JP2007112671A - 高周波用磁性材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電子部品の使用される範囲が高周波領域に広がりつつあり、高周波領域で使用可能な磁性材料が要求されている。フェロックスプレーナ系の磁性材料において高い透磁率を得るために磁場配向やホットプレス等の方策が必要となる。磁場配向やホットプレス等の様に特殊な装置や特別な工程を用いることなく、高周波領域における透磁率の高い高周波用磁性材料を得る。
【解決手段】 一般式Ba3Co2−2xLixFe24+xO41で表される組成(xはモル比)で、xの範囲が0<x≦0.4。これによって、高周波領域における透磁率の高い高周波用磁性材料が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】 一般式Ba3Co2−2xLixFe24+xO41で表される組成(xはモル比)で、xの範囲が0<x≦0.4。これによって、高周波領域における透磁率の高い高周波用磁性材料が得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高周波用の磁性材料に係るもので、数MHzから数GHz帯の周波領域において使用するインダクター素子やノイズ除去素子等の電子部品に用いるのに適した高周波用磁性材料に関するものである。
高周波コイルやトランスに用いられる磁性コア、積層型チップ部品、ノイズ除去素子においては、各種のフェライト焼結体が用いられている。近年、これらのインダクター素子やノイズ除去素子等の電子部品の使用される範囲が数百MHzから数GHz帯といった高周波領域に広がりつつあり、この様な高周波領域で使用可能な磁性材料が要求されている(例えば、特許文献1を参照。)。
従来、インダクター素子にはNi−Zn系フェライトが主として用いられているが、スネークの周波数限界線よりも高い周波数ではインダクター素子として機能しなくなるという問題があり、このような高周波領域で用いることができなかった。そのため、従来のインダクター素子は、このような高周波領域で用いる場合、非磁性体を用いて空心コイルを構成しているが、透磁率が磁性体よりも低いために高いインダクタンスを得ることが困難となる。
特開2001-85214号公報
従来、インダクター素子にはNi−Zn系フェライトが主として用いられているが、スネークの周波数限界線よりも高い周波数ではインダクター素子として機能しなくなるという問題があり、このような高周波領域で用いることができなかった。そのため、従来のインダクター素子は、このような高周波領域で用いる場合、非磁性体を用いて空心コイルを構成しているが、透磁率が磁性体よりも低いために高いインダクタンスを得ることが困難となる。
この様な状況の中、Ni−Zn系フェライトのスネークの周波数限界線よりも高い周波数においてもその透磁率を維持できるフェロックスプレーナ系の磁性材料をこれら電子部品に用いることが検討されている(例えば、特許文献2を参照。)。しかしながら、フェロックスプレーナ系の磁性材料は、その焼成過程における六方晶構造の不安定さにより高い透磁率を得ることが困難であり、この様な高周波領域に用いられる電子部品においてはいまだ実用化されていない。また、高い透磁率を得るために、磁場配向、ホットプレス等の方策が検討されているが、特殊な装置や特別な工程が必要となり、製造コストが上昇するという問題があった。
特開2001-52929号公報
本発明は、磁場配向やホットプレス等の特殊な装置や特別な工程を用いることなく、高周波領域における透磁率の高い高周波用磁性材料を提供するものである。
本発明は、六方晶構造の磁性材料、すなわちフェロックスプレーナ系磁性材料の組成を改良することによって、上記の課題を解決するものである。
すなわち、本発明の高周波用磁性材料は、一般式
Ba3Co2−2xLixFe24+xO41
で表される組成(xはモル比)において、0<x≦0.4であることに特徴を有する。
すなわち、本発明の高周波用磁性材料は、一般式
Ba3Co2−2xLixFe24+xO41
で表される組成(xはモル比)において、0<x≦0.4であることに特徴を有する。
本発明によれば、高周波領域において、透磁率の大きい磁性材料を得ることが可能となる。また、本発明の高周波用磁性材料をインダクター素子に用いた場合、高周波領域において高いインダクタンス値を得ることができる。
本発明の高周波用磁性材料は、フェロックスプレーナの一種であるBa3Co2Fe24O41においてコバルトをリチウムと鉄で置換することにより、高周波領域における透磁率を向上させることができる。また、本発明の高周波用磁性材料は、従来の様に特殊な装置や特殊な工程を必要としない通常の粉末冶金法の製造工程で得ることができる。
以下、本発明の高周波用磁性材料及びその製造方法を図面を参照して説明する。
図1は、Ba3Co2−2xLixFe24+xO41の式で表される本発明の高周波用磁性材料の測定周波数100MHzにおける透磁率の置換量x依存性と、置換量xを変化させた時に透磁率の実数項μ’と透磁率の虚数項μ”が等しくなる周波数(クロスポイント周波数)を示す。縦軸が透磁率と周波数を、横軸が置換量xを示している。
この高周波用磁性材料は以下の様にして得た。まず、各原料酸化物をBa3Co2−2xLixFe24+xO41の式で表される組成となるように秤量し、ボールミルで湿式混合を行い、乾燥して原料混合粉を得た。次に、この原料混合粉を大気中において1250℃で仮焼し、その後ボールミルにより20時間湿式粉砕を行い、乾燥した。この仮焼粉砕粉を造粒し、プレス成型により外径8mm、内径3.7mm、高さ3mmのトロイダル状に成形し、大気中において1275℃で2時間焼成してトロイダルコアを得た。この高周波用磁性材料の測定周波数は100MHzとした。
図1において示される実線から明らかなように、LiとFeの置換量xが0(すなわち、コバルトがLiとFeで置換されていない従来のもの)の試料の透磁率が15.1であったが、LiとFeの置換量xを0.1とすると透磁率が15.5、LiとFeの置換量xを0.3とすると透磁率が25と最高になった。LiとFeの置換量xが0.3を超えると透磁率は減少傾向を示し、LiとFeの置換量xが0.5になると透磁率が13、LiとFeの置換量xが0.7になると透磁率が10.4とLiとFeの置換量xが増加すると透磁率は減少する。
また、図1において点線で示されるクロスポイント周波数は、LiとFeの置換量xが0(すなわち、コバルトがLiとFeで置換されていない従来のもの)の時に約0.8GHzであったが、LiとFeの置換量xを0.1〜0.4にした場合でも大きな変化は見られず、LiとFeの置換量xが0.5を超えると周波数が低くなる傾向を示した。
図1は、Ba3Co2−2xLixFe24+xO41の式で表される本発明の高周波用磁性材料の測定周波数100MHzにおける透磁率の置換量x依存性と、置換量xを変化させた時に透磁率の実数項μ’と透磁率の虚数項μ”が等しくなる周波数(クロスポイント周波数)を示す。縦軸が透磁率と周波数を、横軸が置換量xを示している。
この高周波用磁性材料は以下の様にして得た。まず、各原料酸化物をBa3Co2−2xLixFe24+xO41の式で表される組成となるように秤量し、ボールミルで湿式混合を行い、乾燥して原料混合粉を得た。次に、この原料混合粉を大気中において1250℃で仮焼し、その後ボールミルにより20時間湿式粉砕を行い、乾燥した。この仮焼粉砕粉を造粒し、プレス成型により外径8mm、内径3.7mm、高さ3mmのトロイダル状に成形し、大気中において1275℃で2時間焼成してトロイダルコアを得た。この高周波用磁性材料の測定周波数は100MHzとした。
図1において示される実線から明らかなように、LiとFeの置換量xが0(すなわち、コバルトがLiとFeで置換されていない従来のもの)の試料の透磁率が15.1であったが、LiとFeの置換量xを0.1とすると透磁率が15.5、LiとFeの置換量xを0.3とすると透磁率が25と最高になった。LiとFeの置換量xが0.3を超えると透磁率は減少傾向を示し、LiとFeの置換量xが0.5になると透磁率が13、LiとFeの置換量xが0.7になると透磁率が10.4とLiとFeの置換量xが増加すると透磁率は減少する。
また、図1において点線で示されるクロスポイント周波数は、LiとFeの置換量xが0(すなわち、コバルトがLiとFeで置換されていない従来のもの)の時に約0.8GHzであったが、LiとFeの置換量xを0.1〜0.4にした場合でも大きな変化は見られず、LiとFeの置換量xが0.5を超えると周波数が低くなる傾向を示した。
上記のように、Ba3Co2−2xLixFe24+xO41の式で表される本発明の高周波用磁性材料においては、LiとFeの置換量xが0<x≦0.4、好ましくは0.1≦x≦0.4の範囲で、高周波領域における特性の良好な磁性材料が得られる。この高周波磁性材料が用いられた磁性体層と導体パターンを積層して積層型チップ部品を形成した場合、高周波領域において高いインダクタンス値を得ることができる。
Claims (1)
- 一般式
Ba3Co2−2xLixFe24+xO41
で表される組成(xはモル比)において、
0<x≦0.4
であることを特徴とする高周波用磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005306741A JP2007112671A (ja) | 2005-10-21 | 2005-10-21 | 高周波用磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005306741A JP2007112671A (ja) | 2005-10-21 | 2005-10-21 | 高周波用磁性材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007112671A true JP2007112671A (ja) | 2007-05-10 |
Family
ID=38095191
Family Applications (1)
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JP2005306741A Pending JP2007112671A (ja) | 2005-10-21 | 2005-10-21 | 高周波用磁性材料 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010228936A (ja) * | 2009-03-26 | 2010-10-14 | Kyocera Corp | 磁性焼結体、磁性体と誘電体との複合焼結体、およびそれらの製造方法、ならびにそれらを用いた電子部品 |
JP2010248055A (ja) * | 2009-03-26 | 2010-11-04 | Kyocera Corp | 磁性焼結体、磁性体と誘電体との複合焼結体、およびそれらの製造方法、ならびにそれらを用いた電子部品 |
KR101123145B1 (ko) * | 2009-11-09 | 2012-03-19 | 주식회사 이엠따블유 | 자성체 및 그 제조방법 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4832874B1 (ja) * | 1965-10-22 | 1973-10-09 | ||
JPS5032207A (ja) * | 1973-07-20 | 1975-03-28 |
-
2005
- 2005-10-21 JP JP2005306741A patent/JP2007112671A/ja active Pending
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