JP4742800B2 - ダイヤモンドの加工方法 - Google Patents
ダイヤモンドの加工方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4742800B2 JP4742800B2 JP2005302492A JP2005302492A JP4742800B2 JP 4742800 B2 JP4742800 B2 JP 4742800B2 JP 2005302492 A JP2005302492 A JP 2005302492A JP 2005302492 A JP2005302492 A JP 2005302492A JP 4742800 B2 JP4742800 B2 JP 4742800B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diamond
- layer
- substrate
- diamond layer
- laser
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
本発明は、前記課題を克服すべくなされたもので、大面積ダイヤモンドでも表面の損傷や内部の割れを生じさせることなく、ダイヤモンドを分離加工する方法を提供することを目的とする。
(1)ダイヤモンドの加工方法であって、ダイヤモンド基板上に、気相合成法により光透過性の低い第1のダイヤモンド層を成長させる工程と、当該第1のダイヤモンド層上に気相合成法により、該第1のダイヤモンド層よりも光透過性の高い第2のダイヤモンド層を成長させる工程とを一回又は二回以上繰り返した後、前記ダイヤモンド積層体の上面及び/又は下面側からレーザー光を照射して第1のダイヤモンド層にレーザー光を吸収させ、第1のダイヤモンド層を変質させる工程と、前記変質した第1のダイヤモンド層を、加熱処理、電気化学的エッチング、または酸エッチングのうち、少なくとも1つの処理によって剥離させて、ダイヤモンド基板と第2のダイヤモンド層若しくは第2のダイヤモンド層同士を分離する工程とからなることを特徴とするダイヤモンドの加工方法である。
ダイヤモンド基板内部に、イオン注入により光透過性の低い第3のダイヤモンド層を形成する工程と、その上に気相合成法により、前記第3のダイヤモンド層よりも光透過性の高い第4のダイヤモンド層を成長させる工程と、前記ダイヤモンド積層体の上面及び/又は下面側からレーザー光を照射して第3のダイヤモンド層にレーザー光を吸収させ、第3のダイヤモンド層を変質させる工程と、前記変質した第3のダイヤモンド層を、加熱処理、電気化学的エッチング、または酸エッチングのうち、少なくとも1つの処理によって剥離させて、ダイヤモンド基板と第4のダイヤモンド層を分離する工程とからなることを特徴とするダイヤモンドの加工方法である。
本発明者らは、図1に示すように、光透過性の高いダイヤモンド層1(前記第2又は第4のダイヤモンド層に相当=A層とする)と低いダイヤモンド層2(前記第1又は第3のダイヤモンド層に相当=B層とする)を気相合成法で積層し、A層1側からレーザー光を照射してB層2を変質させる実験を行った。そして、変質させた積層ダイヤモンド層を加熱処理、電気化学的エッチング、酸エッチングする実験を行った。この結果、次の知見を得た。つまり、あるしきい値(F1とする)以上のレーザー光を照射した場合、A層1は変質せず、B層2が非ダイヤモンド成分に変質する。この時、B層2の変質の度合いには差があり、さらに大きいしきい値(F2)を超えた時のみB層2はレーザー照射で直接炭化・剥離し、F1以上F2未満の強度の時は、B層2は変質するものの炭化しないことがわかった。さらにレーザー強度を上げてしきい値がF3以上になると、A層1表面で加工が発生することを確認した。そして、F1以上F2未満のレーザー照射で炭化しなかったB層2においても、追加的に加熱処理、電気化学的エッチング、酸エッチングすることにより炭化・剥離することがわかった。これらの現象から前記本発明を得るに至った。
(実施例1)
本実施例では種基板として高圧合成Ib型単結晶ダイヤモンド基板7を用意した(図4)。基板サイズは12mm×12mm×0.5mmで、面方位は6面とも{100}とし、両面は機械的に研磨済みである。この基板7の波長1064nmにおける光吸収係数は4.0×10-1/cmであった。この基板7上に公知のマイクロ波プラズマCVD装置でダイヤモンドを気相成長させた。原料ガスは水素、メタンおよびジボランで、水素に対するメタン濃度は5%、メタンに対するジボラン濃度は50ppmとした。20時間の成長の結果、ホウ素ドープ単結晶ダイヤモンド層8が50μm成長した(図5)。この積層(2層)基板の波長1064nmにおける光吸収係数は4.6×102/cmであった。さらに、ジボランを添加しない、ノンドープ成長条件で単結晶ダイヤモンドの気相成長を100時間継続した結果、実質的に不純物吸収のない0.5mm厚さの単結晶ダイヤモンド層9が積層された(図6)。
ここで比較例として、前記ノンドープ成長の成長時間を調整し、不純物吸収のない単結晶ダイヤモンド層の厚さを90,100,及び110μmとした3つの試料を作製した。レーザー照射条件は先の実施例と同様としたが、入射面は不純物吸収のない単結晶ダイヤモンド層側とした。電解処理条件を先の実施例と同様にしたところ、厚さ90μmの試料はレーザー照射後の入射表面に1ヶ所微小ダメージが認められたものの、分離することができた。一方、厚さ100μm及び110μmの試料については、前記実施例と同様にダメージなく単結晶ダイヤモンド層を分離することができた。
本実施例では、種基板として天然IIa型単結晶ダイヤモンド基板12を用意した。基板サイズは10mm×10mm×0.5mmで、面方位は6面とも{100}とし、両面は機械的に研磨済みである。この基板12の波長308nmにおける光吸収係数は8.0×10-1/cmであった。この基板12に対し、ヘリウムイオンを基板表面からイオン注入した。注入エネルギーは5MeV、注入量は1.0×1015ions/cm2とした。この結果、表面から深さ12μm付近に約0.1μm幅で最大1.1×1019個/cm3のヘリウムが注入されているヘリウムイオン注入層13が形成されていることが確認された(図10)。イオン注入済み基板の最表面を電子線回折法で評価した結果、単結晶固有の回折パターンが観察されたことから、基板表面は単結晶であることが確認された。さらにこの時の波長308nmにおける光吸収係数は2.3×105/cmであった。この基板上に実施例1と同様の方法でダイヤモンドを気相成長させた。原料ガスは水素、メタンで、水素に対するメタン濃度は10%とした。100時間の成長の結果、実質的に不純物吸収のない1.0mm厚さの単結晶ダイヤモンド層が積層された。
また、同様にレーザー照射したダイヤモンド基板を用意し、クロム酸処理ではなく、大気中で450℃に加熱処理を5時間行った場合も、同様にIIa型単結晶ダイヤモンド層と気相合成ノンドープ単結晶層に分離されることを確認した。
2 光透過性の低いダイヤモンド層(B層)
3 レーザー光
4 集光レンズ
6 炭化・変質したB層
7 Ib型単結晶ダイヤモンド基板
8 ホウ素ドープ単結晶ダイヤモンド層
9 ノンドープ単結晶ダイヤモンド層
10 炭化・変質したホウ素ドープダイヤモンド層
11 レーザー照射で生じた亀裂
12 IIa型単結晶ダイヤモンド基板
13 ヘリウムイオン注入層
Claims (7)
- ダイヤモンドの加工方法であって、
ダイヤモンド基板上に、気相合成法により光透過性の低い第1のダイヤモンド層を成長させる工程と、当該第1のダイヤモンド層上に気相合成法により、該第1のダイヤモンド層よりも光透過性の高い第2のダイヤモンド層を成長させる工程とを一回又は二回以上繰り返した後、
前記ダイヤモンド積層体の上面及び/又は下面側からレーザー光を照射して第1のダイヤモンド層にレーザー光を吸収させ、第1のダイヤモンド層を変質させる工程と、
前記変質した第1のダイヤモンド層を、加熱処理、電気化学的エッチング、または酸エッチングのうち、少なくとも1つの処理によって剥離させて、ダイヤモンド基板と第2のダイヤモンド層若しくは第2のダイヤモンド層同士を分離する工程と、
からなることを特徴とするダイヤモンドの加工方法。 - ダイヤモンドの加工方法であって、
ダイヤモンド基板内部に、イオン注入により光透過性の低い第3のダイヤモンド層を形成する工程と、
その上に気相合成法により、前記第3のダイヤモンド層よりも光透過性の高い第4のダイヤモンド層を成長させる工程と、
前記ダイヤモンド積層体の上面及び/又は下面側からレーザー光を照射して第3のダイヤモンド層にレーザー光を吸収させ、第3のダイヤモンド層を変質させる工程と、
前記変質した第3のダイヤモンド層を、加熱処理、電気化学的エッチング、または酸エッチングのうち、少なくとも1つの処理によって剥離させて、ダイヤモンド基板と第4のダイヤモンド層を分離する工程と、
からなることを特徴とするダイヤモンドの加工方法。 - 前記ダイヤモンド基板、第2又は第4のダイヤモンド層の少なくとも一層が単結晶ダイヤモンドであることを特徴とする請求項1または2に記載のダイヤモンドの加工方法。
- 前記ダイヤモンド積層体の表面におけるレーザー光の照射フルエンスが、0.1J/cm2以上100J/cm2以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法。
- 前記第1及び第3のダイヤモンド層の厚さが、0.1μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法。
- 前記レーザー光における第1及び第3のダイヤモンド層の光吸収係数が、5×102/cm以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法。
- 前記レーザー光における第1及び第3のダイヤモンド層の光吸収係数が、第2及び第4のダイヤモンド層の光吸収係数よりも3倍以上大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のダイヤモンドの加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005302492A JP4742800B2 (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | ダイヤモンドの加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005302492A JP4742800B2 (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | ダイヤモンドの加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007112637A JP2007112637A (ja) | 2007-05-10 |
JP4742800B2 true JP4742800B2 (ja) | 2011-08-10 |
Family
ID=38095160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005302492A Expired - Fee Related JP4742800B2 (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | ダイヤモンドの加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4742800B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5142282B2 (ja) * | 2008-09-09 | 2013-02-13 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | ダイヤモンドの表層加工方法 |
CN106884202B (zh) | 2012-06-29 | 2019-12-03 | 住友电气工业株式会社 | 金刚石单晶和单晶金刚石工具 |
JP6631517B2 (ja) | 2014-06-25 | 2020-01-15 | 住友電気工業株式会社 | ダイヤモンド基板、及び、ダイヤモンド複合基板 |
US10584428B2 (en) | 2014-08-08 | 2020-03-10 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Method of manufacturing diamond, diamond, diamond composite substrate, diamond joined substrate, and tool |
US10304739B2 (en) * | 2015-01-16 | 2019-05-28 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Method for manufacturing semiconductor substrate, semiconductor substrate, method for manufacturing combined semiconductor substrate, combined semiconductor substrate, and semiconductor-joined substrate |
CN104630899B (zh) * | 2015-01-17 | 2017-09-22 | 王宏兴 | 金刚石层的分离方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6254587A (ja) * | 1985-08-30 | 1987-03-10 | グル−プ トウ− マニユフアクチヤリング リミテイド | 結晶構造物に分割帯域を形成する方法 |
JP3350994B2 (ja) * | 1993-02-12 | 2002-11-25 | 住友電気工業株式会社 | ダイヤモンド薄板の製造方法 |
JPH06247793A (ja) * | 1993-02-22 | 1994-09-06 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 単結晶ダイヤモンドおよび製造法 |
JP3498326B2 (ja) * | 1993-09-02 | 2004-02-16 | 住友電気工業株式会社 | ダイヤモンド及びその製造方法 |
JP2004538230A (ja) * | 2001-08-08 | 2004-12-24 | アポロ ダイアモンド,インコーポレイティド | 合成ダイヤモンドを生成するためのシステム及び方法 |
JP4340881B2 (ja) * | 2004-03-24 | 2009-10-07 | 住友電気工業株式会社 | ダイヤモンドの製造方法 |
-
2005
- 2005-10-18 JP JP2005302492A patent/JP4742800B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007112637A (ja) | 2007-05-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3246937B1 (en) | Method for manufacturing semiconductor diamond substrate and semiconductor diamond substrate | |
US11371139B2 (en) | Method of manufacturing diamond, diamond, diamond composite substrate, diamond joined substrate, and tool | |
KR102599962B1 (ko) | 산화물 단결정 박막을 구비한 복합 웨이퍼의 제조 방법 | |
JP4742800B2 (ja) | ダイヤモンドの加工方法 | |
WO2015199180A1 (ja) | ダイヤモンド基板の製造方法、ダイヤモンド基板、及び、ダイヤモンド複合基板 | |
KR102658526B1 (ko) | 산화물 단결정 박막을 구비한 복합 웨이퍼의 제조 방법 | |
JP6396854B2 (ja) | 酸化物単結晶薄膜を備えた複合ウェーハの製造方法 | |
KR20110099008A (ko) | 와이드 밴드 갭 반도체를 적층한 복합 기판의 제조 방법 | |
JP2016015463A (ja) | SiC材料の加工方法及びSiC材料 | |
WO2016194977A1 (ja) | 酸化物単結晶薄膜を備えた複合ウェーハの製造方法 | |
WO2016112596A1 (zh) | 金刚石层的分离方法 | |
JP2009266892A (ja) | 化合物半導体結晶基材の製造方法 | |
US20240274468A1 (en) | Crystal efficient sic device wafer production | |
JP2021158248A (ja) | 接合基板の製造方法 | |
JP2012038932A (ja) | 半導体ウェーハの薄厚化方法および貼り合せウェーハの製造方法 | |
JP2009283922A (ja) | 半導体基板の作製方法 | |
JP3350994B2 (ja) | ダイヤモンド薄板の製造方法 | |
JP2020038955A (ja) | Iii族窒化物単結晶の切断方法 | |
JP2018001068A (ja) | 材料製造装置、および、材料製造方法 | |
JP2014195026A (ja) | 複合基板 | |
Calabretta et al. | Advanced strategies for high activation in ion implanted 4H-SiC by laser annealing | |
JP6114063B2 (ja) | 複合基板 | |
WO2015085014A1 (en) | System and method for obtaining laminae made of a material having known optical transparency characteristics | |
JP2010109190A (ja) | シリコンウェーハの製造方法 | |
WO2019039533A1 (ja) | ダイヤモンド基板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081017 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101013 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101020 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101213 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110412 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110425 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4742800 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |