JP2007112637A - ダイヤモンドの加工方法 - Google Patents

ダイヤモンドの加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007112637A
JP2007112637A JP2005302492A JP2005302492A JP2007112637A JP 2007112637 A JP2007112637 A JP 2007112637A JP 2005302492 A JP2005302492 A JP 2005302492A JP 2005302492 A JP2005302492 A JP 2005302492A JP 2007112637 A JP2007112637 A JP 2007112637A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamond
layer
substrate
diamond layer
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005302492A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4742800B2 (ja
Inventor
Kiichi Meguro
貴一 目黒
Yoshiyuki Yamamoto
喜之 山本
Takahiro Imai
貴浩 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2005302492A priority Critical patent/JP4742800B2/ja
Publication of JP2007112637A publication Critical patent/JP2007112637A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4742800B2 publication Critical patent/JP4742800B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【目的】 大面積のダイヤモンドでも表面の損傷や内部の割れを生じさせることなく、容易に薄板に分離加工することができ、特に大型単結晶ダイヤモンド基板のスライス加工に有用な方法を提供することを目的とする。
【構成】 光透過性の低い第1のダイヤモンド層2の上に該第1のダイヤモンド層よりも光透過性の高い第2のダイヤモンド層1を積層し、前記ダイヤモンド積層体の上面又は下面側からレーザー光3を照射して第1のダイヤモンド層2を変質させ、前記変質した第1のダイヤモンド層2を、加熱処理、電気化学的エッチング、または酸エッチング等の処理によって剥離させて、ダイヤモンド基板と第2のダイヤモンド層若しくは第2のダイヤモンド層同士を分離することを特徴とするダイヤモンドの加工方法。
【選択図】 図2

Description

本発明はダイヤモンドの加工方法に関し、特に、10mm径以上の大型ダイヤモンド基板の切断に好適な加工方法に関するものである。
ダイヤモンドは高熱伝導率、高い電子・正孔移動度、高い絶縁破壊電界強度、低誘電損失、そして広いバンドギャップといった、半導体材料として他に類を見ない、優れた特性を数多く備えている。特に近年では、広いバンドギャップを活かした紫外発光素子や、優れた高周波特性を持つ電界効果トランジスタなどが開発されつつある。
ダイヤモンドを半導体として利用するためには、他の半導体材料と同様に大型の単結晶基板が必要である。現在、大型のダイヤモンド単結晶を得る方法として、高温高圧合成法や気相合成法が開発されており、これらによって10mm径程の大型基板が得られるようになっている。半導体等の基板として利用するには大きいだけではなく、厚さについても1mm程度以下である必要がある。しかし、ダイヤモンドは物質中最も高硬度であることから、これらの合成法で得られた基板を機械的に薄く切断することは非常に困難である。最近では、レーザーを用いた切断技術も進歩しているが、一般的なレーザー加工ではレンズを用いて集光させる必要があり、上記のような大型基板の切断では、集光に伴う余分な切りしろの発生や、切断速度の低下が問題となっている。
そこで、例えば特許文献1には、気相合成法により、光透過性の高い第1のダイヤモンド層と、光透過性の低い第2のダイヤモンド層を積層し、この積層体にレーザーを照射して第2のダイヤモンド層にレーザー光を吸収させ、それぞれのダイヤモンド層を分離する方法が開示されている。この方法は大面積の単結晶基板でも分離可能で、ダイヤモンドの薄板スライスに適用できるとしている。
特開平6−234595号
ところが、前記方法でダイヤモンドの分離を行うには、レーザー光を吸収する第2のダイヤモンド層を、レーザー光により十分変質して大部分を黒鉛化する必要があり、このような変質のためにはレーザー強度を十分強く保つ必要がある。この時、本来レーザー光を透過すべき第1のダイヤモンド層の表面において、表面のごみや凹凸の影響で、部分的にレーザー光強度が加工しきい値を超えて、第1のダイヤモンド層も加工される場合がある。また、第2のダイヤモンド層が急激に変質するため、加工時の衝撃でダイヤモンドが割れる場合がある。
本発明は、前記課題を克服すべくなされたもので、大面積ダイヤモンドでも表面の損傷や内部の割れを生じさせることなく、ダイヤモンドを分離加工する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は次の(1)〜(7)の態様を有する。
(1)ダイヤモンドの加工方法であって、ダイヤモンド基板上に、気相合成法により光透過性の低い第1のダイヤモンド層を成長させる工程と、当該第1のダイヤモンド層上に気相合成法により、該第1のダイヤモンド層よりも光透過性の高い第2のダイヤモンド層を成長させる工程とを一回又は二回以上繰り返した後、前記ダイヤモンド積層体の上面及び/又は下面側からレーザー光を照射して第1のダイヤモンド層にレーザー光を吸収させ、第1のダイヤモンド層を変質させる工程と、前記変質した第1のダイヤモンド層を、加熱処理、電気化学的エッチング、または酸エッチングのうち、少なくとも1つの処理によって剥離させて、ダイヤモンド基板と第2のダイヤモンド層若しくは第2のダイヤモンド層同士を分離する工程とからなることを特徴とするダイヤモンドの加工方法である。
(2)ダイヤモンドの加工方法であって、
ダイヤモンド基板内部に、イオン注入により光透過性の低い第3のダイヤモンド層を形成する工程と、その上に気相合成法により、前記第3のダイヤモンド層よりも光透過性の高い第4のダイヤモンド層を成長させる工程と、前記ダイヤモンド積層体の上面及び/又は下面側からレーザー光を照射して第3のダイヤモンド層にレーザー光を吸収させ、第3のダイヤモンド層を変質させる工程と、前記変質した第3のダイヤモンド層を、加熱処理、電気化学的エッチング、または酸エッチングのうち、少なくとも1つの処理によって剥離させて、ダイヤモンド基板と第4のダイヤモンド層を分離する工程と工程とからなることを特徴とするダイヤモンドの加工方法である。
(3)前記ダイヤモンド基板、第2又は第4のダイヤモンド層の少なくとも一層が単結晶ダイヤモンドであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のダイヤモンドの加工方法である。
(4)前記ダイヤモンド積層体の表面におけるレーザー光の照射フルエンスが、0.1J/cm2以上100J/cm2以下であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法である。
(5)前記第1及び第3のダイヤモンド層の厚さが、0.1μm以上50μm以下であることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法である。
(6)前記レーザー光における第1及び第3のダイヤモンド層の光吸収係数が、5×102/cm以上であることを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法である。
(7)前記レーザー光における第1及び第3のダイヤモンド層の光吸収係数が、第2及び第4のダイヤモンド層の光吸収係数よりも3倍以上大きいことを特徴とする上記(1)から(6)のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法である。
以下、上記の本発明について説明する。
本発明者らは、図1に示すように、光透過性の高いダイヤモンド層1(前記第2又は第4のダイヤモンド層に相当=A層とする)と低いダイヤモンド層2(前記第1又は第3のダイヤモンド層に相当=B層とする)を気相合成法で積層し、A層1側からレーザー光を照射してB層2を変質させる実験を行った。そして、変質させた積層ダイヤモンド層を加熱処理、電気化学的エッチング、酸エッチングする実験を行った。この結果、次の知見を得た。つまり、あるしきい値(F1とする)以上のレーザー光を照射した場合、A層1は変質せず、B層2が非ダイヤモンド成分に変質する。この時、B層2の変質の度合いには差があり、さらに大きいしきい値(F2)を超えた時のみB層2はレーザー照射で直接炭化・剥離し、F1以上F2未満の強度の時は、B層2は変質するものの炭化しないことがわかった。さらにレーザー強度を上げてしきい値がF3以上になると、A層1表面で加工が発生することを確認した。そして、F1以上F2未満のレーザー照射で炭化しなかったB層2においても、追加的に加熱処理、電気化学的エッチング、酸エッチングすることにより炭化・剥離することがわかった。これらの現象から前記本発明を得るに至った。
すなわち、本発明のダイヤモンドの加工方法では、まず、レーザー光を透過するA層1と、レーザー光を吸収するB層2を交互に積層する。この積層方法は、前記(1)に示したように気相合成法で光透過性の異なる層を積層してもよいし、(2)で示したようにイオン注入によりダイヤモンド基板に光吸収層を形成した後、追加的に気相合成法でダイヤモンドを成長してもよい。これらの層は単結晶でも多結晶でも利用できるが、少なくとも1つの層が単結晶であれば、単結晶内部あるいは積層界面にレーザー照射し、追加的に炭化・剥離できるので、大面積の単結晶の分離に利用できる。本発明において(1)の方法を用いる場合、A層1とB層2の光吸収に差をつけるためにB層2の成長時に不純物をドーピングするのが望ましい。具体的には窒素、ホウ素、珪素、リン、硫黄、水素等が望ましいが、これ以外の元素でも可能である。本発明において(2)の方法を用いる場合、イオン注入する元素は任意の元素が選択可能であるが、注入面のダメージを軽減するためには水素、ヘリウム、リチウム等の軽元素や、ホウ素、窒素、炭素あるいは酸素が望ましい。
図2は、A層1若しくは光透過性の高いダイヤモンド基板上にB層を気相合成法により積層し、さらにB層2の上にA層1を気相合成法により積層したダイヤモンド積層体である。また、A層1に前記(2)で示したイオン注入法によりB層2を形成してもよい。ここで、図2に示すようにダイヤモンド積層体の上面あるいは下面からレーザー光3を照射して、前記B層2のみを変質させる。この時、B層2の加工選択性を向上させるため、レーザー光を入射する側のA層1表面は、機械的に平坦化されている方が望ましい。B層2のレーザー波長における光吸収係数は5×102/cm以上であればレーザー照射で変質できるが、好ましくは1×104/cm以上、より好ましくは2×105/cm以上の方が効率的に加工できる。この時のA層1の厚さは100μm以上であることが望ましい。また、B層2の厚さは0.1μm以上50μm以下、より好ましくは1μm以上10μm以下であることが望ましい。A層1、及びB層2の厚さを前記範囲に収めることにより、A層1にダメージなく、かつ効率的にB層2のみを変質することができる。
また、加工選択性の向上のため、使用するレーザー光3の波長における光吸収係数はB層2がA層1の3倍以上になる方が望ましく、より好ましくは10倍以上が望まれる。このような組合せの例として、A層1にIb型単結晶ダイヤモンド、B層2にIIb型ダイヤモンドを選択した場合、赤外線のYAGレーザーやYLFレーザーが使用できる。同様にA層1にIIa型ダイヤモンド、B層2はヘリウムイオン注入層を形成したIIa型ダイヤモンドとした場合、XeCl等の紫外エキシマレーザーが使用できる。一方、波長選択だけでなく、F値の小さいレンズを用いて集光したり、開口数の大きい光学系を組むことにより、A層1とB層2の加工しきい値の差を幾何的に拡げることもできる。この時のA層1表面におけるレーザー光の照射フルエンスは0.1J/cm2以上100J/cm2以下が望ましく、より好ましくは1J/cm2以上10J/cm2以下が望ましい。レーザー光の照射フルエンスが0.1J/cm2より小さければ、B層2の変質に極端に時間がかかる場合があり、逆に100J/cm2より大きければA層1にレーザー光によるダメージが発生する場合がある。
こうして、B層2のダイヤモンドを変質させた後、ダイヤモンドを加熱処理、電気化学的エッチング、酸エッチングする。こうすることでB層2が炭化・変質6し、その両側のA層1が分離される(図3)。加熱処理は、ホットプレートや加熱炉などを用いた直接加熱方式や、通電加熱方式等が有効であるが、これら以外の方法を用いて加熱してもよい。この時の加熱温度は、加熱方式や周囲の雰囲気(液体中の場合は溶媒)等によっても異なるが、概ね150℃以上である方が短時間で分離できる。電気化学的エッチングとは、ダイヤモンドを電解質水溶液中に浸し、参照電極に対してある一定の電位をかけることによって、ダイヤモンド表面で水の電気分解を起こさせる反応のことである。この場合、ダイヤモンドの電極は陽極であっても陰極であってもよい。酸エッチングでは、ダイヤモンドをフッ酸、硝酸、塩酸、硫酸、クロム酸等の酸に浸して、酸化、炭化し、分離する方法である。これらの酸は、単独で用いても、混酸で用いてもよい。これら例示した処理は単独で用いてもよいが、2つ以上を組み合わせることで、より効率的にA層1とB層2を分離することができる。
本発明のダイヤモンドの加工方法を用いれば、大面積のダイヤモンドでも容易に薄板に分離加工することができ、特に大型単結晶ダイヤモンド基板のスライス加工に有用となる。
以下に、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例では種基板として高圧合成Ib型単結晶ダイヤモンド基板7を用意した(図4)。基板サイズは12mm×12mm×0.5mmで、面方位は6面とも{100}とし、両面は機械的に研磨済みである。この基板7の波長1064nmにおける光吸収係数は4.0×10-1/cmであった。この基板7上に公知のマイクロ波プラズマCVD装置でダイヤモンドを気相成長させた。原料ガスは水素、メタンおよびジボランで、水素に対するメタン濃度は5%、メタンに対するジボラン濃度は50ppmとした。20時間の成長の結果、ホウ素ドープ単結晶ダイヤモンド層8が50μm成長した(図5)。この積層(2層)基板の波長1064nmにおける光吸収係数は4.6×102/cmであった。さらに、ジボランを添加しない、ノンドープ成長条件で単結晶ダイヤモンドの気相成長を100時間継続した結果、実質的に不純物吸収のない0.5mm厚さの単結晶ダイヤモンド層9が積層された(図6)。
次に図7に示すように、得られた積層ダイヤモンド基板の裏面(Ib型ダイヤモンド面)からレーザー光3を入射・加工した。使用したレーザー光3は波長1064nmのYAGレーザーで、ビーム径は0.8mm、加工レンズ4はF20で、レーザー焦点深さをホウ素ドープ単結晶ダイヤモンド層8の位置に設定した。この時、レーザー入射面(Ib型ダイヤモンド面)におけるレーザー光の照射フルエンスは10J/cm2で、レーザー出力(尖頭値)は6×108W/cm2であった。ダイヤモンド基板をXYステージ上に配置し、ステージ送り速度を1mm/secとして基板全面にレーザー光3が入射するように掃引しながら照射したところ、入射面には損傷なく、また照射後も基板は一体を維持していた。さらにラマン分光装置を用いて照射前後のIb型ダイヤモンド表面のラマンスペクトルを比較したが、両者に優位な差はないことから、入射面にはダメージがないことを確認した。
次に、レーザー照射済みダイヤモンド基板を、硫酸ナトリウム0.25モル/リットルの濃度で溶解した水溶液中に浸し、作用電極としてセットした。参照電極として銀−酸化銀電極をセットし、作用電極側に+20Vの電位をかけた。この時、作用電極側に酸素が発生し、電解処理が進行していることがわかった。この処理を1時間継続したところ、ホウ素ドープ単結晶ダイヤモンド層8は酸化した剥離層10となり、Ib型単結晶ダイヤモンド層7と気相合成ノンドープ単結晶層9が分離された(図8)。
ここで比較例として、前記ノンドープ成長の成長時間を調整し、不純物吸収のない単結晶ダイヤモンド層の厚さを90,100,及び110μmとした3つの試料を作製した。レーザー照射条件は先の実施例と同様としたが、入射面は不純物吸収のない単結晶ダイヤモンド層側とした。電解処理条件を先の実施例と同様にしたところ、厚さ90μmの試料はレーザー照射後の入射表面に1ヶ所微小ダメージが認められたものの、分離することができた。一方、厚さ100μm及び110μmの試料については、前記実施例と同様にダメージなく単結晶ダイヤモンド層を分離することができた。
さらに比較例として、実施例1と同様の方法で作製した積層ダイヤモンド基板に対して、YAGレーザー光の照射フルエンスを110J/cm2としてフルエンス以外の照射条件を実施例1と同様に設定し、レーザー照射後の状態を比較した。この比較試料はレーザー照射後においてIb型単結晶ダイヤモンド層と気相合成ノンドープ単結晶層が直接分離されたが、入射面は20ヶ所以上レーザーによる損傷を受け、部分的に割れ11が生じた(図9)。同様の方法でフルエンスを段階的に変化させて、試料の変化を調べた結果を実施例1及び比較例の結果とあわせて表1に示す。
Figure 2007112637
これらの結果から、本実施例で例示するような方法でダイヤモンドを加工すれば、基板にダメージなく、かつ短時間で2枚に分離加工できることが示された。
(実施例2)
本実施例では、種基板として天然IIa型単結晶ダイヤモンド基板12を用意した。基板サイズは10mm×10mm×0.5mmで、面方位は6面とも{100}とし、両面は機械的に研磨済みである。この基板12の波長308nmにおける光吸収係数は8.0×10-1/cmであった。この基板12に対し、ヘリウムイオンを基板表面からイオン注入した。注入エネルギーは5MeV、注入量は1.0×1015ions/cm2とした。この結果、表面から深さ12μm付近に約0.1μm幅で最大1.1×1019個/cm3のヘリウムが注入されているヘリウムイオン注入層13が形成されていることが確認された(図10)。イオン注入済み基板の最表面を電子線回折法で評価した結果、単結晶固有の回折パターンが観察されたことから、基板表面は単結晶であることが確認された。さらにこの時の波長308nmにおける光吸収係数は2.3×105/cmであった。この基板上に実施例1と同様の方法でダイヤモンドを気相成長させた。原料ガスは水素、メタンで、水素に対するメタン濃度は10%とした。100時間の成長の結果、実質的に不純物吸収のない1.0mm厚さの単結晶ダイヤモンド層が積層された。
次に、得られた積層ダイヤモンド基板の気相成長面を機械的に研磨し、この面側からレーザー光を入射・加工した。使用したレーザー光は波長308nmのXeClレーザーで、ビーム径は5mm、加工レンズはF30で、レーザー焦点深さをイオン注入層の位置に設定した。この時、レーザー入射面の照射フルエンスは0.1J/cm2であった。ダイヤモンド基板をXYステージ上に配置し、ステージ送り速度を0.5mm/secとして基板全面にレーザー光が入射するように掃引しながら照射したところ、入射面には損傷なく、また照射後も基板は一体を維持していた。さらにラマン分光装置を用いて照射前後の気相合成ダイヤモンド表面のラマンスペクトルを比較したが、両者に優位な差はないことから、入射面にはダメージがないことを確認した。
次に、レーザー照射済みダイヤモンド基板を、200℃に加熱したクロム酸に2時間浸した。この結果、レーザー照射で変質したイオン注入層が炭化・溶解し、IIa型単結晶ダイヤモンド層と気相合成ノンドープ単結晶層に分離された。
また、同様にレーザー照射したダイヤモンド基板を用意し、クロム酸処理ではなく、大気中で450℃に加熱処理を5時間行った場合も、同様にIIa型単結晶ダイヤモンド層と気相合成ノンドープ単結晶層に分離されることを確認した。
ここで比較例として、上記実施例2と同様の種基板に対して、ヘリウムイオンの注入量を5.0×1013ions/cm2として、他の条件は実施例2と同様のダイヤモンド成長及びレーザー照射を行った。イオン注入後のイオン注入層の、波長308nmにおける光吸収係数は4.5×102/cmであった。レーザー照射後、ダイヤモンド基板はダメージなく一体を維持していたが、実施例2と同様のクロム酸処理を行っても2時間では分離せず、分離には300時間がかかった。また同様の方法で得た別の基板を大気中で450℃に加熱した場合は、分離まで700時間を要した。
光透過性の異なるダイヤモンドを積層した例である。 積層ダイヤモンドにレーザーを照射した模式図である。 B層を炭化してA層を分離した模式図である。 実施例1で準備した単結晶ダイヤモンド基板である。 単結晶ダイヤモンド基板上に光透過性の低いダイヤモンドを成長させた模式図である。 光透過性の低いダイヤモンド層上に光透過性の高いダイヤモンドを成長させた模式図である。 実施例1のダイヤモンド基板にレーザーを照射した模式図である。 電解処理によりダイヤモンドを分離した後の模式図である。 比較例でダイヤモンドを分離した後の模式図である。 実施例2でダイヤモンド基板にイオン注入した時の模式図である。
符号の説明
1 光透過性の高いダイヤモンド層(A層)
2 光透過性の低いダイヤモンド層(B層)
3 レーザー光
4 集光レンズ
6 炭化・変質したB層
7 Ib型単結晶ダイヤモンド基板
8 ホウ素ドープ単結晶ダイヤモンド層
9 ノンドープ単結晶ダイヤモンド層
10 炭化・変質したホウ素ドープダイヤモンド層
11 レーザー照射で生じた亀裂
12 IIa型単結晶ダイヤモンド基板
13 ヘリウムイオン注入層

Claims (7)

  1. ダイヤモンドの加工方法であって、
    ダイヤモンド基板上に、気相合成法により光透過性の低い第1のダイヤモンド層を成長させる工程と、当該第1のダイヤモンド層上に気相合成法により、該第1のダイヤモンド層よりも光透過性の高い第2のダイヤモンド層を成長させる工程とを一回又は二回以上繰り返した後、
    前記ダイヤモンド積層体の上面及び/又は下面側からレーザー光を照射して第1のダイヤモンド層にレーザー光を吸収させ、第1のダイヤモンド層を変質させる工程と、
    前記変質した第1のダイヤモンド層を、加熱処理、電気化学的エッチング、または酸エッチングのうち、少なくとも1つの処理によって剥離させて、ダイヤモンド基板と第2のダイヤモンド層若しくは第2のダイヤモンド層同士を分離する工程と、
    からなることを特徴とするダイヤモンドの加工方法。
  2. ダイヤモンドの加工方法であって、
    ダイヤモンド基板内部に、イオン注入により光透過性の低い第3のダイヤモンド層を形成する工程と、
    その上に気相合成法により、前記第3のダイヤモンド層よりも光透過性の高い第4のダイヤモンド層を成長させる工程と、
    前記ダイヤモンド積層体の上面及び/又は下面側からレーザー光を照射して第3のダイヤモンド層にレーザー光を吸収させ、第3のダイヤモンド層を変質させる工程と、
    前記変質した第3のダイヤモンド層を、加熱処理、電気化学的エッチング、または酸エッチングのうち、少なくとも1つの処理によって剥離させて、ダイヤモンド基板と第4のダイヤモンド層を分離する工程と、
    工程とからなることを特徴とするダイヤモンドの加工方法。
  3. 前記ダイヤモンド基板、第2又は第4のダイヤモンド層の少なくとも一層が単結晶ダイヤモンドであることを特徴とする請求項1または2に記載のダイヤモンドの加工方法。
  4. 前記ダイヤモンド積層体の表面におけるレーザー光の照射フルエンスが、0.1J/cm2以上100J/cm2以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法。
  5. 前記第1及び第3のダイヤモンド層の厚さが、0.1μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法。
  6. 前記レーザー光における第1及び第3のダイヤモンド層の光吸収係数が、5×102/cm以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法。
  7. 前記レーザー光における第1及び第3のダイヤモンド層の光吸収係数が、第2及び第4のダイヤモンド層の光吸収係数よりも3倍以上大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法。
JP2005302492A 2005-10-18 2005-10-18 ダイヤモンドの加工方法 Expired - Fee Related JP4742800B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005302492A JP4742800B2 (ja) 2005-10-18 2005-10-18 ダイヤモンドの加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005302492A JP4742800B2 (ja) 2005-10-18 2005-10-18 ダイヤモンドの加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007112637A true JP2007112637A (ja) 2007-05-10
JP4742800B2 JP4742800B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=38095160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005302492A Expired - Fee Related JP4742800B2 (ja) 2005-10-18 2005-10-18 ダイヤモンドの加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4742800B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010064909A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology ダイヤモンドの表層加工方法
WO2014003110A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 住友電気工業株式会社 ダイヤモンド単結晶及びその製造方法並びに単結晶ダイヤモンド工具
WO2015199180A1 (ja) * 2014-06-25 2015-12-30 住友電気工業株式会社 ダイヤモンド基板の製造方法、ダイヤモンド基板、及び、ダイヤモンド複合基板
WO2016112596A1 (zh) * 2015-01-17 2016-07-21 西安交通大学 金刚石层的分离方法
CN106661758A (zh) * 2014-08-08 2017-05-10 住友电气工业株式会社 制造金刚石的方法、金刚石、金刚石复合基板、金刚石接合基板和工具
US10304739B2 (en) 2015-01-16 2019-05-28 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method for manufacturing semiconductor substrate, semiconductor substrate, method for manufacturing combined semiconductor substrate, combined semiconductor substrate, and semiconductor-joined substrate

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6254587A (ja) * 1985-08-30 1987-03-10 グル−プ トウ− マニユフアクチヤリング リミテイド 結晶構造物に分割帯域を形成する方法
JPH06234595A (ja) * 1993-02-12 1994-08-23 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド薄板の製造方法
JPH06247793A (ja) * 1993-02-22 1994-09-06 Sumitomo Electric Ind Ltd 単結晶ダイヤモンドおよび製造法
JPH0769795A (ja) * 1993-09-02 1995-03-14 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド及びその製造方法
JP2004538230A (ja) * 2001-08-08 2004-12-24 アポロ ダイアモンド,インコーポレイティド 合成ダイヤモンドを生成するためのシステム及び方法
JP2005272197A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンドの製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6254587A (ja) * 1985-08-30 1987-03-10 グル−プ トウ− マニユフアクチヤリング リミテイド 結晶構造物に分割帯域を形成する方法
JPH06234595A (ja) * 1993-02-12 1994-08-23 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド薄板の製造方法
JPH06247793A (ja) * 1993-02-22 1994-09-06 Sumitomo Electric Ind Ltd 単結晶ダイヤモンドおよび製造法
JPH0769795A (ja) * 1993-09-02 1995-03-14 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド及びその製造方法
JP2004538230A (ja) * 2001-08-08 2004-12-24 アポロ ダイアモンド,インコーポレイティド 合成ダイヤモンドを生成するためのシステム及び方法
JP2005272197A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンドの製造方法

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010064909A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology ダイヤモンドの表層加工方法
US10280531B2 (en) 2012-06-29 2019-05-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Diamond single crystal and production method thereof, and single crystal diamond tool
CN104395508B (zh) * 2012-06-29 2016-12-21 住友电气工业株式会社 金刚石单晶、其制造方法以及单晶金刚石工具
WO2014003110A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 住友電気工業株式会社 ダイヤモンド単結晶及びその製造方法並びに単結晶ダイヤモンド工具
US9441312B2 (en) 2012-06-29 2016-09-13 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Diamond single crystal, method for producing the same, and single crystal diamond tool
US11692264B2 (en) 2014-06-25 2023-07-04 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of manufacturing diamond substrate, diamond substrate, and diamond composite substrate
WO2015199180A1 (ja) * 2014-06-25 2015-12-30 住友電気工業株式会社 ダイヤモンド基板の製造方法、ダイヤモンド基板、及び、ダイヤモンド複合基板
US10487395B2 (en) 2014-06-25 2019-11-26 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of manufacturing diamond substrate, diamond substrate, and diamond composite substrate
US10822693B2 (en) 2014-06-25 2020-11-03 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of manufacturing diamond substrate, diamond substrate, and diamond composite substrate
JPWO2015199180A1 (ja) * 2014-06-25 2017-04-20 住友電気工業株式会社 ダイヤモンド基板の製造方法、ダイヤモンド基板、及び、ダイヤモンド複合基板
US11359275B2 (en) 2014-06-25 2022-06-14 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of manufacturing diamond substrate, diamond substrate, and diamond composite substrate
CN114655953A (zh) * 2014-08-08 2022-06-24 住友电气工业株式会社 制造金刚石的方法、金刚石、金刚石复合基板、金刚石接合基板和工具
CN106661758A (zh) * 2014-08-08 2017-05-10 住友电气工业株式会社 制造金刚石的方法、金刚石、金刚石复合基板、金刚石接合基板和工具
JPWO2016021710A1 (ja) * 2014-08-08 2017-05-25 住友電気工業株式会社 ダイヤモンドの製造方法、ダイヤモンド、ダイヤモンド複合基板、ダイヤモンド接合基板および工具
EP3178971A4 (en) * 2014-08-08 2018-05-16 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method for manufacturing diamond, diamond, diamond composite substrate, diamond bonded substrate, and tool
US11371139B2 (en) 2014-08-08 2022-06-28 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of manufacturing diamond, diamond, diamond composite substrate, diamond joined substrate, and tool
US10584428B2 (en) 2014-08-08 2020-03-10 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of manufacturing diamond, diamond, diamond composite substrate, diamond joined substrate, and tool
JP2021006501A (ja) * 2015-01-16 2021-01-21 住友電気工業株式会社 半導体基板、複合半導体基板、および半導体接合基板
US10304739B2 (en) 2015-01-16 2019-05-28 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method for manufacturing semiconductor substrate, semiconductor substrate, method for manufacturing combined semiconductor substrate, combined semiconductor substrate, and semiconductor-joined substrate
WO2016112596A1 (zh) * 2015-01-17 2016-07-21 西安交通大学 金刚石层的分离方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4742800B2 (ja) 2011-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11371139B2 (en) Method of manufacturing diamond, diamond, diamond composite substrate, diamond joined substrate, and tool
EP3246937B1 (en) Method for manufacturing semiconductor diamond substrate and semiconductor diamond substrate
KR102599962B1 (ko) 산화물 단결정 박막을 구비한 복합 웨이퍼의 제조 방법
WO2015199180A1 (ja) ダイヤモンド基板の製造方法、ダイヤモンド基板、及び、ダイヤモンド複合基板
JP4742800B2 (ja) ダイヤモンドの加工方法
JP4849691B2 (ja) 大面積ダイヤモンド結晶基板及びその製造方法
KR102658526B1 (ko) 산화물 단결정 박막을 구비한 복합 웨이퍼의 제조 방법
JP6396854B2 (ja) 酸化物単結晶薄膜を備えた複合ウェーハの製造方法
JP5621994B2 (ja) モザイク状ダイヤモンドの製造方法
JP2016015463A (ja) SiC材料の加工方法及びSiC材料
JP4919300B2 (ja) ダイヤモンドの表面層又は成長層の分離方法
JP2009266892A (ja) 化合物半導体結晶基材の製造方法
JP4803464B2 (ja) 単結晶ダイヤモンドの表面損傷の除去方法
WO2016112596A1 (zh) 金刚石层的分离方法
JP2021158248A (ja) 接合基板の製造方法
Kaule et al. Laser-assisted spalling of large-area semiconductor and solid state substrates
JP2009283922A (ja) 半導体基板の作製方法
JP2012038932A (ja) 半導体ウェーハの薄厚化方法および貼り合せウェーハの製造方法
JP2005272197A (ja) ダイヤモンドの製造方法
JPH06234595A (ja) ダイヤモンド薄板の製造方法
CN114207777A (zh) 晶体高效的sic装置晶片生产
JP2020038955A (ja) Iii族窒化物単結晶の切断方法
JP2018001068A (ja) 材料製造装置、および、材料製造方法
JP2010109190A (ja) シリコンウェーハの製造方法
WO2019039533A1 (ja) ダイヤモンド基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110425

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4742800

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees