JP2007105971A - 静電アクチュエータ、それを備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及びデバイス並びに液滴吐出ヘッドの駆動方法 - Google Patents

静電アクチュエータ、それを備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及びデバイス並びに液滴吐出ヘッドの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低電圧駆動で大きな振動板変位量を得ることができ、しかも長期的に使用可能な静電アクチュエータを提供する。
【解決手段】電極基板2の電極11と振動板4との互いの対向面のいずれかの面にエレクトレット化された絶縁膜40が形成されており、絶縁膜40のエレクトレットによる電界によって発生する吸引力により振動板4が電極基板2の電極11に絶縁膜40を介して当接され、振動板4と電極基板2の電極11との間にエレクトレットによる電界を相殺するように電圧が印加されることで振動板4が電極11から離脱するものであり、振動板4を電極基板2の電極11から離脱させる電界とは逆方向の電界を生じさせる電圧を、振動板4と電極基板2の電極11との間に所定の間隔で印加しエレクトレットをリフレッシュするようにしている静電アクチュエータ。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動機構として用いられている静電アクチュエータ、それを備えた液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置などに関するものである。
従来より、液滴吐出ヘッドとして、駆動手段に発熱素子等を利用したサーマル方式や、アクチュエータ駆動方式の液滴吐出ヘッドがある。アクチュエータ駆動方式としては、駆動手段に静電気力を利用した、いわゆる静電駆動方式や、圧電素子(ピエゾ素子)を利用した、いわゆる圧電駆動方式がある。
アクチュエータ駆動方式の液滴吐出ヘッドでは、吐出室の一部を構成する振動板を静電気力や圧電素子の圧電効果によって弾性変位させ、圧力室内に圧力を発生させることによりノズルから液滴を吐出させるようにしている。この種の液滴吐出ヘッドでは、近年、高速印字に対応するため多ノズル化が進んでおり、また高解像度化の要求から微小なアクチュエータが求められている。しかしながら、アクチュエータが小型化、高密度化されると、振動板の変位量が不十分となり、これにより圧力室内に十分な圧力が発生せず、必要な液滴吐出量を得ることができないという問題があった。
そこで、振動板上に無機エレクトレット層を多層化することで大きな機械的駆動力を得て、振動板の変位量を大きくするようにした圧電駆動方式の液滴吐出装置があった(例えば、特許文献1)。
特開2004−255605号公報
しかしながら、特許文献1の場合、無機エレクトレット層を振動板上に多層化していることから、それを支えるために振動板の厚みを厚くする必要がある。このため、機械的な抵抗が大きくなり、実際には液滴の安定吐出に十分な振動板変位を得るのが難しく、十分な振動板変位を得るために、駆動電圧を大きくする必要があるという課題があった。また、製造方法が複雑で製造が困難であるという課題があった。さらに、エレクトレットの永久分極が、時間や駆動回数により減極するため、装置としての持続性に問題があった。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、低電圧駆動で大きな振動板変位量を得ることが可能で、しかも長期にわたって使用可能なエレクトレット利用の静電アクチュエータを提供することを目的とする。また、この静電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの駆動方法を提供する。さらに、それらを備えた液滴吐出装置及びデバイスを提供することも目的とする。
本発明に係る静電アクチュエータは、少なくとも1つの電極が形成された電極基板と、前記電極基板の電極に対して接離可能に対向配置された共通電極としての振動板を備え、前記電極基板の電極と前記振動板との互いの対向面のいずれかの面にエレクトレット化された絶縁膜が形成されており、前記絶縁膜のエレクトレットによる電界によって発生する吸引力により前記振動板が前記電極基板の電極に前記絶縁膜を介して当接され、前記振動板と前記電極基板の電極との間に前記エレクトレットによる電界を相殺する電圧が印加されることで前記振動板が前記電極基板の電極から離脱するものであり、前記振動板を前記電極基板の電極から離脱させる電界とは逆方向の電界を生じさせる電圧を、前記振動板と前記電極基板の電極との間に所定の間隔で印加するようにしているものである。
この静電アクチュエータは、振動板がエレクトレットによる吸引力によって電極基板の電極に予め当接した状態にあるので、単にエレクトレットによる電界によって発生する吸引力を解消するだけの電圧を印加すれば、振動板が自身の復元力により前記電極から離脱することができる。その結果、低電圧駆動が可能となり、静電アクチュエータの高密度化及び小型化が可能となる。
また、前記振動板を前記電極基板の電極から離脱させる電界とは逆方向の電界を生じさせる電圧を、前記振動板と前記電極基板の電極との間に所定の間隔で印加することで、エレクトレットの永久分極の減極が回復する。これにより、絶縁膜のエレクトレットの持続性が担保され、長時間、多回数での駆動に対しても、その作用、効果に変化がなく、安定した動作を確保できる。また、振動板の変位量を大きくし、コンプライアンスを小さくして、出力密度の高い静電アクチュエータを得ることも可能となる。
上記静電アクチュエータは、前記振動板と前記電極基板の電極とを同電位に保持する制御、前記振動板と前記電極基板の電極との間に前記エレクトレットによる電界を相殺する駆動電圧を印加して解除する制御、及び所定の間隔で前記振動板と前記電極基板の電極との間に前記駆動電圧による電界とは逆方向の電界を生じさせるリフレッシュ電圧を印加する制御、を行う駆動回路を備えているのが好ましい。これによれば、別途駆動回路を用意する手間が省けるとともに、静電アクチュエータ全体としての小型化も可能となる。
前記駆動回路は、前記駆動電圧を供給する電極を前記電極基板の複数の電極のうちから選択する選択装置を備えているのが好ましい。これにより必要な振動板のみを動作させることができる。
なお、前記絶縁膜はシリコン酸化膜から形成しても良い。振動板はシリコンから形成する場合が多く、その場合、シリコン酸化膜は容易に形成できエレクトレット化も可能である。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、上記何れかの静電アクチュエータを備え、前記振動板が液滴を溜めて吐出させる圧力室の底面を構成し、前記圧力室がノズルに連通しているものである。
上記の静電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッドは、低電圧駆動で大きな振動板変位量を得ることが可能となり、また、圧力室のコンプライアンスを小さくできるので、小型で高密度な液滴吐出ヘッドを得ることができる。また、液滴吐出後の圧力室内の残留振動を、振動板が個別電極に吸引復帰した状態で減衰させるので、効率的に減衰して液滴吐出の周波数を高くできる。さらに、エレクトレットの分極の減極も定期的に回復されるため、液滴吐出ヘッドの長期的な使用も可能となる。
なお、本発明に係る液滴吐出ヘッドは上記の液滴吐出ヘッドを備えたものである。
また、本発明に係るデバイスは上記何れかの静電アクチュエータを備えたものである。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの駆動方法は、少なくとも1つの電極が形成された電極基板と、前記電極基板の電極に対して接離可能に対向配置された共通電極としての振動板とを備え、前記電極基板の電極と前記振動板との互いの対向面のいずれかの面にエレクトレット化された絶縁膜が形成されていて、前記振動板が液滴を溜めて吐出させる圧力室の底面を構成し、前記圧力室がノズルに連通している液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、待機時には、前記振動板と前記電極基板の電極を同電位に保持して、前記振動板を前記電極基板の電極に前記絶縁膜を介して当接保持し、液滴吐出時には、前記エレクトレットによる電界を相殺するように前記振動板と前記電極基板の電極との間に駆動パルス電圧を印加して前記振動板を自身の復元力により前記電極から離脱させ、その後前記駆動パルス電圧を解除して前記振動板を前記電極に接触した状態に復帰させ、
エレクトレットのリフレッシュ時には、前記振動板と前記電極基板の電極との間に前記駆動パルス電圧による電界とは逆方向の電界を生じさせるリフレッシュパルス電圧を所定の間隔で印加する、ようにしたものである。
このように液滴吐出ヘッドを駆動することで、低電圧駆動で大きな振動板変位量を得ることが可能となり、小型で高密度な液滴吐出ヘッドが利用可能となる。また、液滴吐出後の圧力室内の残留振動を、振動板が個別電極に吸引復帰した状態で減衰させるので、効率的に減衰して、液滴吐出の周波数を高くできる。さらに、リフレッシュパルス電圧を所定の間隔で印加することで、エレくトレットの分極の減極も定期的に回復されるため、液滴吐出ヘッドの長期的な使用も可能となる。
なお、前記振動板が前記電極基板の電極から離脱して振動する際に、該電極側に接近した位置で前記駆動パルス電圧の放電が行われるように、該駆動パルス電圧のパルス幅が調整されていることが好ましい。これにより、低電圧で効率良く駆動でき安定した液滴吐出が可能となる。
また、前記リフレッシュパルス電圧は、前記駆動パルス電圧より高い電圧値でかつパルス幅が大きいものとすることが好ましい。これにより、エレクトレットの分極の減極の回復度をより向上させることができる。
実施の形態1.
(静電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッドの構造)
図1は、本発明の実施の形態1の静電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッドの分解斜視図である。図2は、図1に示す液滴吐出ヘッドの縦断面図である。
実施の形態1の液滴吐出ヘッド100は、キャビティプレート1、電極基板2及びノズルプレート3が積層されて構成されている。キャビティプレート1は、例えば単結晶シリコン基板(以下、単にシリコン基板という)からなり、以下に示す所定の加工が施されている。なお、ここでは、キャビティプレート1として(110)面方位のシリコン基板を使用している。キャビティプレート1には、シリコン基板を異方性ウェットエッチングすることにより、底壁が振動板4として形成された圧力室5となる凹部5aと、各圧力室5に供給すべき液滴を溜めるリザーバ6を構成する凹部6aとが形成されている。キャビティプレート1の端部には電極端子7が形成され、電極端子7は図2に示す駆動回路23と接続されている。
振動板4は、ここでは高濃度のボロン・ドープ層から形成されている。このボロン・ドープ層は、ボロンを高濃度(約5×1019atoms/cm3以上)にドープして形成されており、例えばアルカリ性水溶液で単結晶シリコンをエッチングしたときに、エッチング速度が極端に遅くなるいわゆるエッチングストップ層となっている。ボロン・ドープ層がエッチングストップ層として機能することで、振動板4の厚み及び圧力室5の容積を高精度で形成することができる。なお、この振動板4は、例えば厚さ1〜3μmで形成されている。この振動板4は、各圧力室5に対応する共通電極として機能する。
また、キャビティプレート1の電極基板2側の面全体には、絶縁膜40が形成されている。この絶縁膜40は、例えば厚さ100nmのシリコン酸化膜(SiO2)であり、振動板4と後述の個別電極11との短絡及び絶縁破壊を防止するためのものとして形成されている。本実施の形態1では、更に、この絶縁膜40の個別電極11と対向する部分がエレクトレット化(電気分極を有する誘電体)されており、電圧を印加しない状態で所定の電荷量を帯電している。以下、絶縁膜40のうちのエレクトレット化された部分をエレクトレット部40eと称する。
このエレクトレット部40eは、外部から電圧が印加されず、外部に電界が存在しない状態で分極を保持し、周囲に対して電界を形成する作用を有するものである。このエレクトレット部40eによる電界によって発生する吸引力により、図2に示すように、待機状態(初期状態)において、振動板4が個別電極11に接離可能に当接した状態とされている。なお、絶縁膜40のエレクトレット化については後述する。
電極基板2は、例えば厚さが1mmのホウ珪酸ガラスからなり、キャビティプレート1の振動板4側に接合されている。この電極基板2には、振動板4との間にギャップ10を構成する例えば深さが0.2μmの電極用凹部10aがエッチングにより形成されている。そして、この電極用凹部10aの内部には、振動板4に対向する1以上の個別電極11が形成されている。各個別電極11は、リード部及び端子部13(図1参照)を介して駆動回路23に接続されている。個別電極11は、酸化錫をドープしたITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)等からなり、例えばスパッタにより厚さ0.1μmで形成されている。そして、この個別電極11とキャビティプレート1の振動板4とが、静電アクチュエータを構成している。
また、電極基板2には、リザーバ6に液滴を供給するための液体供給口17が設けられている。さらに、振動板4と個別電極11との間のギャップ10は封止材10bによって封止されている。なお、電極基板2はホウ珪酸ガラスではなくシリコン基板で形成してもよい。
ノズルプレート3は、例えば厚さ180μmの単結晶シリコン基板からなり、ノズルプレート3の厚さ方向に貫通するノズル20が形成されている。ノズル20は、ノズルプレート3の下面側が圧力室5に連通し、ノズルプレート3の上面側が液滴を吐出するための開口部となっている。このノズル20は、ノズルプレート3の上面側が横断面の面積の小さい第1の溝20aからなり、ノズルプレート3の下面側が横断面の面積の広い第2の溝20bとなっており、階段状の2段ノズルとなっている。また、ノズルプレート3の下面には、圧力室5とリザーバ6を連通するためのオリフィス21となる凹部21aと、リザーバダイヤフラム22を設けるための凹部22aが設けられている。また、ノズルプレート3の上面のリザーバダイヤフラム22に対応する部分は凹部になっている。このようにしてリザーバダイヤフラム22の部分を薄くすることにより、ノズル20間でのリザーバ6を介した圧力干渉を防止し、駆動するノズル本数によらず液滴の吐出が安定して行えるようになっている。
なお、実際にはノズルプレート3の外表面全体にシリコン酸化膜が形成されているが、図1及び図2においてその図示は省略している。また、図1では、ノズル20及び圧力室5が2列に並んだインクジェットヘッドを示しているが、ノズル20及び圧力室5が1列に並んだものであってもよい。また、図1及び図2では、吐出方式がノズルプレート3に平行に液滴を吐出するフェイスイジェクトタイプのものを例に挙げて説明したが、サイドイジェクトタイプのものであってもよい。
次に、液滴吐出ヘッド100の静電アクチュエータ部分の動作を説明する。図3は、図2の液滴吐出ヘッドの静電アクチュエータ部分、すなわち、振動板4、絶縁膜40、絶縁膜のエレクトレット部40e、個別電極11部分における電荷状態の模式図であり、図3(a)は待機時、図3(b)は駆動時の場合を示している。
図3(a)に示すように、絶縁膜40は正極と負極に永久的に分極されて帯電した状態にあるエレクトレット部40eを有している。そして、上述したように待機時では、エレクトレット部40eが発生する電界による吸引作用により、振動板4は絶縁膜40を介して個別電極11に吸引されて当接した状態にある。図示の例では、エレクトレット部40eの個別電極11側表面が−の電荷を有しているため、それに接触している個別電極11のエレクトレット部40e側表面に+の電荷が出現し、一方、振動板4のエレクトレット部40e側表面に−の電荷が出現した状態を模式的に示している。
ここで、振動板4に+の電圧を印加すると、図3(b)に示すように、エレクトレット部40eが作り出している電界(上向きの矢印)を相殺する電界(下向きの矢印)が静電アクチュエータ内に形成され、これにより振動板4は自身の復元力により個別電極11から離脱し、振動板4の圧力室5対応部分と個別電極11との間にもギャップ10が生じる。なお、実際には電界は相殺されているので、ギャップ10内では電界は発生していないことになる。
図4は、静電アクチュエータへの印加電圧と、静電アクチュエータの静電容量との関係を示した図で、図4(a)は、絶縁膜40をエレクトレット化していない場合、図4(b)は絶縁膜40をエレクトレット化した場合を示している。ここでは、個別電極11をGND電位とし、共通電極に正電圧を印加している。
図4(a)に示すエレクトレット化前では、電圧を上げることにより静電容量が上昇しているのに対し、図4(b)に示すエレクトレット化後では、電圧を上げることにより静電容量が徐々に低下し、約15V印加したところで最小となっている。すなわち、振動板4を個別電極11に引き寄せるための静電気力が最小となるときの電圧を静電アクチュエータに印加することにより振動板4を自身の復元力により個別電極11から離脱させる動作を行わせることが可能となる。
このように、本例の静電アクチュエータは、振動板4が個別電極11に当接した状態から、個別電極11から離脱する動作を行うことにより所定の動作(液滴吐出ヘッドの場合には液滴吐出動作)を行うアクチュエータであることを鑑みると、図4(a)に示すエレクトレット化前では、駆動電圧として約20V必要なのに対し、図4(b)に示すエレクトレット後では15Vで済む。このように、絶縁膜40をエレクトレット化してエレクトレット部40eを設けることにより、低電圧駆動が可能な小型の静電アクチュエータを構成できる。
なお、このような静電アクチュエータにおけるエレクトレットの永続性に対する対応については後述する。
(静電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッドの制御方法)
次に、上記構成の静電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッド100の制御方法を説明する。ここでは、図5の液滴吐出のための液滴吐出ヘッド100の制御方法の説明図、図6の電極リフレッシュのための液滴吐出ヘッド100の制御方法の説明図を参照しながら説明する。
図5、図6に示すように、駆動回路23の最も基本的な構成は、電源31と、充放電抵抗32と、電源31の電極を切替える第1切替スイッチ(充放電用)33A及び第2切替スイッチ(リフレッシュ用)33Bとで可能となる。駆動回路23のこれらの切替スイッチ33A,33Bの切替えに応じて、静電アクチュエータは待機時、充電時(液滴吐出時)、放電時(振動板復帰時)、リフレッシュ時の各状態の間で切り替わる。
図5(a)、図6(a)に示すように、待機状態では、第1切替スイッチ33Aと第2切替スイッチ33BがともにGND電位で短絡された状態となっており、振動板(共通電極)4と個別電極11とが同電位(GND電位)とされている。この待機状態においては、エレクトレット部40eの作用により、振動板4の圧力室5部分が個別電極11側に引き寄せられて当接した状態となっている。これにより圧力室5はその容積が拡大して、ノズル20にはメニスカスが形成されて圧力室5内に液体が保持されている。この待機状態の電荷分布状態は図3(a)に示したとおりである。
次に、図5(b)に示すように、第1切替スイッチ33Aを電源31の正極側に切替えて、振動板4側を+電位とすると、振動板4側には+電荷が充電され、個別電極11側には−電荷が充電され、振動板4が自身の復元力により個別電極11から離脱する。これにより、圧力室5内の液体に圧力が発生し、この圧力室5内の圧力によりノズル20から液滴が吐出される。この液滴吐出時の電荷分布状態は図3(b)に示したとおりである。
液滴吐出後、圧力室5内の残留振動(1周期〜2周期)に合わせて、第1切替スイッチ33Aを電源31の負極側に切替えると、動電荷が放電して振動板4と個別電極11とが再び同電位となる。その結果、図5(c)に示すようにエレクトレット部40eの作用により振動板4は個別電極11側に引き寄せられて待機状態に復帰する。これにより圧力室5の容積は拡大し、リザーバ6の内部に溜まっていたインク等の液滴がオリフィス21を通じて圧力室5に流れ込み、ノズル20からもメニスカスを引き込む。この後、更にメニスカスはその表面張力と圧力室5内の残留振動によりノズル20表面側に吐出液体を引き戻し、ノズル20の開口位置に復帰する。これにより、次の液滴吐出が可能となる。
第1切替スイッチ33Aを電源31の正極側から負極側に切替えるタイミングは、上述したように圧力室5の残留振動に合わせるものとする。すなわち、液滴吐出後、振動板4は再び個別電極11側に向けて移動し、その後、個別電極11から離れる方向に向けて再度移動するという振動を繰り返している。従って、このタイミングは、振動板4が個別電極11に接近するタイミングとするのが好ましく、振動板4が個別電極11に最接近するタイミングが特に好ましくい。このタイミングは、換言すれば液滴の吐出動作が完了したタイミングであり、このタイミングで振動板4を待機状態に復帰させるようにすることで、安定した液滴吐出が可能となる。
一方、静電アクチュエータのエレクトレットの減極(永久分極の低下)を補い、安定的に駆動させるために、静電アクチュエータのリフレッシュ(永久分極の回復)を行う必要がある。このリフレッシュを行うためには、図6に示すように、振動板4と個別電極11がGND電位で短絡されている待機状態(図6(a)の状態)から、第2切替スイッチ33Bを電源31の正極側に切替えて(図6(b)の状態)、個別電極11を+電位、振動板(共通電極)4をGND電位として、絶縁膜40のエレクトレットの分極方向と順方向であって、駆動時の印加電界とは逆方向の電界を生じるリフレッシュ電圧を、振動板4と個別電極11とに印加する。振動板4と個別電極11とにこのような電圧を約1秒程度印加すると、絶縁膜40の内部では、図7に示すように、永久分極に加えて更に誘電分極が生じ、これにより永久分極は分極方向が均一となる。結果として、減極していた永久分極分が復活し、電圧印加を解除すると、エレクトレットはリフレッシュされた状態となる。なお、この間、振動板4は個別電極11から離脱することがなく、リフレッシュ動作が終了するため、インク液滴の吐出は行われない。リフレッシュ電圧を約1秒程度印加した後、第2切替スイッチ33Bを電源31の負極側に切替えて待機状態に戻し(図6(a)の状態)、静電アクチュエータを通常の動作が可能な状態にする。
なお、上記リフレッシュの動作中に、別途電極ガラス底面に設けられたヒータにより電極部を加熱してもよい。加熱により、より効率的にエレクトレットの分極の減極を回復させることが可能となる。
また、上記のリフレッシュはインクジェットヘッドの駆動と休止の間に適時行うものとする。例えば、タイマを利用して10日に1回、あるいはカウンタを利用して1000万回の駆動に1回の程度でリフレッシュを行うようにすることができる。
以上説明したように本実施の形態1によれば、振動板4と個別電極11との間の絶縁膜40をエレクトレット化しておき、エレクトレット部40eの作用により振動板4が個別電極11に当接保持された状態を初期状態(待機状態)とするようにしたので、液滴を吐出させる際には、単に、振動板4が個別電極11から離脱するのに要する電圧(エレクトレット部40eによる電界によって発生する吸引力を解消するだけの電圧)を印加するだけで良く、低電圧駆動が可能となる。すなわち、圧力室5内の液滴圧力の影響を受けつつ振動板4を個別電極11側に引き寄せるのに要する電圧に比べて低電圧で駆動することが可能となる。従って、低電圧駆動で必要十分な大きな振動板変位量を得ることが可能となり、その結果、液滴吐出ヘッド100の小型化及び圧力室5の高密度化が可能となる。
また、吐出動作終了後、振動板4は待機状態に復帰して個別電極11に吸引保持された状態となるため、圧力室5の流路のコンプライアンスが小さい状態となっている。したがって、液滴吐出後の残留振動が収束するまでの時間を短くすることが可能となり、メニスカスの復帰を素早く行うことが可能となる。これにより、次の吐出までの時間間隔を短時間化することが可能となり、液滴吐出ヘッド100を高い駆動周波数で高速駆動させることが可能となる。
さらに、電極のリフレッシュによりエレクトレット化された状態の持続性が担保されたため、長時間、多回数での駆動に対しても、その作用、効果に変化がなく、安定した動作を確保あるいは安定したインク吐出を確保して、駆動耐久性にも優れた静電アクチュエータを実現することができる。また、振動板の変位量を大きくし、コンプライアンスを小さくして、出力密度の高い静電アクチュエータを得ることが可能となる。従って、その静電アクチュエータを用いたインクジェット記録装置やデバイスでも同様な効果を得ることができる。特に、同静電アクチュエータを適用したインクジェットヘッドの小型化、高密度化を容易に実現可能である。
実施の形態2.
(インクジェットヘッドの駆動回路及びそれによる駆動方法)
次に、駆動回路23の実際的な構成例を説明する。図8は液滴吐出ヘッドの駆動回路23として、インクジェットヘッド100aの駆動回路23aの構成を示すブロック図である。ここでは、充放電の速度を調節する充放電抵抗の代わりに、電圧パルス生成部を備えて、それにより充放電速度(電圧上昇時の傾き及び電圧降下時の傾き)を制御するようにしている。
この駆動回路23aは、CPU41を備えており、CPU41には内部バスを介してROM42、RAM43およびデータジェネレータ(D/G)44が接続されている。ROM42内には制御プログラムが格納されており、CPU41は、RAM43内の記憶領域を作業領域として用いてROM42内に格納されている制御プログラムを実行し、インクジェットヘッド100aの駆動制御を行う。
電源45は、外部の電源に接続されてヘッド駆動用の高電圧(Hv)と、駆動回路23a各部のための電源電圧(TTL)と、GND電位とを発生させる。ヘッド駆動用の高電圧(Hv)は電圧パルス生成部46とノズル選択用IC47とに供給される。電源電圧(TTL)はCPU41、データジェネレータ(D/G)44、電圧パルス生成部46、ノズル選択用IC47、アナログ・ディジタル変換器(A/D)48、ゲートアレイ(G/A)49、クロック発生部(CLK)50等に供給されている。
また、インクジェットヘッド100aには、振動板4に対して電圧パルス生成部46から駆動電圧パルスVpまたはGND電位が供給され、個別電極11に対してノズル選択用IC47からリフレッシュ電圧パルスVp2、非駆動電圧パルスVpまたはGND電位が供給される。なお、電圧パルスVpとVp2は高電圧Hv以下の値である。また、ノズル20の選択は実際には各ノズルに対応する個別電極11の選択により行っている。
CPU41には、図示しない外部装置からI/Oを介して駆動情報である印刷情報が供給され、CPU41はその印刷情報をデータジェネレータ44に出力する。
データジェネレータ44は、CPU41からの印刷情報に基づいて、制御データ(ここでは画像や文字のパターンデータ)を生成し、ゲートアレイ49に出力する。
ゲートアレイ49は、データジェネレータ44からパターンデータを受け取り、各ノズル20のデータの論理を生成し、ノズル選択用IC47に供給する。ノズル選択用IC47は、ゲートアレイ49からシリアルデータを受けて、各ノズル20のパラレルデータに変換して、各ノズル20の駆動または非駆動と、電圧パルス生成部46で生成された電圧パルスVp、Vp2またはGND電位とを選択して、個別電極11に出力する。なお、各電圧の具体的な値は、例えば、Hv=45V、Vp=30V、Vp2=40V、TTL=5Vである。
CPU41は、各パルス電圧のパルス長、電圧値、充電時間、及び放電時間等のパルス信号波形生成条件に関する制御信号を、A/D変換器48に出力する。A/D変換器48は、CPU41からの制御信号を変換して、電圧パルス生成部46に出力する。
電圧パルス生成部46は、A/D変換器48からのデータに基づいて駆動電圧パルスVp、リフレッシュ電圧パルスVp2、及びGND電位を生成し、生成した各電圧パルスのうちの所定のパルスを、振動板4と個別電極11に供給している。振動板4及び個別電極11に対する供給電圧は、静電アクチュエータの状態との関係で表1のように表すことができる。なお、個別電極11への電圧供給はノズル選択用IC47を介して行なわれる。
Figure 2007105971
ノズル選択用IC47には、駆動制御信号、GND電位、駆動電圧パルスVp、リフレッシュ電圧パルスVp2が供給され、また、クロック発生部(CLK)50からクロック信号が供給される。ノズル選択用IC47は、駆動制御信号に基づいて駆動電圧パルスVp又は接地電位GNDを選択し、各ノズル20に対応する個別電極11に印加する。具体的には、駆動ノズル(液滴を吐出させるノズル)20にはGND電位を供給し、振動板4との間に電位差を生じさせて液滴吐出を実施させ、非駆動ノズル(液滴を吐出させないノズル)20には駆動電圧パルスVpを供給して電位差を与えないようにしている。これにより駆動ノズル20から液滴吐出が行われ、非駆動ノズル20からは液滴吐出が行われないように制御される。
ゲートアレイ49からノズル選択用IC47に供給される駆動制御信号は、具体的には各ノズル20への印字データの有無を示す論理(例えば印字データがある場合高論理H、無い場合低論理L)であり、シリアルデータで構成される。ノズル選択用IC47は、シリアルで供給されたデータをパラレルデータに変換し、そのパラレルデータ信号に基づいて駆動電圧パルスVp又は接地電位GNDを選択して、各ノズル20に対応する個別電極11にそれらを印加している。
さらに、振動板4を個別電極11から離脱させた電界とは逆方向の電界を生じさせるリフレッシュ電圧Vp2を、所定の間隔で全ての個別電極11に印加する。このとき振動板4はGND電位とされる。これにより絶縁膜40に形成されているエレクトレットの分極の経時的な減極が回復される。
図9は振動板と個別電極との間に印加される駆動電圧パルスVpの波形を示した図、図10は振動板と個別電極との間に印加されるリフレッシュ電圧パルスVp2の波形を示した図である。図9、図10において、横軸は時間、縦軸は電圧を示している。また、駆動電圧パルスVpの1パルス毎に1回のインク液滴の吐出動作が行われる。
駆動電圧パルスVpは充電部分P1と、電圧保持部分P2、放電部分P3とからなる。インクジェットヘッドの駆動時には、振動板4にVpを供給し、個別電極11にはGND電位を供給して静電アクチュエータに電荷を供給(充電)し、振動板4を個別電極11から離脱させて、圧力室5内に圧力を発生させて、ノズル20からインク液滴を吐出させる。そして、振動板4と個別電極11との電位差を保ち続け(電圧保持部分P2)、振動板4を自由振動させた状態とする。その後、振動板4と個別電極11との間の電荷を放電する(放電部分P3)。これにより、振動板4はエレクトレット部40eの作用により個別電極11側に引き寄せられて再び当接し、待機状態に復帰する。上記放電は、ノズル20や圧力室5などのインク流路の固有振動周期に合わせたタイミングで行い、振動板4を個別電極11に吸引して当接させる。その際、充電終了から放電終了までの時間(パルス幅Pw)を調節して、効率良く(より低い電圧で)かつ安定してインク液滴を吐出させる。
リフレッシュ電圧パルスVp2は、エレクトレットの分極の減衰を回復させるための電圧パルスで、駆動電圧パルスVpよりも高い電圧値と、長いパルス幅を有している。これにより、静電アクチュエータの絶縁膜のリフレッシュを行う。リフレッシュを行う場合は、振動板4にはGND電位を、個別電極11にはその全てにVp2のリフレッシュ電圧パルスを与える。
このように液滴流路の固有振動周期に基づき決定されたパルス幅pwを有する駆動電圧パルスVpを印加するようにすることで、低電圧で効率良く駆動でき安定したインク吐出が可能となる。したがって、これを利用したインクジェットヘッドによれば、安定した印字動作が可能となり印字品質の向上が図れる。
次に、実施の形態1の静電アクチュエータを搭載した液滴吐出ヘッド100の製造方法について、図11を参照して説明する。図11は、絶縁膜をエレクトレット化するためのエレクトレット工程の説明図である。
図11(a)に示すように、キャビティプレート1、電極基板2及びノズルプレート3を接合して組みたてた状態の接合基板を、ホットプレート60上に断熱材61を介して載置し、内部温度を保持するために接合基板全体をビーカー62で覆う。この状態で、ホットプレート60により液滴吐出ヘッド100全体を加熱して150℃に保持する(加温工程)。なお、ノズルプレート3は接合されていても、されていなくても良い。ノズルプレート3を接合した状態であれば、後工程で熱工程(ノズルプレート3を接合するための接着剤を硬化させるための熱処理(例えば60℃〜150℃で2時間))が加わらないため、静電アクチュエータを安定して製造することが可能となる。
次に、図11(b)に示すように振動板4と個別電極11との間に電圧50Vを印加し、振動板4を個別電極11に当接させた状態とし、その状態で10分〜20分保持する(電圧印加工程)。このとき、ビーカー62内の温度は150℃に保温したままの状態とする。印加する電圧は、振動板4を個別電極11側に引き寄せて当接させた上で絶縁膜40を分極させる必要上、静電アクチュエータの駆動電圧以上とする。本例の液滴吐出ヘッドの構成では、駆動電圧を最高45Vとしているので、ここで印加する電圧は50Vに設定している。そして、図11(c)に示すように、電圧を50Vに保持した状態で、ビーカー62内の温度を室温(25℃)まで除冷し、その後、電圧を解除する(除冷工程)。
以上の処理により、加熱中に分極した状態が永久分極として絶縁膜40に残存し、エレクトレット部40eを有する液滴吐出ヘッド100を製造できる。ここで、キャビティプレート1の下面全体に形成された絶縁膜40のうち、主としてエレクトレット化されるのは、図11(b)の工程で個別電極11と当接した部分であり、この部分がエレクトレット部40eとなる。
上記の製造方法によれば、エレクトレット部40eを形成するに際し、単に加熱する処理と電圧を印加する処理を行うだけなので、容易に製造することが可能となる。なお、キャビティプレート1、電極基板2及びノズルプレート3のそれぞれの製造方法には従来既存の方法を用いることができ、ここではその説明を省略する。
上記各実施の形態では、エレクトレット部40eを個別電極11と対向する振動板4に成膜した絶縁膜40に形成したが、振動板4と対向する個別電極11に絶縁膜を成膜して、その絶縁膜にエレクトレット部を形成してもよい。この場合も上記と同様の製造方法でエレクトレット部を形成することができる。
また、エレクトレット部40eを、本例ではシリコン酸化膜で形成しているが、酸窒化シリコン、酸化タンタル、窒化ハフニウムシリケート、または酸窒化ハフニウムシリケート等の他のエレクトレット化可能な絶縁膜で形成されてもよい。
実施の形態3.
図12は、本発明の実施の形態に係る液滴吐出装置の一例を示す図で、インクジェット記録装置の例を示している。このインクジェット記録装置110は、インク吐出部に液滴吐出ヘッド100又は100aを備えているため、低電圧駆動でありながら大きな振動板変位量を得ることができ、圧力室内の発生圧力を高くすることができる。よって、このインクジェット記録装置は安定した吐出特性を得ることが可能となり、高解像度の印字が可能となる。
なお、実施の形態1に係る静電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッド100は、図12に示したインクジェットプリンタの他に、吐出する液体を種々変更することで、カラーフィルタのマトリクスパターンの形成、有機EL表示装置の発光部の形成、生体液体試料の吐出等を行う液滴吐出装置にも適用することができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータは各種のデバイス、特にマイクロマシンのアクチュエータとしての利用が可能である。それらの具体例を挙げれば、マイクロポンプのポンプ部、光スイッチのスイッチ駆動部、超小型のミラーを多数配置しそれらのミラーを傾けて光の方向を制御するミラーデバイスのミラー駆動部に、更にレーザプリンタのレーザ操作ミラーの駆動部等に本発明に係る静電アクチュエータを適用することができる。
実施形態1の静電アクチュエータを備えた液滴吐出ヘッドの分解斜視図。 図1の液滴吐出ヘッドの概略縦断面図。 実施形態1の静電アクチュエータの待機時と駆動時の電荷状態模式図。 静電アクチュエータへの印加電圧と絶縁膜の静電容量との関係図。 液滴吐出ヘッドの液滴吐出のための駆動方法の原理説明図。 液滴吐出ヘッドの電極リフレッシュのための駆動方法の原理説明図。 静電アクチュエータのリフレッシュ時の電荷状態模式図。 インクジェットヘッドの駆動回路の具体的構成の例示図。 駆動電圧パルスVpの説明図。 リフレッシュ電圧パルスVp2の説明図。 エレクトレット電極の製造工程を示す図。 実施形態1の静電アクチュエータを備えた液滴吐出装置の例示図。
符号の説明
1 キャビティプレート、2 電極基板、3 ノズルプレート、4 振動板、5 圧力室、10 ギャップ、11 個別電極、23,23a 駆動回路、31 電源、32 充放電抵抗、33A 第1切替スイッチ、33B 第2切替スイッチ、40 絶縁膜、40e 絶縁膜のエレクトレット部、100 液滴吐出ヘッド、100a インクジェットヘッド、110 インクジェット記録装置。

Claims (10)

  1. 少なくとも1つの電極が形成された電極基板と、
    前記電極基板の電極に対して接離可能に対向配置された共通電極としての振動板を備え、
    前記電極基板の電極と前記振動板との互いの対向面のいずれかの面にエレクトレット化された絶縁膜が形成されており、
    前記絶縁膜のエレクトレットによる電界によって発生する吸引力により前記振動板が前記電極基板の電極に前記絶縁膜を介して当接され、前記振動板と前記電極基板の電極との間に前記エレクトレットによる電界を相殺する電圧が印加されることで前記振動板が前記電極基板の電極から離脱するものであり、
    前記振動板を前記電極基板の電極から離脱させる電界とは逆方向の電界を生じさせる電圧を、前記振動板と前記電極基板の電極との間に所定の間隔で印加するようにしている、ことを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 前記振動板と前記電極基板の電極とを同電位に保持する制御、前記振動板と前記電極基板の電極との間に前記エレクトレットによる電界を相殺する駆動電圧を印加して解除する制御、及び所定の間隔で前記振動板と前記電極基板の電極との間に前記駆動電圧による電界とは逆方向の電界を生じさせるリフレッシュ電圧を印加する制御、を行う駆動回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記駆動回路は、前記駆動電圧を供給する電極を前記電極基板の複数の電極のうちから選択する選択装置を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の静電アクチュエータ。
  4. 前記絶縁膜は、エレクトレット化されたシリコン酸化膜であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の静電アクチュエータ。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の静電アクチュエータを備え、前記振動板が液滴を溜めて吐出させる圧力室の底面を構成し、前記圧力室がノズルに連通していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項5記載の液滴吐出ヘッドが搭載されていることを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の静電アクチュエータが搭載されていることを特徴とするデバイス。
  8. 少なくとも1つの電極が形成された電極基板と、前記電極基板の電極に対して接離可能に対向配置された共通電極としての振動板とを備え、前記電極基板の電極と前記振動板との互いの対向面のいずれかの面にエレクトレット化された絶縁膜が形成されていて、前記振動板が液滴を溜めて吐出させる圧力室の底面を構成し、前記圧力室がノズルに連通している液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、
    待機時には、前記振動板と前記電極基板の電極を同電位に保持して、前記振動板を前記電極基板の電極に前記絶縁膜を介して当接保持し、
    液滴吐出時には、前記エレクトレットによる電界を相殺するように前記振動板と前記電極基板の電極との間に駆動パルス電圧を印加して前記振動板を自身の復元力により前記電極から離脱させ、その後前記駆動パルス電圧を解除して前記振動板を前記電極に接触した状態に復帰させ、
    エレクトレットのリフレッシュ時には、前記振動板と前記電極基板の電極との間に前記駆動パルス電圧による電界とは逆方向の電界を生じさせるリフレッシュパルス電圧を所定の間隔で印加する、ことを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  9. 前記振動板が前記電極基板の電極から離脱して振動する際に、該電極側に接近した位置で前記駆動パルス電圧の放電が行われるように、該駆動パルス電圧のパルス幅が調整されていることを特徴とする請求項8記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  10. 前記リフレッシュパルス電圧は、前記駆動パルス電圧より高い電圧値でかつパルス幅が大きい、ことを特徴とする請求項8または9記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
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