JP2007101673A - 感光性レジスト組成物及び基板の製造方法 - Google Patents

感光性レジスト組成物及び基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板上に形成された金属膜のウェットエッチング時において、孔食の発生を抑制し得るレジストパターンを与える感光性レジスト組成物、及び該感光性レジスト組成物を用いた品質の良好なパターン化金属膜を有する基板の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)感光剤、(C)イオノホア化合物及び(D)溶剤を含む、酸水溶液によるウェットエッチング用感光性レジスト組成物、並びに(a)基板上に形成された金属膜に前記感光性レジスト組成物を塗布して感光層を形成する工程、(b)前記感光層にパターン露光したのち、現像してレジストパターンを形成する工程、及び(c)前記レジストパターンをマスクとして、金属膜を酸水溶液によりウェットエッチングする工程を含む、パターン化金属膜を有する基板の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性レジスト組成物及びそれを用いたパターン化金属膜を有する基板の製造方法に関する。さらに詳しくは、基板上に形成された金属膜のウェットエッチング時において、孔食の発生を抑制し得るレジストパターンを与える感光性レジスト組成物、及び該感光性レジスト組成物を用いた品質の良好なパターン化金属膜を有する基板の製造方法に関するものである。
従来、ICやLSIなどの半導体素子、あるいは液晶表示装置などの製造においては、シリコン基板;ガラス基板;アルミニウム、モリブデン、クロムなどの金属膜基板、ITO(錫ドープ酸化インジウム)などの金属酸化膜基板;などの各種基板上に、感光性レジスト組成物の薄膜を形成し、これにマクスパターンを介して紫外線などの活性光線を照射したのち、現像処理し、得られたレジストパターンをマスクとして、基板をエッチング処理することにより、金属膜に微細パターンを形成することが行われている。
このような微細パターンの形成において、例えば基板上に形成された金属膜をウェットエッチング処理する際に、該金属膜が往々にしてサイドエッチを受けることや、局所的な孔食が生じることがある。
前記金属膜のサイドエッチについては、基板とレジスト膜との密着性を改善することで、抑制することが可能である。例えばカルボン酸二無水物ユニットと、カルボン酸ユニットおよび/またはカルボン酸エステルユニットを分子内にもつ化合物を含有する、アルカリ水溶液により現像可能な感光性レジスト組成物を用いることで、基板とレジスト膜との密着性を改善し、耐エッチング性を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、アルカリ可溶性ノボラック樹脂とキノンジアジド基含有化合物を含む基本組成に対し、所定のベンゾトリアゾール類を配合してなる、現像時及びウェットエッチング時に各種基板に対し優れた密着性を発揮し得るレジストパターンを形成可能なポジ型フォトレジスト組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、これまで、ウェットエッチング処理する際に生じる孔食は、充分に抑制することができないのが実状であった。
特開平10−148942号公報 特開2000−171968号公報
本発明は、このような事情のもとで、基板上に形成された金属膜のウェットエッチング時において、孔食の発生を抑制し得るレジストパターンを与える感光性レジスト組成物、及び該感光性レジスト組成物を用いた品質の良好なパターン化金属膜を有する基板の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、金属膜の孔食の発生原因について鋭意検討を重ねた結果、金属膜の孔食の発生にはウェットエッチング時におけるNaイオンの存在が密接に関係していることを初めて見出した。
そこで、Naイオンの影響を回避して孔食の発生を抑制する手段について更に検討を重ねた結果、ウェットエッチング用の感光性レジスト組成物中にイオノホア化合物を含有させることにより、基板上に形成された金属膜のウェットエッチング時において、孔食の発生を効果的に抑制し得るレジストパターンを与えることができること、そしてこの感光性レジスト組成物を用いることにより、品質の良好なパターン化金属膜を有する基板を容易に製造し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)感光剤、(C)イオノホア化合物及び(D)溶剤を含む、酸水溶液によるウェットエッチング用感光性レジスト組成物、
(2)(C)イオノホア化合物の含有量が、0.01質量ppm〜1質量%である上記(1)項に記載の感光性レジスト組成物、
(3)(C)イオノホア化合物が、3m−クラウン−m(mは5〜10の整数を示す。)で表されるクラウンエーテル又はその誘導体である上記(1)又は(2)項に記載の感光性レジスト組成物、
(4)クラウンエーテル又はその誘導体が、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6及びジベンゾ−30−クラウン−10からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(3)項に記載の感光性レジスト組成物、
(5)(C)イオノホア化合物が、カリックス[n]アレーン(nは4〜12の整数を示す。)又はその誘導体である上記(1)又は(2)項に記載の感光性レジスト組成物、
(6)カリックス[n]アレーンが、カリックス[6]アレーン及び/又はカリックス[8]アレーンである上記(5)項に記載の感光性レジスト組成物、
(7)酸水溶液が、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、シュウ酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである上記(1)〜(6)項のいずれかに記載の感光性レジスト組成物、及び
(8)(a)基板上に形成された金属膜に上記(1)〜(7)項のいずれかに記載の感光性レジスト組成物を塗布して感光層を形成する工程、(b)前記感光層にパターン露光したのち、現像してレジストパターンを形成する工程、及び(c)前記レジストパターンをマスクとして、金属膜を酸水溶液によりウェットエッチングする工程を含む、パターン化金属膜を有する基板の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、基板上に形成された金属膜のウェットエッチング時において、孔食の発生を抑制し得るレジストパターンを与える感光性レジスト組成物を提供することができる。また、この感光性レジスト組成物を用いることにより、品質の良好なパターン化金属膜を有する基板を容易に製造することができる。
本発明の感光性レジスト組成物は、酸水溶液によるウェットエッチング用であって、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)感光剤、(C)イオノホア化合物及び(D)溶剤を含むものである。
本発明の感光性レジスト組成物は、ポジ型及びネガ型のいずれであってもよく、化学増幅型及び非化学増幅型のいずれであってもよい。
前記(A)成分のアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ性水溶液等からなる現像液に可溶性の樹脂であれば特に限定されない。当該樹脂としては、公知の感光性レジスト組成物に使用されている樹脂、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン−アクリル酸共重合体、ヒドロキシスチレン重合体、ポリビニルヒドロキシベンゾエート等を挙げることができる。中でも、ノボラック樹脂が好ましい。これらの樹脂は1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ノボラック樹脂は、フェノール化合物とアルデヒド化合物とを縮合することによって得られるノボラック型のフェノール樹脂である。
ノボラック樹脂を製造するために用いられるフェノール化合物は、一価のフェノールであっても、レゾルシノール等の二価以上の多価フェノールであってもよい。
一価のフェノール化合物の具体例としては、例えばフェノール;o−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾールのクレゾール;3,5−キシレノール、2,5−キシレノール、2,3−キシレノール、3,4−キシレノール等のキシレノール;2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、3−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、3,5−ジエチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、6−t−ブチル−3−メチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,5−トリエチルフェノール等のアルキルフェノール;p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−エトキシフェノール、2,3−ジメトキシフェノール、2,5−ジメトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール等のアルコキシフェノール;2−フェニルフェノール、3−フェニルフェノール、4−フェニルフェノール等のアリールフェノール;o−イソプロペニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、2−メチル−4−イソプロペニルフェノール、2−エチル−4−イソプロペニルフェノール等のアルケニルフェノール;等を挙げることができる。
多価フェノール化合物の具体例としては、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2−メトキシレゾルシノール、4−メトキシレゾルシノール;ヒドロキノン;カテコール、4−t−ブチルカテコール、3−メトキシカテコール;4,4'−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA;ピロガロール;フロログリシノール;等を挙げることができる。
これらのフェノール化合物のうち、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノールが好ましい。
フェノール化合物は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フェノール化合物と縮合させるアルデヒド化合物は、脂肪族アルデヒド、脂環式アルデヒド及び芳香族アルデヒドのいずれであってもよい。
脂肪族アルデヒドの具体例としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド等を挙げることができる。
脂環式アルデヒドの具体例としては、シクロヘキサンアルデヒド、シクロペンタンアルデヒド、フルフラール、フリルアクロレイン等を挙げることができる。
芳香族アルデヒドの具体例としては、ベンズアルデヒド、o−トルアルデヒド、m−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒド、2,5−ジメチルベンズアルデヒド、3,4−ジメチルベンズアルデヒド、3,5−ジメチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−アニスアルデヒド、m−アニスアルデヒド、p−アニスアルデヒド、テレフタルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピオンアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド、桂皮アルデヒド等を挙げることができる。
これらのアルデヒド化合物は、1種類を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ノボラック樹脂の製造においてフェノール化合物とアルデヒド化合物との縮合反応は、酸性触媒の存在下、公知の方法で行えばよい。酸性触媒としては、塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸等を使用することができる。かかる反応により得られる縮合反応生成物はそのままノボラック樹脂として使用することができる。
アルカリ可溶性樹脂は、低分子量成分を分別除去して用いることができる。低分子量成分を除去する方法としては、例えば異なる溶解性を有する2種の溶媒中で樹脂を分別する液−液分別法や、低分子量成分を遠心分離により除去する方法、薄膜蒸留法等を挙げることができる。
例えば、前記ノボラック樹脂の場合、得られた縮合反応生成物を良溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のアルキレングリコール溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;等に溶解する。次いで水中に注いで沈殿させることにより、低分子量成分が除去されたノボラック樹脂を得ることができる。
本発明において好適に使用されるアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、その重量平均分子量が、通常、2,000〜20,000、好ましくは2,500〜12,000、更に好ましくは3,000〜8,000のものである。なお、重量平均分子量は、単分散のポリスチレンを標準試料とし、テトラヒドロフラン(THF)を溶離液としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定することができる。
本発明に(B)成分として用いる感光剤は、活性放射線の照射により反応し、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性を変化させる機能を有するものであればよい。
ポジ型の場合、キノンジアジド基含有化合物を代表的なものとして挙げることができる。このキノンジアジド基含有化合物としては、従来、キノンジアジド−ノボラック樹脂系レジストで用いられている公知の感光剤を用いることができる。
キノンジアジド基含有化合物は一般にナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライド等の酸ハライドと、これと縮合反応可能な官能基(水酸基、アミノ基等。好ましくは水酸基。)を有する化合物とを反応させることによって得られるキノンジアジドスルホン酸エステルが好ましい。
酸ハライドとしては、具体的に、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニルクロライド等が好ましいものとして挙げられる。
また、本発明において好適に用いられる、酸ハライドと縮合反応可能な水酸基を有する化合物としては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4'−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2',3,4,4'−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン;没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル等の没食子酸エステル;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン等のポリヒドロキシビスフェニルアルカン;トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルメタン、4,4'−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等のポリヒドロキシトリスフェニルアルカン;1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3,3−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のポリヒドロキシテトラキスフェニルアルカン;α,α,α',α'−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−3−キシレン、α,α,α',α'−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−4−キシレン、α,α,α',α'−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−キシレン等のポリヒドロキシテトラキスフェニルキシレン;2,6−ビス(2,4−ジヒドロキシベンジル)−p−クレゾール、2,6−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルベンジル)−p−クレゾール、4,6−ビス(4−ヒドロキシベンジル)レゾルシン、4,6−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル)レゾルシン、4,6−ビス(4−ヒドロキシベンジル)−2−メチルレゾルシン、4,6−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル)−2−メチルレゾルシン等のフェノール化合物とホルムアルデヒドとのトリマー;前記フェノール化合物とホルムアルデヒドとのテトラマー;ノボラック樹脂;等を挙げることができる。
以上の酸ハライド及び水酸基を有する化合物は、1種類を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば、酸ハライドと水酸基を有する化合物との反応は、通常、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等の有機溶媒中、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ又は炭酸水素アルカリのような塩基性縮合剤の存在下で行う。得られるキノンジアジドスルホン酸エステルのエステル化率は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上である。なお、エステル化率は、酸ハライドと水酸基を有する化合物との配合比により決定される。
感光剤がキノンジアジド基含有化合物である場合、その配合量はアルカリ可溶性樹脂100質量部当たり、通常5〜50質量部、好ましくは10〜40質量部である。この配合量が上記範囲内であれば、実効感度と残膜率、解像性などのレジスト特性のバランスに優れるポジ型の感光性レジスト組成物が得られる。
一方、ネガ型の場合、感光剤として、活性放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)、例えば、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物などの公知の化合物を用いることができる。
以上の感光剤は、1種類を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の感光性レジスト組成物がネガ型の場合、該組成物には公知の架橋剤を含有させることができる。この架橋剤としては、酸、例えば活性放射線の照射により、前記感光剤(酸発生剤)より生じた酸の存在下で、アルカリ可溶性樹脂を架橋し得る化合物であればよく、特に制限はない。このような架橋剤としては、分子内に架橋性置換基を1種以上有する化合物を挙げることができる。架橋性置換基の具体例としては、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジメトキシアミノメチル基、ジエトキシアミノメチル基、モルホリノメチル基、アセトキシメチル基、ベンゾイロキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、イソプロペニル基等が挙げられる。
前記架橋性置換基を有する化合物(架橋剤)の具体例としては、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物、メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有尿素化合物、メチロール基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有尿素化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有尿素化合物、カルボキシメチル基含有フェノール化合物等を挙げることができる。
これらの架橋性置換基を有する化合物のうち、メチロール基含有フェノール化合物、メトキシメチル基含有メラミン化合物、メトキシメチル基含有フェノール化合物、アセトキシメチル基含有フェノール化合物等が好ましく、さらに好ましいものはメトキシメチル基含有メラミン化合物である。
これらの架橋剤は、1種類を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光性レジスト組成物がネガ型の場合、前記感光剤(酸発生剤)及び架橋剤の配合割合は、アルカリ可溶性樹脂100質量部当たり、酸発生剤が、好ましくは0.05〜20質量部、さらに好ましくは0.1〜15質量部、特に好ましくは0.5〜10質量部であり、架橋剤が、好ましくは5〜95質量部、さらに好ましくは15〜85質量部、特に好ましくは20〜75質量部である。酸発生剤の配合量が0.05質量部未満では、露光により発生した酸触媒による化学変化を有効に起こすことが困難となる場合があり、一方20質量部を超えると、感光性レジスト組成物を塗布する際に塗布むらが生じたり、現像時にスカム等が発生するおそれがある。また、架橋剤の配合量が5質量部未満では、通常、架橋反応が不十分となり、残膜率の低下、パターンの蛇行や膨潤等を来す場合があり、一方95質量部を超えると、スカムが増加して現像性が低下する傾向がある。
本発明の感光性レジスト組成物においては(C)成分としてイオノホア化合物を含有させるが、かかる化合物は該組成物中に含まれるNaイオンを捕捉し、その金属膜の孔食の発生に対する影響をマスクするものと推定される。従って、該組成物を用いて形成されるレジストパターンをマスクとして、基板上に形成された金属膜を酸水溶液によりウェットエッチングする際に、金属膜の局所的な孔食を抑制することができる。
前記イオノホア化合物としては、酸素などの不対電子対を有する元素が炭素鎖を介して環状構造になった、金属イオンと強い親和性を有する有機化合物であれば、特に限定はない。当該化合物は、通常、環状化合物である。イオノホア化合物としては、例えば、クラウンエーテル類、カリックスアレーン類、ポルフィリン類、レゾルシン環状4量体類、カルセランド化合物、キャビタンド類などの公知の環状化合物の中から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。これらのイオノホア化合物の中でも、特にクラウンエーテル類及びカリックスアレーン類が、金属膜の孔食発生抑制に優れる点で好適である。
前記クラウンエーテル類としては、3m−クラウン−m(mは5〜10の整数を示す。)で表されるクラウンエーテル又はその誘導体が好ましい。
クラウンエーテルのmの値としては、好ましくは5〜7である。
クラウンエーテル誘導体としては、特に限定はないが、例えば、任意の置換基を有するクラウンエーテル誘導体;前記クラウンエーテル単位を少なくとも2つ有し、かつ任意の置換基を有していてもよいクラウンエーテル誘導体;の他、クラウンエーテル環の酸素原子が硫黄原子に置換されたチアクラウンエーテル誘導体や、クラウンエーテル環の酸素原子の少なくとも1つが、イミノ基又は置換基を有するイミノ基に置換されたアザクラウンエーテル誘導体を挙げることができる。前記置換基としては、例えば、メチル基、t−ブチル基、フェニル基等が挙げられる。
クラウンエーテル又はその誘導体としては、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6及びジベンゾ−30−クラウン−10が好ましい。
クラウンエーテル又はその誘導体は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、カリックスアレーン類としては、カリックス[n]アレーン(nは4〜12の整数を示す。)又はその誘導体が好ましい。
カリックス[n]アレーンとしては、例えば、一般式(I)
Figure 2007101673
(式中、Rは水素原子又はアルキル基、nは4〜12の整数を示す。)
で表される化合物が挙げられる。Rのアルキル基は、前記したような任意の置換基を有していてもよく、炭素数としては好ましくは1〜12である。また、nの値としては、好ましくは4〜8である。
カリックス[n]アレーンの代表例としては、フェノールとホルムアルデヒドの環状縮合体やt−ブチルフェノールとホルムアルデヒドの環状縮合体を挙げることができる。
カリックス[n]アレーンとしては、カリックス[6]アレーン及びカリックス[8]アレーンが好ましい。また、カリックス[n]アレーンの誘導体としては、特に限定はないが、例えば、前記したような任意の置換基を有するカリックス[n]アレーン誘導体や、カリックス[n]アレーンのエステル誘導体を挙げることができる。
カリックス[n]アレーン又はその誘導体は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の感光性レジスト組成物におけるイオノホア化合物の含有量は、0.01質量ppm〜1質量%の範囲にあることが好ましい。この含有量が0.01質量ppm未満では、金属膜の孔食発生抑制が不充分となる傾向があり、本発明の目的が達成されにくい。また、1質量%を超えると、その量の割には効果の向上が認められず、むしろ経済的に不利となる。金属膜の孔食発生抑制及び経済性のバランスなどの面から、イオノホア化合物の含有量は、0.1質量ppm〜0.5質量%がより好ましく、1質量ppm〜0.1質量%がさらに好ましい。
本発明の感光性レジスト組成物において、(D)成分の溶剤は、アルカリ可溶性樹脂、感光剤及びイオノホア化合物を溶解するものであれば特に限定されず、架橋剤を用いる場合にあっては架橋剤をも溶解し得るものが好適に用いられる。溶剤としては、例えば、アルキレングリコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤等を挙げることができる。
これらの溶剤は、1種類を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶剤の含有量は、後述する感光性レジスト組成物の固形分濃度を勘案して適宜設定すればよい。
アルキレングリコール系溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;等を挙げることができる。
エーテル系溶剤の具体例としては、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
エステル系溶剤の具体例としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
炭化水素系溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を挙げることができる。
ケトン系溶剤の具体例としては、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等を挙げることができる。
アミド系溶剤の具体例としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
本発明の感光性レジスト組成物には、所望により各種添加剤、例えば界面活性剤、該組成物と基板との密着性を向上するための密着促進剤、染料、感度促進剤、可塑剤、安定剤などを含有させることができる。
本発明で使用し得る界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、炭化水素系界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は1種類を単独で使用してもよく、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤を挙げることができる。その具体例としては、SH28PA、SH29PA、SH30PA、ポリエーテル変性シリコーンオイルSF8410、同SF8427、同SH8400、ST80PA、ST83PA、ST86PA[以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製]、KP321、KP323、KP324、KP340、KP341[以上、信越シリコーン社製]、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4440、TSF4445、TSF4446[以上、東芝シリコーン社製]等を挙げることができる。
フッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤を挙げることができる。その具体例としては、フロリナート[商品名]FC−430、同FC−431[以上、住友スリーエム社製]、サーフロン[商品名]S−141、同S−145、同S−381、同S−393[以上、旭硝子社製]、エフトップ[商品名]EF301、同EF303、同EF351、同EF352[以上、ジェムコ社製]、メガファック[商品名]F171、同F172、同F173、R−30[以上、大日本インキ化学工業社製]等を挙げることができる。
また、フッ素原子(フルオロカーボン鎖)を有するシリコーン系界面活性剤も使用することができる。その具体例としては、メガファック[商品名]R08、同F470、同F471、同F472SF、同F475等を挙げることができる。
炭化水素系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン鎖を有する界面活性剤を挙げることができる。その具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等を挙げることができる。
これらの界面活性剤の含有量は、感光性レジスト組成物中、通常、100〜5,000質量ppm、好ましくは200〜2,000質量ppmである。この範囲で界面活性剤を使用すると、塗布膜に塗布ムラが発生せず好ましい。
密着促進剤としては、例えば、メラミン化合物及びシラン化合物が挙げられる。
メラミン化合物の具体例としては、サイメル(Cymel)−300、303[日本サイテックインダストリーズ社製]、MW−30MH、MW−30、MS−11、MS−001、MX−750、MX−706[三和ケミカル社製]等が挙げられる。メラミン化合物の使用量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、通常、20質量部以下、好ましくは0.5〜18質量部、更に好ましくは1〜15質量部である。
一方、シラン化合物の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シラン化合物の使用量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、通常、2質量部以下、好ましくは0.001〜1質量部、更に好ましくは0.005〜0.8質量部である。
染料の例としてはトリフェニルメタン系染料、シアニン染料、ジアゾ染料、スチリル染料等を挙げることができる。
感度促進剤としては、前記感光剤の構成成分として挙げた水酸基を有する化合物を用いることができる。感度促進剤の具体例としては、ポリヒドロキシベンゾフェノン類、没食子酸エステル類、ポリヒドロキシビスフェニルアルカン類、ポリヒドロキシトリスフェニルアルカン類、ポリヒドロキシテトラキスフェニルアルカン類などを挙げることができる。中でもポリヒドロキシトリスフェニルアルカン類、ポリヒドロキシベンゾフェノン類などが特に好ましい。
本発明の感光性レジスト組成物は、上記のアルカリ可溶性樹脂、感光剤、イオノホア化合物、場合により用いられる架橋剤、更に所望により、界面活性剤、密着促進剤、染料、感度促進剤、可塑剤、安定剤等の添加剤を、溶剤と混合し、各種の混合機や分散機を使用して混合溶解することによって調製することができる。各成分の混合順序等の限定はない。
本発明の感光性レジスト組成物の固形分含量(溶剤以外の成分含有量)は、特に限定されないが、通常、6〜30質量%、好ましくは7〜25質量%、更に好ましくは8〜20質量%に調整する。固形分含量をこの範囲内に設定することにより、塗布ムラを生じることなく、塗布膜を形成することができる。
このようにして得られた本発明の感光性レジスト組成物はイオノホア化合物を含むことから、Naイオンの影響を回避し、該組成物を用いて形成されたレジストパターンをマスクとして、基板上の金属膜を酸水溶液によりウェットエッチングする際、局所的な孔食の発生を効果的に抑制することができる。
本発明の感光性レジスト組成物は、酸水溶液によるウェットエッチング用であって、該酸水溶液としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、シュウ酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものが好適に用いられる。この酸水溶液における酸の濃度に特に制限はなく、被エッチング材である金属膜の種類や酸の種類に応じて適宜選定すればよい。個々の酸成分は、通常、1〜70質量%程度、好ましくは3〜60質量%の濃度範囲で用いられる。
次に、本発明のパターン化金属膜を有する基板の製造方法について説明する。当該製造方法は、(a)基板上に形成された金属膜に、前述の本発明の感光性レジスト組成物を塗布して感光層を形成する工程、(b)前記感光層にパターン露光したのち、現像してレジストパターンを形成する工程、及び(c)前記レジストパターンをマスクとして、金属膜を酸水溶液によりウェットエッチングする工程を含むものである。
本発明に用いられる基板上に形成された金属膜としては、例えばシリコン基板、ガラス基板、金属基板、樹脂基板などの公知の基板上に、アルミニウム、モリブデン、クロム、ITOなどの金属膜が形成されたものを挙げることができる。
[(a)工程]
この工程では、前記の基板上に形成された金属膜に、本発明の感光性レジスト組成物を塗布して感光層を形成する。
本発明の感光性レジスト組成物を金属膜上に塗布する方法としては、従来行われている塗布方法のいずれであってもよく、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法などの各種の方法を用いることができる。次いで、この塗膜をプリベイクして流動性のない感光層を形成する。上記プリベイクは、通常60〜120℃で、10〜600秒間程度加熱することにより行われる。該感光層の厚さは、通常500〜10,000nm程度、好ましくは800〜5,000nmである。
[(b)工程]
この工程では、まず前記(a)工程で形成された感光層に、通常、マスクパターンを介して活性光線を照射し、感光層中に所定形状の潜像パターンを形成する(パターン露光)。次いで、この潜像パターンをアルカリ現像液で現像してレジストパターンを形成する。
本発明で用いる活性光線の種類は特に限定されず、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線等を挙げることができ、特に可視光線、紫外線が好ましい。照射する光線量は感光層の使用目的、膜の厚み等を勘案して任意に設定することができる。
潜像パターンの現像に用いるアルカリ現像液は、特に限定されず、アルカリ成分の具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。これらの現像液は、通常、0.1〜5質量%水溶液として使用される。
パターンの現像後、通常、水で洗浄し、更に圧縮空気や圧縮窒素で風乾する。次いで、このパターンをホットプレート、オーブンなどの加熱装置により、所定温度、例えば100〜250℃で、所定時間、例えばホットプレート上なら2〜60分間程度、オーブン中では2〜90分間程度加熱(ポストベーク)をすることによって、目的とするレジストパターンを得ることができる。
[(c)工程]
この工程では、前記(b)工程で形成されたレジストパターンをマスクとして、金属膜を前述の酸水溶液によりウェットエッチングする。
ウェットエッチング方法については特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。ウェットエッチングしたのち、公知の方法によりレジストパターンを剥離すれば、所定パターンの金属膜(パターン化金属膜)を有する基板が得られる。パターン化金属膜は、局所的な孔食の発生が抑制されると共に、サイドエッチも抑制され、良好な品質を有している。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(1)感光性レジスト組成物の調製
m−クレゾール/p−クレゾール混合クレゾール(質量混合比=5:5)とホルムアルデヒドとをシュウ酸の存在下、縮重合させて得られたノボラック樹脂(重量平均分子量=約5500)16.3質量部、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとから得られたエステル化率70モル%のキノンジアジド基含有化合物4.3質量部、密着助剤サイメル−303[日本サイテックインダストリーズ社製]1.4質量部、シロキサン結合を有するシリコーン系界面活性剤「SH29PA」[東レ・ダウコーニング・シリコーン社製]0.04質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)70.8質量部及び乳酸エチル7.8質量部を混合して混合物を得た。この混合物にイオノホア化合物として15−クラウン−5を0.01質量部混合して感光性レジスト組成物を得た。
(2)局所的エッチング部位(孔食)の評価
上記の感光性レジスト組成物を5cm角のアルミニウムを製膜(厚さ300nm)したガラス基板上にスピンコーターで塗布したのち、110℃のホットプレートで150秒間プリベイクし、膜厚2μmのレジスト膜(感光層)を形成した。
このレジスト膜が形成された基板を、マスクアライナー「PLA−501F」[キヤノン社製]を用い、10μmのライン&スペースのパターンのあるマスクを介して、露光した。露光後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃、40秒間浸漬法により現像し、10μmのライン&スペースパターンを形成した。現像後、130℃のホットプレートで250秒間加熱した。
ライン&スペースパターンを形成した基板を、エッチング液[リン酸:硝酸:酢酸:水=60%:5%:20%:15%(質量比)]に45℃の条件で浸漬し、アルミニウム膜をエッチングした。処理時間は、アルミニウム膜が完全溶解する時間を予め測定し、その2倍相当の時間で行った。エッチング後、超純水で洗浄し、エアーブロー乾燥させた。レジストパターンを剥離したのち、得られた基板について光学顕微鏡を用いてレジストパターンによりマスクされていた部位とエッチングされた部位との境界部分の観察を行い、図1に示すような局所的な過剰エッチングがされた部分(孔食)があるかについて評価した。全く観察されなかったものを○、一部でも観察されたものを×とした。
結果を第1表に示す。
なお、図1は、エッチング前の基板上の状態、及びエッチングし、次いでレジストパターンを剥離したのちの基板上の金属膜の状態を示す模式図である。(a)は、基板1上に設けられた金属膜2の表面にレジストパターン3が形成されてなるエッチング前の状態を示す。(b)及び(b')は、エッチングし、次いでレジストパターンを剥離したのちの、レジストパターン3によりマスクされていた金属膜2の状態であって、それぞれ金属膜2とエッチングされた部位(金属膜2が消失し基板1が露出した部位)との境界部分に局所的な過剰エッチングされた部分(孔食)4及び4'が形成されている状態が示されている。このような孔食4や4'が形成されている場合は、評価は×となる。
実施例2、3
イオノホア化合物を第1表に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして感光性レジスト組成物を調製し、さらに局所的エッチング部位の評価を行った。
その結果を第1表に示す。
比較例1
イオノホア化合物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして感光性レジスト組成物を調製し、さらに局所的エッチング部位の評価を行った。
その結果を第1表に示す。
Figure 2007101673
本発明の感光性レジスト組成物は、基板上に形成された金属膜のウェットエッチング時において、孔食の発生を抑制し得るレジストパターンを与えることができる。
また、この感光性レジスト組成物を用いることにより、品質の良好なパターン化金属膜を有する基板を容易に製造することができる。
エッチング前の基板上の状態、及びエッチングし、次いでレジストパターンを剥離したのちの基板上の金属膜の状態を示す模式図である。
符号の説明
1 基板
2 金属膜
3 レジストパターン
4、4' 局所的な過剰エッチングされた部分(孔食)

Claims (8)

  1. (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)感光剤、(C)イオノホア化合物及び(D)溶剤を含む、酸水溶液によるウェットエッチング用感光性レジスト組成物。
  2. (C)イオノホア化合物の含有量が、0.01質量ppm〜1質量%である請求項1に記載の感光性レジスト組成物。
  3. (C)イオノホア化合物が、3m−クラウン−m(mは5〜10の整数を示す。)で表されるクラウンエーテル又はその誘導体である請求項1又は2に記載の感光性レジスト組成物。
  4. クラウンエーテル又はその誘導体が、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6及びジベンゾ−30−クラウン−10からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の感光性レジスト組成物。
  5. (C)イオノホア化合物が、カリックス[n]アレーン(nは4〜12の整数を示す。)又はその誘導体である請求項1又は2に記載の感光性レジスト組成物。
  6. カリックス[n]アレーンが、カリックス[6]アレーン及び/又はカリックス[8]アレーンである請求項5に記載の感光性レジスト組成物。
  7. 酸水溶液が、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、シュウ酸及び酢酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項1〜6のいずれかに記載の感光性レジスト組成物。
  8. (a)基板上に形成された金属膜に請求項1〜7のいずれかに記載の感光性レジスト組成物を塗布して感光層を形成する工程、(b)前記感光層にパターン露光したのち、現像してレジストパターンを形成する工程、及び(c)前記レジストパターンをマスクとして、金属膜を酸水溶液によりウェットエッチングする工程を含む、パターン化金属膜を有する基板の製造方法。
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