JPH10163800A - 弾性表面波装置及びその製造方法 - Google Patents

弾性表面波装置及びその製造方法

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JPH10163800A
JPH10163800A JP31381096A JP31381096A JPH10163800A JP H10163800 A JPH10163800 A JP H10163800A JP 31381096 A JP31381096 A JP 31381096A JP 31381096 A JP31381096 A JP 31381096A JP H10163800 A JPH10163800 A JP H10163800A
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JP
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electrode
substrate
acoustic wave
piezoelectric substrate
surface acoustic
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JP31381096A
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Hiroshi Okano
寛 岡野
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所期の性能が得られ、然も高い歩留りと生産
能率を実現出来るパッケージレス型の弾性表面波装置及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 弾性表面波素子2は、圧電体基板21の表
面に櫛形電極22を具え、該電極22の表面は、陽極酸化法
により形成した酸化被膜8によって覆われている。圧電
体基板21は、電極形成面を固定基板20の表面に対向させ
て、固定基板20上の回り込みリード26の基端部とバンプ
27を介して接合される。該弾性表面波素子2は、回り込
みリード26の先端部を回路基板4上のパッド41に半田付
けされて、回路基板4上に実装される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体基板の表面
に弾性表面波励振用の電極を形成してなる弾性表面波素
子に関し、特に、弾性表面波素子を回路基板に実装する
ためのパッケージ化が不要な弾性表面波装置及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、弾性表面波素子を回路基板上
に実装する場合、図8に示す如く、弾性表面波素子(5)
をパッケージ(6)に収容することが行なわれている。図
8において、弾性表面波素子(5)は、圧電体基板(51)の
表面に櫛形電極(52)及び反射器(53)を形成して構成さ
れ、パッケージ(6)の内面に固定されている。パッケー
ジ(6)の底部には複数の電極片(61)(61)が設けられ、各
電極片(61)と櫛形電極(52)の信号入出力部となる各パッ
ド(55)とが、ワイヤー(56)によって互いにボンディング
されている。
【0003】ところが、上述の如きパッケージ型の弾性
表面波装置においては、弾性表面波素子(5)をパッケー
ジ(6)内に収容する作業が必要であり、これによって製
造工程が複雑となるばかりでなく、装置の構成も複雑と
なり、パッケージの高いコスト化を招来する。そこで、
出願人は図9及び図10に示す如く、電極形成面を下向
き或いは上向きとして、弾性表面波素子(3)を回路基板
(4)に表面実装することが可能な弾性表面波装置を開発
した。
【0004】図9に示す弾性表面波装置において、弾性
表面波素子(3)は、圧電体基板(31)の下面に櫛形電極(3
2)及び反射器(33)が形成され、櫛形電極(32)及び反射器
(33)は保護膜(35)によって覆われており、保護膜(35)に
形成した複数の開口(35a)(35a)から、櫛形電極(32)の信
号入出力部となる複数のパッド(34)(34)が露出してい
る。一方、回路基板(4)の表面には、該基板上に設けら
れた電子回路の信号入出力部となる複数のパッド(41)が
形成され、各パッド(41)の表面には金からなるバンプ(3
6)が形成されている。上記弾性表面波素子(3)は、各パ
ッド(34)が回路基板(4)上のバンプ(36)に接合されて、
回路基板(4)に表面実装される。
【0005】又、図10に示す弾性表面波装置におい
て、弾性表面波素子(1)は、圧電体基板(11)の上面に櫛
形電極(12)及び反射器(13)が形成され、櫛形電極(12)及
び反射器(13)は保護膜(18)によって覆われており、櫛形
電極(12)の入出力部には、複数のパッド(15)(15)が形成
されている。各パッド(15)の内側領域(15a)は保護膜(1
8)によって覆われているが、外側領域(15b)は保護膜(1
8)から露出している。そして、圧電体基板(11)には、各
パッド(15)の外側領域(15b)の表面から圧電体基板(11)
の側面を経て圧電体基板(11)の裏面へ伸びる複数の回り
込み電極(17)(17)が形成されている。上記弾性表面波素
子(1)は、各回り込み電極(17)の先端部が回路基板(4)
上のパッド(41)上に半田付け(42)されて、回路基板(4)
に表面実装される。
【0006】図9及び図10に示す弾性表面波装置によ
れば、圧電体基板(31)(11)の櫛形電極(32)(12)及び反射
器(33)(13)が保護膜(35)(18)によって覆われているの
で、従来の如きパッケージ化は不要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如く
櫛形電極を保護膜で覆った弾性表面波装置においては、
保護膜として、下記の要件が重要となる。 (1) 基板と電極の段差部を十分な厚さで覆うこと(十分
なステップカバーレッジ) (2) 耐環境性が優れていること (3) 基板材料との音速の差が小さいこと これらの条件を考慮して、これまでは、SiO2等の誘電
体材料をスパッタリング法やCVD法によって成膜する
ことが行なわれている。
【0008】しなしながら、スパッタリング法では、均
一な厚さの保護膜が得られず、然も十分なステップカバ
ーレッジを得るためには大きな膜厚が必要となるため、
弾性表面波素子の性能に支障を来たす問題がある。一
方、CVD法では、耐環境性に優れた保護膜を得るため
に、基板温度を200℃以上に上げる必要があり、これ
によって、圧電基板の割れ、電極性能の劣化、生産性の
低下等の問題が生じる。又、スパッタリング法、CVD
法の何れにおいても、基板の全面に保護膜が形成される
ので、基板を素子毎にダイシングする際、ダイシングに
伴う保護膜の剥離を防止するべく、予め、ダイシングラ
インに沿って保護膜を部分的にエッチング除去する必要
があり、更に導通をとるためのパッド上のエッチングも
必要となり、これによって工数の大幅な増加を招来する
問題がある。
【0009】そこで本発明の目的は、上記の問題点を一
挙に解決して、所期の性能が得られ、然も高い歩留りと
生産能率を実現出来るパッケージレス型の弾性表面波装
置及びその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決する為の手段】本発明に係る弾性表面波装
置においては、少なくとも表層部が圧電性を有する圧電
体基板(21)の表面に弾性表面波励振用の電極(22)が形成
され、該電極(22)の表面は、陽極酸化法により形成した
酸化被膜(8)によって覆われている。
【0011】陽極酸化法によって形成した酸化被膜(以
下、陽極酸化被膜という)(8)は、均一な厚さを有して
おり、弾性表面波素子の特性に高い再現性が得られる。
又、陽極酸化被膜(8)は、電極(22)の表層部を酸化させ
て形成されたものであるから、ステップカバーレッジは
良好である。又、陽極酸化被膜(8)は10nm程度の厚
さにおいても耐環境性に優れている。更に、陽極酸化被
膜(8)は、電極(22)の資材(例えばアルミニウム)が酸化
したもの(例えばアルミナAl23)であるから、電極(2
2)が陽極酸化被膜(8)で覆われていても、例えば0.1
μm以下の膜厚であれば、弾性表面波の伝搬特性に悪影
響を与えることはない。従って、上記本発明の弾性表面
波装置によれば、弾性表面波素子をパッケージに収容す
ることなく、回路基板上に実装することが可能である。
【0012】具体的構成において、圧電体基板(21)は、
電極形成面を固定基板(20)の表面に対向させて、該表面
から離間した位置にて固定基板(20)上に固定され、圧電
体基板(21)と固定基板(20)とは互いに電気的に接続され
て、圧電体基板(21)の電極(22)は、固定基板(20)に設け
られたリード手段を介して外部回路と接続可能である。
上記具体的構成を有する弾性表面波装置を回路基板の表
面に実装して、固定基板(20)のリード手段を回路基板上
の外部回路と接続することによって、外部回路から電極
(22)の入力部へ入力信号が供給されると共に、電極(22)
の出力部から得られる出力信号が外部回路へ供給され
る。
【0013】更に具体的には、固定基板(20)と圧電体基
板(21)の間に形成された内部空間を包囲して封止樹脂(2
8)が充填され、該封止樹脂(28)によって両基板が互いに
固定されている。上記具体的構成の採用によって、電極
(22)が面する内部空間は、固定基板(20)、圧電体基板(2
1)及び封止樹脂(28)によって周囲が封止され、防塵、防
湿が図られる。又、封止樹脂(28)によって、固定基板(2
0)と圧電体基板(21)の連結強度が保たれる。
【0014】更に又、固定基板(20)のリード手段は、固
定基板(20)の表面と裏面に跨って形成された複数本のリ
ード(26)であって、各リード(26)は、圧電体基板(21)の
電極(22)の信号入出力部と接合されるべき基端部から固
定基板(20)の裏面へ伸びて、各リード(26)の先端部が、
回路基板上の外部回路の信号入出力部と接合可能であ
る。上記具体的構成を有する弾性表面波装置は、各回り
込みリード(26)の先端部を回路基板上の外部回路の各パ
ッドと接合して、回路基板上に実装される。
【0015】本発明に係る弾性表面波装置の製造方法
は、下記の第1工程乃至第3工程を有している。第1工
程では、少なくとも表層部が圧電性を有する圧電体基板
(21)の表面に弾性表面波励振用の電極(22)を形成する。
第2工程では、圧電体基板(21)の電極(22)に対し、陽極
酸化法による酸化を施して、電極(22)の表層部に陽極酸
化被膜(8)を形成する。第3工程では、外部回路との接
続のためのリード手段が設けられた固定基板(20)の表面
に、第2工程を経た圧電体基板(21)の電極形成面を対向
させて、該表面から離間した位置にて圧電体基板(21)を
固定基板(20)に固定すると共に、圧電体基板(21)の電極
(22)と固定基板(20)のリード手段とを互いに電気的に接
続する。
【0016】上記本発明の製造方法において、第2工程
は、第1工程を経て得られた圧電体基板(21)を電解液(8
1)中に浸漬して、該電解液(81)中に設置した陰極板(82)
と圧電体基板(21)の電極(22)との間に所定の直流電圧を
印加する。これによって、電極(22)の表層部に、印加電
圧の大きさに応じた均一な厚さの陽極酸化被膜(8)が形
成されることになる。尚、陽極酸化被膜(8)は、電極(2
2)の表面が空気と接触によって自然に酸化して形成され
る酸化被膜よりも大きな膜厚となる。これに対し、圧電
体基板(21)は絶縁性を有しているので、第2工程によっ
て圧電体基板(21)の表面に陽極酸化被膜が形成されるこ
とはない。従って、圧電体基板(21)を素子毎にダイシン
グする際、ダイシングラインは露出しており、従来の如
き保護膜のエッチング除去は不要である。
【0017】具体的には、第3工程の実施後、固定基板
(20)と圧電体基板(21)の間に形成された内部空間を包囲
して、封止樹脂(28)を充填する。この結果、電極(22)が
面する内部空間は、固定基板(20)、圧電体基板(21)及び
封止樹脂(28)によって周囲が封止され、陽極酸化被膜
(8)と共に、防塵、防湿効果を発揮する。又、封止樹脂
(28)によって、固定基板(20)と圧電体基板(21)とが連結
固定される。
【0018】又、具体的には、第1工程にて、電極(22)
の信号入力部及び信号出力部に夫々、金或いは金と同等
のイオン化傾向を有する材料からなるバンプ(27)を形成
し、第3工程にて、圧電体基板(21)のバンプ(27)を固定
基板(20)のリード手段と接合せしめる。上記具体的工程
によれば、バンプ(27)は次の第2工程で酸化を受けず、
バンプ(27)の表面には陽極酸化被膜は形成されないの
で、第1工程にて、該バンプ(27)をそのまま固定基板(2
0)のリード手段に接合せしめることが可能である。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、電極表面を陽極酸化被
膜によって覆う新規な構造の採用によって、回路基板に
実装する際のパッケージ化が不要となるばかりでなく、
所期の性能を有する弾性表面波装置を高い歩留りと生産
能率で製造することが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、図面に沿って具体的に説明する。図1及び図2は、
本発明の弾性表面波装置を回路基板(4)上に実装した状
態を表わしている。弾性表面波素子(2)は、水晶、タン
タル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ほう酸リチウム、
ランガサイト等からなる圧電体基板(21)の表面に、アル
ミニウムからなる櫛形電極(22)を形成して構成され、該
弾性表面波素子(2)は、圧電体基板(21)の電極形成面を
下向きにして、樹脂、セラミックス、ガラス等からなる
固定基板(20)上に接合されている。尚、圧電体基板(21)
としては、ガラス、シリコン、サファイア等の弾性体基
板の表面に、酸化亜鉛、窒化アルミニウム等の圧電薄膜
を形成したものを採用することも可能である。
【0021】圧電体基板(21)の櫛形電極(22)には、その
入力部及び出力部に夫々一対の接続電極(25)(25)が形成
され、各接続電極(25)の表面には、金からなるバンプ(2
7)が形成されている。櫛形電極(22)及び反射器(23)は、
その表面全体が厚さ0.1μmの陽極酸化被膜(8)によ
って覆われると共に、接続電極(25)は、バンプ(27)の形
成面を除く表面領域が同様の陽極酸化被膜(8)によって
覆われている。尚、図2では、陽極酸化被膜(8)の図示
を省略している。一方、固定基板(20)には、圧電体基板
(21)のバンプ(27)毎に、基板表面から側面を経て裏面へ
伸びる回り込みリード(26)が形成されており、各回り込
みリード(26)の基端部は、圧電体基板(21)の対応するバ
ンプ(27)に接合されると共に、固定基板(20)の裏面に伸
びた先端部は、回路基板(4)上の対応するパッド(41)に
半田層(42)を介して接合されている。
【0022】又、固定基板(20)と圧電体基板(21)の間に
形成された内部空間を包囲して、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂等からなる熱硬化型或いは紫外線硬化型の封止樹
脂(28)が充填されて、内部空間の周囲が封止されてい
る。尚、図2は、封止樹脂(28)の図示を省略している。
【0023】上記弾性表面波装置は、図3(a)〜(e)に
示す工程によって作製される。図3(a)〜(c)に示す工
程は、これらの図中に示す圧電体基板(21)がダイシング
前のウエハ(図4に示す圧電体ウエハ(9))の状態で実施
されるが、これらの工程図では、便宜上、ダイシング後
の圧電体基板(21)として描いている。図3(a)に示す如
く、圧電体基板(21)の表面に、アルミニウムからなる櫛
形電極(22)、反射器(23)及び接続電極(25)を所定のパタ
ーンに形成した後、同図(b)の如く各接続電極(25)の表
面に金のバンプ(27)を形成する。尚、櫛形電極(22)は、
例えば線幅が4.2μm、配列ピッチが16μmに形成
される。
【0024】次に、図3(c)に示す如く櫛形電極(22)、
反射器(23)及び接続電極(25)の表面に、陽極酸化法によ
って、厚さ0.1μmの陽極酸化被膜(8)を形成する。
陽極酸化法においては、図4に示す如く、電解液(81)が
満たされた容器(80)中に、グラファイトからなる陰極板
(82)と共に、電極パターン(91)が形成された複数枚の圧
電体ウエハ(9)を浸漬し、陰極板(82)と各圧電体ウエハ
(9)の電極パターン(91)との間に、直流電源(83)から所
定の電圧を印加する。電解液(81)としては、例えば、エ
チレングリコール(50%)とホウ酸アンモニウム飽和水
溶液(50%)を混合したものを使用することが出来る。
又、0.1μmの厚さの陽極酸化被膜(8)を形成するた
めには、約100Vの電圧を10秒間印加すればよい。
【0025】図5のグラフは、イオンビームエッチング
(IBS)によって形成したアルミニウム電極と、RFス
パッタリング(RFS)によって形成したアルミニウム電
極とを対象として、上記装置により陽極酸化被膜を形成
した場合の印加電圧と膜厚の関係を表わしている。この
グラフから明らかなように、電極形成方法に拘わらず、
印加電圧と膜厚の間には、精度の高い線形関係(10Å
/V)が得られており、印加電圧によって精度の高い膜
圧制御が可能である。
【0026】上述の陽極酸化法によって、図3(c)に示
す如く櫛形電極(22)及び反射器(23)の全表面を覆って陽
極酸化被膜(8)が形成されると共に、接続電極(25)のバ
ンプ(27)が形成された領域を除く表面領域に、均一な厚
さの陽極酸化被膜(8)が形成される。ここで、圧電体基
板(21)の露出面は、圧電体基板(21)が非導電性のため、
電流が流れず、陽極酸化被膜は形成されない。又、バン
プ(27)はイオン化の極めて小さな金からなるため、酸化
されず、陽極酸化被膜は形成されない。尚、陽極酸化法
による酸化被膜の形成に関しては、XPS(光電子分光
法)、深さ方向の組成分析及び電子顕微鏡写真によっ
て、アルミニウム電極の表層部に、均質で緻密なアルミ
ナが均一な厚さで形成されていることを確認した。
【0027】次に、図3(d)に示す如く、固定基板(20)
に、圧電体基板(21)のバンプ(27)毎に固定基板(20)の表
面から裏面へ伸びる回り込みリード(26)を形成する。回
り込みリード(26)は、例えば導電性インクの塗布によっ
て容易に形成することが出来る。そして、圧電体基板(2
1)の電極形成面を下向きとして、該圧電体基板(21)のバ
ンプ(27)を固定基板(20)上に回り込みリード(26)に圧着
せしめる。これによって、圧電体基板(21)が固定基板(2
0)上に接合されることになる。
【0028】その後、図3(e)に示す如く、圧電体基板
(21)と固定基板(20)の間に形成された内部空間を包囲し
て、その内部空間の周囲に熱硬化型或いは紫外線硬化型
の封止樹脂(28)を塗布して充填する。そして、該封止樹
脂(28)を加熱或いは紫外線の照射によって硬化せしめ
る。この結果、本発明の弾性表面波装置が完成する。
【0029】上記本発明の弾性表面波装置を図1の如く
回路基板(4)上に実装する際は、回路基板(4)の各パッ
ド(41)上にクリーム半田を塗布して、固定基板(20)の各
回り込みリード(26)の先端部を該クレーム半田に圧着せ
しめ、この状態でリフロー処理を施して、半田層(42)に
よって弾性表面波装置を回路基板(4)上に固定する。
【0030】上述の弾性表面波装置によれば、陽極酸化
法によって酸化被膜(8)を形成するので、理論的には膜
厚分布は発生せず、均一な厚さの陽極酸化被膜(8)が得
られる。従って、弾性表面波素子の特性に高い再現性が
得られる。又、陽極酸化被膜(8)は櫛形電極(22)の表層
部を酸化させて形成されたものであるから、ステップカ
バーレッジは良好である。又、陽極酸化被膜(8)はその
形成条件を最適化することによって、10nm以下の厚
さにおいても優れた耐環境性が得られる。更に、陽極酸
化被膜(8)は緻密なアルミナによって形成されているの
で、耐湿性等の耐環境性に優れている。この点に関して
は、本発明の弾性表面波装置を、高温(60℃)、高湿度
(90%)の雰囲気中に1000時間保持する試験によっ
て、その性能を確認している。
【0031】又、上述の弾性表面波装置の製造方法によ
れば、圧電体基板(21)の表面に陽極酸化被膜は形成され
ないので、圧電体基板(21)を素子毎にダイシングする
際、ダイシングライン上の保護膜をエッチング除去する
従来の工程は不要である。更に、陽極酸化法は簡易な装
置によって容易に実施出来るので、低コストで高い生産
性が得られる。
【0032】図6及び図7は、本発明の他の実施例を表
わしている。図6の如く、ダイシング前の固定基板(71)
の表面にパッド(75)を所定パターンに形成する。一方、
ダイシング前の圧電体基板(72)の表面には、所定の電極
パターン(73)を形成した後、該電極パターン(73)の信号
入出力部に夫々バンプ(74)を形成する。そして、該圧電
体基板(72)の電極パターン(73)の表層部に、陽極酸化法
による酸化被膜(図示省略)を形成する。その後、圧電体
基板(72)のバンプ(74)を固定基板(71)のパッド(75)に接
合せしめて、固定基板(71)上に圧電体基板(72)を固定す
る。
【0033】最後に、図中の破線に沿うダイシングを施
して、図7に示す弾性表面波素子チップ(70)を得る。該
弾性表面波素子チップ(70)においては、電極パターン(7
3)の表面が陽極酸化被膜(8)によって覆われている。該
弾性表面波素子チップ(70)を回路基板上に実装する際
は、例えば図1に示す回り込みリード(26)と同様のリー
ド手段を設ける。
【0034】上記弾性表面波素子チップ(70)及びその製
造方法によって、前述の実施例と同様の効果が得られる
のは言うまでもない。又、図6に示す弾性表面波素子ブ
ロック(7)を半製品として市場に提供することも可能で
ある。
【0035】上記実施の形態の説明は、本発明を説明す
るためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を
限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。
又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許
請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能で
あることは勿論である。例えば、図1に示すバンプ(27)
による接合強度が十分な大きさを有している場合は、封
止樹脂(28)は省略することが出来る。又、図3(b)に示
すバンプ(27)は、同図(c)に示す陽極酸化被膜(8)の形
成後、該陽極酸化被膜(8)の必要領域をエッチングによ
り除去した後に形成することも可能である。
【0036】更に本発明は、図9及び図10に示す如く
固定基板を使用せずに回路基板上に実装する構成の弾性
表面波装置に実施することも可能である。この際、保護
膜(35)(18)の形成は省略することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性表面波装置を回路基板上に実
装した状態を表わす断面図である。
【図2】同上の状態を表わす一部破断平面図である。
【図3】図1及び図2に示す弾性表面波装置の製造工程
を表わす一連の断面図である。
【図4】陽極酸化法による酸化被膜の形成に用いる装置
の概略構成を表わす図である。
【図5】陽極酸化法における印加電圧と膜厚の関係を表
わすグラフである。
【図6】他の実施例を表わす弾性表面波素子ブロックの
断面図である。
【図7】該実施例によって得られる弾性表面波素子チッ
プの全体の断面、及びその要部を拡大して表わす図であ
る。
【図8】従来のパッケージ型の弾性表面波装置を表わす
断面図である。
【図9】従来の他の弾性表面波装置を表わす断面図であ
る。
【図10】従来の更に他の弾性表面波装置を表わす断面
図である。
【符号の説明】
(2) 弾性表面波素子 (20) 固定基板 (21) 圧電体基板 (22) 櫛形電極 (23) 反射器 (25) 接続電極 (26) 回り込みリード (27) バンプ (28) 封止樹脂 (4) 回路基板 (41) パッド (42) 半田層 (8) 陽極酸化被膜 (81) 電解液 (82) 陰極板 (83) 直流電源 (9) 圧電体ウエハ (91) 電極パターン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表層部が圧電性を有する圧電
    体基板(21)の表面に弾性表面波励振用の電極(22)が形成
    され、該電極(22)の表面は、陽極酸化法により形成した
    酸化被膜(8)によって覆われていることを特徴とする弾
    性表面波装置。
  2. 【請求項2】 圧電体基板(21)は、電極形成面を固定基
    板(20)の表面に対向させて、該表面から離間した位置に
    て固定基板(20)上に固定され、圧電体基板(21)と固定基
    板(20)とは互いに電気的に接続されて、圧電体基板(21)
    の電極(22)は、固定基板(20)に設けられたリード手段を
    介して外部回路と接続可能である請求項1に記載の弾性
    表面波装置。
  3. 【請求項3】 固定基板(20)と圧電体基板(21)の間に形
    成された内部空間を包囲して封止樹脂(28)が充填され、
    該封止樹脂(28)によって両基板が互いに固定されている
    請求項2に記載の弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】 固定基板(20)のリード手段は、固定基板
    (20)の表面と裏面に跨って形成された複数本のリード(2
    6)であって、各リード(26)は、圧電体基板(21)の電極(2
    2)の信号入出力部と接合されるべき基端部から固定基板
    (20)の裏面へ伸びて、各リード(26)の先端部が、回路基
    板上の外部回路の信号入出力部と接合可能である請求項
    2又は請求項3に記載の弾性表面波装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも表層部が圧電性を有する圧電
    体基板(21)の表面に弾性表面波励振用の電極(22)を形成
    する第1工程と、 圧電体基板(21)の電極(22)に対し、陽極酸化法による酸
    化を施して、電極(22)の表層部に酸化被膜(8)を形成す
    る第2工程と、 外部回路との接続のためのリード手段が設けられた固定
    基板(20)の表面に、第2工程を経た圧電体基板(21)の電
    極形成面を対向させて、該表面から離間した位置にて圧
    電体基板(21)を固定基板(20)に固定すると共に、圧電体
    基板(21)の電極(22)と固定基板(20)のリード手段とを互
    いに電気的に接続する第3工程とを有している弾性表面
    波装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 第3工程の実施後、固定基板(20)と圧電
    体基板(21)の間に形成された内部空間を包囲して、封止
    樹脂(28)を充填する第4工程を有している請求項5に記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】 第1工程では、電極(22)の信号入力部及
    び信号出力部に夫々、金或いは金と同等のイオン化傾向
    を有する材料からなるバンプ(27)を形成し、第3工程で
    は、圧電体基板(21)のバンプ(27)を固定基板(20)のリー
    ド手段と接合せしめる請求項5又は請求項6に記載の製
    造方法。
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