JP2007103335A - 燃料電池システム - Google Patents

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克彦 押川
Yoshifumi Hirao
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Hiroshi Hasegawa
弘 長谷川
Yoshifumi Sekizawa
好史 関澤
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裕 田野
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Abstract

【課題】水素ガスと付臭剤とを含む混合ガス中の水素ガスを利用して発電を行う燃料電池システムにおいて、発電中であっても、付臭剤除去部の付臭剤捕捉能力を再生することができるようにする。
【解決手段】燃料電池システム100は、第1付臭剤除去部31と、第2付臭剤除去部32とを備える。そして、第1付臭剤除去部31によって混合ガス中の付臭剤を除去している間には、空気中に含まれる酸素によって第2付臭剤除去部32に吸着された付臭剤を分解し、付臭剤吸着能力を再生する。また、第2付臭剤除去部32によって混合ガス中の付臭剤を除去している間には、空気中に含まれる酸素によって第1付臭剤除去部31に吸着された付臭剤を分解し、付臭剤吸着能力を再生する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関し、詳しくは、水素ガスと付臭剤とを含む混合ガス中の水素ガスを利用して発電を行う燃料電池システムに関するものである。
従来、無色、無臭である水素ガスの漏洩を人間の嗅覚によって感知するために、燃料電池システムにおいて、燃料ガスとしての水素ガスに付臭剤を添加した混合ガスを用いる構成が提案されている(下記特許文1献参照)。この燃料電池システムでは、上記混合ガスから、燃料電池の性能を劣化させる付臭剤を、付臭剤除去部によって、例えば、吸着除去した水素ガスを利用して発電を行う。さらに、この燃料電池システムでは、発電停止中に、付臭剤除去部に吸着された付臭剤を分解して、付臭剤除去部の付臭剤吸着能力を再生する。また、水素ガスに燃料電池の性能を劣化させることがない付臭剤が添加された混合ガスを用いる燃料電池システムにおいて、燃料電池から排出されるオフガスに含まれる付臭剤を、燃料電池の下流側に設置された付臭剤除去部によって除去して、大気中に放出する場合がある。この場合においても、発電停止中に、付臭剤除去部に吸着された付臭剤を分解して、付臭剤除去部の付臭剤吸着能力を再生していた。
特開2004−134272号公報
しかし、上記技術では、付臭剤除去部の付臭剤吸着能力の再生は、発電停止中にしか行われないため、長時間発電を継続する場合には、長時間に亘って、付臭剤除去部の付臭剤吸着能力の再生を実行することができなかった。この場合、付臭剤除去部の付臭剤吸着能力が低下して、付臭剤除去部によって除去されない付臭剤が燃料電池に供給されてしまい、燃料電池の性能を低下させるおそれがあった。また、付臭剤が十分に除去されていないオフガスが大気中に放出されてしまうおそれがあった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、水素ガスと付臭剤とを含む混合ガスから付臭剤を除去した水素ガスを利用して発電を行う燃料電池システムにおいて、発電中であっても、付臭剤除去部の付臭剤捕捉能力を再生することができるようにすることを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、以下の構成を採用した。
本発明の燃料電池システムは、
水素と酸素との電気化学反応によって発電を行う燃料電池と、
付臭剤と水素ガスとを含む混合ガス中の前記付臭剤を捕捉する複数の付臭剤捕捉部と、
前記各付臭剤捕捉部に捕捉された付臭剤を分解し、前記各付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を再生する再生部と、
前記各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
制御モードとして、前記付臭剤捕捉部ごとに、少なくとも
前記混合ガス中の付臭剤を前記付臭剤捕捉部に捕捉させる捕捉モードと、
前記再生部によって、前記付臭剤捕捉部に捕捉された付臭剤を分解し、該付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を再生する再生モードと、
をそれぞれ有し、前記制御モードをそれぞれ切り換えることを要旨とする。
本発明において、付臭剤が燃料電池の性能を劣化させるものである場合には、燃料電池に付臭剤を供給しないように、付臭剤捕捉部による付臭剤の捕捉は、燃料電池に供給する前の混合ガスに対して行う。また、付臭剤が燃料電池の性能を劣化させるものでない場合には、付臭剤が大気中に放出されなければよく、付臭剤捕捉部による付臭剤の捕捉は、燃料電池に供給する前の混合ガスに対して行ってもよいし、燃料電池から排出された後の混合ガスに対して行ってもよい。
本発明では、発電中に、複数の付臭剤捕捉部のうちの、例えば、1つの付臭剤捕捉部は、捕捉モードで運転して、混合ガス中の付臭剤を捕捉しつつ、他の付臭剤捕捉部は、再生モードで運転して、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を再生することができる。このとき、他の付臭剤捕捉部の少なくとも一部は、付臭剤捕捉能力の再生を行わない休止モードとしてもよい。
こうすることによって、水素ガスと付臭剤とを含む混合ガス中の水素ガスを利用して発電を行う燃料電池システムにおいて、発電中であっても、付臭剤除去部の付臭剤捕捉能力を再生するようにすることができる。
なお、付臭剤捕捉部は、吸収によって付臭剤を捕捉してもよいし、吸着によって付臭剤を捕捉してもよい。ここで、「吸収」とは、気体分子が液体や固体の内部まで移動する現象を意味し、「吸着」とは、気体分子が液体や固体の表面付近に留まっている現象を意味する。また、吸着には、ファンデルワールス力による物理吸着や、化学結合による化学吸着が含まれる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、前記付臭剤捕捉部における前記付臭剤の捕捉状況を示す所定のパラメータに基づいて、前記制御モードを切り換えるようにしてもよい。
「所定のパラメータ」としては、例えば、付臭剤捕捉部に流したガスの流量、ガスを流した時間や、燃料電池における発電量や、付臭剤捕捉部から排出された排出ガス中の付臭剤濃度などを用いることができる。
本発明によって、パラメータに基づいて、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を推定し、制御モードを切り換えることができる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記パラメータとして、前記付臭剤捕捉部から排出された排出ガス中の付臭剤濃度を用いる場合、
前記燃料電池システムは、さらに、
前記付臭剤濃度を検出する付臭剤濃度検出部を備えるようにしてもよい。
付臭剤捕捉部から排出された排出ガス中の付臭剤濃度は、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力と対応する。すなわち、付臭剤捕捉部から排出された排出ガス中の付臭剤濃度が低いときには、付臭剤捕捉部によって付臭剤が十分に捕捉されており、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力は高い。また、付臭剤捕捉部から排出された排出ガス中の付臭剤濃度が高いときには、付臭剤捕捉部における付臭剤の捕捉量が飽和しつつあり、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力は低い。
したがって、本発明によって、付臭剤濃度検出部によって検出された付臭剤濃度に基づいて、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を判断し、制御モードを適切なタイミングで切り換えることができる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、前記制御モードが前記捕捉モードであって、前記付臭剤濃度が第1の所定値以上になったときに、前記捕捉モードを終了するようにしてもよい。
ここで、第1の所定値は、付臭剤捕捉部から排出された排出ガスに含まれる付臭剤が燃料電池の劣化に大きな影響を及ぼさない程度の範囲で任意に設定可能である。
本発明によって、付臭剤濃度が第1の所定値以上のガスが付臭剤捕捉部に供給されることを防止することができるので、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力の低下による燃料電池の性能の劣化を防止することができる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、前記制御モードが捕捉モードであって、前記付臭剤濃度が第1の所定値以上になったときに、さらに、前記制御モードを前記再生モードに切り換えるようにすることが好ましい。
こうすることによって、制御モードが捕捉モードであって、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力が低下したときに、速やかに再生することができる。
上記付臭剤濃度検出部を備える燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、前記制御モードが前記再生モードであって、前記付臭剤濃度が第2の所定値以下になったときに、前記再生モードを終了するようにしてもよい。
ここで、第2の所定値は、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力が十分に回復したと判断できる程度の範囲で任意に設定可能である。
本発明によって、制御モードが再生モードであるときに、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力が十分に回復したことを適切に判断することができる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、前記制御モードが再生モードであって、前記付臭剤濃度が第2の所定値以下になったときに、さらに、前記制御モードを前記捕捉モードに切り換えるようにしてもよい。
こうすることによって、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力が十分に再生されたときに、混合ガス中の付臭剤を捕捉するようにすることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、さらに、前記複数の付臭剤捕捉部のうちの少なくとも1つについて、前記制御モードが前記捕捉モードとなるように、前記付臭剤捕捉部ごとに、前記制御モードを切り換えることが好ましい。
こうすることによって、複数の付臭剤捕捉部について、制御モードが、すべて同時に再生モードになることはないので、発電すべき期間に、燃料電池への水素ガスの供給が停止することを防止することができる。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、
前記再生部は、
前記各付臭剤捕捉部によって捕捉された前記付臭剤を酸化して分解するための酸化剤ガスを、前記各付臭剤捕捉部に供給する酸化剤ガス供給部を備え、
前記燃料電池システムは、さらに、
前記付臭剤捕捉部に、前記混合ガスを供給するか、前記酸化剤ガスを供給するかを切り換える第1の切換部と、
前記付臭剤捕捉部から排出された排出ガスを、前記燃料電池に供給するか、外部に排出するかを切り換える第2の切換部と、を備え、
前記制御部は、さらに、
前記制御モードが前記捕捉モードであるときに、前記付臭剤捕捉部に、前記混合ガスが供給されるように、前記第1の切換部を制御するとともに、前記付臭剤捕捉部から排出された排出ガスを、前記燃料電池に供給するように、前記第2の切換部を制御し、
前記制御モードが前記再生モードであるときに、前記付臭剤捕捉部に、前記酸化剤ガスが供給されるように、前記供給ガス切換部を制御するとともに、前記付臭剤捕捉部から排出された排出ガスを、外部に排出するように、前記第2の切換部を制御するようにしてもよい。
こうすることによって、付臭剤捕捉部によって混合ガスから付臭剤を捕捉した水素ガスを燃料電池に供給するとともに、酸化剤ガスによって付臭剤捕捉部に捕捉された付臭剤が分解された分解済みガスを外部に排出することができる。
なお、第1の切換部、および、第2の切換部としては、ガスの流路を切り換える切換バルブを用いることができる。この場合、各切換部は、1つの切換バルブによって構成されるとは限らず、それぞれ複数の切換バルブによって構成されるものとしてもよい。さらに、1つの切換バルブが、第1の切換部の機能と、第2の切換部の機能との双方を有するようにしてもよい。
上記燃料電池システムにおいて、
前記酸化剤ガス供給部は、前記酸化剤ガスとして、前記燃料電池のカソードから排出されるカソードオフガスを用いるようにしてもよい。
カソードオフガスには、通常、発電で未消費の酸素ガスが含まれる。そして、この酸素ガスは、一般に付臭剤の酸化剤ガスとして利用することができる。
本発明によって、付臭剤捕捉部に酸化剤ガスを供給するための機器を設置する必要がないので、燃料電池システムを比較的簡易に構成することができる。
上記燃料電池システムにおいて、
前記酸化剤ガスは、酸素ガスであり、
前記燃料電池システムは、さらに、
前記カソードオフガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出部を備え、
前記酸化剤ガス供給部は、
前記制御モードが前記再生モードであって、前記酸素濃度が所定値以下であるときに、前記付臭剤捕捉部に、酸素ガスを含む、前記カソードオフガス以外のガスを供給するようにしてもよい。
発電によって消費され、カソードオフガス中の酸素濃度が低い場合には、カソードオフガスを付臭剤の酸化剤ガスとして利用しても、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を速やかに再生することができない場合が生じる。
本発明によって、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力の再生に必要な酸素ガスを補うことができる。
また、上記カソードオフガスを酸化剤ガスとして用いる燃料電池システムにおいて、
前記酸化剤ガス供給部は、前記制御モードが前記再生モードであって、前記酸素濃度が所定値以下であるときに、前記付臭剤捕捉部に、前記酸素ガスを含む、前記カソードオフガス以外のガスを、前記カソードオフガスに代えて供給するようにしてもよい。
こうすることによって、カソードオフガス中の酸素濃度が低い場合に、酸素濃度が高い他の酸化剤ガスを用いて、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を速やかに再生することができる。
また、上記カソードオフガスを酸化剤ガスとして用いる燃料電池システムにおいて、
前記酸化ガス供給部は、前記酸素ガスを含む、前記カソードオフガス以外のガスとして、空気を用いるようにしてもよい。
こうすることによって、燃料電池システムに付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力の再生用の酸素ボンベ等を設置する必要がないので、燃料電池システムを比較的コンパクトに構成することができる。
上記いずれかの燃料電池システムにおいて、
前記付臭剤捕捉部の数は、2つであるものとしてもよい。
こうすることによって、燃料電池システムを比較的コンパクトに構成することができる。なお、付臭剤捕捉部の数を2つにする場合、1つの付臭剤捕捉部を常に捕捉モードで運転できるように、付臭剤捕捉部が付臭剤を捕捉可能な時間を、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力の再生に必要とする時間よりも長く設計することが好ましい。
本発明は、水素ガス供給装置の発明として構成することもできる。すなわち、
本発明の水素ガス供給装置は、
水素ガスを所定の装置に供給する水素ガス供給装置であって、
付臭剤と水素ガスとを含む混合ガス中の前記付臭剤を捕捉する複数の付臭剤捕捉部と、
該各付臭剤捕捉部に捕捉された付臭剤を分解し、該各付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を再生する再生部と、
前記各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
制御モードとして、前記付臭剤捕捉部ごとに、少なくとも
前記混合ガス中の付臭剤を前記付臭剤捕捉部に捕捉させる捕捉モードと、
前記再生部によって、前記付臭剤捕捉部に捕捉された付臭剤を分解し、該付臭剤捕捉部を再生する再生モードと、
をそれぞれ有し、前記制御モードをそれぞれ切り換えることを要旨とする。
こうすることによって、上述した燃料電池システムと同様に、複数の付臭剤捕捉部のうち、例えば、1つの付臭剤捕捉部は、捕捉モードで運転して、混合ガス中の付臭剤を捕捉しつつ、他の付臭剤捕捉部は、再生モードで運転して、付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を再生することができる。したがって、混合ガスから付臭剤を捕捉した水素ガスを、常に、所定の装置に供給することができる。
本発明は、上述した種々の特徴を必ずしも全て備えている必要はなく、その一部を省略したり、適宜、組み合わせたりして構成することができる。本発明は、上述の燃料電池システム、水素ガス供給装置としての構成の他、燃料電池システムの制御方法、水素ガス供給装置の制御方法の発明として構成することもできる。また、これらを実現するコンピュータプログラム、およびそのプログラムを記録した記録媒体、そのプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など種々の態様で実現することが可能である。なお、それぞれの態様において、先に示した種々の付加的要素を適用することが可能である。
本発明をコンピュータプログラムまたはそのプログラムを記録した記録媒体等として構成する場合には、燃料電池システム、水素ガス供給装置の動作を制御するプログラム全体として構成するものとしてもよいし、本発明の機能を果たす部分のみを構成するものとしてもよい。また、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.燃料電池システムの構成:
B.付臭剤除去部の構成:
C.付臭剤処理部:
D.付臭剤処理制御:
E.再生処理制御:
F.酸化剤ガス切換制御:
G.変形例:
A.燃料電池システムの構成:
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。本実施例の燃料電池システム100は、モータで駆動する電気車両に、電源として搭載されている。運転者が車両に備えられたアクセルを操作すると、図示しないアクセル開度センサによって検出された操作量に応じて発電が行われ、その電力によって車両は走行することができる。なお、本実施例では、燃料電池システム100は、車載されるものとしたが、据え置き型など種々の構成を採ることが可能である。
燃料電池スタック10は、水素と酸素との電気化学反応によって発電するセルを複数積層させた積層体である。各セルは、水素イオンを透過する電解質膜を挟んで水素極(以下、アノードと呼ぶ)と酸素極(以下、カソードと呼ぶ)とを配置した構成となっている(図示省略)。本実施例では、ナフィオン(登録商標)を電解質膜として利用する固体高分子型のセルを用いるものとしたが、これに限られず、種々のタイプを利用可能である。
ガスタンク20には、水素ガスと付臭剤とを混合した高圧の混合ガスが貯蔵されている。本実施例の燃料電池システム100において、混合ガスを用いるのは、燃料電池スタック10に供給する途中で水素ガスの漏洩が生じたときに、そのことを人間の嗅覚によって感知するためである。本実施例では、付臭剤として、硫黄を含有するt−ブチルメルカプタン(TBM)を用いるものとした。硫黄を含有する付臭剤として、テトラヒドロチオフェン(THT)や、ジメチルサルファイド(DMS)、メチルメルカプタン、エチルメルカプタンなどを用いるようにしてもよい。
TBMなどの硫黄を含有する付臭剤が燃料電池スタック10に供給されると、燃料電池スタック10内部の電極に設けられた触媒が被毒し、燃料電池スタック10の出力特性が劣化してしまう。そこで、本実施例の燃料電池システム100では、燃料電池スタック10の上流側に、混合ガス中の付臭剤を除去することが可能な付臭剤処理部30が設けられている。混合ガスは、ガスタンク20の出口に設けられたシャットバルブ21、配管201に設けられたレギュレータ22、高圧バルブ23によって圧力および供給量が調整されて、付臭剤処理部30に供給される。
付臭剤処理部30は、付臭剤を吸着する機能を有する第1付臭剤除去部31と、第2付臭剤除去部32とを備えており、これらのうちのいずれかを用いて混合ガス中の付臭剤を吸着除去し、付臭剤をほとんど含まない水素ガスを、配管202を介して、燃料電池スタック10のアノードに供給する。第1付臭剤除去部31、および、第2付臭剤除去部32は、本発明における付臭剤捕捉部に相当する。
配管202には、付臭剤を除去後のガス中の付臭剤濃度を検出するための付臭剤濃度センサ41が設けられている。いずれの付臭剤除去部で混合ガス中の付臭剤を吸着除去するかは、付臭剤濃度センサ41によって検出された付臭剤濃度に基づいて、切換バルブ33、34によって切り換えられる。切換バルブ33、34や、切り換えタイミング等については、後述する。なお、第1付臭剤除去部31、および、第2付臭剤除去部32は、後述するように、酸化剤ガスを供給することによって、吸着した付臭剤を酸化して分解する機能も有している。これら第1付臭剤除去部31、および、第2付臭剤除去部32についても、後に詳述する。
燃料電池スタック10のアノードからの排気(以下、アノードオフガスと呼ぶ)は、配管203に流出する。配管203には、バルブ24が設けられており、バルブ24によって、アノードへの水素ガスの供給量を制御している。また、配管203には、気液分離装置40が接続されている。気液分離装置40は、アノードオフガスを冷却することによって、アノードオフガス中に含まれる水を回収する。気液分離装置40によって回収された水は、バルブ27を介して、車両の外部に排出される。この気液分離装置40によって回収された水は、燃料電池スタック10に供給される水素ガス、または、空気の加湿等に再利用するようにしてもよい。
気液分離装置40の下流には、配管204が接続されている。この配管204は、途中で二つに分岐しており、一方はアノードオフガスを外部に排出ための排出配管205に接続され、他方は逆止弁26を介して配管201に接続されている。排出配管205には、排出バルブ25が設けられている。この排出バルブ25が閉じられている間は、アノードオフガスは配管201等を介して、再び燃料電池スタック10に循環される。アノードオフガスには、発電で消費されなかった水素が残留しているため、このようにアノードオフガスを循環させることにより、水素を有効利用することができる。排出バルブ25が開かれると、アノードオフガスは、排出配管205を通り、図示しない希釈器によって希釈された後、外部に排出される。
燃料電池スタック10のカソードには、酸素ガスを含有したガスとして空気が供給される。空気は、ブロワ50によって、配管501から燃料電池スタック10に供給される。燃料電池スタック10のカソードからの排気(以下、カソードオフガスと呼ぶ)は、配管502を通じて外部に排出される。
なお、カソードオフガスには、未消費の酸素が含まれているため、本実施例では、カソードオフガスは、第1付臭剤除去部31、および、第2付臭剤除去部32によって吸着された付臭剤を酸化して分解するための酸化剤ガスとして利用される。このため、配管502には、三方バルブ28が設けられており、この三方バルブ28によって、配管502と配管503とを連通させ、配管503、三方バルブ29、配管504を介して、カソードオフガスを付臭剤処理部30に供給することができる。
また、配管502には、酸素濃度センサ42が設けられており、カソードオフガス中の酸素濃度が所定値よりも低い場合には、ブロワ52を駆動するとともに、三方バルブ29によって、配管505と配管504とを連通させ、酸素ガスが比較的多く含まれる外部の空気を第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32に供給することができる。ブロワ50、52は、本発明における酸化剤ガス供給部に相当する。
付臭剤処理部30の第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32において付臭剤が分解された分解済みガスは、配管506を介して、外部に排出される。なお、配管506には、分解済みガス中の付臭剤濃度を検出するための付臭剤濃度センサ43が設けられている。この付臭剤濃度センサ43は、後述するように、第1付臭剤除去部31、および、第2付臭剤除去部32の付臭剤捕捉能力が再生されたことを検出するために用いられる。
燃料電池システム100の運転は、制御ユニット60によって制御される。制御ユニット60は、内部にCPU、RAM、ROM、タイマなどを備えるマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに記憶されたプログラムに従って、燃料電池システム100全体の動作を制御する。制御ユニット60に入力される信号としては、例えば、アクセル開度センサや、付臭剤濃度センサ41、43や、酸素濃度センサ42の出力信号などが挙げられる。制御ユニット60から出力される信号としては、例えば、各種バルブや、ブロワ50、51の制御信号などが挙げられる。なお、本実施例の燃料電池システム100は、付臭剤処理部30を備えることを特徴としているので、この付臭剤処理部30を含む制御について、後に詳述する。
B.付臭剤除去部の構成:
図2は、付臭剤除去部の構成を示す説明図である。なお、第1付臭剤除去部31、および、第2付臭剤除去部32の構成は同じであるから、第1付臭剤除去部31の構成についてのみ説明する。
図2(a)に示すように、第1付臭剤除去部31は、複数の波状の小通路を有する担体312を備えている。この担体312上には、付臭剤を吸着するための吸着媒と、付臭剤の分解を促進するための触媒とが担持されている。吸着媒としては、例えば、活性炭や、ゼオライトなどの多孔質材料を用いることができる。また、触媒としては、例えば、Ptや、Pdや、Ruなどの貴金属触媒を用いることができる。
図2(b)は、第1付臭剤除去部31の製造方法を示す説明図である。図示するように、担体312は、平板312aと波板312bとによって構成されたシートを用いて形成されている。平板312a、および、波板312bとしては、例えば、ステンレス鋼などの金属材料を用いることができる。
このシートは、その一端が軸部材312cに接合された後、軸部材312cを芯にして巻き付けられる。すなわち、担体312は、軸部材312cの周囲に、平板312a、および、波板312bが交互に巻き付けられたロール構造を有している。隣接する平板312a同士の間隔は、波板312bによってほぼ一定の間隔に保たれており、平板312aと波板312bとの間には、軸部材312cの軸方向に沿って複数の波状の小通路が形成される。
担体312が準備された後、担体312上に吸着媒と触媒とが担持される。吸着媒、および、触媒は、例えば、それぞれを含む溶液を担体312に含浸させた後に加熱することによって、担体312上に固定される。なお、本実施例では、担体312は、ロール構造を有しているが、これに代えて、ハニカム構造を有していてもよい。
上述したように、第1付臭剤除去部31は、吸着媒を含んでいるため、混合ガス中の付臭剤を吸着することによって、混合ガス中の付臭剤を除去することができる。なお、付臭剤は、吸着媒の微細孔内に物理吸着される。また、第1付臭剤除去部31は、貴金属触媒を含んでいるため、供給されるカソードオフガス、または、空気中の酸素ガスを利用して、吸着された付臭剤を分解することができる。物理吸着された付臭剤は、酸素ガスによって酸化され、この結果、H2Oと、CO2と、SO2 とを含む分解済みガスが生成される。このように、本実施例の第1付臭剤除去部31は、吸着された付臭剤を分解することができるため、吸着済みの付臭剤吸着能力を再生することができる。
C.付臭剤処理部:
図3は、付臭剤処理部30の内部におけるガスの流れを示す説明図である。図3(a)には、第1付臭剤除去部31に混合ガスを流して付臭剤を吸着除去し、第2付臭剤除去部32に酸化剤ガスを流して吸着された付臭剤を分解して付臭剤吸着能力を再生している様子を示している。また、図3(b)には、第2付臭剤除去部32に混合ガスを流して付臭剤を吸着除去し、第1付臭剤除去部31に酸化剤ガスを流して吸着された付臭剤を分解して付臭剤吸着能力を再生している様子を示している。このようなガスの流れの切り換えは、切換バルブ33、34によって行われる。
図3(a)に示したように、第1付臭剤除去部31によって混合ガス中の付臭剤を吸着除去する場合には、混合ガスが第1付臭剤除去部31に供給されるように切換バルブ33を設定するとともに、第1付臭剤除去部31から排出される水素ガスが燃料電池スタック10に供給されるように切換バルブ34を設定する。また、第2付臭剤除去部32によって吸着された付臭剤を分解する場合には、酸化剤ガスが第2付臭剤除去部32に供給されるように切換バルブ34を設定するとともに、第2付臭剤除去部32から排出される分解済みガスが外部に排出されるように切換バルブ33を設定する。
また、図3(b)に示したように、第2付臭剤除去部32によって混合ガス中の付臭剤を吸着除去する場合には、混合ガスが第2付臭剤除去部32に供給されるように切換バルブ33を設定するとともに、第2付臭剤除去部32から排出される水素ガスが燃料電池スタック10に供給されるように切換バルブ34を設定する。また、第1付臭剤除去部31によって吸着された付臭剤を分解する場合には、酸化剤ガスが第1付臭剤除去部31に供給されるように切換バルブ34を設定するとともに、第1付臭剤除去部31から排出される分解済みガスが外部に排出されるように切換バルブ33を設定する。
なお、図示は省略しているが、切換バルブ33、34は、第1付臭剤除去部31や、第2付臭剤除去部32に、混合ガスや、酸化剤ガスを供給しないように設定することも可能である。また、第1付臭剤除去部31と、第2付臭剤除去部32とに同時に混合ガスを供給するように設定したり、第1付臭剤除去部31と、第2付臭剤除去部32とに同時に酸化剤ガスを供給するように設定したりすることも可能である。
切換バルブ33、34は、それぞれ本発明における第1の切換部、第2の切換部に相当する。なお、上述した説明から分かるように、切換バルブ33、34は、それぞれ第1の切換部の機能と、第2の切換部の機能との双方を有している。
D.付臭剤処理制御:
図4は、付臭剤処理制御の流れを示すフローチャートである。この処理は、燃料電池スタック10による発電中に、制御ユニット60のCPUが実行する処理である。
まず、CPUは、切換バルブ33、34を制御して、第1付臭剤除去部31に混合ガスを供給して(ステップS100)、第1付臭剤除去部31によって混合ガス中の付臭剤を吸着除去し、その排出ガスである水素ガスを燃料電池スタック10に供給する。
次に、CPUは、付臭剤濃度センサ41によって、第1付臭剤除去部31から排出された排出ガス中の付臭剤濃度を検出し(ステップS110)、その付臭剤濃度が所定値C1(%)以上になったか否かを判断する(ステップS120)。本実施例では、所定値C1(%)として、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32に吸着された付臭剤の吸着量が、吸着可能な最大値の80(%)のときの濃度が設定されている。所定値C1(%)は、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32から排出された排出ガスに含まれる付臭剤が燃料電池スタック10の劣化に大きな影響を及ぼさない程度の範囲で任意に設定可能である。
図5は、第1付臭剤除去部31から排出される排出ガス中の付臭剤濃度と、第1付臭剤除去部31に吸着された付臭剤の吸着量との関係を示す説明図である。図示するように、第1付臭剤除去部31に吸着された付臭剤の吸着量が少ないときには、第1付臭剤除去部31から排出される排出ガス中の付臭剤濃度は低く、第1付臭剤除去部31に吸着された付臭剤の吸着量多くなると、第1付臭剤除去部31から排出される排出ガス中の付臭剤濃度も高くなる。この関係は、第2付臭剤除去部32についても同じである。
図4のステップS120において、第1付臭剤除去部31から排出された排出ガス中の付臭剤濃度がC1(%)未満の場合には(ステップS120:NO)、CPUは、第1付臭剤除去部31の付臭剤吸着能力はまだ十分に高いと判断して、第1付臭剤除去部31による付臭剤の吸着除去を継続し、ステップS110に戻る。
一方、第1付臭剤除去部31から排出された排出ガス中の付臭剤濃度がC1(%)以上になった場合には(ステップS120:YES)、CPUは、第1付臭剤除去部31の付臭剤吸着能力が低下したと判断して、切換バルブ33、34を切り換え、第2付臭剤除去部32に混合ガスを供給して、第2付臭剤除去部32によって混合ガス中の付臭剤を吸着除去し、その排出ガスである水素ガスを燃料電池スタック10に供給するするとともに、三方バルブ28を制御して、第1付臭剤除去部31にカソードオフガスを供給して、第1付臭剤除去部31によって吸着された付臭剤を分解し、第1付臭剤除去部31の付臭剤吸着能力を再生する(ステップS130)。このとき、CPUは、付臭剤吸着能力を再生すべき第1付臭剤除去部31について、後述する再生処理制御を並行して行う。
このように、付臭剤濃度センサ41によって検出された付臭剤濃度に基づいて付臭剤除去部の付臭剤吸着能力を推定し、混合ガスを供給する付臭剤除去部を適切なタイミングで切り換えることによって、付臭剤除去部の付臭剤吸着能力の低下による燃料電池スタック10の性能の劣化を防止することができる。
次に、CPUは、ステップS110と同様に、付臭剤濃度センサ41によって、第2付臭剤除去部32から排出された排出ガス中の付臭剤濃度を検出し(ステップS140)、その付臭剤濃度がC1(%)以上になったか否かを判断する(ステップS150)。そして、第2付臭剤除去部32から排出された排出ガス中の付臭剤濃度がC1(%)未満の場合には(ステップS150:NO)、CPUは、第1付臭剤除去部31の付臭剤吸着能力はまだ十分に高いと判断して、第2付臭剤除去部32による付臭剤の吸着除去を継続し、ステップS140に戻る。
一方、第2付臭剤除去部32から排出された排出ガス中の付臭剤濃度がC1(%)以上になった場合には(ステップS150:YES)、CPUは、第2付臭剤除去部32の付臭剤吸着能力が低下したと判断して、切換バルブ33、34を切り換え、再度、第1付臭剤除去部31に混合ガスを供給して、第1付臭剤除去部31によって混合ガス中の付臭剤を吸着除去し、その排出ガスである水素ガスを燃料電池スタック10に供給するするとともに、三方バルブ28を制御して、第2付臭剤除去部32にカソードオフガスを供給して、第2付臭剤除去部32によって吸着された付臭剤を分解し、第2付臭剤除去部32の付臭剤吸着能力を再生する(ステップS160)。このとき、CPUは、付臭剤吸着能力を再生すべき第2付臭剤除去部32について、後述する再生処理制御を並行して行う。ステップS160の後は、ステップS110に戻り、上述した処理を繰り返す。この混合ガス中の付臭剤を、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32によって吸着除去する制御モードは、本発明における捕捉モードに相当する。
E.再生処理制御:
図6は、再生処理制御の流れを示すフローチャートである。CPUは、付臭剤濃度センサ43によって、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32から排出された分解済みガス中の付臭剤濃度を検出し(ステップS200)、その付臭剤濃度が所定値C2(%)以下になったか否かを判断する(ステップS210)。本実施例では、所定値C2(%)として、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32に吸着された付臭剤の吸着量が、吸着可能な最大値の5(%)のときの濃度が設定されている。所定値C2(%)は、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32の付臭剤吸着能力が十分に回復したと判断できる程度の範囲で任意に設定可能である。
分解済みガス中の付臭剤濃度がC2(%)よりも大きい場合には(ステップS210:NO)、CPUは、まだ第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32の付臭剤吸着能力が再生されていないものと判断し、付臭剤の分解を継続し、ステップS200戻る。
一方、分解済みガス中の付臭剤濃度がC2(%)以下になった場合には(ステップS210:YES)、CPUは、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32の付臭剤吸着能力が再生されたものと判断し、付臭剤処理部30への酸化剤ガスの供給を停止する。そして、再生処理制御を終了する。こうすることによって、第1付臭剤除去部31、および、第2付臭剤除去部32の付臭剤吸着能力が低下したときに、速やかに再生することができる。この第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32の付臭剤吸着能力を再生する制御モードは、本発明における再生モードに相当する。
なお、上述した再生処理制御を実行している間、CPUは、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32に吸着された付臭剤の分解に用いられる酸化剤ガスの切換制御も行う。
F.酸化剤ガス切換制御:
図7は、酸化剤ガス切換制御の流れを示すフローチャートである。CPUは、酸素濃度センサ42によって、カソードオフガス中の酸素濃度を検出し(ステップS300)、その酸素濃度が所定値S1(%)以下であるか否かを判断する(ステップS310)。所定値S1(%)は、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32における付臭剤の分解効率に基づいて設定されている。カソードオフガス中の酸素濃度がS1(%)よりも大きい場合には(ステップS310:NO)、CPUは、カソードオフガスを用いて第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32の付臭剤吸着能力の再生を行い、ステップS300に戻る。
一方、カソードオフガス中の酸素濃度がS1(%)以下になった場合には(ステップS310:YES)、CPUは、ブロワ52を駆動し、三方バルブ28、29を切り換え、外部の空気を付臭剤の酸化剤ガスとして付臭剤処理部30に供給して(ステップS320)、外部の空気を用いて付臭剤の分解を行う。こうすることによって、酸素濃度が比較的高い空気を用いて、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32の付臭剤吸着能力を速やかに再生することができる。
その後、CPUは、再度、酸素濃度センサ42によって、カソードオフガス中の酸素濃度を検出し(ステップS330)、その酸素濃度が所定値S1(%)よりも大きくなったか否かを判断する(ステップS340)。カソードオフガス中の酸素濃度がS1(%)以下である場合には(ステップS340:NO)、CPUは、外部の空気を用いた付臭剤の分解を継続し、ステップS330に戻る。
一方、カソードオフガス中の酸素濃度がS1(%)よりも大きくなった場合には(ステップS340:YES)、CPUは、三方バルブ28、29を切り換え、カソードオフガスを付臭剤処理部30に供給して付臭剤の分解を行い、ブロワ52を停止する(ステップS350)。そして、ステップS300に戻る。
以上説明した本実施例の燃料電池システム100によれば、発電中に、第1付臭剤除去部31によって、混合ガス中の付臭剤の吸着除去を行いつつ、第2付臭剤除去部32の付臭剤吸着能力の再生を行うことができる。また、第2付臭剤除去部32によって、混合ガス中の付臭剤の吸着除去を行いつつ、第1付臭剤除去部31の付臭剤吸着能力の再生を行うことができる。つまり、本実施例の燃料電池システム100によれば、発電中であっても、第1付臭剤除去部31と、第2付臭剤除去部32との付臭剤吸着能力を交互に再生することができる。
G.変形例:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形例が可能である。
G1.変形例1:
上記実施例では、付臭剤処理部30は、第1付臭剤除去部31と、第2付臭剤除去部32との2つの付臭剤除去部を備えるものとしたが、これに限られず、3つ以上備えるものとしてもよい。
図8は、変形例としての付臭剤処理部30Aの構成を示す説明図である。この付臭剤処理部30Aは、3つの付臭剤除去部30a、30b、30cを備えている。そして、これら付臭剤除去部30a、30b、30cと、複数の配管や、三方バルブ等を、図示するように接続することによって構成されている。
図示するように、付臭剤処理部30Aは、混合ガスを、配管201、三方バルブ33a、配管301aを介して、付臭剤除去部30aに供給し、付臭剤除去部30aから排出された水素ガスを、配管302a、三方バルブ34a、配管202を介して、燃料電池スタック10に供給することができる。また、付臭剤処理部30Aは、混合ガスを、配管201、三方バルブ33b、配管301bを介して、付臭剤除去部30bに供給し、付臭剤除去部30bから排出された水素ガスを、配管302b、三方バルブ34b、配管202を介して、燃料電池スタック10に供給することができる。また、付臭剤処理部30Aは、混合ガスを、配管201、三方バルブ33c、配管301cを介して、付臭剤除去部30cに供給し、付臭剤除去部30cから排出された水素ガスを、配管302c、三方バルブ34c、配管202を介して、燃料電池スタック10に供給することができる。
また、付臭剤処理部30Aは、付臭剤の酸化剤ガス、すなわち、カソードオフガスや、外部の空気を、配管504、三方バルブ34a、配管302aを介して、付臭剤除去部30aに供給し、付臭剤除去部30aから排出された分解済みガスを、配管301a、三方バルブ33a、配管506を介して、外部に排出することができる。また、付臭剤処理部30Aは、付臭剤の酸化剤ガスを、配管504、三方バルブ34b、配管302bを介して、付臭剤除去部30bに供給し、付臭剤除去部30bから排出された分解済みガスを、配管301b、三方バルブ33b、配管506を介して、外部に排出することができる。また、付臭剤処理部30Aは、付臭剤の酸化剤ガスを、配管504、三方バルブ34c、配管302cを介して、付臭剤除去部30cに供給し、付臭剤除去部30cから排出された分解済みガスを、配管301c、三方バルブ33c、配管506を介して、外部に排出することができる。
なお、配管302a、302b、302cには、それぞれ付臭剤除去部30a、付臭剤除去部30b、付臭剤除去部30cから排出された水素ガス中の付臭剤濃度を検出するための付臭剤濃度センサ41a、41b、41cが設けられている。また、配管301a、301b、301cには、それぞれ付臭剤除去部30a、付臭剤除去部30b、付臭剤除去部30cから排出された分解済みガス中の付臭剤濃度を検出するための付臭剤濃度センサ43a、43b、43cが設けられている。そして、上記実施例と同様に、各付臭剤濃度センサ41a、41b、43c、43a、43b、43cによって検出された付臭剤濃度に基づいて、三方バルブ33a、34a、33b、34b、33c、34c、28、29、および、ブロワ52の制御が行われる。さらに、燃料電池スタック10による発電中には、付臭剤除去部30a、30b、30cのうちの少なくとも1つには、混合ガスが供給され、そこから排出された水素ガスが燃料電池スタック10に供給されるように制御される。
例えば、本変形例の付臭剤処理部30Aを備える燃料電池システムでは、付臭剤処理制御において、まず、付臭剤除去部30aを用いて混合ガス中の付臭剤を吸着除去し、水素ガスを燃料電池スタック10に供給する。そして、付臭剤濃度センサ41aによって検出された付臭剤濃度がC1(%)以上になったら、三方バルブ33a、34a、33b、34bを切り換えて、付臭剤除去部30bを用いて混合ガス中の付臭剤を吸着除去し、水素ガスを燃料電池スタック10に供給するとともに、付臭剤除去部30aに、カソードオフガスを供給し、先に説明した再生処理制御を行う。そして、付臭剤濃度センサ41bによって検出された付臭剤濃度がC1(%)以上になったら、三方バルブ33b、34b、33c、34cを切り換えて、付臭剤除去部30cを用いて混合ガス中の付臭剤を吸着除去し、水素ガスを燃料電池スタック10に供給するとともに、付臭剤除去部30bに、カソードオフガスを供給し、先に説明した再生処理制御を行う。この間に、再生処理制御によって、付臭剤除去部30aの付臭剤吸着能力の再生は終了している。そして、付臭剤濃度センサ41cによって検出された付臭剤濃度がC1(%)以上になったら、三方バルブ33c、34c、33a、34aを切り換えて、付臭剤除去部30aを用いて混合ガス中の付臭剤を吸着除去し、水素ガスを燃料電池スタック10に供給するとともに、付臭剤除去部30cに、カソードオフガスを供給し、先に説明した再生処理制御を行う。そして、これらの処理を順次繰り返す。
以上説明した変形例の付臭剤処理部30Aを用いた燃料電池システムによっても、発電中に、付臭剤除去部30aと、付臭剤除去部30bと、付臭剤除去部30cとの付臭剤吸着能力を順次再生し、付臭剤を除去した水素ガスを燃料電池スタック10に長時間継続して供給することができる。
G2.変形例2:
図9は、変形例としての付臭剤処理部30Bの構成を示す説明図である。本変形例では、付臭剤処理部30Bに、付臭剤処理装置1を用いている。図9(b)に、付臭剤処理装置1の概略構成を示した。
付臭剤処理装置1は、付臭剤を吸着するための吸着媒が充填された4つのチャンバ3A,3B,3C,3Dを備えている。これらのチャンバ3A,3B,3C,3Dは、円筒形のケース内を、回転軸4を中心として放射状に設けられた4つの仕切板2によって分割することによって形成されている。なお、本変形例では、各チャンバ3A,3B,3C,3Dに充填する吸着媒として、活性炭を用いるものとした。ゼオライト等、他の吸着媒を用いるようにしてもよい。
付臭剤処理装置1は、配管201から1つのチャンバに混合ガスを導入する混合ガス導入口と、混合ガス中の付臭剤を除去した後の水素をそのチャンバから配管202に排出する水素排出口と、配管504から他のチャンバに酸化剤ガスを導入する酸化剤ガス導入口と、吸着媒に吸着された付臭剤を分解した分解済みガスをそのチャンバから配管506に排出する分解済みガス排出口とを備えている(図示省略)。また、付臭剤処理装置1は、各導入口から所定のガスを導入し、各排出口から排出するときに、各チャンバ間の気密性を保持するための気密構造も備えている。そして、付臭剤処理装置1は、4つのチャンバ3A,3B,3C,3Dを、回転軸4を中心に回転させることによって、混合ガス中の付臭剤を吸着除去するために用いるチャンバ、および、吸着媒に吸着された付臭剤を分解して付臭剤吸着能力を再生するチャンバを切り換えることができる。図9(b)には、チャンバ3Dを用いて混合ガス中の付臭剤を吸着除去し、チャンバ3Bの付臭剤吸着能力の再生を行っている様子を示した。なお、付臭剤処理装置1の回転軸4には、図示しないモータが接続されており、その回転は、制御ユニット60によって制御される。
本変形例では、混合ガス中の付臭剤を吸着除去するチャンバ、および、付臭剤吸着能力の再生を行うチャンバを、それぞれ1つとしたが、これに限られない。例えば、混合ガス中の付臭剤を吸着除去するチャンバを1つとし、付臭剤吸着能力の再生を行うチャンバを3つとしてもよい。また、本変形例では、付臭剤処理装置1は、4つのチャンバ3A,3B,3C,3Dを備えるものとしたが、これに限られない。1つのチャンバを用いて混合ガス中の付臭剤を吸着除去しながら、他のチャンバの付臭剤吸着能力の再生を行うことができるように、2つ以上のチャンバを備えるようにすればよい。
以上説明した変形例の付臭剤処理部30Bを用いた燃料電池システムによっても、発電中に、チャンバ3A,3B,3C,3Dの付臭剤吸着能力を順次再生し、付臭剤を除去した水素ガスを燃料電池スタック10に長時間継続して供給することができる。
G3.変形例3:
上記実施例におけるガスタンク20には、例えば、以下に説明する混合ガス充填システム70によって、混合ガスが充填される。
図10は、混合ガス充填システム70の構成を示す説明図である。図示するように、混合ガス充填システム70は、水素ガスを貯蔵する水素タンク71と、付臭剤を貯蔵する付臭剤タンク72と、水素タンク71の水素ガスと付臭剤タンク72の付臭剤とを混合する混合機73と、混合機73から排出されたガス中の付臭剤を検知する付臭剤センサ74と、ガス遮断機75とを備えている。
付臭剤センサ74としては、例えば、電子授与検出器(ECD)や、熱伝導度検出器(TCP)や、炎光度検出器(FPD)や、水素炎イオン化検出器(FID)や、質量分析計や、UV・可視光吸光光度計や、赤外分光器等を用いることができる。
この混合ガス充填システム70では、付臭剤センサ74が付臭剤を検出しない場合には、ガス遮断機75のガス流路は遮断されたままとなり、混合機73から排出されたガスをガスタンク20に充填することができない。こうすることによって、付臭剤が混合されていない水素ガスをガスタンク20に充填してしまうという不具合を防止することができる。
なお、上記混合ガス充填システム70において、付臭剤センサ74の代わりにガス分析器を備えるようにし、ガスタンク20に充填すべきでないガスが所定値以上検出された場合に、ガス遮断機75のガス流路を遮断し、ガスタンク20へのガスの充填を防止するようにしてもよい。
G4.変形例4:
上記実施例では、燃料電池システム100は、混合ガスの供給手段として、水素ガスと付臭剤とを含む混合ガスが予め充填されたガスタンク20を備えるものとしたが、これに限られない。ガスタンク20の代わりに、以下に説明する混合ガス供給部80を備えるようにしてもよい。
図11は、混合ガス供給部80の構成を示す説明図である。図示するように、混合ガス供給部80は、液体水素を貯蔵する液体水素タンク81と、液体水素を気化する気化部83と、付臭剤を貯蔵する付臭剤タンク82と、気化部83によって気化された水素ガスと付臭剤とを混合するガス混合部84と、付臭剤タンク82の付臭剤を希釈して大気に放出する希釈部85と、混合ガス供給部80における水素ガスの漏洩を検知するための水素センサ86とを備えている。
この混合ガス供給部80では、水素センサ86によって混合ガス供給部80内での水素ガスの漏洩が検知されたときに、希釈部85によって付臭剤タンク82内の付臭剤を適当な濃度に希釈して、大気に放出する。こうすることによって、混合ガス供給部80内で水素ガスが漏洩したことを、人間の嗅覚によって感知することができる。
なお、本変形例の混合ガス供給部80では、水素センサ86を備えるものとしたが、これに限られない。例えば、水素ガスの漏洩に伴う配管内圧力の変化を検出するための圧力センサや、水素ガスの漏洩に伴う温度の変化を検出するための温度センサを備えるようにしてもよい。これらのセンサを組み合わせて利用するようにしてもよい。
また、混合ガス供給部80では、水素センサ86によって混合ガス供給部80内での水素ガスの漏洩が検知されたときに、希釈部85によって付臭剤タンク82内の付臭剤を適当な濃度に希釈して、大気に放出するものとしたが、この代わりに、別途用意したブザーを鳴らすようにしてもよい。こうすることによって、水素ガスの漏洩が生じた部位が混合ガス供給部80内であることを特定することができる。
また、液体水素タンク81と、気化部83との代わりに、水素ガスを放出可能な水素吸蔵合金を備えるようにしてもよいし、アルコールや、天然ガスや、ガソリンや、エーテルや、アルデヒドなどを改質して水素ガスを生成する改質部を備えていてもよい。
G5.変形例5:
上記実施例では、第1付臭剤除去部31、および、第2付臭剤除去部32は、多孔質の吸着媒を備えているため、物理吸着によって混合ガス中の付臭剤を吸着しているが、これに代えて、付臭剤を化学吸着可能な吸着媒を備えるようにし、化学吸着によって混合ガス中の付臭剤を吸着するようにしてもよい。
また、上記実施例では、第1付臭剤除去部31、および、第2付臭剤除去部32は、吸着によって混合ガス中の付臭剤を捕捉しているが、これに代えて、吸収によって混合ガス中の付臭剤を捕捉するようにしてもよい。また、熱や、電気や、電磁波などのエネルギを用いて付臭剤を分解する装置を併用してもよい。
G6.変形例6:
上記実施例では、付臭剤処理制御や、再生処理制御において、付臭剤濃度センサ41、43によって検出された付臭剤濃度に基づいて、各種バルブや、ブロワ52の駆動を制御するものとしたが、これに限られない。第1付臭剤除去部31や、第2付臭剤除去部32に流した混合ガスの流量や、酸化剤ガスの流量や、各ガスを流した時間や、燃料電池スタック10における発電量など、付臭剤の捕捉状況、すなわち、付臭剤の吸着量や、付臭剤吸着能力を推定可能な他のパラメータに基づいて制御するようにしてもよい。
G7.変形例7:
上記実施例では、再生処理制御において、付臭剤の酸化剤ガスとして、カソードオフガス、または、外部の空気を用いるものとしたが、これに限られない。例えば、外部の空気のみを用いるようにしてもよい。ただし、カソードオフガスをも用いるようにすれば、ブロワ52の駆動時間を短縮することができるので、燃料電池システム100のエネルギ効率を向上させることができる。また、ブロワ52の代わりに、例えば、酸素ボンベを備えるようにし、付臭剤の酸化剤ガスとして、酸素ボンベに充填された酸素ガスを用いるようにしてもよい。
また、上記実施例では、付臭剤の酸化剤ガスとして、カソードオフガスと、外部の空気とを切り換えて供給するものとしたが、例えば、カソードオフガス中の酸素濃度が所定値以下になったときに、両者を混合して用いるようにしてもよい。
G8.変形例8:
上記実施例では、酸化剤ガス切換処理制御において、酸素濃度センサ42によって検出されたカソードオフガス中の酸素濃度に基づいて、付臭剤の酸化剤ガスを外部の空気に切り換えるものとしたが、これに限られない。例えば、再生処理制御による付臭剤吸着能力の再生に要する時間を考慮して、上記切り換えを行うようにしてもよい。
G9.変形例9:
上記実施例では、燃料電池スタック10の出力特性を劣化させる性質を有する付臭剤が混合ガスに含まれているので、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32を用いて混合ガス中の付臭剤を吸着除去し、付臭剤をほとんど含まない水素ガスを燃料電池スタック10のアノードに供給するものとしたが、これに限られない。燃料電池スタック10の出力特性を劣化させる性質を有する付臭剤が混合ガスに含まれていない場合には、付臭剤を除去していない混合ガスを燃料電池スタック10のアノードに供給し、燃料電池スタック10のアノードから排出されるアノードオフガス中の付臭剤を、第1付臭剤除去部31、または、第2付臭剤除去部32によって吸着除去して大気中に排出するようにしてもよい。この場合、付臭剤処理部30は、配管203上、や、配管204上や、排出配管205上に配設すればよい。こうすることによっても、上記実施例と同様に、発電中に、第1付臭剤除去部31によって、アノードオフガス中の付臭剤の吸着除去を行いつつ、第2付臭剤除去部32の付臭剤吸着能力の再生を行うことができる。また、第2付臭剤除去部32によって、アノードオフガス中の付臭剤の吸着除去を行いつつ、第1付臭剤除去部31の付臭剤吸着能力の再生を行うことができる。
G10.変形例10:
上記実施例では、水素ガスと付臭剤とを含む混合ガスから付臭剤を除去した水素ガスを燃料電池スタック10に供給して発電する燃料電池システム100について説明したが、水素ガスと付臭剤とを含む混合ガスから付臭剤を除去した水素ガスを所定の装置に供給する水素ガス供給装置として構成することもできる。この水素ガス供給装置においても、上述した燃料電池システムと同様に、複数の付臭剤除去部の付臭剤吸着能力を順次再生しつつ、混合ガスから付臭剤を除去した水素ガスを供給することができる。
本発明の一実施例としての燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。 付臭剤除去部の構成を示す説明図である。 付臭剤処理部30の内部におけるガスの流れを示す説明図である。 付臭剤処理制御の流れを示すフローチャートである。 第1付臭剤除去部31から排出される排出ガス中の付臭剤濃度と第1付臭剤除去部31に吸着された付臭剤の吸着量との関係を示す説明図である。 再生処理制御の流れを示すフローチャートである。 酸化剤ガス切換制御の流れを示すフローチャートである。 変形例としての付臭剤処理部30Aの構成を示す説明図である。 変形例としての付臭剤処理部30Bの構成を示す説明図である。 混合ガス充填システム70の構成を示す説明図である。 混合ガス供給部80の構成を示す説明図である。
符号の説明
10…燃料電池スタック
20…ガスタンク
21…シャットバルブ
22…レギュレータ
23…高圧バルブ
24…バルブ
25…排出バルブ
26…逆止弁
27…バルブ
28、29…三方バルブ
30、30A、30B…付臭剤処理部
30a、30b、30c…付臭剤除去部
31…第1付臭剤除去部
32…第2付臭剤除去部
33、34…切換バルブ
33a、33b、33c、34a、34b、34c…三方バルブ
1…付臭剤除去装置
2…仕切板
3A、3B、3C、3D…チャンバ
4…回転軸
40…気液分離装置
41、41a、41b、41c、43、43a、43b、43c…付臭剤濃度センサ
42…酸素濃度センサ
50、52…ブロワ
60…制御ユニット
70…混合ガス充填システム
71…水素タンク
72…付臭剤タンク
73…混合機
74…付臭剤センサ
75…ガス遮断機
80…混合ガス供給部
81…液体水素タンク
82…付臭剤タンク
83…気化部
84…ガス混合部
85…希釈部
86…水素センサ
100…燃料電池システム
201〜204…配管
205…排出配管
301a、301b、301c、302a、302b、302c…配管
312…担体
312a…平板
312b…波板
312c…軸部材
501〜506…配管

Claims (15)

  1. 燃料電池システムであって、
    水素と酸素との電気化学反応によって発電を行う燃料電池と、
    付臭剤と水素ガスとを含む混合ガス中の前記付臭剤を捕捉する複数の付臭剤捕捉部と、
    前記各付臭剤捕捉部に捕捉された付臭剤を分解し、前記各付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を再生する再生部と、
    前記各部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    制御モードとして、前記付臭剤捕捉部ごとに、少なくとも
    前記混合ガス中の付臭剤を前記付臭剤捕捉部に捕捉させる捕捉モードと、
    前記再生部によって、前記付臭剤捕捉部に捕捉された付臭剤を分解し、該付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を再生する再生モードと、
    をそれぞれ有し、前記制御モードをそれぞれ切り換える、
    燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記付臭剤捕捉部における前記付臭剤の捕捉状況を示す所定のパラメータに基づいて、前記制御モードを切り換える、
    燃料電池システム。
  3. 請求項2記載の燃料電池システムであって、
    前記パラメータは、前記付臭剤捕捉部から排出された排出ガス中の付臭剤濃度であり、
    前記燃料電池システムは、さらに、
    前記付臭剤濃度を検出する付臭剤濃度検出部を備える、
    燃料電池システム。
  4. 請求項3記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記制御モードが前記捕捉モードであって、前記付臭剤濃度が第1の所定値以上になったときに、前記捕捉モードを終了する、
    燃料電池システム。
  5. 請求項4記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記制御モードが捕捉モードであって、前記付臭剤濃度が第1の所定値以上になったときに、さらに、前記制御モードを前記再生モードに切り換える、
    燃料電池システム。
  6. 請求項3記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記制御モードが前記再生モードであって、前記付臭剤濃度が第2の所定値以下になったときに、前記再生モードを終了する、
    燃料電池システム。
  7. 請求項6記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記制御モードが再生モードであって、前記付臭剤濃度が第2の所定値以下になったときに、さらに、前記制御モードを前記捕捉モードに切り換える、
    燃料電池システム。
  8. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、さらに、前記複数の付臭剤捕捉部のうちの少なくとも1つについて、前記制御モードが前記捕捉モードとなるように、前記付臭剤捕捉部ごとに、前記制御モードを切り換える、
    燃料電池システム。
  9. 請求項1記載の燃料電池システムであって、
    前記再生部は、
    前記各付臭剤捕捉部によって捕捉された前記付臭剤を酸化して分解するための酸化剤ガスを、前記各付臭剤捕捉部に供給する酸化剤ガス供給部を備え、
    前記燃料電池システムは、さらに、
    前記付臭剤捕捉部に、前記混合ガスを供給するか、前記酸化剤ガスを供給するかを切り換える第1の切換部と、
    前記付臭剤捕捉部から排出された排出ガスを、前記燃料電池に供給するか、外部に排出するかを切り換える第2の切換部と、を備え、
    前記制御部は、さらに、
    前記制御モードが前記捕捉モードであるときに、前記付臭剤捕捉部に、前記混合ガスが供給されるように、前記第1の切換部を制御するとともに、前記付臭剤捕捉部から排出された排出ガスを、前記燃料電池に供給するように、前記第2の切換部を制御し、
    前記制御モードが前記再生モードであるときに、前記付臭剤捕捉部に、前記酸化剤ガスが供給されるように、前記供給ガス切換部を制御するとともに、前記付臭剤捕捉部から排出された排出ガスを、外部に排出するように、前記第2の切換部を制御する、
    燃料電池システム。
  10. 請求項9記載の燃料電池システムであって、
    前記酸化剤ガス供給部は、前記酸化剤ガスとして、前記燃料電池のカソードから排出されるカソードオフガスを用いる、
    燃料電池システム。
  11. 請求項10記載の燃料電池システムであって、
    前記酸化剤ガスは、酸素ガスであり、
    前記燃料電池システムは、さらに、
    前記カソードオフガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出部を備え、
    前記酸化剤ガス供給部は、
    前記制御モードが前記再生モードであって、前記酸素濃度が所定値以下であるときに、前記付臭剤捕捉部に、酸素ガスを含む、前記カソードオフガス以外のガスを供給する、
    燃料電池システム。
  12. 請求項11記載の燃料電池システムであって、
    前記酸化剤ガス供給部は、前記制御モードが前記再生モードであって、前記酸素濃度が所定値以下であるときに、前記付臭剤捕捉部に、前記酸素ガスを含む、前記カソードオフガス以外のガスを、前記カソードオフガスに代えて供給する、
    燃料電池システム。
  13. 請求項10記載の燃料電池システムであって、
    前記酸化ガス供給部は、前記酸素ガスを含む、前記カソードオフガス以外のガスとして、空気を用いる、
    燃料電池システム。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の燃料電池システムであって、
    前記付臭剤捕捉部の数は、2つである、
    燃料電池システム。
  15. 水素ガスを所定の装置に供給する水素ガス供給装置であって、
    付臭剤と水素ガスとを含む混合ガス中の前記付臭剤を捕捉する複数の付臭剤捕捉部と、
    該各付臭剤捕捉部に捕捉された付臭剤を分解し、該各付臭剤捕捉部の付臭剤捕捉能力を再生する再生部と、
    前記各部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    制御モードとして、前記付臭剤捕捉部ごとに、少なくとも
    前記混合ガス中の付臭剤を前記付臭剤捕捉部に捕捉させる捕捉モードと、
    前記再生部によって、前記付臭剤捕捉部に捕捉された付臭剤を分解し、該付臭剤捕捉部を再生する再生モードと、
    をそれぞれ有し、前記制御モードをそれぞれ切り換える、
    水素ガス供給装置。
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