JP2007101448A - 加速度センサ及び加速度センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】正確な加速度を検出することが可能な加速度センサ及び加速度センサの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】加速度センサC1は、圧電素子2と、圧電素子2の表面に形成された第1,第2外部電極4,5と、を備える。圧電素子2は、基板部8と、第1〜第3圧電体層30,18,14と、おもり部10とを有する。第1圧電体層30の第1領域30aは、圧電素子2の積層方向に対して垂直な方向に分極されている。第2圧電体層18の第2領域18aは、圧電素子2の積層方向に分極されている。第3圧電体層14の第3領域14aは、圧電素子2の積層方向に分極されると共に、第2領域18aの分極を打ち消す方向に分極されている。更に、第3領域14aは、第2領域18aと比べて圧電素子2の積層方向から付与される荷重が小さくなるように構成されている。
【選択図】図2
【解決手段】加速度センサC1は、圧電素子2と、圧電素子2の表面に形成された第1,第2外部電極4,5と、を備える。圧電素子2は、基板部8と、第1〜第3圧電体層30,18,14と、おもり部10とを有する。第1圧電体層30の第1領域30aは、圧電素子2の積層方向に対して垂直な方向に分極されている。第2圧電体層18の第2領域18aは、圧電素子2の積層方向に分極されている。第3圧電体層14の第3領域14aは、圧電素子2の積層方向に分極されると共に、第2領域18aの分極を打ち消す方向に分極されている。更に、第3領域14aは、第2領域18aと比べて圧電素子2の積層方向から付与される荷重が小さくなるように構成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、加速度センサ及び加速度センサの製造方法に関する。
従来の加速度センサとして、例えば特許文献1に記載されているように、おもり部と、分極方向が異なる複数の圧電セラミック素子とを備えたものが知られている。このような加速度センサでは、外部からの加速度によっておもり部に慣性力が働く。この慣性力によって、各圧電セラミック素子に荷重が付与される。各圧電セラミック素子は、付与された荷重に応じた電荷を発生する。各圧電セラミック素子が発生した電荷量の合計によって、加速度の大きさが検出されることとなる。
実開平1−112468号公報
分極された圧電セラミック素子は、パイロ効果により、周囲温度の変化に応じた電荷を発生する。パイロ効果による電荷は、ノイズ成分として、荷重により発生した電荷に加重されてしまう。そのため、上述した加速度センサでは正確な加速度を検出することができないという問題が生じる。
そこで、本発明は、正確な加速度を検出することが可能な加速度センサ及び加速度センサの製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る加速度センサは、圧電素子と、圧電素子の表面に沿って形成された外部電極と、を備える加速度センサであって、圧電素子は、基体部と、第1圧電体層、第2圧電体層、及び第3圧電体層と、第1、第2、及び第3圧電体層それぞれを挟むように積層されて外部電極に接続される内部電極と、を有し、第1〜第3圧電体層及び内部電極は、基体部上に形成されており、第1圧電体層において、当該第1圧電体層を挟む内部電極と重なる第1領域は、圧電素子の積層方向に対して垂直な方向に分極されており、第2圧電体層において、当該第2圧電体層を挟む内部電極と重なる第2領域は、圧電素子の積層方向に分極されており、第3圧電体層において、当該第3圧電体層を挟む内部電極と重なる第3領域は、第2領域の分極を打ち消す方向に分極されており、第3領域に付与される荷重が、第2領域に付与される荷重と比べて小さいことを特徴とする。
本発明の加速度センサは圧電素子を備えており、この圧電素子は第1,第2,第3圧電体層を有している。第1圧電体層において内部電極と重なる第1領域は、第1積層体の圧電活性領域となる。この第1領域は、圧電素子の積層方向に対して垂直な方向に分極されている。第2圧電体層において内部電極と重なる第2領域は、第2積層体の圧電活性領域となる。この第2領域は、圧電素子の積層方向に分極されている。したがって、おもり部に慣性力が働くと、第1領域及び第2領域には荷重が付与されることとなる。第1領域及び第2領域は、付与された荷重の分極方向成分に応じた電荷を、それぞれ内部電極に発生する。
通常、パイロ効果による電荷は、積層方向と垂直な方向に分極された圧電体層よりも、積層方向に分極された圧電体層にて比較的多く発生する。よって、第2領域から発生する電荷には、荷重に応じた電荷だけでなく、パイロ効果による電荷が含まれる場合がある。
第3圧電体層において内部電極と重なる第3領域は、第3積層体の圧電活性領域となる。この第3領域は第2領域と同様、圧電素子の積層方向に分極されている。さらに、第3領域に付与される荷重は、第2領域に付与される荷重と比べて小さくなっているため、第3領域は、荷重による電荷ではなく、主にパイロ効果による電荷を発生することとなる。第3領域は、第2領域の分極を打ち消す方向に分極されているため、第2領域から発生した電荷のうち、パイロ効果による電荷分をキャンセルすることができる。その結果、外部電極からは、ノイズ成分が除去された電荷を出力することができる。よって、正確な加速度を検出することが可能となる。
また、第3領域は、第2領域と同一の静電容量を有することが好ましい。この場合、第2領域及び第3領域それぞれが発生する、パイロ効果による電荷は同等の値となる。よって、第2領域から発生する電荷のうち、パイロ効果による電荷の分をより確実にキャンセルすることが可能となるため、より正確な加速度を検出することができる。
また、第3領域と内部電極との接触面積は、第2領域と内部電極との接触面積よりも小さいことが好ましい。この場合、第3領域では、付与される荷重が確実に小さくなる。そのため、第3領域からは、パイロ効果による電荷のみをより確実に発生させることができる。その結果、第2領域から発生する電荷から、パイロ効果による電荷分をより確実にキャンセルすることが可能となり、いっそう正確な加速度を検出することができる。
また、圧電素子はおもり部を更に有しており、当該おもり部と基体部との間に第1圧電体層及び第2圧電体層が形成されていることが好ましい。この場合、おもり部に慣性力が働くため、第1圧電体層及び第2圧電体層に対して確実に荷重を付与することができる。したがって、加速度を精度よく検出することができる。
また、圧電素子の積層方向に対して垂直な方向から見て、第2圧電体層は、第3圧電体層よりも基体部側に位置していることが好ましい。この場合、第2圧電体層には、第3圧電体層から荷重が付与されることとなる。よって、第2圧電体層に付与される荷重と第3圧電体層に付与される荷重とを比べたとき、第3圧電体層に付与される荷重のほうが確実に小さくなる。
また、圧電素子の積層方向から見て、第2圧電体層及び第3圧電体層は、第1圧電体層よりも基体部側に位置していることが好ましい。
加速度センサは、回路基板に半田付けされることによって、回路基板と電気的及び機械的に接続される。このとき、加速度センサの基体部と回路基板とは対向し、外部電極と回路基板とにわたって半田フィレットが形成される。加速度センサは、この半田フィレットによって、特に積層方向に対して垂直な方向への動きが制限されてしまうことがある。積層方向に対して垂直な方向への動きが制限されると、第1圧電体層から発生する電荷が、加速度による荷重を正確に反映したものではなくなってしまう。本発明の圧電素子では、第1圧電体層が、第2圧電体層及び第3圧電体層よりも基体部から離れている。このように基板部から比較的離れた位置にある第1圧電体層は、半田フィレットによる動きの制限を受けにくい。動きの制限が少ない第1圧電体層は、加速度による荷重を正確に反映した電荷を発生することができる。よって、より正確な加速度を検出することが可能となる。
また、圧電素子の積層方向から見て、第1圧電体層の大きさが基体部の大きさよりも小さいことが好ましい。この場合、圧電素子は、第1圧電体層の部分が内側に凹んだ外形を呈することとなる。外部電極は圧電素子の表面に沿って形成されるため、かかる外部電極もまた内側に凹んだ外形を呈することとなる。このように内側に凹んだ部分には、半田フィレットが形成されにくい。よって第1圧電体層は、半田フィレットによる動きの制限を更に受けにくくなる。
また、圧電素子の積層方向から見て、第2圧電体層及び第3圧電体層の大きさが基体部の大きさよりも小さいことが好ましい。第2圧電体層及び第3圧電体層が基体部よりも小さいので、圧電素子は、第2圧電体層及び第3圧電体層の部分が内側に凹んだ外形を呈することとなる。これにより、外部電極もまた内側に凹んだ外形を呈することとなる。このように内側に凹んだ部分には半田フィレットが形成されにくい。よって、第2圧電体層及び第3圧電体層の上に第1圧電体層が位置する場合、かかる第1圧電体層は半田フィレットによる動作の制限をいっそう受けにくくなる。
圧電素子と、圧電素子の表面に沿って形成された外部電極と、を備える加速度センサの製造方法であって、基体部と、層の厚み方向に分極された第2圧電体層及び第3圧電体層と、基体部、第2圧電体層、及び第3圧電体層それぞれの間に積層された内部電極と、を有する第1部材を形成する第1工程と、層が延びる方向に分極された第1圧電体層と、第1圧電体層を挟むように位置する一対の内部電極と、を有する第2部材を形成する第2工程と、第1部材、第2部材、及びおもり部を積層して圧電素子を形成する第3工程と、圧電素子の表面に、第1圧電体の内部電極及び第2圧電体の内部電極と接続される外部電極を形成する第4工程と、を有し、第1工程では、第2圧電体層と第3圧電体層との間に積層された内部電極から見て第2圧電体層の分極方向と第3圧電体層の分極方向とが互いに逆となるよう、第2圧電体層及び第3圧電体層を配置し、第3圧電体層と当該第3圧電体層を挟む内部電極との接触面積が、第2圧電体層と当該第2圧電体層を挟む内部電極との接触面積に比べて小さくなるよう内部電極を配置する、ことを特徴とする。
このように、第2圧電体層と第3圧電体層とを一体成形した第1部材を用いることにより、加速度センサの製造に係る工程及びコストを削減することができる。また、第2圧電体層と第3圧電体層との間の内部電極から見て、第2圧電体層の分極方向と第3圧電体層の分極方向とが互いに逆となっている。よって、第3圧電体層の分極方向は、第2圧電体層の分極を打ち消す方向となる。そのため、第2圧電体層から発生した電荷から、パイロ効果による電荷分をキャンセルすることが可能となる。
本発明によれば、正確な加速度を検出することが可能な加速度センサ及び加速度センサの製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図4に基づいて、第1実施形態に係る加速度センサC1の構成を説明する。図1は第1実施形態に係る加速度センサを示す斜視図である。図2は第1実施形態に係る加速度センサに含まれる圧電素子を示す分解斜視図である。
まず、図1〜図4に基づいて、第1実施形態に係る加速度センサC1の構成を説明する。図1は第1実施形態に係る加速度センサを示す斜視図である。図2は第1実施形態に係る加速度センサに含まれる圧電素子を示す分解斜視図である。
図1に示されるように、加速度センサC1は、圧電素子2と、圧電素子2の表面に沿って形成された1対の電極である第1外部電極4及び第2外部電極5と、を備えている。加速度センサC1は回路基板50に搭載される。本実施形態では、回路基板50は水平、すなわち重力の方向に対して略垂直に設置される。加速度センサC1の第1,第2外部電極4,5は、回路基板50に形成された配線(図示せず)を介して、検出回路54と接続される。図3は、検出回路54の回路構成を示す図である。図3に示されるように、検出回路54はチャージアンプとして機能し、加速度センサC1から出力された電荷を電圧に変換した後、外部回路に出力する。
圧電素子2は、直方体を呈している。図2に示されるように、圧電素子2は、基体部8、おもり部10、第1内部電極12、第3圧電体層14、第2内部電極16、第2圧電体層18、第3内部電極20、第4内部電極22、第5内部電極24、一対の第1分極用電極26、一対の第2分極用電極28、及び第1圧電体層30を備えている。本実施形態において、圧電素子2は、基体部8が回路基板50と対向するように、当該回路基板50上に設置される。基体部8上には、おもり部10、第1〜第3圧電体層30,18,14、第1〜第5内部電極12,16,20,22,24、一対の第1分極用電極26、及び一対の第2分極用電極28が形成されている。圧電素子2の積層方向から見て、第1圧電体層30は第2圧電体層18及び第3圧電体層14の上に積層されており、第1圧電体層30の上にはおもり部10が配置されている。
圧電素子2は、第1部材6、第2部材7、及びおもり部10といった3つのパーツにより構成される。第1部材6は、基体部8、第1内部電極12、第3圧電体層14、第2内部電極16、第2圧電体層18、及び第3内部電極20により構成される。第2部材7は、第4内部電極22、第5内部電極24、一対の第1分極用電極26、一対の第2分極用電極28、及び第1圧電体層30により構成される。第2部材7は、第1部材6の上に配されている。おもり部10は、第2部材7の上に配されている。
基体部8は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を主成分とするセラミック材料で形成されている。基体部8上には、第3圧電体層14及び第2圧電体層18が形成されている。基体部8を上述したセラミック材料で形成することにより、かかる基体部8をセラミック材料で形成される第3圧電体層14及び第2圧電体層18と一体化することが容易となる。
第1内部電極12、第2内部電極16、及び第3内部電極20は、例えばAg、Pdを主成分とする導電材料で形成されている。第1〜第3内部電極12,16,20は、略平行に積層されており、第1内部電極12と第2内部電極16とで第3圧電体層14を挟み、第2内部電極16と第3内部電極20とで第2圧電体層18を挟むように配置されている。第2内部電極16は、第1外部電極4が形成される圧電素子2の側面に露出するように設けられている。第1,第3内部電極12,20は、第2外部電極5が形成される圧電素子2の側面に露出するように設けられている。
基体部8上には、第1内部電極12を介して第3圧電体層14が形成されている。第3圧電体層14は、例えばPZTを主成分とするセラミック材料で形成されている。第3圧電体層14は、第1内部電極12と第2内部電極16とに重なる第3領域14aを有している。この第3領域14aは、第3圧電体層14の圧電活性領域として機能する。
第3圧電体層14上には、第2内部電極16を介して第2圧電体層18が形成されている。第2圧電体層18は、例えばPZTを主成分とするセラミック材料で形成されている。第2圧電体層18は、第2内部電極16と第3内部電極20とに重なる第2領域18aを有している。この第2領域18aは、第2圧電体層18の圧電活性領域として機能する。
第2圧電体層18及び第3圧電体層14は、共に分極されている。したがって、第3領域14a及び第2領域18aも分極されることとなる。第2圧電体層18及び第3圧電体層14の分極方向は共に、圧電素子2の積層方向であり、且つ、基板部8からおもり部10に向かう方向、すなわち矢印A方向となっている。第2圧電体層18及び第3圧電体層14をこの方向に分極した場合、第3領域14aの分極方向と、第2領域18aの分極方向とは、第2圧電体層18と第3圧電体層14との間に位置する第2内部電極16から見た場合、互いに逆となる。すなわち、第3領域14aは、第2領域18aの分極を打ち消す方向に分極されることとなる。
第3領域14aと第1,第2内部電極12,16との接触面積は、第2領域18aと第2,第3内部電極16,20との接触面積と比べて小さくなっている。このような接触面積とすることにより、第3領域14aに付与される荷重を、第2領域18aに付与される荷重と比べて、小さくすることができる。また、第3圧電体層14の厚さは、第2圧電体層18の厚さと比べて薄くなっている。第3圧電体層14の厚さを薄くすることで、第3領域14aの静電容量と第2領域18aの静電容量とを同一にしている。
上述した構成を有する第1部材6上には、第2部材7が積層されている。第1部材6と第2部材7とは、エポキシ樹脂系接着剤により接合されている。第2部材7は、第4内部電極22、第5内部電極24、一対の第1分極用電極26、一対の第2分極用電極28、及び第1圧電体層30を有している。
第4内部電極22及び第5内部電極24は、第1圧電体層30を挟むように、略平行に形成されている。第4内部電極22は、第2外部電極5が形成される圧電素子2の側面に露出するように設けられている。また、第4内部電極22は、第1部材6の第3内部電極20と重なるように設けられている。第5内部電極24は、第1外部電極4が形成される圧電素子2の側面に露出するように設けられている。第4,第5内部電極22,24は、例えばCuを主成分とする薄膜から成っている。
第1圧電体層30は、第2,第3圧電体層18,14と同様に、例えばPZTを主成分とするセラミック材料で形成されている。第1圧電体層30は、圧電素子2の積層方向に対して垂直な方向、すなわち矢印C方向に分極されている。第1圧電体層30は、第4内部電極22と第5内部電極24とに重なる第1領域30aを有しており、この第1領域30aは、第1圧電体層30の圧電活性領域として機能する。
第1圧電体層30の一端には、第1圧電体層30を両主面側から挟んで対向するように、一対の第1分極用電極26が形成されている。第1圧電体層30の他端には、第1圧電体層30を挟んで対向するように、一対の第2分極用電極28が形成されている。第1,第2分極用電極26,28は、例えばCuあるいはAgを主成分とする薄膜から成っている。第1,第2分極用電極26,28を、例えばAgを主成分とするペーストを用いて形成した場合には、第1圧電体層30を分極した後、洗浄により第1,第2分極用電極26,28を除去することが可能となる。
上述した構成を有する第2部材7上には、おもり部10が配されている。おもり部10と第2部材7とは、エポキシ樹脂系接着剤により接合されている。おもり部10は、基体部8と同様に、例えばPZTを主成分とするセラミック材料で形成されている。おもり部10をこのようなセラミック材料で形成することにより、同じくセラミック材料で形成されている第2部材7と接合することが容易となる。おもり部10は、第1部材6及び第2部材7に荷重を付加するのに十分な質量を有している。おもり部10を備えることにより、おもり部10と基体部8との間に形成された第1圧電体層30及び第2圧電体層18に対して、確実に荷重を付与することができる。
第1外部電極4及び第2外部電極5は、圧電素子2の両側面を覆うように設けられている。第1外部電極4は、第2,第5内部電極16,24に接続されている。第2外部電極5は、第1,第3,第4内部電極12,20,22に接続されている。第1,第2外部電極4,5は、第1〜第5内部電極12,16,20,22,24を構成しているAg等の金属と電気的に良好に接続できる金属材料からなるものであると好ましい。
第1,第2外部電極4,5の表面には、当該第1,第2外部電極4,5を覆うように、Niめっき層(図示省略)及びSnめっき層(図示省略)等が順に形成されている。これらのめっき層は、主として加速度センサC1と回路基板とを半田付けする際の、はんだ耐熱性やはんだ濡れ性を向上することを目的として形成されるものである。なお、第1,第2外部電極4,5の表面に形成させるめっき層は、はんだ耐熱性やはんだ濡れ性を向上する目的が達成される限り、必ずしも上述した材料の組み合わせに限定されない。
続いて、図4〜10を参照して、上述した構成を有する加速度センサC1の製造方法について説明する。図4及び図5は、本実施形態に係る加速度センサの製造方法を説明するためのフロー図である。
まず、セラミックグリーンシートS1を作製する(ステップS100)。セラミックグリーンシートS1を作製するにあたって、例えばPZTを主成分としたセラミック粉体に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、例えばドクターブレード法によって、上記ペーストをキャリアフィルム(図示せず)上に塗布することにより、セラミックグリーンシートS1(以下、グリーンシートS1という)を複数枚作製する。ここで作製されるグリーンシートS1は、焼成後の厚さが例えば0.05mmとなるものである。
次に、得られたグリーンシートS1を用いて、おもり部10を形成する。より具体的には、おもり部10となる第1積層体G1を作製する(ステップS101)。第1積層体G1を作製するにあたって、図6に示されるように、グリーンシートS1を所定の枚数だけ積層する(図4、ステップS102)。積層したグリーンシートS1を、60℃程度で加熱しながら100MPa程度の圧力で積層方向にプレス加工する。プレス加工の後、400℃、10時間程度の加熱処理を実施して脱バインダを行う。脱バインダ後、950℃で2時間程度の焼成を行う(ステップS103)。これらの工程によって、第1積層体G1が得られる。
次に、グリーンシートS1を用いて第1部材6を形成する。より具体的には、第1部材6となる第2積層体G2を形成する(ステップS104)。第2積層体G2を形成するにあたって、例えばAg:Pd=85:15の比率で構成された導電材料に有機バインダ樹脂及び有機溶剤等を混合したペーストを作製する。そして、そのペーストをスクリーン印刷することにより、上記の第1内部電極12に相当する電極パターンE1、第2内部電極16に相当する電極パターンE2、及び第3内部電極20に相当する電極パターンE3を、別々のグリーンシートS1の上面に形成する(ステップS105)。
続いて、グリーンシートS1を積層する(図4、ステップS106)。より具体的には、図7に示されるように、まず、電極パターンが印刷されていない3枚のグリーンシートS1と、電極パターンE1が印刷されたグリーンシートS1とを順次積層する。これらのグリーンシートS1は、第1部材6の基体部8となる。その上に、電極パターンE2が印刷されたグリーンシートS1を積層する。このグリーンシートS1は、第1部材6の第3圧電体層14となる。更にその上に、電極パターンが印刷されていない1枚のグリーンシートS1と、電極パターンE3が印刷されたグリーンシートS1とを順次積層する。これらのグリーンシートS1は、第1部材6の第2圧電体層18となる。なお、電極パターンが印刷されていないグリーンシートS1の使用枚数は、上述したものに限られない。
グリーンシートS1をこのように積層したものを、60℃程度で加熱しながら100MPa程度の圧力で積層方向にプレス加工する。プレス加工の後、400℃、10時間程度の加熱処理を実施して脱バインダを行う。脱バインダ後、950℃で2時間程度の焼成を行う(図4、ステップS107)。
焼成後、分極処理を行って(ステップS108)第2積層体G2を得る。より具体的には、電極パターンE2と電極パターンE3との間、及び電極パターンE2と電極パターンE1との間に所定の電圧を印加する。これにより、第2圧電体層18となる層、及び第3圧電体層14となる層は共に、積層方向に分極される。第2圧電体層18となる層の分極方向と、第3圧電体層14となる層の分極方向とは、第2圧電体層18となる層と第3圧電体層14となる層との間に位置する電極パターンE2から見た場合、互いに逆となっている。
次に、グリーンシートS1を用いて、第2部材7を形成する。より具体的には、第2部材7となる第3積層体G3を形成する(ステップS109)。第3積層体G3を形成するにあたって、図8(a)に示されるように、電極パターンが印刷されていないグリーンシートS1を2枚積層する(図4、ステップS110)。なお、グリーンシートS1の使用枚数は、これに限られない。積層したグリーンシートS1を、60℃程度で加熱しながら100MPa程度の圧力で積層方向にプレス加工する。プレス加工の後、400℃で10時間程度の加熱処理を施して脱バインダを行い、更に950℃で2時間程度の焼成を行う(ステップS111)。これにより、第1圧電体層30となる焼結基板B1が得られる。
一方、CuあるいはAgを主成分とする導電材料を用意しておく。この導電材料を、図8(b)に示されるように、焼結基板B1の両主面に対してスパッタする。これにより、上記の第1分極用電極26に相当する電極パターンE4、及び第2分極用電極28に相当する電極パターンE5が交互に形成される(図4、ステップS112)。そして、形成した電極パターンE4と電極パターンE5との間に所定の電圧を印加することにより、分極処理を行う(ステップS113)。これにより、第1圧電体層30となる焼結基板B1は、当該焼結基板B1が延びる方向、すなわち第1圧電体層30が延びる方向、に分極されることとなる。電極パターンE4,E5を、Agを主成分とする導電材料を用いて形成した場合には、分極後、洗浄により電極パターンE4,E5を除去することができる。
分極後、焼結基板B1の主面に第4,第5内部電極22,24に相当する電極パターンE6,E7を形成する(ステップS114)。より具体的には、図8(c)及び図9(a)に示されるように、焼結基板B1の一方の主面に、Cuを主成分とする導電材料をスパッタし、第5内部電極24に相当する電極パターンE7を形成する。図9(b)に示されるように、焼結基板B1の他方の主面にCuを主成分とする導電材料をスパッタし、第4内部電極22に相当する電極パターンE6を形成する。これらの工程を経て、第3積層体G3が得られる。
次に、第1〜第3積層体G1,G2,G3を積層し、積層体L1を得る(図4、ステップS115)。より具体的には、図10(a)に示されるように、第1積層体G1、第3積層体G3、第2積層体G2の順で積層し、各積層体の間を、エポキシ樹脂系接着剤を用いて接着する。このとき、図11に示されるように、第3積層体G3の電極パターンE7がおもり部10と対向し、第3積層体G3の電極パターンE6が第2積層体G2の電極パターンE3と対向するようにする。接着後、積層体L1を、例えばダイヤモンドブレードにより所定の寸法に切断する(図5、ステップS116)。このとき、図11に示されるように、電極パターンE4の中央及び電極パターンE5の中央が切断位置となるように切断する。これにより、帯状の積層体L2が複数得られる。この状態では、帯状の積層体L2の一方の側面には電極パターンE2,E4,E7が露出しており、他方の側面には電極パターンE1,E3,E5,E6が露出している。
続いて、帯状の積層体L2の側面に例えばCuを主成分とする導電材料をスパッタすることにより、図10(b)に示されるように、第1外部電極4となる電極パターンE8と,第2外部電極5となる電極パターンE9とを形成する(図5、ステップS117)。
スパッタによる成膜後、第1,第2外部電極4,5を覆うようにNi及びSnをめっきする(ステップS118)。そして、メッキが施された積層体L2を、ダイヤモンドブレードにより切断する。このとき、帯状の積層体L1の延びる方向に対して垂直な方向に沿って切断する(ステップS119)。切断後、おもり部10が上、第1部材6が下となるように向きを変える。以上により、図1に示されるような加速度センサC1が完成する。
このように、本第1実施形態に係る加速度センサC1は圧電素子2を備えており、この圧電素子2は、第1〜第3圧電体層30,18,14を有している。図12は、第1〜第5内部電極12,16,20,22,24及び第1外部電極4及び第2外部電極5を介した、第1〜第3圧電体層30,18,14の電気的な接続を説明するための図である。図2にも示されるように、矢印C方向に分極された第1圧電体層30の第1領域30aには、外部から受けた加速度によりおもり部10に慣性力が働くと、荷重が付与される。第1領域30aは、付与された荷重の、矢印C方向すなわち回路基板50と平行な方向成分に応じた電荷を、第4,第5内部電極22,24に発生する。矢印A方向に分極された第2圧電体層18の第2領域18aには、外部から受けた加速度によりおもり部10に慣性力が働くと、荷重が付与される。第2領域18aは、付与された荷重の、矢印A方向すなわち回路基板50に対して垂直な方向成分に応じた電荷を、第2,第3内部電極16,20に発生する。
回路基板50に対して垂直な方向に分極された第2領域18aは、荷重に応じた電荷のほかに、パイロ効果によって周囲温度の変化に応じた電荷を発生する場合がある。第2領域18aと第3圧電体層14の第3領域14aとは、図2に示されるように、第2内部電極16から見た場合、分極方向が互いに逆になっている。したがって、図12に示されるように、第3領域14aと第2領域18aとは、互いに発生した電荷を打ち消しあう関係となる。
第3領域14aと第1,第2内部電極12,16との接触面積は、第2領域18aと第2,第3内部電極16,20との接触面積よりも、小さくなっている。そのため、第3領域14aに付与される荷重は、第2領域18aに付与される荷重よりも小さくなる。これにより、第3領域14aは、荷重による電荷ではなく主にパイロ効果による電荷を発生することとなる。第3圧電体層14の厚さを第2圧電体層18の厚さと比べて薄くすることにより、第3領域14aの静電容量と第2領域18aの静電容量とを同一にしている。静電容量が同一であるため、第2領域18a及び第3領域14aそれぞれが発生する、パイロ効果による電荷は同等の値となる。よって、第2領域18aから発生した電荷のうち、パイロ効果による電荷分を、第3領域14aによって確実にキャンセルさせることができる。その結果、第1〜第5内部電極12,16,20,22,24に接続された第1,第2外部電極4,5から、ノイズ成分が除去された電荷を出力することができるため、正確な加速度を検出することが可能となる。第1,第2外部電極4,5から出力された電荷は、図3に示されるように、検出回路54により電荷電圧変換された後、外部回路に出力される。
また、本第1実施形態に係る加速度センサC1では、圧電素子2はおもり部10を有している。おもり部10と基体部8との間には、第2圧電体層18を有する第1部材6と第1圧電体層30を有する第2部材7とが形成されている。この場合、おもり部10に慣性力が働くので、第1圧電体層30及び第2圧電体層18に対して確実に荷重を付与することができる。したがって、加速度を精度よく検出することができる。
また、本第1実施形態に係る加速度センサC1では、図2に示されるように、第1部材6に含まれる第2圧電体層18及び第3圧電体層14は、第2部材7に含まれる第1圧電体層30よりも基体部10側に位置している。すなわち、第1圧電体層30は、第2圧電体層18及び第3圧電体層14と比べておもり部10側に位置することとなる。図1に示されるように、加速度センサC1を回路基板50に搭載する際、加速度センサC1の第1,第2外部電極4,5と回路基板との間に半田フィレット52が形成されるが、上述した位置にある第1圧電体層30は半田フィレット52の形成位置から離れているため、撓みや歪みを半田フィレット52により制限されることが少ない。その結果、第1圧電体層30は、付与される荷重の矢印C方向成分を正確に反映した電荷を発生することが可能となる。よって、より正確な加速度を検出することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る加速度センサC2について説明する。図13は、第2実施形態に係る加速度センサを示す側面図である。
次に、第2実施形態に係る加速度センサC2について説明する。図13は、第2実施形態に係る加速度センサを示す側面図である。
第2実施形態に係る加速度センサC2は、積層方向に沿った2つの対向する側面、すなわち側面40、が段差形状を呈する点で、第1実施形態に係る加速度センサC1と相違する。第2実施形態に係る加速度センサC2は、圧電素子2と、圧電素子2の表面に形成された1対の電極である第1外部電極4及び第2外部電極5とを備えている。
圧電素子2の構成要素は、第1実施形態に係る加速度センサC1の構成要素と同一である。ただし、本実施形態の加速度センサC2では、圧電素子2の積層方向から見て、第1圧電体層30及びおもり部10の大きさが基体部8の大きさよりも小さくなっている。また、圧電素子2の積層方向から見て、第2圧電体層18の一方の主面は第1圧電体層30及びおもり部10と同一の大きさを有しており、第2圧電体層18の他方の主面は第3圧電体層14及び基体部8と同一の大きさを有している。このような大きさの基体部8、第1〜第3圧電体層30,18,14、及びおもり部10を備える圧電素子2の側面は、上部が内側に凹んだ段差形状を呈している。第1外部電極4及び第2外部電極5は、圧電素子2の側面に沿うように形成されている。
次に、図14を参照して、上述した形状を有する加速度センサC2の製造方法について説明する。
おもり部10となる第1積層体G1と、第1部材6となる第2積層体G2と、第2部材7となる第3積層体G3を形成する。これらの形成方法は、本実施形態の加速度センサC2における第1〜3積層体G1〜G3の形成方法と同様である。形成した第1〜3積層体G1〜G3を、図14(a)に示されるように、第2積層体G2、第3積層体G3、第1積層体G1の順で積層し、積層体L3を得る。第2積層体G2、第3積層体G3、第1積層体G1は、エポキシ樹脂系接着剤によってそれぞれ接着される。
次に、積層体L3を、例えばダイヤモンドブレードにより所定の寸法に切断する。切断するにあたって、刃幅の異なる2つのブレードを用意する。まず、刃幅が大きい第1のブレードによって、図14(b)に示されるように、所定の深さの溝42を形成する。所定の深さとは、第1積層体G1の上面から第2積層体G2の上部にまで到達する程度の深さである。形成される溝42の幅は、第1のブレードの幅と同一となる。次に、溝42の内側に刃幅の小さい第2のブレードを進入させ、積層体L2を切断する。ダイシング幅(切断しろ)44は、第2のブレードの幅と同一であるため、溝42よりも狭くなる。したがって、切断により得られる略帯状の積層体L4は、側面に段差を有するものとなる。
得られた略帯状の積層体L4の側面にCuを主成分とする導電材料をスパッタすることにより、第1外部電極4となる電極パターンと,第2外部電極5となる電極パターンとを形成する。スパッタ後、第1,第2外部電極4,5を覆うようにNi及びSnをめっきする。そして、メッキが施された積層体L4を、ダイヤモンドブレードにより積層体の延びる方向に対して垂直な方向に沿って切断する。以上により、図13に示されるような加速度センサC2が完成する。
このように、本第2実施形態に係る加速度センサC2では、圧電素子2の積層方向から見て、第1圧電体層30とおもり部10との大きさが基体部8の大きさよりも小さくなっている。そのため、加速度センサC2の側面40は、上部が内側に凹んだ段差形状となっている。このような側面40を有する加速度センサC2を回路基板50上に半田付けする際には、半田フィレット52は内側に凹んだ部分よりも下部、すなわち第1圧電体層30よりも基体部8側に形成されるか、もしくは凹んだ部分にまで到達しても薄く形成されることとなる。よって、第1圧電体層30は、半田フィレット52による動きの制限をより受けにくくなる。その結果、より正確な加速度を検出することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記第2実施形態では、圧電素子2の積層方向から見たときの第1圧電体層30の大きさを基体部8よりも小さくするとしたが、第1圧電体層30だけでなく、第2圧電体層18及び第3圧電体層14の大きさも基体部8より小さくする、としてもよい。この場合、圧電素子2の側面は、第1〜第3圧電体層30,18,14及びおもり部10の部分が内側に凹んだ段差形状を呈することとなる。これにより、外部電極もまた第1〜第3圧電体層30,18,14及びおもり部10に対応する部分が内側に凹んだ段差形状を呈することとなる。よって、第2圧電体層18及び第3圧電体層14の上に形成されている第1圧電体層30は、半田フィレットによる動作の制限をいっそう受けにくくなる。
また、上記第1実施形態では、第2圧電体層18及び第3圧電体層14は、圧電素子2の積層方向であり、且つ、基板部8からおもり部10に向かう方向、すなわち矢印A方向に分極されている、とした。これを、第2圧電体層18及び第3圧電体層14は、圧電素子2の積層方向であり、且つ、おもり部10から基板部8に向かう方向に分極されている、としてもよい。
また、上記第1,2実施形態では、圧電素子2は基体部8、第3圧電体層14、第2圧電体層18、第1圧電体層30、及びおもり部10が順次積層されたものである、としたが、各層及び各部の積層順はこれに限られない。ただし、第2圧電体層18及び第1圧電体層30は、基体部8とおもり部10との間に位置するものとする。したがって、例えば、図15に示されるように、おもり部10の上に第3圧電体層14を配するとしてもよい。この場合、他の層と比べて第3圧電体層14に付与される荷重が小さくなる。そのため、第3圧電体層14は、パイロ効果による電荷をより確実に発生させることができる。したがって、第2圧電体層18から発生した電荷から、パイロ効果による電荷分をより確実にキャンセルすることができる。よって、ノイズ成分が除去された電荷をより正確に出力することができる。
また、上記実施形態では、第3圧電体層14の第3領域14aと内部電極との接触面積を、第1圧電体層18の第1領域18aと内部電極との接触面積と比べて小さくする、とした。上述したようにおもり部10上に第3圧電体層14を配する場合には、他の層から付与される荷重を考慮する必要がなくなる。よって、この場合には、第3領域14aと内部電極との接触面積は、第1領域18aと内部電極との接触面積より小さくなくてもよい。
また、上記実施形態では、第2圧電体層18は、第3圧電体層14上に形成されるとした。これを、第2圧電体層18は、第3圧電体層14よりも基体部8側に形成される、としてもよい。この場合、第2圧電体層18の上に第3圧電体層14が配されることとなるため、第2圧電体層18に付与される荷重は、第3圧電体層14に付与される荷重と比べて大きくなる。よって、第3圧電体層14に付与される荷重を、第2圧電体層18に付与される荷重と比べて確実に小さくすることができる。よって、第3圧電体層14は第2圧電体層18と比べて、荷重による電荷ではなく、主にパイロ効果による電荷を発生することとなる。その結果、第2圧電体層18で発生した電荷から、パイロ効果による電荷分をより確実に打ち消すことができる。
また、上記実施形態では、基体部8、第2圧電体層18、及び第3圧電体層14を一体成形しているが、これらを別々に成形した後に接着剤その他の適当な手段を用いて互いに結合するとしてもよい。
また、上記実施形態では、基体部8及びおもり部10をグリーンシートにより作製するとしたが、例えば成形型等を用いて作製するとしてもよい。また、上記実施形態では、基体部8及びおもり部10は、PZTを主成分とするセラミック材料で形成されるとしたが、基体部8及びおもり部10を形成する材料はこれに限られない。基体部8及びおもり部10を、第1〜第3圧電体層30,18,14と比べて高い硬度を有する材料で形成した場合には、外力に対する圧電素子2の強度を高めることができる。
また、第1〜第3圧電体層30,18,14、第1〜第5内部電極12,16,20,22,24、及び第1,第2外部電極4,5に用いられる材料は、上述したものに限られない。
C1,C2・・・加速度センサ、2・・・圧電素子、4・・・第1外部電極、5・・・第2外部電極、6・・・第1部材、7・・・第2部材、8・・・基体部、10・・・おもり部、12・・・第1内部電極、14・・・第3圧電体層、14a・・・第3領域、16・・・第2内部電極、18・・・第2圧電体層、18a・・・第2領域、20・・・第3内部電極、22・・・第4内部電極、24・・・第5内部電極、26・・・第1分極用電極、28・・・第2分極用電極、30・・・第1圧電体層、30a・・・第1領域。
Claims (9)
- 圧電素子と、前記圧電素子の表面に沿って形成された外部電極と、を備える加速度センサであって、
前記圧電素子は、
基体部と、
第1圧電体層、第2圧電体層、及び第3圧電体層と、
前記第1、第2、及び第3圧電体層それぞれを挟むように積層されて前記外部電極に接続される内部電極と、
を有し、
前記第1〜第3圧電体層及び前記内部電極は、前記基体部上に形成されており、
前記第1圧電体層において、当該第1圧電体層を挟む前記内部電極と重なる第1領域は、前記圧電素子の積層方向に対して垂直な方向に分極されており、
前記第2圧電体層において、当該第2圧電体層を挟む前記内部電極と重なる第2領域は、前記圧電素子の積層方向に分極されており、
前記第3圧電体層において、当該第3圧電体層を挟む前記内部電極と重なる第3領域は、前記第2領域の分極を打ち消す方向に分極されており、
前記第3領域に付与される荷重が前記第2領域に付与される荷重と比べて小さいことを特徴とする加速度センサ。 - 前記第3領域は、前記第2領域と同一の静電容量を有することを特徴とする請求項1に記載の加速度センサ。
- 前記第3領域と前記内部電極との接触面積は、前記第2領域と前記内部電極との接触面積よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の加速度センサ。
- 前記圧電素子はおもり部を更に有しており、当該おもり部と前記基体部との間に前記第1圧電体層及び前記第2圧電体層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の加速度センサ。
- 前記圧電素子の積層方向に対して垂直な方向から見て、前記第2圧電体層は、前記第3圧電体層よりも前記基体部側に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の加速度センサ。
- 前記圧電素子の積層方向に対して垂直な方向から見て、前記第2圧電体層及び前記第3圧電体層は、前記第1圧電体層よりも前記基体部側に位置していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の加速度センサ。
- 前記圧電素子の積層方向から見て、前記第1圧電体層の大きさが前記基体部の大きさよりも小さいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の加速度センサ。
- 前記圧電素子の積層方向から見て、前記第2圧電体層及び前記第3圧電体層の大きさが前記基体部の大きさよりも小さいことを特徴とする請求項7に記載の加速度センサ。
- 圧電素子と、前記圧電素子の表面に沿って形成された外部電極と、を備える加速度センサの製造方法であって、
基体部と、層の厚み方向に分極された第2圧電体層及び第3圧電体層と、前記基体部、前記第2圧電体層、及び前記第3圧電体層それぞれの間に積層された内部電極と、を有する第1部材を形成する第1工程と、
層が延びる方向に分極された第1圧電体層と、前記第1圧電体層を挟むように位置する一対の内部電極と、を有する第2部材を形成する第2工程と、
前記第1部材及び前記第2部材を積層して前記圧電素子を形成する第3工程と、
前記圧電素子の表面に、前記第1圧電体の内部電極及び前記第2圧電体の内部電極と接続される前記外部電極を形成する第4工程と、
を有し、
前記第1工程では、
前記第2圧電体層と前記第3圧電体層との間に積層された内部電極から見て前記第2圧電体層の分極方向と前記第3圧電体層の分極方向とが互いに逆となるよう、前記第2圧電体層及び前記第3圧電体層を配置し、
前記第3圧電体層と当該第3圧電体層を挟む内部電極との接触面積が、前記第2圧電体層と当該第2圧電体層を挟む内部電極との接触面積に比べて小さくなるよう前記内部電極を配置する、
ことを特徴とする加速度センサの製造方法。
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