JP2007096526A - 表面実装型弾性表面波デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 封止樹脂の帯電防止効果を損なうことなく、静電気による焦電破壊を防止することができる表面実装型SAWデバイスを提供する。
【解決手段】 実装基板2と、圧電基板18、該圧電基板の一面に形成したIDT電極17、及び配線パターン5と導体バンプ10を介して接続される接続パッド16、を備えたSAWチップ15と、SAWチップを実装基板上にフリップチップ実装した状態でSAWチップ外面から実装基板上面にかけて被覆形成されることによりIDT電極と実装基板との間に気密空間Sを形成する封止樹脂21と、を備え、圧電基板の結晶構造がシェーンフリース記号でC1、C2、CS、C2V、C4、C4V、C3、C3V、C6、C6Vの何れかの点群に属している表面実装型SAWデバイスにおいて、封止樹脂21の比誘電率が3.2以下、SAWチップ15上面の封止樹脂の厚みが0.02mm以上、圧電基板18がタンタル酸リチウム、及び圧電基板18の体積抵抗率が1.00×109〜1.43×1011Ω・cmとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弾性表面波チップを実装基板上にバンプを用いてフェイスダウン搭載してから弾性表面波チップを樹脂封止した構造の表面実装型弾性表面波デバイスに関わり、特に圧電基板として焦電性を有する材料を用いる場合に好適なものである。
弾性表面波デバイス(SAWデバイス)は、水晶、タンタル酸リチウム等の圧電基板上に櫛歯状の電極指(IDT電極)、反射器、接続パッド等のパターンを配置した構成を備え、例えばIDT電極に高周波電界を印加することによって弾性表面波(SAW)を励起し、このSAWを圧電作用によって高周波電界に変換することによってフィルタ特性を得るものである。
ところで、半導体部品においてCSP(Chip Size Package)と呼ばれる小型パッケージング技術が一般化するのに伴って、SAWデバイスにおいても、デバイスの小型化の容易化と、バッチ式の製造方法による生産性の向上という観点から、CSP技術を用いた生産方法が導入されるようになっている。
SAWデバイスについてのCSP関連技術は、例えば特許文献1に開示されている。
図3は特許文献1に開示されたSAWデバイスの構造を示す断面図であり、このSAWデバイスAは、絶縁基板101、絶縁基板101の底部に配置した表面実装用の外部電極102、及び絶縁基板101の上部に配置され且つ外部電極102と導通した配線パターン103、を備えた実装基板100と、圧電基板111、圧電基板111の一面に形成したIDT電極112、及び配線パターン103と導体バンプ115を介して接続される接続パッド113、を備えたSAWチップ110と、SAWチップ110を実装基板100上にフリップチップ実装した状態でSAWチップ110外面から実装基板100上面にかけて被覆形成されることによりIDT電極112と実装基板100との間に気密空間Sを形成する封止樹脂120と、を備える。
ところで、結晶構造がシェーンフリース記号で、C1、C2、CS、C2V、C4、C4V、C3、C3V、C6、C6Vの何れかの点群に属する圧電材料から成る圧電基板111は、焦電性を有することが知られている(例えば、非特許文献1)。具体的には、例えば点群C3Vに属するタンタル酸リチウム(LiTaO3)やニオブ酸リチウム(LiNbO3)、及び点群C4Vに属する四ホウ酸リチウム(Li247)は、焦電性を有するが、点群D3に属する水晶は焦電性を有しない。
図3に示したSAWデバイスにおいて、焦電性を有した材料から成る圧電基板111を使用すると、SAWデバイスに温度勾配がかかった際に、焦電効果によって電荷が圧電基板の表面に出現し、その電荷によって封止樹脂120の表面が帯電する。
CSP型SAWデバイスが、機器の回路基板上に搭載された状態で帯電すると、当該SAWデバイスの周辺に搭載されている他の電子部品に悪影響を及ぼす不具合が発生する。
また、SAWデバイスを出荷する際の梱包形態は、図4に示すように、連続した長尺物であるエンボスキャリアテープ本体131(ポリスチレン製)の各ポケット131a内にSAWデバイスAを収納した後で各ポケットの開口部をPET(ポリエチレンテレフタレート)から成るカバーテープ132により封止することによりエンボスキャリアテープ130を完成し、このキャリアテープ130をリールに巻き付ける、所謂テープ&リール梱包が一般的である。しかし、焦電性を有する圧電基板を用いて製作した図3のCSP型SAWデバイスAをエンボスキャリアテープ130によって梱包した状態で温度勾配を加えると、封止樹脂120の帯電によって、カバーテープ132を剥がす際に、SAWデバイスAがカバーテープ側に貼り付きを起こし、自動マウント装置により回路基板上に実装する際に移載不能、位置ずれ、脱落等の支障が生じている。
更に具体例を示すと次の通りである。
焦電性を有した圧電基板111としてタンタル酸リチウム(LiTaO3)、封止樹脂120としてエポキシを主材とした樹脂材料を用い、2.0×1.6mmサイズのCSP型SAWデバイスを製作して封止樹脂の帯電によるカバーテープ132への貼り付き発生の有無を実験的に確認した。封止樹脂としては、比誘電率3.2、体積抵抗率1×1016Ω・cmのものを用いた。SAWチップ上面の封止樹脂の厚みHは、0.12mmとした。
まず、CSP型SAWデバイスを85℃で5分間加熱し、その直後に25℃の雰囲気中に2分間放置した。このSAWデバイスをカバーテープ132に接触させた所、封止樹脂の帯電によるカバーテープへの貼り付きが確認された。
また、同様に、CSP型SAWデバイスを85℃で100時間加熱し、その直後に25℃の雰囲気中に2時間放置した場合も、封止樹脂の帯電によるカバーテープへの貼り付きが確認された。
更に、封止樹脂の体積抵抗率と比誘電率を下げることにより、カバーテープへの貼り付きを防止できる可能性を探るために、体積抵抗率5×1013Ω・cm、比誘電率3.0の封止樹脂を用いて同じ実験を行ったが、封止樹脂帯電によるカバーテープへの貼り付きを防止できなかった。
特開2002−100945公報 応用物理ハンドブック 第2版 458頁 表7.9(丸善株式会社)
そこで、本願発明者は特願2004−29848において圧電基板として焦電性を有する材料を使用した場合であっても、圧電基板の上面側に被覆された封止樹脂が帯電するのを防止することができる表面実装型SAWデバイスを提案した。
しかしながら、上記特願2004−29848において提案した表面実装型SAWデバイスにおいては、LiTaO3等の焦電性を有する材料の焦電効果に起因するIDTの破壊(以下、焦電破壊と称す)を十分に抑制することができない虞があった。
そこで、本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、封止樹脂の帯電防止効果を損なうことなく、焦電破壊を防止することができる表面実装型SAWデバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、絶縁基板、該絶縁基板の底部に配置した表面実装用の外部電極、前記絶縁基板の上部に配置され且つ前記外部電極と導通した配線パターンを備えた実装基板と、圧電基板、該圧電基板の一面に形成したIDT電極、及び前記配線パターンと導体バンプを介して接続される接続パッドを備えた弾性表面波チップと、前記弾性表面波チップを実装基板上にフリップチップ実装した状態で弾性表面波チップ外面から実装基板上面にかけて被覆形成されることにより前記IDT電極と前記実装基板との間に気密空間を形成する封止樹脂と、を備え、前記圧電基板の結晶構造がシェーンフリース記号でC1、C2、CS、C2V、C4、C4V、C3、C3V、C6、C6Vの何れかの点群に属している表面実装型弾性表面波デバイスにおいて、前記封止樹脂の比誘電率が3.2以下、前記弾性表面波チップ上面の封止樹脂の厚みが0.02mm以上、前記圧電基板がタンタル酸リチウム、及び前記圧電基板の体積抵抗率が1.00×109〜1.43×1011Ω・cmである表面実装型弾性表面波デバイスを特徴とする。
本発明の表面実装型SAWデバイスによれば、圧電基板をタンタル酸リチウムとし、その圧電基板の体積抵抗率が1.00×109〜1.43×1011Ω・cmとしたことで、封止樹脂の帯電防止効果を損なうことなく焦電破壊を防止することができる。
以下、本発明の表面実装型SAWデバイスの実施形態を説明する前に、本願出願人が特願2004−29848において提案した表面実装型SAWデバイスを説明する。
図1は特願2004−29845において提案した表面実装型SAWデバイスの縦断面図である。
この図1に示すSAWデバイス1は、ガラス、樹脂、セラミック、ガラスエポキシ、アルミナ等から成る絶縁基板3、絶縁基板3の底部に設けた表面実装用の外部電極4、及び、絶縁基板3の上面に設けられ且つ内部導体6を介して外部電極4と導通した配線パターン5、から成る実装基板2と、配線パターン5と導体バンプ10を介して電気的機械的に接続される接続パッド16、及び接続パッド16と導通したIDT電極17を夫々圧電基板18の下面に備えたSAWチップ15と、SAWチップ15の下面を除いた外面(上面、及び側面)を被覆することによりIDT電極17と実装基板上面との間に気密空間Sを形成する封止樹脂21と、を備えている。圧電基板18は、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO3)等の焦電性を有した圧電材料から構成する。導体バンプ10は、この例ではAuを用いるが、導電性接着剤、半田等から構成してもよい。
SAWチップ15を構成するIDT電極17は、給電側のリード端子から高周波電界を印加されることによって弾性表面波を励起し、弾性表面波を圧電作用によって高周波電界に変換することによってフィルタ特性を得ることができる。
封止樹脂21は、例えば樹脂シートを一旦軟化温度まで加熱昇温させてから加圧変形させてSAWチップ15外面と実装基板上面に密着させた後で、硬化温度まで加熱昇温させて形状を固定することにより形成され、SAWチップの気密性、及び実装基板に対するSAWチップの固定力を補強する。更に、封止樹脂21は、SAW伝搬を確保するためにIDT電極17と絶縁基板3の上面との間の空間を気密化された内部空間(気密空間S)とするための封止手段としても機能する。
そして、このようなSAWデバイス1では、封止樹脂の比誘電率、体積抵抗率、更には封止樹脂の厚みHとの関係においても、封止樹脂が帯電しにくくなる構成を案出した。即ち、まず、導電性を高めるための処理を受けた圧電基板18の結晶構造が、シェーンフリース記号でC1、C2、CS、C2V、C4、C4V、C3、C3V、C6、C6Vの何れかの点群に属しているために焦電性を有している場合に、封止樹脂21が比誘電率3.2以下、且つ体積抵抗率1×1016Ω・cm以下とすることにより、温度勾配の影響による封止樹脂の上面の帯電を有効に防止できることが判明した。
更に、SAWチップ上面の封止樹脂の厚みHを0.02mm以上とすることにより、封止樹脂の帯電を防止することができることが判明した。また、封止樹脂の厚みHが厚いことによって、製造ロット番号等をレーザマーカによってマーキングする場合にレーザが封止樹脂を貫通する不具合も防止することができる。
以下に、具体的実施例を示しながら、本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
圧電基板18の材料として導電性を高めたタンタル酸リチウム(LiTaO3)を用いると共に、体積抵抗率5×1013Ω・cm、比誘電率3.0の封止樹脂21を用いて、85℃で5分間加熱した後で25℃の雰囲気中に2分間放置してから、エンボスキャリアテープ(図4を参照)を構成するカバーテープ(PET)への貼り付き状態を確認する実験、或いは85℃で100時間加熱した後で25℃の雰囲気中に2時間放置してから、上記カバーテープへの貼り付き状態を確認する実験を夫々行った。これらの実験の結果、カバーテープへの貼り付きは全く発生せず、封止樹脂の帯電を防止する改善効果を確認することができた。
[実施例2]
上記の改善効果の有効性を更に確認するために、導電性を高めた圧電基板と、極力帯電し易い封止樹脂を使用したSAWデバイスのサンプルを製作して同様の実験を実施した。その結果、封止樹脂の比誘電率が高い程、また体積抵抗率が高い程、帯電が発生し易く、更にSAWチップ上面側の封止樹脂部分の厚みHが薄い程帯電し易いことが判明した。これらの判明事項を踏まえて、封止樹脂21として比誘電率3.2、体積抵抗率1×1016Ω・cmのものを用い、SAWチップ上面の封止樹脂厚みHを0.02mmとしてSAWデバイスを製作した。
このSAWデバイスを85℃で5分間加熱し、その直後に25℃の雰囲気中に2分間放置した後で、PET製のカバーテープにSAWデバイスの上面樹脂部分を接触させることにより静電吸着性を確認したところ、封止樹脂の帯電による貼り付きは確認されなかった。
しかし、封止樹脂21として、比誘電率が3.2を越え、且つ体積抵抗率が1×1016Ω・cmを越えるものを用いた場合、或いは、SAWチップ上面の封止樹脂厚みHが0.02mmを下回る場合には、夫々封止樹脂の帯電による貼り付きが発生した。
このことから、封止樹脂が比誘電率3.2以下、且つ体積抵抗率1×1016Ω・cm以下であり、前記SAWチップ上面の封止樹脂の厚みHが0.02mm以上であることが封止樹脂の帯電を防止する上で有効であることが判明した。
[実施例3]
次に、圧電基板として導電性を高めたタンタル酸リチウム(LiTaO3)を用いたSAWデバイスを85℃で100時間加熱し、その直後に25℃の雰囲気中に2時間放置した場合に、封止樹脂の帯電によるカバーテープへの貼り付きを確認することはできなかった。
更に、圧電基板として導電性を高めたタンタル酸リチウムを用いたSAWデバイスを260℃で1分間加熱し、その直後に25℃の雰囲気中に2分間放置した場合にも、封止樹脂の帯電によるカバーテープへの貼り付きを確認することはできなかった。
[実施例4]
次に、封止樹脂の厚みHを種々調整する実験を行った。即ち、SAWデバイス1の封止樹脂21の上面にレーザマーカによって製造ロット番号をマーキングする場合、SAWチップ15上の封止樹脂の厚みHが薄すぎると、レーザが封止樹脂を貫通してSAWチップ上面を直接照射してSAWチップを破損させることがある。この不具合を解消するための実験において、体積抵抗率が1×1016Ω・cmで、比誘電率が3.2である封止樹脂を用いて2.0×1.6mmサイズのSAWデバイスを製作する際に、SAWチップ上の封止樹脂の厚みHを0.12mmにし、圧電基板18として導電性を高めたタンタル酸リチウムを用いた。このSAWデバイスの封止樹脂上面にレーザ彫刻を施したところ、封止樹脂上面から0.08mmの深さでマーキングが行われ、レーザが封止樹脂を貫通することはなかった。また、SAWチップ上の封止樹脂の厚みHを0.02mm以上にしたため、封止樹脂の帯電も防止できた。
実際に上記各実施例と同様の帯電確認実験を行ったところ、封止樹脂の帯電によるカバーテープへの貼り付きは全く発生しなかった。
なお、SAWチップ上の封止樹脂の厚みHは、厚い程、帯電防止効果は高まるが、必要以上に厚くし過ぎると、SAWデバイスに対する小型化・軽量化のニーズに逆行することになるので、適宜選定する必要がある。
なお、焦電性を有した圧電基板の導電性を高めることにより封止樹脂の帯電を防止できるため、SAWデバイスが回路基板上に搭載された状態での帯電も防止できることが確認された。このため、従来技術における欠点であった回路基板上の周辺電子部品への悪影響を防止できる。
ところで、上記したような特願2004−29848において提案されている表面実装型SAWデバイスでは、LiTaO3の焦電効果に起因する焦電破壊を十分抑制できない虞があることがわかった。
そこで、本願発明者は、これまで説明した封止樹脂の帯電防止という効果を損なうことなく、静電気による焦電破壊を十分抑制できる表面実装型SAWデバイスについての更なる検討を行った。
そして、種々の実験を行った結果、LiTaO3の焦電効果に起因する焦電破壊の発生し易さは、パッケージ構造に大きく関係することを確認した。
具体的には焦電破壊が最も発生し難いのはキャビティ型セラミックPKG/ワイヤボンディング品(図示しない)であり、次いでキャビティ型セラミックPKG/フリップチップボンディング品(図示しない)であった。樹脂封止CSP品は最も焦電破壊が発生し易い事が分かった。
さらに焦電破壊の発生し易さは、IDTの線幅、スペース幅、膜厚にも大きく影響を受ける。IDTの線幅が細いほど、IDTのスペース幅が狭いほど、またIDTの膜厚が薄いほど焦電破壊が発生し易い事が分かった。
そこで、以上の点を踏まえて本願発明者は、図1に示すような表面実装型SAWデバイスにおいて、封止樹脂21の帯電防止効果を損なうことなく、圧電基板18にLiTaO3を用いた場合でも焦電破壊が発生しない条件を模索すべく、種々の樹脂封止CSP型SAWフィルタのサンプルをいくつか製作して、封止樹脂の帯電に関する試験と、焦電破壊に関する試験を行った。
製作したサンプルは以下の通りである。
評価サンプルの一つは、38.7度YカットX伝搬LiTaO3上に厚み0.13μmのAl−1%wtCu合金膜を成膜して、ライン幅0.41μm、スペース幅0.45μmのIDTを形成したSAWチップを用い、上記図1に示すように構成した2140MHzの樹脂封止CSP型SAWフィルタである(以下、サンプルAと称す)。
また比較用サンプルとして、上記サンプルAよりもIDTのライン幅及びスペース幅が大きく、かつIDT膜厚の厚い樹脂封止CSP型SAWフィルタを用意した。具体的には、38.7度YカットX伝搬LiTaO3上に厚み0.36μmのAl−1%wtCu合金膜を成膜して、ライン幅1.36μm、スペース幅0.64μmのIDTを形成したSAWチップを用い、上記同様、図1に示すように構成した881.5MHzの樹脂封止CSP型SAWフィルタである(以下、サンプルBと称す)。
また、上記サンプルAとサンプルBの各々について、圧電基板18の体積抵抗率が異なる5種類(計10種類)のサンプルを製作した。圧電基板の体積抵抗率は、4.00×1014Ω・cm、1.20×1012Ω・cm、3.25×1011Ω・cm、1.43×1011Ω・cm、3.91×1010Ω・cmの5種類である。なお、体積抵抗率4.00×1014Ω・cmの圧電基板18を除き、全て酸素還元によって導電性を高めている。
その他のサンプル製造条件は、前述した実施例2のサンプルに準拠とした。
ここで、上記体積抵抗率4.00×1014Ω・cmのものを除き、導電性を高めた圧電基板のものが先に述べた特願2004−29848の表面実装型SAWフィルタに該当している。
以上のサンプルについて、封止樹脂21の帯電に関する試験と焦電破壊に関する試験を行った。
封止樹脂21の帯電に関する試験は、各樹脂封止CSP型SAWフィルタのサンプルを85℃で100時間加熱した後で25℃の雰囲気中に2分間放置してから、エンボスキャリアテープ(図4を参照)を構成するカバーテープ(PET)への貼り付き状態を確認する方法にて行った。
焦電破壊に関する試験は気相式温度サイクル試験にて行い、サンプルを図2に示すような温度プロファイルの雰囲気中に1000サイクル晒す試験条件とした。サンプルの電気的特性の測定は1000サイクルに至る途中においても行っており、20サイクル後、50サイクル後、122サイクル後、200サイクル後、500サイクル後、1000サイクル後の各々でフィルタ伝送特性を測定した。
規格は試験前後の周波数変動量±1000ppm以内かつ挿入損失変動量±0.2dB以内とし、この規格を満たさないものが何サイクルで発生し始めたかについて調べた。
試験結果を表1に示す。
Figure 2007096526
この試験結果より、特に焦電破壊の発生しやすい2GHz帯のSAWフィルタ(サンプルA)に対して帯電防止効果を損なわずに焦電破壊を防止するためには、LiTaO3基板の体積抵抗率を1.43×1011Ω・cm以下にする必要があることが判明した。
さらに望ましくは、LiTaO3基板を用いた樹脂封止CSP型SAWデバイスにおいて、LiTaO3基板の体積抵抗率を8.81×1010Ω・cm以下とすれば、前記2140MHzのサンプルAよりもIDT17のライン幅及びスペース幅を小さく、かつIDT膜厚を薄くできることがわかった。即ち、具体的には38.7度YカットX伝搬LiTaO3上に厚み0.09μmのAl膜またはAlを主成分とした合金膜を成膜して、ライン幅0.35μm、スペース幅0.35μmのIDTを形成した樹脂封止CSP型SAWデバイスであっても、封止樹脂の帯電防止効果を損なうことなく、焦電破壊を防ぐことができることが分かった。従って、これを適用すれば、封止樹脂21の帯電や焦電破壊を生じることなく、最高2.5GHz帯までのSAWデバイスを実現できる。
なお、回転YカットX伝搬LiTaO3の焦電効果は、カットアングルがZ軸に近付くほど(回転Yカットにおけるカットアングルが90度に近付くほど)除々に大きくなっていく傾向があるが、LiTaO3基板の体積抵抗率を8.81×1010Ω・cm以下とし、AlまたはAlを主成分とした合金膜からなるIDTのライン幅とスペース幅を共に0.35μm以上、かつIDTの膜厚を0.09μm以上として構成すれば、LiTaO3のカットアングルによらず封止樹脂の帯電と焦電破壊の両方を防ぐことができる。
次に、本実施形態におけるLiTaO3の体積抵抗率下限値について説明する。
体積抵抗率が1.00×109Ω・cm未満のLiTaO3を用いたSAWフィルタを製作すると、フィルタの挿入損失が大きくなり、フィルタの帯域幅が狭くなるという問題が生じる。さらに体積抵抗率が1.00×109Ω・cmよりも小さくなるにつれ、フィルタ特性の劣化が著しいものとなっていく。
本願発明者による実験によれば、LiTaO3の体積抵抗率が1.00×109〜1.00×1015Ω・cmの範囲内であれば、フィルタ特性の劣化は生じないことがわかった。
一方、LiTaO3の体積抵抗率が1.00×109Ω・cm未満のときには、LiTaO3ウェハの抗折強度が劣化したり、或いはLiTaO3ウェハが脆くなってしまい、これにより製造工程中で破損が生じたり、樹脂封止後の機械的強度に問題が生じてしまうことが判明している。特に、製造工程中での破損が最も多く発生する工程は、LiTaO3ウェハのダイシング工程である。
ここで、体積抵抗率1.00×109Ω・cm未満のLiTaO3ウェハをダイシングすると、ダイシング後のSAWチップに割れや著しい欠けが発生するが、体積抵抗率が1.00×109Ω・cm以上のLiTaO3ウェハであれば、ダイシング後に問題となる割れや欠けが発生しないことがわかった。
以上により、本実施形態による樹脂封止CSP型SAWデバイスにおいては、圧電基板をLiTaO3とし、この圧電基板の体積抵抗率を1.00×109〜1.43×1011Ω・cmに設定するようにした。
特に、これまでの説明から分かるように、圧電基板の体積抵抗率を1.00×109〜8.81×1010Ω・cmとし、AlまたはAlを主成分とした合金膜からなるIDTのライン幅とスペース幅を共に0.35μm以上、かつIDTの膜厚を0.09μm以上とするのが望ましい。
先に提案した表面実装型SAWデバイスの縦断面図。 焦電破壊に関する気相式温度サイクル試験の温度プロファイルを示した図。 従来の表面実装型弾性表面波デバイスの縦断面図。 従来例の欠点を説明する図。
符号の説明
1 SAWデバイス、2 実装基板、3 絶縁基板、4 外部電極、5 配線パターン、6 内部導体、10 導体バンプ、15 SAWチップ、16 接続パッド、17 IDT電極、18 圧電基板、21 封止樹脂

Claims (1)

  1. 絶縁基板、該絶縁基板の底部に配置した表面実装用の外部電極、前記絶縁基板の上部に配置され且つ前記外部電極と導通した配線パターンを備えた実装基板と、
    圧電基板、該圧電基板の一面に形成したIDT電極、及び前記配線パターンと導体バンプを介して接続される接続パッドを備えた弾性表面波チップと、
    前記弾性表面波チップを実装基板上にフリップチップ実装した状態で弾性表面波チップ外面から実装基板上面にかけて被覆形成されることにより前記IDT電極と前記実装基板との間に気密空間を形成する封止樹脂と、を備え、
    前記圧電基板の結晶構造がシェーンフリース記号でC1、C2、CS、C2V、C4、C4V、C3、C3V、C6、C6Vの何れかの点群に属している表面実装型弾性表面波デバイスにおいて、
    前記封止樹脂の比誘電率が3.2以下、前記弾性表面波チップ上面の封止樹脂の厚みが0.02mm以上、前記圧電基板がタンタル酸リチウム、及び前記圧電基板の体積抵抗率が1.00×109〜1.43×1011Ω・cmであることを特徴とする表面実装型弾性表面波デバイス。
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JP2012186634A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Murata Mfg Co Ltd 電子部品
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JP2017199969A (ja) * 2016-04-25 2017-11-02 株式会社村田製作所 回路モジュール

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