JP5550164B2 - 遮熱断熱積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な遮熱断熱積層体に関する。本発明積層体は、外壁、屋根、屋上等の建築物外装面に適用できる。
従来、建築物の外装面に塗装を施すことによって、建築物の躯体を保護したり、美観性を向上させたりすることが行われている。このうち、建築物の温度上昇を防止し、冷房使用量の低減やヒートアイランド現象の抑制等を図ることを目的とした塗装方法が注目されている。
例えば、特開平1−126376号公報(特許文献1)、特開平1−263163号公報(特許文献2)では、構造物基体に対し、下層としてガラスバルーン、シラスバルーン、樹脂バルーン等の球状中空体を含む断熱性塗料を塗装した後、上層として太陽熱遮蔽顔料を含む塗料を塗装する方法が開示されている。
特開平1−126376号公報 特開平1−263163号公報
上記従来技術では、いずれも太陽光を反射可能な上塗材によって上塗層が形成されており、一般の塗料と比較すれば、塗膜の温度上昇の程度を小さく抑えることが可能である。しかし、実際の屋外では経時的に上塗層に汚染物質が付着するおそれがある。このような汚染物質は、塗膜の美観性を損うだけでなく、太陽光を受けて蓄熱源となり、温度上昇を引き起こしやすいものである。
一方、上記従来技術において、下層の断熱層の膜厚を厚くして断熱性能を高めると、上層の上塗層で発生した熱が下層の方向に伝導・拡散することができなくなり、上塗層の温度上昇を招いてしまう。すなわち、下層の断熱性能の向上は、上塗層に対する熱的負荷を増大させてしまうものとなる。このような上塗層に対する熱的負荷の増大は、上塗材塗膜の軟化を招き、汚染物質の付着を助長するおそれがある。
特に、防水性を高めるために、弾性を付与した塗膜においては、このような問題が生じやすい。
本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、建築物外装面の表面に対し、美観性の高い仕上面を形成することができるとともに、建築物の温度上昇を抑制し、省エネルギーにも資する技術を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するため本発明者らは鋭意検討を行った結果、断熱性の上に防水層を設け、さらに特定の被覆材による上塗層を積層することに想到し、本発明を完成するに至った。
1.建築物外装面を構成する遮熱断熱積層体であって、
外装面の屋内側から屋外側へ向かって、基材層(A)、結合材及び中空粒子を含有する下塗材により形成される断熱性下塗層(B)、塗膜防水材により形成される防水層(C)、
非水系合成樹脂(p)、炭素数1〜2のアルキル基と炭素数3以上のアルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物(q)、赤外線反射性粉体(r)、及び有機錫化合物(s)を必須成分とし、
前記有機錫化合物(s)が、硫黄原子を含有する有機錫化合物(u)であり、
前記非水系合成樹脂(p)の固形分100重量部に対し、前記変性シリケート化合物(q)をSiO換算で0.1〜20重量部、前記赤外線反射性粉体(r)を1〜200重量部、前記有機錫化合物(s)を0.01〜10重量部含む被覆材により形成される上塗層(D)
を有することを特徴とする遮熱断熱積層体。
2.前記上塗層(D)が、有機酸化合物(t)を必須成分とし、前記非水系合成樹脂(p)の固形分100重量部に対し、有機酸化合物(t)を0.01〜10重量部含むことを特徴とする1.に記載の遮熱断熱積層体。
本発明では、蓄熱源となる汚染物質の付着を抑えることができる。そのため、本発明によれば、長期にわたり、建築物外装面の美観性を維持することができるとともに、遮熱断熱性を付与し、建築物の温度上昇を抑制することができる。本発明は、省エネルギーに貢献する技術として活用できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
[基材層]
本発明における基材層(A)としては、建築物外装面を構成するものである限り特に限定されないが、例えば、コンクリート、モルタル、セメントボード、押出成形板、スレート板、PC板、ALC板、繊維強化セメント板、金属ボード、磁器タイル、金属系サイディングボード、窯業系サイディングボード、セラミック板、石膏ボード、プラスチックボード、硬質木片セメント板、塩ビ押出サイディングボード、煉瓦、合板等、あるいはこれらの複合体等があげられる。このような基材層は、何らかの表面処理層(例えば、シーラー層、パテ層、サーフェーサー層等)を有するものであってもよい。
[断熱性下塗層]
断熱性下塗層(B)は、結合材及び中空粒子を含有する下塗材により形成されるものである。
結合材としては、有機質結合材及び/または無機質結合材が使用できる。このうち有機質結合材としては、例えば、合成樹脂エマルション、水溶性樹脂、溶剤型樹脂、無溶剤型樹脂、粉末樹脂等を使用することができる。具体的に、樹脂の種類としては、例えばクロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アスファルト、ゴムアスファルト等が挙げられる。このうち、アクリル樹脂エマルションが好適に用いられる。アクリル樹脂エマルションとしては、特に、ニトリル基含有アクリル樹脂エマルション、アミド基含有アクリル樹脂エマルション、陽イオン性アクリル樹脂エマルション等が好適である。
無機質結合材としては、例えば、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等のコロイダル金属酸化物、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等の水溶性ケイ酸アルカリ金属塩、ポルトランドセメント、アルミナセメント、酸性リン酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメント等の各種セメント等が挙げられる。このうちセメントが好適に用いられる。
無機質結合材としては、白色度が70以上(好ましくは80以上、より好ましくは90以上)のものが好適である。このような白色度の高いものを用いることにより、温度上昇抑制効果等を高めることができる。なお、ここに言う白色度とは、分光光度計を用いて測定されるL値である。
本発明の下塗材における結合材としては、有機質結合材のみを用いるか、あるいは無機質結合材と有機質結合材を併用することが望ましい。このうち、無機質結合材と有機質結合材を併用する場合、無機質結合材と有機質結合剤の固形分重量比率は、98/2〜50/50(好ましくは95/5〜80/20)とすることが望ましい。また、無機質結合材としてはセメントを使用し、有機質結合材としては合成樹脂エマルション、特にアクリル樹脂エマルションを使用することが望ましい。アクリル樹脂エマルションとしては、ニトリル基含有アクリル樹脂エマルション、陽イオン性アクリル樹脂エマルション等が望ましく、特にニトリル基含有陽イオン性アクリル樹脂エマルションが好適である。このような結合材を用いることにより、付着性、強度等の性能を高めることができ、ひいては長期にわたり安定した温度上昇抑制効果等を得ることができる。
中空粒子は、下塗層(B)に断熱性を付与する成分である。中空粒子としては、例えば、中空セラミック粒子、中空樹脂粒子等が挙げられる。中空セラミック粒子を構成するセラミック成分としては、例えば、珪酸ソーダガラス、アルミ珪酸ガラス、硼珪酸ソーダガラス、フライアッシュ、アルミナ、シラス、黒曜石等が挙げられる。中空樹脂粒子を構成する樹脂成分としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、アクリル−アクリロニトリル共重合樹脂、アクリル−スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、アクリロニトリル−メタアクリロニトリル共重合樹脂、アクリル−アクリロニトリル−メタアクリロニトリル共重合樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合樹脂等が挙げられる。中空粒子は、これらの成分を公知の方法で発泡させることにより得られる。本発明における中空粒子としては、特にフライアッシュバルーンが好適である。
中空粒子の平均粒子径は通常0.1〜200μm(好ましくは1〜150μm)程度である。また、中空粒子の密度は通常0.01〜1g/cm(好ましくは0.01〜0.8g/cm)程度である。
中空粒子の混合比率は、結合材の固形分100重量部に対し、通常0.5〜200重量部、好ましくは1〜100重量部である。
本発明の下塗材は、上記成分を公知の方法によって均一に混合することで製造することができるが、必要に応じ通常塗材に使用可能なその他の成分を混合することもできる。このような成分としては、例えば、着色顔料、体質顔料、増粘剤、造膜助剤、レベリング剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、希釈剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、繊維、触媒、架橋剤等が挙げられる。
[防水層]
本発明の防水層は、塗膜防水材により形成されるものである。塗膜防水材としては、1成分形、または使用時に2成分以上を混合する多成分形の各種材料が使用できる。具体的には、ウレタンゴム系塗膜防水材、アクリルゴム系塗膜防水材、クロロプレンゴム系塗膜防水材、ゴムアスファルト系塗膜防水材、シリコーンゴム系塗膜防水材等が挙げられる。この他にアクリル樹脂系、ポリエステル系、エポキシ系、エチレン−酢酸ビニル系等の塗膜防水材も使用できる。また、一般に水和凝固型塗膜防水材と呼ばれる、高分子エマルションとセメント系粉体の2成分からなる防水材も使用できる。このような塗膜防水材の中でも、特に、塗膜強度、防水性能等の点から、ウレタンゴム系塗膜防水材が好適である。
塗膜防水材の伸び率は、特に限定されないが、通常300%以上、好ましくは450〜1300%、より好ましくは500〜1000%である。なお、ここに言う伸び率とは、JIS A6021に規定する方法で測定される、標準状態での破断時の伸び率である。
[上塗層]
本発明の上塗層は、非水系合成樹脂(p)、変性シリケート化合物(q)、及び赤外線反射性粉体(r)を必須成分とするものである。
このうち、非水系合成樹脂(p)(以下「(p)成分」ともいう)としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂等、あるいはこれらの複合系等を挙げることができる。これらは1種または2種以上で使用することができる。このような非水系合成樹脂(p)の形態としては、溶剤可溶性樹脂及び/または非水分散性樹脂が挙げられる。
溶剤可溶性樹脂及び/または非水分散性樹脂としては、非水系溶剤を媒体とするものであって、当該全溶剤のうち50重量%以上(好ましくは60重量%以上)が脂肪族炭化水素である所謂弱溶剤形樹脂が好適である。かかる弱溶剤形樹脂は、芳香族炭化水素系溶剤を主溶剤とする強溶剤形樹脂に比べ、低毒性であり、作業上の安全性が高く、さらには既存塗膜上に塗装を行った際のリフティング発生を抑制できる等の特徴を有するものである。脂肪族炭化水素としては、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン等が挙げられ、この他、テルピン油やミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素系溶剤を使用することもできる。特に、トルエン、キシレンを含まず、引火点21℃以上の第2石油類に該当するものが、安全衛生上好ましい。本発明では、非水系合成樹脂としてかかる弱溶剤形樹脂を使用した場合において、特に優れた効果を得ることができる。
本発明における(p)成分は架橋反応性を有するものであってもよい。(p)成分が架橋反応型樹脂である場合は、塗膜の強度、耐水性、耐候性、密着性等を高めることができる。架橋反応型樹脂は、それ自体で架橋反応を生じるもの、あるいは別途混合する架橋剤によって架橋反応を生じるもののいずれであってもよい。このような架橋反応性は、例えば、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルド基とセミカルバジド基、ケト基とセミカルバジド基、アルコキシル基どうし、カルボキシル基と金属イオン、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基等の反応性官能基を組み合わせることによって付与することができる。この中でも水酸基−イソシアート基架橋反応型樹脂が好適である。
本発明における(p)成分のガラス転移温度は、通常−20〜80℃(好ましくは−10〜60℃)程度である。
本発明では、シリケート化合物として、炭素数1〜2のアルキル基と炭素数3以上のアルキル基が混在する変性シリケート化合物(q)(以下「(q)成分」ともいう)を含むものである。本発明では、かかる変性シリケート化合物(q)の作用により塗膜表面の親水性が高まり、耐汚染性等において優れた性能を発揮することができる。
本発明おける(q)成分としては、特に、炭素数1〜2の直鎖アルキル基(以下単に「直鎖アルキル基」ともいう)と炭素数3以上の分岐アルキル基(以下単に「分岐アルキル基」ともいう)が混在する変性シリケート化合物が好適である。
このような(q)成分における直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基から選ばれる1種以上が使用できる。この中でも本発明ではメチル基が好適である。
一方、分岐アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソヘプチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、イソオクチル基等が挙げられる。本発明では、この中でも炭素数3〜6の分岐アルキル基が好適であり、とりわけ炭素数4の分岐ブチル基が好適である。
具体的に、直鎖アルキル基と分岐アルキル基を有する変性シリケートは、以下に例示する方法により製造することができる。
(1)一般式Si(OR)(OR)(OR)(OR
(式中、R〜Rは、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と、炭素数3以上の分岐アルキル基が混在しているものとする)で表されるテトラアルコキシシランを加水分解縮合させる。縮合方法としては公知の方法が採用でき、縮合後の平均縮合度は2〜100(好ましくは4〜20)程度とすればよい。この場合、縮合の際に他のテトラアルコキシシランを混合して縮合することもできる。上記一般式で表される化合物の具体例としては、例えば、モノイソプロポキシトリメトキシシラン、モノイソプロポキシトリエトキシシラン、モノイソブトキシトリメトキシシラン、モノイソブトキシトリエトキシシラン、ジイソブトキシジメトキシシラン等が挙げられる。
(2)テトラメトキシシラン縮合物及び/またはテトラエトキシシラン縮合物に、炭素数3以上の分岐アルキル基を有するアルコールを反応(エステル交換反応)させる。この方法におけるアルコールとしては、例えば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソアミルアルコール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール等が挙げられる。テトラメトキシシラン縮合物及び/またはテトラエトキシシラン縮合物としては、平均縮合度2〜100(好ましくは4〜20)程度のものを使用すればよい。
(3)テトラメトキシシラン及び/またはテトラエトキシシランに、水、及び炭素数3以上の分岐アルキル基を有するアルコールを反応させる。この方法では、加水分解縮合反応とエステル交換反応を並行して行うことができる。加水分解縮合反応による平均縮合度は2〜100(好ましくは4〜20)程度とすればよい。アルコールとしては、上記(2)と同様の化合物が使用できる。
本発明における(q)成分は、炭素数1〜2の直鎖アルキル基と炭素数3以上の分岐アルキル基が、通常95:5〜50:50、好ましくは90:10〜55:45、より好ましくは85:15〜60:40の当量比率で混在するものである。直鎖アルキル基と分岐アルキル基の混在比率がかかる範囲内であれば、本発明の効果を十分に発揮することができる。
上記(1)〜(3)に例示した変性シリケート化合物の製造方法では、直鎖アルキル基と分岐アルキル基との当量比率が上記範囲内となるように、原料化合物の種類や量を適宜調整すればよい。
(q)成分の混合比率は、(p)成分の固形分100重量部に対して、SiO換算で0.1〜20重量部(好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部)となる範囲内で設定すればよい。(q)成分の混合比率が0.1重量部未満では、塗膜に親水性が付与されないため耐汚染性が不十分となる。逆に20重量部を越える場合は、形成塗膜の下地への追従性が不十分となり、割れ等が生じやすくなる。
なお、本発明におけるSiO換算とは、アルコキシシランやシリケートなどのSi−O結合をもつ化合物を、完全に加水分解した後に、900℃で焼成した際にシリカ(SiO)となって残る重量分にて表したものである。
一般に、アルコキシシランやシリケートは、水と反応して加水分解反応が起こりシラノールとなり、さらにシラノール同士やシラノールとアルコキシにより縮合反応を起こす性質を持っている。この反応を究極まで行うと、シリカ(SiO)となる。これらの反応は
RO(Si(OR)O)R+(n+1)HO→nSiO+(2n+2)ROH
(Rはアルキル基を示す。nは整数。)
という反応式で表される。本発明におけるSiO換算は、この反応式をもとに残るシリカ成分の量を換算したものである。
本発明の被覆材では、上述の成分に加え、赤外線反射性粉体(r)(以下「(r)成分」という)を含有する。本発明では、(r)成分を混合することにより、被覆材を所望の色に着色しつつ、太陽光による塗膜の蓄熱を抑制することが可能となる。さらに、かかる(r)成分の特性に加え、(q)成分等の親水化作用によって、塗膜表面への汚染物質の付着が効果的に抑えられるため、汚染物質が太陽光の蓄熱場となることを抑制することができ、十分な遮熱機能が発揮される。
赤外線反射性粉体としては、例えば、アルミニウムフレーク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、アルミナ、鉄−クロム複合酸化物、マンガン−ビスマス複合酸化物、マンガン−イットリウム複合酸化物、マンガン−鉄−コバルト複合酸化物、ペリレン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、弁柄、朱、チタニウムレッド、カドミウムレッド、イソインドリノン、イソインドリン、ベンズイミダゾロン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、コバルトブルー、インダスレンブルー、群青、紺青等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。被覆材の色相は、これら赤外線反射性粉体の種類や量を適宜選択・調製することにより設定できる。
また、本発明では、赤外線反射性粉体として、屈折率1.3〜2.0(好ましくは1.4〜1.8)、平均粒子径0.1〜1μmの金属酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウム等)を含むことが望ましい。このような金属酸化物を用いることにより、塗膜の蓄熱抑制効果をいっそう高めることができる。特に、形成塗膜の色調において、マンセル表示系の明度が8以下(さらには7以下)である場合には効果的である。
(r)成分の混合量は、(p)成分の固形分100重量部に対し、通常1〜200重量部、好ましくは2〜100重量部である。かかる範囲内であれば、所望の色に被覆材を調色することができ、温度上昇抑制効果、塗膜の割れ防止性等においても有利である。
本発明の被覆材では、有機錫化合物(s)(以下「(s)成分」という)を含むことが望ましい。かかる(s)成分は、塗膜の親水性向上、特に塗膜形成初期段階における親水性向上に大きく寄与する成分であり、耐汚染性を高める機能を発揮するものである。
(s)成分としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫ジオレイルマレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジマレート、オクチル酸錫等が挙げられる。
(s)成分の混合比率は、(p)成分の固形分100重量部に対し、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。かかる範囲内であれば、十分な親水性向上効果を得ることができる。
さらに、本発明の被覆材では、上記成分に加えて有機酸化合物(t)(以下「(t)成分」という)を必須成分として含むことが望ましい。かかる(t)成分を併用することにより、混合安定性、可使時間等の実用性を確保しつつ、塗膜の硬化性、親水化機能等を高めることができる。
(t)成分としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、パラトルエンスルホン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸、クエン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸等、及びこれらの無水物があげられる。この中でも特に有機酸無水物が好適である。
(t)成分の配合割合は、(p)成分の固形分100重量部に対し、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。(t)成分を上記範囲内で配合することにより、耐汚染性に優れるとともに、混合安定性、可使時間等において安定した性能を有する被覆材が得られる。
また、本発明の被覆材では、硫黄原子を含有する有機錫化合物(u)(以下「(u)成分」という)を必須成分として含むこともできる。かかる(u)成分は、塗膜の親水性向上、特に塗膜形成初期段階における親水性向上に大きく寄与する成分であり、耐汚染性を高める機能を発揮するものである。さらに(u)成分は、シリケート化合物混合時の安定性や、混合後の可使時間に対し、ほとんど悪影響を与えない。すなわち、(u)成分を使用することにより、実用的な混合安定性、可使時間を確保しつつ、形成塗膜の親水性を高めることができる。
(u)成分としては、例えば、ジブチル錫チオグリコレート、ジブチル錫ビスイソノニル3−メルカプトプロピオネート、ジブチル錫ビスオクチル3−メルカプトプロピオネート、ジブチル錫ビスオクチルチオグリコレート、ジブチル錫ビスメトキシブチルメルカプトプロピオネート、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート、ジブチル錫ビス2−エチルヘキシルチオグリコレート、ジオクチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート、ジオクチル錫ビスオクチルチオグリコレート、ジメチル錫ビスドレシルメルカプチド、ジメチル錫ビスオクチルチオグリコレート、ジメチル錫ビス(オクチルチオグルコール酸エステル)塩、モノオクチル錫トリスイソオクチルチオグリコレート、モノメチル錫トリスオクチルチオグリコレート等が挙げられる。
(u)成分の混合比率は、(p)成分の固形分100重量部に対し、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。かかる範囲内であれば、塗料の混合安定性、可使時間において実用的な性能を確保しつつ、形成塗膜の親水性を十分に高めることができる。
本発明の被覆材では、上述の成分に加えアミン化合物(v)(以下「(v)成分」という)を混合することができる。かかる(v)成分を混合することにより、密着性、耐汚染性、硬化性等を高めることができる。
(v)成分としては、例えば、エチルアミン、ジメチルアミン、ジアミルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルドデシルアミン等のほか、アルカノール基含有アミン化合物、アミノアルキル基含有アミン化合物、アルコキシシリル基含有アミン化合物等が挙げられる。
また、(v)成分として、ビス(2,2,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等の光安定剤を使用することもできる。
(v)成分としては、とりわけ、塩基解離定数pKbが3以上11以下(好ましくは4以上8以下)であるアミン化合物が好適である。
(v)成分の混合比率は、(p)成分の固形分100重量部に対し、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.02〜5重量部である。
本発明の被覆材では、真球状中空粒子を含むこともできる。このような真球状中空粒子の配合は、断熱性向上、耐汚染性向上の点で望ましいものである。
この他、本発明の被覆材には、各種添加剤を配合することも可能である。かかる添加剤としては、例えば、硬化剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、触媒、硬化促進剤、脱水剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の被覆材は、上記非水系合成樹脂(p)、変性シリケート化合物(q)、赤外線反射性粉体(r)を構成成分とするものであれば、その形態については特に限定されない。通常は、(p)成分、(r)成分を含む主剤と、(q)成分を含む硬化剤からなる2液型塗料とすることが望ましい。このような形態であれば、塗料の安定性確保、耐汚染性能の発現等の点で好適である。(s)成分、(t)成分、(u)成分等は、主剤に混合すればよい。
非水系合成樹脂(p)が架橋反応基を有するものであって、当該反応基と反応可能な架橋剤を使用する場合、該架橋剤は硬化剤に混合すればよい。具体的に、非水系合成樹脂(p)が水酸基を有するものである場合には、イソシアネート化合物を硬化剤に混合することができる。
[遮熱断熱積層体の形成方法]
本発明の遮熱断熱積層体は、外装面の屋内側から屋外側へ向かって、基材層(A)、断熱性下塗層(B)、防水層(C)、上塗層(D)を有するものである。このような遮熱断熱積層体は、基材層(A)に対して前記下塗材を塗付して断熱性下塗層(B)を形成した後、前記塗膜防水材を塗付して防水層(C)を形成し、さらに前記被覆材を塗付して上塗層(D)を形成することにより得ることができる。各材料の施工、乾燥養生等は、通常常温で行う。
断熱性下塗層(B)は、基材層(A)の上に前記下塗材を塗付することにより形成できる。塗装においては、スプレー、ローラー、刷毛、鏝等の塗装器具を使用することができる。断熱性下塗層(B)の厚みは、所望の断熱性能等に応じて適宜設定すればよいが、通常は0.5〜20mm程度である。
防水層(C)は、断熱性下塗層(B)の上に前記塗膜防水材を塗付することにより形成できる。この塗膜防水材を、刷毛、ヘラ、ローラーで塗付するか、あるいは吹付機により施工し成膜、硬化させることで、シームレスな防水層が形成できる。防水層(B)の厚みは、所望の防水性能等に応じて適宜設定すればよいが、通常は1〜4mm程度である。
塗膜防水材の塗付前には、断熱性下塗層(B)の表面に、必要に応じシーラー、プライマー等を塗付しておくこともできる。
上塗層(D)は、防水層(C)の上に、被覆材を塗付することによって形成すればよい。塗装においては、スプレー、ローラー、刷毛等の塗装器具を使用することができる。上塗層(D)の厚みは、通常は10〜300μm程度である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(変性シリケート化合物の製造)
・変性シリケート化合物(1)
メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)100重量部に対して、イソブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、変性シリケート化合物(1)を製造した。この変性シリケート化合物(1)におけるメチル基とイソブチル基との当量比率は62:38であり、900℃にて焼成して得られたシリカ残量比率は43重量%であった。
・変性シリケート化合物(2)
メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)100重量部に対して、n−ブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、変性シリケート化合物(2)を製造した。この変性シリケート化合物(2)におけるメチル基とn−ブチル基との当量比率は62:38であり、900℃にて焼成して得られたシリカ残量比率は43重量%であった。
(主剤の製造)
・主剤(1)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)86重量部、ミネラルスピリット18重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(1)を製造した。
・主剤(2)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)86重量部、ミネラルスピリット18重量部、ジブチル錫ジラウレート1重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(2)を製造した。
・主剤(3)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)86重量部、ミネラルスピリット18重量部、ジブチル錫ジラウレート1重量部、無水マレイン酸1重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(3)を製造した。
・主剤(4)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)86重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(分子量508、pKb5.5)2重量部、ミネラルスピリット18重量部、ジブチル錫ジラウレート1重量部、無水マレイン酸1重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(4)を製造した。
・主剤(5)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)43重量部、酸化アルミニウム(屈折率1.76、平均粒子径0.6μm)43重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(分子量508、pKb5.5)2重量部、ミネラルスピリット18重量部、ジブチル錫ジラウレート1重量部、無水マレイン酸1重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(5)を製造した。
・主剤(6)
非水分散形アクリルポリオール(水酸基価50KOHmg/g、重量平均分子量80000、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%、媒体:ミネラルスピリット、脂肪族炭化水素70重量%)200重量部に対し、酸化チタン(屈折率2.71、平均粒子径0.3μm)43重量部、酸化アルミニウム(屈折率1.76、平均粒子径0.6μm)43重量部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(分子量508、pKb5.5)2重量部、ミネラルスピリット18重量部、ジブチル錫ビスオクチル3−メルカプトプロピオネート1重量部、シリコーン系消泡剤1重量部を常法にて均一に混合・撹拌することにより、主剤(6)を製造した。
(硬化剤の製造)
・硬化剤(1)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)40重量部、変性シリケート化合物(1)20重量部を均一に混合することにより、硬化剤(1)を製造した。
・硬化剤(2)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)40重量部、変性シリケート化合物(2)20重量部を均一に混合することにより、硬化剤(2)を製造した。
・硬化剤(3)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)45重量部、メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)15重量部を均一に混合することにより、硬化剤(3)を製造した。
・硬化剤(4)
イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)40重量部に対し、ソルベッソ100(エクソンケミカル社製)60重量部を均一に混合することにより、硬化剤(4)を製造した。
○実施例1
前述の主剤(1)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、マンセル表示系の明度6のグレー色に調製した主剤と、硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して被覆材Aを得た。
アルミニウム板の片面に、ポルトランドセメント(L値93)、フライアッシュバルーン(平均粒子径90μm、密度0.78g/cm)、ニトリル基含有陽イオン性アクリル樹脂エマルション(固形分50重量%)、及び水を混練(重量比100:35:22:30)して得られる下塗材Aを鏝塗りし、16時間養生した。
次に、ポリエーテルポリオール(水酸基価200KOHmg/g、重量平均分子量2000)、トリレンジイソシアネート(NCO比率2.7%)、酸化チタン、炭酸カルシウム(重量比100:480:20:260)を主成分とするウレタンゴム系塗膜防水材Aを鏝塗りした。24時間養生後、被覆材Aをスプレー塗装し、7日間養生した。
これにより、乾燥厚み3mmの下塗層と、乾燥厚み2mmの防水層と、乾燥厚み60μmの上塗層が積層された試験体を得た。なお、試験板の作製・養生はすべて標準状態(気温23℃・相対湿度50%)で行った。
・試験1
上述の方法で得られた試験体の塗膜表面の接触角を測定した。接触角の測定は、協和界面科学株式会社製CA−A型接触角測定装置にて行った。
次いで、この試験体を、プラスチック製波板の庇の下に設置(試験体の塗膜面に庇から流下する雨水が接触するように設置)して屋外曝露を行い、曝露1週間後及び1ヶ月後の時点での塗膜表面の接触角を測定した。
・試験2
上述の方法で得られた試験体の塗膜に対し、赤外線ランプを50cmの距離から照射し、温度上昇が平衡に達したときの試験体裏面温度を測定した。
次いで、カーボンブラック水分散ペースト液(濃度1重量%)に試験体を2時間浸漬した後、試験体を引きあげ標準状態で24時間放置した。以上の処理を行った試験体の塗膜に対し、赤外線ランプを50cmの距離から照射し、温度上昇が平衡に達したときの試験体裏面温度を測定した。
結果を表1に示す。
○実施例2
前述の主剤(1)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、マンセル表示系の明度6のグレー色に調製した主剤と、硬化剤(2)を86:14の重量比率で均一に混合して被覆材Bを得た。
被覆材Aに替えて被覆材Bを使用した以外は、実施例1と同様の方法で各試験を行った。結果を表1に示す。
○実施例3
前述の主剤(2)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、マンセル表示系の明度6のグレー色に調製した主剤と、硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して被覆材Cを得た。
被覆材Aに替えて被覆材Cを使用した以外は、実施例1と同様の方法で各試験を行った。結果を表1に示す。
○実施例4
前述の主剤(3)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、マンセル表示系の明度6のグレー色に調製した主剤と、硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して被覆材Dを得た。
被覆材Aに替えて被覆材Dを使用した以外は、実施例1と同様の方法で各試験を行った。結果を表1に示す。
○実施例5
前述の主剤(4)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、マンセル表示系の明度6のグレー色に調製した主剤と、硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して被覆材Eを得た。
被覆材Aに替えて被覆材Eを使用した以外は、実施例1と同様の方法で各試験を行った。結果を表1に示す。
○実施例6
前述の主剤(5)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、マンセル表示系の明度6のグレー色に調製した主剤と、硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して被覆材Fを得た。
被覆材Aに替えて被覆材Fを使用した以外は、実施例1と同様の方法で各試験を行った。結果を表1に示す。
○実施例7
前述の主剤(6)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、マンセル表示系の明度6のグレー色に調製した主剤と、硬化剤(1)を86:14の重量比率で均一に混合して被覆材Gを得た。
被覆材Aに替えて被覆材Gを使用した以外は、実施例1と同様の方法で各試験を行った。結果を表1に示す。
○比較例1
前述の主剤(1)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、マンセル表示系の明度6のグレー色に調製した主剤と、硬化剤(3)を86:14の重量比率で均一に混合して被覆材Hを得た。
被覆材Aに替えて被覆材Hを使用した以外は、実施例1と同様の方法で各試験を行った。結果を表1に示す。
○比較例2
前述の主剤(1)に対し、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ペリレンレッド、ベンズイミダゾロンイエローを混合して、マンセル表示系の明度6のグレー色に調製した主剤と、硬化剤(4)を86:14の重量比率で均一に混合して被覆材Iを得た。
被覆材Aに替えて被覆材Iを使用した以外は、実施例1と同様の方法で各試験を行った。結果を表1に示す。
○比較例3
前述の主剤(1)に対し、カーボンブラックを混合して、マンセル表示系の明度6のグレー色に調製した主剤と、硬化剤(4)を86:14の重量比率で均一に混合して被覆材Jを得た。
被覆材Aに替えて被覆材Jを使用した以外は、実施例1と同様の方法で各試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005550164









Claims (2)

  1. 建築物外装面を構成する遮熱断熱積層体であって、
    外装面の屋内側から屋外側へ向かって、基材層(A)、結合材及び中空粒子を含有する下塗材により形成される断熱性下塗層(B)、塗膜防水材により形成される防水層(C)、
    非水系合成樹脂(p)、炭素数1〜2のアルキル基と炭素数3以上のアルキル基が、95:5〜50:50の当量比率で混在する変性シリケート化合物(q)、赤外線反射性粉体(r)、及び有機錫化合物(s)を必須成分とし、
    前記有機錫化合物(s)が、硫黄原子を含有する有機錫化合物(u)であり、
    前記非水系合成樹脂(p)の固形分100重量部に対し、前記変性シリケート化合物(q)をSiO換算で0.1〜20重量部、前記赤外線反射性粉体(r)を1〜200重量部、前記有機錫化合物(s)を0.01〜10重量部含む被覆材により形成される上塗層(D)
    を有することを特徴とする遮熱断熱積層体。
  2. 前記上塗層(D)が、有機酸化合物(t)を必須成分とし、前記非水系合成樹脂(p)の固形分100重量部に対し、有機酸化合物(t)を0.01〜10重量部含むことを特徴とする請求項1に記載の遮熱断熱積層体。
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