以下、本発明を図を用いて説明する。本発明における音声再生装置とは、音声ファイルの再生機能を有する電子機器であって、本発明は、音声ファイルの再生専用の音楽プレーヤ、音声ファイルに加えて画像ファイルの再生が可能な音楽プレーヤ、画像ファイルに加えて音声ファイルの再生が可能な撮像装置等として実施される。図1は、本発明の一実施例であるデジタルスチルカメラの概要を示すブロック図である。被写体から送られる光は、ズームレンズやフォーカスレンズ等で構成される撮像レンズ群(1)と絞り(3)等を介して、撮像素子(5)の受光面に結像する。撮像素子(5)には、例えばCCD(Charge Coupled Device)が用いられる。撮像素子(5)は、タイミングジェネレータ(7)から送られるタイミング信号を用いて、撮像素子(5)が有する画素の一部に蓄積された電荷を、画像信号(電圧パルス信号)として出力する。出力された画像信号は、CDS/AGC部(9)にて、相関二重サンプリングや自動ゲイン調整等の処理が施された後、アナログ−デジタルコンバータ(11)にてデジタル信号に変換されて、信号処理部(13)に送られる。なお、タイミングジェネレータ(7)から出力されるタイミング信号は、撮像素子(5)に加えて、CDS/AGC部(9)及びアナログ−デジタルコンバータ(11)に送られて、これら構成要素における動作の同期が図られている。
デジタル化された画像信号は、信号処理部(13)にて、ガンマ補正、ホワイトバランス調整等が施される。信号処理部(13)から出力された画像信号は、バッファメモリ(15)に一旦記憶された後、表示コントローラ(17)に送られる。表示コントローラ(17)は、画像信号を所定のビデオ信号に変換して表示部(19)に出力する。表示部(19)は、例えば液晶表示装置であって、画像ファイルの再生や各種設定画面の表示等に使用されることに加えて、EVF(Electronic View Finder)として機能する。デジタルスチルカメラが撮影モードで動作している場合、上述のようにして、画像信号の読み出しや画像信号の表示部(19)への出力などが行われて、所謂スルー画像が表示部(19)に表示される。
CPU(21)は、デジタルスチルカメラの各種制御及び処理を実行し、ROM(23)には、CPU(21)にて実行される制御や処理を記述したプログラムが記憶されている。後に参照する図2のフローチャート等で示す動作を記述したプログラムも、ROM(23)に記憶されており、CPU(21)にて実行される。RAM(25)は、CPU(21)のワークエリアとして使用される。フラッシュメモリ(27)には、ユーザが行った各種設定等が記憶される。システムコントローラ(29)は、デジタルスチルカメラに設けられた各種釦やスイッチの入力信号の処理や電源(図示省略)の制御等を行う。システムコントローラ(29)には、メインスイッチ(31)、レリーズ釦(33)、メニュー釦(35)、4方向釦(37)及び確定釦(39)等で構成される操作部が接続されている。メインスイッチ(31)は、例えば切替式のスイッチであり、これを操作することにより、撮影モード、音声記録モードや再生モード等の間で動作モードの切替や電源のオン・オフが行われる。レリーズ釦(33)は、画像の撮影動作や音声の録音動作の指示に使用される。メニュー釦(35)は、メニュー画面や設定画面の表示及び選択に使用される。4方向釦(37)は、メニュー画面や設定画面にて項目を選択する際に使用される。さらに、4方向釦(37)は、後述するファイル表示画面にてカーソルを移動させるためにも使用される。確定釦(39)は、メニュー画面や設定用画面における選択の確定や、後述するように選択されているデータファイルの再生動作を指示するのに使用される。
ユーザは、表示部(19)に表示されたスルー画像を見ながら、適当なタイミングで、レリーズ釦(33)を押下する。レリーズ釦(33)の押下はシステムコントローラ(29)にて検知され、それを通知する信号がシステムコントローラ(29)からCPU(21)に送られる。CPU(21)は、撮像素子(5)の全画素から電荷を読み出すようにタイミングジェネレータ(7)に指示タイミングジェネレータ(7)は、これに応じたタイミング信号を撮像素子(5)に出力する。そして、撮像素子(5)にて、電荷の蓄積と全画素の電荷の読出しが行われ、スルー画像の画像信号よりも解像度の高い画像信号が、撮像素子(5)から出力される。
撮像素子(5)から出力された画像信号は、上記と同様に処理されてバッファメモリ(15)に一旦記憶された後、画像データ処理部(41)に送られる。画像データ処理部(41)は、例えば、JPEG(Joint Photographic Expert Group)方式に基づいて画像信号に圧縮符号化処理等を施して、JPEG形式の画像データを作成する。作成された画像データは、画像についての情報や撮影日時などの付加情報とサムネイルデータとを含むタグ(例えば、Exifタグ)が付加された画像ファイルとして、インターフェイス(43)を介して記録媒体(45)に記録される。画像ファイルには、所定の規則に基づいて(例えば、DCF(Design rule for Camera File system)規格に基づいて)名称が付される。記録媒体(45)には、例えば、SDメモリカード(登録商標)等の着脱自在なICメモリやハードディスクドライブなどが使用されるが、その他の種類の記録媒体が使用されてよい。再生モードにて再生動作が指示されると、画像ファイルが記録媒体(45)から読み出されて、その画像データは、画像データ処理部(41)にて伸張処理等を施される、その後、画像データが表示コントローラ(17)に送られて、表示部(19)に画像が表示される。なお、実施例のデジタルスチルカメラは、静止画像に加えて動画像の撮影も可能であって、画像データ処理部(41)が、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式に基づいて、逐次送られる画像信号に圧縮符号化処理等を施して、動画像の画像ファイルが作成及び記録される。
本実施例のデジタルスチルカメラは、音声記録モードにおいてボイスレコーダとして機能する。メインスイッチ(31)にて音声記録モードが選択された状態にて、レリーズ釦(33)が押下されると音声の記録動作が開始し、外部の音声がマイクロホン(47)にてアナログ音声信号に変換されて、アナログ−デジタルコンバータ(49)に送られる。アナログ音声信号は、アナログ−デジタルコンバータ(49)にてデジタル音声信号に変換されて、バッファメモリ(15)に一旦記憶された後、音声データ処理部(51)に送られる。音声データ処理部(51)は、例えば、MP3(MPEG Audio Layer-3)方式に基づいて音声信号に圧縮符号化処理等を施して、MP3形式の音声データを作成する。作成された音声データは、記録日時等の付加情報を記述したタグと共に、音声ファイルとして記録媒体(45)に記録される。音声ファイルには、所定の規則に基づいて名称が付される。音声の記録動作は、レリーズ釦(33)が再度押下されると終了する。
再生モードにて再生動作が指示されると、選択されている音声ファイルが記録媒体(45)から読み出されて、その音声データは、音声データ処理部(51)にて伸張処理等を施された後、バッファメモリ(15)に一旦記憶される。バッファメモリ(15)から読み出された音声データは、デジタル−アナログコンバータ(53)にてアナログ音声信号に変換された後、アンプ(55)にて増幅される。アンプで増幅されたアナログ音声信号は、スピーカ(57)に送られて音声として出力される。
デジタルスチルカメラは、USBコントローラ(59)及びUSB端子(61)を具えており、パーソナルコンピュータ等の外部装置とUSB(Universal Serial Bus)を用いて通信接続される。これによって、外部装置に記録された画像ファイルや音声ファイル等が、デジタルスチルカメラに転送されて記録媒体(45)に記録される。例えば、楽曲に関した音声ファイルを転送することで、ユーザは、デジタルスチルカメラを用いて音楽鑑賞を楽しむことができる。
以下、本実施例のデジタルカメラが再生モードにおいて行う処理について説明する。再生モードにて、記録媒体(45)に記録されたデータファイルの一覧の表示が指示されると、図2に示すようなファイル表示画面の表示動作が行われる。まず、CPU(21)により、記録媒体(45)に記録されているデータファイルのソートが(例えばファイル名のアルファベット順で)行われて、その結果がRAM(25)に記憶される(S1)。次に、ソート結果における一番最初のデータファイルが参照されて(S3)、サムネイルデータを有しているか否かが判断される(S5)。データファイルが動画像の画像ファイルである場合、最初のフレームの画像データがサムネイルに相当する。データファイルがサムネイルデータを有している場合は、ステップS5の後、サムネイルデータが読み出されて表示コントローラ(17)に送られる。そして、サムネイルデータは、表示コントローラ(17)にて、該コントローラが具えるVRAMに記憶されているファイル表示用画像データと合成される(S7)。データファイルがサムネイルデータを有していない場合は、ステップS5の後、ROM(23)に記憶されているアイコンデータが読み出されて、ファイル表示用画像データと合成される(S9)。データファイルの種類に応じて、読み出されるアイコンデータが選択される。
ステップS7又はS9の後、表示部(19)にて表示されるべき未処理のデータファイルが存在するか否か判断される(S11)。ステップS11にて、未処理のファイルが存在する場合には、ソート結果における次のデータファイルがステップS3にて参照されて、それ以降の処理が再度行われる。ステップS11にて、未処理のデータファイルが存在しないと判断された場合には、ROM(23)に記憶されているカーソルデータがファイル表示用画像データと合成される(S13)。表示コントローラ(17)は、ファイル表示用画像データに基づいて周期的に描画処理を行っており、ステップS13の後、カーソルを含むファイル表示画面が表示部(19)に表示される(図3A乃至C参照)。
ステップS13の後、4方向釦(37)の押下に伴ったカーソルの移動が必要であるか否かが判断されて(S15)、カーソルの移動が行われる場合、ステップS15の後、表示されるデータファイルを変更するためにファイル表示画面の再描画が必要であるか否かが判断される(S17)。再描画が不要である場合、カーソルが移動先のサムネイル又はアイコンを指定するようにステップS13が行われる。再描画が必要な場合、ファイル表示画面に示される新たなデータファイルの集まりについてステップS3及びそれ以降の処理が再度行われる。図2に示す動作は、画像ファイルの再生動作の開始や再生モードの終了が指示されることにより、中断又は終了する。
図3A乃至Cは、表示部(19)に表示されたファイル表示画面の例を示す説明図である。本実施例のファイル表示画面では、一度に6つのデータファイルが矩形のサムネイル又はアイコン(71a-f)で示される。本実施例では、カーソル(73)は、現在選択されているファイルのサムネイル又はアイコン(71a-f)を囲う枠として描画されている。サムネイル又はアイコン(71a-f)は、上段左から右に、さらには下段左から右へとソート順に並べられており、カーソル(73)は、4方向釦(37)が押下されると、4方向釦(37)で指定された方向に応じて移動して、新たなサムネイル又はアイコン(71a-f)を指定する。
図3Aは、図2に示す処理が実行されてファイル表示画面が表示された初期の状態を示している。最初に行われるステップS13にて、カーソル(73)は、上段左のサムネイル(71a)を囲うように描画されている。図3Aに示す状態にて、右方向を指定するように4方向釦(37)が押下されると、図3Bに示すように、カーソル(73)が、上段中のアイコン(71b)に移動し、そのアイコン(71b)に対応するデータファイルが選択される。さらに、右方向を指定するように4方向釦(37)が2度押下されると(又は、図3Aに示す状態にて、下方向を指定するように4方向釦(37)が押下されると)、図3Cに示すように、カーソル(73)は、下段右のサムネイル(71d)を囲うように描画されて、そのサムネイル(71d)に対応するデータファイルが選択される。なお、例えば、図3Cに示す状態にて、下方向を指定するように4方向釦(37)が押下された場合のように、現在表示されていないデータファイルが選択される場合には、ファイル表示画面の再描画が必要であるとステップS17で判断されて、ファイル表示画面が再描画される。なお、図3A乃至Cでは、データファイルがサムネイル又はアイコン(71a-f)を用いて示されているが、データファイルの名称を示す文字列が併せて描画されてもよい。
図4は、ファイル表示画面にてデータファイルを選択して、その再生を行う動作を示すフローチャートである。まず、選択されたデータファイル、つまり、カーソル(73)で囲まれているサムネイル又はアイコンに対応するデータファイルが特定される(S21)。ステップS21の後、特定されたファイルが音声ファイルであるか否かが判断される(S23)。データファイルが音声ファイルである場合、そのデータファイルが選択されてから、つまり、そのデータファイルを示すサムネイル又はアイコンにカーソル(73)が移動してから(または、図3Aのような初期状態から)所定時間(例えば、数秒程度)経過したか否かが判断される(S25)。
音声ファイルが選択されてから所定時間が経過すると、その音声ファイルの音声データが記録媒体(45)から読み出されて、プレ再生動作が行われる(S27)。プレ再生は、選択された音声ファイルの内容をユーザに知らせることを目的とすることから、ステップS27にて、フラッシュメモリ(27)に記憶されたプレ再生用の設定に基づいて、音声データの読込みが行われ、音声データ処理部(51)等が制御される。プレ再生用の設定は、確定釦(39)の押下で開始される本再生の設定と別個になされており、例えば、プレ再生は、比較的小さな音量で、記録された音声の途中から音声データの再生が行われるように設定される。また、プレ再生は、音声ファイルの再生時間が所定の時間(例えば30秒程度)を超えると終了するように設定される。なお、通常の再生と同様にして(ユーザが設定した音量等に基づいて、再生時間の制限なく音声の最初から)プレ再生動作を行うことも可能である。
プレ再生動作中、又は選択されているデータファイルが音声ファイルでない場合、4方向釦(37)が押下されてカーソル(73)が移動したか否かが判断されて(S29)、カーソル(73)が移動しない場合には、確定釦(39)が押下されたか否かがさらに判断される(S31)。確定釦(39)が押下されると、データファイルの再生動作が行われる(S33)。選択されているデータファイルが音声ファイルである場合は、(プレ再生動作が行われている場合には終了された後に)音声データが読み出されて、ユーザが設定した音量等に基づいて、最初から音声の本再生動作が行われる。選択されているデータファイルが画像ファイルである場合は、画像データが読み出されて、表示部(19)の表示領域全体に画像(又は動画像)が表示される。カーソル(73)が移動した場合には、プレ再生動作中であるか否かが判断されて(S35)、プレ再生動作中である場合には、プレ再生動作が終了される(S37)。ステップS37の後、又はステップS35にてプレ再生動作中でないと判断された場合、ステップS21が行われて新たに選択されたデータファイルが特定されて、ステップS23及びそれ以降の処理が行われる。
音声ファイルが選択されてから所定時間が経過していない場合に、カーソル(73)が移動すると(S39)、ステップS21及びそれ以降の処理が行われる。また、カーソル(73)が移動せずに確定釦(39)が押下された場合(S41)、ステップS33が行われる。カーソル(73)の移動も確定釦(39)の押下もない場合、ステップS25にて時間の経過が判断され続ける。
再度図3を参照すると、上段左に表示されているサムネイル(71a)は、画像ファイルを示しており、図3Aに示す状態ではプレ再生動作は行われない。上段中のアイコン(71b)は音声ファイルを示しており、図3Bに示すように、カーソル(73)がそのアイコン(71b)に移動すると、ステップS29、S35、S21乃至25が実行される。その後、所定時間が経過すると、ステップS27が実行されて、アイコン(71b)に対応する音声ファイルのプレ再生が行われる。上段右のアイコン(71c)と下段中のアイコン(71e)も音声ファイルを示しており、カーソル(73)がこれら何れかのアイコンに移動し、所定時間が経過すると、ステップS27が実行されて、アイコン(71c)又はアイコン(71e)に対応する音声ファイルのプレ再生が行われる。また、下段左のサムネイル(71d)も音声ファイルを示しており、図3Cに示すように、カーソル(73)がそのサムネイル(71d)に移動して、所定時間が経過すると、サムネイル(71d)に対応する音声ファイルのプレ再生が同様に行われる。
音声の再生開始位置(時間)、再生時間や音量レベル等のプレ再生における再生条件は、ユーザによって自由に設定されるのが好ましい。また、記録された音声は、音声ファイル毎に大きく異なっていることから、プレ再生における再生条件は音声ファイルに対応して設定されるのが好ましいとも考えられる。本発明の第2実施例は、これらの事情を考慮したものであって、プレ再生における再生条件に関する情報を音声ファイルのタグに記述し、その再生条件に従って、音声ファイルのプレ再生を行うことを特徴とする。
第2実施例のデジタルスチルカメラは、図1に示す第1実施例と同様な構成を具えている。図5は、第2実施例のデジタルスチルカメラで行われる音声の記録動作を示すフローチャートである。例えば、音声記録モードにて、レリーズ釦(33)が押下されると、上述したように音声の記録が開始される(または、USBコントローラ(59)及びUSB端子(61)を介して外部装置から送られる音声データを音声データ処理部(51)にて処理して、音声ファイルとして記録媒体(45)に記録する処理が行われてもよい)(S51)。ユーザは、メニュー釦(35)を操作して設定画面を呼び出して、プレ再生における再生条件を設定可能である。ユーザによって設定された再生条件はフラッシュメモリ(27)に記憶される。ステップS51の後、ユーザ設定の有無が判断されて(S53)、ユーザ設定の再生条件がある場合には、音声の記録処理が終了した後(S55)、記録媒体(45)に新たに記録された音声ファイルのタグに、フラッシュメモリ(27)に記憶されている再生条件に関する情報が書き込まれる(S57)。
ユーザ設定の再生条件がない場合には、ステップS53の後、記録している音声の解析が行われて、解析結果がRAM(25)に記憶される(S59)。例えば、音声信号の音量レベルが、音声データ処理部(51)において所定の周期又は単位で求められて、RAM(25)に逐次記憶される。音声の記録処理が終了したか否かが判断され(S61)、終了していない場合、ステップS59は継続して行われる。音声の記録処理が終了すると、CPU(21)は、RAM(25)に記憶された解析結果に基づいて、再生条件を決定する(S63)。ステップS63にて決定された再生条件に関する情報は、新たに記録された音声ファイルのタグに書き込まれる(S65)。
第2実施例の再生条件では、第1実施例と同様に、音量レベル、再生開始位置、再生時間等が定められてよい。また、ステップS63にて決定される再生条件にて、音量レベルが最も大きい位置や音量レベルが急激に変化した位置や、又はこのような時点から所定時間遡った位置からプレ再生を行うように、プレ再生を開始するフレームが特定されてよい。無音状態又は無音状態に近い状態が、プレ再生動作にて長時間継続する事態が効果的に防止される。なお、再生条件がユーザによって設定される場合、ユーザが音声記録動作中に行った操作部の操作に応じて再生条件が設定されてもよい。例えば、音声記録動作中にユーザが確定釦(39)を押下することによって、その時点の音声に対応した位置として再生開始位置が特定される。
図6は、USBコントローラ(59)及びUSB端子(61)を介して、外部装置から転送されるデータファイルを、第2実施例のデジタルスチルカメラの記録媒体(45)に記録する際に行われる動作を示すフローチャートである。まず、転送されたデータファイルが、記録媒体(45)に記録される(S71)。ステップS71の後、新たに記録されたデータファイルが音声ファイルであるか否かが判断されて(S73)、音声ファイルでない場合、動作は終了する。音声ファイルである場合には、その音声ファイルがタグを有しているか否かが判断される(S75)。タグがない場合、デジタルスチルカメラの仕様のタグが音声ファイルに付加される(S77)。タグを有している場合、そのタグがデジタルスチルカメラの仕様のタグであるか否かが(再生条件の記述が可能なタグであるか否かが)判断される(S79)。タグがデジタルスチルカメラの仕様のタグでない場合、動作は終了する。
ステップS79にてタグが仕様に合致していると判断された場合、プレ再生の再生条件に関する情報がタグに記述されているか否かが判断される(S81)。再生条件に関する情報が記述されている場合には、動作は終了する。情報が記述されていない場合、又はステップS77の後、再生条件がユーザにより設定されているか否かが判断される(S83)。再生条件が設定されていない場合、動作は終了する。ユーザ設定の再生条件がある場合には、記録媒体(45)に新たに記録された音声ファイルのタグに、フラッシュメモリ(27)に記憶されている再生条件に関する情報が書き込まれる(S85)。
第2実施例のデジタルスチルカメラでは、図5に示す処理を行うか否かと、図6に示す処理を行うか否かとは、ユーザによって自由に選択可能である。また、図6から理解されるように、図6に示す処理が実行されても、記録される音声ファイルに対して再生条件が与えられない事態が起こり得る。再生条件に関する情報の有無で音声ファイルを区別するために、第2実施例のファイル表示画面では、再生条件に関する情報がタグに記述された音声ファイルを示すサムネイル又はアイコンに、その旨を示すマークが付される。マークは、文字、図形又は記号等や、それらの組み合わせである。
図7は、第2実施例にて行われるファイル表示画面の表示動作を示すフローチャートである。まず、図2に示すステップS1と同様にファイルのソートが行われ(S101)、ステップS3と同様にデータファイルが参照される(S103)。ステップS103の後、参照されたデータファイルが音声ファイルであるか否かが判断される(S105)。データファイルが音声ファイルである場合、再生条件に関する情報がタグに記述されているか否かが判断される(S107)。再生条件に関する情報が記述されている場合、サムネイルデータを有しているか否かが判断される(S109)。サムネイルデータを有している場合、サムネイルデータと、ROM(23)に記憶されているマークデータとが読み出されて、表示コントローラ(17)にてファイル表示用画像データと合成される(S111)。音声ファイルがサムネイルデータを有していない場合は、ROM(23)に記憶されている音声ファイル用のアイコンデータとマークデータとが読み出されて、ファイル表示用画像データと合成される(S113)。
ステップS105にてデータファイルが音声ファイルでないと、又は、ステップS107にて再生条件に関する情報がタグに記述されていないと判断された場合、データファイルがサムネイルデータを有しているか否かが判断されて(S115)、サムネイルデータを有している場合、サムネイルデータが記録媒体(45)から読み出されて、ファイル表示用画像データと合成される(S117)。サムネイルデータがない場合、データファイルの種類に応じたアイコンデータがROM(23)から読み出されて、ファイル表示用画像データと合成される(S119)。ステップS111、S113、S115及びS119の何れかが実行された後、図1に示すステップS11乃至17に夫々対応するステップS121乃至127が実行される。
第2実施例でも、図4と同じように、ファイル表示画面にてデータファイルが選択されて、その再生動作やプレ再生動作が行われるが、ステップS27に示すプレ再生動作が先の実施例と異なる。図8は、第2実施例にて行われるプレ再生動作を示すフローチャートである。まず、選択されている音声ファイルのタグに再生条件に関する情報が記述されているか否かが判断される(S131)。再生条件に関する情報が記述されている場合、再生条件に関する情報が読み出されて(S133)、その再生条件に基づいて音声データの再生動作が行われる(S135)。フラッシュメモリ(27)にはデフォルトの再生条件が記憶されており、選択された音声ファイルのタグに再生条件に関する情報が記述されていない場合には、ステップS131の後、そのデフォルトの再生条件に基づいて音声データが再生される(S137)。このデフォルトの再生条件でも、音量レベル、再生開始位置、再生時間等が定められてよい。
図9A乃至Cは、第2実施例におけるファイル表示画面の例を示す説明図であって、図3A乃至Cに夫々対応している。アイコン(71b)(71e)に対応する音声ファイルには、図5に示すステップS57若しくはS63、又は図6に示すステップS85が実行されることで、プレ再生の再生条件に関する情報がタグに記述されている。これによって、図7のステップS113及びS111にて、マークデータがファイル表示用画像データに合成されて、これらアイコン(71b)(71e)には、再生条件に関する情報がタグに記述されていることを示すマーク(75)が付されている。アイコン(71c)とサムネイル(71d)に対応する音声ファイルには、プレ再生の再生条件に関する情報がタグに記述されていない(又は情報を記述可能なタグが音声ファイルにない)ので、アイコン(71c)及びサムネイル(71d)には、マーク(75)は付されていない。
図9Aに示す状態から、図9Bに示すようにカーソル(73)がアイコン(71b)に移動すると、図4に示すステップS29、S35、S21乃至25が実行される。その後、所定時間が経過すると、ステップS27が、つまり図8に示すプレ再生動作が実行される。アイコン(71b)に対応する音声ファイルのタグには、再生条件に関する情報が記述されていることから、ステップS131乃至135が実行される(アイコン(71e)が示す音声ファイルについても同様)。図3Cに示すように、カーソル(73)がサムネイル(71d)に移動して所定時間が経過すると、サムネイル(71d)に対応する音声ファイルのプレ再生が行われるが、サムネイル(71d)が示す音声ファイルのタグには、再生条件に関する情報が記述されていることから、ステップS131の後ステップS137が実行される(アイコン(71c)が示す音声ファイルについても同様)。
プレ再生は、音声ファイルの内容の確認を目的とすることから、プレ再生動作を簡易に行うことで、実行される処理の負担を軽減することが好ましい。本発明の第3実施例では、簡易再生用に作成された音声データを用いてプレ再生動作が行われる。図10は、第3実施例のデジタルスチルカメラで行われる音声の記録動作を示すフローチャートである。図10に示す動作では、音声ファイルの記録に併せて、簡易再生用の音声データ(「プレ再生用音声データ」と称する)が作成される。図10に示すステップS151乃至161は、図5に示すステップS51乃至61に夫々対応しているので説明を省略する。ここでユーザ設定とは、プレ再生用音声データの作成条件に関するユーザ設定であって、例えば、再生時間又はデータ長さ、ビットレート、音声データの抽出領域等が定められる。ユーザが作成条件を設定している場合には、音声の記録動作が終了した後(S155)、フラッシュメモリ(27)に記憶されているユーザ設定に基づいて、CPU(21)が音声データ処理部(51)の制御や新たに記録された音声ファイルの読み出しを行うことによって、プレ再生用音声データが作成されてバッファメモリ(15)に記憶される(S157)。ユーザが作成条件を設定していない場合には、音声の記録動作が終了した後(S161)、ステップS159にて行われる記録音声の解析結果に基づいて、作成条件が決定される(S163)。そして、決定された作成条件に基づいて、プレ再生用音声データが作成されて、バッファメモリ(15)に記憶される(S165)。ステップS157又はS165の後、プレ再生用音声データが音声ファイルに加えられる(S167)。プレ再生用音声データは、例えば、音声ファイルのタグを利用して音声ファイルに含められる。
図11は、USBコントローラ(59)及びUSB端子(61)を介して、外部装置から転送されるデータファイルを、第3実施例のデジタルスチルカメラの記録媒体(45)に記録する際に行われる動作を示すフローチャートである。転送されたデータファイルが、記録媒体(45)に記録されて(S171)、ステップS171の後、新たに記録されたデータファイルが音声ファイルであるか否かが判断される(S173)。音声ファイルでない場合、動作は終了する。音声ファイルである場合には、その音声ファイルがプレ再生用音声データを有しているか否かが判断される(S175)。プレ再生用音声データを有している場合、動作は終了する。プレ再生用音声データがない場合、プレ再生用音声データの作成条件についてユーザ設定が行われているか否かが判断される(S177)。ユーザ設定が行われている場合、新たに記録された音声ファイルを用いて、フラッシュメモリ(27)に記憶されているユーザ設定に基づいて、プレ再生用音声データが作成されて、バッファメモリ(15)に記憶される(S179)。ユーザ設定が行われていない場合には、フラッシュメモリ(27)に記憶されているデフォルトの設定に基づいて、プレ再生用音声データが作成されて、バッファメモリ(15)に記憶される(S181)。ステップS179又はステップS181の後、プレ再生用音声データが音声ファイルに加えられる(S183)。
第3実施例でも、図7のフローチャートに示す動作と同様なファイル表示画面の表示動作が実行されて、図9A乃至Cに例示したように、音声ファイルのプレ再生用音声データの有無をマーク(75)で示すファイル表示画面が表示部(19)に表示される(図7のステップS107では、プレ再生用音声データの有無が判断される)。また、第3実施例でも、図4に示すように、ファイル表示画面にてデータファイルが選択されて、その再生動作やプレ再生動作が行われるが、ステップS27のプレ再生動作は、図12のフローチャートに示すように行われる。まず、選択されている音声ファイルがプレ再生用音声データを有しているか否かが判断される(S191)。音声ファイルがプレ再生用音声データを有している場合、そのプレ再生用音声データが読み出されて(S193)、プレ再生用音声データの再生動作が行われる(S195)。プレ再生用音声データがない場合には、ステップS191の後、音声データの再生動作が行われる(S197)。フラッシュメモリ(27)には、この場合における再生条件が記憶されており、ステップS197にて参照される。この再生条件では、図8のステップS137と同様に、音量レベル、再生開始位置、再生時間等が定められてよい。
第2実施例の再生条件の決定や第3実施例のプレ再生用データの作成は、記録される音声を所定の数で分割し、各々の部分について音量レベルの平均値を求めて、最も平均値が大きい部分が、又は平均値が上位である複数の部分がプレ再生されるように行われてもよい。図13Aに示す例では、音声が9分割されて、各々の部分の平均音量レベルが10段階で評価されている。そして、例えば、評価値が9である部分と、評価値が8である部分とを再生するように再生条件が定められ、プレ再生用データが作成される。また、評価値が大きく増加した1又は複数の部分を再生するように再生条件が定められ、この部分についてプレ再生用データが作成されてもよい。例えば、図13Aにて示す例では、評価値が8である部分を、又は評価値が8である部分と評価値が9である部分とを再生するように再生条件が定められ、プレ再生用データが作成される。また、図13Bに示すように、記録される音声を所定の数で分割し、各部分について最初の数秒のみが再生されるように、再生条件が定められ、プレ再生用データが作成されてもよい。
図5に示したプレ再生の再生条件に関する情報の書込動作では、ユーザによる設定が行われていない場合、再生条件の自動決定を行うことなく動作を終了させてもよい(ステップS59乃至65を省略)。また、新たに記録される音声ファイルの全てについて、再生条件の自動決定が行われてもよい(ステップS53乃至57を省略)。図10に示したプレ再生用音声データの作成動作も同様に、ユーザによる設定が行われていない場合には、作成条件の自動決定を行うことなく動作を終了させてもよい(ステップS159乃至165を省略)。また、新たに記録される音声ファイルの全てについて、作成条件の自動決定が行われてプレ再生用データが作成されてもよい(ステップS153乃至157を省略)。
先に述べたように、本発明は、音声ファイルの再生専用の音楽プレーヤに利用できる。図14は、本発明の第4実施例である携帯型音楽プレーヤを示す正面図である。第4実施例の具体的構成については、図1に示すデジタルスチルカメラのブロック図から撮像専用の構成要素を削除することにより概要を理解できるので説明を省略する。音楽プレーヤの表示部(81)には、音楽プレーヤ内の記録媒体に記録されている個々の音声ファイルが、その音声ファイルに係る楽曲の名称の文字列(83)として示されている。本発明において、ファイル表示画面にてデータファイルを示すために使用される表現は特に限定されず、画像、アイコン、イラスト、図形、文字及び記号のうちの少なくとも1つを用いていればよい。帯状のカーソル(85)は、選択されている楽曲、つまり音声ファイルを示しており、シフト釦(87a)(87b)を操作することによって上下に移動する。ある音声ファイルが選択されている状態で、確定釦(89)が押下されるとその音声ファイルの再生が行われる。第4実施例でも、先の実施例と同様に、シフト釦(87a)(87b)が操作されてカーソル(85)が移動して、所定の時間が経過すると、新たに選択された音声ファイルのプレ再生が行われる。
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に登録の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。また、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に登録の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。