JP2007101162A - 加湿器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蒸発容器の腐蝕を抑えると共に、空焚きを確実に防止することができる加湿器を提供すること。
【解決手段】 加湿器本体2内の蒸発手段6によって水を気化させ、蒸気通路を構成する筒状体7で導いて前記加湿器本体2外に排出させる加湿器1であって、前記蒸発手段6が、耐蝕性の高いステンレス鋼で形成された器状の蒸発容器14と、熱伝導性の高いアルミニウム等で形成されて前記蒸発容器14に伝熱的に設けられた伝熱手段としての伝熱板15と、この伝熱板15に対して伝熱的に取り付けられた加熱手段としてのヒータ16及びサーモスタット17とを有することで、長時間高温状態で水と接する条件であっても前記蒸発容器14が腐蝕しにくく、また、前記蒸発容器14が空焚き状態になった場合に、前記ヒータ16の熱が前記伝熱板15を介して前記サーモスタット17に流れるので、空焚き状態を良好に検知することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、水を加熱手段によって加熱することで気化させ、この気化した水を用いて室内等を加湿する加湿器に関するものである。
従来、この種の加湿器としては、例えば、蒸発皿(本発明の蒸発容器に該当する)の水をヒータ(本発明の加熱手段に該当する)にて加熱して発生させた蒸気Sを、蒸気通路を介して本体(本発明の加湿器本体に該当する)の外部に発散させて加湿するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、これらの加湿器では、一般的には、前記蒸発皿にサーモスタットを伝熱的に取り付けることで、空焚き状態を検知できるようにしている。
特開平11−178908号公報
このような加湿器においては、加熱手段によって水を効率的に蒸発できるようにするために、蒸発容器がアルミニウム等の熱伝導性の良好な金属で形成されていた。しかしながら、アルミニウム等で形成された前記蒸発容器は、前記加熱手段によって加熱されることで、長時間高温状態で水と接しているため、腐蝕しやすいという問題があった。これを解決するために、前記蒸発容器を耐蝕性の高いステンレス鋼等で形成することも考えられるが、ステンレス鋼は熱伝導性が劣るため、空焚き状態になったことを前記サーモスタットが検知できずに前記加熱手段に通電し続けてしまう虞があった。
本発明は以上の問題点を解決し、蒸発容器の腐蝕を抑えると共に、空焚きを確実に防止することができる加湿器を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の加湿器は、加湿器本体と、この加湿器本体内に設けられて水を気化させる蒸発手段と、この蒸発手段内で気化された水蒸気を導く蒸気通路と、この蒸気通路によって導かれた水蒸気を前記加湿器本体外に排出させる蒸気排出口とを有する加湿器において、前記蒸発手段が、ステンレス鋼によって形成された器状の蒸発容器と、この蒸発容器の外側に伝熱的に設けられた伝熱手段と、この伝熱手段に対して伝熱的に取り付けられた加熱手段及びサーモスタットとを有して構成されたものである。
また、本発明の請求項2に記載の加湿器は、請求項1において、前記蒸発容器の外側面を囲むように前記伝熱手段を設け、この伝熱手段に前記加熱手段とサーモスタットとを伝熱的に取り付けると共に、外方から締め付けることで前記加熱手段及びサーモスタットを前記伝熱手段並びに前記蒸発容器の外側面に取り付ける取付手段を設けたものである。
更に、本発明の請求項3に記載の加湿器は、請求項2において、前記蒸発容器の外側面に平面部を設け、この平面部に対応して前記伝熱手段に当接部を設けると共に、前記伝熱手段の当接部に前記サーモスタットが当接するように構成したものである。
本発明の請求項1に記載の加湿器は、以上のように構成することにより、前記蒸発手段を構成する前記蒸発容器内の水が前記加熱手段によって加熱されることで蒸発して水蒸気となり、この水蒸気流が前記蒸気通路を経て前記蒸気排出口から前記加湿器本体外に放出される。そして、前記蒸発容器がステンレス鋼によって構成されていることで、長時間高温状態で水と接する前記蒸発容器を腐蝕しにくくすることができる。また、以上の構成により、前記加熱手段が発した熱が前記伝熱手段を介して前記蒸発容器、ひいてはこの蒸発容器内の水を加熱して蒸発させると共に、前記蒸発容器が空焚き状態になった場合に、前記加熱手段が発した熱が前記伝熱手段を介して前記サーモスタットに流れるので、空焚き状態を良好に検知することができる。
また、本発明の請求項2に記載の加湿器は、以上のように構成することにより、前記蒸発容器に接する前記伝熱手段を単純な構造にすることができるばかりでなく、前記伝熱手段と加熱手段とサーモスタットの前記蒸発容器に対する固定構造を単純にすることができる。
更に、本発明の請求項3に記載の加湿器は、以上のように構成することにより、前記取付手段によって締め付けることで、前記サーモスタットと前記伝熱手段の当接部と前記蒸発容器の平面部が面接触するので、前記サーモスタットによる空焚き検知をより確実に行うことができる。
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図4に基づいて説明する。1は本発明の加湿器である。この加湿器1は、加湿器本体2と、蓋部材3と、前記加湿器本体2内に着脱自在に収容される水タンク4と、この水タンク4内の水を導く水路5と、前記加湿器本体2内に設けられると共に前記水路5によって導かれた水を蒸発させる蒸発手段6と、この蒸発手段6で発生した水蒸気を上方に導いて前記加湿器本体2の外に放出する蒸気通路を構成する筒状体7とを有して構成されている。前記加湿器本体2は上方に開口部2Aが設けられており、この開口部2Aに対して前記蓋部材3が開閉自在に取り付けられている。そして、前記加湿器本体2には、前記加湿器1を操作するためのスイッチ8及び後述するサーモスタット17をリセットするためのリセットボタン9が設けられている。また、前記加湿器本体2には、この加湿器本体2内の熱を排出するための排熱口10が設けられている。また、前記加湿器本体2には、前記水タンク4に対応して、この水タンク4内の水量を目視できるように、水位窓11が形成されている。更に、前記加湿器本体2の下部には、前記加湿器1を立てるための複数の足12が設けられている。また、前記蓋部材3には、前記筒状体7の上端部7Aに対応して開口部3Aが形成されており、この開口部3Aから前記筒状体7の上端部7Aに形成された蒸気排出口7Bが露出するように構成されている。
前記水タンク4は、透明又は半透明の合成樹脂によって形成されている。また、前記水タンク4の下部には口部4Aが形成されており、この口部4Aに対してキャップ部13が着脱自在に取り付けられている。また、前記水タンク4の上部には、把持部4Bが形成されている。
前記水路5は、前記加湿器本体2の内部に、この加湿器本体2と一体的に形成されている。そして、前記水路5の一端側には、前記水タンク4のキャップ部13が挿入される凹部5Aが形成されており、この凹部5Aに、前記キャップ部13に設けられた図示しない止水弁機構を開くための突起部5Bが形成されている。また、前記水路5の他端側には貫通孔を有する取付部5Cが形成されており、この取付部5Cの下方に前記蒸発手段6が取り付けられている。また、前記水路5の取付部5Cの上方には、前記筒状体7が着脱自在に載置されている。この筒状体7は、合成樹脂等によって略筒状に形成されていると共に、その上端部7Aに設けられた蒸気排出口7Bの内側に、複数のフィン7Cが設けられている。
前記蒸発手段6について詳述する。この蒸発手段6は、ステンレス鋼によって器状に形成された蒸発容器14と、この蒸発容器の側面を囲むように設けられたアルミニウムの薄板によって形成された伝熱手段としての伝熱板15と、この伝熱板15の外側に伝熱的に接する加熱手段としてのヒータ16及びサーモスタット17と、これらヒータ16及びサーモスタット17を締め付けて前記伝熱板15及び蒸発容器14の側面に伝熱的に密着固定させる取付手段18とで構成されている。なお、前記蒸発容器14と伝熱板15との間には、図示しない伝熱手段としてのシリコングリス等の伝熱充填材が介在しており、この伝熱充填材によって前記蒸発容器14の外面と前記伝熱板15の内面に存在する微小な凹凸が埋められることで、前記蒸発容器14の外面と前記伝熱板15の内面とが伝熱的に密着される。前記蒸発容器14は、略有底円筒の蒸発容器本体14Aと、その上部に設けられ前記水路5の取付部5Cに取り付けるためのフランジ状部14Bを有すると共に、前記蒸発容器本体14Aの外側面に平面部14Cが凹状に形成されている。また、前記伝熱板15は、図4に示すように、単純な一枚板であり、他の部位よりも幅狭な当接部15Aを有している。なお、この当接部15Aの幅は、前記蒸発容器14に凹状に形成された前記平面部14Cに対応して、前記平面部14Cの高さと同じかやや狭く形成されている。また、前記ヒータ16は、前記取付手段18の内側に固定されていると共に、前記蒸発容器本体14Aの側面のほぼ半周に渡って設けられており、前記サーモスタット17は、前記取付手段18に突状に形成されたサーモスタット取付部18Aに対してビス等で固定されている。即ち、前記ヒータ16及びサーモスタット17は、前記取付手段18に予め固定されている。そして、前記蒸発容器14の側面を、前記平面部14Cに対応して前記当接部15Aが接するように前記伝熱板15によって囲い、この伝熱板15の側面を更に前記ヒータ16及びサーモスタット17が固定された前記取付手段18で、前記サーモスタット17が前記当接部15Aと接するように囲い、図示しないビス等で締め付けることで、前記蒸発容器14と伝熱板15とヒータ16とサーモスタット17とが伝熱的に密着する。なお、前記当接部15Aは、前記取付手段18によって締め付けられることで、前記サーモスタット17に押されて変形し、前記サーモスタット17及び前記蒸発容器14の平面部14Cと面接触することになる。また、前記当接部15Aは、他の部位よりも幅狭に形成されていることで、他の部位よりも相対的に変形しやすいので、前記取付手段18によって締め付けられることで簡単に変形して前記平面部14C及びサーモスタット17に面接触する。更に、前記サーモスタット17の当接面と前記伝熱板15の当接部15Aとの間には、図示しない伝熱手段としてのシリコングリス等の伝熱充填材が介在しており、この伝熱充填材によって前記当接部15Aの外面と前記サーモスタット17の当接面に存在する微小な凹凸が埋められることで、前記蒸発容器14の外面と前記伝熱板15の内面とが伝熱的に密着される。
次に、本実施形態の作用について説明する。まず使用者は、前記加湿器1の蓋部材3を開き、加湿器本体2内に水が溜められた水タンク4を収容する。この時、前記水タンク4のキャップ部13が前記水路5の凹部5Aに挿入されると共に、前記突起部5Bによって前記キャップ部13内の図示しない止水弁機構が開かれる。このため、前記水タンク4内の水は、前記キャップ部13から前記水路5に流出し、前記取付部5Cに取り付けられた前記蒸発手段6の蒸発容器14に溜められる。そして、使用者は前記蓋部材3によって前記加湿器本体2の開口部2Aを閉じる。そして、前記スイッチ8をオンにすることで、前記蒸発手段6のヒータ15が通電して発熱し、この発生した熱が前記伝熱板15及び図示しない伝熱充填材を介して前記蒸発容器14に溜められた水を加熱する。そして、前記蒸発容器14内の水が加熱されて水蒸気が発生すると、この水蒸気が前記筒状体7を上昇し、前記蒸気排出口7Bから前記加湿器本体2の外部に放出される。
なお、前記蒸発容器14内に充分に水がある場合、前記ヒータ16が発した熱の多くが前記蒸発容器14内の水の気化熱となるため、図示しない伝熱充填材を介して前記蒸発容器14と伝熱的に接した前記伝熱板15は所定温度よりも高くならず、このため、前記サーモスタット17の接点は閉じたままである。そして、前記蒸発容器14内の水が所定量以下に減少した場合、図示しない伝熱充填材を介して前記蒸発容器14と伝熱的に接した前記伝熱板15から気化熱として奪われる熱量が減少するため、前記伝熱板15が所定温度よりも高くなり、この結果、前記サーモスタット17の接点が開き、前記ヒータ16への通電を遮断する。この時、前記蒸発容器14が熱伝導率の低いステンレス鋼によって形成されているので、前記伝熱板15がない、或いは前記伝熱板15の熱伝導率が低いと、前記ヒータ16が発した熱は、前記サーモスタット17に充分に伝わらないばかりでなく、前記ヒータ16と接した部位を局部的に加熱してしまうことになるので、空焚き状態が長く続いてしまう虞があるが、前述したように、前記伝熱板15は熱伝導率の高いアルミニウム等で形成されているため、空焚き状態を確実に且つ速やかに検知して前記ヒータへの通電を遮断させることができる。なお、前述したように、前記蒸発容器14が耐蝕性の高いステンレス鋼によって形成されているので、長時間高温で且つ水に触れた状態であっても腐蝕しないようにすることができる。
以上のように本発明は、加湿器本体2内の蒸発手段6によって水を気化させ、この蒸発手段6で気化された水蒸気を、蒸気通路を構成する筒状体7で導いて前記加湿器本体2外に排出させる加湿器1であって、前記蒸発手段6が、耐蝕性の高いステンレス鋼によって形成された器状の蒸発容器14と、この蒸発容器14に伝熱的に接して設けられた熱伝導性の高いアルミニウム等によって形成された伝熱手段としての伝熱板15と、この伝熱板15に対して伝熱的に取り付けられた加熱手段としてのヒータ16及びサーモスタット17とを有することで、長時間高温状態で水と接する条件であっても前記蒸発容器14が腐蝕しにくく、また、前記蒸発容器14が空焚き状態になった場合に、前記ヒータ16の熱が前記伝熱板15を介して速やかに前記サーモスタット17に流れるので、空焚き状態を良好に検知することができるものである。
また本発明は、前記蒸発容器14の外側面を囲むように前記伝熱板15を設け、この伝熱板15に前記ヒータ16とサーモスタット17を伝熱的に取り付けると共に、これらヒータ16とサーモスタット17とを取付手段18によって外方から締め付けて、前記伝熱板15並びに前記蒸発容器14の側面に密着させることで、前記蒸発容器14に接する前記伝熱板15を一枚板という単純な構造にすることができるばかりでなく、前記伝熱板15とヒータ16とサーモスタット17の前記蒸発容器14に対する固定構造を単純にして、前記取付手段18を締め付けることで、前記伝熱板15とヒータ16とサーモスタット17を前記蒸発容器14の側面に簡単に取り付けることができるものである。
更に本発明は、前記蒸発容器14の外側面に平面部14Cを設け、この平面部14Cに対応して前記伝熱板15に当接部15Aを設けると共に、前記当接部15Aに前記サーモスタット17が接することで、このサーモスタット17と前記当接部15Aと前記平面部14Cが面接触するので、前記サーモスタット17による空焚き検知をより確実に行うことができるものである。
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では加熱手段とサーモスタットを共に蒸発容器の側面に固定したが、前記加熱手段とサーモスタットの一方を前記蒸発容器の側面に、他方を前記蒸発容器の底面に固定するようにしても良い。また、上記実施形態では、前記蒸発容器の外側面に凹状に平面部を形成したが、前記蒸発容器の外側面に凸状に平面部を形成しても良い。また、上記実施形態では、伝熱手段として伝熱板と図示しない伝熱充填材を用いたが、前記伝熱板と前記ヒータ又は前記伝熱板とサーモスタットとの間に、図5に示すように、更に他の伝熱手段19を設けても良い。更に、上記実施形態では、前記蒸発容器と伝熱板の間、或いは前記伝熱板とヒータ並びにサーモスタットの間に、伝熱手段としてのシリコングリス等の伝熱充填材を介在させたが、これら蒸発容器、伝熱板、ヒータ及びサーモスタットの表面が充分に平滑であるならば、伝熱充填材は必ずしも必要ではない。
本発明の一実施形態を示す加湿器の外観図である。 同上、縦断面図である。 同上、蒸発手段及びその周囲の拡大断面図である。 同上、伝熱板の展開図である。 本発明の他の実施形態を示す加湿器の蒸発手段及びその周囲の拡大断面図である。
符号の説明
1 加湿器
2 加湿器本体
6 蒸発手段
7 筒状体(蒸気通路)
14 蒸発容器
14C 平面部
15 伝熱板
15A 当接部
16 ヒータ(加熱手段)
17 サーモスタット
18 取付手段

Claims (3)

  1. 加湿器本体と、この加湿器本体内に設けられて水を気化させる蒸発手段と、この蒸発手段内で気化された水蒸気を導く蒸気通路と、この蒸気通路によって導かれた水蒸気を前記加湿器本体外に排出させる蒸気排出口とを有する加湿器において、前記蒸発手段が、ステンレス鋼によって形成された器状の蒸発容器と、この蒸発容器の外側に伝熱的に設けられた伝熱手段と、この伝熱手段に対して伝熱的に取り付けられた加熱手段及びサーモスタットとを有して構成されたことを特徴とする加湿器。
  2. 前記蒸発容器の外側面を囲むように前記伝熱手段を設け、この伝熱手段に前記加熱手段とサーモスタットとを伝熱的に取り付けると共に、外方から締め付けることで前記加熱手段及びサーモスタットを前記伝熱手段並びに前記蒸発容器の外側面に取り付ける取付手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の加湿器。
  3. 前記蒸発容器の外側面に平面部を設け、この平面部に対応して前記伝熱手段に当接部を設けると共に、前記伝熱手段の当接部に前記サーモスタットが当接するように構成したことを特徴とする請求項2記載の加湿器。
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