JP2007104934A - 微生物培養容器及び微生物の培養方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】人手による培養であっても雑菌の混入を確実に防止し、製麹工程等の作業を簡略にし、しかも安価に実施できるようにする。
【解決手段】シート材(2)で形成された変形可能な収容袋(3)を備える。収容袋(3)内へ固体培地(5)を収容するための投入口(4)を密封可能にする。収容袋(3)の略全表面に袋内部と連通している多数のピンホール様通気孔(7)を透設する。収容袋(3)の少なくとも一部を透明材料で形成する。所定の菌類が植え付けられた固体培地(5)を収容袋(3)内に収容し、投入口(4)を密封する。所定温度の雰囲気下に配置して通気培養を行う。通気培養の間に、収容袋(3)を外側から変形させることで固体培地(5)を揉み解すようにして掻き混ぜる。
【選択図】図1
【解決手段】シート材(2)で形成された変形可能な収容袋(3)を備える。収容袋(3)内へ固体培地(5)を収容するための投入口(4)を密封可能にする。収容袋(3)の略全表面に袋内部と連通している多数のピンホール様通気孔(7)を透設する。収容袋(3)の少なくとも一部を透明材料で形成する。所定の菌類が植え付けられた固体培地(5)を収容袋(3)内に収容し、投入口(4)を密封する。所定温度の雰囲気下に配置して通気培養を行う。通気培養の間に、収容袋(3)を外側から変形させることで固体培地(5)を揉み解すようにして掻き混ぜる。
【選択図】図1
Description
本発明は、穀物などの固体培地を用いてカビや放線菌などの微生物を通気培養するための、微生物培養容器と微生物の培養方法に関する。
近年、サトウキビ等の栽培にあっては、地球温暖化の対策として焼畑耕作が制限されてきており、サトウキビ等に付く害虫を駆除するため、微生物を農薬として用いる技術が普及している。これらの微生物農薬は、例えば穀類などの固体培地を用いて培養されたカビや放線菌の胞子などが使用され、培地とともに粉砕してサトウキビなどの農作物に撒布される。この散布された微生物の胞子は、昆虫やクモなどの害虫に付着してこの害虫の体内に菌糸を成長させ、これにより害虫を死滅させる。一方、上記の培養に使用された固体培地も、農作物の肥料として利用される。
従来、上記の微生物を培養する方法としては、底の浅い木製の微生物培養容器、いわゆる麹蓋を使用する方法がある。
即ち、この従来の微生物培養方法では、予め蒸煮した米などの固体培地に種菌などの微生物が接種されて上記の麹蓋に盛られ、所定温度と所定湿度に管理された培養室(いわゆる麹室)に収容される。この麹室内では、固体培地内への通気性の確保や、菌糸の成長による発熱の放散、増殖菌糸の均一化等をはかるため、上記の固体培地を適宜揉み解すように掻き混ぜるとともに上記の麹蓋の上下配置等の移し変えを行いながら、微生物が培養される。
即ち、この従来の微生物培養方法では、予め蒸煮した米などの固体培地に種菌などの微生物が接種されて上記の麹蓋に盛られ、所定温度と所定湿度に管理された培養室(いわゆる麹室)に収容される。この麹室内では、固体培地内への通気性の確保や、菌糸の成長による発熱の放散、増殖菌糸の均一化等をはかるため、上記の固体培地を適宜揉み解すように掻き混ぜるとともに上記の麹蓋の上下配置等の移し変えを行いながら、微生物が培養される。
上記の製麹工程の各作業は、通常人手で行われるが、掻き混ぜ作業などの際に人体から固体培地へ雑菌が侵入しないよう配慮して作業する必要がある。このため、事前に人体を十分に殺菌する必要があるなど、製麹工程の各作業が煩雑で面倒であるうえ、雑菌の侵入を確実に防止することが容易でない。また、上記の麹蓋は底の浅い容器であるため、移し変え作業などはその麹蓋の姿勢が傾かないように作業する必要があり、ハンドリング作業が容易でない問題もあった。これを解消するため、上記の製麹工程を機械化することも提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、この場合には設備が大形で複雑となり、安価に実施できない問題があった。
本発明は上記の問題点を解消し、人手による培養であっても雑菌の混入を確実に防止できるうえ製麹工程等の作業を簡略にでき、しかも安価に実施できる、微生物培養容器と微生物の培養方法の提供を技術的課題とする。
本発明は上記の課題を解決するために、例えば本発明の実施の形態を示す図1に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
即ち、本発明1は微生物培養容器に関し、シート材(2)で形成された変形可能な収容袋(3)を備え、この収容袋(3)内へ固体培地(5)を収容するための投入口(4)が密封可能に構成してあり、この収容袋(3)にはその表面の略全体に亙って、袋内部と連通している多数のピンホール様通気孔(7)が透設してあることを特徴とする。
即ち、本発明1は微生物培養容器に関し、シート材(2)で形成された変形可能な収容袋(3)を備え、この収容袋(3)内へ固体培地(5)を収容するための投入口(4)が密封可能に構成してあり、この収容袋(3)にはその表面の略全体に亙って、袋内部と連通している多数のピンホール様通気孔(7)が透設してあることを特徴とする。
また、本発明2は微生物の培養方法に関し、略全面に亙って多数のピンホール様通気孔(7)が透設された変形可能な収容袋(3)内に所定の菌類が植え付けられた固体培地(5)を収容して、この収容袋(3)の投入口(4)を密封し、上記の収容袋(3)を所定温度の雰囲気下に配置して通気培養を行い、上記の通気培養の間に、上記の収容袋(3)を外側から変形させることで上記の固体培地(5)を掻き混ぜることを特徴とする。
上記の植菌された固体培地は、上記の掻き混ぜにより通気性が確保されるとともに、菌糸の成長による発熱が放散されて所定の温度に保持され、また、成長した菌糸が均一に分散される。このとき収容袋の投入口は密封されており、作業者は収容袋の外側から固体培地を揉み解すようにこの収容袋を変形させるだけでよく、固体培地に直接接触することがないので、作業中に人体からの雑菌を固体培地へ混入させる虞がない。また、培養室内で上記の収容袋を移動させる際にはこの収容袋の姿勢などを考慮する必要がなく、移し変えなどのハンドリング作業が容易に行われる。
ここで、上記の微生物とは固体培地により通気培養されるカビ類や不完全菌類をいい、具体的には例えば、Aspergillus oryzae、Asp. sojae、Asp. tamari、Asp. awamori、Asp.usamii等のAspergillus sp.、Monascus sp.、Metarhizium anisopliae等のMetarhizium sp.、Beauveria bassiana等のBeauveria sp.、Lecanicilium sp.などのカビ類を挙げることができるが、これらのものに限定されず、他のカビ類や放線菌などの微生物であってもよい。
また本発明で使用される上記の固体培地とは、上記の微生物が培養できるものであればよく、例えば、米、大麦、小麦、大豆、小麦ふすま等を挙げることができるが、これらのものに限定されず、他の固体培地であってもよい。
上記の収容袋を構成するシート材は、袋内に収容した固体培地を掻き混ぜることができる程度に変形が可能であればよく、特定の材質に限定されない。具体的には、合成樹脂や紙、繊維、不織布などで形成したものであってもよいが、蒸煮した穀物などの固体培地を投入できるように、耐水性や100℃以上の耐熱性を備えたものが好ましく、特に、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂などの軟質合成樹脂フィルムが好ましい。
上記のシート材は、不透明であってもよいが、少なくとも一部を透明のシート材で形成すると内部の固体培地の様子を目視することができ、菌糸の成育状況を固体培地の変色で容易に確認することができるので、好ましい。
上記の収容袋に形成される通気孔は、収容袋の表面に規則的に形成してもよく、或いは不規則的に形成してもよいが、全体として均一に形成するのが好ましい。この通気孔の形成方法は特定の方法に限定されず、例えば、一対のローラの表面に細い針を放射状に付設しておき、このローラ間を一回または複数回通過させることで、上記の通気孔を簡単に形成することができる。
上記の通気孔は収容袋内へ必要な酸素を供給できる程度に開口してあればよく、特定の大きさや開口率に設定されず、開口面積と開口率は培養する微生物の種類や固体培地の種類等に応じて適宜設定される。ただし、この開口面積や開口率を過剰に小さくすると充分に酸素を供給することができず、また、開口面積や開口率を過剰に大きくすると水分の蒸発が促進されて袋内の固体培地が乾燥したり、生成された胞子がこの通気孔から飛散したりする虞がある。このため、上記の通気孔は、開口面積を0.01〜2.0mm2に設定すると好ましく、形成数を0.2〜20個/cm2とし、全体の開口率を1.5%以下に設定するのが好ましい。
上記の本発明2において、所定の菌類を植え付けた固体培地を収容袋内に収容する手順としては、予め所定の菌類を植え付けた固体培地を収容袋内へ収容したのち、この収容袋の投入口を密封してもよく、或いは、上記の収容袋内へ固体培地を収容したのち、この固体培地に所定の菌類を植え付けてもよい。上記の収容袋は略全面に亙って多数の通気孔を透設してあるので、例えば、固体培地が収容された収容袋を種麹が混合された液体に浸漬することで植菌することも可能であり、この場合、液体から引き上げた収容袋内の過剰な水分は、上記の通気孔から排出することができる。
本発明は上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
(1) 上記の収容袋は投入口が密封されているうえ、固体培地を揉み解すように掻き混ぜたり、培養室内で収容袋の配置を移し変えたりする際に、作業者は収容袋の外側から作業するだけでよく、固体培地と直接接触することがない。この結果、これらの作業中に人体からの雑菌を固体培地へ混入させる虞がなく、人体の殺菌処理などの必要性を低減して製麹工程の作業を簡略にすることができる。
(2) 固体培地は投入口が密封された収容袋内に収容されているので、麹室内で上記の収容袋を移動させる際などに、この収容袋の姿勢等を考慮する必要がなく、この収容袋に収容された固体培地を容易に取り扱うことができる。
(3) 微生物培養容器は、多数の通気孔を透設した収容袋に、植菌された固体培地を収容してこの収容袋の投入口を密封するだけでよく、極めて安価に実施することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の実施形態を示す、微生物培養容器の一部破断斜視図である。
図1は本発明の実施形態を示す、微生物培養容器の一部破断斜視図である。
図1に示すように、この微生物培養容器(1)は、ポリエチレン樹脂の未延伸フィルムなどの軟質合成樹脂材料からなるシート材(2)で形成された、変形可能な収容袋(3)を備える。この収容袋(3)内には投入口(4)から固体培地(5)が収容され、この投入口(4)は結束具(6)で密封してある。上記の固体培地(5)には所定の菌類が植菌されている。
上記の収容袋(3)の表面には、略全体に亙って、袋内部と連通している多数のピンホール様通気孔(7)が透設してある。この通気孔(7)は、例えば直径1mmの針を放射状に付設した一対のローラ間に、上記の収容袋(3)を挟みつけるようにして通過させることで形成される。この通気孔(7)の形成数は、例えば約2個/cm2となるように、ローラ間を通過する回数が調整され、全体の開口面積は1.5%以下となるように設定してある。
次に、上記の微生物培養容器を用いて具体的に微生物を培養した実施例について説明する。
固体培地として80〜100℃で蒸煮した米(5)を用い、この米(5)にBeauveria sp. を予め植菌しておく。次にこの植菌済みの米4kgを、幅45cm、長さ80cmの上記の収容袋(3)に収容し、投入口(4)を結束具(6)で密封する。そしてこの収容袋(3)を、温度26℃、湿度60%に調整した培養室内で、穴の開いたプラスチック製の棚板からなるラックに載置して通気培養する。
上記の収容袋(3)は、24時間に1回の間隔で外側から全体を揉み解すようにミキシングし、これにより米(5)の内部にまで空気を十分に供給し、菌糸の成長による発熱を放散させるとともに、菌糸を均一に伸長させる。
その後、胞子の着生状態を収容袋(3)の外側から目視により観察し、1週間後、米の表面が十分に変色したので出麹した。得られた米を顕微鏡で観察した結果、5×108/gの胞子が形成されていた。
その後、胞子の着生状態を収容袋(3)の外側から目視により観察し、1週間後、米の表面が十分に変色したので出麹した。得られた米を顕微鏡で観察した結果、5×108/gの胞子が形成されていた。
〔種菌の調製〕
予め直径9cmのペトリ皿にポテトデキストローズ寒天培地を分注しておき、この寒天培地に、試験管に保管されているMetarhizium sp.(Secretaria de Agricultura e
Abastecimento Agencia Paulista de Tecnologia dos Agronegocios INSTITUTO
BIOLOGICO(ブラジル国サンパウロ州カンピーナス市)から入手したMetarhizium anisopliaeを使用)の胞子を塗布する。これを25℃で25日間培養して胞子を増殖させたのち、その胞子をかき集める。
一方、洗浄した米250gを1リットル容量のガラス瓶に投入し、130℃で30分間加熱し殺菌しておく。この殺菌済みの米を冷却したのち、上記のかき集めた胞子の4分の1量を添加して25℃で20日間培養し、種菌とする。
予め直径9cmのペトリ皿にポテトデキストローズ寒天培地を分注しておき、この寒天培地に、試験管に保管されているMetarhizium sp.(Secretaria de Agricultura e
Abastecimento Agencia Paulista de Tecnologia dos Agronegocios INSTITUTO
BIOLOGICO(ブラジル国サンパウロ州カンピーナス市)から入手したMetarhizium anisopliaeを使用)の胞子を塗布する。これを25℃で25日間培養して胞子を増殖させたのち、その胞子をかき集める。
一方、洗浄した米250gを1リットル容量のガラス瓶に投入し、130℃で30分間加熱し殺菌しておく。この殺菌済みの米を冷却したのち、上記のかき集めた胞子の4分の1量を添加して25℃で20日間培養し、種菌とする。
〔微生物の培養〕
固体培地としての米(5)を合成樹脂製ネットに入れて洗浄したのち、沸騰水中で3分間加熱処理する。この処理済みの米(5)4kgと、上記の胞子が着生した米(種菌)100gを、前記の実施例1と同様の収容袋(3)内に収容して混合し、所定の雰囲気下の培養室に入れて培養する。
なお、上記の固体培地(5)に対する種菌の添加量は、0.1〜1%が好ましい。出麹のタイミングはこの植菌量に応じて異なるが、通常、温度28℃、湿度70%の雰囲気下で培養した場合は10〜14日を要する。
固体培地としての米(5)を合成樹脂製ネットに入れて洗浄したのち、沸騰水中で3分間加熱処理する。この処理済みの米(5)4kgと、上記の胞子が着生した米(種菌)100gを、前記の実施例1と同様の収容袋(3)内に収容して混合し、所定の雰囲気下の培養室に入れて培養する。
なお、上記の固体培地(5)に対する種菌の添加量は、0.1〜1%が好ましい。出麹のタイミングはこの植菌量に応じて異なるが、通常、温度28℃、湿度70%の雰囲気下で培養した場合は10〜14日を要する。
固体培地として米(5)を用い、この米3kgを実施例1と同様の収容袋(3)に収容し、80℃の温水に5分間浸漬したのち、十分に水切りして室温に冷却する。
一方で、実施例2で用いた種菌、Metarhizium sp.の胞子を懸濁させた10リットルの液中に上記の収容袋(3)を浸漬し、水分を切って、温度28℃、湿度70%に調整した培養室内で、穴の開いたプラスチック製の棚板からなるラックに載置し、通気培養する。
一方で、実施例2で用いた種菌、Metarhizium sp.の胞子を懸濁させた10リットルの液中に上記の収容袋(3)を浸漬し、水分を切って、温度28℃、湿度70%に調整した培養室内で、穴の開いたプラスチック製の棚板からなるラックに載置し、通気培養する。
上記の収容袋(3)は、24時間に1回の間隔で外側から全体を揉み解すようにミキシングし、これにより米(5)の内部にまで空気を十分に供給し、菌糸の成長による発熱を放散させるとともに、菌糸を均一に伸長させる。
その後、胞子の着生状態を収容袋(3)の外側から目視により観察し、12日後、米の表面が十分に変色したので出麹した。得られた米を顕微鏡で観察した結果、8×108/gの胞子が形成されていた。
その後、胞子の着生状態を収容袋(3)の外側から目視により観察し、12日後、米の表面が十分に変色したので出麹した。得られた米を顕微鏡で観察した結果、8×108/gの胞子が形成されていた。
次に、植菌時のpH値を異ならせて次の手順で培養し、菌糸の成長の差異と固体培地の着色の差異を確認した。
微生物培養容器として、透明の合成樹脂製シート材からなる25cm×40cmの大きさで前記のピンホール様通気孔を形成した収容袋を複数用いた。また固体培地として、予め80℃で5分間処理された米を用い、それぞれ250gずつ上記の収容袋に分封した。
微生物培養容器として、透明の合成樹脂製シート材からなる25cm×40cmの大きさで前記のピンホール様通気孔を形成した収容袋を複数用いた。また固体培地として、予め80℃で5分間処理された米を用い、それぞれ250gずつ上記の収容袋に分封した。
一方で、Metarhizium sp. の胞子を、pH4、5、6の水にそれぞれ懸濁させておき、この各懸濁液に上記の米を収容した収容袋を浸漬してそれぞれ所定量の植菌を行った。次いで、この植菌済み収容袋を上記の実施例2と同様の培養方法で培養しながら固体培地の色の変化を目視により観察し、10日間の通気培養後に収容袋から固体培地(麹)を取り出して、胞子数を顕微鏡により観察した。
上記の観察の結果、培養中はpH5の懸濁液に浸漬した固体培地が最も早く緑色に変化しており、また、胞子着生量が最も多かった。このことから、培養中の固体培地の色変化を目視により確認することで、出麹のタイミングを決定できることが判った。
上記の実施形態や実施例で説明した微生物培養容器や微生物の培養方法は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、収容袋の形状、通気孔の形成数や形成方法、シート材の材質、固体培地の種類、培養する微生物の種類などは、上記の実施形態や実施例のものに限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば、上記の実施形態や実施例では、いずれも米を固体培地に用いたが、本発明では他の穀物を個体培地としてもよく、また、上記の実施例ではいずれも害虫駆除に用いられる微生物を培養したが、食紅など着色剤製造用の微生物、医薬用微生物、醸造用微生物などの培養に適用してもよいことはいうまでもない。
本発明は、人手による培養であっても雑菌の混入を確実に防止できるうえ、製麹工程等の作業を簡略にでき、しかも安価に実施できるので、農薬用微生物、医薬用微生物、醸造用微生物、着色剤製造用微生物など、各種の微生物培養に好適に利用することができる。
1…微生物培養容器
2…シート材
3…収容袋
4…投入口
5…固体培地(米)
6…結束具
7…通気孔
2…シート材
3…収容袋
4…投入口
5…固体培地(米)
6…結束具
7…通気孔
Claims (8)
- シート材(2)で形成された変形可能な収容袋(3)を備え、この収容袋(3)内へ固体培地(5)を収容するための投入口(4)が密封可能に構成してあり、この収容袋(3)にはその表面の略全体に亙って、袋内部と連通している多数のピンホール様通気孔(7)が透設してあることを特徴とする、微生物培養容器。
- 上記の収容袋(3)の少なくとも一部を透明材料で形成した、請求項1に記載の微生物培養容器。
- 上記の収容袋(3)を、100℃以上の耐熱性を備える合成樹脂フィルムで形成した、請求項1または請求項2に記載の微生物培養容器。
- 上記の各通気孔(7)は、開口面積が0.01〜2.0mm2である、請求項1から3のいずれか1項に記載の微生物培養容器。
- 上記の通気孔(7)は0.2〜20個/cm2形成され、全体の開口率は1.5%以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の微生物培養容器。
- 略全面に亙って多数のピンホール様通気孔(7)が透設された変形可能な収容袋(3)内に所定の菌類が植え付けられた固体培地(5)を収容して、この収容袋(3)の投入口(4)を密封し、
上記の収容袋(3)を所定温度の雰囲気下に配置して通気培養を行い、
上記の通気培養の間に、上記の収容袋(3)を外側から変形させることで上記の固体培地(5)を掻き混ぜることを特徴とする、微生物の培養方法。 - 予め所定の菌類を植え付けた固体培地(5)を上記の収容袋(3)内へ収容したのち、この収容袋(3)の投入口(4)を密封する、請求項6に記載の微生物の培養方法。
- 上記の収容袋(3)内へ固体培地(5)を収容したのち、この固体培地(5)に所定の菌類を植え付ける、請求項6に記載の微生物の培養方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014118757A1 (fr) * | 2013-02-01 | 2014-08-07 | Institut De Recherche Pour Le Developpement (Ird) | Dispositif de fermentation en milieu solide et produits obtenus |
CN107022468A (zh) * | 2017-06-09 | 2017-08-08 | 无锡市赛微生物技术有限公司 | 一种即用型培养基平皿收纳袋 |
-
2005
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014118757A1 (fr) * | 2013-02-01 | 2014-08-07 | Institut De Recherche Pour Le Developpement (Ird) | Dispositif de fermentation en milieu solide et produits obtenus |
FR3001735A1 (fr) * | 2013-02-01 | 2014-08-08 | Inst Rech Developpement Ird | Dispositif de fermentation en milieu solide et produits obtenus |
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CN107022468B (zh) * | 2017-06-09 | 2023-11-10 | 无锡市食品安全检验检测中心 | 一种即用型培养基平皿收纳袋 |
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