JP2007098244A - オゾン含有排水の再利用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】精密電子部品の洗浄排水であるオゾン含有排水を紫外線照射装置に通してオゾンを除去した後に超純水製造工程に循環するオゾン含有超純水の再利用方法であって、超純水製造工程におけるイオン交換樹脂や逆浸透膜の劣化を防止した工業的に有利なオゾン含有超純水の再利用方法を提供する。
【解決手段】超純水製造工程で得られた超純水にオゾンを溶解し、精密電子部品の洗浄水として使用した後、オゾン含有排水を超純水製造工程に循環するに際し、オゾン含有排水に空気を吹き込んでオゾンの一次除去を行った後に紫外線照射処理してオゾンの二次除去を行い、次いで、活性炭または還元剤で処理して紫外線照射で副生する酸化物を除去した後に超純水製造工程に循環する。
【選択図】 なし
【解決手段】超純水製造工程で得られた超純水にオゾンを溶解し、精密電子部品の洗浄水として使用した後、オゾン含有排水を超純水製造工程に循環するに際し、オゾン含有排水に空気を吹き込んでオゾンの一次除去を行った後に紫外線照射処理してオゾンの二次除去を行い、次いで、活性炭または還元剤で処理して紫外線照射で副生する酸化物を除去した後に超純水製造工程に循環する。
【選択図】 なし
Description
本発明はオゾン含有排水の再利用方法に関する。
従来より、超純水製造工程で得られた超純水にオゾンを溶解し精密電子部品の洗浄水として使用することが行われている。ところで、上記の様な精密電子部品の洗浄工程から排出されるオゾン含有排水の処理方法(オゾンの除去方法)としては、空気を吹き込む方法、紫外線を照射する方法、活性炭で処理する方法などが知られている。
そして、上記の幾つかの方法を組合せた改良方法として、オゾンを含む排水を外気の流入が少なくとも制限された容器の水面下に設けられた水入口から前記容器に導入し、該容器で所定時間滞留させた後、該容器の水出口から排出し、紫外線照射装置に通して前記排水に紫外線を照射することを特徴とする残留オゾンを含む排水の処理方法が知られている(例えば特許文献1)。
特開2000−15255号公報
しかしながら、上記の様に、最終的に紫外線照射装置で処理した排水を有効利用せんとして超純水製造工程に循環した場合、超純水製造工程におけるイオン交換樹脂や逆浸透膜が劣化するとの問題が見出された。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、精密電子部品の洗浄排水であるオゾン含有排水を紫外線照射装置に通してオゾンを除去した後に超純水製造工程に循環するオゾン含有排水の再利用方法であって、超純水製造工程におけるイオン交換樹脂や逆浸透膜の劣化を防止した工業的に有利なオゾン含有排水の再利用方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は、超純水製造工程で得られた超純水にオゾンを溶解し、精密電子部品の洗浄水として使用した後、オゾン含有排水を超純水製造工程に循環するに際し、オゾン含有排水に空気を吹き込んでオゾンの一次除去を行った後に紫外線照射処理してオゾンの二次除去を行い、次いで、活性炭または還元剤で処理して紫外線照射で副生する酸化物を除去した後に超純水製造工程に循環することを特徴とするオゾン含有排水の再利用方法に存する。
本発明によれば、超純水製造工程におけるイオン交換樹脂や逆浸透膜の劣化を防止することが出来ると共に、洗浄水の水質を長期間一定に維持することが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、精密電子部品の洗浄水の製造方法について述べる。精密電子部品の洗浄水は、原水を前処理工程で処理した後に、超純水製造工程で処理して超純水を製造し、当該超純水にオゾンを注入することによりオゾンを溶解させて製造される。なお、前処理工程としては、公知の方法が適用され、凝集沈殿法、砂ろ過法、pH調整などのいくつかを組み合わせて成る方法が挙げられる。
超純水製造工程としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が適用され、一次純水製造工程と二次純水製造工程とで構成される方法が挙げられる。そして、前記一次純水製造工程は、溶存している不純物を除去することを目的として逆浸透膜装置、イオン交換装置、電気式脱イオン水製造装置および脱気装置などのいくつかを組み合わせて成る工程であり、且つ、前記二次純水製造工程は、低圧紫外線酸化装置、非再生型混床式イオン交換装置および限外濾過(UF)膜装置あるいは精密濾過(MF)膜装置などのいくつかを組み合わせて成る工程である。
オゾン注入工程では、上記の超純水製造工程によって製造された超純水にオゾンガスを注入して、超純水にオゾンを溶解させる。そして、オゾンが溶解した超純水は、ユースポイントの超純水消費個所に供給されて、精密電子部品の洗浄水として使用される。
次に、精密電子部品の洗浄水として使用した後のオゾン含有排水の処理について述べる。オゾン含有排水は、空気が吹き込こまれてオゾンの一次除去処理が行われ、紫外線が照射処理されてオゾンの二次除去処理が行われ、次いで、活性炭または還元剤で処理されて紫外線照射で副生した酸化物の除去処理が行われ、そして、超純水製造工程に循環される。なお、洗浄水として使用した後のオゾン含有排水中のオゾン濃度は、通常5〜50ppm、好ましくは5〜30ppmである。
オゾンの一次除去処理の空気を吹き込む方法としては、特に限定されず、公知の脱気装置を使用する方法が挙げられる。なお、前記一次除去処理後の処理水中のオゾン濃度は、通常2ppm以下、好ましくは1ppm以下である。
次いで、一次除去処理された処理水は、紫外線が照射されてオゾンの更なる除去(二次除去)が行われる。紫外線を照射する方法は、特に限定されず、公知の紫外線照射装置を使用する方法が挙げられる。例えば、上述の一次除去処理された処理水を低圧紫外線装置に導入して紫外線を照射する。低圧紫外線装置としては、通常の殺菌線の波長254nmの紫外線を発する装置が好適である。紫外線の照射により、一次除去処理された液に残存するオゾンはほぼ完全に分解される。
ところで、二次除去された処理水には紫外線照射により酸化物が副生する。循環する超純水製造工程においてイオン交換樹脂や逆浸透膜を劣化させる酸化物は、二次除去された処理水を活性炭または還元剤で処理することにより除去される。活性炭または還元剤による処理方法としては、特に限定されるものではなく、活性炭層に通水させる方法または還元剤を添加する方法が挙げられる。
活性炭層に使用される活性炭としては、例えば、やし殻活性炭、石炭系活性炭などが使用できる。
還元剤としては、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
活性炭または還元剤で処理された処理水は、酸化物が実質的に存在せず、更に、オゾン濃度もほぼ零であるので、超純水製造工程に循環することが出来る。なお、活性炭または還元剤による処理が良好に行われているかは、過マンガン酸カリウム滴定法による判定で簡単に確認することが出来る。
本発明の再利用方法によれば、処理水を超純水製造工程に循環しても、超純水製造工程におけるイオン交換樹脂や逆浸透膜の劣化が防止されると共に、洗浄水の水質を長期間一定に維持することが出来、工業的な価値は顕著である。
以下、本発明を、実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:
前処理された水を再生型混床式イオン交換装置および逆浸透膜装置から成る一次純水製造工程で処理し、次いで、非再生型混床式イオン交換装置および限外濾過(UF)膜装置から成る二次純水製造工程で処理して超純水を製造した。次に、超純水にオゾンを注入してオゾンを溶解し、精密電子部品の洗浄水を得た。
前処理された水を再生型混床式イオン交換装置および逆浸透膜装置から成る一次純水製造工程で処理し、次いで、非再生型混床式イオン交換装置および限外濾過(UF)膜装置から成る二次純水製造工程で処理して超純水を製造した。次に、超純水にオゾンを注入してオゾンを溶解し、精密電子部品の洗浄水を得た。
精密電子部品を洗浄した後、オゾン濃度が30ppmのオゾン含有排水を脱気装置のタンク(565mmφ×900mmH)に360L/時で装入して液深さを745mm維持しながら、タンクの底部から22Nm3/時で空気を吹込みオゾンの一次除去処理を行った。一次除去処理後の処理水のオゾン濃度は0.8ppmであった。尚、オゾン濃度の測定は、「検たろう CX−100II」(荏原実業社製、商品名)を使用して行った。
得られた処理水を低圧紫外線装置(日本フォトサイエンス社製)に360L/時の流量で通水し、65Wの主波長254nmの紫外線を照射してオゾンの二次除去処理を行った。二次除去処理後の処理水中のオゾン濃度は、検出限界以下、すなわち、0.02ppm以下であった。また、以下の方法により、処理水中の酸化物の存在を判定したところ、酸化物の存在が確認された。
酸化物の存在の判定は、過マンガン酸カリウムによる酸化還元滴定により行った。100mlのサンプル水に5mlの12N硫酸水溶液を添加し、次いで、ビュレットを使用して1/40N過マンガン酸カリウム水溶液の1滴を添加した。得られたサンプル水は、無色透明であった。この事から、サンプル水中で過マンガン酸カリウムは還元されており、その結果、オゾン二次除去処理後の処理水中に酸化物が存在していることが確認された。
次いで、オゾン二次除去処理後の処理水を活性炭塔(200mmφ×1500mmHのカラムに活性炭(三菱化学社製「ダイアホープ 006N」(商品名))を充填)にSV10(360L/時)で通水した。通水後の処理水のオゾン濃度は、検出限界以下、すなわち、0.02ppm以下であった。また、上記の酸化物の判定方法により、通水後の処理水中の酸化物の存在を判定したところ、過マンガン酸カリウム水溶液の滴定後のサンプル水は、過マンガン酸カリウムの紫色を呈し、酸化物が存在していないことが確認された。
得られた処理水を超純水製造工程に循環した。上記の循環システムを60日間連続運転したが超純水製造工程のイオン交換膜および逆浸透膜のダメージなく、洗浄水の水質を一定に維持することが出来た。
Claims (1)
- 超純水製造工程で得られた超純水にオゾンを溶解し、精密電子部品の洗浄水として使用した後、オゾン含有排水を超純水製造工程に循環するに際し、オゾン含有排水に空気を吹き込んでオゾンの一次除去を行った後に紫外線照射処理してオゾンの二次除去を行い、次いで、活性炭または還元剤で処理して紫外線照射で副生する酸化物を除去した後に超純水製造工程に循環することを特徴とするオゾン含有排水の再利用方法。
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- 2005-10-03 JP JP2005289862A patent/JP2007098244A/ja active Pending
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