JP2007109319A - 磁気ハードディスク基板のテクスチャ加工方法 - Google Patents

磁気ハードディスク基板のテクスチャ加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気ハードディスクの基板の表面に、適度な深さの凹部と適度な高さの凸部を有するテクスチャ条痕を形成できるテクスチャ加工方法を提供する。
【解決手段】基板21の表面に略同心円状の条痕を形成する第一の工程、及び基板の表面にこの条痕をベースとしたテクスチャ条痕を形成する第二の工程から成る。テクスチャ条痕を形成した基板表面における平均表面粗さが1Å以上、6Å以下の範囲にあり、この表面における平均表面粗さに対する最大表面粗さの比が10未満の範囲にある。第二の工程において、砥粒を含んでいない潤滑液と発泡体テープ30を使用する。発泡体テープの発泡体層の平均気泡直径は1μm以上、50μm以下の範囲にあり、圧縮率は3%以上、7%以下の範囲にあり、圧縮回復率は40%以上、60%以下の範囲にあり、ショアーD硬度は20度以上、30度以下の範囲にある。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気ハードディスク基板の表面にほぼ同心円状のテクスチャ条痕を形成するためのテクスチャ加工方法に関するものである。
コンピュータなどの情報記録再生機器には、音声、画像などの情報を記録する媒体として、磁気ハードディスクが使用されている。
一般に、磁気ハードディスクは、ガラス基板、Ni−Pメッキを施したアルミニウム基板などの非磁性の基板の表面を鏡面に研磨した後、この基板の表面にほぼ同心円状の条痕を形成するためのテクスチャ加工を施し、このテクスチャ加工面上に、スパッタリングなどの既知の成膜技術を利用して、磁性層、保護層などを順次積層することによって製造される。
テクスチャ加工は、当業者には既知のように、磁気ハードディスクへの磁気ヘッドの吸着を防止するため、テクスチャ加工時に基板の表面に形成したテクスチャ条痕とほぼ相似形の同心円状の線条を磁気ハードディスクの表面に形成するためのものである。
一方、磁気ハードディスクへの磁化を高精度に行って、記録と再生を高精度に行うため、磁気ハードディスクの表面は、下記の(1)〜(4)のような地形学的な条件を満たすことが必要である。
(1)磁気ハードディスクの表面に形成される線条のピッチ幅を小さくすること。すなわち、ディスク径方向の単位長さ当りの線条の本数を多くすることにより、磁気ヘッドと向き合う単位面積当りの線条の凸部分(磁気ヘッドに近い磁気ハードディスクの表面部分)の個数が多くなり、磁気ハードディスクへの磁化を高精度に行えるようになる。(近年では、ディスク径方向の単位長さ当りの線条の本数、すなわちライン密度を40本/μm以上にすることが要求されている。)
(2)磁気ハードディスクの表面に深い凹部(深い線条の凹部やスクラッチ)を形成しないこと。これは、この凹部が深すぎると、磁気ヘッドからの磁束が凹部の低部付近の磁性層にとどかず、この部分を磁化できず、このため、正確な記録と再生ができなくなるからである。また、スパッタリングなどによる成膜時に、凹部の低部付近に磁性層が形成されていないこともあるからである。
(3)磁気ヘッドを低空で飛行させるため、磁気ヘッドの飛行高度(浮上距離)に達する異常な突起が形成されていないこと。これは、磁気ヘッドが突起に衝突すると、磁気ヘッドが損傷し、また突起の破片が磁気ハードディスクの表面に付着し、磁気ハードディスクへの記録と磁気ハードディスクからの再生を高精度に行えなくなるからである。(近年では、10nm以下の浮上距離が要求されている。)
(4)磁気ハードディスクの表面へ磁気ヘッドが着陸し、滑走する間、及び磁気ヘッドが磁気ハードディスクの表面上を滑走し、浮上するまでの間、磁気ヘッドを滑らかに滑走させるため、磁気ハードディスクの表面の粗さを低くすること。
このように、磁化を高精度に行うため、線条のピッチ幅を小さくし(すなわち、ライン密度を高くし)、異常に深い線条の凹部やスクラッチを形成しないことが要求されている。一方、磁気ヘッドを低空で飛行させ且つ磁気ヘッドの損傷をなくすため、異常に高い突起を形成せず、表面の粗さを低くすることが要求され、さらに、磁気ハードディスクの表面への磁気ヘッドの吸着を防止できる程度の粗さも要求されている。
すなわち、磁気ハードディスクの表面に、適度な深さの凹部と適度な高さの凸部を有する線条を形成することが要求されている。
このような磁気ハードディスクの表面上の地形学的な条件は、基板の表面に施されるテクスチャ加工に大きく依存する。
従来、テクスチャ加工は、基板を回転させ、砥粒を分散したスラリーを基板の表面に供給し、基板の表面にテープを押し付けて行われ、砥粒の種類及びサイズ、そしてテープの種類を選択することにより、異常に高い突起を形成せずに、小さいピッチ幅のテクスチャ条痕を基板の表面に形成できるようになってきた(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、このような従来の技術では、テクスチャ加工後、単に基板の表面に洗浄液を吹き付けて、基板の表面に残留する砥粒や研磨クズを洗い流して除去しているだけであり、異常に深いテクスチャ条痕の凹部やスクラッチが形成されたままの状態になっていたり、また磁気ハードディスクの表面上を磁気ヘッドが滑らかに滑走できる程度の表面の粗さになっていないままの状態になっていたり、磁気ヘッドの吸着を防止できる程度の粗さになっていいないままの状態で、テクスチャ加工面上に磁性層、保護層などが成膜されているのが現状である。(このような従来のテクスチャ加工後の基板の表面の状態については、図4に示す基板の表面のコンピュータ画像を参照。)
このことから、磁気ハードディスクの表面に要求されている上記の地形学的な条件を満たすため、基板の表面にも、適度な深さの凹部と適度な高さの凸部を有するテクスチャ条痕を形成させることが要求されている。そして、テクスチャ加工技術の分野において、上記の地形学的な条件を満たしているか否かの一つの判定基準として、近年では、テクスチャ加工面において、基板の円周方向における平均表面粗さ(Ra)(表面に形成されている凹凸の高低差の平均値)に対する最大表面粗さ(Rmax)(表面に形成されている凹凸の高低差のうち最も大きい高低差)の比の大きさが用いられるようになってきた。
近年では、この「Rmax/Ra」の比の大きさが10未満であることが要求されており、また基板の平均表面粗さ(Ra)が1Å以上、6Å以下の範囲にあることが要求されている。
特開2005−131711号公報
したがって、本発明の目的は、磁気ハードディスクの基板の表面に、適度な深さの凹部と適度な高さの凸部を有するテクスチャ条痕を形成できるテクスチャ加工方法を提供することである。
本発明は、磁気ハードディスクの基板の表面にテクスチャ条痕を形成するテクスチャ加工方法である。
上記目的を達成するため、本発明のテクスチャ加工方法は、基板の表面に略同心円状の条痕を形成する第一の工程、及びこの基板の表面に上記の条痕をベースとした略同心円状のテクスチャ条痕を形成する第二の工程から構成される。
このようにしてテクスチャ条痕を形成した基板の表面における平均表面粗さは1Å以上、6Å以下の範囲にある。
また、テクスチャ条痕を形成した基板の表面における平均表面粗さ(Ra)に対する最大表面粗さ(Rmax)の比の大きさ(すなわち、Rmax/Ra)は10未満の範囲にある。
第一の工程は、基板を回転させる工程、砥粒を分散させたスラリーを基板の表面に供給する工程、及び基板の表面にテープを押し付ける工程から構成され、テープとして、織布テープ又は不織布テープが使用される。
第一の工程は、基板の表面に上記の条痕を形成した後に、基板の表面を洗浄する工程をさらに含む。
第二の工程は、基板を回転させる工程、上記の条痕を形成した基板の表面に潤滑液(砥粒を含んでいない)を供給する工程、及び基板の表面に発泡体テープを押し付ける工程から構成される。
第二の工程は、基板の表面にテクスチャ条痕を形成した後に、基板の表面を洗浄する工程をさらに含む。
発泡体テープは、テープ状の基材、及びこの基材の表面に形成した発泡体層から構成される。
基材として、厚さが25μm以上、125μm以下の範囲にあるプラスチックシートが使用される。
発泡体層の平均気泡直径は、1μm以上、50μm以下の範囲、好適に1μm以上、30μm以下の範囲にある。
発泡体層の圧縮率は、3%以上、7%以下の範囲にある。
発泡体層の圧縮回復率は、40%以上、60%以下の範囲にある。
発泡体層のショアーD硬度は、20度以上、30度以下の範囲にある。
発泡体層の厚さは、50μm以上、800μm以下の範囲にある。
発泡体層の平均気泡直径が1μm以上、50μm以下の範囲(好適に1μm以上、30μm以下)の範囲にあるので(すなわち、気泡が細かいので)、基板の表面の単位面積当りに作用する発泡体層の(気泡の部分を除いた)表面部分が大きい。
発泡体層の圧縮率が3%以上、7%以下の範囲にあるので、発泡体層の表面を基板の表面に押し付けると、発泡体層の表面が基板の表面の形状に沿うように発泡体層が圧縮する。
発泡体層の圧縮回復率が40%以上、60%以下の範囲にあるので、発泡体層の表面を基板の表面に押し付け、発泡体層と基板を相対的に移動させると、発泡体層の表面が基板の表面の形状に沿うように圧縮された状態で、発泡体層の表面が基板の表面上を移動する。すなわち、基板の表面に対する発泡体層の表面の追従性が高い。
発泡体層のショアーD硬度が20度以上、30度以下の範囲にあるので(すなわち、硬度が低いので)、基板の表面に不要のスクラッチを形成しない。
したがって、発泡体層が上記のような機械的特性(平均気泡直径、圧縮率、圧縮回復率及び硬度)を有するので、本発明は、第二の工程において、基板の表面にスクラッチを形成せず且つ基板の表面を過度に削ることなく、表面に付着した異物や汚れを除去でき、磁気ハードディスクの基板の表面に、適度な深さの凹部と適度な高さの凸部を有するテクスチャ条痕(Rmax/Raの比の大きさが10未満の範囲にあり、テクスチャ条痕を形成した基板の表面における平均表面粗さは1Å以上、6Å以下の範囲にある)を形成できるという効果を奏する。
<テクスチャ加工方法> 本発明は、磁気ハードディスクの基板(ガラス基板、アルミニウム基板など)の表面にテクスチャ条痕を形成するテクスチャ加工方法である。
本発明のテクスチャ加工方法は、図1に符号10で示すような両面加工装置を使用して両面同時にテクスチャ条痕を形成してもよいし、また当業者によく知られているように片面加工装置(図示せず)を使用して片面ずつテクスチャ条痕を形成してもよい。したがって、本明細書では、用語「基板の表面」は「基板の片面」だけでなく「基板の両面」も意味する。
本発明のテクスチャ加工方法は、基板の表面に略同心円状の条痕を形成する第一の工程、及びこの基板の表面に上記の条痕をベースとした略同心円状のテクスチャ条痕を形成する第二の工程から構成される。
テクスチャ条痕を形成した基板の表面における平均表面粗さは1Å以上、6Å以下の範囲にある。
また、テクスチャ条痕を形成した基板の表面における平均表面粗さ(Ra)に対する最大表面粗さ(Rmax)の比の大きさは10未満の範囲にある。
第一の工程と第二の工程は、同じ両面又は片面加工装置を使用してもよいし、また別々の加工装置を使用してこれら工程を個別に行ってもよい。これら工程は、好適に、同じ加工装置を使用して行う。
<第一の工程> 図1を参照する。第一の工程は、基板21を矢印Rの方向に回転させる工程、ノズル12、12を通じて、砥粒を分散させたスラリーを基板21の表面に供給する工程、及びコンタクトローラ11、11を介して基板21の表面にテープ20、20を押し付ける工程から構成される。テープ20、20は、基板21の回転方向Rの逆方向(矢印Tの方向)に送り出される。これにより、基板21の表面に略同心円状の条痕が形成される(図4を参照)。
このように基板21の表面に略同心円状の条痕を形成した後、ノズル13、13を通じて基板21の表面に水などの洗浄液を吹き付けて基板21の表面に残留する砥粒、研磨クズなどの異物を除去する。この異物の除去は、基板21を回転させたままの状態で、テープ20、20を基板21の表面から離した後に、基板21の表面に洗浄液を吹き付け、回転する基板21の遠心力を利用して、洗浄液とともに異物を基板21の表面から排出する。
スラリーは、分散媒に砥粒を分散させたものである。
砥粒として、アルミナ、セリア、シリカ、ダイヤモンドなどから選択される材料からなる粒子が使用される。砥粒のサイズは、平均粒径0.02μm以上、0.5μm以下の範囲にある。好適に、一次粒子径が30nm以下の範囲にあり且つ平均一次粒子径が4nm以上、10nm以下の範囲にある多結晶ダイヤモンド粒子が複数個結合した二次粒子径が20nm以上、150nm以下の範囲にある凝集多結晶ダイヤモンド粒子が使用される。スラリー中の砥粒の含有量は、0.001重量%以上、0.5重量%以下の範囲にある。
分散媒は、水、及び添加剤から構成される。
添加剤は、高級脂肪酸アマイド、及びグリコール化合物、有機リン酸エステル及び界面活性剤から選択される少なくとも二種の添加剤から構成される。
添加剤の含有量は、スラリーの全量を基準として、0.5重量%以上、5.0重量%以下の範囲にある。スラリーに5.0重量%を超える添加剤を含有させても、第一の工程後の基板の表面に著しい変化がないので、スラリーのコストを低減させるため、添加剤の含有量の上限を5.0重量%とすることが望ましい。
高級脂肪酸アマイドは、第一の工程の加工速度を促進させる加工促進剤として機能する。高級脂肪酸アマイドとして、オレイン酸ジエタノールアマイド、ステアリン酸ジエタノールアマイド、ラウリン酸ジエタノールアマイド、リシノリン酸ジエタノールアマイド、リシノリン酸イソプロパノールアマイド、エルシン酸ジエタノールアマイド、トール脂肪酸ジエタノールアマイドなどが使用され、炭素数が12〜22の範囲にあるものが好ましい。高級脂肪酸アマイドの含有量は、添加剤の全量を基準として、20重量%〜60重量%の範囲にある。高級脂肪酸アマイドの含有量が、20重量%未満では加工速度が低下し、60重量%を超えると異常突起が発生する。
グリコール化合物は、砥粒との親和性があり、分散剤として機能する。また、グリコール化合物を使用すると、分散媒を調製する際に、分散媒の粘度を下げるので、分散媒を均一に調製できる。さらに、水との親和性があるので、第一の工程後の基板の洗浄を効率的に行える。グリコール化合物として、アルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテルなどが使用できる。グリコール化合物の含有量は、添加剤の全量を基準として、20重量%〜60重量%の範囲にある。グリコール化合物の含有量が、20重量%未満であると砥粒の分散性が低下し、砥粒が沈降し易くなり、大きな凝集粒子が形成され、60重量%を超えると明確なテクスチャ条痕が形成され難くなる。
有機リン酸エステルは、基板の表面への異常突起(研磨クズが基板の表面に付着して形成されるバリ)の発生を抑制する機能を有する。有機リン酸エステルは、リン酸(HPO)の水素をアルキル基又はアリル基で置換したエステルであり、有機リン酸エステルとして、脂肪族系塩型、芳香族系塩型などが使用でき、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルのリン酸塩が使用できる。有機リン酸エステルの含有量は、添加剤の全量を基準として、5重量%〜40重量%の範囲にある。有機リン酸エステルの含有量が、5重量%未満であると、異常突起が発生し易くなり、40重量%を超えると明確なテクスチャ条痕を形成し難くなる。
界面活性剤は、砥粒の分散性を向上させる働きがある。界面活性剤として、ノニオン系又はアニオン系の界面活性剤が使用できる。界面活性剤の含有量は、添加剤の全量を基準として、20重量%以下の範囲にある。
スラリーは、水に砥粒を加え、これに、高級脂肪酸アマイドと、グリコール化合物、有機リン酸エステル及び界面活性剤から選択される少なくとも二種の剤とから構成される添加剤を加え、モホミキサーで攪拌して製造される。
テープ20、20として、基板21の表面に弾力的に作用し、研磨クズなどの異物を内部に取り込める多孔質テープが使用される。このような多孔質テープとして、好適に、少なくともテープの表面部分が繊維径0.1μm以上、2.0μm以下の範囲にある繊維からなる織布テープ又は不織布テープが使用される。
図4に、第一の工程後に基板の表面に形成される略同心円状の条痕を示す。図示のように、基板の表面には10nmを超える高さの異常な突起は形成されていないが、局所的に、断面尖塔状の異常な突起が形成されており、この異常な突起が、スパッタリングなどによる成膜工程時に影をつくり、磁性層などの成膜に斑を生じさせる原因となる。また、この異常な突起は、磁気ヘッドが、磁気ハードディスクの表面上を滑走中に、この異常な突起上に形成される磁気ハードディスクの表面上の突起に衝突し、磁気ハードディスクの記録及び再生に悪影響を及ぼす原因となるものでもある。
従来の技術では、この第一の工程の後に、この条痕を形成した基板の表面上に、スパッタリングなどの成膜技術を利用して、磁性層、保護層などを成膜していたが、本発明では、磁性層などの成膜の斑などの磁気ハードディスクの記録及び再生に悪影響を及ぼす異常な突起を第二の工程で除去して、平均表面粗さ(Ra)を1Å以上、6Å以下の範囲にし、最大表面粗さ(Rmax)/平均表面粗さ(Ra)の比の大きさを10未満にしている。
すなわち、本発明のテクスチャ加工方法の第二の工程は、第一の工程を行った後の基板の表面に残る不要な突起、バリ、スクラッチ、異物及び汚れを除去して基板の表面にテクスチャ条痕をより高精度に形成するために、上記の条痕を形成した基板の表面をトリミング(trimming)し且つクリーニングする工程である。(図5に、第二の工程後に基板の表面に形成される略同心円状のテクスチャ条痕を示す。図5に示すように、第一の工程後の基板の表面に形成されていた異常な突起が、第二の工程によって除去されている。)
<第二の工程> 第二の工程は、上記のように、第一の工程において使用した加工装置10と同じものを使用してもよいし、また別の装置を使用してもよい。好適に、第二の工程は、上記第一の工程で使用した加工装置10を使用する。このため、第一の工程が終了した後に、テープ(織布テープ又は不織布テープ)20、20を発泡体テープ30、30と交換してから、第二の工程を行う。
図1を参照する。第二の工程は、基板21を矢印Rの方向に回転させる工程、ノズル14、14を通じて、上記の条痕を形成した基板21の表面に潤滑液(砥粒を含んでいない)を供給する工程、及びコンタクトローラ11、11を介して基板21の表面に発泡体テープ30、30を押し付ける工程から構成される。発泡体テープ30、30は、基板21の回転方向Rの逆方向(矢印Tの方向)に送り出される。これにより、上記の条痕を形成した基板21の表面がトリミングされ且つクリーニングされて、基板21の表面に上記の条痕をベースとしたテクスチャ条痕が形成される。
このように基板の表面に上記の条痕をベースとしたテクスチャ条痕を形成した後、ノズル13、13を通じて基板21の表面に水などの洗浄液を吹き付けて基板21の表面に残留する異物を除去する。この異物の除去は、基板21を回転させたままの状態で、発泡体テープ30、30を基板21の表面から離した後に、ノズル13、13を通じて基板21の表面に洗浄液を吹き付け、回転する基板21の遠心力を利用して、洗浄液とともに異物を基板21の表面から排出する。
潤滑液として、水又は水ベースの水溶液が使用される。水ベースの水溶液は、水に添加剤を加えたものであり、添加剤として、基板の表面と化学的に反応するものが水に加えられ、好適に、高級脂肪酸アマイド、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、グリコール化合物及び有機リン酸エステルから選択される少なくとも二種の剤が水に加えられる。
添加剤の含有量は、潤滑液の全量を基準として、0.5重量%以上、10重量%以下の範囲にある。潤滑液に10重量%を超える量の添加剤を含有させても、第二の工程後の基板の表面に著しい変化がなく、第二の工程後の基板の洗浄に時間がかかるだけなので、添加剤の含有量の上限を10重量%とするのが望ましい。
潤滑液の液性は、アルカリ性であり、pH7以上、pH12以下の範囲にあることが好ましい。これは、基板の表面を過度に削りすぎないように、基板の表面に付着したパーティクルなどの異物や油分などの汚れを除去するためである。潤滑液の液性が酸性であると、第一の工程で基板の表面に形成したテクスチャ条痕の凹凸を削りすぎ、テクスチャ条痕を不明瞭にする。
高級脂肪酸アマイドは、第一の工程後の基板の表面に残留するバリや異常突起を除去するために使用されるものである。高級脂肪酸アマイドとして、オレイン酸ジエタノールアマイド、ステアリン酸ジエタノールアマイド、ラウリン酸ジエタノールアマイド、リシノリン酸ジエタノールアマイド、リシノリン酸イソプロパノールアマイド、エルシン酸ジエタノールアマイド、トール脂肪酸ジエタノールアマイドなどが使用され、炭素数が12〜22の範囲にあるものが好ましい。高級脂肪酸アマイドの含有量は、添加剤の全量を基準として、10重量%以上、50重量%以下の範囲にある。高級脂肪酸アマイドの含有量が、10重量%未満では基板の表面からの付着物の除去力が低下する。一方、50重量%を超えると、第一の工程で基板の表面に形成したテクスチャ条痕を削りすぎて、テクスチャ条痕の凹凸を不明瞭にする。
高級脂肪酸及びその金属塩は、第一の工程後の基板の表面に付着して残っている異物を除去するのに有効な剤である。高級脂肪酸金属塩は、脂肪酸として飽和又は不飽和脂肪酸のNa、K、Al、Ba等の金属塩からなる。脂肪酸として、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ベヘニン酸などから選択されるものであり、炭素数が12〜22の範囲にあるものが好ましい。高級脂肪酸金属塩の含有量は、添加剤の全量を基準として、10重量%以上、50重量%以下の範囲にある。高級脂肪酸アマイドの含有量が、10重量%未満では基板の表面からの付着物の除去力が低下する。一方、50重量%を超える量を使用しても、付着物の除去力に著しい変化はない。
高級脂肪酸を加える場合、水との親和性を向上させるため、アルカノールアミンがさらに加えられる。アルカノールアミンの添加量は、添加剤の染料を基準として、10重量%以上、60重量%以下の範囲にある。10重量%未満では、潤滑液が白濁することがあり、60重量%を超えても、水との親和性を向上させる上で著しい変化はない。
グリコール化合物は、潤滑液を調製する際に、潤滑液の粘度を下げるので、第一の工程後の基板の洗浄を効率的に行える。グリコール化合物として、アルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテルなどが使用できる。グリコール化合物の含有量は、添加剤の全量を基準として、5重量%以上、50重量%以下の範囲にある。
有機リン酸エステルは、基板の表面への異常突起(研磨クズが基板の表面に付着して形成されるバリ)の発生を抑制する機能を有する。有機リン酸エステルは、リン酸(HPO)の水素をアルキル基又はアリル基で置換したエステルであり、有機リン酸エステルとして、脂肪族系塩型、芳香族系塩型などが使用でき、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルのリン酸塩が使用できる。有機リン酸エステルの含有量は、添加剤の全量を基準として、5重量%以上、40重量%以下の範囲にある。有機リン酸エステルの含有量が、5重量%未満であると、異常突起が発生し易くなり、40重量%を超えると、第一の工程で基板の表面に形成したテクスチャ条痕を削りすぎて、テクスチャ条痕の凹凸を不明瞭にする。
<発泡体テープ> 図3に示すように、発泡体テープ30は、テープ状の基材31、及びこの基材31の表面に形成した発泡体層32(図3に、走査型電子顕微鏡(SEM)による発泡体層の表面のコンピュータ画像を示す)から構成される。
基材31の厚さは、25μm以上、125μm以下の範囲にある。基材31として、表面の平坦性がよく且つ厚さが一定のプラスチックシートが使用される。プラスチックシートとして、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの合成樹脂からなるシートが使用される。
<平均気泡直径> 発泡体層32の平均気泡直径は、1μm以上、50μm以下の範囲、好適に1μm以上、30μm以下の範囲にある。
上記の第二の工程は湿式に行われる(すなわち、発泡体層32の表面と基板21の表面の間に潤滑液(液体)が供給される)ので、発泡体層32の平均気泡直径が1μm未満の範囲では、発泡体層32の内部及び表面と基板21の表面との間の液体の潤滑性が低下し、基板21の表面から削り取られた異物を発泡体層32の内部に効率よく取り込みにくくなる。一方、発泡体層32の平均気泡直径が50μmを超えると、基板21の表面の単位面積当りに作用する発泡体層32の(気泡の部分を除いた)表面部分が小さくなり、基板21の表面のトリミング及びクリーニングに時間がかかるだけでなく、発泡体層32の内部及び表面と基板21の表面との間の液体の潤滑性が高くなりすぎて、基板21の表面から削り取って発泡体層32の内部に取り込んだ異物が再び発泡体層32の外部に排出され、この異物により基板21の表面が過度に削られたり、基板21の表面にスクラッチが形成される。
<圧縮率> 圧縮率は、23±3℃の温度下における測定において、1.4psiの荷重時の発泡体層の厚さを0(ゼロ)として、16psiの荷重時の発泡体層の厚さの変化量を%で表したものである。
本発明では、発泡体層32の圧縮率は、3%以上、7%以下の範囲にある。
発泡体層32の表面は基板21の表面に押し付けられて圧縮されるが、発泡体層32の圧縮率が3%未満であると、発泡体層32の表面が基板21の表面の形状に沿うように発泡体層32が圧縮しにくくなり、基板21の表面に対する発泡体層32の(気泡の部分を除いた)表面部分の押付圧力が均一でなくなり、基板21の表面の仕上げ又はクリーニングに斑が生じる。一方、発泡体層32の圧縮率が7%を超えると、発泡体層32の表面は基板21の表面に押し付けられたとき、発泡体層32の厚さが薄くなり、洗浄液等の液体を取り込む体積が著しく減少するので、発泡体層32の内部及び表面と基板21の表面との間の洗浄液等の液体の潤滑性が低下し、基板21の表面から削り取られた異物を発泡体層32の内部に効率よく取り込みにくくなる。
<圧縮回復率> 圧縮回復率は、23±3℃の温度下における測定において、16psiの荷重時の発泡体層の変位量を測定する。次に、荷重を1.6psiに減少させた後、30秒間で回復した変位量を測定し、この回復した変位量を上記の16psiの荷重時の変位量で割ったもの(すなわち、圧縮した変位量に対する回復した変位量の割合(%))である。
本発明では、発泡体層32の圧縮回復率は、40%以上、60%以下の範囲にある。
発泡体層32の圧縮回復率が40%未満であると、圧縮された発泡体層32の厚さの回復力が低すぎて、発泡体層32の(気泡の部分を除いた)表面部分の基板21の表面に対する押付圧力が低くなり、基板21の表面に付着している異物の除去力が低下する。一方、発泡体層32の圧縮回復率が60%を超えると、圧縮された発泡体層32の厚さの回復力が高すぎて、発泡体層32の(気泡の部分を除いた)表面部分の基板21の表面に対する押付圧力が高くなり、基板21の表面から削り取った異物が基板21の表面に押し付けられたとき、この異物により基板21の表面にスクラッチが形成されるようになる。
<硬度> 発泡体層32の硬度をショアーD硬度で示す。このショアーD硬度は、JIS−L−1096に基づくショアD硬度計による測定値(23±3℃の温度下における測定値)である。
本発明では、発泡体層32のショアーD硬度は、20度以上、30度以下の範囲にある。
発泡体層32のショアーD硬度が20度未満であると、基板21の表面に付着している異物や基板21の表面に形成されている不要の突起(異常突起)の除去力が低下する。一方、発泡体層32のショアーD硬度が30度を超えると、基板21の表面に形成されている不要の突起(異常突起)だけでなく、例えば基板21の表面に形成されているテクスチャ条痕の凹凸の凸部分などのように必要な突起部分を削り取ってしまうという問題が生じる。また基板21の表面にスクラッチを形成し易くなる。
<厚さ> 発泡体層32の厚さは、50μm以上、800μm以下の範囲にある。
発泡体層32の厚さが薄すぎると、発泡体層32の内部及び表面と基板21の表面との間の洗浄液等の液体の良好な潤滑性を長時間維持できず、発泡体層32の内部への異物の効率的な取り込みを長時間維持できない。一方、発泡体層32の厚さが厚すぎると、基板21の表面に付着した異物や汚れの除去に斑が生じる(これは、基板21の表面のトリミング及びクリーニング中に発泡体層32の表面に沿った方向に発泡体層32が大きく変形し、発泡体層32自体の幾何学的な構造が著しく変化することが原因であると考えられる)。
<製造方法> 発泡体テープ30は、下記のようにして製造した発泡体シートをテープ状にカットしたものである。
発泡体シートの製造は、まず、樹脂溶液を機械的に攪拌して、平均気泡直径が1μm以上、50μm以下の範囲(好適に、1μm以上、30μm以下の範囲)にある気泡を分散させた、発泡倍率が2倍以上、5倍以下の範囲にある塗料を製造する。
樹脂溶液は、ウレタン系又はアクリル系の樹脂を含むものである。好適に、樹脂溶液は、自己乳化型の水性ウレタン樹脂を含むものである。ここで、水性ウレタン樹脂とは、ポリウレタンの骨格の主鎖中に、水に安定に分散させるために必要な親水成分を導入するか又は外部乳化剤で分散することにより得られるポリウレタンの水分散体(WBPUD:Waterborne polyurethane dispersion)であり、前者、すなわちポリウレタンの骨格中に親水成分を直接導入したものを自己乳化型の水性ウレタン樹脂という(例えば、「水性ウレタン樹脂の技術動向」、玉木淑文著、大日本インキ化学工業(株)、“http://www.dic.co.jp/rd/tech/rev0301/index.html”を参照)。自己乳化型の水性ウレタン樹脂を使用することで、砥粒として機能する水酸化アルミニウム粉末のような粒子を外部乳化剤として使用する必要性がない(すなわち、基板の表面を過度に削る原因の一つとなり得る硬い粒子を外部乳化剤として使用しなくてすむ)。
樹脂溶液は、この樹脂溶液の発泡を促進させ、塗料中に気泡を安定して分散させるための剤をさらに含み得る。この剤は、高級脂肪酸、高級脂肪酸変性物及び高級脂肪酸のアルカリ塩から選択される。この剤は、樹脂溶液の固形分100重量部に対して、固形分30重量部以下であることが好ましく、固形分20重量部以下の範囲にあることがより好ましい。この剤が、樹脂溶液の固形分100重量部に対して固形分30重量部を超えても、樹脂溶液の発泡を促進させ、塗料中に気泡を安定して分散させる機能に著しい変化はない。
好適に、この剤として、高級脂肪酸アンモニウムが使用される。
樹脂溶液の機械的な攪拌は、容器内に樹脂溶液を投入し、これを攪拌翼を回転させて行うことができ、例えば、生クリーム等の連続ミキシングに使用される連続高圧発泡機(製品名:TW−70、愛工舎製作所)を使用して行える。塗料中に分散される気泡の大きさと発泡倍率は、攪拌翼の回転速度、樹脂溶液と空気の量及び攪拌時間などを適宜に設定することにより調節できる。
次に、この塗料をシート状の基材の表面に塗布して、この基材の表面にこの塗料からなる塗膜を形成する。塗料の塗布は、ブレード方式、グラビアロール方式、ナイフ方式、押出し方式、リバースロール方式、キャスト方式などの既知の塗工技術を利用して行える。
次に、この塗膜を乾燥させて、基材の表面に、平均気泡直径が1μm以上、50μm以下の範囲にあり、圧縮率が3%以上、7%以下の範囲にあり、圧縮回復率が40%以上、60%以下の範囲にあり、ショアーD硬度が、20度以上、30度以下の範囲にある発泡体層を形成する。
塗膜の乾燥は、90℃〜160℃の雰囲気で行われる。塗膜を完全に硬化させるため、さらに、遠赤外線を使用してもよい。
これにより、上記の発泡体シートが製造される。
<実施例1〜3> 本発明に従って、磁気ハードディスクの基板にテクスチャ加工を施した。各実施例で使用した基板は、表面にNi−Pメッキを施し、表面を鏡面に研磨した2.5インチのアルミニウム基板であった。
各実施例は、第一の工程において使用したスラリー中の砥粒の平均粒径(D50)が異なる以外、同一の条件で行った。
<第一の工程> 第一の工程は、図に示すような両面加工装置を使用し、下記の表1に示す条件で行った。なお、加工時間を経過した後、基板を回転させたままの状態で、基板の表面に純水を吹き付けて基板の表面を洗浄した。図4に、第一の工程後の基板の表面の状態を示す。
スラリーとして、下記の表2に示す組成のものを使用した。ただし、砥粒の平均粒径(D50)は、実施例1では0.05μm、実施例2では0.10μm、実施例3では0.15μmであった。
テープとして、太さ1μmのナイロン繊維からなる厚さ700μmの不織布テープを使用した。
<第二の工程> 第二の工程は、上記の第一の工程の終了後に、テープを発泡体テープに交換し、上記の第一の工程で使用した両面加工装置を使用して、下記の表3に示す条件で行った。なお、加工時間を経過した後、基板を回転させたままの状態で、基板の表面に純水を吹き付けて基板の表面を洗浄した。図5に、第二の工程後の基板の表面の状態を示す。
発泡体テープとして、下記のようにして製造した発泡体シートをテープ状にカットしたものを使用した。
発泡体シートの製造は、まず、自己乳化型のポリウレタン水分散体を含んだ樹脂溶液を調製した。樹脂溶液の調製の際、この樹脂溶液の発泡を促進させ、塗料中に気泡を安定して分散させるため、この自己乳化型のポリウレタン水分散体に発泡調整剤と整泡剤を加えた。樹脂溶液の組成を下記の表4に示す。なお、自己乳化型のポリウレタン水分散体の固形分濃度は40%であった。
次に、この樹脂溶液を、既知の連続発泡機を使用して機械的に攪拌(攪拌翼の回転数:2000rpm)して、平均気泡直径が30μmにある気泡を分散させた、発泡倍率が3倍の塗料を製造した。
次に、この塗料を厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの表面に、既知の円筒ブレードコーターを使用して塗布し、このPETシートの表面にこの塗料からなる塗膜を形成し、この塗膜を100℃の雰囲気で完全に乾燥させて、PETシートの表面に厚さ400μmの発泡体層を形成し、発泡体シートを製造した。
この発泡体シートの発泡体層の機械的特性(平均気泡直径、圧縮率、圧縮回復率、硬度)は、下記の表5に示すとおりであった。
潤滑液として、下記の表6に示す組成のものを使用した。
<比較試験> テクスチャ加工後の基板の表面の状態(基板の表面の平均表面粗さ(Ra)及び最大表面粗さ(Rmax))について、従来の技術に従ってテクスチャ加工したものと比較した。
ここで、従来の技術に従ったテクスチャ加工方法は、上記実施例1〜3における第一の工程と実質的に同じものなので、上記実施例1〜3における各第一の工程をそれぞれ比較例1〜3とし、これら第一の工程後の基板の表面の状態(比較例1〜3)と、これら第一の工程後に第二の工程を行った後の基板の表面の状態(実施例1〜3)とを比較した。
基板の表面の平均表面粗さ(Ra)と最大表面粗さ(Rmax)は、走査型プローブ顕微鏡(製品名:ナノスコープDimension3100シリーズ、デジタルインスツルメント社)を使用して測定した。
比較例と実施例の基板の表面の状態をそれぞれ下記の表7及び表8に示す。
<比較試験結果> 上記の表7及び表8に示すように、本発明に従ってテクスチャ加工を行うと、加工後の基板の表面におけるRmax/Raの比の大きさが10未満となり、磁気ハードディスクの基板の表面に、適度な深さの凹部と適度な高さの凸部を有するテクスチャ条痕を形成できたことがわかる。
図1は、本発明を実施する加工装置の一例を示す。 図2は、本発明に従ったテクスチャ加工方法の第二の工程において使用される発泡体テープの断面図を示す。 図3は、図2の発泡体テープの発泡体層の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)のコンピュータ画像を示す。 図4は、本発明に従ったテクスチャ加工方法の第一の工程(この第一の工程は、従来のテクスチャ加工方法と実質的に同じものである)後における基板の表面の走査型プローブ顕微鏡のコンピュータ画像を示す。 図5は、本発明に従ったテクスチャ加工方法の第二の工程後における基板の表面の走査型プローブ顕微鏡のコンピュータ画像を示す。
符号の説明
10・・・本発明を実施する両面加工装置
11・・・コンタクトローラ
12、13、14・・・ノズル
20・・・テープ
21・・・基板
R・・・基板回転方向
T・・・テープ送り方向
30・・・発泡体テープ
31・・・基材
32・・・発泡体層

Claims (5)

  1. 磁気ハードディスクの基板の表面にテクスチャ条痕を形成するテクスチャ加工方法であって、
    前記基板の表面に略同心円状の条痕を形成する第一の工程、及び
    前記基板の表面に前記条痕をベースとした略同心円状のテクスチャ条痕を形成する第二の工程であって、前記テクスチャ条痕を形成した前記基板の表面における平均表面粗さが1Å以上、6Å以下の範囲にあり、前記テクスチャ条痕を形成した前記基板の表面における平均表面粗さに対する最大表面粗さの比の大きさが10未満の範囲にある、ところの第二の工程、
    から成り、
    前記第一の工程が、
    前記基板を回転させる工程、
    砥粒を分散させたスラリーを前記基板の表面に供給する工程、及び
    前記基板の表面に織布テープ又は不織布テープを押し付ける工程、
    から成り、
    前記第二の工程が、
    前記基板を回転させる工程、
    前記条痕を形成した前記基板の表面に潤滑液を供給する工程、及び
    前記基板の表面に発泡体テープを押し付ける工程、
    から成り、
    前記発泡体テープが、
    テープ状の基材、及び
    前記基材の表面に形成した発泡体層、
    から成り、
    前記発泡体層の平均気泡直径が、1μm以上、50μm以下の範囲にあり、
    前記発泡体層の圧縮率が、3%以上、7%以下の範囲にあり、
    前記発泡体層の圧縮回復率が、40%以上、60%以下の範囲にあり、
    前記発泡体層のショアーD硬度が、20度以上、30度以下の範囲にある、
    ところのテクスチャ加工方法。
  2. 請求項1のテクスチャ加工方法であって、
    前記発泡体層の平均気泡直径が、1μm以上、30μm以下の範囲にある、
    ところのテクスチャ加工方法。
  3. 請求項1のテクスチャ加工方法であって、
    前記発泡体層が、ポリウレタン樹脂からなる、
    ところの方法。
  4. 請求項1のテクスチャ加工方法であって、
    前記第一の工程が、前記基板の表面に前記条痕を形成した後に、前記基板の表面を洗浄する工程をさらに含む、ところのテクスチャ加工方法。
  5. 請求項1のテクスチャ加工方法であって、
    前記第二の工程が、前記基板の表面に前記テクスチャ条痕を形成した後に、前記基板の表面を洗浄する工程をさらに含む、ところのテクスチャ加工方法。
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