JP2007098633A - 保護層転写シート - Google Patents

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徹 高橋
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Abstract

【課題】本発明は、昇華型熱転写方式により印画された印画物を良好に保護することが可能な保護層を転写可能な保護層転写シートを提供することを主目的としている。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、基材と、前記基材上に形成され、放射線硬化性樹脂を含有する保護層と、前記保護層上に形成されたヒートシール層とを有することを特徴とする保護層転写用シートを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、昇華型熱転写方式により印刷された画像を保護する保護層を転写するために用いられる保護層転写シートに関するものである。
従来より、種々の熱転写方法が公知であるが、それらの中で昇華型染料を含有する染料転写層を紙やプラスチックフィルム等のシートに担持させて、紙やプラスチックフィルムの表面に染着可能な受容層を設けた受像シート上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この方法は昇華型染料を色材としている為、濃度階調を自由に調節ができ、原稿のフルカラー画像が表現できる。また、染料により形成された画像は非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、中間色の再現性や階調再現性に優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することが可能である。
ここで、上記昇華型熱転写方式により印刷された画像の表面には、通常、保護層が形成されることとなる。これにより、印画された画像を保護することができ、より印画物を長期間保存すること等が可能となるからである。上記保護層は、通常、昇華型熱転写シートの基材上に、染料転写層とともに設けられており、染料転写層を用いて受像シートに画像を印画した後、その受像シートの印画領域全面に、熱転写されて形成される。
従来、上記保護層としては、熱硬化性樹脂を含有するものが用いられていたが、この場合、上記保護層を有する保護層転写シートを形成する際に、熱硬化処理を行わなければならず、効率よく保護層転写シートを製造することが難しいという問題があった。また、上記保護層に熱可塑性を有する樹脂を用いた場合には、例えば印画物を保存する際に用いられる樹脂製のケースやフィルム等に含まれる可塑剤に対する耐性が低く、印画物を良好に保護することができない、という問題もあった。
そこで、昇華型熱転写方式により印画された印画物を良好に保護することが可能な保護層を転写可能な保護層転写シートの提供が望まれている。
本発明は、基材と、上記基材上に形成され、放射線硬化性樹脂を含有する保護層と、上記保護層上に形成されたヒートシール層とを有することを特徴とする保護層転写用シートを提供する。
本発明によれば、上記保護層に放射線硬化性樹脂が用いられることから、上記保護層転写用シートを製造する際、熱硬化処理等を行う必要がないものとすることができ、効率よく製造された保護層転写用シートとすることができる。また、上記保護層に放射線硬化性樹脂が用いられることから、耐熱性が高く、さらに樹脂に含有される可塑剤等に対しても高い耐性を有するものとすることができる。したがって、昇華型熱転写方式により転写された印画物を良好に保護することができる保護層を転写可能な保護層転写シートとすることができる。
上記発明においては、上記放射線硬化性樹脂が、(メタ)アクリロイル基を有するアクリル変性ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましく、さらに上記(メタ)アクリロイル基を有するアクリル変性ポリビニルブチラール樹脂が、下記の化学式で表される樹脂であることが好ましい。
Figure 2007098633
(式中におけるRは、水素原子又はアセチル基を表し、Rは、(メタ)アクリロイル基を有する基であり、式中のl、m、およびnの合計を100とした場合に、lは40〜85、mは0〜10、nは15〜50の整数である。)
これにより、上記保護層の硬化性を良好なものとすることができ、耐可塑剤性をより良好なものとすることができるからである。
本発明によれば、効率よく製造された保護層転写用シートとすることができる。また耐熱性および耐可塑剤性が高く、昇華型熱転写方式により転写された印画物を良好に保護することが可能な保護層とすることができるという効果も奏するものである。
本発明は、昇華型熱転写方式により印刷された画像を保護する保護層を転写するために用いられる保護層転写シートに関するものである。以下、詳しく説明する。
本発明の保護層転写シートは、基材と、上記基材上に形成され、放射線硬化性樹脂を含有する保護層と、上記保護層上に形成されたヒートシール層とを有することを特徴とするものである。
本発明の保護層転写シートは、例えば図1に示すように、基材1と、その基材1上に形成された保護層2と、その保護層2上に形成されたヒートシール層3とを有する構成とされる。また本発明の保護層転写シートは、例えば図2に示すように、画像が印字された受像シート11の受容層12と、上記保護層転写用シート4の上記ヒートシール層3とを対向させて配置した状態で、印刷装置のサーマルヘッド13から熱を加えることによって、上記受容層12上に保護層2を転写して用いられるものである。なお、上記受容層12および保護層2は、上記ヒートシール層3を介して積層されることとなる。
本発明においては、上記保護層に放射線硬化性樹脂が用いられることから、上記保護層形成の際に、例えば熱硬化工程等が必要のないものとすることができる。したがって、上記保護層転写シートが効率よく製造されたものとすることができるのである。
また、本発明においては、上記保護層に放射線硬化性樹脂が用いられることから、上記保護層が耐熱性に優れたものとすることができ、さらに樹脂等に含有されている可塑剤に対しても高い耐性を有するものとすることができる。したがって本発明によれば、昇華型熱転写方式により転写された印画物を良好に保護することができる保護層を転写可能な保護層転写シートとすることができるのである。
以下、本発明の保護層転写シートの各構成ごとに詳しく説明する。
1.保護層
まず、本発明の保護層転写シートに用いられる保護層について説明する。本発明に用いられる保護層は、後述する基材上に形成され、放射線硬化性樹脂を含有し、昇華転写方式により印画された印画物の表面を保護することが可能な層であり、可視光に対して透過性を有するものであれば、特に限定されるものではない。なお、保護層が放射線硬化性樹脂を含有するとは、後述する放射線硬化性樹脂が保護層の主成分とされていることをいい、上記放射線硬化性樹脂が、放射線照射によって架橋している場合も含むものとする。
ここで、上記保護層は、受像シート上に転写された際の表面の光沢度が、60°測定において70%以上、中でも85%以上となるものであることが好ましい。上記光沢度は、JIS K7105に準じて測定される値である。これにより、上記保護層が転写された受像シートの印画面を良好に観察することが可能となるからである。
また上記放射線硬化性樹脂の粘弾性は、tanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)のピーク値が、80℃以上であることが好ましく、中でも100℃以上であることが好ましい。80℃以下である場合には、熱転写時の熱によって、基材との熱融着が生じ、良好な転写面が得られないからである。なお、上記tanδのピーク値は、固体粘弾性測定装置(レオメトリック・サイエンティフィック社製、周波数:6.28rad/sec、昇温速度5℃/min)にて測定される結果から、もしくはその結果をグラフにして得られる。
またさらに、上記放射線硬化性樹脂は、保護層の固形分中に50質量%〜90質量%程度、中でも55質量%〜85質量%程度、特に60質量%〜80質量%程度含有されていることが好ましい。これにより、保護層が上述したような機能を発揮することが可能となるからである。
このような放射線硬化性樹脂としては、例えば不飽和ポリエステル類、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレート類等が挙げられ、これらを1種または2種以上混合して使用することができる。
本発明においては、上記の中でも、上記放射線硬化性樹脂が、(メタ)アクリロイル基を有するアクリル変性ポリビニルブチラール系樹脂であることが好ましい。これにより、保護層の耐熱性や耐可塑剤性を高いものとすることができるからである。
Figure 2007098633
(式中におけるRは、水素原子又はアセチル基を表し、Rは、(メタ)アクリロイル基を有する基であり、式中のl、m、およびnの合計を100とした場合に、lは40〜85、mは0〜10、nは15〜50の整数である。なお、上記(メタ)アクリロイル基は、芳香族、脂肪族、脂環族等の連結基を解して結合されているものであってもよい。またこの場合、上記Rの炭素数は、通常2〜8の範囲内とされる。)
また上記化学式は、単に樹脂の各構成要素の量比を表わす為の式であり、その並び方(例えばブロック構造等)を特定するものではない。また上記一般式で表されるアクリル変性ポリビニルブチラール系樹脂中に、本発明の目的を失わない限り、若干量の他の構成要素が含まれていてもかまわない。
また、上記(メタ)アクリロイル基を有するアクリル変性ポリビニルブチラール系樹脂の分子量は、3万〜20万の範囲内、中でも5万〜10万の範囲内であることが好ましい。
ここで、上記(メタ)アクリロイル基を有するアクリル変性ポリビニルブチラール系樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂を溶解可能な溶剤、例えば、トルエン、ケトン、セルソルブアセテート、ジメチルスルフォキサイド等に溶解させ、この溶液を撹拌させながら、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸又はその誘導体を滴下及び反応させることにより製造することができる。上記イソシアネート基が、ポリビニルブチラール樹脂の水酸基と反応してウレタン結合を生じ、このウレタン結合を介して樹脂中に(メタ)アクリロイル基が導入されるのである。この際、上記イソシアネート基含有の(メタ)アクリル酸化合物の使用量は、ポリビニルブチラール樹脂の水酸基とイソシアネート基との比率で水酸基1mol当たりイソシアネート基0.1mol〜10mol(好ましくは0.5〜3mol)の範囲になる量とされる。
また上記イソシアネート基含有の(メタ)アクリル酸化合物としては、例えば下記一般式で示されるものが挙げられる。
Figure 2007098633
(式中、Rは、水素基またはメチル基を表し、Rは、炭素原子数1〜5のアルキレン基(側鎖にアルキル基を有するものも含む)を表す。)
上記一般式で表されるイソシアネート基含有の(メタ)アクリル酸化合物として具体的には、(メタ)アクリロイルオキシイソシアネートや、(メタ)アクリロイルオキシエチレンイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピレンイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシイソプロピレンイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシブチレンイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリロイル基を有するアクリル変性ポリビニルブチラール系樹脂の別の製造方法としては、ポリビニルブチラール樹脂を溶解可能な溶剤、例えば、トルエン、ケトン、セルソルブアセテート、ジメチルスルフォキサイド等に溶解させ、この溶液を撹拌させながら、(メタ)アクリル酸クロライド又はその誘導体を滴下及び反応させる方法とすることができる。この場合、酸クロライド基がポリビニルブチラール樹脂の水酸基と反応してエステル結合を生じ、このエステル結合を介して樹脂中に(メタ)アクリル酸化合物の残基が導入されるのである。この際、(メタ)アクリル酸クロライド又はその誘導体の使用量は、ポリビニルブチラール樹脂の水酸基と酸クロライド基との比率で、水酸基1mol当たり酸クロライド基が0.1mol〜5mol(好ましくは、0.5〜3mol)である。
ここで、上記保護層には上述した放射線硬化性樹脂が主成分として用いられるが、本発明においては、上記放射線硬化性樹脂の他に、例えば保護層の架橋密度を調整する為等に、一般的な熱可塑性樹脂や、アクリル系、その他の単官能又は多官能のモノマー、オリゴマー等の反応性希釈剤を加えてもよい。
例えば、単官能ではテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート等のモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また2官能以上では、骨格構造で分類するとポリオール(メタ)アクリレート(エポキシ変性ポリオール(メタ)アクリレート、ラクトン変性ポリオール(メタ)アクリレート等)、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、その他ポリブタジエン系、イソシアヌール酸系、ヒダントイン系、メラミン系、リン酸系、イミド系、フォスファゼン系等の骨格を有するポリ(メタ)アクリレートや、紫外線、電子線硬化性である様々なモノマー、オリゴマー、ポリマーが挙げられる。
さらに詳しくは、2官能のモノマー、オリゴマーとしてはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、3官能のモノマー、オリゴマー、ポリマーとしてはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、4官能のモノマー、オリゴマーとしてはペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、5官能以上のモノマー、オリゴマーとしてはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。官能基数は特に限定されるものではないが、特に3〜20官能のものが用いられること好ましい。これにより、良好な耐熱性や耐可塑剤性を示す保護層とすることが可能となるからである。
上記反応性希釈剤は、上記保護層を形成する際に用いられる上記放射線硬化性樹脂の量を1とした場合に1以下、中でも0.05〜0.5の範囲内用いられることが好ましい。これにより、形成される保護層の架橋密度を高いものとすることができ、保護層の耐熱性や耐可塑剤性を高いものとすることができるからである。
また上記保護層は、熱可塑性樹脂を含有するものであってもよい。本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル、ポリビニルアセタール等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、これらを1種または2種以上混合して用いることができる。
また本発明において、上記放射線硬化性樹脂を紫外線によって硬化させる場合には、上記保護層を形成する際に、光増感剤を添加することが必要である。なお、電子線によって上記放射線硬化性樹脂を硬化させる場合には、光増感剤は不要である。本発明に用いられる光増感剤としては、一般的に紫外線硬化型塗料の光増感剤として用いられている各種の光増感剤、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾイン系化合物;アントラキノン、メチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;ベンジル:ジアセチル;アセトフェノン、ベンゾフェノン等のフェニルケトン化合物;ジフェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムスルフィド等のスルフィド化合物;α−クロルメチルナフタリン;アントラセン及びヘキサクロロブタジエン、ペンタクロロブタジエン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。このような光増感剤は上記放射線硬化性樹脂100質量部当たり約0.5〜10質量部の範囲で使用することが好ましい。
また、上記保護層は、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類;ベンゾキノン、ジフェニルベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン類:銅類等の重合防止剤を含有するものとしてもよい。これにより、保護層を形成するための保護層形成用組成物の貯蔵安定性を向上させることが可能となる。またさらに、必要に応じて、促進剤や、粘度調節剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤等の各種助剤が含有されていてもよい。また、スチレン・ブタジエンラバー等の高分子体が含有されていてもよい。また、上記保護層には可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤など公知の添加剤が含有されていてもよい。
本発明において、上記保護層を形成する方法としては、上述した放射線硬化性樹脂と、上述した各種添加剤等とを添加した組成物に、溶剤や希釈剤等を加え、十分に混練して、保護層形成用組成物を調整する。その後、後述する基材上に、例えば、グラビア印刷法や、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の手段により塗布し、乾燥させた後、放射線を照射することにより形成する方法とすることができる。上記保護層形成用組成物の塗工量は、乾燥時で0.5g/m2〜4.0g/m2とされることが好ましい。塗工量が乾燥時で0.5g/m2未満である場合には、受像シートの印画面を良好に保護することが困難となるからである。また上記塗工量が上記量より多い場合には、コスト面で好ましくなく、また乾燥時間や硬化時間が多く必要となり、生産性等が低下するからである。
上記保護層形成用組成物の硬化に用いられる紫外線や電子線等については、一般的な放射線硬化性樹脂の硬化に用いられるものと同様とすることができる。
また、上記保護層形成用組成物に用いられる溶剤としては、上述したような放射線硬化性樹脂が溶解するような有機溶剤であれば特に限定されるものではないが、塗工性や乾燥性を考慮すると、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ系有機溶剤が挙げられ、特にこれらの溶剤からなる混合溶剤が好ましく使用される。上記保護層形成用組成物中における放射線硬化性樹脂の固形分濃度は、特に限定されないが、一般的には重量基準で1質量%〜50質量%の範囲とされることが好ましい。
2.ヒートシール層
次に、本発明の保護層転写シートに用いられるヒートシール層について説明する。本発明に用いられるヒートシール層としては、上記保護層上に形成されており、上記保護層と、受像シートの印画面(受容層)とを接着することが可能な層であり、可視光に対して透過性を有するものであれば、特に限定されるものではない。
ここで上記ヒートシール層の形成に用いられる樹脂としては、上記保護層と、受像シートの印画面とを接着可能なものであれば特にその種類等は限定されるものではなく、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニルおよびその共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリメチルメタクリレート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニル系樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン・アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)等の熱可塑性樹脂を用いることができる。本発明においては、上記の中でも180℃以下の温度でヒートシールが可能な組成物が用いられることが好ましい。
また、上記ヒートシール層には、上記ヒートシール層の切れ性を良好なものとするために、微粒子が含有されていてもよい。上記微粒子の平均粒径としては、0.05μm〜10μm、中でも0.05μm〜6μmであることが好ましい。上記微粒子の平均粒子径が、上記範囲内より小さい場合には、ヒートシール層の切れ性を向上させることが難しく、また上記範囲より大きい場合には、分散性が悪くヒートシール層の平滑性が損なわれる可能性があるからである。なお、上記平均粒子径は、レーザー法によって測定される値である。レーザー法として具体的には、微粒子を溶媒に分散させて、その分散溶媒にレーザー光線を照射し、その微粒子により散乱された光を解析することにより得られるものである。本発明においては、特にリーズ&ノースラップ(Leeds & Northrup)社製粒度分析計 マイクロトラックUPA Model−9230を使用して算出した値である。
また、このような微粒子の含有量としては、ヒートシール層を構成する上記樹脂100質量部に対して10質量部〜500質量部、中でも20質量部〜200質量部であることが好ましい。上記微粒子の含有量が、上記範囲内より少ない場合には、上記機能を発揮させることができず、また上記範囲内より多い場合には、分散性が悪く、ヒートシール層の切れ性が不安定となるからである。またさらに、受像シートの印画面との接着力の低下が起こる可能性もあるからである。また、微粒子の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば球状、直方状、板状、燐片状、針状、中空体等であってもよい。
上記微粒子(フィラー)としては、有機微粒子及び/または無機微粒子、すなわち、有機微粒子、無機微粒子、有機物と無機物との混合物、または無機物の周囲に有機物をコーティングしたもの等を用いることができる。
無機微粒子としては、例えば炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ガラス、珪藻土、雲母粉、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン等が適用できる。
また有機微粒子としては、ガラス転移点温度が120℃以上の熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えばWAX、ポリエチレン、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、メタアクリル系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリスチレン、スチレン及び/又はα−メチルスチレンと他の単量体(例えば無水マレイン酸、フェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、アクリロニトリル等)との共重合体(例えばAS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等)等の微粒子が適用できる。これにより、ヒートシール層の切れ性を良好なものとすることができるからである。また、有機微粒子を用いた場合には、ヒートシール層を構成する合成樹脂との屈折率が比較的近いことから、ヒートシール層により透明性を持たせることができる。またさらに、無機微粒子と比較して粒子表面の官能基を制御することで容易にヒートシール層の切れ性を改善できるという利点も有している。
また本発明においては、上記ヒートシール層に必要に応じて、分散剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤等の添加剤を適宜加えてもよい。帯電防止剤としては、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤等や、ポリアミドやアクリル酸誘導体等が適用できる。
上記ヒートシール層の形成方法としては、例えば上記樹脂バインダと、上記微粒子とを、溶媒へ分散または溶解させて、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ロッドコート、キスコート、ナイフコート、ダイコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート等のコーティング法で上記保護層上に塗布し、乾燥および/または硬化させて形成される。
このようなヒートシール層の膜厚は、保護層転写シートの種類や、受像シートの種類等により、適宜選択されるものであるが、通常0.5μm〜11μm程度、好ましくは0.5μm〜6μm程度とされる。上記範囲未満の厚さでは、受像シートの印画面との接着が十分でなく、この範囲を超える厚さは、ヒートシール層の切れ性が悪く、また、転写する際の加熱温度を高めなければならないからである。
3.基材
次に、本発明の保護層転写シートに用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材としては、上記保護層を形成可能なものであり、かつ所定の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されるものではない。このような基材としては、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が用いられる。
4.保護層転写シート
本発明の保護層転写シートは、上記基材、保護層、およびヒートシール層を有するものであれば、その構成等は特に限定されるものではなく、例えば上記基材上に、保護層層の他に、画像を印画するための染料転写層等が形成されているものであってもよい。上記染料転写層としては、例えば単色からなるものであってもよく、また例えばイエロー、シアン、マゼンタの3色からなるもの等であってもよい。このような染料転写層については、一般的な昇華型熱転写シートに用いられる染料転写層と同様とすることができる。また本発明においては、上記基材の保護層が形成された側と反対側の面に、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわ等の悪影響を防止するため、耐熱滑性層等が形成されたものであってもよい。
上記耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂からなる耐熱滑性層に添加あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、リン酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及びリン酸エステル系化合物とすることが好ましい。またさらに充填剤を添加することがより好ましい。
耐熱滑性層は、基材上に、上述した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱滑性層形成用塗工液を調製し、これを、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗工し、乾燥して形成することができる。耐熱滑性層の塗工量は、固形分で、0.1g/m2〜3.0g/m2とされることが好ましい。
またさらに、本発明においては、上記基材と上記保護層との間に離型層が形成されていてもよい。これにより、保護層を熱転写する際に、容易に保護層と基材とが剥離するものとすることができるからである。上記離型層を形成する材料としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されるものではないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型、無溶剤型のいずれも使用することができる。
また、このような離型層の厚さは、特に制限はないが、通常0.01μm〜3μm程度、0.05μm程度〜1μm程度とすることができる。この厚みが0.01μm以下である場合には、基材の被覆が十分ではなく剥離不良が発生するからである。一方、厚みが3μmより厚い場合には、未反応物や低分子のシリコーンの絶対量が増え、低分子シリコーンの移行やブロッキングの原因となるからである。本発明においては、安定した離型性や加工性の点で、ポリジメチルシロキサンを主成分とする付加及び/または重縮合型の硬化型シリコーン樹脂が好ましい。
このような離型層は、離型層成分を分散および/または溶解した離型層形成用塗工液を、上記基材の片面に塗布し、加熱乾燥および/または硬化させて形成する。上記離型層形成用塗工液の塗布方法としては、公知で任意の塗布方法が使用でき、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ロッドコート、キスコート、ナイフコート、ダイコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート等である。また、離型層は必要に応じて、基材の全面、または一部に形成すればよい。
ここで、本発明の保護層転写シートによって画像が保護される受像シートとしては、特に限定されるものではなく、一般的な昇華型転写による印刷の際に用いられるものと同様とすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、例中の部又は%は特に断りのない限り重量基準である。
(製造例1)
温度計、撹拌機、滴下ロート及び冷却管を取り付けた4つ口フラスコにポリビニルブチラール(商品名 エスレックBM-1、積水化学工業社製)2.5g、メチルエチルケトン(以下、MEKともいう。)97g、及びジブチルチンジラウレート0.03gを仕込み、温度を50℃にして撹拌した。
これにメタクリロイルオキシイソシアネート(商品名 カレンズMOI、昭和電工社製)1.07gを滴下した。滴下後、50℃にて加熱反応を行い、アクリル変性ポリビニルブチラール−1を得た。反応は、反応液のイソシアネート量を逆滴定分析により測定し、仕込んだイソシアネートが90%以上反応していることを確認して終了とした。
(製造例2)
製造例1と同様に、反応器にポリビニルブチラール(商品名 エスレックBM-1 積水化学工業社製)2.5g、MEK97g、及びトリエチルアミン0.68gを仕込み、温度を60℃にして撹拌した。これにアクリル酸クロイド(東京化成製)1.06gを滴下し、滴下後60℃にて加熱反応を行い、反応終了後に析出した、トリエチルアミン塩酸塩を遠心分離器にて取り除き、アクリル変性ポリビニルブチラール−2を得た。
(製造例3)
製造例1と同様に、反応器にポリビニルブチラール(商品名 エスレックBM-1 積水化学工業社製)2.5g、及びMEK97gを仕込み、温度を50℃にして撹拌した。これにメタクリロイルイソシアネート(商品名 MAI、日本ペイント社製)2.93gを滴下し、滴下後50℃にて加熱反応を行い、アクリル変性ポリビニルブチラール―3を得た
(製造例4)
製造例1と同様に反応器にポリビニルブチラール(商品名 エスレックBL-SH 積水化学工業社製)2.5g、MEK97g、及びジブリルチンジラウレート0.03gを仕込み、温度を50℃にて撹拌した。これに上記カレンズMOIの0.65gを滴下し、滴下後50℃にて加熱反応を行い、アクリル変性ポリビニルブチラール−4を得た。
<実施例1>
(耐熱滑性層の形成)
PETフィルムの一方の面に、下記の組成を有する耐熱滑性層形成用塗工液をグラビアコーティング法により、乾燥塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥させて耐熱滑性層を形成した。
[耐熱滑性層形成用塗工液]
ポリビニルブチラール樹脂(商品名 エスレックBM-1 積水化学工業社製)13.6部
ポリイソシアネート硬化剤(商品名 タケネートD218 武田薬品工業社製)0.6部
リン酸エステル(商品名 プライサーフA208S 第一工業製薬社製) 0.8部
メチルエチルケトン 42.5部
トルエン 42.5部
(保護層の形成)
下記の組成を有する保護層形成用組成物を、メチルエチルケトン/トルエン(1/1)で希釈して固形分が10%となるように調整した。その後、希釈された保護層形成用組成物を背面に上記耐熱滑性層が形成されたPETフィルムの、上記耐熱滑性層が形成された側と反対側の面上にバーコーターにて塗工した。続いて、80℃のオーブンで5分間乾燥させた後、紫外線硬化(UV照射装置 フュージョンUVシステムズジャパン社製、光源;Hバルブ、500mJ/cm2)させて、保護層を形成した。
[保護層形成用組成物]
アクリル変成ポリビニルブチラール-1(固形分基準) 100部
光重合開始剤(商品名 Irg.184 チバスペシャリティケミカルズ社製) 6.5部
光硬化性モノマー(商品名 KAYARAD DCPA-120 日本化薬社製) 30部
(ヒートシール層の形成)
続いて、ポリビニルブチラール樹脂(商品名 エスレックBL−10 積水化学工業社製)を、上記保護層上にバーコーターにて塗工した。続いて、100℃のオーブンで1分間乾燥させて、ヒートシール層を形成し、本発明の保護層転写シートAを得た。ヒートシール層の塗工量は1.0±0.1g/m(乾燥時)とした。
<実施例2>
下記の組成を有する保護層形成用組成物を、メチルエチルケトン/トルエン(1/1)で希釈して固形分が10%となるように調整して用いた以外は、実施例1と同様に、保護層およびヒートシール層を形成し、本発明の保護層転写シートBを得た。
[保護層形成用組成物]
アクリル変成ポリビニルブチラール-2(固形分基準) 100部
光重合開始剤(商品名 Irg.184 チバスペシャリティケミカルズ社製) 5部
光硬化性モノマー(商品名 KAYARAD DCPA-60 日本化薬社製) 20部
<実施例3>
下記の組成を有する保護層形成用組成物を、メチルエチルケトン/トルエン(1/1)で希釈して固形分が10%となるように調整して用いた以外は、実施例1と同様に、保護層およびヒートシール層を形成し、本発明の保護層転写シートCを得た。
[保護層形成用組成物]
アクリル変成ポリビニルブチラール-3(固形分基準) 100部
ポリビニルアセタール樹脂(商品名 エスレックBX−L 積水化学工業社製)
10部
光重合開始剤(商品名 Irg.651 チバスペシャリティケミカルズ社製) 7部
光硬化性モノマー(商品名 KAYARAD HX-220 日本化薬社製) 40部
<実施例4>
下記の組成を有する保護層形成用組成物を、メチルエチルケトン/トルエン(1/1)で希釈して固形分が10%となるように調整して用いた以外は、実施例1と同様に、保護層およびヒートシール層を形成し、本発明の保護層転写シートDを得た。
[保護層形成用組成物]
アクリル変成ポリビニルブチラール-4(固形分基準) 100部
ポリビニルブチラール樹脂(商品名 エスレックBM−1 積水化学工業社製)
20部
光重合開始剤(商品名 Irg.184 チバスペシャリティケミカルズ社製) 6部
<比較例>
下記の組成を有する保護層形成用組成物を、メチルエチルケトン/トルエン(1/1)で希釈して固形分が10%となるように調整して用い、紫外線硬化させなかった以外は、実施例1と同様に、保護層およびヒートシール層を形成し、保護層転写シートEを得た。
[保護層形成用組成物]
ポリビニルブチラール樹脂(商品名 エスレックBM-1 積水化学工業社製)
100部
<受像シートの作製>
下記の組成を有する受容層形成用組成物をメチルエチルケトン/トルエン(1/1)で希釈して固形分が15%となるように調整した。その後、希釈された受容層形成用組成物をバーコーターにて、合成紙上に塗工した。続いて、120℃のオーブンで5分間乾燥させて、受容層を有する受像シートを作製した。上記受容層の塗工量は4g/m(乾燥時)とした。
[受容層形成用組成物]
ポリビニルブチラール樹脂(商品名 エスレックBM-1 積水化学工業社製)
100部
離形剤 シリコーン(商品名 FS−730 日本油脂社製) 5部
<昇華型熱転写シートの作製>
下記の組成を有する染料転写層形成用組成物をメチルエチルケトン/トルエン(1/1)で希釈して固形分が15%となるように調整した。その後、一方の面に、上述した耐熱滑性層が形成されたPETフィルム(膜厚5μm)の前記耐熱滑性層が形成された側と反対側の面上に、上記染料転写層形成用組成物を40℃にて加温し、バーコーターにて塗工した。その後、80℃のオーブンで5分間乾燥させて、染料転写層を有する昇華型熱転写シートを得た。塗工量は0.6g/m2(乾燥時)とした。
[染料転写層形成用組成物]
ポリエステル樹脂(バイロン290 東洋紡績社製) 100部
離形剤(商品名 KF615 信越化学工業社製) 5部
C.I.Disperse Yellow 201 140部
<評価>
上記昇華型熱転写シートの染料転写層と、上記受像シートの受容層とを重ね、上記昇華型熱転写シートの裏面から、下記の条件で印画を行い、画像を形成した。その後、上記実施例1〜4、および比較例における保護層転写シートの保護層を、上記画像シートの受容層上に転写し、印画物を得た。この際の評価を表1に示す。また、各試験については、下記の方法により行った。
Figure 2007098633
(印画評価)
条件
印画電圧 32V
印字速度 1msec/Line
発熱体平均抵抗値 5285Ω
主走査方向印字密度 300dpi
副走査方向印字密度 300dpi
(転写性試験)
上記保護層転写シートから保護層を転写した際に、保護層がおびきしているか、上記受容層上に転写された保護層上がメンディングテープにより剥離するか、および保護層転写の際に、基材と保護層との融着があるかを、目視にて評価した。
○:おびき、メンディングテープによる剥がれ、および基材との融着のいずれもがない
△:おびき、メンディングテープによる剥がれ、もしくは基材との融着のいずれかがある
×:おびきがあり、メンディングテープにて剥がれがあり、さらに基材との融着がある
(耐可塑剤性試験)
上記保護層を転写した印画物と、可塑剤入り軟質塩ビシート(三菱化学社製アルトロン♯480、厚み400μm)とを重ね合わせ、荷重を70.2g/cmとなるようにかけ、50℃環境下に32時間保存した。その後、可塑剤による印画物のダメージを下記の評価基準により、目視にて評価した。
○:ダメージなし
△:軟質塩ビシートに染料移行が少ない
×:軟質塩ビシートに染料移行が多い
(リボンブロッキング試験)
上記昇華型熱転写シートの転写面と背面とを重ね合わせ、50℃、湿度80%RHの環境下で、20kg/cmの荷重をかけ、96時間保存した際に、背面側と転写面との貼りつきがあるか否かを下記の評価基準で目視にて判断した。
○:背面側に貼りつきがない。
△:一部転写面と背面との貼りつきがある。
×:転写面と背面とが貼りついている。
(耐光性試験)
上記の印画条件で得られた印画物について、下記条件のキセノンフェードメーターにより耐光性の評価を行った。
耐光性評価の条件
・照射試験器:アトラス社製Ci35
・光源:キセノンランプ
・フィルター:内側=IRフィルター
外側=ソーダライムガラス
・ブラックパネル温度:45(℃)
・照射強度:1.2(W/m2)―420(nm)での測定値
・照射エネルギー:400(kJ/m2)−420(nm)での積算値
次に、上記の耐光性条件の照射前後の光学反射濃度の変化を光学濃度計(グレタグマクベス社製 spectrolino)により測定し、照射前の光学反射濃度が1.0近傍のステップについて、下記式により残存率を算出し、この残存率を基に下記評価基準で耐光性を評価した。
残存率(%)=(照射後の光学反射濃度/照射前の光学反射濃度)×100
評価基準
◎:残存率が90%以上で、耐光性が良好である。
○:残存率が80%以上で耐光性が良好である。
△:残存率が60%〜70%であり、耐光性がやや劣る。
本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の保護層転写シートを説明する説明図である。
符号の説明
1 …基材
2 …保護層
3 …ヒートシール層

Claims (3)

  1. 基材と、前記基材上に形成され、放射線硬化性樹脂を含有する保護層と、前記保護層上に形成されたヒートシール層とを有することを特徴とする保護層転写用シート。
  2. 前記放射線硬化性樹脂が、(メタ)アクリロイル基を有するアクリル変性ポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の昇華型熱転写シート。
  3. 前記(メタ)アクリロイル基を有するアクリル変性ポリビニルブチラール樹脂が、下記の化学式で表される樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の昇華型熱転写シート。
    Figure 2007098633
    (式中におけるRは、水素原子又はアセチル基を表し、Rは、(メタ)アクリロイル基を有する基であり、式中のl、m、およびnの合計を100とした場合に、lは40〜85、mは0〜10、nは15〜50の整数である。)
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