JP2007112066A - 光記録材料及び光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】400nm付近の記録光によって情報を記録及び再生したときに十分な記録再生特性が得られる光記録材料及び光記録媒体を提供する。
【解決手段】光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体に用いられる光記録材料であって、下記一般式(1)〜(3)で表されるアゾメチン化合物と金属とのキレート化合物を含有する。
Figure 2007112066

【選択図】なし

Description

本発明は、光の照射により情報の記録を行う光記録媒体及びそれに用いられる光記録材料に関する。
色素等を含有する光記録材料で形成された記録層を備える光記録媒体は、高感度の記録を行うことが可能であり、CD−RやDVD±Rとして広く普及している。例えばDVD−R等の場合に用いられる、635〜680nmの記録再生光に適した光記録材料として、下記特許文献1に示すようなアゾメチン化合物の金属キレート化合物が知られている。
近年、更なる高密度記録を実現するために、記録再生光の短波長化が試みられており、具体的には、400nm付近の波長を有する青色半導体レーザー光の使用が検討されている。しかしながら、従来のCDやDVDに用いられてきた光記録材料は、このような短波長の光の照射では情報の記録に必要な屈折率変化を生じ得ないため、そのままでは適用が困難である。そこで、例えば、アゾメチン化合物において置換基を特定のものとすることにより400nm付近における吸光度を大きくした色素が提案されている(特許文献2)。
特開平10−273484号公報 特開2004−34645号公報
しかしながら、上記特許文献2に開示される材料をはじめとする従来の光記録材料は、400nm付近における吸収帯を有しているものの、実際に400nm付近のレーザ光により記録及び再生したときに、情報の記録及びその再生を正常に行うための記録再生特性の点で未だ満足できるものではないことが、本発明者らの検討の結果明らかとなった。例えば、記録信号を再生したときに、十分に明瞭なコントラストで信号を得ることができないものであった。
そこで、本発明は、400nm付近の記録光によって情報を記録及び再生したときに十分な記録再生特性が得られる光記録材料及び光記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、種々の色素について鋭意検討した結果、光記録材料を構成する色素として、下記のような、特定の構造を有するアゾメチン化合物を用いることによって、400nm付近の記録光によって情報を記録したときに十分な記録再生特性が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体に用いられる光記録材料であって、下記一般式(1)、(2)又は(3)で表されるアゾメチン化合物と金属とのキレート化合物を含有するものである。
Figure 2007112066
式(1)、(2)及び(3)中、XHは活性水素を有する基を示し、同一分子中の複数のXHは同一でも異なっていてもよく、Rはアルキル基又はアルケニル基であって少なくともXHを置換基として有する基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、Arは下記一般式(11)、(12)又は(13)で表される基を示し、Zは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、式(11)、(12)及び(13)中、Q、Q及びQは置換基を有していてもよい芳香族環を形成する基を、XHは活性水素を有する基をそれぞれ示す。
Figure 2007112066
本発明の光記録材料において用いるアゾメチン化合物は、式(1)〜(3)に表されるように、アゾメチン基が少なくとも1個のアルキル基又はアルケニル基で置換されている。このようにアルキル基又はアルケニル基を有するアゾメチン化合物と金属とのキレート化合物は、2個のアリール基で置換された従来のアゾメチン化合物と比較して、吸収がより短波長で顕著になる。これにより、記録層における400nm付近の屈折率が大きくなり、その結果、400nm付近の光に対する十分な記録再生特性が得られたものと考えられる。
上記アゾメチン化合物において、XH及びXHは、それぞれ独立に、水酸基又は置換基を有していてもよいアミノ基であることが好ましい。これにより、記録再生特性向上の効果がより一層顕著なものとなる。また、記録層を形成するための塗布液を調製する際に用いる溶媒に対する溶解性が向上する点等でも、好ましい。
式(11)〜(13)においては、Qが置換基を有していてもよいベンゼン環を形成する基であり、Q及びQが5員環と6員環とからなり置換基を有していてもよい縮合複素環、置換基を有していてもよい5員環及び置換基を有していてもよい6員環からなる群より選ばれる芳香族環を形成する基であることが好ましい。
一方、アゾメチン化合物とともにキレート化合物を形成する金属は、コバルト、鉄、アルミニウム又はニッケルであることが好ましい。これにより、光記録材料が耐光性の点でもより優れたものとなる。
本発明の記録材料、並びに本発明の光記録媒体が備える記録層は、シアニン色素をさらに含有することが好ましい。上記キレート化合物は優れたクエンチャー機能を有しており、特にシアニン色素と併用した場合に、色素の酸化による劣化を効果的に抑制することができ、耐光性の点でも更に優れたものとなる。
本発明の光記録材料及び光記録媒体によれば、400nm付近の記録光によって情報を記録及び再生したときに十分な記録再生特性が得られる。
以下、場合により図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の光記録材料は、上記一般式(1)、(2)又は(3)で表されるアゾメチン化合物と金属とのキレート化合物を1種又は2種以上含有する。この光記録材料は、特に、400〜420nmの光の照射により情報を記録する方法において、好適に用いられる。
式(1)〜(3)において、XHは活性水素を有する基を示し、同一分子中の複数のXHは同一でも異なっていてもよく、Rはアルキル基又はアルケニル基であって少なくともXHを置換基として有する基を示す。
Hとしては、水酸基、置換基を有していてもよいアミノ基、チオール基、カルボキシ基、スルホ基等が挙げられる。これらの中でも、XHは、水酸基又は置換基を有していてもよいアミノ基であることが好ましい。なお、置換基を有していてもよいアミノ基には、第1級又は第2級アミノ基の他、アミド基、スルホンアミド基等が含まれる。XHとしては、特に、水酸基、アミノ基又はトリフルオロメタンスルホンアミド基が好ましい。
がアルキル基である場合、アルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状のものが好ましく、また、その炭素数は2〜5であることが好ましい。アルキル基の好適な具体例としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、が挙げられる。RはXHの他に置換基を有していてもよい。
がアルケニル基である場合、アルケニル基としては、直鎖状若しくは分岐状のものが好ましく、また、その炭素数は2〜5であることが好ましい。アルケニル基の好適な具体例としては、ビニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−ブテニル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基が挙げられる。
金属とのキレート化合物を容易に形成することを可能とするため、XHは、アゾメチン基に対してβ位の炭素原子に結合していることが好ましい。XHで置換されたRの好適な具体例としては、Rがアルキル基である場合には下記化学式(30a)、(30b)、(30c)、(30d)及び(30e)があり、Rがアルケニル基である場合には下記化学式(31a)、(31b)、(31c)、(31d)及び(31e)がある。
Figure 2007112066
式(1)〜(3)におけるArは、それぞれ独立に上記一般式(11)、(12)又は(13)で表される1価の基を示す。式(11)〜(13)において、Q、Q及びQはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族環を形成する基を示し、XHは活性水素を有する基を示す。
式(11)におけるXHは活性水素を有する基であり、上述のXHと同様のものである。XHは、特に、水酸基又はチオール基であることが好ましい。
が形成している芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピラゾール環、ピリジン環、キノリン環等が挙げられ、これらの中でもベンゼン環が好ましい。
一方、Q及びQが形成している芳香族環は、それぞれ独立に、5員環と6員環とからなり置換基を有していてもよい縮合複素環、置換基を有していてもよい5員環及び置換基を有していてもよい6員環からなる群より選ばれる芳香族環が好ましい。Qが形成する芳香族環の好適な具体例としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環及びインダゾール環が挙げられる。Qが形成する芳香族環の好適な具体例としては、チアジアゾール環、ピリジン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール若しくはそのモノアザ同族体の環及びイソキノリン環が挙げられる。
上記のような芳香族環が有する置換基は、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、アルケニル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン基、スルホン酸エステル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アミド基、アミノ基及びニトロ基から選ばれる一価の基が挙げられる。同一分子中に置換基が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。また、同一の芳香族環に2個以上の置換基が結合しているとき、それらは互いに連結して環を形成してもよい。
Arの好適な具体例としては、下記式(11a)、(11b)、(11c)、(11d)、(12a)又は(13a)で表される基が挙げられる。
Figure 2007112066
式(1)〜(3)において、Zは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。特に、Zは水素原子であることが好ましい。
以上のようなアゾメチン化合物のうち、特に好適な具体例としては、下記化学式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)、(2a)、(2b)、(2c)、(2d)、(3a)又は(3d)で表されるものが挙げられる。
Figure 2007112066
これらアゾメチン化合物は、所定の置換基を有するアルデヒド化合物又はケトン化合物と、所定の置換基を有するアミン化合物とを脱水縮合する等の公知の方法によって、合成することができる。例えば、式(1a)のアゾメチン化合物は、下記反応式(S)で表される、4−ニトロ−2−アミノフェノール(式(4))とアルドール(式(5))との反応によって合成できる。
Figure 2007112066
この反応は、アルデヒド化合物又はケトン化合物と、アミン化合物とをメタノール等の反応溶媒中に溶解した反応液を、無触媒又は触媒存在下で加熱することによって、進行させることができる。反応生成物は、さらに、再結晶等により精製してから光記録材料に用いることが好ましい。得られるアゾメチン化合物の構造は、H−NMR、質量分析等の、通常の分析方法により同定できる。
本発明に係るキレート化合物においては、アゾメチン化合物が、活性水素原子を有する場合はそれが脱離する等した状態で、通常、2座又は3座配位子として金属との間に配位結合を形成する。例えば、金属がコバルト(Co)である場合、コバルト原子1個当たり2個の2座又は3座配位子が配位してキレート化合物が形成される。
キレート化合物を構成する金属(中心金属)としては、Co、Mn、Cr、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Ru、Fe、Pd、Pt、Al等の遷移金属が好ましい。これらの中でも、アゾメチン化合物との組み合わせにおいては、コバルト(Co)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)又はニッケル(Ni)が特に好ましい。
キレート化合物が負電荷を有する場合、対カチオンとの塩を形成する。この対カチオンとしては、Na、Li、K等のアルカリ金属イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン等が好ましく用いられる。また、後述する正電荷を有する光吸収色素を対カチオンとして塩を形成させてもよい。一方、キレート化合物が正電荷を有する場合、対アニオンとの塩を形成する。この対アニオンとしては、PF 、SbF 等が好ましく用いられる。
以上のようなキレート化合物の合成法は特に限定されず、公知の方法に従い合成することができる。例えば、アゾメチン化合物と金属塩とを、水、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、エタノール等の溶媒中で反応させることにより、キレート化合物が得られる。
本発明の光記録材料においては、このキレート化合物を色素として単独で用いてもよく、あるいは他の光吸収色素を併用してもよい。上記のようなキレート化合物は優れたクエンチャー機能を有するため、キレート化合物と他の光吸収色素とを併用することにより、耐光性、ディスクの電気特性などの諸特性をさらに向上させることができる。併用される色素としては、シアニン色素、ヒドラジン金属錯体、スチリル系色素、ポルフィリン系色素、ローダミン色素、トリフェニルメタン色素、ホルマザン金属錯体などが挙げられ、これらの中でもシアニン色素が好ましい。
また、併用される色素のうち正電荷を有する色素については、上記キレート化合物と塩を形成させてもよい。正電荷を有する色素としては、トリメチンシアニン色素、ペンタメチンシアニン色素等のシアニン色素、ローダミン色素、トリフェニルメタン色素などが挙げられ、これらの中でもシアニン色素が好ましく、トリメチンシアニン色素が特に好ましい。
トリメチンシアニン色素としては、例えば、下記一般式(6)で表される構造を有するものを好適に用いることができる。
Figure 2007112066
式(6)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、Q及びQはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族環を形成する基を示す。但し、R及びR、並びにR及びRは、それぞれ互いに連結して環状構造を形成してもよい。
及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基若しくはビニル基若しくは置換基を有していてもよいベンジル基、又は互いに連結して3〜6員環を形成する基であることが好ましく、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基若しくはビニル基若しくは置換基を有していてもよいベンジル基、又は互いに連結して3〜6員環を形成する基であることが好ましく、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又はアリール基であることが好ましく、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいベンジル基であることが好ましく、Q及びQはそれぞれ独立に置換基を有していてもよいベンゼン環又は置換基を有していてもよいナフタレン環を形成する基であることが好ましい。R、R、R及びRのうち少なくとも1個はメチル基でない基であることがより好ましく、R、R、R及びRのうち少なくとも1個は置換基を有していてもよいベンジル基であることが、感度がより顕著に高められる点でさらに好ましい。これらシアニン色素は、公知の方法に従って合成することができる。
本発明の光記録材料における、上記キレート化合物と他の光吸収色素との配合比は特に制限されないが、他の光吸収色素の含有割合が、キレート化合物と他の光吸収色素との合計量を基準として20〜80モル%であることが好ましい。
以上のような光記録材料は、以下に説明するような本発明の光記録媒体の記録層を形成させるために、好適に用いることができる。
図1は本発明の光記録媒体に係る光記録ディスクの好適な一実施形態を示す断面図である。図1に示す光記録ディスク1は、基板2の一面上(図中下側)に、反射層6、記録層3、誘電体層4及び光透過層5がこの順で積層された積層構造を有する。光記録ディスク1は、追記型光記録ディスクであり、400〜420nmの光の照射によって情報を記録及び再生するために用いられる。光記録ディスク1は、特には、405nmの青色レーザー光により記録及び再生が行われる、所謂ブルーレイディスクとして知られる光記録媒体として好適に用いられる。
基板2は、直径が64〜200mm程度、厚さが0.3〜1.6mm、好ましくは0.5〜1.3mm程度のディスク状の形状を有する。記録層3の基板2と反対側、すなわち光透過層5側からの光照射により情報の記録及びその再生が行われる。そのため、基板2は必ずしも光学的に透明である必要はない。具体的には、基板2を形成する材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリオレフィン樹脂等の各種プラスチック材料等が好適に用いられる。あるいは、ガラス、セラミックス、金属等を用いてもよい。
基板2の記録層3側の面には、溝状のグルーブGと、隣り合うグルーブG同士の間で相対的に高くなっている(光透過層5側の光記録媒体表面に近くなっている)部分であるランドLとを含む微細な凹凸パターンが形成されている。グルーブGは、通常、スパイラル状に延びた溝として形成されている。グルーブGの深さGd(ランドLの光透過層5側に最も突き出た部分からの深さ)は、好ましくは40〜150nmであり、より好ましくは60〜120nmである。グルーブGの深さGdをこのような範囲とすることによって、十分なトラッキング制御が可能となり、クロストークを抑制できる。グルーブGの深さGdが40nm未満であると、トラック追従のために必要なトラッキングエラー信号が小さくなる他、クロストークが大きくなったり、ウォブル信号のようなプリフォーマット信号が小さくなったりする傾向がある。一方、深さGdが150nmを超えると、ランドL及びグルーブGを高精度で形成することが難しくなるために、反射信号の低下や感度の低下を招き得る。
グルーブ幅Gw(グルーブGの底から深さGdの1/2の高さにおけるグルーブGの幅)は、好ましくは110〜210nmであり、より好ましくは130〜190nmである。グルーブピッチGp(隣り合うグルーブG同士の間隔、例えば、隣り合うグルーブGの幅Gw方向における中心同士の間隔)は、例えば290〜350nmであり、好ましくは310〜330nmである。このような構成とすることによって、クロストークが十分に抑制される。
上記のような凹凸パターンが形成された基板2は、プラスチック材料を用いる場合には、射出成形により作製できる。プラスチック材料以外の材料を用いる場合には、例えば、フォトポリマー法(2P法)によって基板2が成形される。
基板2と記録層3との間に設けられている反射層6は、高反射率の金属又は合金から形成されることが好ましい。反射層6は、具体的には、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)又はこれらの少なくとも1種を含む合金から形成されることが好ましい。特に、Ag又はAgを含む合金、例えば、AIS(Ag−In−Sn)を用いることが、適切な反射率が得られるため好ましい。反射率を適切な数値とするために、反射層6の厚さは0〜200nmであることが好ましい。すなわち、基板2と記録層3との組合せのみで充分な反射率が得られる場合には、反射層を設ける必要はない。反射層6は、例えば、蒸着、スパッタ等の気相成長法を用いて形成することができる。
記録層3は、上述の色素を含有する光記録材料で形成されている。記録層3は、例えば、光記録材料を溶媒に溶解した光記録材料溶液を用いて形成される。光記録材料溶液の溶媒としては、アルコール、脂肪族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、ハロゲン化アルキル系溶媒等が挙げられる。これらの中でも、アルコール又は脂肪族炭化水素系溶媒を含む溶媒が好ましい。
アルコールとしては、フッ素化アルコール、アルコキシアルコール又はケトアルコールが好ましい。特に、ポリカーボネート基板上に記録層を形成する場合、フッ素化アルコールが好適である。
フッ素化アルコールとしては、1又は2以上のフッ素で置換されたアルキルアルコールが好ましく、特に、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(TFP)、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール(OFP)が好ましい。これらフッ素化アルコールは単独で又は複数種組み合わせて用いられる。また、他のアルコールと併用してもよい。
アルコキシアルコールは、アルコキシ部分の炭素数が1〜4であることが好ましく、かつ、アルコール部分の炭素数が1〜5、さらには2〜5であることが好ましい。また、アルコキシアルコールの総炭素数は3〜7であることが好ましい。アルコキシアルコールの具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)やエチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ、エトキシエタノールともいう)やブチルセロソルブ、2−イソプロポキシ−1−エタノール等のエチレングリコールモノアルキルエーテル(セロソルブ)や1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、4−メトキシ−1−ブタノール、1−エトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。ケトアルコールとしてはジアセトンアルコール等が挙げられる。
脂肪族炭化水素系溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロオクタン、ジメチルシクロヘキサン、n−オクタン、iso−プロピルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサンが好ましく、なかでもエチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンが好ましい。また、ケトン系溶媒としてはシクロヘキサノンなどが挙げられる。
光記録材料溶液は、溶媒中に光記録材料を投入し、必要に応じて加熱しながら、超音波処理等してこれを溶解することにより、調製できる。光記録材料溶液における光記録材料の濃度は、光記録材料溶液全体を基準として0.1〜10質量%であることが好ましい。光記録材料溶液は、光記録材料及び溶媒の他、必要に応じて、バインダー、分散剤、安定剤などを含有していてもよい。
光記録材料溶液を用いて記録層3を形成させる場合、光記録材料溶液からなる溶液層を反射層6上に形成する工程の後、溶液層中の溶媒を除去して、光記録材料を含有する記録層3を形成させる。すなわち、光記録ディスク1は、色素を含有する光記録材料を溶媒に溶解した光記録材料溶液からなる溶液層を反射層6上に形成させる工程と、溶液層中の溶媒を除去して記録層3を形成させる工程とを備える製造方法によって製造することができる。この製造方法によれば、色素が溶解性に優れるために高い生産効率で光記録媒体を製造できる。溶液層は、スピンコーティング法、グラビア塗布法、スプレーコート法、ディップコート法などの方法で基板2上に塗布することにより形成される。これらの中でも、スピンコート法が好ましい。
そして、溶液層を室温で放置するか又は必要に応じて加熱して乾燥することにより、溶媒の一部が除去される。このとき、記録層3中には、記録層3全体の3質量%以下程度(好ましくは0.05〜2質量%)のフッ素化アルコール等の溶媒を残存させるように加熱することが好ましい。上記の範囲で、記録層3中にフッ素化アルコール等の溶媒を残存させることにより、記録層3が適度な粘性(流動性)を有するものとなる。これにより、光記録媒体を取り扱う際に生じる微小な曲がりとともに記録層3が変形しても、記録層3は光記録媒体の曲がりが回復した際に粘性によって自己回復し、記録機能が維持される。記録層3全体の3質量%以上の溶媒が残留していた場合、色素の分子が移動しやすくなり、部分的な結晶化が生じやすくなる傾向にある。また、記録層3中からフッ素化アルコール等の溶媒が完全に除去された場合、記録層3の粘性が著しく低くなり、上記の自己回復機能が損なわれる傾向にある。
記録層3の厚さは、5〜100nmであることが好ましい。特に30〜70nmとすると、変調度と反射率とのバランスが良くなるため、より好ましい。この範囲外では、反射率が低下して、再生を行うことが困難となる傾向にある。また、グルーブ23に隣接する部分における記録層3の膜厚を100nm以上とすると、変調度と反射率とのバランスが悪化する傾向にある。
記録層3の記録光及び再生光に対する消衰係数(複素屈折率の虚部k)は、0〜0.20であることが好ましい。消衰係数が0.20を超えると十分な反射率が得られない傾向にある。また、記録層3の屈折率(複素屈折率の実部n)は1.8以上であることが好ましい。屈折率が1.8未満の場合、信号の変調度が小さくなる傾向にある。
記録層3上には、誘電体層4が記録層3に密着して設けられている。誘電体層4は、記録層3を機械的、化学的に保護する保護層としての機能とともに、光学特性を調整する干渉層としての機能を有する。誘電体層4は記録層3の記録光及び再生光が入射する側に位置するため、400〜420nmの波長の記録再生レーザー光を透過させることが必要である。
誘電体層4に用いられる材料としては、例えば、Si、Zn、Al、Ta、Ti、Co、Zr、Pb、Ag、Zn、Sn、Ca、Ce、V、Cu、Fe及びMgからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物又はこれらの複合物が好適に用いられる。特に、光透過能の観点から、ZnS−SiO、AlN、Ta等が好ましい。これら誘電体層4は単層であってもよいし、複数の層を有していてもよい。誘電体層4は、例えば、イオンビームスパッタリング法、リアクティブスパッタリング法、RFスパッタリング法等の気相成長法によって形成することができる。
誘電体層4の厚さは、1〜100nm程度が好ましく、2〜10nmがより好ましい。誘電体層4の厚さが1nm未満であると、光透過層5中の成分が誘電体層4を透過して記録層3を侵す傾向があり、一方、100nmを超えると記録感度が低下する傾向がある。
誘電体層4上には、光透過層5が誘電体層4に密着して設けられている。光透過層5は単層であってもよいし、多層構造を有していてもよい。光透過層5は、記録光及び再生光に対して、光学的に透明で、反射が少なく、複屈折が小さい材料から形成されることが好ましい。具体的には、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、熱硬化型樹脂などが好適に用いられる。光透過層5は、例えば、紫外線硬化樹脂などの材料を含む塗布液を誘電体層4上に塗布してから塗膜を乾燥し、更に必要に応じて樹脂を硬化させることにより形成可能である。塗布の際には、スピンコート法、グラビア塗布法、スプレーコート法、ディップコート法などが適用可能である。このようにして形成される光透過層5の厚さはその材質に応じて適宜選択されるが、光透過能の観点からは、一般に1〜150μmであることが好ましい。
光記録ディスク1の記録層3に対して、400〜420nmの記録光を光透過層5側からパルス状に照射することにより、情報を高密度に記録することが可能である。特に、記録層3のグルーブGに沿った部分に集光して情報の記録及び再生を行う、いわゆるin−groove方式で情報の記録及び再生を行うことが好ましい。
本発明の光記録媒体は、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の光記録媒体は、所謂HD−DVDとして知られる光記録媒体においても同様に用いることができる。この場合、光記録媒体は従来公知のDVDに相当する構成を適用すればよい。例えば、図1の光透過層5に相当する基板を用意し、これの一面上に直接記録層3を形成し、更にその上に反射層6及び基板2をこの順で積層した構成とすることができる。このような構成の光記録媒体において、記録及び再生を光透過層5に相当する基板の側から行う場合には、図1の実施形態におけるランドLがグルーブとして機能し、グルーブGがランドとして機能することになる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例)
以下のような手順で、式(1a)のアゾメチン化合物及びこれと金属とのキレート化合物を合成した。他のアゾメチン化合物及びキレート化合物も適宜出発物質を選択することにより、同様に合成した。
(アゾメチン化合物の合成)
まず、0.1M NaOH水溶液20mLに80%アセトアルデヒド溶液16.79gを滴下し、反応液を常温で2時間攪拌した。オイル状の生成物を水で洗浄して、上記式(5)で表されるアルドールを得た(収量3.28g、収率24.4%)。
得られたアルドール0.89gを、4−ニトロ−2−アミノフェノール1.69gをメタノール30mLに溶解した溶液に加え、90℃で1時間加熱した。その後溶媒を留去して、式(1a)のアゾメチン化合物を得た(収量1.99g、収率87.7%、M/Z=223(nega))。
(キレート化合物の合成)
上記で得たアゾメチン化合物1.79gをメタノール20mLに溶解した溶液に、トリエチルアミン1.77gと、酢酸ニッケル1.10gをメタノール10mLに溶解した溶液を加えた反応液を、90℃に加熱しながら攪拌した。反応液からろ別した析出物をメタノールで洗浄して、下記式(7)で表されるキレート化合物のトリエチルアミン塩を得た(収量1.28g、収率45.1%、M/Z=502(nega))。
Figure 2007112066
(実施例1〜10)
表1に示すアゾメチン化合物と金属とを組み合わせたキレート化合物を光記録材料として用い、これらをそれぞれテトラフルオロプロパノール(TFP)に溶解した溶液を調製した。表1中、アゾメチン化合物の番号は、上述の化学式の番号を意味する。この溶液を、深さ80nmのグルーブを有し、かつ、2nmの誘電体層が形成された基板上に塗布し、乾燥することにより、それぞれの色素を含有する記録層を基板上に備える光記録ディスクを得た。
作製した光記録ディスクについて、波長405nmのレーザー光を用いて線速9.83m/sで信号を記録した。そして、信号が記録された光記録媒体に対して、パルステック社製DDU−1000を用いて、最短マークである2T信号のCNR(Carrier to Noise Ratio、単位:dB)を測定した。得られた値を初期の2TCNRとした。この値が大きいほど、記録層に記録された信号を明瞭に読み出すことができることを示している。
(比較例1)
光記録材料として、下記化学式(8)で表されるアゾメチン化合物とCoとのキレート化合物を用いた他は実施例と同様にして、光記録ディスクの作製及びその2T CNRの値を測定した。
Figure 2007112066
Figure 2007112066
表1に示すように、実施例1〜10で作製した光記録ディスクは、405nmのレーザ光で記録したときの2T CNRが十分に高く、記録再生特性に優れるものであった。一方、アルキル基又はアルケニル基で置換されていないアゾメチン化合物を用いた比較例の光記録ディスクは、405nmのレーザ光で記録したときの2T CNRが十分なものではなく、実用に耐えるレベルの記録再生特性ではなかった。
本発明の光記録媒体に係る光記録ディスクの一実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1…光記録ディスク、2…基板、3…記録層、4…誘電体層、5…光透過層、6…反射層、G…グルーブ、L…ランド。

Claims (6)

  1. 光の照射により情報の記録が可能な光記録媒体に用いられる光記録材料であって、
    下記一般式(1)、(2)又は(3)で表されるアゾメチン化合物と金属とのキレート化合物を含有する、光記録材料。
    Figure 2007112066

    [式(1)、(2)及び(3)中、
    Hは活性水素を有する基を示し、同一分子中の複数のXHは同一でも異なっていてもよく、
    はアルキル基又はアルケニル基であって少なくともXHを置換基として有する基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、
    Arは下記一般式(11)、(12)又は(13)で表される基を示し、
    Figure 2007112066

    Zは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、
    式(11)、(12)及び(13)中、Q、Q及びQは置換基を有していてもよい芳香族環を形成する基を、XHは活性水素を有する基を、それぞれ示す。]
  2. H及びXHが、それぞれ独立に、水酸基又は置換基を有していてもよいアミノ基である、請求項1記載の光記録材料。
  3. が置換基を有していてもよいベンゼン環を形成する基であり、Q及びQが5員環と6員環とからなり置換基を有していてもよい縮合複素環、置換基を有していてもよい5員環及び置換基を有していてもよい6員環からなる群より選ばれる芳香族環を形成する基である、請求項1又は2記載の光記録材料。
  4. 前記金属がコバルト、鉄、アルミニウム又はニッケルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光記録材料。
  5. シアニン色素をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光記録材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光記録材料を含む記録層を備える、光記録媒体。
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