JP2007096203A - 2次元キャリアガス層を有する電界効果トランジスタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電子走行層8とn型電子供給層9とを含む主半導体領域1の第1の主面11上にソース電極3とドレイン電極4とゲート電極5とを設けると共にn型の有機半導体膜6を設ける。ノーマリオフ特性が得られるようにn型電子供給層9を薄く形成する。n型の有機半導体膜6は、薄いn型電子供給層9に基づく2DEG層14の電子濃度の低下を補って、オン抵抗の低減を防ぐ働きを有する。
【選択図】図1
Description
(1) 例えばGaN電子走行層の上にノーマリオフを可能にする厚みを有する例えばn型AlGaNから成る電子供給層をエピタキシャル成長で形成し、更にその上にアンドープのAlGaNから成るキャップ層(補助層)を設け、このキャップ層の上にゲート電極を設けるか、又はキャップ層を選択的に除去して電子供給層を露出させて電子供給層にゲート電極を設けること。
(2) 電子供給層を厚く形成し、電子供給層のゲート電極対応部分をエッチングで除去してノーマリオフを可能にする厚みを有する薄い部分を電子供給層に形成し、この薄い部分の上にゲート電極を設けること。
また、ショットキー接触のゲート電極を有するHEMTに限らず、絶縁ゲート電極を有し且つ2DEG層等の2次元キャリア層を有する別の電界効果トランジスタにおいても、オン抵抗の低減が要求されている。また、2DEG層の代りに2次元キャリアガス層として2次元ホールガス層を使用する電界効果トランジスタにおいても、2DEG層を使用する電界効果トランジスタと同様な問題がある。
互いに対向している第1及び第2の主面と、第1導電型を有し且つ結晶構造を有している第1の半導体層と、2次元キャリアガスを生成するために前記第1の半導体層と異なる半導体材料から成り且つ前記第1の半導体層に隣接配置され且つ前記第1の主面に対して前記第1の半導体層よりも遠い位置に配置され且つ結晶構造を有している第2の半導体層とを備えた半導体領域と、
前記半導体領域の前記第1の主面上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
前記半導体領域の前記第1の主面における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に配置されたゲート電極と、
前記半導体領域の前記第1の主面における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の少なくとも一部の上に配置され且つ前記第1導電型を有している有機半導体膜と
を備えていることを特徴とする電界効果トランジスタに係わるものである。
また、請求項3に示すように、前記第1導電型はn型であり、前記有機半導体膜はn型を示すフラーレン又は金属フタロシアニンから成ることが望ましい。
また、請求項4に示すように、前記半導体領域は、更に、前記第1の半導体層の上に配置されており且つ導電型不純物がドープされていない結晶半導体から成るキャップ層を有していることが望ましい。
また、請求項5に示すように、前記半導体領域は、更に、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間に配置されており且つ導電型不純物がドープされていない結晶半導体から成り且つ前記第1の半導体層よりも薄く形成されているスペーサー層を有していることが望ましい。
また、請求項6に示すように、更に、前記半導体領域と前記有機半導体膜との間に絶縁膜を配置することができる。
また、請求項7に示すように、更に、前記第1導電型を有する前記有機半導体膜の上に配置され且つ前記第1導電型と反対の第2導電型を有している別の有機半導体膜を備えていることが望ましい。
また、請求項8に示すように、更に、前記第1の導電型を有する前記有機半導体膜と前記第2導電型を有する前記別の有機半導体膜との間に絶縁膜を配置することができる。
また、請求項9に示すように、更に、前記半導体領域の前記一方の主面上に配置され且つ前記ゲート電極又は前記ドレイン電極に接続された抵抗性フィールドプレートを有していることが望ましい。
また、請求項10に示すように、更に、前記第1導電型を有する前記有機半導体膜の上に配置され且つ前記ゲート電極又は前記ドレイン電極に接続されたフィールドプレートを有していることが望ましい。
また、請求項11に示すように、更に、前記第1導電型の前記有機半導体膜と前記半導体領域の前記第1の主面との間に絶縁膜を配置することができる。
また、請求項12に示すように、更に、前記ゲート電極と前記半導体領域の前記第1の主面との間にゲート絶縁膜を配置することができる。
(1) 本発明に従って結晶構造を有する第1の半導体層の上に形成された非晶質の有機半導体膜は、第1の半導体層と同一の第1導電型を有している。従って、第1導電型の有機半導体膜は、第1の半導体層と同様にキャリア(例えば電子)を第2の半導体層に供給するためのキャリア供給層(例えば電子供給層)として機能する。従って、結晶構造を有する第1の半導体層の厚みを従来と同一とし、この上に本発明に従う有機半導体膜を設けた場合には、第1の半導体層を従来よりも厚くしたと同様な効果を得ることができ、2次元キャリアガス層(例えば2DEG層)のキャリア濃度が高くなり、電界効果トランジスタのオン抵抗が低減する。
(2) ノーマリオフ特性を得ることができるように第1の半導体層を薄くし、且つ本発明に従う第1の半導体層と同一導電型の有機半導体膜を形成した場合には、ノーマリオフ特性が得られるにも拘らず、オン抵抗を比較的低い値に保つことができる。即ち、オン抵抗が小さく且つノーマリオフ特性を有している電界効果トランジスタを提供することができる。
(3) 有機半導体膜を形成することによる結晶構造の半導体領域の特性劣化は、上記(1)(2)の従来方法に比べて少ない。従って、電気的特性の劣化を抑えてオン抵抗の低い電界効果トランジスタ又はノーマリオフ特性の電界効果トランジスタを提供することができる。
(4) 本発明の好ましい実施例に従って、第2導電型の有機半導体膜を設けると、コラプスを抑制することができる。
主半導体領域1の各層8,9,10は、例えばGaN,InGaN,AlGaN,AlInGaN,AlN,InAlN,AlP,GaP,AlInP,GaInP,AlGaP,AlGaAs,GaAs,AlAs,InAs,InP,InN,GaAsP,Si,SiC,C等の結晶構造を有する半導体材料で形成される。高耐圧のHEMTを得る場合には、主半導体領域1の各層8,9,10を窒化物半導体で構成することが望ましい。次に、HEMTの各部を更に詳しく説明する。
AlxGa1-xN,
ここで、xは0<x<1を満足する数値であり、好ましくは0.2〜0.4であり、より好ましくは0.3である。
電子供給層10は、比較的薄く形成されているので、主半導体領域1の第1の主面11に垂直方向の抵抗は無視できる程小さく、第1の主面11に平行な方向(横方向)の抵抗は垂直方向よりも大きい。従って、ドレイン・ソース間電流の電子供給層10を横方向に流れる成分を無視することができる。
第1の有機半導体膜6は、結晶構造を有するn型窒化物半導体から成る電子供給層10と同一の導電型(n型)を有する非晶質半導体であり、例えばフラーレン(Fullerene)又はフラーレン誘導体(好ましくはC60又はC70)、又はCu等を含む金属フタロシアニン等で形成される。このn型の第1の有機半導体膜6は、例えば周知の蒸着、スパッタリング、スピンオン(塗布)、ゾルゲル法等で形成される。好ましくは、第1の有機半導体膜6はCuフタロシアニンのスピンオン法又は蒸着によって約200nmの厚さに形成される。
p型の第2の有機半導体膜7によるコラプス改善を更に別の観点で説明すると、p型の第2の有機半導体膜7とn型の第1の有機半導体膜6とn型AlGaNから成る電子供給層10と2DEG層14とを1つのコンデンサと考えることができる。この場合には、n型の電子供給層10とn型の第1の有機半導体膜6がコンデンサの誘電体層として機能し、p型の第2の有機半導体膜7がコンデンサの正電極として機能し、2DEG層14がコンデンサの負電極として機能する。誘電体層としての第1の有機半導体膜6の主面がp型の第2の有機半導体膜7によって正電位に固定されると、電子供給層6のヘテロ接合面13の負電荷の安定化が図られる。この結果、コラプス現象に基づく2DEG層14の電子濃度の低減が小さくなる。
(1) 比較的薄い電子供給層10によってノーマリオフ特性のHEMTが得られる。また、n型の第1の有機半導体膜6が電子供給層10を厚くしたと等価な作用を有するので、2DEG層14における電子濃度が比較的高くなり、オン抵抗の小さい即ち伝導度の高いHEMTを提供することができる。従って、ノーマリオフ特性を有しているにも拘わらずオン抵抗が小さいHEMTを得ることができる。なお、第1の有機半導体膜6はゲート電極5の下に配置されていないので、ノーマリオフ動作を妨害しない。
(2) n型の第1の有機半導体膜6は、主半導体領域1を形成する時の温度よりも低い温度で形成されるので、結晶構造を有する電子供給層10を厚く形成する場合、又は電子供給層10を複数の層の積ね合せで構成する場合に比べて主半導体領域1の半導体結晶の劣化又は不要な不純物拡散を防ぐことができ、特性の良いHEMTを提供できる。
(3) ノーマリオフ特性を得るために従来の厚い電子供給層に凹部を作り、この凹部の中にゲート電極を形成する方法に比べて、本実施例は電子供給層に凹部を形成する工程を含まないので、主半導体領域1のダメージが少ない。従って、ノーマリオフ特性のHEMTの製造が容易であるのみでなく特性を良好に維持することができる。
(4) p型の第2の有機半導体膜7の働きによってコラプスを改善することができる。
(5) 主半導体領域1は窒化物半導体から成るので高耐圧のHEMTを提供できる。
なお、図3において破線で示すように、主半導体領域1の第1の主面11の第1の有機半導体膜6が設けられない部分の一部又は全部に第2の有機半導体膜7を配置し、コラプス改善効果を高めることができる。
なお、図4において破線で示すように、主半導体領域1の第1の主面11の第1の有機半導体膜6が設けられない部分の一部又は全部に第2の有機半導体膜7を配置し、コラプス改善効果を高めることができる。
なお、図5において破線で示すように、主半導体領域1の第1の主面11の第1の有機半導体膜6が設けられない部分の一部又は全部に第2の有機半導体膜7を配置し、コラプス改善効果を高めることができる。
なお、図6において破線で示すように、主半導体領域1の第1の主面11の第1の有機半導体膜6が設けられない部分の一部又は全部に第2の有機半導体膜7を配置し、コラプス改善効果を高めることができる。
なお、図7のキャップ層21とスペーサー層22といずれか一方又は両方を図3〜図6の実施例2〜5,及び後述する図8〜図14の実施例7〜13のHEMTにも設けることができる。また、図7において、キャップ層21とスペーサー層22といずれか一方を省き、残りの他方のみを設けることができる。
なお、図13においても第1及び第2の有機半導体膜6、7を図3〜図6に示すように限定的に配置することができる。また、図13の第1の有機半導体膜6を図3〜図6に示すように限定して設ける場合において、主半導体領域1の第1の主面11における第1の有機半導体膜6が設けられない部分の一部又は全部に第2の有機半導体膜7又は絶縁膜15又はこれ等の両方を配置することができる。
図14に示す実施例13によっても、第1の有機半導体膜6によるオン抵抗の改善効果、及び第2の有機半導体膜7によるコラプス改善効果を図1の実施例1と同様に得ることができる。
なお、図14においても第1及び第2の有機半導体膜6、7を図3〜図6に示すように限定的に配置することができる。また、図13の第1の有機半導体膜6を図3〜図6に示すように限定して設ける場合において、主半導体領域1の第1の主面11における第1の有機半導体膜6が設けられない部分の一部又は全部に第2の有機半導体膜7又は絶縁膜又はこれ等の両方を配置することができる。
(1) 図1,及び図3〜図14の電子供給層10をp型半導体の正孔供給層に置き換えることができる。この場合には、2DEG層11に対応する領域に2次元キャリアガス層として2次元正孔ガス層が生じる。この様に2次元キャリアを正孔とする場合には、第1の有機半導体膜6をp型に変更し、第2の有機半導体膜7をn型に変更する。
(2) 主半導体領域1、1aに必要に応じて更に別の半導体層を付加することができる。例えば、ソース電極3の下にソースコンタクト層を配置し、ドレイン電極4の下にドレインコンタクト層を配置することができる。また、ソース電極3及びドレイン電極4を電子走行層8に直接的に接続することもできる。
(3) 図9及び図10の抵抗性ショットキバリア型フィールドプレート14、並びに図11及び図12の抵抗性フィールドプレート14aを主半導体領域1の第1の主面11上におけるゲート電極5とソース電極3との間にも設けることができる。
(4) 支持基板2をシリコン以外のシリコン化合物、又はサファイア、又は3−5族化合物半導体で形成することができる。
2 支持基板
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 ゲート電極
6 n型の第1の有機半導体膜
7 p型の第2の有機半導体膜
8 バッファ層
9 電子走行層
10 n型の電子供給層
13 ヘテロ接合
14 2DEG層
Claims (12)
- 互いに対向している第1及び第2の主面と、第1導電型を有し且つ結晶構造を有している第1の半導体層と、2次元キャリアガスを生成するために前記第1の半導体層と異なる半導体材料から成り且つ前記第1の半導体層に隣接配置され且つ前記第1の主面に対して前記第1の半導体層よりも遠い位置に配置され且つ結晶構造を有している第2の半導体層とを備えた半導体領域と、
前記半導体領域の前記第1の主面上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
前記半導体領域の前記第1の主面における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に配置されたゲート電極と、
前記半導体領域の前記第1の主面における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の少なくとも一部の上に配置され且つ前記第1導電型を有している有機半導体膜と
を備えていることを特徴とする電界効果トランジスタ。 - 前記ゲート電極は前記第1の半導体層にショットキー接触している電極であり、前記第1の半導体層は、前記電界効果トランジスタをノーマリオフで動作させることが可能な厚みを有していることを特徴とする請求項1記載の電界効果トランジスタ。
- 前記第1導電型はn型であり、前記有機半導体膜はn型を示すフラーレン又は金属フタロシアニンから成ることを特徴とする請求項1又は2記載の電界効果トランジスタ。
- 前記半導体領域は、更に、前記第1の半導体層の上に配置されており且つ導電型不純物がドープされていない結晶半導体から成るキャップ層を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
- 前記半導体領域は、更に、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間に配置されており且つ導電型不純物がドープされていない結晶半導体から成り且つ前記第1の半導体層よりも薄く形成されているスペーサー層を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
- 更に、前記半導体領域と前記有機半導体膜との間に配置された絶縁膜を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
- 更に、前記第1導電型を有する前記有機半導体膜の上に配置され且つ前記第1導電型と反対の第2導電型を有している別の有機半導体膜を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電界効果トランジスタ。
- 更に、前記第1の導電型を有する前記有機半導体膜と前記第2導電型を有する前記別の有機半導体膜との間に配置された絶縁膜を有していることを特徴とする請求項7記載の電界効果トランジスタ。
- 更に、前記半導体領域の前記一方の主面上に配置され且つ前記ゲート電極又は前記ドレイン電極に接続された抵抗性フィールドプレートを有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
- 更に、前記第1導電型を有する前記有機半導体膜の上に配置され且つ前記ゲート電極又は前記ドレイン電極に接続されたフィールドプレートを有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
- 更に、前記第1導電型の前記有機半導体膜と前記半導体領域の前記第1の主面との間に配置された絶縁膜を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
- 更に、前記ゲート電極と前記半導体領域の前記第1の主面との間に配置されたゲート絶縁膜を有していることを特徴とする請求項1記載の電界効果トランジスタ。
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