遮音されつつ換気も可能となっている。
また、板状体53、55を鋼板とした場合は、板状体の厚みを薄くできるものの、ドアを閉めた際の衝撃による振動で鋼板が振動し、共鳴を起こす恐れがある。そのため、制振鋼板を用いるか、板状体の振動を抑制する部材を付加するなどの処置が必要である。従って、高価になるだけでなく、ドアが重くなる上に、鋼板という硬質さが、一般の住宅には馴染まないという問題も生じる。
しかし、貫通孔63と通じるように通気孔66を、貫通孔63に合わせた位置にてドアの表面に形成しなければならない。従って、ドアの加工が煩雑になり、特に、通気孔66と貫通孔63の位置がずれた場合には、そのドアは製品にならなくなってしまう。
また、ドアの上下に形成される貫通孔口を栓65で塞ぐ構造であるため、この栓65がドアの下端から下方へ突出することになる。従って、ドアの取り付け位置の床面が平らである場合、防音ドアにするためには、床面とドアの隙間を無くすため、ドア枠の床面部分に密閉突起を設ける必要がある。この場合は床面に密閉突起が突出することになり、ドアを開放し人がドアを歩行通過する際の障害となる。
しかし、遮音部材71を迂回して通気路75を確保する構造であるため、十分な換気量を確保しようとすると迂回通気路75の幅を大きくする必要がある。逆に、遮音性を確保しようとすると、迂回通気路75を小さくする必要がある。
すなわち、迂回通気路75の幅を大きくすると、遮音性を低下させる結果になり、迂回通気路75を小さくすると、適切な換気量を確保できなくなる。従って、十分な遮音性と通気性を同時に確保することができない。
すなわち、建造物内における区画間に設けられたドア取付構造体が、そのドア取付構造体上部から下方に延びる戸当りを有している場合である。このドア取付構造体の側部に鉛直軸の周りに開閉可能にドアを取り付けることができる。そして、ドアを閉じたときに、ドア上端部が上記戸当りに水平方向に密閉接触することで、ドア本体の上端における通気用貫通孔の開口が、一方の区画にはドア上端とドア取付構造体上部の隙間により連通するが、戸当たりの反対側にある他方の区画には戸当たりに遮られ非連通となる。
従って、このような場合、ドア閉鎖時にドア本体の上端における通気用貫通孔の開口が一方の区画へ通じる。一方、通気空間は他方の区画へ通じている。
このように、通気用貫通孔と通気空間を通して両方の区画が連通することになるので、十分な換気性が確保される。
ところが、上記構成では、ドア本体の上端部における一方の区画側部分が切り欠かれていることにより、通気用貫通孔の上端部が一方の区画へ露出するので、上述の場合でも、通気用貫通孔と一方の区画との通気性を十分なものとすることができる。
ところが、上記構成では、昇降機構は、ドアが閉じられると遮音部材を床面と接触させ床面との隙間を閉塞するように下降させるので、ドアを閉じたときにドア下端と床面との隙間を閉塞することができる。
従って、ドア下端と床面との間に隙間がある場合にも、高い遮音性を維持することができる。
図1は、本発明の実施形態による換気遮音ドア10の構成を示す斜視図である。この換気遮音ドア10は、本実施形態では、集合住宅や一戸建てなどの住宅内の各部屋や廊下など(以下、単に区画と言う)を互いに換気及び遮音可能に閉塞するためにこれらの間に取り付けられて使用されるドアである。
さらに、好ましくは、ドア本体1は木質材料からなる押出プレス成型チップボードである。ドア本体1を押出プレス成型チップボードにすることで、安価にドア本体1を作製することができる。
縦枠材5は、鉛直方向に延びており、その下部はドア本体1よりも下方に延びている。
ドアの軽量化のため、縦枠材5も木質材により形成することが好ましい。
この通気空間9が形成されているドア部分ではドアの強度が低下するため、この部分に鋼製等からなる補強板を設ける。補強板11としては、後述する化粧パネル14の裏面に貼る平板でもよいが、例えば、図2(A)に示すように、各縦枠材5の内側端面5a(図1参照)に宛がわれる面11aを有するコの字型のものや、図2(B)に示すように、下枠材3の上端面3a(図1参照)に宛がわれる面11bを有するL字型のものを用いることができる。このような補強板11を、縦枠材5や横枠材に接着材やネジ等で固定することで、通気空間9が形成されている部分の強度を十分なものとすることができる。また、補強板11を設けることで、ドアとして厚さが薄くなる部分の遮音性を確保できる。
ドアの軽量化のため、下枠材3も木質材により形成することが好ましい。
図3は、このように化粧パネルを貼って作製した換気遮音ドア10を示している。なお、図3(A)は一方の区画側から見た図であり、図3(B)は他方の区画側から見た図である。化粧パネル14は、ドアにより互いに閉じられる区画の一方から通気空間9を閉塞する。なお、通気空間9を一方の区画から閉塞する化粧パネル14は遮蔽部材を構成するが、上記補強部材や他の適切な部材で遮蔽部材を構成してもよい。
一方、化粧パネル15には、通気空間9に対応する位置にて、通気空間9に合わせた大きさの開口が形成されており、この開口にガラリ17を取り付けている。符号16も化粧パネルを示している。
ところが、通気用貫通孔7はドア本体1の上端にて開口している。すなわち、通気用貫通孔7は、ドア上端とドア枠上部との隙間31に開口しているので、この隙間31を通して、通気用貫通孔7が一方の区画27(ドアの一方側)と通じる。
一方、通気空間9は他方の区画28(ドアの他方側)に通じており、この通気空間9はドア本体1の下端に開口している通気用貫通孔7にも直接連通している。
従って、図4に示すように、ドアの両側27、28は互いに通気空間9と通気用貫通孔7により通じているので、十分な通気性が確保される。
従って、ドアにドア両側へ連通する通気路を形成しても遮音性を高く維持することができる。
特に、本実施形態では、ドア本体内部の通気用貫通孔7を他方の区画28へ連通させるために、他方の区画28へ通じる通気空間9を形成している。この通気空間9は、ドア本体1の下端から下方に間隔を置いて下枠材3を配置し、ドア本体1と下枠材3を縦枠材5で連結することで、ドア本体1と下枠材3との間に形成される。従って、複雑な加工を一切行うことなく、ドア閉鎖時において両区画27、28を連通させる通気路を簡単に形成することができる。
図5は、本発明の第2実施形態による換気遮音ドア10’の構成図である。なお、図5(A)は一方の区画側から見た図であり、図5(B)は他方の区画側から見た図である。この換気遮音ドアの構成は、第1実施形態による換気遮音ドア10の上端部に切り欠き部12を設けたものである。その他の構成は第1実施形態のものと同様なので、異なる構成について説明する。
図7に示すように、ドア枠21の上部から下方に延びている戸当り22の高さが小さいことなどにより、ドア上端とドア枠上部との間の隙間31を十分に確保できないため、ドアの通気性が低下する。
ところが、上述のように第2実施形態によれば、ドア枠21の上端部にて一方の区画側部分が切り欠かれていることにより、ドア本体1の内部の通気用貫通孔7が一方の区画27に露出するため、十分な通気性を確保することができる。
図8は、本発明の第3実施形態による換気遮音ドア10’’をドア枠21に取り付けた状態を示す縦断面図である。
この換気遮音ドア10’’は、ドアの下端部に昇降する遮音部材35を設けたものである。その他の構成は、第1実施形態又は第2実施形態と同様なので、異なる構成について説明する。
図9は特許文献3の昇降機構の構成を示しており、図9(A)はドア開放時の状態を、図9(B)はドア閉鎖時に状態を示している。
昇降機構は、遮音部材35を上昇させる構成要素として、図9(A)に示すように、遮音部材35を上方に付勢移動させるバネ38を有する。
また、昇降機構は、遮音部材35を下降させる構成要素として、図9(B)に示すように、ドア枠21の側部に接触することで、横方向に移動するドア枠接触部材39と、ドア枠接触部材39に押されて下方に移動するボール41と、ボール41に押されて下方に移動するスライドピン42と、を有する。
スライドピン42が下方に移動することで、バネ38の弾性力に抗して遮音部材35が下方に移動し床面と接触する。これにより、ドアの下端と床面との間の隙間が閉塞される。
なお、遮音部材35、収納部36、昇降機構は、下枠材3の下部に設けた別の枠材に設けてもよいし、下枠材自体に設けてもよい。
上述では、換気遮音ドアを住宅用のドアとしていたが、本発明はこれに限定されず、本発明の換気遮音ドアを、ビルや船舶など他の建造物内における適切な区画間に取り付けることができる。また、通気用貫通孔や通気空間の内面に吸音材を貼り付けてもよい。
3 下枠材
5 縦枠材
7 通気用貫通孔
9 通気空間
10 換気遮音ドア
11 補強板
12 切り欠き部
14、15、16 化粧パネル
17 ガラリ
25 密閉部材
35 遮音部材
36 収納部
38 バネ
39 ドア枠接触部材
41 ボール
42 スライドピン
Claims (4)
- 建造物内における区画間に設けられているドア取付構造体に取り付けられ、これら区画を互いに換気及び遮音可能に閉じるための換気遮音ドアであって、
内部に鉛直方向に延びる通気用貫通孔が形成され、上端及び下端にこの通気用貫通孔の開口が形成されているドア本体と、
ドア本体の下端から下方に間隔を置いて配置されている下枠材と、
鉛直方向に延びドア本体及び下枠材の両側端面にそれぞれ結合されドア本体と下枠材とを間隔を置いて連結する一対の縦枠材と、
ドア本体の下端面、下枠材の上端面及び各縦枠材の内側側面により形成される通気空間を一方の区画から遮蔽する遮蔽部材と、を備える、ことを特徴とする換気遮音ドア。 - ドア閉鎖時に前記通気用貫通孔の上端部が一方の区画側へ露出するように、ドア本体の上端部における一方の区画側部分が切り欠かれている、ことを特徴とする請求項1に記載の換気遮音ドア。
- 通気空間が位置するドア部分の強度を補強する補強板が、通気空間における一方の区画側に配置されるように、縦枠材、下枠材及びドア本体の少なくともいずれかに固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の換気遮音ドア。
- 前記下枠材の下部に取り付けられ、下降して床面と接触すると床面との隙間を閉塞する遮音部材と、
ドアが閉じられると前記遮音部材を下降させて床面に接触させ、ドアが開かれると前記遮音部材を床面から上昇させる昇降機構と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の換気遮音ドア。
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