JP2007111665A - 建築物外壁の改装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱性壁の屋外側表面に形成された有機系塗料の旧塗膜に適した改装方法を提供する。
【解決手段】建築物外壁の屋外側に形成された旧塗膜面に対し、少なくとも1種の着色塗料を塗付する建築物外壁の改装方法において、ガラス転移温度−20〜80℃である塗料用樹脂の固形分100重量部に対し、シリケート化合物をSiO換算で0.1〜20重量部含有し、前記シリケート化合物として、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物を含み、赤外線反射率20%以上、水蒸気透過度40g/m・24h以上の塗膜を形成する着色塗料を使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築物外壁の改装方法に関するものである。
近年、ビル、集合住宅、戸建住宅等の建築物においては、高断熱化・高気密化によって、冷暖房費の節約を図り、省エネルギーを実現しようとする動きが盛んである。一般に、断熱設計を施していない建築物では、冬期の暖房時には屋根、床、窓、壁等の部位から室内の熱が逃げ、夏期の冷房時にはこれら部位から屋外の熱が侵入してしまうが、このような熱損失の約3分の1は壁面に起因すると言われている。このため、建築物の省エネルギー化を実現するには、室内と屋外を隔てる外壁の高断熱化が不可欠であり、壁面を構成する基材に断熱材を複合化して断熱性を高める手法が多く提案されている。
一方、ビル、集合住宅、戸建住宅等の建築物外壁においては、その美観性向上等を目的として、様々な塗料によって塗膜が形成されている。このうち、有機質樹脂を結合材とする有機系塗料は、配合設計の自由度が高く様々な色相・意匠性が付与でき、またその塗膜が適度な可とう性を有し、さらにはコスト面においても有利であることから汎用的に使用されている。上述のような断熱性を高めた外壁においても有機系塗料が用いられている。但し、一般的な有機系塗料の塗膜は、屋外において長期にわたり曝露されると、太陽光、降雨、粉塵等の影響により劣化や汚染が進行してしまうため、概ね10年程度で塗り替えの必要が生じてくる。
ところが、断熱性壁の外面に形成された有機系塗料の塗膜を塗り替える際には、いくつかの問題点がある。
第一には、塗膜に対する熱負荷の問題である。上述のように建築物外壁の断熱性を高めれば、その屋外側表面では太陽光直射による熱の逃げ場がなくなる。そのため、外壁の屋外側表面に形成された塗膜は、その影響を直接的に受け、温度が非常に上昇しやすい状態となる。このような温度上昇は、塗膜膨れや剥れ等の異常を誘発する場合がある。
第二には、水分の問題である。通常、有機系塗料ではその塗膜表面が外気に直接曝されていると、劣化の進行とともに降雨等による水分が塗膜表面から吸収されやすくなり、その水分が塗膜内ないし基材内に滞留しやすくなる。基材の裏面等から水分が取り込まれる場合もある。このような状態の塗膜面に対し、通常の塗料で改装を行うと、塗膜の内側に水分が閉じ込められてしまい、その水分の蒸発に伴って、高い確率で塗膜膨れ等の異常が発生する。外壁が断熱性を有する場合は、特に、塗膜の温度上昇が大きくなるため、水分の蒸発による膨れ等が発生しやすくなる。
以上のように、断熱性壁上に形成された有機系塗料の旧塗膜を改装しようとすると、施工後、経時的に膨れ、剥れ等が発生するおそれがある。このため、通常は、塗膜を物理的にケレンしたり、塗膜剥離剤を使用したりする方法等によって旧塗膜を除去した後に、改装用塗料を塗付する手法が採用されている。しかし、旧塗膜の除去作業は、多大な労力と時間を必要とするものであり、工事のコストの点においても不利である。また、完全に旧塗膜を除去することが困難な場合には、下地調整処理を入念に行う必要があり、塗装工程が煩雑となってしまうという問題も生じる。
特許文献1には、旧塗膜の改装方法として、シーラーを塗装した後に弾性塗料を塗装する方法が記載されている。しかしながら、断熱性壁の屋外側表面に形成された有機系塗料の旧塗膜に対してこの方法を適用しても、経時的な膨れ発生や、剥れ発生等を防ぐことは困難である。また、特許文献1の塗装方法で得られた塗膜には、自動車等からの排出ガスに由来する油性の汚染物質が付着しやすく、せっかく改装を行ってもその美観性を維持することは難しい。さらに、これら汚染物質が蓄熱源となって塗膜膨れを誘発するおそれもある。
特開平6−306305号公報
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、断熱性壁の屋外側表面に形成された有機系塗料の旧塗膜に適した改装方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するため本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定の塗料用樹脂と変性シリケートを必須成分とし、特定の赤外反射性と水蒸気透過性を有する塗料を使用すれば、塗膜の温度上昇が抑制され、さらには塗膜内ないし基材内の水分が塗膜外に放散されることによって、塗膜の膨れ、剥れ等の発生を十分に防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.建築物外壁の屋外側に形成された旧塗膜面に対し、少なくとも1種の着色塗料を塗付する建築物外壁の改装方法であって、
(1)外壁が、熱貫流率5.0W/(m・K)以下の断熱性壁であり、
(2)旧塗膜面が、有機質樹脂を結合材とする塗料によって形成された塗膜を有するものであり、
(3)着色塗料が、ガラス転移温度−20〜80℃である塗料用樹脂の固形分100重量部に対し、シリケート化合物をSiO換算で0.1〜20重量部含有し、前記シリケート化合物として、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物を含み、赤外線反射率20%以上、水蒸気透過度40g/m・24h以上の塗膜を形成する塗料であることを特徴とする建築物外壁の改装方法。
本発明は、断熱性壁の屋外側表面に形成された有機系旧塗膜の改装に適したものであり、改装後の塗膜における塗膜の膨れ発生や剥れ発生等を長期にわたり十分に抑制することができる。さらに、改装後の塗膜の美観性を長期にわたり維持することもできる。
本発明は、建築物外壁の屋外側に形成された旧塗膜面に対する改装方法に関するものである。
まず、本発明の対象となる外壁は、熱貫流率5.0W/(m・K)以下の断熱性壁である。このような断熱性壁は、建築物の高断熱化・高気密化には欠くことができないものであるが、太陽光が直射する部位においては、その屋外側表面に形成された塗膜に大きな熱負荷を与えてしまうものである。特に、本発明は、高い断熱性能を有する外壁、すなわち熱貫流率が1.0W/(m・K)以下、さらには0.50W/(m・K)以下である断熱性壁に適用した場合において顕著な効果を発揮することができる。
このような断熱性壁は、1種または2種以上の部材からなるものである。断熱性壁を構成する部材としては、基材のみの場合と、基材と断熱材を組合せた場合があり、例えば、軽量モルタル、軽量コンクリート、けい酸カルシウム板、ALC板、サイディングボード、石膏ボード、スレート板、コンクリート、モルタル等の基材;グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー等の繊維系断熱材や、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム等の発泡プラスチック系断熱材等に例示される断熱材等が挙げられる。このうち、本発明における断熱性壁には、通常、熱伝導率が0.5W/(m・K)以下の部材が少なくとも1種含まれる。
本発明は、断熱性壁が熱貫流率の低い基材である場合や、少なくとも上述のような基材と断熱材との複合体によって構成される場合において特に効果的である。
なお、本発明における熱貫流率は、住宅金融公庫監修「木造住宅工事共通仕様書(解説付)」の付録4「熱貫流率の計算方法」に基づく計算値であり、以下の手順によって求められる値である。
(1)式1により、外壁を構成する各部材の熱伝導率と厚さから熱抵抗を算出する。
熱抵抗=厚さ/熱伝導率・・・(式1)
(2)式2により、各部材の熱抵抗と空気の熱抵抗(熱伝達抵抗)から熱貫流抵抗を算出する。
熱貫流抵抗=屋内側空気の熱抵抗+各部材の熱抵抗の合計+屋外側空気の熱抵抗・・・(式2)
(但し、屋内側空気の熱抵抗は0.11m・K/W、屋外側空気の熱抵抗は0.04m・K/Wとする)
(3)式3により、熱貫流抵抗から熱貫流率を算出する。
熱貫流率=1/熱貫流抵抗・・・(式3)
本発明における旧塗膜面は、有機質樹脂を結合材とする塗料(以下、「有機系塗料」ともいう)によって形成された塗膜を有するものである。
有機系塗料としては、有機質樹脂を含む各種の塗料が挙げられる。具体的には、例えば、JIS K5654「アクリル樹脂エナメル」、JIS K5670「アクリル樹脂系非水分散形塗料」、JIS K5656「建築用ポリウレタン樹脂塗料」、JASS18 M−404「アクリルシリコン樹脂塗料」、JIS K5658「建築用ふっ素樹脂塗料」、JIS K5660「つや有合成樹脂エマルションペイント」、JIS K5663「合成樹脂エマルションペイント」、JIS K5667「多彩模様塗料」、JIS K5668「合成樹脂エマルション模様塗料」、JIS A6909「建築用仕上塗材」の外装薄塗材E、可とう形外装薄塗材E、防水形外装薄塗材E、外装厚塗材E、複層塗材E、防水形複層塗材E、複層塗材RE、防水形複層塗材RE、複層塗材RS、防水形複層塗材RE等が挙げられる。
有機系塗料における有機質樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよく、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、ふっ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。本発明は、特に有機質樹脂が熱可塑性樹脂である場合において有利な効果を奏することができる。
有機系塗料における有機質樹脂の含有量は特に限定されないが、有機系塗料の固形分中に通常5重量%以上、好ましくは20重量%以上である。
有機系塗料によって形成される塗膜の厚みは、塗料の形態にもよるが、通常0.02〜10mm程度である。本発明では、特に塗膜が1mm以上の厚みを有する場合においても、改装後の塗膜膨れや剥れを防止することができる。このような厚膜の塗膜を形成する塗料としては、例えばJIS A6909「建築用仕上塗材」の外装厚塗材E等が挙げられる。
本発明における旧塗膜面は、このような有機系塗料の塗膜を有するものであれば単層塗膜であっても複層塗膜であってもよいが、本発明では、特に有機系塗料の塗膜が旧塗膜の屋外側最表面に存在する場合に、大きな効果を得ることができる。
本発明では、上述の旧塗膜面に対して着色塗料を塗付する。この着色塗料は、ガラス転移温度(以下「Tg」ともいう)−20〜80℃である塗料用樹脂と特定の変性シリケート化合物を含み、赤外線反射率が20%以上、水蒸気透過度が40g/m・24h以上の塗膜を形成するものである。このような特徴を有する着色塗料は、塗膜の温度上昇を抑制するとともに、塗膜内ないし基材内の水分を塗膜外に放散させることにより、塗膜の膨れ発生や剥れ発生等を長期にわたり十分に抑制する機能を発揮することができる。さらに、塗膜表面への汚染物質の付着を抑制することにより、初期の美観性を長期にわたり維持することができ、汚染物質の蓄熱に起因する塗膜膨れ等を抑制することもできる。
着色塗料による形成塗膜の赤外線反射率は20%以上であり、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である。赤外線反射率が20%より低い場合は、改装後に膨れや剥れが発生しやすくなる。なお、本発明における赤外線反射率は、波長800〜2100nmの光に対する分光反射率を測定し、その平均値を算出することにより得られる値である。
着色塗料による形成塗膜の水蒸気透過度は40g/m・24h以上、好ましくは50g/m・24h以上である。着色塗料の形成塗膜がこのような水蒸気透過性能を有することより、塗膜内ないし基材内の水分が塗膜外に放散され、塗膜膨れ等の原因となる局所的な圧力上昇が抑制される。水蒸気透過度が40g/m・24h未満である場合は、改装後の塗膜に膨れや剥れが発生しやすくなる。
水蒸気透過度の上限は特に制限されないが、水蒸気透過度が大きすぎる場合は、遮水性が不十分となりやすく、旧塗膜に水が浸入するおそれがある。水蒸気透過度の上限は通常500g/m・24h以下である。
なお、本発明における水蒸気透過度は、JIS K5400−1990「塗料一般試験方法」8.17「水蒸気透過度」の方法によって測定される値である。
着色塗料を構成する塗料用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。かかる塗料用樹脂の形態としては、溶剤可溶性樹脂、非水分散性樹脂、水溶性樹脂、水分散性樹脂、無溶剤型樹脂等が挙げられる。
このうち、溶剤可溶性樹脂及び/または非水分散性樹脂としては、非水系溶剤を媒体とするものであって、当該全溶剤のうち50重量%以上(好ましくは60重量%以上)が脂肪族炭化水素である所謂弱溶剤形樹脂が好適である。かかる弱溶剤形樹脂は、芳香族炭化水素系溶剤を主溶剤とする強溶剤形樹脂に比べ、低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには既存塗膜上に塗装を行った際のリフティング発生を抑制できる等の特徴を有するものである。脂肪族炭化水素としては、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン等が挙げられ、この他、テルピン油やミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素系溶剤を使用することもできる。特に、トルエン、キシレンを含まず、引火点21℃以上の第2石油類に該当するものが、安全衛生上好ましい。本発明では、塗料用樹脂としてかかる弱溶剤形樹脂を使用した場合において、特に優れた効果を得ることができる。塗料用樹脂として非水分散性樹脂を含む場合は、水蒸気透過性の点においても好適である。
かかる塗料用樹脂は架橋反応性を有するものであってもよい。塗料用樹脂が架橋反応型樹脂である場合は、塗膜の強度、耐水性、耐候性、密着性、水蒸気透過性等を高めることができる。架橋反応型樹脂は、それ自体で架橋反応を生じるもの、あるいは別途混合する架橋剤によって架橋反応を生じるもののいずれであってもよい。かかる架橋反応性は、例えば、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルド基とセミカルバジド基、ケト基とセミカルバジド基、アルコキシル基どうし、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基等の反応性官能基を組み合わせることによって付与することができる。この中でも水酸基−イソシアート基架橋反応型樹脂が好適である。
塗料用樹脂のTgは−20〜80℃であり、好ましくは−5〜50℃である。塗料用樹脂のTgが−20℃より低い場合は、塗膜の膨れが発生しやすくなる傾向となる。また、耐汚染性が不十分となるおそれもある。Tgが80℃より高い場合は、旧塗膜の変位に追従できず、塗膜に割れが発生するおそれがある。なお、本発明におけるTgは、合成樹脂エマルションを構成するモノマーの種類とその構成比率から、Foxの計算式によって求められる値である。
本発明における着色塗料は、シリケート化合物として、炭素数1〜2の直鎖アルキル基(以下単に「直鎖アルキル基」ともいう)と炭素数3以上の分岐アルキル基(以下単に「分岐アルキル基」ともいう)が混在する変性シリケート化合物を含むものである。着色塗料においては、かかる変性シリケート化合物の作用により塗膜表面の親水性が高まり、耐汚染性、旧塗膜への追従性、耐割れ性等において優れた性能を発揮することができる。
変性シリケート化合物における直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基から選ばれる1種以上が使用できる。この中でも本発明ではメチル基が好適である。
一方、分岐アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソヘプチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、イソオクチル基等が挙げられる。本発明では、この中でも炭素数3〜6の分岐アルキル基が好適であり、とりわけ炭素数4の分岐ブチル基が好適である。
具体的に、直鎖アルキル基と分岐アルキル基を有する変性シリケートは、以下に例示する方法により製造することができる。
(1)一般式Si(OR)(OR)(OR)(OR
(式中、R〜Rは、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と、炭素数3以上の分岐アルキル基が混在しているものとする)で表されるテトラアルコキシシランを加水分解縮合させる。縮合方法としては公知の方法が採用でき、縮合後の平均縮合度は2〜100(好ましくは4〜20)程度とすればよい。この場合、縮合の際に他のテトラアルコキシシランを混合して縮合することもできる。上記一般式で表される化合物の具体例としては、例えば、モノイソプロポキシトリメトキシシラン、モノイソプロポキシトリエトキシシラン、モノイソブトキシトリメトキシシラン、モノイソブトキシトリエトキシシラン、ジイソブトキシジメトキシシラン等が挙げられる。
(2)テトラメトキシシラン縮合物及び/またはテトラエトキシシラン縮合物に、炭素数3以上の分岐アルキル基を有するアルコールを反応(エステル交換反応)させる。この方法におけるアルコールとしては、例えば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソアミルアルコール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール等が挙げられる。テトラメトキシシラン縮合物及び/またはテトラエトキシシラン縮合物としては、平均縮合度2〜100(好ましくは4〜20)程度のものを使用すればよい。
(3)テトラメトキシシラン及び/またはテトラエトキシシランに、水、及び炭素数3以上の分岐アルキル基を有するアルコールを反応させる。この方法では、加水分解縮合反応とエステル交換反応を並行して行うことができる。加水分解縮合反応による平均縮合度は2〜100(好ましくは4〜20)程度とすればよい。アルコールとしては、上記(2)と同様の化合物が使用できる。
本発明における変性シリケート化合物は、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、通常95:5〜50:50、好ましくは90:10〜55:45、より好ましくは85:15〜60:40の当量比率で混在するものである。直鎖アルキル基と分岐アルキル基の混在比率がかかる範囲内であれば、本発明の効果を十分に発揮することができる。直鎖アルキル基と分岐アルキル基の比率が上記範囲から外れる場合は、塗膜表面の親水性発現が不十分となり、耐汚染性、旧塗膜への追従性、耐割れ性等において顕著な効果を得ることができない。
上記(1)〜(3)に例示した変性シリケート化合物の製造方法では、直鎖アルキル基と分岐アルキル基との当量比率が上記範囲内となるように、原料化合物の種類や量を適宜調整すればよい。
着色塗料においては、塗料用樹脂に変性シリケート化合物を混合する際、上記変性シリケート化合物以外のシリケート化合物を併用することもできるが、シリケート化合物全体の80重量%以上(好ましくは95重量%以上)が上記変性シリケート化合物で構成されるようにすることが望ましい。
本発明では、着色塗料において上述の如き特定変性シリケートを使用することにより、従来技術に比べシリケート化合物が少量であっても十分な親水化機能ひいては耐汚染性効果を得ることができ、形成塗膜の旧塗膜への追従性、耐割れ性等の点においても有利である。すなわち、本発明によれば、シリケート化合物を相対的に減量することが可能となり、実用上極めて有用な塗料設計を行うことができる。
シリケート化合物の混合比率は、塗料用樹脂の固形分100重量部に対して、SiO換算で0.1〜20重量部(好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部)となる範囲内で設定すればよい。シリケート化合物の混合比率が0.1重量部未満では、塗膜に親水性が付与されないため耐汚染性が不十分となる。逆に20重量部を越える場合は、形成塗膜の旧塗膜への追従性が不十分となり、割れ等が生じやすくなる。
なお、本発明におけるSiO換算とは、アルコキシシランやシリケートなどのSi−O結合をもつ化合物を、完全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ(SiO)となって残る重量分にて表したものである。
一般に、アルコキシシランやシリケートは、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらにシラノール同士やシラノールとアルコキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行うと、シリカ(SiO)となる。これらの反応は
RO(Si(OR)O)R+(n+1)HO→nSiO+(2n+2)ROH
(Rはアルキル基を示す。nは整数。)
という反応式で表される。本発明におけるSiO換算は、この反応式をもとに残るシリカ成分の量を換算したものである。
本発明における着色塗料では、上述の塗料用樹脂、シリケート化合物に加え、赤外線反射性を有する顔料を含有することが望ましい。かかる顔料としては、例えば、アルミニウムフレーク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、シリカ、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。この中でも、アルミニウムフレーク、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、及びアルミナから選ばれる1種以上が好適である。
この他、赤外線透過性を有する顔料を併用することもできる。このような顔料を併用することにより、塗膜の赤外線反射性能を阻害せずに様々な色彩を表出することが可能となる。赤外線透過性を有する顔料としては、ペリレン顔料、アゾ顔料、黄鉛、弁柄、朱、チタニウムレッド、カドミウムレッド、キナクリドンレッド、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、コバルトブルー、インダスレンブルー、群青、及び紺青から選ばれる1種以上が好適である。本発明では、赤外線透過性を有する顔料を適宜選択することにより、白色以外の色相においても顕著な効果を発揮することができる。
上述の顔料(赤外線反射性を有する顔料、及び赤外線透過性を有する顔料)は、着色塗料における顔料容積濃度が2〜60%となる範囲内で混合することが望ましい。このような顔料容積濃度であれば、膨れ防止性や剥れ防止性等が高まるとともに、旧塗膜の変位に対する追従性の点においても好適である。
着色塗料では、上述の成分に加えアミン化合物を混合することができる。かかるアミン化合物を混合することにより、着色塗料を塗り重ね(リコート)する際の密着性を高めることができる。さらに、かかるアミン化合物は、上記変性シリケート化合物との相互作用により、耐汚染性、硬化性等の物性向上にも寄与するものである。
アミン化合物としては、例えば、エチルアミン、ジメチルアミン、ジアミルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、モルホリン等のほか、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルフェニルエタノールアミン等のアルカノール基含有アミン化合物、トリエチレンジアミン(〔2,2,2〕ジアザビシクロオクタン)、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン等のアミノアルキル基含有アミン化合物、アミノメチルトリエトキシシラン、ジアミノメチルジエトキシシラン、γ−アミノイソブチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有アミン化合物等が挙げられる。
また本発明では、アミン化合物として、ビス(2,2,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等の光安定剤を使用することもできる。
アミン化合物としては、とりわけ、塩基解離定数pKbが3以上11以下(好ましくは4以上8以下)であるアミン化合物が好適である。かかる化合物を使用することにより、リコート性、耐汚染性、硬化性等の物性をいっそう高めることができる。
アミン化合物の混合比率は、塗料用樹脂の固形分100重量部に対し、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.02〜5重量部である。かかる範囲内であれば、リコート性、耐汚染性、硬化性性等において十分な効果を得ることができ、ポットライフ確保等の点においても好適である。
着色塗料においては、上記成分のほかに、通常塗料に使用可能な成分を含むことができる。かかる成分としては、例えば、硬化剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、触媒、硬化促進剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
着色塗料は、上記成分によって構成されるものであれば、その形態については特に限定されないが、通常は、塗料用樹脂を含む主剤と、変性シリケート化合物を含む硬化剤からなる2液型塗料とすることが望ましい。このような形態であれば、塗料の安定性確保、耐汚染性能の発現等の点で好適である。顔料等の成分は、常法により主剤に均一に混合すればよい。
塗料用樹脂が架橋反応基を有するものであって、当該反応基と反応可能な架橋剤を使用する場合、該架橋剤は硬化剤に混合すればよい。具体的に、塗料用樹脂が水酸基を有するものである場合には、イソシアネート化合物を硬化剤に混合することができる。
着色塗料の塗装においては、スプレーガン、ローラー、刷毛等の塗装器具を使用することができる。
着色塗料の塗膜厚みについては、赤外線反射性能及び水蒸気透過性能が本発明の範囲内となるように留意して適宜設定すればよいが、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜200μmである。このような塗膜厚みであれば、旧塗膜の表面形状を十分に生かすこともできる。
本発明では、上述のような着色塗料を塗り重ねることもできる。
また、着色塗料を塗装する前に、必要に応じ下塗塗料、下地調整塗材等を塗付しておいてもよい。ただし、この場合は本発明の効果を損なわないように、水蒸気透過性能を有する材料を使用する必要がある。
着色塗料を塗装した後には、透明塗料や半透明塗料等を塗付することも可能である。さらには、別の着色塗料を塗付することも可能である。このような場合においては、本発明の効果を損なわないように、赤外線透過性能及び水蒸気透過性能を併有する材料を使用する必要がある。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(着色塗料の製造)
1.変性シリケート化合物
・変性シリケート化合物(1)
メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)100重量部に対して、イソブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチルスズジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、変性シリケート化合物(1)を製造した。この変性シリケート化合物(1)におけるメチル基とイソブチル基との当量比率は62:38であり、900℃にて焼成して得られたシリカ残量比率は43重量%であった。
・変性シリケート化合物(2)
メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)100重量部に対して、n−ブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチルスズジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、変性シリケート化合物(2)を製造した。この変性シリケート化合物(2)におけるメチル基とn−ブチル基との当量比率は62:38であり、900℃にて焼成して得られたシリカ残量比率は43重量%であった。
2.主剤
・主剤(1)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタンを15重量部、黄色酸化鉄を2重量部、弁柄を3重量部、フタロシアニンブルーを1重量部、ミネラルスピリット84重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(1)を製造した。
・主剤(2)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタンを15重量部、黄色酸化鉄を2重量部、弁柄を3重量部、フタロシアニンブルーを1重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(分子量508、pKb5.5)2重量部、ミネラルスピリット82重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(2)を製造した。
3.硬化剤
・硬化剤(1)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)40重量部、変性シリケート化合物(1)20重量部を均一に混合することにより、硬化剤(1)を製造した。
・硬化剤(2)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)10重量部、変性シリケート化合物(2)50重量部を均一に混合することにより、硬化剤(2)を製造した。
4.着色塗料
・着色塗料A
上記方法にて製造した主剤(1)と硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して着色塗料A(グレー色、顔料容積濃度4%)を得た。この着色塗料Aにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.3重量部である。
この着色塗料Aの赤外線反射率を分光光度計(島津製作所製「UV−3100」)にて測定したところ62%であった。赤外線反射率測定に供した試験板は、アルミ板に黒色塗料(アクリル樹脂の固形分100重量部にカーボンブラックを10重量部含むもの)を乾燥膜厚が60μmとなるように塗付した後、着色塗料Aを乾燥膜厚が60μmとなるように塗付することによって作製したものである。
一方、着色塗料Aの水蒸気透過度をJIS K5400−1990「塗料一般試験方法」8.17「水蒸気透過度」の方法によって測定したところ、その値は92g/m・24hであった。
・着色塗料B
上記方法にて製造した主剤(2)と硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して着色塗料B(グレー色、顔料容積濃度4%)を得た。この着色塗料Bにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で4.3重量部である。また、着色塗料Bの赤外線反射率は62%、水蒸気透過度は94g/m・24hであった。
・着色塗料C
上記方法にて製造した主剤(1)と硬化剤(2)を86:14の重量比率で均一に混合して着色塗料C(グレー色、顔料容積濃度4%)を得た。この着色塗料Cにおける変性シリケート化合物の混合比率は、樹脂固形分100重量部に対してSiO換算で10.7重量部である。また、着色塗料Cの赤外線反射率は60%、水蒸気透過度102g/m・24hであった。
(実施例1)
スレート板(厚さ6mm)の片面に、アクリル系熱可塑性樹脂(Tg−45℃)、酸化チタン、炭酸カルシウム、寒水石、及びゴム粉を主成分とする外装厚塗材E(樹脂含有量30重量%)を玉状に吹付けた後、ミネラルスピリットを付けたプラスチックローラーで玉の凸部を押え、断面が台形状の凹凸を有する4〜8mmの塗膜を形成させ、これを促進耐候性試験機「アイスーパーUVテスター」(岩崎電気株式会社製)にて400時間曝露させたものを旧塗膜とした。
次いで、この旧塗膜に対し、着色塗料Aを乾燥膜厚が60μmとなるようにスプレー塗装した後、スレート板の裏面(塗装面と反対側の面)に住宅用グラスウール(厚さ100mm)及びスレート板(厚さ6mm)を順に積層することにより、試験体を作製した。なお、スレート板(厚さ6mm)・住宅用グラスウール(厚さ100mm)・スレート板(厚さ6mm)からなる積層体は断熱性壁に相当するものであり、その熱貫流率は0.39W/(m・K)である。
以上の方法で得られた試験体について以下の試験を行った。試験結果を表1に示す。
・耐汚染性試験
試験体の塗膜表面に、汚染物質(15重量%カーボンブラック水分散ペースト液)を直径20mm、高さ5mmとなるように滴下し、50℃の恒温室中に2時間放置した。その後流水中にて洗浄し、塗膜表面における汚染物質の残存程度を目視により確認した。評価は、汚染物質が残存しなかったものを○、汚染物質が残存したものを×とした。
・耐膨れ性試験
試験体に対し、塗膜面より40cmの距離から赤外線ランプ(出力250W)を8時間連続して照射した後、その外観変化を目視にて観察した。評価は、異常が認められなかったものを○、わずかに膨れが認められたものを△、膨れが認められたものを×とした。
・温冷繰返し試験
得られた試験体について、水浸漬(23℃)18時間→−20℃3時間→80℃3時間を1サイクルとする温冷繰返し試験を合計10サイクル行った後、塗膜表面におけるひび割れ発生の有無を目視によって確認した。評価は、異常が認められなかったものを○、わずかにひび割れ・膨れが認められたものを△、明らかにひび割れ・膨れが認められたものを×とした。
(実施例2)
着色塗料Aに替えて着色塗料Bを使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表1に示す。
(比較例1)
着色塗料Aに替えて着色塗料Cを使用した以外は、実施例1と同様にして試験を行った。試験結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2では、実施例1における着色塗料Aに替えて、溶剤可溶形アクリル樹脂(Tg30℃、固形分50重量%)200重量部に対し、酸化チタンを12重量部、黄色酸化鉄を1.4重量部、弁柄を0.6重量部、カーボンブラックを1.1重量部含有する着色塗料D(グレー色、顔料容積濃度4%、赤外線反射率5%、水蒸気透過度25g/m・24h)を使用して試験を行った。試験結果を表1に示す。
表1
─────────────────────────────
│ │実施例1│実施例2│比較例1│比較例2|
─────────────────────────────
│耐汚染性試験 │ ○ │ ○ | ○ | × │
─────────────────────────────
│耐膨れ性試験 │ ○ │ ○ | ○ | × │
─────────────────────────────
│温冷繰返し試験│ ○ │ ○ | △ | × │
─────────────────────────────

Claims (1)

  1. 建築物外壁の屋外側に形成された旧塗膜面に対し、少なくとも1種の着色塗料を塗付する建築物外壁の改装方法であって、
    (1)外壁が、熱貫流率5.0W/(m・K)以下の断熱性壁であり、
    (2)旧塗膜面が、有機質樹脂を結合材とする塗料によって形成された塗膜を有するものであり、
    (3)着色塗料が、ガラス転移温度−20〜80℃である塗料用樹脂の固形分100重量部に対し、シリケート化合物をSiO換算で0.1〜20重量部含有し、前記シリケート化合物として、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物を含み、赤外線反射率20%以上、水蒸気透過度40g/m・24h以上の塗膜を形成する塗料であることを特徴とする建築物外壁の改装方法。
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