JP2007105894A - インクジェット記録媒体 - Google Patents
インクジェット記録媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007105894A JP2007105894A JP2005296043A JP2005296043A JP2007105894A JP 2007105894 A JP2007105894 A JP 2007105894A JP 2005296043 A JP2005296043 A JP 2005296043A JP 2005296043 A JP2005296043 A JP 2005296043A JP 2007105894 A JP2007105894 A JP 2007105894A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording medium
- coating
- receiving layer
- polyvinyl alcohol
- antifoaming agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
Abstract
【課題】 バインダーとしてポリビニルアルコールを用いる場合であっても、高い発色性を有し、印字濃度やインク吸収性が高く、印字した際に色ムラなどの画像欠陥の少ないインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】 支持体上に、顔料と結着剤と消泡剤とを含有する塗工液を塗布乾燥してなるインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、該結着剤はポリビニルアルコールを含有し、かつ該消泡剤は脂肪酸エステル系消泡剤である。
【選択図】 なし
【解決手段】 支持体上に、顔料と結着剤と消泡剤とを含有する塗工液を塗布乾燥してなるインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、該結着剤はポリビニルアルコールを含有し、かつ該消泡剤は脂肪酸エステル系消泡剤である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット記録に好適に用いられるインクジェット記録媒体に関する。
一般にインクジェット記録方式は、フルカラー化が容易なこと、印字騒音が少ないことや現像−定着といった処理が不要なことなどから急速に普及し、近年では製版による多色印刷やカラー写真方式による印画に遜色のない画像を得ることができるようになった。この方式はノズルから記録媒体に向けてインクの微小液滴を高速で飛翔、付着させて画像や文字などの記録を行うものであり、インク中には多量の溶媒を含む。従って、記録媒体としては速やかにインクを吸収する必要がある。
また、最近は高解像度のデジタルビデオ、デジタルカメラ、スキャナーおよびパーソナルコンピューターの普及により高精細の画像を取り扱う機会が多くなり、これらのハードコピーをインクジェットプリンターで出力する事が多くなっている。これに伴い記録媒体に対しても要求特性が多様化してきており、中でも銀塩写真に近い画像品質・光沢感などが求められるようになってきている。
このような背景からインクジェット記録媒体には、高い発色性、解像度及び色再現性が必要となり、これに対応するため記録媒体表面にインク受理層を設けて高い発色性・インク吸収性を持たせたインクジェット記録媒体が開発されている。発色性を向上させるためにこれまで様々な方法が提案されており、たとえばインク受容層中にポリビニルアルコールを含有する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、インクジェット記録媒体は、印字した際に画像のムラや白点抜けなどの画像欠陥が無いことが要求されている。これら画像欠陥はインク受容層表面に存在する微小なひび割れや点状の塗布欠陥に起因しており、インク受容層を塗工する際の塗料が発泡しやすい場合、このインク受容層欠陥が多くなる傾向にある。これを解決するため、塗料中に消泡剤を含有することで発泡を抑える方法が提案されている(特許文献2参照)。
またインクジェット記録媒体は、ポスターなどの広告用途や裏面に粘着剤層を設けたラベル用途などへと用途を拡大しており、それに伴って印字画像の耐水性や耐光性などの保存性が高いことといったより高度な特性も要求されるようになってきている。これらの特性を満たした高画質のインクジェット記録用紙を、キャストコート法により製造する方法は既に提案されている(特許文献3,4参照)。
キャストコート法は、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を基紙上に塗工してインク受容層となる塗工層を設け、湿潤して可塑状態の塗工層をキャストドラム(鏡面仕上げの面)に押し当て、光沢仕上げする方法である。この方法は、(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類に一般に分けることができる。
このキャストコート法を用いて光沢面を形成するに際して、光沢層と支持体との間にアンダー層を設けることで、発色性やインク吸収性が向上するという方法も提案されている(特許文献5参照)。
ところで、高い発色性を得ようとポリビニルアルコールをインク受容層中に含有した場合、塗料中においてポリビニルアルコールが含有するOH基と消泡剤との間で水素結合が作用することで増粘などが発生し、塗料安定性が低下するという欠点があった。また消泡剤を用いない場合や消泡効果の薄い消泡剤を用いた場合、インク受容層表面に微小なひび割れや点状の塗布欠陥が発生しやすくなるという欠点があった。また、前述したアンダー層表面に微小なひび割れや点状の塗布欠陥が存在する場合、光沢層を塗工した後にも画像欠陥として現れるため、アンダー層においても欠陥が無いことが要求されている。
従って本発明は、バインダーとしてポリビニルアルコールを用いる場合であっても、高い発色性を有し、印字濃度やインク吸収性が高く、印字した際に色ムラなどの画像欠陥の少ないインクジェット記録媒体を提供することを目的とする。
発明者等は上記課題を解決すべく検討を行った結果、下記の構成により課題を達成できることを見いだした。すなわち、本発明は支持体上に、顔料と結着剤と消泡剤とを含有する塗工液を塗布乾燥してなるインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、該結着剤はポリビニルアルコールを含有し、かつ該消泡剤は脂肪酸エステル系消泡剤であることを特徴とするインクジェット記録媒体。である。
特に、該ポリビニルアルコールが重合度500〜3500のポリビニルアルコールであること、また、該ポリビニルアルコールがケン化度90%以上のポリビニルアルコールであることが好ましい。
さらに、該消泡剤がグリセリンエステル系消泡剤であることが好ましい。
特に、該ポリビニルアルコールが重合度500〜3500のポリビニルアルコールであること、また、該ポリビニルアルコールがケン化度90%以上のポリビニルアルコールであることが好ましい。
さらに、該消泡剤がグリセリンエステル系消泡剤であることが好ましい。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(支持体)
本発明に使用される支持体としては、紙、布、樹脂フィルム、樹脂被覆紙等のシート状のものを好ましく使用することができるが、好ましくは紙(塗工紙、未塗工紙等)を用いる。前記紙の原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。また、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、紙中に填料を含有させると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、填料を含有させることが好ましく、填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。
(支持体)
本発明に使用される支持体としては、紙、布、樹脂フィルム、樹脂被覆紙等のシート状のものを好ましく使用することができるが、好ましくは紙(塗工紙、未塗工紙等)を用いる。前記紙の原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。また、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、紙中に填料を含有させると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、填料を含有させることが好ましく、填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。
(インク受容層)
インク受容層は、顔料と、結着剤としての水溶性高分子と、消泡剤とを少なくとも含有する塗工液を支持体上に塗布乾燥して設ける。
インク受容層は、顔料と、結着剤としての水溶性高分子と、消泡剤とを少なくとも含有する塗工液を支持体上に塗布乾燥して設ける。
1.顔料
本発明で用いる顔料としては、従来の塗工紙に用いられている顔料等、公知の無機又は有機の微粒子を用いることができる。光沢感やインクジェットで記録した際の発色性を損なわない範囲で、例えば合成シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、又は酸化亜鉛等の顔料を用いることができ、これらの顔料を2種類以上併用しても良い。
本発明で用いる顔料としては、従来の塗工紙に用いられている顔料等、公知の無機又は有機の微粒子を用いることができる。光沢感やインクジェットで記録した際の発色性を損なわない範囲で、例えば合成シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、又は酸化亜鉛等の顔料を用いることができ、これらの顔料を2種類以上併用しても良い。
2.結着剤
水溶性高分子は、インク受容層用塗工液の塗工液物性を確保するためのものであり、水溶性高分子が結着剤に含まれないと塗工液の塗工液物性が適度なものとならない。本発明においては、結着剤に用いる水溶性高分子として、透明性が高い結着剤であるポリビニルアルコール(以下、適宜「PVA」と称する)を用いる。ポリビニルアルコールを用いると、印字部の発色濃度が向上するので好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、好ましくは500〜3500である。重合度が500以下の場合には塗工層強度が弱くなる傾向にあり、また重合度が3500以上の場合には塗料粘度が上がるために泡が発生し易くなって欠陥が増える傾向にある。ポリビニルアルコールのケン化度は、好ましくは90%以上である。ケン化度が90%以下の場合には塗料の安定性が悪化する傾向にある。
水溶性高分子は、インク受容層用塗工液の塗工液物性を確保するためのものであり、水溶性高分子が結着剤に含まれないと塗工液の塗工液物性が適度なものとならない。本発明においては、結着剤に用いる水溶性高分子として、透明性が高い結着剤であるポリビニルアルコール(以下、適宜「PVA」と称する)を用いる。ポリビニルアルコールを用いると、印字部の発色濃度が向上するので好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、好ましくは500〜3500である。重合度が500以下の場合には塗工層強度が弱くなる傾向にあり、また重合度が3500以上の場合には塗料粘度が上がるために泡が発生し易くなって欠陥が増える傾向にある。ポリビニルアルコールのケン化度は、好ましくは90%以上である。ケン化度が90%以下の場合には塗料の安定性が悪化する傾向にある。
インク受容層用結着剤中のPVAの配合量は特に制限されないが、塗工層強度、インク吸収性、塗工適性等を具備する点から、顔料100質量部に対して2〜50質量部が好ましく、より好ましくは3〜25質量部である。
3.消泡剤
インク受容層に用いる消泡剤としては、一般に知られている種々の消泡剤としてポリエーテル系、シリカシリコーン系、金属石鹸系、脂肪酸エステル系などのうち、脂肪酸エステル系消泡剤を使用する。ポリエーテル系消泡剤としては、例えばジ−t−アミルフェニキシエタノール、3−ヘプチルセロソルブ、ノニルセロソルブ、3−ヘプチルカルビトール等が挙げられる。シリカシリコーン系消泡剤としては、例えばシリコンオイル、シリコンエマルジョン、シリコン処理粉末、有機変性シリコンオイル、フルオロシリコンオイル等が挙げられる。金属石鹸系消泡剤としては、例えばしてステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カリウムが挙げられる。
脂肪酸エステル系消泡剤としては、例えばグリセリンエステル、ステアリル酸イソアミル、こはく酸ジエステル、ジエチレングリコールジステアレート、オキシエチレンソルビタンモノラウリル酸エステル等が挙げられる。特に脂肪酸エステル系の消泡剤は塗料安定性に優れ、インク受容層表面に微小なひび割れや点状の塗布欠陥が発生しにくくなるので好ましい。市販品としては、例えばサンノプコ(株)製ノプコ1407−K、NopcoChem.Co製のNopco KF等が挙げられる。
脂肪酸エステル系消泡剤の中でも、印字濃度を高めるグリセリンエステル系の消泡剤が特に好ましい。
使用量は塗布液(インク受容層に含有する場合はインク受容層用塗工液)に対して、0.0001〜1質量%(以下wt%と略する)が好ましく、より好ましくは、0.0004〜0.5wt%で使用すると消泡効果が顕著に現れる。
インク受容層に用いる消泡剤としては、一般に知られている種々の消泡剤としてポリエーテル系、シリカシリコーン系、金属石鹸系、脂肪酸エステル系などのうち、脂肪酸エステル系消泡剤を使用する。ポリエーテル系消泡剤としては、例えばジ−t−アミルフェニキシエタノール、3−ヘプチルセロソルブ、ノニルセロソルブ、3−ヘプチルカルビトール等が挙げられる。シリカシリコーン系消泡剤としては、例えばシリコンオイル、シリコンエマルジョン、シリコン処理粉末、有機変性シリコンオイル、フルオロシリコンオイル等が挙げられる。金属石鹸系消泡剤としては、例えばしてステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カリウムが挙げられる。
脂肪酸エステル系消泡剤としては、例えばグリセリンエステル、ステアリル酸イソアミル、こはく酸ジエステル、ジエチレングリコールジステアレート、オキシエチレンソルビタンモノラウリル酸エステル等が挙げられる。特に脂肪酸エステル系の消泡剤は塗料安定性に優れ、インク受容層表面に微小なひび割れや点状の塗布欠陥が発生しにくくなるので好ましい。市販品としては、例えばサンノプコ(株)製ノプコ1407−K、NopcoChem.Co製のNopco KF等が挙げられる。
脂肪酸エステル系消泡剤の中でも、印字濃度を高めるグリセリンエステル系の消泡剤が特に好ましい。
使用量は塗布液(インク受容層に含有する場合はインク受容層用塗工液)に対して、0.0001〜1質量%(以下wt%と略する)が好ましく、より好ましくは、0.0004〜0.5wt%で使用すると消泡効果が顕著に現れる。
4.その他の成分
インク受容層には上記各成分の他、本発明の効果を損なわない限り、公知の顔料や、公知の結着剤を併用することができる。また、その他添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を、適宜インク受容層に配合することもできる。
インク受容層には上記各成分の他、本発明の効果を損なわない限り、公知の顔料や、公知の結着剤を併用することができる。また、その他添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を、適宜インク受容層に配合することもできる。
(製造方法)
支持体上にインク受容層用塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコータ等の公知の塗工機を用いた塗工する方法の中から適宜選択したものが挙げられる。又、上記処理液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
また、乾燥は公知の乾燥機を用いて行うことができる。
支持体上にインク受容層用塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコータ等の公知の塗工機を用いた塗工する方法の中から適宜選択したものが挙げられる。又、上記処理液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
また、乾燥は公知の乾燥機を用いて行うことができる。
(層の構成)
インク受容層は、層の機能分離のために塗工液を2回以上に分けて塗工し、インク受容層を2層以上設けてもよい。また最表面に光沢を有した光沢層を設けたい場合、以下に記述するキャストコート法などを用いることで光沢層を設けることもできる。この光沢層を設ける際に、支持体上に設けてあるインク受容層のことを特にアンダー層と呼称する。アンダー層を設けることで高いインク吸収性を得ることができ、インクジェット媒体の品質向上のためには好ましい。またこのアンダー層表面に微小なひび割れや点状の塗布欠陥が存在する場合、光沢層を塗工した後にも画像欠陥として現れるため、アンダー層においても欠陥が無いことが好ましい。
インク受容層は、層の機能分離のために塗工液を2回以上に分けて塗工し、インク受容層を2層以上設けてもよい。また最表面に光沢を有した光沢層を設けたい場合、以下に記述するキャストコート法などを用いることで光沢層を設けることもできる。この光沢層を設ける際に、支持体上に設けてあるインク受容層のことを特にアンダー層と呼称する。アンダー層を設けることで高いインク吸収性を得ることができ、インクジェット媒体の品質向上のためには好ましい。またこのアンダー層表面に微小なひび割れや点状の塗布欠陥が存在する場合、光沢層を塗工した後にも画像欠陥として現れるため、アンダー層においても欠陥が無いことが好ましい。
(キャストコート法)
高い光沢を有するインクジェット記録媒体を得られるという点から、本発明においては、いわゆるキャストコート法によってインク受容層を設けることが好ましい。キャストコート法は、インク受容層を塗工する面にインク受容層用塗工液を塗布してなる塗工層の表面が湿潤し可塑状態状態にある間に、該塗工層を加熱した金属鏡面(キャストドラム等)に押し当て、光沢仕上げする方法である。
キャストコート法としては、直接法、凝固法、再湿潤法のうちいずれの方法を用いることもできるが、高い光沢を得られるという点からは凝固法が、生産性を向上するという点からは再湿潤法が好ましい。
高い光沢を有するインクジェット記録媒体を得られるという点から、本発明においては、いわゆるキャストコート法によってインク受容層を設けることが好ましい。キャストコート法は、インク受容層を塗工する面にインク受容層用塗工液を塗布してなる塗工層の表面が湿潤し可塑状態状態にある間に、該塗工層を加熱した金属鏡面(キャストドラム等)に押し当て、光沢仕上げする方法である。
キャストコート法としては、直接法、凝固法、再湿潤法のうちいずれの方法を用いることもできるが、高い光沢を得られるという点からは凝固法が、生産性を向上するという点からは再湿潤法が好ましい。
凝固法キャストコート法によってインク受容層を設ける場合は、インク受容層用塗工液をアンダー層上または支持体上に塗工し、塗工層が湿潤状態にある間に、塗工層中の結着剤を凝固(あるいは架橋)する作用を持つ処理液を塗工層上に塗布し、その後、加熱した鏡面に塗工層を圧着し、光沢を付与する。例えば、結着剤としてポリビニルアルコールを用いた場合にはポリビニルアルコールを凝固させる作用を持つ化合物を含有する水溶液であればいずれのものも使用することができる。特に、ホウ酸とホウ酸塩とを含有する処理液が好ましい。ホウ酸とホウ酸塩を混合して用いることにより、適度な固さの凝固状態を得ることが容易となり、良好な光沢感を有するインクジェット記録用のキャストコート紙を得ることができる。
再湿潤法キャストコート法によってインク受容層を設ける場合は、インク受容層用塗工液をアンダー層上または支持体上に塗工及び乾燥し、乾燥状態の塗工層に塗工層中の結着剤を可塑化するする作用を持つ処理液を塗布し、その後加熱した鏡面に塗工層を圧着し、光沢を付与する。再湿潤法キャストコート法の場合は、処理液を塗布する際にインク受容層が乾燥状態になっているため、鏡面ドラム表面を写し取ることが難しく、表面の微小な凹凸が多くなり光沢感は若干落ちる傾向にあるが、塗工速度を他の方法に比較して高くすることが可能になるため、生産性が向上する。
インク受容層の塗工量は、支持体の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができ、通常片面当たり、固形分換算で5〜30g/m2程度とすることができる。記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、インク受容層の塗工量のより好ましい範囲は、10〜20g/m2である。
キャストコート法でインク受容層に光沢を持たせた光沢層とする場合、アンダー層の塗工量は、原紙の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができ、通常片面当たり、固形分換算で5〜30g/m2程度とすることができる。光沢層の塗工量は、アンダー層の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができ、通常片面当たり、固形分換算で5〜30g/m2程度とすることができる。記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、インク受容層の塗工量のより好ましい範囲は3〜15g/m2である。インク受容層の塗工量が30g/m2を超えると、鏡面ドラムからのインク受容層の剥離性が低下し、アンダー層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる場合がある。
キャストコート法でインク受容層に光沢を持たせた光沢層とする場合、アンダー層の塗工量は、原紙の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができ、通常片面当たり、固形分換算で5〜30g/m2程度とすることができる。光沢層の塗工量は、アンダー層の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができ、通常片面当たり、固形分換算で5〜30g/m2程度とすることができる。記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、インク受容層の塗工量のより好ましい範囲は3〜15g/m2である。インク受容層の塗工量が30g/m2を超えると、鏡面ドラムからのインク受容層の剥離性が低下し、アンダー層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる場合がある。
本発明においては、必要に応じてインク受容層を設ける面とは反対側の支持体の表面に筆記性、帯電防止性、防汚性、滑り性等を付与するためのバックコート層を設けることも可能である。
また、インク受容層を形成する塗工液、及びインク受容層をキャストコート形成する際の処理液には、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
<実施例1>
(支持体の製造)
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−に、タルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、及び歩留向上剤0.02部を添加し、抄紙機で抄紙した。抄紙の際、デンプンを片面当り固形分で2.5g/m2となるように両面に塗布して、坪量170g/m2の支持体を得た。
(インク受容層)
この支持体の片面に、ブレードコーターで塗工量が15g/m2となるように塗工液Aを塗工し、140℃で送風乾燥し、インク受容層を形成した。
塗工液A:顔料として、沈降法シリカ(ファインシールX−12:株式会社トクヤマ社製)50部とゲル法シリカ(ミズカシルP−50:水沢化学社製)50部とを配合し、結着剤として完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−117、重合度1700、ケン化度98%、株式会社クラレ製)5部とエチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3150、昭和高分子製、「EVA」と略記する)30部とを配合し、消泡剤としてグリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合し、カチオン性インク定着剤(T−DK129、星光PMC株式会社製)5部、及びカチオン性サイズ剤(SE−2250、星光PMC株式会社製)5部を混合し、固形分25%の塗工液を調製した。
<実施例1>
(支持体の製造)
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−に、タルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、及び歩留向上剤0.02部を添加し、抄紙機で抄紙した。抄紙の際、デンプンを片面当り固形分で2.5g/m2となるように両面に塗布して、坪量170g/m2の支持体を得た。
(インク受容層)
この支持体の片面に、ブレードコーターで塗工量が15g/m2となるように塗工液Aを塗工し、140℃で送風乾燥し、インク受容層を形成した。
塗工液A:顔料として、沈降法シリカ(ファインシールX−12:株式会社トクヤマ社製)50部とゲル法シリカ(ミズカシルP−50:水沢化学社製)50部とを配合し、結着剤として完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−117、重合度1700、ケン化度98%、株式会社クラレ製)5部とエチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3150、昭和高分子製、「EVA」と略記する)30部とを配合し、消泡剤としてグリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合し、カチオン性インク定着剤(T−DK129、星光PMC株式会社製)5部、及びカチオン性サイズ剤(SE−2250、星光PMC株式会社製)5部を混合し、固形分25%の塗工液を調製した。
<実施例2>
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)の配合量を1.0部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)の配合量を1.0部に変更したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例3>
インク受容層用の塗工液Aの結着剤として、完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−117、重合度1700、ケン化度98%、株式会社クラレ製)を配合せず、代わりに完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−124、重合度2400、ケン化度98%、株式会社クラレ製)5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
インク受容層用の塗工液Aの結着剤として、完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−117、重合度1700、ケン化度98%、株式会社クラレ製)を配合せず、代わりに完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−124、重合度2400、ケン化度98%、株式会社クラレ製)5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例4>
インク受容層用の塗工液Aの結着剤として、完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−117、重合度1700、ケン化度98%、株式会社クラレ製)を配合せず、代わりに部分ケン化ポリビニルアルコール(PVA−217、重合度1700、ケン化度88%、株式会社クラレ製)5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
インク受容層用の塗工液Aの結着剤として、完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−117、重合度1700、ケン化度98%、株式会社クラレ製)を配合せず、代わりに部分ケン化ポリビニルアルコール(PVA−217、重合度1700、ケン化度88%、株式会社クラレ製)5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例5>
インク受容層用の塗工液Aの結着剤として、完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−117、重合度1700、ケン化度98%、株式会社クラレ製)を配合せず、代わりに完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−135H、重合度3500、ケン化度99%、株式会社クラレ製)5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
インク受容層用の塗工液Aの結着剤として、完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−117、重合度1700、ケン化度98%、株式会社クラレ製)を配合せず、代わりに完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−135H、重合度3500、ケン化度99%、株式会社クラレ製)5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<実施例6>
インク受容層用の塗工液Aの結着剤として、完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−117、重合度1700、ケン化度98%、株式会社クラレ製)を配合せず、代わりに部分ケン化ポリビニルアルコール(PVA−235、重合度3500、ケン化度88%、株式会社クラレ製)5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
インク受容層用の塗工液Aの結着剤として、完全ケン化ポリビニルアルコール(PVA−117、重合度1700、ケン化度98%、株式会社クラレ製)を配合せず、代わりに部分ケン化ポリビニルアルコール(PVA−235、重合度3500、ケン化度88%、株式会社クラレ製)5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例1>
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合しなかったこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合しなかったこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例2>
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合せず、代わりにポリエーテル系消泡剤(SNデフォーマー480:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合せず、代わりにポリエーテル系消泡剤(SNデフォーマー480:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例3>
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合せず、代わりにシリコン系消泡剤(SNデフォーマー777:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合せず、代わりにシリコン系消泡剤(SNデフォーマー777:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例4>
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合せず、代わりにシリコン系消泡剤(ノプコ8034−L:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合せず、代わりにシリコン系消泡剤(ノプコ8034−L:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例5>
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合せず、代わりに金属石鹸系消泡剤(SNデフォーマー269:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合せず、代わりに金属石鹸系消泡剤(SNデフォーマー269:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例6>
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合せず、代わりに金属石鹸系消泡剤(ノプコDF−122−NS:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
インク受容層用の塗工液Aの消泡剤として、グリセリンエステル系消泡剤(ノプコ1407−K:サンノプコ株式会社製)を配合せず、代わりに金属石鹸系消泡剤(ノプコDF−122−NS:サンノプコ株式会社製)0.5部を配合したこと以外は、実施例1とまったく同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
各実施例及び比較例のインクジェット記録媒体の評価を以下の方法で行った。
(1)塗料安定性
インク受容層塗工液Aの塗料安定性を下記の基準で評価した。評価が△、○であれば実用上問題ない。
○:調整後に一晩静置し、再撹拌した時のB型粘度上昇が1000cps以下のもの
△:調整後に一晩静置し、再撹拌した時のB型粘度上昇が1000cps以上のもの
×:調整後に一晩静置し、再撹拌しても凝集物が残るもの
B型粘度の測定は、JIS Z8803に準じて、B型粘度計(BM型VISCOMETER:TOKIMEC INC.製)を用いて行った。
(1)塗料安定性
インク受容層塗工液Aの塗料安定性を下記の基準で評価した。評価が△、○であれば実用上問題ない。
○:調整後に一晩静置し、再撹拌した時のB型粘度上昇が1000cps以下のもの
△:調整後に一晩静置し、再撹拌した時のB型粘度上昇が1000cps以上のもの
×:調整後に一晩静置し、再撹拌しても凝集物が残るもの
B型粘度の測定は、JIS Z8803に準じて、B型粘度計(BM型VISCOMETER:TOKIMEC INC.製)を用いて行った。
(2)消泡効果
インク受容層塗工液Aの消泡効果を下記の基準で評価した。
○:下記評価試験の後の液面の高さが、元の液面の高さの150%以下のもの
△:下記評価試験の後の液面の高さが、元の液面の高さの150〜200%のもの
×:下記評価試験の後の液面の高さが、元の液面の高さの200%以上のもの
消泡効果の測定は、500mlメスシリンダーに28%に調整した塗工液A250mlを採り、塗料中に木下式ガラスボールフィルター(502G、粒子番号NO.2:木下理化工業(株)製)を入れ、空気を5L/min.で5分間送って発泡させた時の、液面の高さを測定した。
インク受容層塗工液Aの消泡効果を下記の基準で評価した。
○:下記評価試験の後の液面の高さが、元の液面の高さの150%以下のもの
△:下記評価試験の後の液面の高さが、元の液面の高さの150〜200%のもの
×:下記評価試験の後の液面の高さが、元の液面の高さの200%以上のもの
消泡効果の測定は、500mlメスシリンダーに28%に調整した塗工液A250mlを採り、塗料中に木下式ガラスボールフィルター(502G、粒子番号NO.2:木下理化工業(株)製)を入れ、空気を5L/min.で5分間送って発泡させた時の、液面の高さを測定した。
(3)ベタ部印字評価
塗工後のインク受容層の表面欠陥状態をインクジェットプリンター(PM―950C:エプソン株式会社製の商品名)を用いて、インクジェット記録媒体上に所定のパターンを印字記録し、シアンインクを用いたベタ印字部を下記の基準によって目視評価した。評価が△、○であれば実用上問題ない。
○:鮮やか
△:若干ムラがあり鮮やかさが劣る
×:点状のシロ抜けやムラが目立ち、鮮やかに見えない
B型粘度の測定は、JIS Z8803に準じて、B型粘度計(BM型VISCOMETER:TOKIMEC INC.製)を用いて行った。
塗工後のインク受容層の表面欠陥状態をインクジェットプリンター(PM―950C:エプソン株式会社製の商品名)を用いて、インクジェット記録媒体上に所定のパターンを印字記録し、シアンインクを用いたベタ印字部を下記の基準によって目視評価した。評価が△、○であれば実用上問題ない。
○:鮮やか
△:若干ムラがあり鮮やかさが劣る
×:点状のシロ抜けやムラが目立ち、鮮やかに見えない
B型粘度の測定は、JIS Z8803に準じて、B型粘度計(BM型VISCOMETER:TOKIMEC INC.製)を用いて行った。
得られた結果を表1及び表2に示す。
表1、表2から明らかなように、各実施例のインクジェット記録媒体の場合、塗料安定性、消泡効果、ベタ部印字評価の全てにおいて問題が無く、高い評価が得られた。
一方、インク受容層用の塗工液Aの消泡剤を含有しなかった比較例1の場合、ベタ部の印字で白点ヌケを生じたために良好なインクジェット記録媒体が得られなかった。塗工液中の泡がインク受容層を形成した後も点状の塗布欠陥として残ったために、白点ヌケが生じたものと考えられる。
一方、インク受容層用の塗工液Aの消泡剤を含有しなかった比較例1の場合、ベタ部の印字で白点ヌケを生じたために良好なインクジェット記録媒体が得られなかった。塗工液中の泡がインク受容層を形成した後も点状の塗布欠陥として残ったために、白点ヌケが生じたものと考えられる。
また、比較例2〜4の場合、一晩静置した後に再撹拌しても凝集物が残ってしまった。用いた消泡剤と結着剤として用いたポリビニルアルコールとの間で水素結合力が大きくなるため、塗料の安定性が劣ったものと考えられる。
また、比較例5、6の場合、ベタ部の印字で白点ヌケを生じたために良好なインクジェット記録媒体が得られなかった。消泡剤によって生じたハジキによってインク受容層を形成した後も点状の塗布欠陥として残ったために、白点ヌケが生じたものと考えられる。
また、比較例5、6の場合、ベタ部の印字で白点ヌケを生じたために良好なインクジェット記録媒体が得られなかった。消泡剤によって生じたハジキによってインク受容層を形成した後も点状の塗布欠陥として残ったために、白点ヌケが生じたものと考えられる。
Claims (4)
- 支持体上に、顔料と結着剤と消泡剤とを含有する塗工液を塗布乾燥してなるインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、該結着剤はポリビニルアルコールを含有し、かつ該消泡剤は脂肪酸エステル系消泡剤であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
- 該ポリビニルアルコールは重合度500〜3500のポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録媒体。
- 該ポリビニルアルコールはケン化度90%以上のポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のインクジェット記録媒体。
- 該消泡剤はグリセリンエステル系消泡剤であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のインクジェット記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005296043A JP2007105894A (ja) | 2005-10-11 | 2005-10-11 | インクジェット記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005296043A JP2007105894A (ja) | 2005-10-11 | 2005-10-11 | インクジェット記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007105894A true JP2007105894A (ja) | 2007-04-26 |
Family
ID=38032143
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005296043A Pending JP2007105894A (ja) | 2005-10-11 | 2005-10-11 | インクジェット記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007105894A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018066474A1 (ja) * | 2016-10-06 | 2018-04-12 | コニカミノルタ株式会社 | 記録媒体、記録物および画像形成方法 |
-
2005
- 2005-10-11 JP JP2005296043A patent/JP2007105894A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018066474A1 (ja) * | 2016-10-06 | 2018-04-12 | コニカミノルタ株式会社 | 記録媒体、記録物および画像形成方法 |
JPWO2018066474A1 (ja) * | 2016-10-06 | 2019-07-18 | コニカミノルタ株式会社 | 記録媒体、記録物および画像形成方法 |
JP7028180B2 (ja) | 2016-10-06 | 2022-03-02 | コニカミノルタ株式会社 | 記録媒体および画像形成方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008246990A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP5455280B1 (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP4893313B2 (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JP6605960B2 (ja) | インクジェット記録媒体及びその製造方法 | |
JP2005280147A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP5463176B2 (ja) | インクジェット記録用光沢紙及びその製造方法 | |
CN100413699C (zh) | 喷墨记录用纸 | |
JP2007105894A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP5745333B2 (ja) | インクジェット記録シートの製造方法 | |
JP2002248850A (ja) | インクジェット記録用キャスト光沢紙及びその製造方法 | |
JP4380626B2 (ja) | 光沢インクジェット記録用紙の製造方法 | |
JP2006281609A (ja) | インクジェット記録用紙及びその製造方法 | |
JP2006240017A (ja) | インクジェット記録材料 | |
JP4150943B2 (ja) | 高光沢のインクジェット記録シート及びその製造方法 | |
JP2002046340A (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JP3704527B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP2007261104A (ja) | インクジェット用記録媒体及びその製造方法 | |
JP2004114535A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP2008073891A (ja) | インクジェット記録用シートの製造方法 | |
JP2006297781A (ja) | インクジェット記録用媒体及びその製造方法 | |
JP2007083631A (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JP2006088663A (ja) | インクジェット用記録媒体 | |
JP2007320040A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP3588761B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP2001096908A (ja) | インクジェット記録シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20080314 |